JPH0791420B2 - タルク系充填剤、その製造法およびそれを含むアミノ樹脂組成物 - Google Patents

タルク系充填剤、その製造法およびそれを含むアミノ樹脂組成物

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JPH0791420B2
JPH0791420B2 JP63265089A JP26508988A JPH0791420B2 JP H0791420 B2 JPH0791420 B2 JP H0791420B2 JP 63265089 A JP63265089 A JP 63265089A JP 26508988 A JP26508988 A JP 26508988A JP H0791420 B2 JPH0791420 B2 JP H0791420B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱可塑性および熱硬化性樹脂(以下プラスチ
ックと呼ぶ)の充填剤などとして有用なタルク系充填
剤、その製造法およびそれを含有する樹脂組成物に関す
るものである。
〔従来の技術〕
微粉状のタルクはプラスチックや製紙用充填剤などとし
て大量に使用されている無機充填剤である。無機充填剤
をプラスチックに充填すると、一般に弾性率や熱変形温
度は向上するものの、抗張力や衝撃強度は低下すること
が多い。これはプラスチックと無機充填剤の親和性が充
分でないためであると考えられている。このため、無機
充填剤表面のプラスチックに対する親和性を向上させる
ために種々の方法が検討されてきた。例えば、シラン
系、チタン系あるいはクロム系などの各種カップリング
剤を使用する方法や、油脂、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、可塑剤あるいは高沸点炭化水素等の表面処理剤を使
用する方法などが知られている。
しかしながら、タルクに対してはカップリング剤や表面
処理剤の添加効果が大きくない場合が多く、プラスチッ
クの種類によっては機械的性質を損うことなく多量のタ
ルクを充填することが困難であることが知られている。
一方、アミノ樹脂成形材料は耐アーク性、耐トラッキン
グ性、電気絶縁性、耐熱性、着色性、表面硬度、耐溶剤
性、機械的強度などにおいて他のプラスチックにないす
ぐれた性質を有しているものの、熱変色性に問題があ
り、用途が限定されていた。熱による変色は常用されて
いるセルロース系フィラーに主として起因することが知
られており、この問題を解決するためには無機充填剤の
使用が望ましい。
無機充填剤としてはガラス繊維やアスベストなどが古く
から用いられてきた。その他の無機充填剤の使用例とし
て、例えば特開昭57−67650号公報には、β型メタ珪酸
カルシウムとタルクを共充填したメラミン樹脂成形材料
組成物が、また特開昭53−51242号公報には、水酸化ア
ルミニウムとタルクを共充填したアミノ系樹脂成形用組
成物が開示されている。
しかしながら、従来公知の無機充填剤には次のような問
題があり、改善が望まれていた。
例えば、ガラス繊維やアスベストなどの繊維状充填剤の
場合には、繊維の配向による成形品の反りが増加するな
どの欠点が避けられないこと、およびアスベストには発
ガン性の疑いがあることなどの問題がある。一方、タル
ク、β型メタ珪酸カルシウム、炭酸カルシウムあるいは
水酸化アルミニウムなどの比較的アスペクト比の小さな
無機充填剤の場合には、充分な機械的強度が得られない
などの欠点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって、本発明の第1の目的は、プラスチック複合
材料用充填剤として有用な、タルクの表面が十分な機械
的強度を有する適度な厚さの有機物層により被覆された
タルク系充填剤とその製造法を提供することである。
本発明の第2の目的は、耐熱変色性にすぐれ、同時に、
セルロース系充填剤を用いた場合に匹敵する機械的強度
