JPH0791295B2 - 2−ビフェニル−カルバペネム抗菌剤 - Google Patents

2−ビフェニル−カルバペネム抗菌剤

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JPH0791295B2
JPH0791295B2 JP3250116A JP25011691A JPH0791295B2 JP H0791295 B2 JPH0791295 B2 JP H0791295B2 JP 3250116 A JP3250116 A JP 3250116A JP 25011691 A JP25011691 A JP 25011691A JP H0791295 B2 JPH0791295 B2 JP H0791295B2
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ring
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chemical
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D477/00Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring
    • C07D477/10Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2
    • C07D477/12Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6
    • C07D477/14Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 3
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、以下でさらに詳しく記載するよ
うに、2−位側鎖が種々の陽イオン性および中性置換基
により置換されたビフェニル残基を特徴としているカル
バペネムの組の抗菌物質に関する。 【0002】チエナマイシンは広範囲スペクトルをもつ
抗菌物質であり、次の構造式をもつ。 【化64】 【0003】後に、N−ホルムイミドイルチエナマイシ
ンが発見され、それは次の構造式をもつ。 【化65】 【0004】本発明の2−ビフェニルカルバペネムはチ
エノマイシンまたはN−ホルムイミドイルチエノマイシ
ンのような広範囲な抗菌スペクトルを特徴としていな
い。むしろ、その活性スペクトルは、グラム陽性微生
物、特にメチシリン耐性Staphylococcus
aureous(MRSA)、メチシリン耐性Sta
phylococcus epidermidis(M
RSE)、メチシリン耐性凝固酵素陰性Staphyl
ococci(MRCNS)に大きく限定される。そこ
で、この発明の抗菌物質は、これらの制御困難な病原体
の治療に重要な貢献をする。さらに、上記病原体(MR
SA/MRCNS)に対し有効であり、同時に安全、す
なわち望ましくは毒性副作用のない物質の必要性が増加
している。βラクタム抗菌物質ではいまだこれらの要求
に合うものが見出されていない。また、選ばれた現在の
物質のバコマイシン、すなわちグリコペプチド抗菌物質
はMRSA/MRCNS病原体において増加する耐性を
経験している。 【0005】さらに最近、所望によりたとえばアミノエ
チル、置換アミノエチルで置換されたアリール残基であ
る2−置換基をもつカルバペネム抗菌物質が記載されて
きている。これらの物質は米国特許第4,543,25
7号、第4,260,627号に記載されており、次の
構造式をもつ。 【化66】 【0006】しかし、本発明の化合物を特徴づけるよう
なビフェニル2−置換基の記載はなくまたは提案もな
く、本発明の化合物の驚くべく良好な抗MRSA/MR
CNS活性についてもなんの提案もない。 【0007】EP−A−0277743は次の一般式の
化合物の特定の組を記載している。 【化67】 しかし、この限定された教えは本発明の化合物を決して
提案しておらず、またその驚くほど良好な抗MRSA/
MRCNS活性を提案していない。 【0008】本発明は、次の一般式(I)の新規なカル
バペネム化合物を提供する。 【化68】 【0009】式中、RはHまたはCH3 であり; R1 とR2 は独立にH,CH3 −,CH3 CH2 −,
(CH3 2 CH−,HOCH2 −,CH3 CH(O
H)−,(CH3 2 C(OH)−,FCH2 CH(O
H)−,F2 CHCH(OH)−,F3 CCH(OH)
−,CH3 CH(F)−,CH3 CF2 −,or(CH
3 2 C(F)−であり; Ra は独立にHおよび下記の基からなる群から選ばれる
(ただしRa の一つだけが型Iの置換基から選ばれ
る): 【0010】I.a) 【化69】 式中、Aは(CH2 m −Q−(CH2 n であり、
(mは0〜6で、nは1〜6で、Qは共有結合,−O
−,−S−,−SO−,−SO2 −,−NH−,−SO
2 NH−,−NHSO2 −,−CONH−,−NHCO
−,−SO2 N(C1 〜C4 アルキル)−,−N(C1
〜C4 アルキル)SO2 −,−CON(C1〜C4 アル
キル)−,−N(C1 〜C4 アルキル)CO−,−CH
=CH−,−CO−,−OC(O)−,−C(O)O
−,または−N(C1 〜C4 アルキル)−であり、(C
2 m はビフェニル残基に結合しており; 【化70】 は5−または6−員単環式複素環または8−,9−また
は10−員二環式複素環であり、上記複素環は芳香族5
−または6−員第1環に第1窒素を含み、複素環のAへ
の結合はこの第1窒素により行なわれ、上記結合と環結
合とにより上記第1窒素は四級であり、上記第1環はO
またはSを0個または1個含みまた0〜3個の追加の窒
素原子を含みまた所望により3−または4−員残基に縮
合して任意の第2環を形成し、上記残基は少なくとも1
個の炭素原子を含みまたOまたはSをO個または1個含
みまた0〜2個の窒素原子を含み、また飽和または不飽
和であり、上記第2環は芳香族または非芳香族であり; Rc は下記のIIで定義されるRa 、水素、または−NR
y z (Ry とRz は下記のIIで定義される)である
が、1個以上のRc が存在するときは独立にRaから選
ばれ、Rc はその原子価が環結合により満たされていな
い炭素環原子または窒素ヘテロ原子に結合しており; 【0011】b) 【化71】 式中、 【化72】 は5−または6−員単環式複素環または8−,9−また
は10−員二環式複素環であり、上記複素環は芳香族5
−または6−員第1環に第1窒素を含み、上記第1窒素
は環結合の他に置換基Rd によって四級でありまた置換
基Rd のないときは中性であり、上記複素環のA′への
結合は環の炭素原子により行なわれ、第1環はOまたは
Sを0個または1個含みまた0〜2個の追加の窒素原子
を含みまた所望により3−または4−員残基に縮合して
任意に第2環を形成し、上記残基は少なくとも1個の炭
素原子を含みまたOまたはSを0個または1個含みまた
0〜2個の窒素原子を含みまた飽和または不飽和であ
り、上記第2環は芳香族または非芳香族であり; Rc は上で定義した通りであり; Rd はH、NH2 、O、またはC1 〜C4 アルキル(ア
ルキルは下記のIIcで定義するようなRq で所望により
一置換されている)であり; A′は(CH2 m −Q−(CH2 n であり、mは0
〜6で、nは0〜6で、Qは上で示した通りであり、m
とnが0のときはQは共有結合ではなく; 【0012】c)−Ap −N+ y (Rw
0-1 (Rz )、 式中、Ry とRz は下記IIで定義される通りであり、R
y とRz はさらに一緒になりC2 〜C4 アルキリデン基
となりN(O)ReまたはN+ (Re 2 が介在してい
る環(所望により下で定義するRq により一置換されて
いる)と形成でき、Re はH、C1 〜C4 アルキル、ま
たは下で定義するRq により一置換されているC1 〜C
4 アルキルであり、Rw はH、C1 〜C4 アルキル、O
- 、NH2 であり、Rw が存在しないときはN+ は中性
であり、Rw 、Ry 、Rz はさらに一緒になりN+ と二
環式環を形成するC5 〜C10三級アルキリデン基を形成
でき、上記三級アルキリデン基は所望により下で定義す
るRq で一置換され、上記三級アルキリデン基の三級炭
素は所望によりN、N+e (Re は上で定義した通り
である)、またはN+ −O- で置きかえられ、pは0か
1であり、Aは上記で定義した通りであり; 【0013】d) 【化73】 式中、 【化74】 は5−または6−員単環式複素環または8−,9−また
は10−員二環式複素環であり、上記複素環は第1環に
第1窒素を含み、上記第1環は飽和または不飽和で非芳
香族であり、上記第1窒素は環結合の他に1個または2
個の置換基Rd によって四級であり、または0または1
個の置換基Rd によって中性であり、上記複素環のA′
への結合は環の炭素原子または非四級窒素原子により行
なわれ、上記第1環は炭素および上記第1窒素の他に結
合の非四級窒素、O、S、S(O)、S(O)2 、NR
e (Re は上記で定義した通りである)からなる群から
選ばれる一員0〜1個を含みまた所望により2−,3−
または4−員残基に縮合して任意に第2環を形成し、上
記残基は所望により炭素のほかに結合の非四級窒素を含
みまた飽和または不飽和であり、上記第2環は非芳香族
であり; Rd は上記で定義した通りで、窒素上に1個以上のRd
が存在するときは少なくとも1個のRd はHまたはC1
〜C4 アルキルであり; A′,pは上記で定義した通りであり; Rq は下記で定義する通りであり; 【0014】II.a)トリフルオロメチル基(−C
3 ); b)ハロゲン原子(−Br、−Cl、−F、または−
I); c)C1 〜C4 アルコキシ基(−OC1-4 アルキル);
アルキルは所望によりRq で一置換されている); Rq は−OH、−OCH3 、−CN、−C(O)N
2 、−OC(O)NH2、CHO、−OC(O)N
(CH3 2 、−SO2 NH2 、−SO2 N(CH3
2 、−SOCH3 、−SO2 CH3 、−F、−CF3
−COOMa (Ma はH、アルカリ金属、メチル、また
はフェニルである)、テトラゾリル(結合点はテロラゾ
ール環の炭素原子であり、窒素原子の一つは上記で定義
したMa により一置換されている)、−SO3 b (M
b はHまたはアルカリ金属である)からなる群から選ば
れる一員であり; 【0015】d)水酸基(−OH); e)カルボニルオキシ基(−O(C=O)Rs ); Rs はC1 −C4 アルキルまたはフェニルで、各々上で
定義したRq により所望により一置換されている; f)カルバモイルオキシ基(−O(C=O)N(Ry
z ); Ry とRz は独立にH、C1 −C4 アルキル(所望によ
り上で定義したRq により一置換されている)、または
一緒になり3−員〜5−員アルキリデン基で環(所望に
より上で定義したRq で置換されている)を形成し、ま
たは一緒になり−O−、−SO−、−S(O)−または
−S(O)2 −の介在する2員〜4員アルキリデン基で
環(上で定義したRq で所望により一置換されている)
を形成し; g)硫黄基(−S(O)n −Rs );nは0〜2で、R
s は上記で定義した通りであり; h)スルファモイル基(−SO2 N(Ry )Rz );R
y とRz は上記で定義した通りであり; i)アジド基(−N3 ); 【0016】j)ホルムアミド基(−N(Rt )(C=
O)H); Rt はHまたはC1 −C4 アルキル(アルキルは所望に
より上記で定義したRq により一置換されている)であ
り; k)(C1 −C4 アルキル)カルボニルアミド基(−N
(Rt )(C=O)C1 −C4 アルキル);Rt は上記
で定義した通りであり、アルキルは上記で定義したRq
で所望により一置換されている; l)(C1 −C4 アルコキシ)カルボニルアミド基(−
N(Rt )(C=O)OC1 −C4 アルキル);Rt
上記で定義した通りであり、アルキルは所望により上記
で定義したRq で一置換されており; m)ウレイド基(−N(Rt )(C=O)N(Ry )R
z );Rt とRy とRz は上記で定義した通りであり; n)スルホンアミド基(−N(Rt )SO2 s )、R
s とRt は上記で定義した通りであり; o)シアノ基(−CN); p)ホルミル基またはアセタール化ホルミル基(−(C
=O)Hまたは−CH(OCH3 2 ); 【0017】q)カルボニルがアセタール化された(C
1 −C4 アルキル)カルボニル基(−C(OCH3 2
1 −C4 アルキル);アルキルは所望により上記で定
義したRq により一置換されており; r)カルボニル基(−(C=O)Rs );Rs は上記で
定義した通りであり; s)酸素または炭素原子が所望によりC1 −C4 アルキ
ルで置換されているヒドロキシイミノメチル基(−(C
=NORz )Ry );Ry とRz は上記で定義した通り
であり、ただし一緒に結合して環を形成できない; t)(C1 −C4 アルコキシ)カルボニル基(−(C=
O)OC1 −C4 アルキル);アルキルは所望により上
記で定義したRq により一置換されており; u)カルバモイル基(−(C=O)N(Ry )Rz );
y とRz は上記で定義した通りであり; v)窒素原子がさらにC1 −C4 アルキルで置換されて
いることができるN−ヒドロキシカルバモイルまたはN
(C1 −C4 アルコキシ)カルバモイル基(−(C=
O)N(ORy )Rz );Ry とRz は上記で定義した
通りであり、ただし一緒に結合して環を形成できない; 【0018】w)チオカルバモイル基(−(C=S)N
(Ry )Rz );Ry とRz は上記で定義した通りであ
り; x)カルボニル基(−COOMb );Mb は上記で定義
した通りであり; y)チオシアナト基(−SCN); z)トリフルオロメチルチオ基(−SCF3 ); aa)テトラゾリル基;ただし結合点はテトラゾール環
の炭素原子であり、窒素原子の一つはH、アルカリ金
属、または上記で定義したRq により所望により置換さ
れたC1 −C4 アルキルで一置換されており; ab)ホスホノ〔P=O(OMb 2 〕、アルキルホス
ホノ{P=O(OMb)〔O(C1 −C4 アルキ
ル)〕}、アルキルホスホニル〔P=O(OMb )(C
1 −C4 アルキル)〕、ホスホルアミド〔P=O(OM
b )N(Ry )Rz およびP=O(OMb )NH
x 〕、スルフィノ(SO2 b )、スルホ(SO3
b )、構造CONMb SO2 x 、CONMb SO2
(Ry )Rz 、SO2NMb CON(Ry )Rz 、SO
2 NMb CNから選ばれるアシルスルホンアミドからな
る群から選ばれる陰イオン官能基、Rx はフェニルまた
はヘテロアリールであり、上記ヘテロアリールは5また
は6の環原子をもつ単環式芳香族炭化水素基であり、そ
の一つの炭素原子が結合点でありまた炭素原子の一つが
窒素原子により置き代えられており、もう一つの炭素原
子が所望によりOまたはSから選ばれるヘテロ原子によ
り置き代えられ、また1〜2個の別の炭素原子が所望に
より窒素ヘテロ原子により置き代えられ、上記のフェニ
ルおよびヘテロアリールは所望により上記で定義したR
q により一置換され;Mb 、Ry 、Rz は上記で定義し
た通りであり; 【0019】ac)C5 〜C7 シクロアルキル基;ただ
し環の1個の炭素原子はO、S、NH、またはN(C1
−C4 アルキル)から選ばれるヘテロ原子により置き代
えられ、1個の別の炭素原子はNHまたはN(C1 −C
4 アルキル)で置き代えられることができ、各窒素原子
に隣接した少なくとも1個の炭素原子に結合した水素原
子の2個が1個の酸素により置き代えられてカルボニル
残基を形成し、環には1個または2個のカルボニル残基
が存在しており; ad)C2 〜C4 アルケニル基;ただし所望によりa)
〜ac)の置換基、フェニル(所望により上記で定義し
たRq により置換されている)の一つにより一置換され
ており; ae)C2 〜C4 アルキニル基;ただし所望によりa)
〜ac)の置換基の一つにより一置換されており; af)C1 〜C4 アルキル基; ag)上記a)〜ac)の置換基の一つにより一置換さ
れたC1 〜C4 アルキル基; ah)2−オキサゾリジノニル基;ただし結合点はオキ
サゾリジノン環の窒素原子であり、環酸素原子は所望に
より−S−、−NRt −(Rt は上記で定義した通りで
ある)から選ばれるヘテロ原子により置き代えられ、オ
キサゾリジノン環の飽和炭素原子の一つは所望により上
記a)〜ag)の置換基の一つにより一置換され; Mはi)H; ii) 製薬上許容されるエステル化基または除去できるカ
ルボキシル保護基; iii) アルカリ金属または他の製薬上許容される陽イオ
ン;または iv)正荷電基により釣合わされる負電荷から選ばれる。 【0020】本発明はまた、次の一般式の新規なカルバ
ペネム中間物を提供する。 【化75】 【0021】式中、RはHまたはCH3 であり; Ra は上記で定義した通りであり、ただしRq はさらに
OP′(P′は下記で定義する)を含み、Rq のMa
b の両者はMを含み、Ra はさらに保護ヒドロキシル
(OP′)であることができ; P′はヒドロキシに対する除去できる保護基であり; Mはカルボキシに対する除去できる保護基であり; 型IのRa 置換基はZの陰イオン形と釣合っており、Z
はメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ、フルオロスルホニルオキシ、p−トルエン
スルホニルオキシ、2,4,6−トリイソプロピルベン
ゼンスルホニルオキシ、p−ブロモベンゼンスルホニル
オキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、ブロ
モ、ヨードである。 【0022】好ましい中間物は次の一般式をもつ。 【化76】 【0023】式中、RはHまたはCH3 であり; Ra はH、Cl、Br、I、SCH3 、CN、CHO、
SOCH3 、SO2 CH3 、OP′からなる群から選ば
れ; P′はヒドロキシに対する除去できる保護基であり; Mはカルボキシに対する除去できる保護基であり; Zはアルキルスルホナート、置換アルキルスルホナー
ト、アリールスルホナート、置換アリールスルホナー
ト、ハリドからなる群から選ばれる。 【0024】一般式(I)の化合物の製造は3段階合成
スキームで実施でき、ついで最終工程で保護基を除去す
る。第1合成段階の目的は、一般式(I)のカルバペネ
ムの2−位置換基に変換できる基本ビフェニル化合物を
製造することである。第2合成段階の目的は、基本ビフ
ェニルをカルバペネムに結合することである。最後に、
第3合成段階の目的は上記ビフェニルを望むRa で置換
することである。この第3合成段階は、種々のRa の性
質によって第1合成段階後、または第2合成段階中また
はその後実施できる。 【0025】フローシートAA乃至AFは提案された第
1段階合成を示す。フローシートBおよびCは2種の第
2段階合成を示す。第3段階合成は選んだRa により変
化する。 【0026】ここに提案した第1合成、フローシートA
A乃至AFはフローシートBまたはCで使うためB1で
示した種々の3−ブロモビフェニルの製造を示す。1例
では、フローシートCで使うため、アリールスタナンC
3を製造する。次の各操作で使う化学の一般的記載であ
る。 【0027】AA:3−ブロモ−5−置換ビフェニルの
合成 3−ブロモ−5−置換ビフェニル中間物は、商業上入手
できるp−アミノビフェニルを原料として得られる。ア
ミノ基が二つのオルト位(3−および5−位)に置換を
行なう役割をする。その後、このアミノ基を還元的に除
去できる。しかし、5−置換ビフェニル化合物を得るた
めには、フローシートAAに示したようなp−アミノビ
フェニル原料AA1をまずアセチル化により保護し、つ
いで臭素化を行なう前に亜硝酸でニトロ化する。 【0028】ニトロ化は酢酸、無水酢酸の存在で発煙硝
酸で行なう。その後、溶剤としてエタノールを使い水酸
化ナトリウムで加熱して脱保護を遂行する。この操作は
よく知られており、さらに詳しくは、たとえばDel
l’Erbaら、Tetrahedron、27巻、1
13頁(1971年)に記載されている。 【0029】臭素化はジオキサンおよび水中で、反応混
合物と氷水浴で0℃付近に保って実施する。臭素化につ
いで、5N水酸化ナトリウム水溶液を加え、化合物AA
2を得る。次に、亜硝酸ナトリウムと濃硫酸によりジア
ゾ化し、ついで常温で粉末銅で還元することにより、も
とのp−アミノ基を除去し、化合物AA3をつくる。 【0030】次に、5−ニトロ置換基を塩化スズ(II)
二水和物で5−アミノ基に変える。この生成物が本発明
の化合物を特徴づけるm−ビフェニル残基上に多数のR
a 置換基を得るための基本となる。たとえば、相当する
ジアゾニウムヘキサフルオロリン酸塩の熱分解によって
5−フルオロ化合物を得ることができ、または上記ジア
ゾニウムヘキサフルオロリン酸塩をエチルキサンドゲン
酸カリウムで処理し5−エチルキサンチルビフェニル化
合物を得ることができる。この中間物は本発明の5−メ
チルチオビフェニル化合物または5−(2′−t−ブチ
ルジメチルシリルオキシエチルチオ)ビフェニル化合物
のような他の無置換および置換アルキルメルカプタンを
得るための基本となることができる。 【0031】さらに合成のため、出発点のジアゾ化5−
アミノ化合物に戻り、これをヒドロキシル化すると本発
明の5−ヒドロキシビフェニル化合物を与え、ついでこ
れを水素化ナトリウムで処理し、ついでヨウ化メチルの
ようなハロゲン化アルキルを添加しアルキル化して、本
発明の5−アルコキシ、たとえば5−メトキシビフェニ
ル化合物を得ることができる。5−ヒドロキシ化合物を
t−ブチルジメチルシリルクロリドで処理して保護する
こともでき、本発明の望むヒドロキシビフェニル類合成
用の中間物を得る。相当するグリニャール試薬またはア
リールスタナンとしての後の合成は、カルバペネム核に
結合したときのm−ビフェニル残基を可能にする。 【0032】フローシートAA 【化77】 【0033】AB:3−ブロモ−4′,5−二置換ビフ
ェニルの合成 上記フローシートAAによって製造した3−ブロモ−5
−置換ビフェニルおよび単純な3−ブロモビフェニル
は、次の操作に従って4′−置換基導入の出発点となり
得る。たとえば、Berliner,Blommer
s,J.Am.Chem.Soc.,73巻、2479
