JPH0791528B2 - シリコーンゴム用プライマー組成物 - Google Patents

シリコーンゴム用プライマー組成物

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JPH0791528B2
JPH0791528B2 JP3167798A JP16779891A JPH0791528B2 JP H0791528 B2 JPH0791528 B2 JP H0791528B2 JP 3167798 A JP3167798 A JP 3167798A JP 16779891 A JP16779891 A JP 16779891A JP H0791528 B2 JPH0791528 B2 JP H0791528B2
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primer
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邦雄 伊藤
政晴 高橋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコーンゴム用プライ
マー組成物、特にはアミノ基含有有機けい素化合物を主
剤としてなる、シリコーンゴムを金属面などの強固に接
着させるのに有用とされるシリコーンゴム用プライマー
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコ−ンゴムは物理的、化学的にすぐ
れた性質を有するものであることから各種用途に広く使
用されているが、金属、プラスチックなどとの複合体と
しても使用されている。しかし、この複合体については
シリコ−ンゴムが金属、プラスチックとの接着がわる
く、この複合体の製造には金属、プラスチックなどの面
に予じめビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(2−
メトキシエトキシ)シラン、3−メタアクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランなどのような不飽和結合を有す
るアルコキシシランまたはこれらの加水分解縮合物ある
いは共加水分解シロキサンとチタン酸エステル、有機脂
肪酸の金属塩とからなるプライマ−組成物を塗布したの
ち、シリコ−ンゴム硬化物と接着させるという方法が採
られているのであるが、このようにしてもその接着面は
例えば200 ℃以上の高温では長時間接着を維持すること
ができず、また高温油中では剥離現象を起すという欠点
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、この種のプ
ライマ−組成物についてはビニル基含有オルガノポリシ
ロキサン、ポリシロキサンレジン、アルコキシシラン、
有機過酸化物および触媒とからなるゴム糊状のものも提
案されており(特公昭56-39817号公報参照)、これによ
れば高温、高温油中での接着性は改良されるが、これに
は組成が複雑で製造面においても多くの労力と時間を要
するという不利があるし、射出成形時には射出されるゴ
ムコンパウンドの流れによってプライマ−層の1部また
は全部が剥離するという欠点があり、さらには風乾性が
わるく、プライマ−層の流動を防ぐためには一定の加熱
処理を必要とするという加工面の手間からみた不利もあ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決したシリコーンゴム用プライマー組成物に関する
ものであり、これは一般式
【0005】
【化3】
【0006】(ここにRは少なくとも1個がビニル
基、アリル基などの不飽和基である水素原子または同一
あるいは異種の非置換または置換の1価炭化水素、
、Rは同一あるいは異種の非置換または置換の1
価炭化水素、nは1〜3の整数)で示されるアミノ基含
有有機けい素および/またはその部分加水分解物を主剤
としてなることを特徴とするものである。
【0007】すなわち、本発明者らは高温、高温油中で
もすぐれた接着性を示すプライマ−組成物について種々
検討した結果、上記した一般式(I)で示されるアミノ
基含有有機けい素化合物を金属面に塗布すると、この塗
布面がシリコ−ンゴムに強固に接着されるということを
見出すと共に、この組成物が製造も容易で品質管理から
も安定なものが得られること、この接着面は200 ℃以上
の高温下、また200 ℃以上の高温油中でも安定している
こと、さらにはこの組成物は風乾性にすぐれ、接着工程
前に充分硬化し、その被覆は充分な強度を示すので接着