を有するアミノ樹脂組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような問題点を解決するため、タル
クの表面を十分な機械的強度を有する適度な厚さの有機
物層により被覆すれば親和性が改善され、その結果、こ
のようなタルク系充填剤を充填したプラスチック複合材
料の物性が向上するであろうと考え、鋭意研究を進め
た。その結果、水性媒体中、タルクの存在下で、アミノ
トリアジン系化合物、尿素およびフェノール類よりなる
群の中から選ばれた少なくとも1種とホルムアルデヒド
とを反応させてタルク表面に初期縮合物を形成させ、さ
らに加熱及び/又は酸の添加により該初期縮合物を硬化
させることにより得られるタルク系充填剤が上記目的を
達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アミノトリアジン系化合物、尿素お
よびフェノール類よりなる群の中から選ばれた少なとく
も1種とホルムアルデヒドとの縮合硬化物層により被覆
されたタルクから成るタルク系充填剤を提供するもので
ある。
以下、さらに本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるタルクは滑石と称する鉱石(化学的には
含水珪酸マグネシウム3MgO・4SiO2・H2O)を微粉砕した
白色〜灰色の無機粉末であり、通常市場で入手可能な30
0メッシュ以下のものが好ましい。
本発明に使用されるアミノトリアジン系化合物として
は、メラミンおよびベンゾグアナミンやアセトグアナミ
ンなどのグアナミン類が挙げられる。また尿素について
は、その一部をチオ尿素により代替することができる。
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシ
レノール、ターシャリブチルフェノール、フェニルフェ
ノール、ナフトール、炭素数が通常2〜12個のアルキル
基を持つアルキルフェノール類、シクロヘキシルフェノ
ール、ハロゲン置換フェノール類などの一価フェノー
ル、およびレゾルシン、ビスフェノールA、ビスヒドロ
キシフェニルメタン、ビスヒドロキシフェニルエーテ
ル、ビスフェノールB、ビスフェノールSなどの二価フ
ェノールなどが挙げられる。また、ホルムアルデヒドと
してはホルムアルデヒド自体のほか、ホルマリン、トリ
オキサン、パラホルムアルデヒドなど、ホルムアルデヒ
ドを発生するものも使用することができる。
本発明においてはアミノトリアジン系化合物、尿素およ
びフェノール類から選ばれた二種以上を用いて、粒子表
面に共縮合系樹脂を被覆させてもよい。例えば、尿素−
メラミン共縮合樹脂、メラミン−フェノール共縮合樹脂
なども縮合硬化物層として好適である。
本発明にいう縮合硬化物層は、ホルムアルデヒドとアミ
ノトリアジン系化合物、尿素およびフェノール類よりな
る郡の中から選ばれた少なくとも1種(以下これをアミ
ン・フェノール類と呼ぶ)との縮合反応により形成され
るものである。該縮合硬化物層の縮合度は、一般に熱硬
化性樹脂の縮合度を示すのに用いられる用語でいうと、
B−stageまたはC−stageのいずれであってもよい。該
縮合硬化物層の厚さは、タルク系充填剤の使用目的に応
じて任意に設定することができる。該縮合硬化物層は本
発明のタルク系充填剤を製造する過程において、また
は、プラスチックまたはゴムなどに混合し複合プラスチ
ックまたはゴムなどとする段階において公知の方法によ
り縮合度を高めることができ、それにより、縮合物層の
機械的強度は通常の熱硬化性樹脂のレベルに達し、十分
な機械的強度を有する有機物層を与える。
本発明のタルク系充填剤中のタルク含有量は10〜95重量
%が好ましい。10重量%未満であると粒径の制御が困難
であり、また95重量%を超えると充填剤としての性能が
低下するなどの問題が生じる傾向がある。
以上の如くして得られる本発明のタルク系充填剤は反応
条件を選択することにより、縮合硬化物層により被覆さ
れたタルク系充填剤がさらに2次的に凝集して肥大化し
たタルク系充填剤とすることもできる。このような2次
的凝集の度合いは、後述するように、反応条件の変更に