頁(1951年)の操作を使い、3−ブロモ−5−フル
オロ化合物の4′−アセチル誘導体をつくることがで
き、その後還流1,2−ジクロロエタン中でm−クロロ
過安息香酸で処理し3−ブロモ−4′−アセトキシ−5
−フルオロ化合物を得る。この両者は本発明の化合物で
ある。4′−アセトキシ化合物をナトリウムメトキシド
で処理することにより4′−ヒドロキシ化合物に変換で
き、ついで上記操作に従ってt−ブチルジメチルシリル
クロリドを使い保護し、上記保護化合物はさらに合成に
おいて有用である。 【0034】4′−アセチル化合物は、本発明の他の3
−ブロモ−5−フルオロ−4′−置換ビフェニル化合物
への変換のための出発点でもあり得る。たとえば、次亜
臭素酸ナトリウムによる酸化は4′−カルボキシル基を
与え、ついでボラン還元により相当するアルコールに変
換でき、両者は本発明の化合物である。他の3−ブロモ
−5−フルオロ−4′−置換ビフェニル合成の中間物と
して使うため、4′−ヒドロキシメチル化合物を上記の
ようにt−ブチルジメチルシリルクロリドで保護でき
る。4′−アセチル化合物をBeckmann転位およ
び加水分解によりアミノ基に変換もでき、ついでジアゾ
化し上記と同一方式で他の4′−置換基を形成できるジ
アゾニウム塩を得ることができる。 【0035】フローシートAB 【化78】 【0036】AC:3−ブロモ−4′,5′,5−置換
ビフェニルの合成 上記フローシートABに関連し記載したようにして製造
した3−ブロモ−4′−アミノ中間物を原料として、
5′−位が置換されている本発明の化合物を製造でき
る。4′−N−アセトアミノ基が存在するときは、これ
を使ってニトロ基の置換を行なうことができ、フローシ
ートAAで記載と同一方式で、この発明の化合物を形成
する種々の置換基に上記ニトロ基を変換できる。 【0037】フローシートAC 【化79】 【0038】AD:3−スタニル−3′,4′,5′,
5−置換ビフェニルの合成 上記の3−ブロモ−4′−アセトアミド−5′−ニトロ
中間物を原料として、3′−,4′−,5′−,5−位
置換基をもつビフェニルを製造できる。フローシートA
Dを参照し、中間物AC1をトルエンまたはキシレンの
ような芳香族溶剤中で高温で触媒としてテトラキストリ
フェニルホスフィンパラジウムを使いヘキサメチルジス
ズと反応させてスタニル化し、中間物AD1をつくる。
ついで、アリールスタナンAD1をジオキサン、水中で
常温またはそれ以下で臭素化し、3′−,4′−,5′
−位、所望により5−位に置換基をもつアリールスタナ
ンAD2を得ることができる。これらの置換基の各々
は、ついで当該技術で既知の操作により、望むように交
換し、フローシートCに従いカルバペネムの次の合成に
使用できるアリールスタナンC3をつくることができ
る。所望により、アリールスタナンC3をB1と類似の
グリニャール試薬に変換できる。 【0039】フローシートAD 【化80】 【0040】AE:3−ブロモ−3′,4′,5′−置
換ビフェニルの合成 容易に入手できる原料である1,3−ジブロモベンゼン
と適当に置換したヨードベンゼンから出発し、3′−,
4′−,5′−位に置換基をもつビフェニルを製造でき
る。フローシートAEを参照し、1,3−ジブロモベン
ゼンAE1を、まず無水THFまたはエーテル中で約−
78℃でブチルリチウムと反応させ、ついでホウ酸トリ
イソプロピルを添加することによりボロン酸AE2に変
換する。生成中間物を水酸化ナトリウムで処理し、酸性
にする。ボロン酸AE2をついでトルエンおよび炭酸ナ
トリウム水溶液中で触媒としてテトラキストリフェニル
ホスフィンパラジウムを使い適当なヨードベンゼンAE
3と反応させ、3−ブロモ−ビフェニルB1をつくる。
このB1への反応は、ここで引用文献とするN.ミヤウ
ラ、T.ヤナギ、A.スズキ、Syn.Comm.,1
1巻、513頁(1981年)により当該技術でよく知
られている。 【0041】フローシートAE 【化81】 【0042】AF:3−ブロモ−3′,4′,5′−置
換ビフェニルの合成 一方、容易に入手できる原料であるジフルオロシリルベ
ンゼンおよび上記のヨードベンゼンから出発し、3′
−,4′−,5′−位に置換基をもつビフェニルを製造
できる。フローシートAFを参照して、m−ブロモ−エ
チルジフルオロシリルベンゼンAF1をDMF中でジア
リルパラジウムクロリド触媒を使い高温でヨードベンゼ
ン誘導体AF2および脱シリル化剤KFと反応させて、
3−ブロモビフェニルB1をつくる。この反応は、ここ
で引用文献とするY.ハタナカ、S.フクシマ、T.ヒ
ヤマ、Chem.Lett.,1711頁(1989
年)により当該技術で既知である。 【0043】フローシートAF 【化82】 【0044】上記合成スキームのすべてはグリニャール
試薬またはアリールスタナンの形成に使おうとする種々
の位置に置換したビフェニル化合物の製造に関連してい
る。ついで、下記で示すように、上記グリニャール試薬
またはアリールスタナンを使い、すでに置換しているビ
フェニル化合物を形成(閉環)直前のカルバペネム核に
結合させ、または適当に活性化した完全なカルバペネム
シントンと結合させる。しかし、上で列挙したある種の
a は、B1またはC3に置換しているときは、第2段
階合成と相容れないことがあり得ることは、当業者には
直ちに明らかである。そこで、本発明の化合物製造のた
めの別の合成スキームとして、ビフェニル核自身をカル
バペネム核に結合させた後に、ビフェニル核の適当な位
置に望む置換基を導入することも可能である。しかし、
さらに正確には、これはビフェニル核上にすでに位置し
ている適合性前駆体置換基をさらに望む置換基変換する
ように修飾する工程である。 【0045】B1またはC3で使う前駆体置換基の正体
は決定的なものではなく、前駆体置換基自身が保護した
または未保護のRa であることができる。好ましくは、
前駆体置換基はB1またはC3の合成に対し適合性であ
る。不適合性前駆体置換基は明らかに追加の合成を必要
とする。厳密には、前駆体置換基はフローシートBおよ
びCに示した化学と適合性であることが要求され、一層
望ましい置換基に変換できる。好ましい前駆体置換基
は、フローシートBに対してはメチル、ヒドロキシメチ
ル、保護ヒドロキシメチルである。 【0046】そこで、化合物B1またはC3上のRa
換基に関しては、それは保護基をもったまたはもたない
a であることができ、好ましくは化合物B1またはC
3製造条件に対し安定であり、次のB1またはC3のカ
ルバペネムへの付加の条件に対し安定でなければならな
い。一方、それは所望によりB1またはC3形成条件に
対し安定であり、B1またはC3のカルバペネムへの付
加の条件に対し安定であり、望むRa または他の前駆体
置換基に変換できる前駆体置換基であることができる。 【0047】上記のように、第2段階合成は基本ビフェ
ニルをカルバペネムの2−位に結合することである。安
定なRa またはその適当な前駆体置換基では、フローシ
ートBに示すようにグリニャール反応でビフェニルB1
をアゼチジン−2−オンB2に付加できる。このグリニ
ャール反応は、B1をTHF中20〜60℃でマグネシ
ウムおよび1,2−ジブロモエタンと反応させることに
よりグリニャール試薬に変換し、ついでグリニャール試
薬としてのB1をTHF中で−70℃〜約20℃でB2
と接触させ、アゼチジン−2−オンB3をつくることを
必要とする。一方、B1をTHF中−78〜−50℃で
t−ブチルリチウム、n−ブチルリチウムなどと反応さ
せ、ついで臭化マグネシウムを添加して同一グリニャー
ル試薬をつくることもできる。B2のRi は実際には2
−ピリジルであるが、明らかに芳香族、ヘテロ芳香族置
換基を含む種々の置換基であることができる。さらに、
i はたとえばフェニル、ピリミジニル、またはチアゾ
リルであることができる。 【0048】アゼチジン−2−オンB3はカルバペネム
に閉環できる中間物である。下記修飾がカルバペネム核
と非適合性である場合には、この中間物上でRa または
前駆体置換基、たとえば(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)メチル基を修飾できる。たとえば、B3のt−ブ
チルジメチルシリル基を除去する便利な反応は、メタノ
ール中の硫酸の2%希薄溶液に0℃で数分〜数時間さら
すことである。B3のカルバペネムへの環化後、同一条
件でt−ブチルジメチルシリル基を除去するときは、カ
ルバペネムの実質的部分が分解し、失なわれる。そこ
で、この場合の前駆体置換基の修飾および別の前駆体置
換基またはRa による交換は、カルバペネム閉環前に行
うのが最上である。勿論、B3のカルバペネムへの環化
後、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドおよび
酢酸とTHF中で反応させることにより、減少した収率
でt−ブチルジメチルシリル基を除去することも可能で
ある。 【0049】化合物B3をキシレン中痕跡のp−ヒドロ
キノンと共に約1〜2時間不活性雰囲気中で還流するこ
とにより、カルバペネムB4に閉環できる。この中間物
上で、前駆体置換基からRa 、たとえばヒドロキシルメ
チルの最後の仕上げを遂行できる。カルボキシルまたは
ヒドロキシル保護基の除去は、最終化合物の一般式
(I)を与える。このような最後の仕上げと脱保護をさ
らに詳細に次に記載する。 【0050】フローシートB 【化83】 【0051】フローシートCは別法の第2段階合成、す
なわちB1のような基本ビフェニルをカルバペネムの2
−位に結合することを示す。この合成は、カルバペネム
トリフラートと適当に置換したアリールスタナンの間の
パラジウム触媒クロス−カップリング反応を含み、この
方法は米国特許出願第485,096号(1990年2
月26日出願)に記載されており、ここで引用文献とす
る。この合成を応用するためには、まずブロモビフェニ
B1をトリメチルスタニルビフェニルC3に変形する
ことが必要である。B1をTHF中−78〜−50℃で
t−ブチルリチウムと反応させ、ついでトリメチルスズ
クロリドを添加することにより、上記変形を遂行する。
別法では、単にB1とヘキサメチルジスズとをテトラキ
ストリフェニルホスフィンパラジウムの存在でトルエン
溶液中で加熱することにより、C3を製造できる。この
中間物においては、前駆体置換基またはRa 上に使われ
ているある種の保護基を除去することが望ましいことで
あり得る。例えば、ヒドロキシメチル置換基上のt−ブ
チルジメチルシリル基のような保護基は、THF中でテ
トラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドにさらすこと
により除去でき、特定のC3を生じる。t−ブチルジメ
チルシリル基を同一条件でカルバペネムC4から除去す
るときは、カルバペネムの実質的部分が分解し、失なわ
れる。そこで、この場合の前駆体置換基の修飾および別
の前駆体置換基またはRa による交換は、カルバペネム
への結合前に行うのが最上である。再び、フローシート
Cを参照し、2−オキソカルバペネムC1を、トリフル
オロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスル
ホニルクロリドなどのような適当なトリフルオロメタン
スルホニル源と、トリエチルアミン、ジイソプロピルア
ミンなどのような有機窒素塩基の存在で、テトラヒドロ
フランまたは塩化メチレンのような極性非プロトン性溶
媒中で反応させる。ついで、トリエチルアミンなどのよ
うな有機窒素塩基を反応溶液に加え、ついで直ちにトリ
フルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルの
ようなシリル化剤を加え、中間物C2を得る。DMF、
1−メチル−2−ピロリジノンなどのような非プロトン
性極性配位溶媒を加える。これについで、トリス(ジベ
ンジリデンアセトン)ジパラジウム−クロロホルム、酢
酸パラジウムなどのようなパラジウム化合物、トリス
(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,
4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィンなどのよう
な適当に置換したフェニルホスフィン、およびスタナン
C3を加える。塩化リチウム、塩化亜鉛などのような金
属ハロゲン化物を加え、反応溶液を加温し、0〜50℃
のような適当な温度で数分〜48時間かきまぜる。通常
の当該技術で既知の単離/精製によってカルバペネム
を得る。 【0052】一般的に言って、フローシートCで示した
合成の一層温和な条件は、フローシートBで例示した合
成よりも一層広い範囲の官能基Ra の存在を許す。しか
し、ある場合には、スタナンC3のRa 置換基を保護形
または前駆体形で導入するのが有利である。前駆体置換
基からのRa 、たとえばヒドロキシメチルの最後の仕上
げはカルバペネム中間体C4上で遂行できる。保護基の
除去は最終化合物の一般式(I)を与える。上記最後の
仕上げおよび脱保護を次にさらに詳細に記載する。 【0053】フローシートC 【化84】 【0054】ピリジルチオエステルであるアゼチジン−
2−オンB2は、カルバペネム製造においてよく知られ
た化合物である。B2をつくるのに有用な種々の合成ス
キームを当業者は想像できる。本発明で特に有用なの
は、フローシートDに示した合成スキームであり、記号
Rは上記で定義した通りである。中間物B2製造のため
の工程は、たとえば米国特許第4,260,627号、
第4,543,257号;L.D.Camaら、Tet
rahedron,39巻、2531頁(1983
年);R.N.Guthikondaら、J.Med.
Chem.,30巻、871頁(1987年)(ここで
引用文献とする)に記載の操作と類似している。フローシートD 【化85】 【化86】 【0055】2−オキソカルバペネム中間物C1の製造
工程は当該技術でよく知られており、D.G.Meli
lloら、Tetrahedron Letters,
21巻、2783頁(1980年);T.Salzma
nnら、J.Am.Chem.Soc.,102巻、6
161頁(1980年);L.M.Fuentes,
I.Shinkai,T.N.Salzmann.J.
Am.Chem.Soc.,108巻、4675(19
86年)により十分詳細に説明されている。その合成も
米国特許第4,269,772号、第4,350,63
1号、第4,383,946号、第4,414,155
号(全てMerck and Co.Inc.に譲渡さ
れ、ここで引用文献とする)に明示されている。 【0056】上記のフローシートで示した一般合成は、
ガルバペネムの6−位の保護した1−ヒドロキシエチル
置換基を示している。最後の脱保護後、1−ヒドロキシ
エチル置換基が得られ、これが大部分の場合好ましい。
しかし、ある種の2−側鎖の選択においては、全分子に
おける好ましい性質の最終的均衡は、かわりに6−(1
−フルオロエチル)残基の選択により増加できる。本発
明の範囲内である6−フルオロアルキル化合物の製造
は、カルバペネム抗菌化合物の製造技術でよく知られた
技術を使い簡単な方式で実施される。たとえば、J.
G.deVriesら、Heterocycles,2
3巻、8号、1915頁(1985年);BE9007
18A(Sandoz);日本特許公報第6−0163
−882−A号(三楽酒造)参照。 【0057】本発明の化合物においては、Ra の一つは
型Iのものでなければならない。一般問題として、抗M
RSA/MRCNS活性はビフェニル核により独特に与
えられた全分子の立体配置から生じると推測される。型
Iの置換基は分子に対しなお一層大きい抗MRSA/M
RCNS活性を与える。 【0058】型IIのRa 置換基は、化学的にまた与える
生物学的性質に関し、型Iの置換基とは区別される。関
連化合物において、型IIの置換した化合物は一層大きい
水溶解度を与え、CNS副作用に対し減少した可性力を
与えることが見出されている。全化合物に対し改良され
た水溶解度を与える傾向のある置換基は、含まれる化合
物の輸送を改良することが予想されるから、有用なこと
が見出されている。型IIの置換基の実質的数および範囲
をここで記載してきたが、これらの全てはその薬化学に
関連した置換基の生物学的性能に基づき、この発明の一
部分であることが意図されている。 【0059】本発明の化合物においては、必要な型Iの
置換基と所望の型IIの置換基を組合せることができるか
ら、単一置換基では得られない最終の全分子における望
む寄与の組合せを得ることができる。すなわち、増加し
た水溶解度と共に改良された抗MRSA/MRCNS活
性を得ることができる。 【0060】本発明の化合物で使われる型Iの置換基
は、四級窒素基をもつことができ、型Iで記載のように
環式および非環式の両者を含む。すでに指摘したよう
に、置換基Ra の一つだけが型Iの定義の群から選ばれ
る一員でなければならないことが要求される。残りの置
換基の一つまたはせいぜい三つが型IIの定義群から選ば
れる一員であることができるのは任意である。たとえ
ば、5−位のRa が型Iのものであり、4′−位のRa
が型IIのものであることができ、残りの置換基が水素で
ある。 【0061】一般式(I)の好ましい化合物において
は、R1 は水素である。さらに好ましくは、R1 が水素
でR2 が(R)−CH3 CH(OH)−または(R)−
CH3CH(F)−である。最も好ましい場合には、R
1 が水素で、R2 が(R)−CH3 CH(OH)−また
は(R)−CH3 CH(F)−である。R=Hがふつう
は好ましいが、R=CH3 が改良された化学安定性、水
溶解度、または薬物動態学的挙動を与え得る場合があ
る。置換基R=CH3 はどちらの立体配置、すなわちα
−またはβ−立体異性体であることができる。さらに、
好ましい化合物においては、ビフェニルの5−位のRa
は水素以外のものである。 【0062】好ましいタイプI.a)置換基は 【化87】 【化88】 【化89】 【化90】 を含み、式中X=O、SまたはNRc である。タイプ
I.a)の構造に関して、Rc は不定の位置を有するこ
とを示し、環のいずれかの炭素に結合していてもよい。 【0063】好ましいタイプI.b)置換基は 【化91】 【化92】 【化93】 【化94】 を含み、式中X=O、SまたはNRc であり、X′=O
またはSである。タイプI.b)の構造に関して、Rc
および/またはA′は不定の位置を有することを示し、
環のいずれかの炭素原子に独立的に結合している。 【0064】好ましいタイプI.c)置換基は 【化95】 を含み、式中W=O、S、NRe 、N(O)Re 、S
O、SO2 またはN+ (Re 2 であり、W′=N+
e またはNOである。タイプI.c)の構造に関して、
q は不定の位置を有することを示し、環のいずれかの
炭素原子を結合していてもよい。 【0065】好ましいタイプI.d)置換基は 【化96】 を含む。タイプI.d)の構造に関して、Rq および/
またはA′p は不定の位置を有することを示し、環のい
ずれかの炭素原子に結合していてもよい。 【0066】Rc 置換基はここでビフェニル環に対する
タイプI.a)またはb)置換基上の適切なさらなる置
換基を表わすものである。上記の通り、これらのタイプ
I.a)またはb)置換基はヘテロ原子を含む単環また
は二環芳香族基である。主な置換基のこのクラスは与え
られており、さらに適切な置換基は、ペネムおよびカル
バペネム業界ですでに発見されていてもよい。例えばタ
イプI.a)またはb)置換基に対する適切な置換基は
メルク社に譲渡された米国特許第4,729,993号
またはブリストールマイヤーズ社に譲渡された米国特許
第4,746,736号に一般的に教示されている。こ
れらの特許を参照としてここで組み入れる。広範囲に、
c は同じくまたは異なってもよく、上記定義のグルー
プから独立して選択してもよい。単一のこのような置換
が好ましいが、Ra 上の2つまでのこのような置換基を
使用することもあり、例えば多数の置換基を使用するこ
とにより特定の置換基の効果を増大することが望まれ
る。Rc の特定な選択は状況による。例えば、特有のR
c は窒素カチオンに対して特別な安定性に寄与できる。
他に特定の細菌に対する分子全体の抗細菌活性を増大す
ることが知られた置換基の使用が望まれ、例えば水溶性
のような他の特性または分子全体の作用期間を改善する
ことが知られた置換基を使用することもまたできる。 【0067】ここで、Rc の範囲はタイプI.a)また
はb)置換基に結合したさらなる置換基の2つの特定の
タイプを含む。Rc の第1のタイプは環形成炭素に結合
したものであり、Rc の第2のタイプは中性の環形成窒
素に結合したものである。有機置換基の広い範囲がRc
として適切に使用されることは当業者に容易に認められ
るであろう。−NRy z 置換基を含む置換基はRc
一つの目的、例えば炭素置換に対して有用であり、他の
目的、例えば窒素置換においては等しく有用でない。 【0068】環形成炭素原子に結合した好ましいR
c は、−NH2 、−SCH3 、−SOCH3 、−CH2
OH、−(CH2 2 OH、−OCH3 、−COO
b 、−CH2 COOMb 、−CH2 CH2 COO
b 、−CH2 SOCH3 、−CH2 SCH3 、−SO
3 b 、−CH2 SO3 b 、−CH2 CH2 SO3
b 、−Br、−Cl、−F、−I、−CH3 、CH2
3 、CH2 CONH2 およびCH2 CON(C1 −C
4 アルキル)であり、ここでMb は上記で定義した通り
である。中性の環形成窒素原子に結合した好ましいRc
は、−CH2 OH、−(CH2 2 OH、−CH2 CO
OMb 、−CH2 CH2 COOMb 、−CH2 SOCH
3 、−CH2 SCH3 、−CH2 SO3 b 、−CH2
CH2 SO3 b 、−CH3 、CH2 CH3 、CH2
ONH2 およびCH2 CON(C1 −C4 アルキル)で
あり、ここでMb は上記で定義した通りである。 【0069】各タイプI.a)またはb)置換基は水素
以外の2個のRc 置換基を有しているのみにすぎないこ
とが好ましい。このようにタイプI.a)置換基に対し
て上記で示めされた式は水素の残りを有する2個までの
c 置換基を有する。更に、タイプI.b)置換基に対
する式もまた2個までのRc が許容される。これらの式
に従って、前もって列挙されたより特定の構造は各単環
または二環基に対する2個のRc 置換基を有しているに
すぎないことを説明すべきである。同様にタイプI.