しようとするゴムコンパウンドの流れによってこのプラ
イマ−層が剥離脱落するようなことがなく、したがって
強大な圧力のかかる射出成形、トランスファ−成形など
にも使用し得るものであるということを確信して本発明
を完成させた。以下にこれをさらに詳述する。
【0008】
【作用】本発明はシリコ−ンゴムを金属面に強固に接着
させることがきるプライマ−組成物に関するものであ
る。本発明のプライマ−組成物は前記した一般式(I)
で示されるアミノ基含有有機けい素化合物を主剤として
なるものであるが、このR1、 R2、 R3は水素原子またはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキ
ル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニ
ル基、トリル基などのアリ−ル基、シクロヘキシル基な
どのシクロアルキル基、またはこれらの基の炭素原子に
結合した水素原子の1部または全部をハロゲン原子、シ
アノ基などで置換したクロロメチル基、3,3,3−ト
ルフルオロプロピル基、シアノメチル基などから選択さ
れる同種または異種の非置換または置換1価炭化水素基
であるが、このR1基についてはこれが反応接着性である
ということからその少なくとも1個は不飽和基とするこ
とが必要であり、この不飽和基としてはビニル基、アリ
ル基、
【0009】
【化4】
【0010】(ここにR4は水素原子またはメチル基、m
は2〜4の整数)で示されるものなどが例示される。
【0011】本発明のプライマ−組成物は被着体に塗布
したのち、単に風乾するだけでプライマ−層を形成する
が、これにはその反応を促進させるために必要に応じア
ルキルチタネ−ト、有機すず化合物、アミンなどのよう
な縮合触媒を添加してもよい。この組成物は前記したよ
うに空気中の湿分と常温でも反応して硬化皮膜を与える
ので、単に風乾するだけでもプライマ−としての効果を
発揮するが、これは使用に当って加熱してもよい。
【0012】この風乾、または加熱によって得られる硬
化皮膜は、金属、プラスチック、ゴム、セラミックなど
のような幅広い基材に適応することができるが、これは
シリコ−ンゴムとの接着性に特にすぐれており、この具
体的な用途としては乾式複写機用の定着ロ−ル、圧力ロ
−ルの芯金とゴムとの接着、プラスチック工業における
ラミネ−トロ−ルの芯金とゴムとの接着、自動車用複合
オイルシ−ル、ガスケットの製造、金属、織布などを基
材とする各種シ−ト、ベルト類の製造などが挙げられ
る。
【0013】このシリコ−ンゴムとしてはシリカを配合
した有機過酸化物加硫型、付加反応型のものが最も適し
ているが、これに限定されるものではなく、縮合型の室
温硬化性シリコ−ンゴムにも被着体によっは充分有効で
あり、これはまたシリコ−ンゴムだけでなくウレタン
系、ポリサルファイドなどの非シリコ−ン系ポリマ−に
も適用することができる。
【0014】なお、本発明のプライマ−組成物はその加
水分解によって生じるシラノ−ル基が極めて活性の高い
ものであり、従来公知のプライマ−組成物にくらべてそ
の適用範囲が広く、信頼性も高いものであるという有利
性をもつものであるが、これはさらに接着しようとする
ゴム中に混合すればそのゴム自体を接着性をもつ自己接
着性ゴムとすることもできる。なお、このプライマ−組
成物は第1層にこれを施し、第2層に従来のプライマ−
の処理を施せば、この従来のプライマ−の性能を高める
ことができる。
【0015】上記した本発明のプライマ−組成物の主剤
とされる前記した一般式(I)で示されるアミノ基含有
有機けい素化合物は対応するクロロシランとアミノ化合
物を反応させることによって容易に合成することがで
き、これは例えば式 (R1 n)SiCl4-n+2(4-n)R2R3NH → (R1 n)Si(NR2R3)4-n として示されるが、この場合には必要に応じ残存してい
るCl基を金属Mg、C2H5ONaなどで除去することが望まし
い。
【0016】本発明のプライマ−組成物は上記した一般
式(I)で示されるアミノ基含有有機けい素化合物を単
独で使用してもよいが、これは有機溶剤に希釈して用い
てもよく、この有機溶剤としてはトルエン、キシレン、
石油エ−テル類、トリクロロメタンなどの塩素化炭化水
素類、酢酸エチルなどのエステル類、メチルエチルケト
ンなどのケトン類、ヘキサメチルジシロキサン、ジメチ
ルシロキサン環状体などのシロキサン化合物などが例示
される。
【0017】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1、比較例1〜2 式 (CH2=CH)(CH3)2SiN(C2H5)2で示されるアミノ基含有