より制御することができ、実質的に1次粒子のみからな
るタルク系充填剤から、数百個の1次粒子の2次的凝集
体からなる肥大化したタルク系充填剤にいたるまで広い
範囲でタルク系充填剤の粒径を設定することができる。
次に、本発明のタルク系充填剤の製造法について説明す
る。
まず、本発明方法は水性媒体中でホルムアルデヒドとア
ミン・フェノール類をタルクの存在下で反応させるもの
である。
各成分の添加順序は特に限定されるものではないが、通
常は、まず所要量のタルクを水に懸濁させ、次にホルム
アルデヒドを加え、最後にアミン・フェノール類を添加
する。ホルムアルデヒドを先に加えた方が得られる固形
分の収量が多くなる傾向が見られるため、上記添加順序
に従うことが通常は望ましい。昇温のタイミングについ
ても特に限定されるものではないが、通常は、ホルムア
ルデヒドを加えてから昇温し、所定の反応温度に近づい
てから、または所定の反応温度に達してから一定時間後
にアミン・フェノール類を添加することが望ましい。
ここで、固形分とは、タルクとその表面を被覆している
縮合硬化物層を合わせたものであり、該縮合硬化物層は
上記反応終了時点において水に不溶性である。
使用するタルクは反応が開始される前に酸で処理されて
いる場合には、処理されていない場合に比較して、固形
分の収量が増加する傾向が見られる。
酸処理の方法としては、反応系外において、あらかじめ
酸と接触させてもよく、また、反応系内において、タル
クを水に懸濁させた後、系のpHが2以下にならない範囲
で酸を加えてもよい。使用する酸の種類は特に限定され
ないが、例えば塩酸、硫酸、りん酸、ほう酸などの無機
酸類、ギ酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、マレ
イン酸などのカルボン酸類、およびp−トルエンスルホ
ン酸、炭素数10〜18のアルキル基を有するアルキルベン
ゼンスルホン酸などのスルホン酸類などが使用できる。
本発明においては、上記反応に際して塩基性触媒を使用
することができる。
塩基性触媒としては、通常のメラミン樹脂、尿素樹脂ま
たはレゾール型フェノール樹脂の製造などに用いられる
触媒が使用でき、例えば、アンモニア水、ピリジン、ヘ
キサメチレンテトラミン、あるいはジメチルアミン、ジ
エチルトリアミン、ポリエチレンイミン等のアルキルア
ミン類、およびカ性ソーダ、カ性カリ、炭酸ソーダ、炭
酸カリ、水酸化カルシウムなどの無機塩基類や無機塩類
などが使用できる。
本発明の反応は水性媒体中で行われるが、この場合の水
の仕込量としては、反応終了後の固形分濃度が10〜80wt
%、好ましくは30〜70wt%となるようにすることが望ま
しい。本発明の反応は、撹拌または混練下に行ない、反
応温度40〜100℃、反応時間1〜10時間が望ましい。
本発明方法では、タルク系充填剤の2次的凝集の度合は
タルクとアミン・フェノール類の添加量の比率や、アミ
ン・フェノール類の種類、反応温度、反応時間、混練ま
たは撹拌速度、および界面活性剤の種類やその濃度ある
いは水に不溶性の固形分濃度などの反応条件により制御
することができる。ホルムアルデヒドとアミン・フェノ
ール類のモル比は、通常のメラミン樹脂、尿素樹脂、フ
ェノール樹脂あるいは尿素−メラミン共縮合樹脂、メラ
ミン−フェノール共縮合樹脂などにおいて採用される範
囲が望ましく、通常は1〜3が好適である。また、縮合
硬化物層の縮合度または硬化度についていえば、少なく
とも反応終了の時点で、架橋反応などにより水に不溶性
になっていなければならない。さらに反応がある程度進
んだ時点で酸を加えることにより縮合物の架橋反応を促
進することもできる。ここで使用できる酸は前記したタ
ルクの酸処理において使用する酸と同様である。
本発明方法においては、タルク系充填剤の2次的凝集の
度合いを制御するために、前記したように、界面活性剤
を用いることができる。用い得る界面活性剤の種類は特
に限定されず、市販されている各種の界面活性剤(アニ
オン系、カチオン系およびノニオン系)を単独または混
合して用いることができる。