c)またはd)置換基に関しては、単環または二環基は
単一のRq 置換基を有するのみであることが好ましい。 【0070】Rd の範囲はタイプI.b)またはd)置
換基に結合したさらなる置換基の単一タイプを含む。R
d 置換基は芳香族であってもなくてもよいカチオン性窒
素に結合している。カチオン性窒素原子に結合した好ま
しいRd は水素、−CH3 、CH2 CH3 、−CH2
2 CH3 、−CH2 COOMb 、−CH2 SO
3 b 、−NH2 およびO(-) であり、ここでMb は上
記で定義されている。 【0071】グループIb、IcおよびIdを記述する
式はそれら置換基に対する正に電荷した状態を示す。そ
れらのある置換基は、窒素に結合したプロトン化してい
る水素原子を有することによりカチオン性であるが、こ
のような水素原子の不在により中性置換基として一定条
件下また存在しても、または生成されてもよいことは理
解される(すなわち、グループIbにおいてはRd は存
在しないし、グループIcにおいてはRw は存在しない
し、およびグループIdにおいてはヘテロ環のタイプに
依存して0〜1個のRd が存在する)。このようなグル
ープIb、IcまたはId置換基が、酸−塩化学の原則
に支配されうる所定の物理的状態中で優勢的にカチオン
性または中性であろうと、このことは当業者によく知ら
れている。例えば、カチオン性型に対する中性型の特定
の割合はアミンの塩基度および溶液の酸度に依存するで
あろう。このような置換基がプロトン化した四級化状態
にある場合、化合物は、電荷に関して内部的に平衡され
た双生イオン(zwitter ion)として、また
は外部的に平衡されたアンモニウム塩として存在する。
説明において、もしグループIb置換基上のRd が存在
しないならば、このような置換基は中性である(窒素上
に正の電荷はない)と理解される。このような置換基を
含む化合物は塩としてこの形で一般的に生成され(ここ
でMはアルカリ金属であり)、溶液中で中性の形で存在
してもよい。しかし、条件に依存して、中性のタイプI
b置換基を含む化合物は四級化プロトン化置換基ただし
d は存在し水素原子であるものを含む相当する化合物
と平衡していて、この相当する化合物を示している式に
より表わしてもよい。更に同じ化合物は完全なプロトン
化四級化形でグループIb置換基と一緒に存在してもよ
く、例えば化学量論の量の強鉱酸の存在する水溶液に存
在する。まさしく記載したタイプのグループIb、Ic
およびId置換基のプロトン化(カチオン化)および非
プロトン化の両方の形は本発明の範囲内にあることをこ
こで意図している。 【0072】適切なAスペーサ部は−CH2 −、−CH
2 CH2 −、−CH2 CH2 CH2−、−CH2 CH2
CH2 CH2 −、−OCH2 CH2 −、−SOCH
2 −、−SO2 CH2 −、−SCH2 CH2 −、−SO
CH2 CH2 −、−SO2 CH2CH2 −、NHCH2
CH2 −、−N(CH3 )CH2 CH2 −、−CH2
(CH3 )CH2 CH2 −、−CONHCH2 CH
2 −、−SO2 NHCH2 CH2 −、−COCH2 −、
−CH=CHCH2 −および−CH2 OCH2 CH2
を含む。好ましくはQはO、S、NHまたはN(C1-4
アルキル)であり、nは2〜6である。適切なA′は上
記Aに列挙されたものである。更にA′は適切に−O
−、−S−、−NH−、−SO2 −、−SO2 NH−、
−CONH−、−CH=CH−、−CH2 S−、−CH
2 NH−、−CONHCH2 −、−SO2 NHCH2
であってもよい。 【0073】タイプI.カチオン性置換基を一般にビフ
ェニルに加え、続いてビフェニルをカルバペネムに結合
する。従来、ビフェニルの側鎖は所望のカチオン性置換
基に作り上げられる前駆体置換基で合成されるべきであ
る。前駆体置換基の本質は特定な所望のRa に従って変
化する。例えばこのような前駆体置換基の一つとしてヒ
ドロキシメチルのような−A−OHである。ヒドロキシ
メチル前駆体置換基は、ヒドロキシルをヨージド(−A
−Iとする)のような活性脱離基に変換し続いて所望の
窒素含有芳香族化合物と反応させることにより作り上げ
てよい。より詳しくは、2つの方法を利用、−A−部分
上に脱離基を生成し、続いて記載したタイプのカチオン
性置換基でこのような脱離基を置換してもよい。 【0074】第1の方法に関して、−A−OHのヒドロ
キシル基を、トリエチルアミン存在下メタンスルホニル
クロリドで処理することによりメタンスルホナートに変
換してもよい。適切な溶媒は例えばジクロロメタンを使
用し、低温で反応を行なう。次に、メタンスルホナート
中間体は、それ自身良好な脱離基であり、適当な溶媒例
えばアセトン中ヨウ化ナトリウムで低温または室温で処
理することにより反応性のヨージド誘導体に変換しても
よい。代わりに、ヒドロキシル基をヨージド基に当業界
に知られた一般的方法により直接変換してもよい。例え
ばヒドロキシル基をジメチルホルムアミドのような適切
な溶媒中で低温または室温でメチルトリフェノキシホス
ホニウムヨージドで処理して直接所望のヨージドを与え
る。一度ヨージドが形成されると、カチオン性置換基の
導入は、ヨージドを所望の窒素含有化合物、例えばピリ
ジンのようなヘテロ芳香族化合物で処理することで簡単
に達成される。反応は適当な溶媒例えばアセトニトリル
中室温またはほぼ室温で進行する。この置換反応は、反
応混合液に過剰のトリフルオロメタンスルホン酸銀を加
えることにより、また促進されてもよい。この場合、低
温がしばしば所望される。 【0075】第2の方法に関して、−A−OHのヒドロ
キシル基は反応性トリフルオロメタンスルホネート(ト
リフラート)基に変換してもよい。しかし、このような
活性化基は従来技術により分離されずに形成でき、その
ままで使用できる。このように、2,6−ルチジン、
2,4,6−コリジンまたは2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルピリジンのような阻害非求核性塩基の
存在下、適切な溶媒例えばジクロロメタン中、低温でヒ
ドロキシル基をトリフルオロメタンスルホン酸(トリフ
ル酸)無水物で処理して、トリフラート活性化基を生成
する。次にカチオン性基の導入は、低温で上記トリフラ
ートをそのままで所望の窒素含有化合物と反応させるこ
とにより達成される。特定の場合、トリフラート活性化
基の形成のための塩基として反応性窒素含有化合物を使
用することは可能であり好ましい。この場合、少なくと
も2当量の反応性窒素含有化合物の存在下、上記条件
で、ヒドロキシル基をトリフル酸無水物で処理してカチ
オン性置換基を与える。 【0076】上記の代表的な離脱基(leaving
group)はアルキル及び置換アルキルスルフォネー
ト、アリール及び置換アリールスルフォネート及びハラ
イドである。普通のスルフォネート離脱基はメタンスル
フォニルオキシ、トリフルオロメタンスルフォニルオキ
シ、フルオロスルフォニルオキシ、p−トルエンスルフ
ォニルオキシ、2,4,6−トリイソプロピルベンゼン
スルフォニルオキシ、p−ブロモベンゼンスルフォニル
オキシ及びp−ニトロベンゼンスルフォニルオキシであ
る。好ましいハロ離脱基はブロモ及びヨードである。こ
れらアルキル及び置換アリールスルフォネート離脱基は
スルフォニルクロライド又はスルフォン酸無水物を使用
する上記方法と同様な経路で製造できる。 【0077】カチオン置換が置換基Rc を有する場合、
その様な置換基を加入する最も容易な方法は上記製造方
法の反応体として既に所期の置換基を持つ窒素含有化合
物を使用することである。その様な置換化合物は容易に
入手できる原料であり又は既知の文献記載の直載的方法
で製造することができる。 【0078】I.b)型カチオン性置換基はビフェニル
環上の中性前駆体置換基の芳香族環窒素を4級化する事
によって製造される。中性前駆体置換基の例としては−
CONHCH2 −(2−ピリジル)、−CONHCH2
−(4−ピリジル)又は−SO2 CH2 −(4−ピリジ
ル)がある。4級化は窒素化合物を不活性有機溶媒(例
えば、CH2 Cl2 )中約0℃乃至室温でアルキル化剤
d −Y〔Rd は上記の通りであり、Yはヨーダイド、
ブロマイド、メシレート(メタンスルフォネート)、ト
シレート(p−トルエンスルフォネート)、又はトリフ
ルオロメタンスルフォネートのような離脱基〕と反応す
る事によって行なわれる。或は、芳香族環窒素は3−ク
ロロ過安息香酸(N−オキサイドを与える)のような酸
化剤又はo−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼン
スルフォニル)ヒドロキシアミン(N−アミノ誘導体を
与える)のようなアミン化剤と適当な溶媒(例えば、ジ
クロロメタン又はCH3 CN)中室温で反応する事で4
級化出来る。更に、中性前駆体置換基は塩基性芳香族環
窒素のプロトン化を経由してカチオン性とする事が出来
る。これは中性前駆体を適当な無機又は有機酸例えば、
塩酸、燐酸、臭化水素酸、酢酸又は安息香酸で処理する
事によって行なうことが出来る。プロトン化は更に、カ
ルバペネムのC−3カルボキシル基を含む、分子中のど
こに在っても良いカルボキシル基機能で達成出来る。中
性前駆体置換基はカルバペネムへそれが連結する時に既
にビフェニル環に結合していても良く、又はカルバペネ
ムへのその連結の後で、より簡単な前駆体から仕上げて
も良い。仕上用の前駆体置換基の例はヒドロキシメチル
の様な−A′−OHである。 【0079】一つの合成法としては、ヒドロキシ基を上
記の様にヨードの様な反応性離脱基に転換することが出
来る。その後でヨー化物をメルカプト又はアミノの様な
求核側鎖置換基を有する芳香族化合物と求核置換反応す
る。この置換反応では、側鎖置換基を求核的に反応し、
芳香族環窒素とは反応しない。この反応に適当な基質は
2−(メルカプトメチル)ピリジン、2−アミノピリジ
ン、2−(アミノメチル)ピリジン又は4−(メルカプ
トメチル)ピリジンである。反応は不活性有機溶媒例え
ば塩化メチレン中で、約0℃乃至室温において、トリエ
チルアミン又はジイソプロピルエチルアミンのような非
求核塩基の存在下に行なわれる。かくして上記の如き芳
香族環窒素の4級化又はプロトン化によりI.b)型カ
チオン性置換基が得られる。 【0080】前駆体−A′−OH(例えば、ヒドロキシ
メチル)から出発するI.b)型カチオン性置換基の2
番目の合成法は、アルコール機能性のアルデヒドへの酸
化、ついで適当な窒素含有芳香族置換試薬によるウィッ
ティヒ型(Wittig−type)オレフィン化及び
最後の4級化より成る。酸化は塩化オキザリル−ジメチ
ルスルフォキサイドついでトリエチルアミンを使用する
スウェーン(Swern)酸化によって便宜に行なわれ
る。反応は溶剤としての塩化メチレン中で−70℃乃至
0℃で行なわれる。ウィッティヒ反応はアルデヒドと所
期のウィッティヒ試薬をアセトニトリル又はジメチルス
ルフォキサイドの様な極性溶媒中でほぼ室温で行なわれ
る。適当なウィッティヒ試薬としては、ピリジルメチレ
ントリフェニルフォスフォラン、キノリルメチレントリ
フェニルフォスフォラン、およびチアゾリルメチレント
リフェニルフォスフォランが含まれる。この様に上記の
4級化又はプロトン化によってI.b)型カチオン性置
換基の合成が完成する。所期のI.b)型の特定基Ra
によっては、当業者に自明の多くのその他の合成法を採
用できる。 【0081】I.c)型カチオン性置換基は、置換に使
用された窒素含有化合物が脂肪族アミン(即ち、NRy
z w )である以外はI.a)置換基に示したのと同
様な方法で製造できる。然しながら、アミノ基がビフェ
ニル核に直接結合している場合には(即ち、−Ap +
y z w 、ここでp=0)、アミンはカルバペネム
系に組入れられる前にビフェニルに結合するのが便利で
ある。アミンが1級又は2級である時は、カルバペネム
にビフェニルを結合する工程の間、適当なアミン保護基
で保護する必要がある。3級アミンは保護の必要はな
く、I.b)型カチオン性置換基用に記載した如く4級
化又はプロトン化出来る。 【0082】I.d)型カチオン性置換基はビフェニル
環上の適当な中性前駆体置換基の非芳香環窒素を4級化
又はプロトン化することによって製造出来る。4級化又
はプロトン化は上記I.b)型置換基に記載した様に行
なわれる。I.b)型置換基と同様に、中性前駆体はカ
ルバペネムに連結の時に既にビフェニル環に結合してい
ても良く、又は中性前駆体置換基はカルバペネムへのそ
の連結の後で、ビフェニル環のより簡単な前駆体から仕
上げても良い。中性前駆体置換基の例は次のようなもの
である。 −CONH(3−キヌクリジル)、 −CONH〔4−(N−メチルピペリジニル)〕、 −SO2 CH2 CH2 〔2−(N−メチルピロリジニル)〕、 −SO2 NH〔1−(4−メチルピペラジニル)〕および −CH2 〔1−(4−メチルピペラジニル)〕。 ヒドロキシメチルの様な、より簡単な置換基から中性前
駆体置換基を仕上げる方法は、前記I.b)型置換基と
同様な方法で、I.d)型非芳香環窒素部を導入する適
当な試薬を使用して行なわれ、このものは次いで4級化
又はプロトン化される。 【0083】II型の基Ra の中で好ましいものはヒドロ
キシ基でモノ置換されたC1-4 アルキル、例えばヒドロ
キシメチル、フォルミル、−COOKの様なカルボキ
シ、−CONH2 の様なカルバモイル、−CH=NOH
又はシアノの様なヒドロキシイミノメチルであり、又は
シアノである。 【0084】この好ましい置換に関連して、既知の合成
法を利用して、所期の如き1又はその以上のヒドロキシ
メチル基がビフェニル環上に得られる。例えば、ビフェ
ニルがフローシートAEに従って製造される場合、前駆
体置換基としてのメチル基は既知の手段および相当する
B1に反応した出発材料によって、出発材料AE1及び
/又はAE2上の適当な位置に置換される。次いで、こ
のB1のメチル置換基は酸化されて、例えば、酸化クロ
ムでカルボン酸基に、又はN−ブロモスクシンイミドで
ブロモメチル基になる。前駆体置換基としてのメチル基
の酸化は、アゼチジン−2−オン或は後続のカルバペネ
ムのどちらにも共通の酸化条件で、アゼチジン−2−オ
ン上にビフェニルを置換することで有利に行なわれる。
カルボン酸基はボランテトラヒドロフラン錯体の様な還
元剤及びブロモメチル基の酢酸カリウムによるアセトキ
シメチル基への転換次いで加水分解を利用してヒドロキ
シメチル基に転換出来る。他の例としては、ビフェニル
をフローシートAA乃至ADに従って製造する場合、ア
ミノ置換基をハロゲンに転換し、このものをカルボン酸
部分に変換し、次いで上記の様にヒドロキシメチル基に
転換できる。これらはすべて既知の反応である。 【0085】ビフェニル上の好ましいフォルミル置換は
スウェーン酸化によるB4のヒドロキシメチル置換から
得られる。例えば、異性体B4は塩化メチレン中、−7
0℃乃至室温で活性剤としてのトリエチルアミン及び塩
化オキザリル−ジメチルスルフォキサイドを使用して酸
化する。勿論、フォルミル置換の位置は異性体B4中の
ヒドロキシメチル基の位置に依存する。 【0086】ビフェニル上の好ましい−CH=NOH置
換基は上記のフォルミル置換から便宜に得ることができ
る。これは単にフォルミル置換化合物を適当な溶剤中、
室温でヒドロキシアミンに暴露することによって行なわ
れる。 【0087】ビフェニル上の好ましいシアノ置換基は上
記の−CH=NOHから便宜に得ることができる。−C
H=NOH置換化合物を溶剤中、−70℃で無水トリフ
ルオロ酢酸(Triflic anhydride)及
びトリエチルアミンで脱水する。 【0088】ビフェニル上の好ましい−COOK置換基
は上記ヒドロキシメチル置換B3又は異性体B3から得
ることができる。例えば、異性体B3をジョーンズ試薬
で酸化して、ヒドロキシメチル置換体をカルボン酸基に
転換する。ジョーンズ試薬での酸化はカルバペネムと共
用出来ず、従って最適には環化の前に行なわれる。環化
の前に、カルボン酸基は、カルバペネムの環化が出来る
様に、アリルエステルとして保護される。保護はアリル
ブロマイドとトリエチルアミンでアルキル化して行なわ
れる。環化に続く脱保護はMcCombie及びJef
frey、J.Org.Chem.,47,p.250
5(1983)記載の様に2−エチルヘキサン酸カリウ
ムを含む溶液中で、パラジウム触媒反応で行なわれる。
このような溶液中での脱保護は所期のカリウム塩を生ず
る。 【0089】好ましいカルバモイル、−CONH2 、は
B3からヒドロキシメチル基をジョーンズ試薬で上記の
相当するカルボン酸基に酸化することで得られる。この
カルボン酸置換基は、有機溶媒中室温で1−エチル−3
−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジイミド塩
酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及びアンモニ
アと順次接触することでカルボキシアミド基(−CON
2 )に転換される。置換アミド類は勿論アンモニアを
相当する置換アミンに置き換えることによって得られ
る。カルボキシ置換は対照的に、そのカルバモイル基は
カルバペネム環化の条件でも保護の必要はない。 【0090】上記II型の好ましい基Ra で置換した化合
物はフローシートC記載の合成法を採ることで得られ
る。この場合、上記合成法はカルバペネムへのビフェニ
ル側鎖の結合前の中間体C3上で、又はその結合の後で
C4上で行なう事ができる。 【0091】上記に加えて又は含めて、基IIの適当なR
a としては以下のものがある。 −OCH3 −OCH2 CO2 Na −OCH2 CH2 OH −CF3 −F −Cl −Br −I −OH −OCOCH3 −OCONH2 −SCH3 −SOCH3 −SO2 CH3 −SCH2 CH2 OH −SOCH2 CH2 OH −SO2 NH2 −SO2 N(CH3 2 −NHCHO −NHCOCH3 −NHCO2 CH3 −NHSO2 CH3 −CN −CHO −COCH3 −COCH2 OH −CH=NOH −CH=NOCH3 −CH=NOCH2 CO2 H −CH=NOCMe2 CO2 H −CH=NOCMe2 CO2 Me −CO2 CH2 CH2 OH −CONH2 −CONHCH3 −CON(CH3 2 −CONHCH2 CN −CONHCH2 CONH2 −CONHCH2 CO2 H −CONHOH −CONHOCH3 −テトラゾリル −CO2 Na −SCF3 −PO3 NaH −CONHSO2 Ph −CONHSO2 NH2 −SO3 Na −SO2 NHCN −SO2 NHCONH2 −CH=CHCN −CH=CHCONH2 −CH=CHCO2 Na −C≡C−CONH2 −C≡C−CN −CH2 OH −CH2 3 −CH2 CO2 Na −SO2 CH2 CH2 OH and −CH2 I。 【0092】上記製造法に於て、カルバペネムの3−位
置のカルボキシル基及び8−位置のヒドロキシル基は最
後から2番目の製品が合成できるまで保護基で封鎖され
たままである。適当なヒドロキシル保護基、P′、はト
リ有機シリル基、例えばトリアルキルシリル、アリール
(アルキル)シリル、ジアリールアルキルシリル等、及
びカーボネート基、例えばアルキルオキシカルボニル及
び置換アルキルオキシカルボニル、ベンジルオキシカル
ボニル及び置換ベンジルオキシカルボニル及びアリルオ
キシカルボニル及び置換アリルオキシカルボニル等であ
る。好ましい保護基はメトキシ−t−ブチルフェニルシ
リル、t−ブトキシジフェニルシリル、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、o−ニトロベンジルオキシカル
ボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、ベンジ
ルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、
2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル及びア
リルオキシカルボニルである。上記に加えて又は含めて
工程式に示した適当なカルボキシ保護基、M、を以下に
記載する。 【0093】脱保護は通常の方法で行なわれる。フロー
シートBに従って製造された化合物に対しては、脱保護
は2−エチルヘキサン酸カリウムと2−エチルヘキサン
酸又は逆にピロリジンの様なその他の適当な求核試薬を
含む溶液中で、パラジウム触媒反応で行なわれる。又
は、フローシートCを経由して製造された化合物に対し
ては、脱保護は継続して行なわれる。このように、化合
C4は先ず最初にテトラヒドロフランの様な有機溶剤
中0℃乃至周囲温度で数分間乃至数時間酢酸又は希HC
lなどの様な水性酸性条件に暴露される。脱シリル化さ
れたカルバペネムは通常の方法で分離されるが、より便
宜的には最終脱保護工程に掛けられる。このように、N
aHCO3 又はKHCO3 の様な無機塩基及び10%P
d/Cの添加によってp−ニトロベンジル保護基の分離
及び式Iの最終製品の生成が行なわれる。 【0094】分子全体は電子的に平衡していなければな
らない。本発明の化合物中には4級窒素が存在するの
で、この場合、平衡するアニオンもまた必要である。こ
れは一般にCOOMをCOO- とする事で行なわれる。
然しながら、Mが、例えば、製薬的に許容されるエステ
ルである場合、対イオン(アニオン)Z- を準備する必
要があり、又はアニオン性の置換基を利用することがで
きる。1個以上の4級窒素が存在する場合、対イオンを
準備し、又はアニオン性の置換基を更に利用する必要が
ある。更に、4級窒素が既にCOOM=COO- で平衡
している場合、アニオン性置換基を利用する事は本発明
の範囲内である。この場合、アニオン性置換基のための
対イオン(カチオン)を準備する必要がある事はよく理
解される。然しながら、その様な選択をする事は、多く
の適当なアニオン性やカチオン性対イオンを利用できる
当業者にとって、技術範囲内である。 【0095】上記定義に関連して、「アルキル」は直鎖
または分枝鎖の脂肪族炭化水素基を意味する。「4級窒
素」はテトラ−アルキルアンモニウム基(例えば、テト
ラメチルアンモニウム、N−メチルピリジニウム)中の
カチオン性窒素原子を含む4価のカチオン性窒素原子、
プロトン化されたアンモニウム種(例えば、トリメチル
ヒドロアンモニウム、N−ヒドロピリジニウム)中のカ
チオン性窒素原子、アミンN−オキサイド(例えば、N
−メチルモルフォリン−N−オキサイド、ピリジン−N
−オキサイド)中のカチオン性窒素原子、及びN−アミ
ノ−アンモニウム基(例えば、N−アミノピリジニウ
ム)中のカチオン性窒素原子を意味する。「ヘテロ原
子」は独立の基準で選択したN、S、又はOを意味す
る。「ヘテロアリール」は、基Rx との関連で、特定の
且限定された意味を有し、単に、単環(monocyc