有機けい素化合物を5重量%含有するジクロロメタン溶
液(試料1)を調製し、これをJIS H-4000, A-1050Pの
アルミニウム板に塗布して30分間風乾したのち、この塗
膜面にシリコ−ンゴムKE-555U[信越化学工業(株)製商
品名]にジクミルパ−オキサイドを0.6重量%添加した
シリコ−ンゴムコンパウンドを厚さ2mmとなるように密
着し、圧力30kg/cm2、 温度165 ℃で10分間熱圧して硬化
させ、この場合の試料の風乾性、その被膜強度、プレス
成形時のプライマ−組成物の流れの有無、成形体の初期
接着性をしらべたところ、表1,表2に示したとおりの
結果が得られた。
【0018】また比較のために、上記で使用したアミノ
基含有有機けい素化合物を不飽和基を含有しない、式(C
H3)3SiN(C2H5)2で示されるものとしたもの(試料2)、
メチルビニルポリシロキサンとフェニル基を含有するシ
リコ−ンレジン、ビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、ヒュ−ムシリカ、ジクミルパ−オキサイド
およびジラウリル酸すずとからなるプライマ−A(試料
3)について上記と同様の試験を行なったところ、つぎ
の表1に併記したとおりの結果が得られた。
【0019】
【表1】
【表2】
【0020】実施例2 構造式
【化5】
【0021】で示される化合物を7重量%含有するジク
ロロメタン溶液(試料4)を作り、これについて実施例
1と同様の方法でその接着性をしらべたところ、このも
のは初期接着力が26kg/25mm、 200 ℃のジメチルシリコ
−ンオイル(100cS) 中での12日後の接着力は19kgf/25mm
であり、このものは塗布後10分間でタックフリ−とな
り、風乾性についても問題のないものであった。
【0022】実施例3 構造式
【化6】
【0023】で示される化合物を5重量%含有するジク
ロロメタン溶液(試料5)を作り、これを実施例1で使
用したアルミニウム板に塗布して60分間風乾したのち、
この塗布面にシリコ−ンゴムKE-555u (前出)に白金触
媒 C−10[信越化学工業(株)製商品名]を1重量%お
よび架橋剤C-252P(同社製商品名)を2重量%添加した
シリコ−ンゴムコンパウンドを厚さ2mmとなるように密
着し、温度 120℃、圧力30kg/cm2の条件下で10分間加熱
して硬化させ、このものの接着性をしらべたところ、こ
れは良好な接着性を示し、実施例1と同様の熱風乾燥機
中および200 ℃のジメチルシリコ−ン油中での耐熱、耐
油接着性にも充分耐えるものであった。
【0024】実施例4 直径30mm、 長さ 300mmのアルミニウム製芯金上に実施例
1で作成した試料1を塗布し、30分間風乾させてからこ
の上に実施例1に示したものと同じ配合のKE555Uシリコ
−ンゴムコンパウンドを厚さ2mmに射出して乾式複写機
用のロ−ルを作ったところ、プライマ−層の流れは全く
なく、得られたロ−ルにおけるシリコ−ンゴムと芯金と
の接着性も良好であった。
【0025】
【発明の効果】本発明はシリコーンゴム用プライマー組
成物に関するものであり、これは前記したように一般式
【0026】
【化7】
【0027】(ここに は水素原子または1価炭化水
素基、 、R は1価炭化水素基で、Rはその少な
くとも1個は不飽和基、nは1〜3の整数)で示される
アミノ基含有有機けい素化合物を主剤としてなるもので
あるが、このものはアミノ基を含有し、Rが不飽和基
を含有するものであることからこれを金属面に塗布する
とこの塗布面がシリコーンゴムと強固に接着するように
なり、この接着面は200℃の高温油中でも安定である
し、接着時にこのプライマー層が剥離脱落することがな
いので射出成形、トランスファー成形などにも使用する
ことができるという有利性をもつものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】ここにRは少なくとも1個がビニル基、ア
    リル基または 【化2】(ここにR は水素原子またはメチル基、mは
    2〜4の整数)から選択される不飽和基であり、R
    は水素原子または同一あるいは異種の非置換または
    置換の1価炭化水素基、nは1〜3の整数で示される
    アミノ基含有有機けい素化合物および/またはその部分
    加水分解物を主剤としてなることを特徴とするシリコー
    ンゴム用プライマー組成物。
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