反応終了後、50℃以下に反応系を冷却し、濾過または遠
心分離等の常法に従って固液を分離した後、水洗し、乾
燥すれば本発明のタルク系充填剤が得られる。
上記のようにして本発明方法によって得られるタルク系
充填剤は十分な機械的強度を有する適度な厚さの有機物
層により被覆されてなるものであり、広い範囲で任意の
粒径を設定することができる。
本発明はまた、上記タルク系充填剤を含有するアミノ樹
脂組成物を提供するものである。
本発明で用いるアミノ樹脂としてはメラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂およびこれらの変性物であるフェ
ノール・メラミン樹脂、グアナミン・メラミン樹脂、フ
ェノール・尿素樹脂、尿素・メラミン樹脂、フェノール
・グアナミン樹脂、尿素・グアナミン樹脂などが好適で
ある。ここで、グアナミンとしてはベンゾグアナミンお
よびアセトグアナミンから選ばれた少なくとも1種を用
いることができる。またフェノールとしては前述のフェ
ノール類から選ばれた少なくとも1種を用いることがで
きる。
タルク系充填剤の含有量は、アミノ樹脂組成物の全量に
対して5〜70重量%が好ましい。5重量%未満であると
含有による効果を十分に得ることができず、また70重量
%を超えると成形性が悪くなるなどの問題が生じる傾向
がある。
上記アミノ樹脂およびタルク系充填剤より本発明のアミ
ノ樹脂組成物を得る方法は特に限定されず、常用される
種々の方法を用いることができる。例えば、アミノ樹脂
の初期縮合液と該タルク系充填剤を混合し乾燥する方
法、あるいは、固形アミノ樹脂と該タルク系充填剤をボ
ールミル、ロールミルまたはニーダーなどの常用される
手段を用いて粉砕、混合または混練する方法などであ
る。本発明のアミノ樹脂組成物には、常用される硬化
剤、離型剤および着色剤などを配合することができる。
また所望により、フィラーとして該タルク系充填剤とパ
ルプ、木粉などのセルロース系フィラーおよび炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウムなどの無機系フィラーから
選ばれた少なくとも1種とを共充填することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 4の冷却器付セパラブルフラスコに水1200gを仕込
み、撹拌しつつ平均粒径2.3μのタルク350gを投入し、
タルクの懸濁液とした。これに10wt%の塩酸2.5gを加え
室温で30分撹拌したところ、pHは6.8(BTB)であった。
このようにpHの低下がほとんど見られないのは、タルク
の一部が溶出し、酸を中和するためである。次に、ホル
マリン300gを加えた後昇温を開始し、40分で90℃に上昇
させ、同温度に20分間保持した。さらに、メラミン240g
を投入し、強く撹拌しつつ90℃で5時間反応させた。
次に、フラスコ内容物を50℃まで冷却し、濾過しつつ2
の水で洗浄した。得られた固形分を80℃で恒量になる
まで熱風乾燥器中で乾燥した。固形分の収量は638gであ
った。こうして、ホルムアルデヒドとメラミンの縮合硬
化物層により被覆されたタルクである本発明のタルク系
充填剤を得た。このタルク系充填剤を電子顕微鏡により
観察すると、平均粒径がおよそ20μmであり、2次的な
凝集が生じていること、および熱硬化性樹脂のみからな
る粒子が存在しないことがわかる。
実施例2 4の冷却器付セパラブルフラスコに水1000gを仕込
み、撹拌しつつ平均粒径2.3μのタルク300gを投入し、
タルクの懸濁液とした。これに10wt%の塩酸2.5gを加え
室温で30分撹拌した。次いで、37wt%ホルマリン360gを
加えた後60℃に昇温し、同温度に40分間保持した。次に
尿素180gを加え、さらに10wt%の塩酸80gを少量づつ数
回に分けてゆっくりと加えながら同温度で5時間反応さ
せた。その後、炭酸ナトリウムを加えて反応液のpHを7
とした。次にフラスコ内容物を50℃まで冷却し、濾過し
つつ2の水で洗浄した。得られた固形分を80℃で恒量