lic)を意味する。 【0096】カチオン性基I.a)及びb)が明らかに
ヘテロアリール基(単環及び二環の両方)を含む時、
「ヘテロアリール」は上記これらカチオン性基の定義と
関連して使用されない。単環ヘテロアリール基は少なく
とも一個の窒素原子を持ち、そして任意に多くても一個
の酸素原子又は硫黄ヘテロ原子が更に存在できる。この
型のヘテロアリール基はピロール及びピリジン(I
N)、及びオキサゾール、チアゾール又はオキサジン
(1N+10又は1S)である。最初の窒素及び酸素又
は、例えば、チアジアゾール(2N+1S)を形成する
硫黄と共に更に窒素が存在する時は、好ましいヘテロア
リール基は、一個以上の窒素がある時は、窒素ヘテロ原
子だけが存在する場合のものである。これらの典型的な
ものはピラゾール、イミダゾール、ピリミジン及びピラ
ジン(2N)及びトリアジン(3N)である。 【0097】ヘテロアリール基Rx は、上記定義のごと
く、常に任意にRq でモノ置換されている、そして置換
は一個の炭素原子上又は一個のヘテロ原子上にあること
ができる、ただし後者の場合、ある種の置換基の選択は
適当でない事がある。 【0098】本発明の特定の化合物を表Iに列記する。表 I 【表1】 【表2】 【表3】 【表4】 【表5】 【表6】 【表7】 【表8】 【表9】 【表10】 【表11】 【0099】本発明のカルバペネム化合物類はそれ自身
で及びそれらの製薬的に許容される塩及びエステルの形
で動物及びヒトの細菌性感染の治療に有用である。述語
「製薬的に許容されるエステル又は塩」は本発明の化合
物のそれらの塩及びエステル形を意味し、製薬化学者に
自明なものである。即ち、それらは無毒性であり、その
化合物の薬物動力学的性質(パレット化性、吸収、分
布、代謝及び排泄)に好ましく作用するものである。よ
り実際的で、選択上重要な、その他の要素はバルク薬剤
の原材料価格、結晶化の容易さ、収率、安定性、吸湿性
及び流動性などである。便宜には、製薬組成物は活性成
分を製薬的に許容される担体と組合わせて調製される。
このように、本発明は製薬組成物及び本発明の新規カル
バペネム化合物を活性成分として利用する細菌性感染の
治療方法にも関する。 【0100】上記の製薬的に許容される塩は−COOM
の形を取り得る。Mはナトリウム又はカリウムの様なア
ルカル金属カチオンである。製薬的に許容されるM用の
その他のカチオンはカルシウム、マグネシウム、亜鉛、
アンモニウム、又はテトラメチルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム、コリン、トリエチルヒドロアンモ
ニウム、メグルミン、トリエタノールヒドロアンモニウ
ム等のアルキルアンモニウムカチオンである。 【0101】上記の製薬的に許容される塩は亦非毒性酸
付加塩を含むことができる。このように、式Iの化合物
は無機又は有機酸から誘導される塩の形で使用できる。
この様な塩に含まれるものは、酢酸塩、アジピン酸塩、
アルギン酸塩、アスパルチン酸塩、安息香酸塩、ベンゼ
ンスルフォン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カ
ンファー酸塩、カンファースルフォン酸塩、シクロペン
タンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルフ
ォン酸塩、エタンスルフォン酸塩、フマール酸塩、グル
コヘプタン酸塩、グリセロ燐酸塩、ヘミスルフォン酸
塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸
塩、沃化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルフォン酸
塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルフォン酸塩、2
−ナフタレンスルフォン酸塩、ニコチン酸塩、蓚酸塩、
パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプ
ロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオ
ン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエ
ンスルフォン酸塩、及びウンデカン酸塩等である。 【0102】本発明の新規カルバペネム化合物の製薬的
に許容されるエステルは既に当業化学者に自明である様
なものであり、例えば、米国特許第4,309,438
号の第9欄第61行乃至第12欄第51行に詳細に記載
されている化合物が含まれ、ここに参考として組み入れ
られている。この様な製薬的に許容されるエステルとし
ては、物理的条件下で加水分解された化合物、例えば、
ピバロイルオキシメチル、アセトキシメチル、フタリジ
ル、インダニル及びメトキシメチル、及び米国特許第
4,479,947号に詳細に記載されている化合物が
含まれ、ここに参考として組み入れられている。 【0103】本発明の新規カルバペネム化合物はCOO
Mの形を取ることができ、ここでMは容易に除去できる
カルボキシル保護基である。この様な以上の封鎖基は既
知のエステル基であり、カルボキシル基を上記合成工程
中保護的に封鎖するのに使用される。これら従来の封鎖
基は容易に除去できる。即ち、それらは、もし所望であ
れば、解裂或は分子中の残部のその他の破壊を引き起こ
さない手順で除去できる。その様な手順には、化学的加
水分解及び酵素的加水分解、化学的還元又は酸化剤によ
る温和な条件下での処理、遷移金属触媒及び求核剤によ
る処理、及び触媒的水素化が含まれる。その様なエステ
ル保護基はベンズヒドリル、p−ニトロベンジル、シリ
ル例えばトリメチルシリル又はt−ブチルジフェニルシ
リル、フェナシル、p−メトキシベンジル、アセトニ
ル、o−ニトロベンジル及び4−ピリジルメチルを含
む。 【0104】本発明の化合物は種々のグラム陽性菌及び
小範囲のグラム陰性菌に対して活性な価値ある抗菌剤で
あり、従って、ヒト及び獣医薬に利用出来る。本発明の
抗菌剤は医薬品としての用途に限定されず、すべての工
業分野、例えば動物飼料への添加剤、食品の保存剤、消
毒薬、及びバクテリアの繁殖の制御が望まれるその他の
工業システムに使用できる。例えば、それらは医療器具
や歯科器具上の有害なバクテリアの成長を破壊又は抑制
するために、溶液百万部当たり抗菌剤を0.1乃至10
0部の濃度範囲の水性組成物として使用でき、そして工
業的利用、例えば、水性ペイント及び製紙の白水におけ
る殺菌剤として、有害なバクテリアの成長を抑制するた
めに使用され得る。 【0105】本発明の化合物は種々の製薬製剤として使
用できる。それらはカプセル、粉末形態、溶液形態或は
懸濁液形態として使用され得る。それらは種々の方法で
投与される。基本的には局所的又は注射による非経口的
(静脈内的又は筋内的)方法が含まれる。 【0106】注射用組成物はアンプル状の単位投与形態
で又は複数投与形態のコンテナーとして製作される。こ
の組成物は懸濁液、溶液、又は油性又は水性媒体中のエ
マルジョンとして使用でき、そして調合剤を含むことが
できる。又は、活性成分は、摂取の時に、滅菌水の様な
適当な媒体で再構成するために粉末形態である事も出来
る。局所投与剤は軟膏、クリーム、ローション、塗布
剤、または粉末として、親水性又は疎水性に調製するこ
とができる。 【0107】投与されるべき投与量は処置される対象物
の条件やサイズ、並びに投与の経路及び頻度、一般的な
感染に好ましい注射による筋内経路に広範囲に依存す
る。このような事は、然しながら、抗菌剤技術における
既知の処置の原理に従って、医師の裁量に任される。そ
の他正確な投与量決定に影響する要素は、感染の性質及
び処置される固体に特有な素性とは別に、本発明の選ば
れた種の分子量である。 【0108】ヒト用組成物は、液状又は固体状に関わら
ず、活性成分を0.1乃至99%含むことが出来、好ま
しい範囲は約10乃至60%である。この組成物は一般
に活性成分を約15mg乃至約1500mg含む。然し
ながら、通常約250mg乃至1000mgの投与量が
好ましく使用される。筋内投与の場合、単位投与剤は普
通滅菌水溶液中の又は溶液用に意図された溶解性の粉末
形態中の純化合物Iである。 【0109】化合物Iの抗菌剤の投与の好ましい方法は
静脈内注入(i.v.infusion)、静脈内巨丸
(i.v.bolus)、筋内注射(i.m.inje
ction)である。 【0110】成人に対しては、体重1kg当たり式Iの
抗菌剤化合物5乃至50mgを1日に2乃至4回投与す
るのが好ましい。好ましい投与量は1日当たり式Iの抗
菌剤化合物250mg乃至1000mgを2回(b.i.
d.)、3回(t.i.d.)又は4回(q.i.d.)である。より
特定的には、温和な感染に対しては250mgt.i.d.又
は q.i.d. を勧める。高度にかかりやすいグラム陽性生
体に対する中程度の感染には500mg t.i.d. 又は
q.i.d. の投与量が勧告される。生体に対して厳しい、
生命を脅かす感染には抗菌剤に対しては上限の感度で、
1000mg t.i.d. 又は q.i.d. の投与量が勧告され
る。 【0111】小人に対しては、体重1kg当たり5乃至
25mgを1日に2乃至4回投与するのが好ましい。1
0mg/kg t.i.d. または q.i.d. の投与量が通常勧
告される。 【0112】式Iの抗菌剤化合物はカルバペネム類又は
1−カルバデチアペネム類として知られる広い群に属す
る。天然産のカルバペネム類はデヒドロペプチダーゼ
(DHP)として知られる腎臓の酵素によって敏感に攻
撃され得る。この攻撃又は分解はカルバペネム抗菌剤の
効力を減少するかもしれない。一方、本発明の化合物は
それらの攻撃に対して顕著に影響を受けることが少な
い。そしてそれ故に、DHP抑制剤を使用する必要がな
い。然しながら、それらの使用は本発明の一部として任
意であり、考慮されるものである。DHP抑制剤及びそ
のカルバペネム抗菌剤との共用は先行技術〔欧州特許出
願第79102616.4号、1979年7月24日出
願(特許第0007614号)、及び同第821071
74.3号、1982年8月9日出願(公告第0072
014号)参照〕に開示されている。 【0113】本発明の化合物は、DHP抑制剤が所望さ
れ又は必要である所では、上記特許及び公告に記載の適
当なDHP抑制剤と共に組合わせられ又は使用される。
この様に、引用された欧州特許出願が1.)本カルバペ
ネム類のDHP感受性を測定する手順を決め、そして
2.)適当な抑制剤、組合わせ組成物及び処置の方法を
開示している範囲内で、それらはここに参考として組入
れられる。式Iの化合物のDHP抑制剤との好ましい重
量比は組合わせ組成物中で約1:1である。好ましいD
HP抑制剤は7−(L−2−アミノ−2−カルボキシエ
チルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカ
ルボキサミド)−2−ヘプテン酸又はその有用な塩であ
る。 【0114】特に示さない限り、下記の実施例中の温度
はすべて摂氏(℃)である。実施例1 【化97】 工程(a) 新しく蒸溜した脱水THF40cc中にディー・ジェイ
・バイロンら(D.J.Byron,et al,J.
ChemSoc.(C)840(1966))に従っ
て調製されたカルボン酸誘導体1Bの2.13g(7.
68mmole)を含む部分的溶液を攪拌し、これに常温で、
THF中の1ボラン−テトラヒドロフラン錯体の溶液
(15.4ml、15.4mモル)をゆっくりと、注意
しながら添加した。得られた混合物を窒素による不活性
環境下、常温で一夜攪拌し、ついで注意してメタノール
で停止させた。この溶液を減圧下で蒸発させ、その残渣
を真空中で乾燥させ、約2g(100%)の、更に精製
する事なしに使用することのできる粗のアルコール1C
を得た。1Cの精製は、溶離液としてCH2 Cl2 −E
2 O(20:1)を利用するシリカゲル上で行なう事
ができる;NMR (CDCl3 )δ:4.74(s,−C 2
−),7.42−7.72(m,8Ar−H). 【0115】工程(b) 25mlのシーブ乾燥したDMF中に、工程(a)から
の、カービノール1Cの2.3g(8.9mmole)を含む
溶液を攪拌し、これに1.35g(13.4mmole)のト
リエチルアミンと、2.02g(13.4mmole)の、t
−ブチルジメチルシリルクロライドを常温で添加した。
得られた混合物を、不活性の窒素還流下で、1.5時
間、室温で攪拌した。それから、この混合物を、エチル
エーテル/氷水/2規定の塩酸中で分配し、有機相を分
離した。これを氷水、ついで塩化ナトリウムの飽和溶液
を用いて洗浄し;無水硫酸ナトリウムを用いて脱水し、
濾過し、蒸発させた。石油エーテル(30°〜60℃)
−CH2 Cl2 (10:1)を用い溶離したシリカゲル
上のカラムクロマトグラフィーによる精製により、3.
16g(94%)の生成物を得た;NMR (CDCl3 )δ:0.12(s,Si(C
3 2 ),0.96(s,SiC(C 3 3 ),4.
78(s,OC 2 ),7.32−7.74(m,Ar
). 【0116】実施例2 【化98】 新しく蒸溜した、脱水THF5ml中に、1D(562
mg,1.49mmole)を含む溶液を攪拌し、これを5
4.5mg(2.23mmole)のマグネシウム削り屑と、
5μlのジブロモエタンとを用い、常温、窒素による不
活性環境下、5.5時間で処理した。グリニャール試薬
のこの溶液を、5mlの脱水THF中にピリジルチオエ
ステル誘導体2A(527.8mg,0.75mmole)を
含む溶液中に0℃、窒素環境下で添加した。得られたこ
の混合物を0℃で15分間攪拌し、ついで酢酸エチル/
氷/1 NH4 Cl(水性)中で分配し、有機相を分
離した。これを氷水/5N NaOH、ついで飽和塩化
ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水
し、濾過後減圧下で蒸発させた。Et2 Oで溶離するプ
レート層クロマトグラフィーで精製し、501.2mg
(75%)の2Bを得た。 IR(CH2 Cl2 )1745,1685,1610c
-1. 【0117】実施例3 【化99】 実施例2で調製したフォスフォラン2Bの501.2m
g(0.56mmole)と、8mlのメタノール中に濃硫酸
の160μlを含むものとの混合物を、窒素による不活
性環境下、0℃で、磁気攪拌機で1時間攪拌した。つい
で、この混合物を、酢酸エチル/氷水/飽和NaHCO
3 (水性)中に分配し、有機相を分離、飽和塩化ナトリ
ウム溶液で洗浄、硫酸ナトリウムで脱水、濾過後、真空
で乾燥し、さらに精製せずに使用する事のできる粗製の
生成物3Aの443mg(>100%)を得た。 IR(CH2 Cl2 )1745,1675,1610c
-1. 【0118】実施例4 【化100】 ヒドロキノンの結晶を含む30mlの脱水キシレン中
に、実施例3で調製した粗製のフォスフォラン3A(4
37.4mg,0.56mmole)を含む溶液を攪拌し、窒
素環境下で140℃,84分間加熱した。この後、この
混合物を冷却し、減圧下で蒸発させた。PLC〔CH2
Cl2 /EtOAc(5:1)で1回展開〕による残渣
の精製で、油状の4Aの190.5mg(68%)を得
た; IR(CH2 Cl2 )1770,1750,1725c
-1; NMR(CDCl3 )δ:1.51(d,CH3 ),
3.25(dd,1−H−1),3.47(dd,1−
H−1),3.45(dd,1−H−6),4.31
(dt,1−H−5),4.76(bs,2H,−C
2 OH),7.3−7.58(m,8−ArH); UV:λmax (ジオキサン)307nm. 【0119】実施例5 【化101】 1.5mlの無水CH2 Cl2 中に、19μl(0.2
2mmole)のオキザリルクロライドを含む溶液を攪拌し、
これに窒素環境下、−78℃で19.7μl(0.27
mmole)の無水DMSOを添加した。得られた溶液を4分
間、−78℃で攪拌した後、1.0mlの無水CH2
2 中に、100mg(0.20mmole)のアルコール
を含む溶液を添加した。得られた黄色の溶液を−78
℃で15分間攪拌し、ついで76μl(0.55mmole)
のトリエチルアミンを添加した。得られた溶液を−78
℃で25分間攪拌した後、酢酸エチルと氷/2.0
酸水溶液中で分配した。有機相を分離し、食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、濾過、真空中で濃縮
し、黄色フィルム状のアルデヒド94.4mgを得た。 IR(CH2 Cl2 ):1780,1745,172
0,1700cm-1; 300MHz 1H−NMR(CDCl3 )δ:1.50
(d,J=8.2Hz,C 3 ),3.31(m,2−
H−1),3.45(dd,J=2.8,8.4Hz,
1−H−6),4.31(td,1−H−5),4.6
7(m,1−H−8 and C 2 CH=CH2 ),
5.29(m,CH2 CH=C 2 ),5.90(m,
CH2 =CH2 ),7.37−7.98(m,ph
enyl−),10.08(s,−CO). 【0120】実施例6 【化102】 無水アセトニトリル4ml中に、94.4mg(0.1
9mmole)のアルデヒド5Aを含む溶液を攪拌し、これに
窒素環境下、0℃で、102mg(0.34mmole)のシ
アノメチレントリフェニルフォスフォランを添加した。
得られた溶液を室温で3時間攪拌し、ついで減圧下で濃
縮し、黄色フィルム状のものを得た。これをPLC(2
×1000μ20×20cmシリカゲルGF;1:1,
ヘキサン類;酢酸エチル)で精製し、2つの生成物を得
た; 44.6mgの透明なフィルム、トランス6A IR(CH2 Cl2 ):2210,1780,174
5,1720cm-1; 300MHz NMR(CDCl3 )δ:1.50
(d,J=6.2Hz,C 3 ),3.30(m,2H
−1),3.44(dd,J=2.9,8.4Hz,C
HCC=O),4.32(td,CHCCH2 ),
4.65(m,1H−8 and C 2 CH=C
2 ),5.30(m,CH2 CH=C 2 ),5.8
7(m,CH2 =CH2 ),5.92(d,J=1
6.5Hz,CH=CCN),7.27−7.63
(m,phenyl− and C=CHCN). UV:λmax (ジオキサン)309nm;及び 22.3mgの透明なフィルム,シス6A 300MHz NMR(CDCl3 )δ:5.48
(d,J=12.1Hz,CH=CCN),7.68
(d,J=12.1Hz,C=CHCN). 【0121】実施例7 【化103】 6mlのCH2 Cl2 −EtOAc(1:1)の中に、
100.6mg(0.2mmole)の4Aを含む溶液を攪拌
し、これに常温で31.5mg(0.12mmole)のトリ
フェニルフォスフィン、46.2mg(0.04mmole)
のテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム、3
1.7mg(0.22mmole)の2−エチルヘキサン酸、
及び酢酸エチル中の0.5M 2−エチルヘキサン酸カ
リウムの440μl(0.22mモル)を添加した。得
られた混合物を窒素環境下、常温で2.5時間攪拌し
た。分離された生成物を8mlのEt2 O−EtOAc
(1:1)で磨砕し、遠心分離で捕集し、上澄液のデカ
ンテーションを行なって集めた。固体を同様に10ml
のEt2 Oで洗浄、乾燥し粗製の生成物109.4mg
を得た。2つの1000μプレート〔H2 O−MeCN
(5:1)で1回展開〕上で、逆相−プレートレイヤー
クロマトグラフィーによって精製しMeCN−H2
(4:1)で抽出、凍結乾燥して37.6mg(45
%)の7Aを得た; IR(Nujol)1750 and 1595c
-1; NMR(D2 O)δ:1.32(d,Me),3.12
(dd,1−H−1),3.48(app dd,1−
H−1),3.54(app dd,1−H−6),
4.34(m,H−5 and H−8),4.72
(s,2H),7.6(m,8−Ar−); UV:λmax (H2 O)297nm,257nm. 【0122】実施例8 【化104】 工程(a) 氷水浴中で冷却された230mlのジオキサンと77m
lの水の中に、3−ニトロ−4−アミノビフェニル(1
3.85g,64.7mmole)〔シー.デル′エルバ,ジ
ー.ガルバリノ及びジー.グアンチ,テトラヘドロン,
27,113(1971)(C.Dell’Erba,
G.Garbarino,and G.Guanti,
Tetrahedron,27,113(1971)に
よって記載された方法に従って調製された〕を含む溶液
を攪拌し、これに順次、5の水酸化ナトリウム溶液1
2.9ml(64.7mmole)、ついで、12.41g
(77.7mmole)の臭素を滴下した。添加終了後氷水浴
を除き、混合物をさらに2時間攪拌した。その後、混合
物を高減圧下で濃縮し、水を加え、吸引濾過で不溶性物
質を捕集し、水で洗浄した。固体を減圧で乾燥し、1
9.6gの粗製の生成物を得た。MeOH−CH2 Cl
2 −石油エーテルから再結晶し、単に8.78g(4
6.5%)の3−ブロモ−4−アミノ−5−ニトロビフ
ェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:6.65(bs,2N),
7.44(m,5Ar−),7.98(d,1−Ar
),and 8.38(d,1−Ar−H). 溶離液として、CH2 Cl2 −石油エーテル(1:1)
を用いる母液のシリカゲルによるクロマトグラフィーで
さらに7.6gの生成物を得、総合収率は86.7%と
なった。 【0123】実施例9 【化105】 氷水浴で冷却した15mlの濃硫酸中に759mg(1
1mmole)の亜硫酸ナトリウムを含む溶液を攪拌し、これ
に30mlの加熱した氷酢酸中に実施例9から得られる
ビフェニルアミン誘導体の2.92g(10mmole)を含
む溶液を添加した。得られた混合物を氷水浴の温度で、
20分間攪拌した。氷水浴を除き1.27g(20mmol
e )の銅粉を添加し、その混合物をさらに2時間攪拌し
た。不溶性のものをセライトの予備成形したパッドを通
じて吸引濾過し、Et2 Oで洗浄した。濾液をEt2
/氷水/5 NaOH中で分配し有機相を分離、飽和
NaCl溶液で洗浄、Na2 SO4 で脱水、濾過し蒸発
させた。残渣をEM−60シリカゲル50gでクロマト
グラフにかけ、石油エーテル−CH2 Cl2 (2:1)
で溶離し、2.2g(80%)の、3−ブロモ−5−ニ
トロ−ビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:7.54(m,5Ar−
),8.05(d,1Ar−),8.34(d,1
Ar−H),及び8.38(d,1 Ar−H). 【0124】実施例10 【化106】 150mlの無水アルコール中に、7.62g(27.
5mmole)の3−ブロモ−5−ニトロビフェニルと、1
8.62g(82.5mmole)の第一塩化スズ2水塩を含
む混合物を攪拌しながら窒素環境下で1.5時間還流さ
せた。その後、混合物を濃縮し、Et2 O/氷/5N
NaOH中で分配した。有機相を分離し、飽和NaCl
溶液で洗浄、Na2 SO4 で脱水、濾過後蒸発させた。
生成物を、CH2 Cl2 −石油エーテル(1:1)を用
い、シリカゲル上で、クロマトグラフにかけて精製し、
5.9g(87%)の3−ブロモ−5−アミノビフェニ
ルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:3.8(bs 2N),
6.82(m,1Ar−),7.15(t,1Ar−
),7.48(m,6Ar−). 【0125】実施例11 【化107】 氷水浴で冷却した10mlの濃硫酸中に1.08g(1
5.6mmole)のNaNO2 を含む溶液を攪拌し、これに
40mlのHOAc中に3.67g(14.9mmole)の
3−ブロモ−4−アミノビフェニルを含む溶液を滴下し
た。添加終了後この混合物を、さらに0℃で10分間攪
拌し、ついで43mlのH2 O中に4.0g(21.7
mmole)のKPF6 を含むものを添加した。得られた混合
物を、熱を加えないで10分間攪拌し、分離した生成物
を吸引濾過で集め、冷水、ついで80mlのEt2 O−
MeOH(4:1)でよく洗浄し、減圧で一夜乾燥さ
せ、5.87g(97%)のヘキサフルオロフォスフェ
ートジアゾニウム誘導体を得た。融点157℃(分
解); IR(Nujol)2295cm-1; NMR(d6 −DMSO)δ:7.66(m,3Ar−
),7.88(m,2Ar−),8.88(m,1
Ar−),9.0(m,1Ar−),及び9.16
(m,1Ar−). 【0126】実施例12 【化108】 40mlのデカン中に、4.04g(10mmole)のジア
ゾニウム塩を含む懸濁液を攪拌しながら、窒素環境下で
10分間、170℃の油浴に浸した。この混合物を冷却
し、ついでセライトを通して濾過し、Et2 Oで洗浄し
た。濾液をEt2 O/氷水/NaHCO3 飽和水溶液中
で分配し、有機相を分離し、NaCl飽和溶液で洗浄、
Na2 SO4 で脱水し、濾過後蒸発した。残渣を、石油
エーテル溶剤を用いシリカゲル上でクロマトグラフにか
けて精製し、2.51g(100%)の3−ブロモ−5
−フルオロビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:7.2(m,2Ar−H),
及び7.48(m,6Ar−); MS:m/e 252,250(M+ ). 【0127】実施例13 【化109】 実施例12で既に記したように、10mlのHOAc
と、4mlの濃H2 SO4 中に、380mg(5.5mm
ole)のNaNO2 を含むものを用い、1.24g(5mm
ole)の3−ブロモ−5−アミノビフェニルをジアゾ化し
た。この混合物を攪拌しながら10mlのH2 Oに加え
窒素環境下で、1.25時間70℃に加熱した。冷却し
た混合物をEt2 O−H2 Oに分配し、有機相を分離
し、H2 O(2回)、ついで氷/飽和NaHCO3 水溶
液及び飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4 で脱
水、濾過後蒸発させた。残渣を、CH2 Cl2 −石油エ
ーテル(1:1)及びCH2 Cl2 −石油エーテル
(3:1)を用い、シリカゲル上でクロマトグラフにか
けて精製し、995mg(80%)の3−ブロモ−5−
ヒドロキシ−ビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:5.32(bs,O),
7.02(m,Ar−H),及び7.4(m,Ar−
H). 【0128】実施例14 【化110】 10mlのシーブ乾燥したDMF中に、995mg(4
mmole)の、3−ブロモ−4−ヒドロキシビフェニルを含
む溶液を攪拌し、これに常温で61.1%のNaH鉱油
分散液の173.3mg(4.4mmole)を添加した。得
られた混合物を窒素環境下、室温で10分間攪拌し、
1.71g(12mmole)の正味のMeIを添加した。こ
の混合物を、さらに0.5時間、常温で攪拌した。この
混合物を氷水中に注ぎ、Et2 Oで抽出した。抽出液を
氷水(2回)、ついで飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2 SO4 で脱水、濾過後蒸発させた。残渣を、石油エー
テル溶剤を用いて、シリカゲルのクロマトグラフにかけ
て精製し、842mg(80%)の3−ブロモ−5−メ
トキシビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:3.87(s,OC 3 ),
7.07(m,2Ar−H),7.48(m,6Ar−
H). 【0129】実施例15 【化111】 4mlのシーブ乾燥したDMF中に、372mg(1.
5mmole)の、3−ブロモ−5−ヒドロキシビフェニル
と、339.1mg(2.25mmole)の、t−ブチルジ
メチルシリルクロライドを含む溶液を攪拌し、これに窒
素環境下、常温で227.7mg(2.25mmole)のト
リエチルアミンを添加した。得られた混合物をさらに
1.75時間攪拌した。この混合物を、Et2 O/氷水
/2 HCl水溶液中に分配し、有機相を分離し、氷
水(3回)、及び飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2
4 で脱水、濾過後蒸発させた。残渣をPLC〔石油エ
ーテル1回展開〕で精製し、500mg(92%)の、
3−ブロモ−5−ターシャリー・ブチルジメチルシリル
オキシビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:0.14(s,Si(C
3 2 ),1.0(s,SiC(C 3 3 ),6.
98(m,Ar−),及び7.44(m,Ar−
). 【0130】実施例16 【化112】 120mlのアセトン中に、11.1g(69.4mmol
e)の、エチルキサントゲン酸カリウムを含む溶液を攪拌
し、これに窒素環境下、0℃で、実施例11からのビフ
ェニルジアゾニウム塩の20g(49.4mmole)を、す
べて1回で添加した。この混合物を、0℃で1.3時
間、常温で0.75時間攪拌した。この混合物を、Et
2 O/氷水中に分配し、有機相を分離、食塩水で洗浄後
Na2 SO4 /MgSO4 で脱水、濾過後蒸発させ、褐
色油状物を得た。残渣を、シリカゲルを用いたクロマト
グラフィーで精製し3.5gの純粋な3−ブロモ−5−
エチル−キサンチルビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:1.36(t,C 3 ),
4.62(q,OC 2),7.3−7.7(m,Ar
−H). 【0131】実施例17 【化113】 140mlの無水THF中に、実施例16からのキサン
トゲン酸塩誘導体の10.79g(30.7mmole)を含
む溶液を攪拌し、これに窒素環境下、0℃で、6.1m
l(92mmole)のエチレンジアミンを添加し、この混合
物を更に10分間攪拌した。その後、5.4ml(86
mmole)のヨードメチルを添加し、氷水浴を除き、混合物
を、1時間以上攪拌した。この混合物を、Et2 O/氷
水中に分配、有機相を分離し塩水で洗浄、Na2SO4
/MgSO4 で脱水、濾過後蒸発させた。残渣を、蒸溜
によって精製し、5.82g(68%)の、3−ブロモ
−5−メチルチオビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:2.55(s,SC 3 ),
7.36−7.56(m,Ar−H); MS:m/e 280,278(M+ ). 【0132】実施例18 【化114】 15mlの1,2−ジクロルエタン中に、1.19g
(5.84mmole)の85%メタ−クロロペルオキシ安息
香酸と、1.24g(4.49mmole)の3−ブロモ−
4′−アセチルビフェニル〔イー.ベルリナー及びイ
ー.エイ.ブロマー,(E.Berliner and
E.A.Blommers,)ジェイエイシーエス
JACS,73,2479(1951)にしたがっ
て、調製された〕を含む攪拌溶液を、窒素環境下、17
時間にわたって還流した。冷却された混合物を、Et2
O/氷水/5%Na2 2 3 水溶液中に分配し、その
有機相を分離し、氷水/飽和NaHCO3 水溶液、つい
で飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2 SO4 で脱水、濾
過後、蒸発した。残渣を、PLC〔CH2 Cl2 −石油
エーテル1回展開〕で精製し、1.09g(83%)の
3−ブロモ−4−アセトキシ−ビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:2.33(s,OAc),
7.14−7.7(m,Ar−H). 【0133】実施例19 【化115】 10mlのメタノール中に、1.07g(3.67mmol
e)の3−ブロモ−4−アセトキシビフェニルを含む溶液
を攪拌し、これに窒素環境下、4.4のナトリウムメ
トキシドのメタノール溶液0.92ml(4mmole)を常
温で添加した。この混合物を20分間攪拌し、Et2
/氷水/2N塩酸水溶液中で分配し、有機相を分離、飽
和NaCl溶液、ついで氷水/飽和NaHCO3 水溶液
で洗浄し、Na2 SO4 で脱水、濾過後、蒸発させた。
生成物を減圧下で乾燥し、さらに精製する事なしに使用
される粗製の3−ブロモ−4′−ヒドロキシビフェニル
1.05gを得た。 【0134】実施例20 【化116】 工程(a) 15mlのDMF中に、816μl(6.2mmole)の9
0%ターシャリー・ブチルナイトライトを含む溶液を攪
拌し、これに窒素環境下、65℃で、10mlのDMF
中に905mg(3.1mmole)の3−ブロモ−3′−ニ
トロ−4′−アミノビフェニル〔シー・デレエルバ,ジ
ー・ガルバリノ及びジー・グアンチ,テトラヘドロン
(C.Dell’Erba,G.Garbarino,
andG.Guanti,Tetrahedron,2
7,113(1971)〕を含む溶液を6分間かけて滴
下した。この混合物を、さらに8分間上記のように攪拌
した。冷却した混合物をEt2 O/氷水中で分配し、有
機相を分離し、氷水で2回、ついで飽和NaCl溶液で
洗浄し、Na2 SO4 で脱水、濾過後蒸発させた。残渣
を、CH2 Cl2 −石油エーテル溶剤を用い、フロリジ
ルクロマトグラフィーで精製し、定量的収率で、3−ブ
ロモ−3′−ニトロビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:7.32−8.46(m,A
r−). 実施例10,11及び12に概要を記したものと同様の
手法を用いて、3−ブロモ−3′−フルオロビフェニル
を得た。 【0135】実施例21 【化117】 実施例13乃至15に概要を記したものと同様の方法
で、実施例20からの、3−ブロモ−3′−アミノビフ
ェニルを、3−ブロモ−3′−ターシャリー・ブチルジ
メチルシロキシビフェニルに変換した。 【0136】実施例22 【化118】 既に概要を述べた手法を用い、実施例20のジアゾニウ
ム塩を、3−ブロモ−3′−メチルチオビフェニルに変
換した。 【0137】実施例23 【化119】 3−ブロモ−4′−アセトアミドビフェニルを、シー・
デルエルバら、テトラヘドロン,(C.Dell’Er
ba,et al.,Tetrahedron.27.
113(1971))の方法に従って調製し、既に詳細
を記した手法を用い、上記の3つの3−ブロモ−4′−
置換ビフェニル誘導体に変換した。 【0138】実施例24 【化120】 既に詳細を記した手法を用い、4工程で、3−ブロモ−
5−フルオロ−4′−ターシャリー・ブチルジメチルシ
リロキシビフェニルを調製した。 【0139】実施例25 【化121】 既に詳細を記した手法を用い、上記の概要に従って、3
−ブロモ−5−フルオロ−4′−ターシャリー・ブチル
ジメチルシリロキシメチルビフェニルを合成した。 【0140】実施例26 【化122】 上述の3つの3−ブロモ−5−フルオロ−4′−置換ビ
フェニル誘導体は先に開示した通常の方法で調製され
た。 【0141】実施例27 【化123】 工程(a) 氷水浴中の硫酸44.3ml中亜硝酸ナトリウム4.4
g(63.9mmol)攪拌溶液に、氷酢酸176.7ml
中3−アミノ−5−ブロモビフェニル15.0g(6
0.1ml)溶液を30分かけて加えた。その溶液を更
に10分攪拌した。室温の48%HBr78.6ml中
臭化銅(I)9.5g(66.3mmol)攪拌溶液に上述
のジアゾニウム塩溶液を加え、反応混合物を窒素の不活
性雰囲気下で45min攪拌した。TLC(石油エーテ
ル)によれば反応は完了した。反応を5N NaOH−
氷溶液1.5Lの添加によって停止し、水性部分(pH
6.5)をエーテル2.0Lで抽出した。エーテル抽出
物を食塩水で3回洗浄し、溶媒を真空除去し褐色の油状
物18.6gを得た。粗物質をヘキサンで溶出させるシ
リカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製した。より
高いRf生成物として3,5−ジブロモビフェニル1
5.6g(83.1%)を及びより低いRf副生成物と
して3−ブロモビフェニル0.7gを得た。1 H NMR(300MHz,CDCl3 ,ppm):
δ7.36−7.54(m,5H),7.6−7.68
(m.3H).工程(b) 窒素雰囲気下78℃での乾燥THF5ml中3,5−ジ
ブロモ−ビフェニル0.5g(1.60mmol)の攪拌溶
液に、2.5M n−ブチルリチウム0.67ml
(1.68mmol)を加えたところ、透明で黄色の溶液が
得られた。5minの攪拌の後、THF 1.0ml中
SO2 (g)0.12g溶液をシリンジにて加えた。T
LCは反応がほぼ完了したことを示した。その攪拌して
いる反応溶液に2,4,6−トリイソプロピルベンゼン
スルホニルヒドロキシアミン0.57g(2.0mmol)
を加え、15min攪拌した。TLCによると未完了の
反応物が示されたので追加のアミノ化試薬45.3mg
(0.1mmol)を加え、15min攪拌した。この工程
を繰り返しそれから反応混合物を酢酸エチル/氷/水間
に分配し、有機層を分離しH2 O 10mlで3回、そ
して食塩水10mlで3回洗浄した。有機層をMgSO
4 上で乾燥し、濾過し溶媒を真空で除去し、粗精製物
1.0gを得た。残渣をジクロロメタン−酢酸エチル
(30:1)で溶出するプレート層クロマトグラフィで
精製し、300mgを得た(60%)。1 H NMR(200MHz,DMSO,ppm):δ
7.47−7.59(m,3H),7.71−7.78
(m,2H),7.95(m,1H),8.08−8.
13(m,2H) IR:(ヌジョール法)3370,3275cm-1 MS:(m/e)313,311(m+ 工程(c) トルエン1.33ml中3−ブロモ−5−スルホニルビ
フェニル0.11g(0.36mmol)、Pd(PP
3 4 8.4mg(7.3μ mol) 及びトリフェニ
ルホスフィン1.0mg(3.8μ mol) の混合物を攪
拌し窒素パージにて脱気した。0.30μlトルエン中
ヘキサメチルジチン130.8mg(0.40mmol)の
溶液をシリンジにて加え、その溶液を窒素下で2h還流
した。冷却した反応混合物を酢酸エチル/氷/水/a
q.NaHCO3 に分配し、有機層を分離し冷(0℃)
10%aq.NaHCO3 溶液で3回、そして10ml
食塩水で2回洗浄した。MgSO4 で乾燥し、濾過し真
空で濃縮した。粗生成物の黄橙色油状物を30:1 C
2 Cl2 :EtOAcを用いてシリカゲルプレートク
ロマトグラフィで溶出させ、白色泡状物95mg(6
6.1%)を得た。1 H NMR(300MHz,CDCl3 ,ppm):
δ0.38(s,9H),4.96(bs,2H),
7.35−7.48(m,3H),7.55−7.59
(m,2H),7.85(m,1H),8.0(m,1
H),8.06(m,1H). IR:(CH2 Cl2 )3430,3335cm-1工程(d) 0.5ml MeCN中スルホンアミド25mg(0.
08mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロライド0.
60mg(4.0μ mol) 及びN−tertブチルジメ
チルシリル)−N−トリフルオロメチルアセトアミド2
0.7μl(88μ mol) の攪拌した混合物をN2 雰囲
気下で2h還流した。冷却した反応混合物を酢酸エチル
/氷/水/aq.NaHCO3 に分配し、有機層を分離
し希aq.NaHCO3 溶液10mlで3回、そして1
0ml食塩水で3回洗浄した。MgSO4 で乾燥し、濾
過し真空で濃縮して粗生成物27mgを得た。それを
9:1 CH2 Cl2 :ヘキサンを用いてシリカゲルプ
レート(1000μ)クロマトグラフィで溶出させ、生
成物24mg(70.3%)を得た。1 H NMR(200MHz,CDCl3 ,ppm):
δ0.28(s,6H),0.94(s,9H),4.
46(bs,1H),7.43−7.60(m,5
H),7.89(m,1H),7.99(m,1H),
8.03(m,1H).工程(e) 0.43mlDMF中該シリル化したスルホンアミド4
2.7mg(0.1mmol)の攪拌溶液にNaHの61.
1%鉱物油分散液4.3mg(0.11mmol)を加え
た。N2 下、環境温度で混合物を1h攪拌した。攪拌溶
液に生のヨウ化メチル29.8mg(0.21mmol)を
加え、更に3h攪拌し、TLC(1:1ヘキサン:ジク
ロロメタン)で反応を追跡した。反応混合物を酢酸エチ
ル/氷及び水間に分配し、有機層を分離し、脱イオン水
20mlで3回、食塩水20mlで3回洗浄した。それ
からMgSO4 上で乾燥し、濾過し真空で濃縮した。粗
生成物44.0mgを1:1ヘキサン:ジクロロメタン
で溶出するシリカゲルプレート(1000μ)クロマト
グラフィに付し、精製した生成物32.0mg(78.