になるまで熱風乾燥器中で乾燥した。固形分の収量は50
3gであった。これによって、ホルムアルデヒドと尿素の
縮合硬化物層により被覆さたタルクである本発明のタル
ク系充填剤を得た。平均粒径はおよそ3μmであり、2
次的凝集は観察されなかった。
実施例3 4の冷却器付セパラブルフラスコに水1400gを仕込
み、撹拌しつつ平均粒径2.3μのタルク400gを投入し
た。これに3.7wt%ホルマリン100gを添加した後昇温
し、85℃に達してからフェノール100gと無水炭酸ナトリ
ウム4gを投入した。同温度で3時間反応させた後、10%
塩酸100gを時間をかけて少量づつゆっくりと添加し、さ
らに2時間反応させた。次いで、炭酸ナトリウムを加え
て中和し、反応液のpHを7とした。
50℃に冷却した後、濾過しつつ2の水で洗浄した。得
られた固形分を80℃で恒量になるまで熱風乾燥器中で乾
燥した。固形分の収量は490gであった。これにより、ホ
ルムアルデヒドとフェノールの縮合硬化物層により被覆
されたタルクである本発明のタルク系充填剤を得た。平
均粒径はおよそ50μmであった。
実施例4 4の冷却器付セパラブルフラスコに水1000g、平均粒
径2.3μのタルク300gと37wt%ホルマリン165gを添加し
た後、昇温を開始し、85℃に達してからフェノール38g
と無水炭酸ナトリウム1.5gを投入した。同温度で1時間
反応させた後メラミン113gと10wt%塩酸75gを加え、さ
らに5時間反応を続行した。その後、炭酸ナトリウムを
加えて中和しpHを7とした。これを50℃まで冷却し、濾
過しつつ2の水で洗浄した。得られた固形分を80℃で
恒量になるまで熱風乾燥器中で乾燥した。固形分の収量
は435gであった。これにより、ホルムアルデヒドとメラ
ミンおよびフェノールとの共縮合硬化物層により被覆さ
れたタルクである本発明のタルク系充填剤を得た。平均
粒径はおよそ30μmであった。
実施例5 4の冷却器付セパラブルフラスコに水1000g、平均粒
径12μのタルク300gを加えタルクの懸濁液とした。これ
に10wt%の塩酸2.5gを加え室温で30分撹拌した。次い
で、37wt%のホルマリン360gを加えた後87℃に昇温し、
同温度に40分間保持した。次にメラミン180gとカ性ソー
ダ2.6gを加え、強く撹拌しつつ同温度で1時間反応させ
た。さらに、尿素120gと10%塩酸70gを添加して60℃で
5時間反応させた。次にフラスコ内容物を50℃まで冷却
し、濾過しつつ2の水で洗浄した。得られた固形分を
80℃で恒量になるまで熱風乾燥器中で乾燥した。固形分
の収量は637gであった。これによって、ホルムアルデヒ
ドとメラミンおよび尿素との共縮合硬化物層により被覆
されたタルクである本発明のタルク系充填剤を得た。平
均粒径はおよそ15μmであり、2次的凝集は見られなか
った。
実施例6 4の冷却器付セパラブルフラスコに水1200gを仕込
み、撹拌しつつ平均粒径2.3μのタルク350gを投入し、
タルクの懸濁液とした。次にホルマリン300gとメラミン
240gを加えた後昇温を開始し、40分で90℃に上昇させ、
強く撹拌しつつ同温度で5時間反応させた。なお、90℃
に達してから40分後にノニオン系界面活性剤(日本油脂
株式会社製、ノニオンNS−210)3gを添加した。
また、90℃に達してから4時間後に、0.1Nのリン酸をプ
ランジャーポンプを用いて1分間に1mlの割合で30分間
添加した。
次にフラスコ内容物を50℃まで冷却し、濾過しつつ2
の水で洗浄した。得られた固形分を80℃で恒量になるま
で熱風乾燥器中で乾燥した。固形分の収量は642gであっ
た。これにより実施例72で用いられるタルク系充填剤を
得た。このタルク系充填剤は2次的な凝集が見られず、
平均粒径はおよそ4μmであった。
実施例7 4の冷却器付セパラブルフラスコに37%ホルマリン18
00g、水510g、水酸化ナトリウムの10wt%水溶液1.8g、
およびメラミン1590gを仕込み、90℃で60分間反応さ
せ、メラミ樹脂の初期縮合液を得た。
上記初期縮合液の3分の1と実施例6で得たタルク系充