1%)を得た。1 H NMR(200MHz,CDCl3 ,ppm):
δ0.38(s,6H),1.07(s,9H),2.
80(s,3H),7.44−7.62(m,5H),
7.92(m,2H),7.97(m,1H).工程(f) 0℃N2 下で攪拌している無水THF0.32ml中3
−ブロモ−5−N−t−ブチルジメチルシリル−N−メ
チルスルホンアミドビフェニル32.0mg(73.0
μ mol)溶液に氷酢酸12.5μl(0.22mmol)そ
れから該THF中テトラブチルアンモニウムフルオライ
ド80.3μl(80.3μ mol)の1M溶液を続けて
加えた。混合物を0℃で0.5h攪拌した。反応混合物
を酢酸エチル/氷−水間に分配し有機層を分離し飽和重
炭酸ナトリウム溶液で3回、10mlの水で3回そして
10mlの食塩水で3回洗浄しNa2 SO4 上で乾燥
し、濾過し溶媒を真空で除去して粗生成物28mgを得
た。混合物を9:1ジクロロメタン:ヘキサンで溶出す
る1000μシリカゲルプレートクロマトグラフィに付
し、求めるN−メチルスルホンアミド24mg(84
%)を得た。1 H NMR(200MHz,CDCl3 ,ppm):
δ2.75(d,3H),4.4(bm,1H),7.
45−7.61(m,5H),7.96(m,1H),
7.98(m,1H),8.0(m,1H). , 工程(c)に記した方法を用いて、この物質を類似
のトリメチルスタンニル誘導体に変換した。工程(g) DMF2ml中スルホンアミド0.2g(641μ mo
l)の攪拌溶液にNaHの61.1%鉱物油分散液5
2.6mg(1.34mmol)を加えた。ガス放出が完了
するまで反応物を室温で1h攪拌した。0℃で攪拌して
いる混合物に生のヨウ化メチル0.17mlを加え、溶
液を30min攪拌した。TLC(1:1CH2
2 :ヘキサン)は反応が完了していることを示した。
反応混合物を酢酸エチルと氷水間に分配し、有機層を分
離し食塩水50mlで3回洗浄しNa2SO4 上で乾燥
し、濾過し真空で濃縮して粗生成物250mgを得た。
それを1:1ヘキサン:ジクロロメタンで溶出する2つ
の2000μシリカプレート上のクロマトグラフィに付
し求める生成物201mg(92.2%)を得た。1 H NMR(200MHz,CDCl3 ,ppm):
δ2.8(s,6H),7.46−7.62(m,5
H),7.91(m,2H),7.96(m,1H). 工程(c)に記した方法を用いて、このビフェニル誘導
体を類似のトリメチルスタンニル誘導体に変換した。 【0142】実施例28 【化124】 工程(a) N2 雰囲気下−78℃で攪拌している乾燥THF70m
l中3−ブロモ−5−ヨードビフェニル5.5g(1
5.4mmol)溶液にヘキサン6.4ml(16.1mmo
l)中n−ブチルリチウムの2.5M溶液を5minか
けて滴下した。混合物を10min攪拌し無水DMF
2.4ml(30.7mmol)をすばやく加えた。15m
in後に飽和塩化アンモニウム溶液の添加により反応を
停止させ室温まで温めた。反応混合物をジエチルエーテ
ルと水間に分配し、有機抽出物を食塩水で洗浄し、Mg
SO4 上で乾燥し、濾過し真空で濃縮した。黄色油状物
としての粗生成物4.37gをヘキサン中0−3%酢酸
エチル勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィに付
し、精製した生成物3.61g(90%)を不透明な油
状物として得た。1 H NMR(200MHz,CDCl3 ,ppm):
δ7.4−8.04(m,8H),10.04(s,1
H). IR:(CH2 Cl2 ):1700cm-1 ; MS:m/e 262,260(M+ ) 【0143】実施例29 【化125】 2 雰囲気下−70℃での乾燥TMF5ml中3−ブロ
モ−5−ヨードビフェニル0.5g(1.4mmol)の攪
拌している溶液にヘキサン中n−ブチルリチウムの2.
5M溶液0.58ml(1.47mmol)を加え、混合物
を10min攪拌した。そしてTMF中臭化マグネシウ
ム0.2M溶液14ml(2.8mmol)を加えた。反応
物を乾式氷−CCl4 浴中で−23℃まで温めた。−2
3℃で15min後、生の2−アセチルチオピリジン1
78μl(1.40mmol)を加え、反応をTLCでモニ
ターした。10min後2−アセチルチオピリジンは完
全消費されたが、出発物質は残っていて、2−アセチル
チオピリジンを50μl追加した。反応混合物を室温に
まで温め、1M水性NH4 Cl 3mlで反応を停止し
た。それから酢酸エチルと冷水間に分配し、有機層を分
離して冷2N NaOH及び食塩水で洗浄した。その後
MgSO4 上で乾燥し、濾過し真空で濃縮して粗生成物
486mgを得た。9:1ヘキサン:酢酸エチルで溶出
する2つの2000μシリカプレート上のクロマトグラ
フィに付し、結晶固体202mg(52%)を得た。1 H NMR(200MHz,CDCl3 ,ppm):
δ2.64(s,3H),7.4−8.1(m,8
H); IR:(CH2 Cl2 ):1690cm-1 【0144】実施例30 【化126】 複素環ケトエステルカルペネム誘導体58.4mg
(0.168mmol)を入れN2 でパージした乾燥フラス
コに、乾燥THF1.0mlを加えた。溶液を−78℃
に冷却した。ジイソプロピルアミン25.8μl(0.
184mmol)を加えた。反応物を10min攪拌し、透
明の黄色溶液になったところでトリフルオロメタンスル
ホン酸無水物30.6μl(0.184mmol)を添加し
て−78℃で15min攪拌を続けた。反応混合物に生
のトリエチルアミン25.4μl(184μ mol)及び
トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル35.
6ml(184μ mol)を加え20min攪拌した。ア
リールスタンナンスルホンアミド73.0mg(0.1
8mmol)、Pd2 (dba)3 ・CHCl3 3.47m
g(3.4μ mol)及びトリス(2,4,6−トリメト
キシフェニル)ホスフィン7.11mg(13.5μ m
ol)を、N−メチルピロリジノン0.83mlを添加し
た後全て一度に加えた。最後に、ジエチルエーテル中塩
化亜鉛1.5M溶液276μl(0.184mmol)を加
えた。反応混合物を追加の20min間温水浴で温まる
に任せた。この間にワインレッド色が生じた。反応混合
物を酢酸エチル/氷及び水性NaHCO3 混合物間に分
配した。有機層を分離し冷希NaHCO3 10mlで3
回そして食塩水10mlで3回洗浄した。MgSO4
で乾燥し、濾過し真空で濃縮した。粗生成物を2:3ヘ
キサン:酢酸エチルで溶出する1000μシリカゲルプ
レートクロマトグラフィに付し、生成物70.2mg
(61.0%)を得た。1 H NMR(300MHz,CDCl3 ,ppm):
δ0.12(s,9H),1.25(d,3H),3.
19−3.41(m,3H),4.21−4.32
(m,2H),5.15(d,1H),5.25(d,
1H),7.24−8.11(m,12H). 【0145】実施例31 【化127】 0℃の乾燥THF 1ml中該シリルエーテル67.0
mg(0.107mmol)攪拌溶液に氷酢酸18.3μl
(0.321mmol)及びTHF中テトラブチルアンモニ
ウムフルオライド1M溶液107μl(0.107mmo
l)を加えた。反応混合物を10min攪拌し、それか
ら酢酸エチル/氷/水/希水性NaHCO3 間に分配し
た。有機層を分離し飽和NaHCO3 10mlで3回及
び食塩水で3回洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、濾過し
真空で濃縮した。黄色泡状物である粗生成物55.0m
gを7:3ヘキサン:酢酸エチルで溶出する1000μ
シリカゲルプレートクロマトグラフィに付し、精製され
た生成物35.0mg(59.2%)を得た。1 H NMR(300MHz,d6 −Me2 CO,pp
m):δ1.32(d,3H),3.38(dd,1
H),3.52(dd,1H),3.7(dd,1
H),4.2(m,1H),4.45(m,1H),
5.35(ABq,2H),6.75(bs,2H),
7.4−7.7(m,5H),7.94(m,1H),
8.15(m,2H). IR(CH2 Cl2 ):1775,1725cm-1 UV(ジオキサン,λmax ):310nm(sh),2
59nm 【0146】実施例32 【化128】 乾燥THF0.5ml中p−ニトロベンジルエステル3
5.0mg(63.5μ mol)、10%Pd/C3.5
mg及びNaHCO3 (6.0mg)混合物を環境温度
で15min 3.5kg/cm2 (50psi)で水素添
加した。この後追加の10%Pd/C3.5mgを加
え、3.5kg/cm2 (50psi)で水素添加を30m
in続けた。反応混合物をセライトパッドを用いて濾過
し、透明な濾液を得た。これを真空で濃縮した。固体残
渣を脱イオン水に溶解させ、冷却したデベロッピングチ
ャンバー内で5:1水:アセトニトリルで溶出する10
00μ逆相シリカゲルプレートクロマトグラフィに付し
た。凍結乾燥の後生成物14.5mgを白色のふわふわ
した固体として分離した。1 H NMR(300MHz,D2 O,ppm):δ
1.24(d,3H),3.18(m,1H),3.5
6(m,1H),3.64(m,1H),4.38
(m,2H),7.5−7.82(m,5H),7.8
7(m,2H),8.08(bs,1H) IR(ヌジョール):1750,1595cm-1 UV(H2 O,λmax ):303,254nm 【0147】実施例33 【化129】 0℃N2 雰囲気下での乾燥アセトニトリル0.6ml中
該カルバペネム誘導体60mg(0.103mmol)攪拌
溶液に、生のN−メチルイミダゾール17.2μl
(0.216mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸
無水物18.2μl(0.108mmol)を加えた。反応
の進行はTLCにて追跡した。15min後、TLCは
出発物質が完全に消失したことを示した。反応混合物を
真空で濃縮した。200MHz NMRは、ビニルスル
ホンとイミダゾリウムアダクトの混合物を示した。粗生
成物をジクロロメタンに溶解させ、15mlの遠心分離
用チューブに移した。1.0mlの体積にまで濃縮して
ジエチルエーテルの添加によってイミダゾリウムアダク
トを沈殿させた。遠心分離後エーテルをあけて除き、蒸
発させてビニルスルホン生成物32mg(55%)を白
色泡状物として得た。1 H NMR (200MHz,CDCl3 ,ppm)
δ:1.52(d,3H),3.31−3.39(m,
2H),3.46−3.51(dd,1H),4.31
−4.41(dt,1H),4.65−4.74(m,
4H),5.16−5.44(m,5H),5.79−
6.04(m,2H),6.1(d,1H),6.52
(d,1H),6.66(dd,1H),7.4−7.
63(m,5H),7.83−7.87(m,2H),
8.06(m,1H). 【0148】実施例34 【化130】 1mlジクロロメタン中の2−(5′−メチルチオ−
3′−ビフェニル)カルバペネム(41.1mg,7
9.2μ mol)の攪拌された溶液に、0℃、N2 雰囲気
下にて0.5MのNaHCO3 溶液(0.5ml)およ
びMCPBA(19.1mg,0.11mmol)を加え
た。この反応物を0℃にて25分間攪拌したところ、1
0分経過時におけるTLCによれば硫化メチルが完全に
消費されて新たな2つのスポットの存在が認められた。
0.5MのNa2 2 3 水溶液で反応を停止させ反応
物はEtOAc/氷/水に分配した。有機相を分取し、
塩水で洗浄し、Na2 SO4 上で乾燥し、濾過し、減圧
濃縮して、46.2mgの粗生成混合物(透明膜状)を
得た。これを1000μシリカゲルプレート上にてジク
ロロメタン中15%EtOAcで溶離し、より速く移動
する成分として9.3mg(21.3%)のスルホン、
およびより遅く移動する成分として25.8mg(6
0.9%)のスルホキシドを得た。スルホキシド1 H NMR :(300MHz,CDCl3 ,ppm)
δ:1.48(d,3H),2.77(s,3H),
3.25−3.36(m,2H),3.44(dd,1
H),4.33(td,1H),4.59−4.72
(m,4H),5.13−5.39(m,5H),5.
78−5.97(m,2H),7.24−7.79
(m,8H);IR :(CH2 Cl2 )1772,1745,1720
cm-1UV :(ジオキサン)λmax 314,258nm.スルホン1 H NMR :(300MHz,CDCl3 ,ppm)
δ:1.48(d,3H),3.09(s,3H),
3.26−3.36(m,2H),3.45(dd,1
H),4.33(td,1H),4.61−4.71
(m,4H),5.14−5.39(m,5H),5.
79−5.92(m,2H),7.24−8.09
(m,8H);IR :(CH2 Cl2 )1775,1745,1722
cm-1UV :(ジオキサン)λmax 312,257nm. 【0149】実施例35 【化131】 工程(a) 1.6mlシーブ乾燥CH2 Cl2 中65.3mg
(0.13ミリモル)カルバペネムビフェニルカルビノ
ル誘導体の攪拌溶液に17mgの粉末化3 シーブおよ
び27mg(0.23ミリモル)のN−メチルモルホリ
ン−N−オキシドを室温で続いて加えた。黄色溶液を5
分間攪拌し、次に1.9mg(0.26ミリモル)テト
ラプロピルアンモニウムパールテナートを加えた。得ら
れた混合液を5分間攪拌し、次にCH2 Cl2 −EtO
Ac(1:1)溶媒を用いてシリカゲル層により速く濾
過した。濾液を回転蒸発させ、真空中で乾燥し、51.
9mg(80%)の酸化生成物を得た。 NMR(CDCl3 )δ:1.5(d,C 3 ),3.
34(m,2H−1),3.46(dd,1H−6),
4.34(td,1H−5),4.34(m,2−OC
2 CH=C 2 ),5.24(m,1H−8 and
2−CH=C 2 ),5.88(m,2−C=CH
2 ),7.46(m,3Ar−),76(d,2Ar
),7.82(s,1Ar−),7.84(s,
1Ar−H),8.05(s,1Ar−H)および1
0.1(s,CO). 【0150】実施例36 【化132】 0.7ml無水エタノールおよび0.7mlピリジン中
実施例35からのカルバペネムビフェニルカルボキシア
ルデヒド誘導体51.9mg(0.1ミリモル)の攪拌
溶液に7.2mg(0.1ミリモル)の純粋なヒドロキ
シルアミンヒドロクロリドを0℃窒素雰囲気下で加え
た。混合液を0℃5分間攪拌し、次にEtOAc/氷/
飽和NH4 Cl(水性)溶液で分配し、有機相を分離し
た。氷/飽和NaHCO3 (水性)溶液、水および塩水
を用いて連続して洗浄し、次にNa2 SO4 で乾燥し、
濾過し、蒸発させた。粗オキシムを直ちに次の変換に使
用するが、PLCにより精製し、純粋な物質を得た。 IR(CH2 Cl2 ):3560,1780,1745
and 1720cm-1; NMR(CDCl3 )δ:1.52(d,C 3 ),
1.6(bs,O),3.32(m,2H−1),
3.46(dd,1H−6),4.34(dt,1H−
5),4.68(m,2−OC 2 CH=CH2 ),
5.24(m,1H−8 and 2−CH=C
2 ),5.84(m,2−C=CH2 ),7.36
−7.78(m,Ar−H)および8.2(s,C
NO). 【0151】実施例37 【化133】 シーブ乾燥CH2 Cl2 1.6ml中実施例36から
の粗オキシム53.1mg(0.1ミリモル)の攪拌溶
液に純粋なトリエチルアミン21.9mg(0.22ミ
リモル)および純粋な無水物29.1mg(0.1ミリ
モル)を−78℃窒素雰囲気下で続けて加えた。15分
間−78℃で攪拌後、無水物を別に13.4mg(0.
05ミリモル)を加え、混合液を更に15分間攪拌し
た。混合液をEtOAc/氷/飽和NH4 Cl(水性)
溶液で分配し、有機相を分離し、飽和NaHCO3 (水
性)溶液/氷、次に塩水で洗浄し、Na2 SO4 で乾燥
し、濾過し、蒸発させた。残留物をPLC〔CH2 Cl
2 中5%EtOAc展開溶媒〕で精製し、ビフェニルニ
トリルカルバペネム誘導体24.3mg(47%)を得
た。 IR(CH2 Cl2 )2235,1780,1745お
よび1720cm-1; NMR(CDCl3 )δ:1.5(d,C 3 ),3.
29(m,2H−1),3.46(dd,1H−6),
4.34(td,1H−5),4.66(m,2−OC
2 CH=CH2 ),5.26(m,1H−8 and
2−CH=C 2 ),5.88(m,2C=C
2 ),7.38−7.83(m,Ar−H). 【0152】実施例38 【化134】 10mlアセトン中500mg(0.65ミリモル)ビ
フェニルカルビノルアセチデノニルホスホラン誘導体の
攪拌溶液に2.67Mジョーンズ試薬0.75ml
(2.0ミリモル)を0℃でゆっくりと加えた。混合液
を15分間氷−水浴温度で攪拌し、飽和NaHSO
3 (水性)溶液3mlを加えた。反応溶液をデカント
し、EtOAc/氷/0.1M pH7ホスフェート緩
衝液で分配した。有機相を分離し、Na2 SO4 で乾燥
し、濾過し、蒸発させ、真空中で乾燥し、粗酸誘導体2
87mg(57%)を得た。 IR(CH2 Cl2 )1743,1690および160
5cm-1。 DMF4ml中粗酸254mg(0.32ミリモル)の
攪拌溶液にジイソプロピルエチルアミン62mg(0.
48ミリモル)およびアリルブロミド58mg(0.4
8ミリモル)を室温で加えた。得られた溶液を室温で一
夜中攪拌した。反応混合液を真空中で濃縮し、濃縮物を
EtOAcと冷1N HClで分配し、有機相を分離
し、濾過し、蒸発させた。残留物をPLC〔CH2 Cl
2 −EtOAc(9:1)展開溶媒〕で精製し、泡状エ
ステル生成物(64%)を得た。 IR(CH2 Cl2 )1743,1725(sh),1
690および1610cm-1。 【0153】実施例39 【化135】 工程(a) 実施例38に従って製造したカルボン酸誘導体140m
g(0.18mmole)のTHF4ml中の溶液に、攪拌し
ながら室温において純1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ルの45mg(0.34mmole)と1−(3−ジメチルア
ミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩4
4mg(0.23mmole)とを加え、この混合物を0.7
5時間攪拌した。その後、THF中の飽和NH3 の冷溶
液を加え、この混合物を1時間攪拌した。この反応混合
物を濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフで精製
してアミドを得た。IR(CH2 Cl2 )1743,1
680および1610cm-1。 【0154】実施例40 実施例39に記した手順に従って、NH3 /THFの代
りにMeOHを使用して、対応するメチルエステルを製
造した。 【0155】実施例41 【化136】 カルバペネム誘導体41A 209.7mg(0.4mm
ol)の、モレキュラーシーブ乾燥塩化メチレンの3ml
中の溶液に、攪拌しながら0℃において窒素雰囲気下
で、ピリジンの13.1mg(0.165mmol)を滴加
し、次にトリクロロアセチルイソシアネートの117m
g(0.62mmol)を加えた。得られた混合物を0℃に
おいて40分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル、氷
水、2N塩酸で分配した。有機層を分離し、飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別し、蒸発
乾固し、真空中で乾燥して粗製の中間体313mgを得
た。この中間体をメタノールの5mlに溶解し、氷水浴
で0℃に冷却し、十分な量のEM−60シリカゲルを用
いてスラリーとし、さらに1時間攪拌し、その後、一
晩、冷蔵庫にて熟成した。この反応混合物を濾過し、エ
ーテルで洗浄し、濾液を蒸発した。2枚の1000シリ
カゲル板上で、塩化メチレン−エーテル(6:1)で展
開するプレート層クロマトグラフィーで精製して41B
157.4mg(69%)を得た。 IR(CH2 Cl2 ):3535,3430,178
0,1750,1720cm-11 H NMR(200MHz,CDl4 ,ppm):δ
1.53(d,3H),3.16−3.40(m,2
H),3.44(dd,1H),4.32(dt,1
H),4.66(m,4H),5.06(bs,2
H),5.1−5.44(m,5H),5.74−6.
04(m,2H),6.98−7.58(m,7H). UV:(ジオキサン)λmax :310,277nm. 【0156】実施例42 【化137】 カルバペネム誘導体42A 45.9mg(0.08mm
ol)の、モレキュラーシーブ乾燥アセトニトリルの2m
l中の溶液に、攪拌しながら0℃において窒素雰囲気下
で、トリエチルアミンの17.7μl(0.16mmol)
を加え、次にアセチルクロライドの8.4μl(0.1
2mmol)を加えた。この反応混合物を0℃において25
分間攪拌し、EtOAc/氷水間に分配した。有機相を
分離し、冷飽和NaHCO3 水溶液で洗浄し、次に飽和
食塩水で洗浄し、無水Na2 SO4 で乾燥し、濾別し、
蒸発し、真空下で乾燥して、定量的収率でアセトキシル
誘導体42Bを得た。 IR(CH2 Cl2 ):1780,1745,1722
cm-11 H NMR(300MHz,CDCl3 ,ppm):
δ1.48(d,3H),2.3(s,3H),3.1
8−3.36(m,2H),3.41(dd,1H),
4.28(td,1H),4.58−4.76(m,4
H),5.1−5.4(m,5H),5.74−5.9
5(m,2H),7.06−7.54(m,8H). UV(ジオキサン)λmax :320,252nm. 【0157】実施例43 【化138】 イソニコチン酸12.6mg(0.1mmole)とカルボニ
ルジイミダゾール20.1mg(0.12mmole)との、
モレキュラーシーブ乾燥アセトニトリルの3ml中の混
合物を0℃において窒素雰囲気下で10分間攪拌し、さ
らに室温において0.75時間攪拌した。その後、純ヒ
ドロキシビフェニルカルバペネム誘導体の60mg
(0.1mmole)を加え、得られた混合物をさらに17時
間攪拌した。この混合物をEtOAcと氷水とに分配
し、有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄し、Na2 SO
4 で乾燥し、濾別し、蒸発した。残渣をPLC〔CH2
Cl2 −EtOAc(4:1)で2回展開〕で精製して
生成物17.1mg(24%)を得た。 (24%)of product;NMR(CDC
3 )δ:1.5(d,C 3 ),3.25(m,2
−1),3.44(dd,1H−6),4.32(t
d,1H−5),4.68(m,20CH 2 CH=CH
2 ),5.28(m,2CH=C 2 および1H−
8),5.9(m,2C=CH2 ),7.28−7.
68(m,8Ar),8.04(d,2Py),
8.88(d,2Py); IR(CH2 Cl2 ):1780,1745,1725
cm-1; UV:λmax ジオキサン255nm,300nm(s
h) 【0158】実施例44 【化139】 モレキュラーシーブ乾燥CH2 Cl2 1ml中の、実
施例4において製造したアルコール4Aの47.3mg
(0.09mmole)の溶液に、攪拌しながら0℃において
窒素雰囲気下でトリエチルアミンの14.3mg(0.
14mmole)を滴加し、次にメシルクロライドの14mg
(0.12mmole)を加えた。この混合物を0℃において
20分間攪拌し、EtOAc/氷水/2N−HClで分
配し、有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥し、蒸発して、粗メチレート中間体56.
6mgを得た。この粗メチレートをアセトンの1mlに
溶解し、冷時に沃化ナトリウムの28.2mg(0.1
9mmole)と数分間攪拌し、氷水浴を脱してさらに1時間
攪拌した。その後、この混合物をEtOAc/氷水/
0.5%チオ硫酸ナトリウム水溶液で分配し、有機相を
分離し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濾別し、蒸発して粗生成物53.7mgを得た。P
LC〔ヘキサン−EtOAc(2:1)一回展開〕で精
製して油状の沃化物44A 28.3mgを得た。 IR(CH2 Cl2 ):1785,1750,1725
cm-1; NMR(CDCl3 )δ:1.54(d,J=6.4H
z,C 3 ),3.26(dd,1−H−1),3.3
6(dd,1−H−1),3.46(dd,1−H−
6),4.32(dt,1−H−5),4.55(s,
CH 2 I),7.3−7.62(m,Ar−); UV:λmax ジオキサン284nm. 【0159】実施例45 【化140】 実施例44からの沃化メチルビフェニルカルバペネム誘
導体40.6mg(0.07mmole)のアセトニトリルの
1.5ml中の溶液に、攪拌しながら−20℃において
窒素雰囲気下で、新たに調製した2−N−メチルイミダ
ゾールメルカプタイドナトリウムのDMF溶液140μ
l(0.07mmole)を加えた。この2−N−メチルイミ
ダゾールメルカプトナトリウムは、モレキュラーシーブ
乾燥DMFの5.5ml中におけるN−メチル−2−メ
ルカプトイミダゾールの250mg(2.19mmole)と
水素化ナトリウムとを0℃において2時間反応させて製
造した。得られた混合物を−20℃において、さらに1
5分間攪拌した。この混合物をEtOAc/氷水で分配
し、有機相を分離し、食塩水で洗浄し、Na2 SO4
乾燥し、濾過し、蒸発し、真空下で乾燥して生成物3
4.9mg(88%)を得た。 IR(CH2 Cl2 ):1780,1745,1720
cm-1; 1.5(d,C 3 ),3.3(m,2H−1),3.
32(s,N−CH3),4.22(s,−SC
2 ),4.31(td,1H−5),4.68(m,
2−OC 2 CH=CH2 ),5.26(m,1
8,2−CH=C 2 ),5.88(m,2C=CH
2 ),6.88(bs,1−Im−H),7.1−7.
6(m,ArH and 1Im−H); UV:λmax ジオキサン278nm,315nm(s
h). 【0160】実施例46 【化141】 実施例44において製造した沃化物28.3mg(0.
05mmole)と4−アミノピリジンの9.1mg(0.9
7mmole)との混合物を、モレキュラーシーブ乾燥アセト
ニトリルの0.5ml中で室温において窒素雰囲気下で
20分間攪拌した。この後、この混合物をCH2 Cl2
/H2 Oで分配し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで
乾燥し、濾別し、蒸発して粗製のピリジニウム塩中間体
30.6g(94%)を得た。この中間体を、トリフェ
ニルホスフィンの6.8mg(0.026mmole)、テト
ラキストリフェニルホスフィン・白金触媒10mg
(0.0087mmole)、2−エチルヘキサン酸6.9m
g(0.048mmole)、および2−エチルヘキサン酸カ
リウムのEtOAc中の0.5M溶液95.2μl
(0.048ml)をCH2 Cl2 の1.5ml中に合
せ、室温にて2時間攪拌した。直ちに生成物が沈殿し
た。その後、EtOAcと共に摩砕し、遠心分離にかけ
て集め、上澄液をデカンテーションした。次に、同様に
Et2 Oで洗浄し、真空乾燥して粗生成物23mgを得
た。上記物質のMeCN−H2 O抽出物を、H2 O−M
eCN(3:1)で溶離する逆相プレート層クロマトグ
ラフィーで冷時に精製し、MeCN−H2 O(4:1)
で生成物帯を抽出した後に、抽出物の濾液を濃縮し、凍
結乾燥して生成物46A 0.8mg(35%)を得
た。 NMR(D2 O)δ:1.31(d,CH3 ),5.2
6(s,C 2 N),5.76(d,2−ピリジン−
H’S),7.28−7.66(m,Ar−H’s),
7.96(d,2−ピリジン−H’s). UV:λmax H2O300(sh),273nm. 【0161】実施例47 【化142】 4′−アミノ−3−ブロモビフェニルの647mg
(2.57mmole)と無水コハク酸513.7mg(5.
13mmole)との混合物を、モレキュラーシーブ乾燥ベン
ゼンの15ml中で室温において窒素雰囲気下で2時間
磁気攪拌した。不溶性の生成物を吸引濾過して集め、ベ
ンゼンでよく洗浄し、真空下で乾燥してN−アセチル化
酸生成物を定量的収率で得た。これを、さらに精製する
ことなく使用した。上記生成物911mg(2.6mmol
e)と酢酸ナトリウム644mg(7.85mmole)との混
合物を無水酢酸15ml中で還流下において50分間攪
拌した。この混合物を冷却し、水30mlを加えた。二
相になっている混合物を、均一になるまで攪拌し、結晶
性の不溶性生成物を吸引濾過して集めた。よく水洗し、
真空下で乾燥してコハク酸イミド生成物787.8mg
(91%)を得た。 IR(CH2 Cl2 )1720cm-1; NMR(CDCl3 )δ:2.95(s,4H),7.
37−7.74(m,8H). 上記コハク酸イミド誘導体553.7mg(1.68mm
ole)の無水THF10ml中の部分溶液に、攪拌しなが
ら不活性窒素雰囲気下で、THF中のボラン−THF錯
体の1M溶液(7.4ml,7.38mmole)を滴下し
た。得られた混合物を室温において23時間攪拌し、そ
の後に充分な量のMeOHを加えて反応混合物の反応を
注意深く停止した。この混合物をEt2 O/氷水/5N
NaOH(水溶液)に分配し、有機相を分離し、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾別
し、蒸発して粗生成物498mg(93%)を得た。C
2 Cl2 −MeOHから再結晶して、純4′−N−ピ
ロリジニル−3−ブロモビフェニルを得た。 NMR(CDCl3 )δ:2.0(m,4H),3.3
1(m,4H),6.6(d,2H),7.16−7.
5(m,3H),7.44(d,2H),7.68
(m,1−H). 【0162】実施例48 【化143】 【0163】実施例49 【化144】 氷浴中で冷却した乾燥アセトニトリル0.6ml中のカ
ルバペネム(60mg,0.103mmol)の溶液に、攪
拌しながら窒素雰囲気下において、N−メチルイミダゾ
ールの2.1当量(17.2μl,0.216mmol)と
トリフルオロメタンスルホン酸無水物の1.05当量
(18.2μl,0.108mmol)とを加えた。反応を
TLCで追跡した。15分後には、出発物質が完全に消
滅していることがTLCにより示された。反応混合物を
真空下で濃縮した。残渣の200MHz NMRは、ビ
ニルスルホンと目的のイミダゾリウム付加物との混合物
の存在を示した。この粗生成物をジクロロメタンに溶解
し、15ml容の遠心分離チューブに移し、1.0ml
容まで濃縮し、ジエチルエーテルを加えてイミダゾリウ
ム付加物を沈殿させた。この混合物を遠心分離にかけ、
エーテルをデカンテーションで除き、沈殿をエーテルで
同様に2回洗浄して黄色油状物を得た。これ真空中で乾
燥すると泡体となった。このイミダゾリウム付加物(2
3mg,0.0314mmol)の乾燥ジクロロメタン1.
3ml中の溶液に、0℃においてN2 雰囲気下で攪拌し
ながら、トリフェニルホスフィン(4.9mg,18.
7mmol)、酢酸エチル中の2−エチルヘキサン酸カリウ
ムの0.5M溶液の69μl(0.346mmol)、2−
エチルキサン酸(5.0μl,34.6mmol)およびテ
トラキストリフェニルホスフィンパラジュウム(O)
(7.3mg,0.0063mmol)を加えた。反応物を
室温において5分間攪拌し、次に0℃において2.5時
間攪拌した。反応は、逆相TLC(30%THF/H2
O)によって完了していることが明らかであった。反応
混合物をジエチルエーテルと共に摩砕し、粗生成物を遠
心分離にかけて分け、上澄液からデカンテーションし
た。粗生成物を同様に2回エーテルで洗浄した。白色固
形生成物を真空下で乾燥し、1000μの逆相シリカゲ
ルプレート上で、冷時に、水中30%THFで溶離する
クロマトグラフにかけた。アセトニトリル−水(4:
1)で生成物帯を抽出した後、0.45μのAcROD
ISC−CRフィルターを介して溶液を濾過し、濾液を
真空下で濃縮し、凍結乾燥して粒状固体7.2mg(4
4.5%)を得た。1 H NMR(200MHz,D2 O,ppm)δ:
1.32(d,3H),3.14−3.48(m,2
H),2.5(s,3H),3.84(m,1H),
4.1(m,2H),4.3(m,2H),4.66
(m,2H),7.1−7.8(m,11H); IR(ヌジョール):1755,1600cm-1; UV(H2 O):λmax 306,258.5nm. 【0164】実施例50 実施例30および49において述べたと同様な方法で次
式の反応を行なった。 【化145】 【0165】実施例51〜94 上記と同じ手順に従って、本発明の下記の式の化合物を
さらに製造した。これらの化合物を、その物性と共に以
下の表に示す。表中,Meはメチル(−CH3)であ
る。 【化146】 【表12】 【表13】 【表14】 【表15】 【表16】 【表17】 【表18】 【表19】 【0166】実施例95〜162 上記の操作に続いて、下記の表にあるように、さらに本
発明の化合物を製造してよい。本表においてMe=メチ
ル(−CH3 )である。 【表20】 【表21】 【表22】 【表23】 【表24】 【表25】 【表26】 【表27】 【表28】 【表29】 【表30】 【表31】 【表32】 【表33】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/445 ADZ 31/46 31/47 31/495 31/535 C07D 519/00 311 C07F 9/6561 9155−4H (72)発明者 トマス エヌ.ザルツマン アメリカ合衆国,07062 ニュージャーシ ィ,ノース プレインフィールド,メドウ ブルック ドライヴ 154

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 式: 【化1】 〔式中RはH又はCH3 である。 R1 及びR2 は独立してH、CH3 −、CH3 CH
    2 −、(CH3 2 CH−、HOCH2 −、CH3 CH
    (OH)−、(CH3 2 C(OH)−、FCH2CH
    (OH)−、F2 CHCH(OH)−、F3 CCH(O
    H)−、CH3 CH(F)−、CH3 CF2 −又は(C
    3 2 C(F)−である。 Ra は水素及び以下に示されるラジカルからなる群から
    独立して選択されるが、但し1個以下のRa がタイプI
    の置換基から選択され、4個以下のRa ラジカルが水素
    以外である。 I.a) 【化2】 式中、 Aは(CH2 m −Q−(CH2 n (mは0〜6であ
    り、nは1〜6であり、Qは共有結合、O、S、SO、
    SO2 、NH、−SO2 NH−、−NHSO2−、−C
    ONH−、−NHCO−、−SO2 N(C1 〜C4 アル
    キル)−、−N(C1 〜C4 アルキル)SO2 −、−C
    ON(C1 〜C4 アルキル)−、−N(C1 〜C4 アル
    キル)CO−、−CH=CH−、−CO−、−OC
    (O)−、−C(O)O−又はN(C1 〜C4 アルキ
    ル)である)であり、(CH2 m はビフェニル部分に
    結合される。 【化3】 は5又は6員単環複素環又は8,9又は10員二環複素
    環であり、複素環は芳香族5又は6員第1環内に第1窒
    素を含有し、複素環は該第1窒素によってAに結合し、
    該第1窒素はその結合と環結合によって第四級であり、
    第1環はO又はSを0又は1個含有し、第1環は更に0
    〜3個の窒素原子を含有し、第1環は3又は4員部分に
    任意に縮合して任意の第2環を形成し、この部分は少な
    くとも1個の炭素原子を含有し、この部分はO又はSを
    0又は1個含有し、この部分は0〜2個の窒素原子を含
    有し、この部分は飽和又は不飽和及び第2環芳香族又は
    非芳香族である。 Rc は以下のIIで定義されるRa 、水素又は−NRy
    z (Ry とRz は以下のIIで定義される)であるが1個
    以上のRc が存在する場合Ra と互いのものから独立し
    て選択され、炭素環原子又は原子価が環結合で十分でな
    い窒素ヘテロ原子に結合される。 b) 【化4】 式中、 【化5】 は5又は6員単環複素環又は8,9又は10員二環複素
    環であり、複素環は芳香族5又は6員第1環内に第1窒
    素を含有し、該第1窒素は環結合のほかに置換基Rd
    よって第四級であり、該第1窒素は置換基Rd が存在し
    ないときは中性であり、複素環は環の炭素原子によって
    A′に結合し、第1環はO又はSを0又は1個含有し、
    第1環は更に0〜2個の窒素原子を含有し、第1環は3
    又は4員部分に任意に縮合して任意の第2環を形成し、
    この部分は少なくとも1個の炭素原子を含有し、この部
    分はO又はSを0又は1個含有し、この部分は0〜2個
    の窒素原子を含有し、この部分は飽和又は不飽和及び第
    2環芳香族又は非芳香族である。 Rc は上で定義される。 Rd は水素、NH2 、O又はC1 〜C4 アルキル(アル
    キル基は以下のIIcで定義されるRq で任意にモノ置換
    される)である。 A′は(CH2 m −Q−(CH2 n (mは0〜6で
    あり、nは0〜6であり、Qは上に示され、m及びnが
    0の場合、Qは共有結合ではない。 c)−Ap −N+ y (Rw (0-1) (Rz ) Ry 及びRz は以下のIIで定義される通りである。 Ry 及びRz は更に一緒に結合してN(O)Re 又はN
    + (Re 2 (Re は水素、C1 〜C4 アルキル又は上
    で定義したRq でモノ置換されたC1 〜C4 アルキルで
    ある)で中断された環(以下で定義されるRq で任意に
    モノ置換される)を形成するC2 〜C4 アルキリデンラ
    ジカルであることができる。 Rw は水素、C1-4 アルキル、O- 、NH2 であるか又
    はN+ が中性である場合は存在しない。 Rw 、Ry 及びRz は更に一緒にC5 〜C10第三級アル
    キリデンラジカルを形成することができN+ と二環式環
    を形成し、第三級アルキリデンラジカルは以下で定義さ
    れるRq で任意にモノ置換され、第三級アルキリデンラ
    ジカルの第三級炭素は窒素、N+ e (Re は上で定義
    される)又はN+ −O- で任意に置換される。 pは0又は1である。 Aは上で定義した通りである。 d) 【化6】 式中、 【化7】 は5又は6員単環複素環又は8,9又は10員二環複素
    環であり、複素環は第1環内に第1窒素を含有し、第1
    環は飽和又は不飽和及び非芳香族であり、第1窒素は環
    結合のほかに1又は2個の置換基Rd によって第四級で
    あり、第1窒素はまた環結合のほかに0又は1個の置換
    基Rd によって中性であり、複素環は環の炭素原子又は
    第四級でない窒素原子によってA′に結合し、第1環は
    炭素と第1窒素のほかに結合する第四級でない窒素、
    O、S、S(O)、S(O)2 及びNRe (Re は上で
    定義される)からなる群から選択される基0〜1個を含
    有し、第1環は2、3又は4員部分に任意に縮合して任
    意の第2環を形成し、この部分は炭素のほかに結合する
    第四級でない窒素を含有し、この部分は飽和又は不飽和
    及び第2環非芳香族である。 Rd は上で定義され、1個以上のRd が窒素に存在する
    場合、少なくとも1個のRd は水素又はC1 〜C4 アル
    キルである。 A′は上で定義される。 pは上で定義される。 Rq は以下で定義される。 II.a)トリフルオロメチル基:−CF3 b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−F又は−I c)C1 〜C4 アルコキシラジカル:−OC1-4 アルキ
    ル、アルキルはRqで任意にモノ置換される。 Rq は−OH、−OCH3 、−CN、−C(O)N
    2 、−OC(O)NH2、CHO、−OC(O)N
    (CH3 2 、−SO2 NH2 、−SO2 N(CH3
    2 、−SOCH3 、−SO2 CH3 、−F、−CF3
    −COOMa (Ma は水素、アルカリ金属、メチル又は
    フェニルである)、テトラゾリル(結合点はテトラゾー
    ル環の炭素原子であり、窒素原子の1つは上で定義した
    a でモノ置換される)及び−SO3 b (Mb は水素
    又はアルカリ金属である)からなる群から選択される基
    である。 d)ヒドロキシ基:−OH e)カルボニルオキシラジカル:−O(C=O)Rss はC1-4 アルキル又はフェニルであり、その各々が
    上で定義したRq で任意にモノ置換される。 f)カルバモイルオキシラジカル:−O(C=O)N
    (Ry )Rzy 及びRz は独立してH,C1-4 アルキル(上で定義
    したRq で任意にモノ置換される)、一緒に結合して環
    (上で定義したRq で任意に置換される)を形成する3
    〜5員アルキリデンラジカル又は一緒に結合して環(環
    は上で定義したRq で任意にモノ置換される)を形成す
    る−O−、−S−、−S(O)−又は−S(O)2 −で
    中断された2〜4員アルキリデンラジカルである。 g)イオウラジカル:−S(O)n −Rs 、n=0〜2
    及びRs は上で定義される。 h)スルファモイル基:−SO2 N(Ry )Rz 、Ry
    及びRz は上で定義した通りである。 i)アジド:N3 j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=O)H Rt はH又はC1-4 アルキルであり、このアルキルは上
    で定義したRq で任意にモノ置換される。 k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノラジカ
    ル:−N(Rt )(C=O)C1-4 アルキル、Rt は上
    で定義した通りであり、アルキル基もまた上で定義した
    q で任意にモノ置換される。 l)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルアミノラジカ
    ル:−N(Rt )(C=O)OC1-4 アルキル、Rt
    上で定義した通りであり、アルキル基もまた上で定義し
    たRq で任意にモノ置換される。 m)ウレイド基:−N(Rt )(C=O)N(Ry )R
    z 、Rt ,Ry 及びRz は上で定義した通りである。 n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO2 s 、Rs
    及びRt は上で定義した通りである。 o)シアノ基:−CN p)ホルミル又はアセタール化ホルミルラジカル:−
    (C=O)H又は−CH(OCH3 2 q)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルラジカル(カル
    ボニルはアセタール化される):−C(OCH3 2
    1-4 アルキル、アルキルは上で定義したRq で任意にモ
    ノ置換される。 r)カルボニルラジカル:−(C=O)Rs 、Rs は上
    で定義した通りである。 s)ヒドロキシイミノメチルラジカル(酸素又は炭素原
    子はC1 〜C4 アルキル基で任意に置換される):−
    (C=NORz )Ry 、Ry 及びRz は上で定義した通
    りであるが、一緒に結合して環を形成することができな
    いものを除く。 t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルラジカル:−
    (C=O)OC1-4 アルキル、アルキルは上で定義した