填剤634gをニーダー中で混練し、減圧脱水した。こうし
て得た固形分をさらに80℃の熱風乾燥器中で2時間乾燥
し、本発明のアミノ樹脂組成物を得た。該組成物中のタ
ルク含有量は27.5wt%である。
上記組成物100部につきステアリン酸亜鉛0.4部、無水フ
タル酸0.1部を加えボールミル中で粉砕し、粉状成形材
料とした。
比較例1 実施例7で得た初期縮合液の3分の1に、タルク系充填
剤に代えてパルプ270gを加えた他は実施例7と同様の方
法でパルプ充填粉状成形材料を得た。
比較例2 実施例7で得た初期縮合液の3分の1に、タルク系充填
剤に代えて平均粒径2.3μのタルク241gを加えた他は実
施例7と同様の方法でタルク含有量27.5wt%のタルク充
填粉状成形材料を得た。
上記実施例7および比較例1〜2の成形材料の機械的性
質を第1表に示す。
次に、実施例7および比較例1の成形品について、それ
ぞれ耐熱変色性を測定した。変色度(ΔE)と処理時間
の関係を第2表に示す。
測定条件は次の通りであった。
処理温度:170℃ 処理雰囲気:空気 使用した測色色差計:日本電色工業製、 ダブルビーム交照測光方式 Z−1001DP型 上記の結果より、実施例7の成形品は機械的強度がセル
ロース系充填剤を用いた場合と同様か、それ以上であ
り、同時に耐熱変色性にすぐれていることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明のタルク系充填剤は粒子表面がホルムアルデヒド
とアミン・フェノール類との縮合硬化物層により被覆さ
れており、該縮合硬化物層は、真比重がタルクより小さ
く、有機物質とのなじみが良く、機械的強度が大きく、
高い耐熱性と耐熱変色性を有し、かつ難燃性に優れてい
る。このような特長を活かして、各種プラスチックやゴ
ムの補強剤、充填剤などとして有利に用いられる。
所望により、縮合物層により被覆されたタルクの2次的
凝集により肥大化したタルク系充填剤を得ることもでき
る。
また本発明の製造法によれば、極めて容易に安定して上
記タルク系充填剤を製造することができる。
さらに本発明のアミノ樹脂組成物は、耐熱変色性にすぐ
れており、かつ機械的強度がセルロース系充填剤を用い
た場合と同等か、それ以上であり、同時に、成形品の反
りが少ないという特長を有している。これらの特長を活
かして、耐熱性電気機械部品や耐熱性食器などとして用
いられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノトリアジン系化合物、尿素およびフ
    ェノール類よりなる群の中から選ばれた少なくとも1種
    とホルムアルデヒドとの縮合硬化物層により被覆された
    タルクから成るタルク系充填剤。
  2. 【請求項2】タルク系充填剤のタルクの含有量が10〜95
    重量%である請求項(1)記載のタルク系充填剤。
  3. 【請求項3】水性媒体中、タルクの存在下で、アミノト
    リアジン系化合物、尿素およびフェノール類よりなる群
    の中から選ばれた少なくとも1種とホルムアルデヒドと
    を反応させてタルク表面に初期縮合物を形成させ、さら
    に加熱及び/又は酸の添加により該初期縮合物を硬化さ
    せることを特徴とするタルク系充填剤の製造法。
  4. 【請求項4】請求項(1)又は(2)記載のタルク系充
    填剤を含有するアミノ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】タルク系充填剤がアミノ樹脂組成物の全量
    に対して5〜70重量%含有されている請求項(4)記載
    のアミノ樹脂組成物。
JP63265089A 1988-10-20 1988-10-20 タルク系充填剤、その製造法およびそれを含むアミノ樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0791420B2 (ja)

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