    q で任意にモノ置換される。 u)カルバモイルラジカル:−(C=O)N(Ry )R
    z 、Ry 及びRz は上で定義した通りである。 v)N−ヒドロキシカルバモイル又はN(C1 〜C4
    ルコキシ)カルバモイルラジカル(窒素原子は更にC1
    〜C4 アルキル基で置換されることができる):−(C
    =O)−N(ORy )Rz 、Ry 及びRz は上で定義し
    た通りであるが、一緒に結合して環を形成することがで
    きないものを除く。 w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )(R
    z )、Ry 及びRz は上で定義した通りである。 x)カルボキシル:−COOMb 、Mb は上で定義した
    通りである。 y)チオシアネート:−SCN z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3 aa)テトラゾリル、結合点はテトラゾール環の炭素原
    子であり、窒素原子の1つは水素、アルカリ金属又は上
    で定義したRq で任意に置換されたC1 〜C4アルキル
    でモノ置換される。 ab)ホスホノ〔P=O(OMb 2 〕;アルキルホス
    ホノ{P=O(OMb)−〔O(C1 〜C4 アルキ
    ル)〕};アルキルホスフィニル〔P=O(OMb)−
    (C1 〜C4 アルキル)〕;ホスホルアミド〔P=O
    (OMb )N(Ry )(Rz )及びP=O(OMb )N
    HRx 〕;スルフィノ(SO2 b );スルホ(SO3
    b );構造CONMb SO2 x 、CONMb SO2
    N(Ry )Rz、SO2 NMb CON(Ry )Rz 及び
    SO2 NMb CNから選択されるアシルスルホンアミド
    からなる群から選択されるアニオン官能基。 Rx はフェニル又はヘテロアリールであり、ヘテロアリ
    ールは5又は6個の環原子を有する単環芳香族炭化水素
    基であり、炭素原子が結合点であり、炭素原子の1つが
    窒素原子で置換されており、更に1つの炭素がO又はS
    から選択されるヘテロ原子で任意に置換され、更に1〜
    2個の炭素原子が窒素ヘテロ原子で任意に置換され、ま
    たフェニル及びヘテロアリールは上で定義したRq で任
    意にモノ置換される;Mb は上で定義した通りである;
    y 及びRz は上で定義した通りである。 ac)C5 〜C7 シクロアルキル基、環の炭素原子の1
    つはO、S、NH又はN(C1 〜C4 アルキル)から選
    択されるヘテロ原子で置換され、更に1つの炭素原子は
    NH又はN(C1 〜C4 アルキル)で置換されることが
    でき、各々の窒素ヘテロ原子に隣接した少なくとも1個
    の炭素原子は両方の結合水素原子を有し、1つの酸素原
    子で置換されてカルボニル部分を形成し、環には1又は
    2個のカルボニル部分が存在する。 ad)上の置換基a)〜ac)と上で定義したRq で任
    意に置換されるフェニルの1個で任意にモノ置換された
    2 〜C4 アルケニルラジカル。 ae)上の置換基a)〜ac)の1個で任意にモノ置換
    されたC2 〜C4 アルキニルラジカル。 af)C1 〜C4 アルキルラジカル。 ag)上の置換基a)〜ac)の1個でモノ置換された
    1 〜C4 アルキル。 ah)2−オキサゾリジノニル部分、結合点はオキサゾ
    リジノン環の窒素原子であり、環酸素原子は−S−及び
    >NRt (Rt は上で定義した通りである)から選択さ
    れるヘテロ原子で任意に置換され、オキサゾリジノン環
    の飽和炭素原子の1つは上の置換基a)〜ag)の1個
    で任意にモノ置換される。 Mはi)水素、 ii) 医薬的に使用し得るエステル化基又は除去し得るカ
    ルボキシル保護基、 iii) アルカリ金属又は他の医薬的に使用し得るカチオ
    ン又は iv)陽電荷基によって平衡する陰電荷から選択され
    る。〕で表わされるカルバペネム化合物。 【請求項2】 R及びR1 が水素であり、R2 が(R)
    −CH3 CH(OH)−又は(R)−CH3 CH(F)
    −である請求項1記載の化合物。 【請求項3】 前記基Iの置換基が以下の構造式から成
    る群から選択される請求項2記載の化合物: 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【請求項4】 前記基Iの置換基が以下の構造式から成
    る群から選択される請求項2記載の化合物: 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【請求項5】 前記基Iの置換基が以下の構造式から成
    る群から選択される請求項2記載の化合物: 【化16】 【請求項6】 前記基Iの置換基が以下の構造式から成
    る群から選択される請求項2記載の化合物: 【化17】 【請求項7】 基IIの置換基が以下の構造式から成る群
    から選択される請求項2記載の化合物: 【化18】 【請求項8】 構造式: 【化19】 (式中、M及びRa は以下の構造式から成る群から選択
    される: 【化20】 【化21】 【化22】 【化23】 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 【化28】 【化29】 【化30】 )の化合物。 【請求項9】 請求項1記載の化合物の有効量及びその
    医薬的に許容される担体から成る細菌に対して有効な医
    薬組成物。 【請求項10】 構造式: 【化31】 の化合物。 【請求項11】 構造式: 【化32】 (式中、R,Ra 及びMは以下に示す構造式から同時に
    選択される: 【化33】 【化34】 【化35】 【化36】 【化37】 【化38】 【化39】 【化40】 )の化合物。 【請求項12】 構造式: 【化41】 (式中、R′,R,Ra 及びMは以下に示す構造式から
    成る群の組み合わせから同時に選択される: 【化42】 【化43】 【化44】 【化45】 【化46】 【化47】 【化48】 【化49】 【化50】 【化51】 【化52】 【化53】 【化54】 【化55】 )の化合物。 【請求項13】 式 【化56】 〔式中RはH又はCH3 である。 P′はヒドロキシの除去し得る保護基である。 Ra は水素及び以下に示されるラジカルからなる群から
    独立して選択されるが、但し、1個以下のRa がタイプ
    Iの置換基から選択され、4個以下のRa ラジカルが水
    素以外である。 I.a) 【化57】 Aは(CH2 m −Q−(CH2 n (mは0〜6であ
    り、nは1〜6であり、Qは共有結合、O、S、SO、
    SO2 、NH、−SO2 NH−、−NHSO2−、−C
    ONH−、−NHCO−、−SO2 N(C1 〜C4 アル
    キル)−、−N(C1 〜C4 アルキル)SO2 −、−C
    ON(C1 〜C4 アルキル)−、−N(C1 〜C4 アル
    キル)CO−、−CH=CH−、−CO−、−OC
    (O)−、−C(O)O−又はN(C1 〜C4 アルキ
    ル)である)であり、(CH2 m はビフェニル部分に
    結合される。 【化58】 は5又は6員単環複素環又は8,9又は10員二環複素
    環であり、複素環は芳香族5又は6員第1環内に第1窒
    素を含有し、複素環は該第1窒素によってAに結合し、
    該第1窒素はその結合と環結合によって第四級であり、
    第1環はO又はSを0又は1個含有し、第1環は更に0
    〜3個の窒素原子を含有し、第1環は3又は4員部分に
    任意に縮合して任意の第2環を形成し、この部分は少な
    くとも1個の炭素原子を含有し、この部分はO又はSを
    0又は1個含有し、この部分は0〜2個の窒素原子を含
    有し、この部分は飽和又は不飽和及び第2環芳香族又は
    非芳香族である。 Rc は以下のIIで定義されるRa 、水素又は−NRy
    z (Ry とRz は以下のIIで定義される)であるが、1
    個以上のRc が存在する場合Ra と互いのものから独立
    して選択され、炭素環原子又は原子価が環結合で十分で
    ない窒素ヘテロ原子に結合される。 b) 【化59】 式中、 【化60】 は5又は6員単環複素環又は8,9又は10員二環複素
    環であり、複素環は芳香族5又は6員第1環内に第1窒
    素を含有し、該第1窒素は環結合のほかに置換基Rd
    よって第四級であり、該第1窒素は置換基Rd が存在し
    ないときは中性であり、複素環は環の炭素原子によって
    A′に結合し、第1環はO又はSを0又は1個含有し、
    第1環は更に0〜2個の窒素原子を含有し、第1環は3
    又は4員部分に任意に縮合して任意の第2環を形成し、
    この部分は少なくとも1個の炭素原子を含有し、この部
    分はO又はSを0又は1個含有し、この部分は0〜2個
    の窒素原子を含有し、この部分は飽和又は不飽和及び第
    2環芳香族又は非芳香族である。 Rc は上で定義される。 Rd は水素、NH2 、O又はC1 〜C4 アルキル(アル
    キル基は以下のIIcで定義されるRq で任意にモノ置換
    される)である。 A′は(CH2 m −Q−(CH2 n (mは0〜6で
    あり、nは0〜6であり、Qは上に示され、m及びnが
    0の場合、Qは共有結合ではない。 c)−Ap −N+ y (Rw (0-1) (Rz ) Ry 及びRz は以下のIIで定義される通りである。 Ry 及びRz は更に一緒に結合してN(O)Re 又はN
    + (Re 2 (Re は水素、C1 〜C4 アルキル又は以
    下で定義されるRq でモノ置換されるC1 〜C4 アルキ
    ルである)で中断された環(以下で定義されるRq で任
    意にモノ置換される)を形成するC2 〜C4 アルキリデ
    ンラジカルであることができる。 Rw は水素、C1-4 アルキル、O- 、NH2 であるか又
    はN+ が中性である場合は存在しない。 Rw 、Ry 及びRz は更に一緒にC5 〜C10第三級アル
    キリデンラジカルを形成することができ、N+ と二環式
    環を形成し、第三級アルキリデンラジカルは以下で定義
    されるRq で任意にモノ置換され、第三級アルキリデン
    ラジカルの第三級炭素は窒素、N+ e (Re は上で定
    義される)又はN+ −O- で任意に置換される。 pは0又は1である。 Aは上で定義した通りである。 d) 【化61】 式中、 【化62】 は5又は6員単環複素環又は8,9又は10員二環複素
    環であり、複素環は第1環内に第1窒素を含有し、第1
    環は飽和又は不飽和及び非芳香族であり、第1窒素は環
    結合のほかに1又は2個の置換基Rd によって第四級で
    あり、第1窒素はまた環結合のほかに0又は1個の置換
    基Rd によって中性であり、複素環は環の炭素原子又は
    第四級でない窒素原子によってA′に結合し、第1環は
    炭素と第1窒素のほかに結合する第四級でない窒素、
    O、S、S(O)、S(O)2 及びNRe (Re は上で
    定義される)からなる群から選択される基0〜1個を含
    有し、第1環は2、3又は4員部分に任意に縮合して任
    意の第2環を形成し、この部分は炭素のほかに結合する
    第四級でない窒素を含有し、この部分は飽和又は不飽和
    及び第2環非芳香族である。 Rd は上で定義され、1個以上のRd が窒素に存在する
    場合、少なくとも1個のRd は水素又はC1 〜C4 アル
    キルである。 A′は上で定義される。 pは上で定義される。 Rq は以下で定義される。 タイプIのRa 置換基はZのアニオン形態と平衡し、 Zはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスル
    ホニルオキシ、フルオロスルホニルオキシ、p−トルエ
    ンスルホニルオキシ、2,4,6−トリイソプロピルベ
    ンゼンスルホニルオキシ、p−ブロモベンゼンスルホニ
    ルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、ブロ
    モ及びヨードである。更にタイプIIの置換基は II.a)トリフルオロメチル基:−CF3 b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−F又は−I c)C1 〜C4 アルコキシラジカル:−OC1-4 アルキ
    ル、アルキルはRqで任意にモノ置換される。 Rq は−OH、−OP′、−OCH3 、−CN、−C
    (O)NH2 、−OC(O)NH2 、CHO、−OC
    (O)N(CH3 2 、−SO2 NH2 、−SO2
    (CH3 2 、−SOCH3 、−SO2 CH3 、−F、
    −CF3 、−COOMa (Ma は水素、アルカリ金属、
    メチル、フェニル又は以下で定義されるMである)、テ
    トラゾリル(結合点はテトラゾール環の炭素原子であ
    り、窒素原子の1つは上で定義したMa でモノ置換され
    る)及び−SO3 b (Mb は水素又はアルカリ金属又
    は以下で定義されるMである)からなる群から選択され
    る基である。 d)ヒドロキシ又は保護ヒドロキシ:−OH又は−O
    P′ e)カルボニルオキシラジカル:−O(C=O)Rss はC1-4 アルキル又はフェニルであり、その各々が
    上で定義したRq で任意にモノ置換される。 f)カルバモイルオキシラジカル:−O(C=O)N
    (Ry )Rzy 及びRz は独立してH、C1-4 アルキル(上で定義
    したRq で任意にモノ置換される)、一緒に結合して環
    (上で定義したRq で任意に置換される)を形成する3
    〜5員アルキリデンラジカル又は一緒に結合して環(環
    は上で定義したRq で任意にモノ置換される)を形成す
    る−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2 −で中
    断された2〜4員アルキリデンラジカルである。 g)イオウラジカル:−S(O)n −Rs 、n=0〜2
    及びRs は上で定義される。 h)スルファモイル基:−SO2 N(Ry )Rz 、Ry
    及びRz は上で定義した通りである。 i)アジド:N3 j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=O)H Rt はH又はC1-4 アルキルであり、このアルキルは上
    で定義したRq で任意にモノ置換される。 k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノラジカ
    ル:−N(Rt )(C=O)C1-4 アルキル、Rt は上
    で定義した通りであり、アルキル基もまた上で定義した
    q で任意にモノ置換される。 l)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルアミノラジカ
    ル:−N(Rt )(C=O)OC1-4 アルキル、Rt
    上で定義した通りであり、アルキル基もまた上で定義し
    たRq で任意にモノ置換される。 m)ウレイド基:−N(Rt )(C=O)N(Ry )R
    z 、Rt ,Ry 及びRz は上で定義した通りである。 n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO2 s 、Rs
    及びRt は上で定義した通りである。 o)シアノ基:−CN p)ホルミル又はアセタール化ホルミルラジカル、−
    (C=O)H又は−CH(OCH3 2 q)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルラジカル(カル
    ボニルはアセタール化される):−C(OCH3 2
    1-4 アルキル、アルキルは上で定義したRq で任意にモ
    ノ置換される。 r)カルボニルラジカル:−(C=O)Rs 、Rs は上
    で定義した通りである。 s)ヒドロキシイミノメチルラジカル(酸素又は炭素原
    子はC1 〜C4 アルキル基で任意に置換される):−
    (C=NORz )Ry 、Ry 及びRz は上で定義した通
    りであるが、一緒に結合して環を形成することができな
    いものを除く。 t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニルラジカル:−
    (C=O)OC1-4 アルキル、アルキルは上で定義した
    q で任意にモノ置換される。 u)カルバモイルラジカル:−(C=O)N(Ry )R
    z 、Ry 及びRz は上で定義した通りである。 v)N−ヒドロキシカルバモイル又はN(C1 〜C4
    ルコキシ)カルバモイルラジカル(窒素原子は更にC1
    〜C4 アルキル基で置換されることができる):−(C
    =O)N(ORy )Rz 、Ry 及びRz は上で定義した
    通りであるが、一緒に結合して環を形成することができ
    ないものを除く。 w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )(R
    z )、Ry 及びRz は上で定義した通りである。 x)カルボキシル:−COOMb 、Mb は上で定義した
    通りである。 y)チオシアネート:−SCN z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3 aa)テトラゾリル、結合点はテトラゾール環の炭素原
    子であり、窒素原子の1つは水素、アルカリ金属又は上
    で定義したRq で任意に置換されたC1 〜C4アルキル
    でモノ置換される。 ab)ホスホノ〔P=O(OMb 2 〕;アルキルホス
    ホノ{P=O(OMb)−〔O(C1 〜C4 アルキ
    ル)〕};アルキルホスフィニル〔P=O(OMb)−
    (C1 〜C4 アルキル)〕;ホスホルアミド〔P=O
    (OMb )N(Ry )(Rz )及びP=O(OMb )N
    HRx 〕;スルフィノ(SO2 b );スルホ(SO3
    b );構造CONMb SO2 x 、CONMb SO2
    N(Ry )Rz、SO2 NMb CON(Ry )Rz 及び
    SO2 NMb CNから選択されるアシルスルホンアミド
    からなる群から選択されるアニオン官能基。 Rx はフェニル又はヘテロアリールであり、ヘテロアリ
    ールは5又は6個の環原子を有する単環芳香族炭化水素
    基であり、炭素原子が結合点であり、炭素原子の1つが
    窒素原子で置換されており、更に1つの炭素原子がO又
    はSから選択されるヘテロ原子で任意に置換され、更に
    1〜2個の炭素原子が窒素ヘテロ原子で任意に置換さ
    れ、またフェニル及びヘテロアリールは上で定義したR
    q で任意にモノ置換される;Mb は上で定義した通りで
    ある;Ry 及びRz は上で定義した通りである。 ac)C5 〜C7 シクロアルキル基、環の炭素原子の1
    つはO、S、NH又はN(C1 〜C4 アルキル)から選
    択されるヘテロ原子で置換され、更に1つの炭素原子は
    NH又はN(C1 〜C4 アルキル)で置換されることが
    でき、各々の窒素ヘテロ原子に隣接した少なくとも1個
    の炭素原子は両方の結合水素原子を有し、1つの酸素原
    子で置換されてカルボニル部分を形成し、環には1又は
    2個のカルボニル部分が存在する。 ad)上の置換基a)〜ac)と上で定義したRq で任
    意に置換されるフェニルの1個で任意にモノ置換された
    2 〜C4 アルケニルラジカル。 ae)上の置換基a)〜ac)の1個で任意にモノ置換
    されたC2 〜C4 アルキニルラジカル。 af)C1 〜C4 アルキルラジカル。 ag)上の置換基a)〜ac)の1個でモノ置換された
    1 〜C4 アルキル。 ah)2−オキサゾリジノニル部分{結合点はオキサゾ
    リジノン環の窒素原子であり、環酸素原子は−S−及び
    >NRt (Rt は上で定義した通りである)から選択さ
    れるヘテロ原子で任意に置換され、オキサゾリジノン環
    の飽和炭素原子の1つは上の置換基a)〜ag)の1個
    で任意にモノ置換される}である。 Mは除去し得るカルボキシル保護基である。〕で表わさ
    れるカルバペネム化合物。 【請求項14】 Mがベンズヒドリル、p−ニトロベン
    ジル、2−ナフチルメチル、アリル、ベンジル、トリク
    ロロエチル、トリメチルシリル、t−ブチルジフェニル
    シリル、フェナシル、p−メトキシベンジル、アセトニ
    ル、o−ニトロベンジル及び4−ピリジルメチルからな
    る群から選択される請求項13記載の化合物。 【請求項15】 p′がトリアルキルシリル、アリール
    (アルキル)シリル、ジアリールアルキルシリル、トリ
    オルガノシリル、アルキルオキシカルボニル及び置換ア
    ルキルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及
    び置換ベンジルオキシカルボニル及びアリルオキシカル
    ボニル及び置換アリルオキシカルボニルからなる群から
    選択される請求項13記載の化合物。 【請求項16】 式 【化63】 (式中、 RはH又はCH3 である。 P′はヒドロキシの除去し得る保護基である。 Ra はH、Cl、Br、I、SMe、CN、CHO、S
    OMe、SO2 Me及びOP′からなる群から選択され
    る。 Mはカルボキシルの除去し得る保護基である。 Zはアルキル及び置換アルキルスルホネート、アリール
    及び置換アリールスルホネート及びハロゲン化物からな
    る群から選択される。)で表わされる化合物。 【請求項17】 Mがベンズヒドリル、p−ニトロベン
    ジル、2−ナフチルメチル、アリール、ベンジル、トリ
    クロロエチル、トリメチルシリル、t−ブチルジフェニ
    ルシリル、フェナシル、p−メトキシベンジル、アセト
    ニル、o−ニトロベンジル及び4−ピリジルメチルから
    なる群から選択される請求項16記載の化合物。 【請求18】 P′がトリアルキルシリル、アリール
    (アルキル)シリル、ジアリールアルキルシリル、トリ
    オルガノシリル、アルキルオキシカルボニル及び置換ア
    ルキルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及
    び置換ベンジルオキシカルボニル及びアリルオキシカル
    ボニル及び置換アリルオキシカルボニルからなる群から
    選択される請求項16記載の化合物。 【請求項19】 Zがメタンスルホニルオキシ、トリフ
    ルオロメタンスルホニルオキシ、フルオロスルホニルオ
    キシ、p−トルエンスルホニルオキシ、2,4,6−ト
    リイソプロピルベンゼンスルホニルオキシ、p−ブロモ
    ベンゼンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホ
    ニルオキシ、ブロモ及びヨードからなる群から選択され
    る請求項16記載の化合物。
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