JPH0791288A - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents
内燃機関の燃料供給制御装置Info
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- JPH0791288A JPH0791288A JP23612393A JP23612393A JPH0791288A JP H0791288 A JPH0791288 A JP H0791288A JP 23612393 A JP23612393 A JP 23612393A JP 23612393 A JP23612393 A JP 23612393A JP H0791288 A JPH0791288 A JP H0791288A
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- engine
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- intake
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】内燃機関の始動性能を向上する。
【構成】機関停止後の残留燃料量の推定演算において、
機関停止時の気筒毎の吸・排気弁の開閉状態を検出し、
停止後の時間経過による残留燃料量の減少割合を吸気弁
の閉時は最も大きく (点線で図示) 、吸気弁が開,排気
弁が閉時は2番目に大きく、吸気弁,排気弁共に開の時
は最も小さく (実線の従来例と同様)設定して残留燃料
量を推定し、再始動時は、該再始動時の残留燃料量に応
じて気筒毎に始動後増量補正量を設定し、燃料供給量を
設定する。これにより、始動時の燃料供給量が適正に設
定され、始動性能が向上する。
機関停止時の気筒毎の吸・排気弁の開閉状態を検出し、
停止後の時間経過による残留燃料量の減少割合を吸気弁
の閉時は最も大きく (点線で図示) 、吸気弁が開,排気
弁が閉時は2番目に大きく、吸気弁,排気弁共に開の時
は最も小さく (実線の従来例と同様)設定して残留燃料
量を推定し、再始動時は、該再始動時の残留燃料量に応
じて気筒毎に始動後増量補正量を設定し、燃料供給量を
設定する。これにより、始動時の燃料供給量が適正に設
定され、始動性能が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の始動時の燃
料供給制御装置に関する。
料供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関における始動時の燃料供
給量の制御として、例えば特開昭63−218633号公報に示
されるように、始動時に吸気系に残留している燃料量を
推定し、それによって始動時の燃料増量補正量を補正す
るようにしたものがある。このものでは、機関運転中か
ら運転状態に応じて吸気系に残留する燃料量を逐次演算
更新する一方、機関停止後も停止時に演算された残留燃
料量と停止後の経過時間とに応じて残留燃料量を更新記
憶し、再始動時に残留燃料量に応じて燃料増量を補正し
ている。
給量の制御として、例えば特開昭63−218633号公報に示
されるように、始動時に吸気系に残留している燃料量を
推定し、それによって始動時の燃料増量補正量を補正す
るようにしたものがある。このものでは、機関運転中か
ら運転状態に応じて吸気系に残留する燃料量を逐次演算
更新する一方、機関停止後も停止時に演算された残留燃
料量と停止後の経過時間とに応じて残留燃料量を更新記
憶し、再始動時に残留燃料量に応じて燃料増量を補正し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の残留燃料量に基づく再始動時の燃料供給量の
補正方式では、機関停止時の吸・排気弁の開閉状態を考
慮にいれていなかったため、残留燃料量の推定に大きな
誤差を生じ、延いては再始動時の燃料供給量の補正を良
好に行うことができず、過不足により必ずしも良好な始
動性能が得られていなかった。
うな従来の残留燃料量に基づく再始動時の燃料供給量の
補正方式では、機関停止時の吸・排気弁の開閉状態を考
慮にいれていなかったため、残留燃料量の推定に大きな
誤差を生じ、延いては再始動時の燃料供給量の補正を良
好に行うことができず、過不足により必ずしも良好な始
動性能が得られていなかった。
【0004】本発明はこのような従来の問題点に鑑みな
されたもので、停止後に吸気系に残留する燃料量を機関
停止時の吸・排気弁の開閉状態を考慮して良好に推定
し、以て再始動時の燃料供給量を残留燃料量に基づいて
良好に補正でき始動性能を高めることができるようにし
た内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的と
する。
されたもので、停止後に吸気系に残留する燃料量を機関
停止時の吸・排気弁の開閉状態を考慮して良好に推定
し、以て再始動時の燃料供給量を残留燃料量に基づいて
良好に補正でき始動性能を高めることができるようにし
た内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は図1
に示すように、機関の運転状態を検出する運転状態検出
手段と、該運転状態検出手段によって検出された機関の
運転状態に応じて吸気系に残留する燃料量を演算する残
留燃料量演算手段と、を備え、該演算された残留燃料量
に応じて補正して設定された量の燃料を機関に供給する
内燃機関の燃料供給制御装置において、機関停止時に気
筒毎の吸・排気弁の開閉状態を検出する弁開閉状態検出
手段と、機関停止後の経過時間を演算する経過時間演算
手段と、前記機関停止時に前記残留燃料量演算手段によ
って演算された吸気系の燃料残留量と、機関停止時の気
筒毎の吸・排気弁の開閉状態と、機関停止後の経過時間
とに基づいて機関の再始動時に吸気系に残留する燃料量
を気筒毎に推定する始動時残留燃料量推定手段と、機関
の始動時に前記推定された残留燃料量に基づいて燃料の
増量補正量を気筒毎に設定してなる始動増量補正量設定
手段と、前記設定された増量補正量に基づいて始動時の
燃料供給量を気筒毎に設定する始動時燃料供給量設定手
段と、を含んで構成したことを特徴とする。
に示すように、機関の運転状態を検出する運転状態検出
手段と、該運転状態検出手段によって検出された機関の
運転状態に応じて吸気系に残留する燃料量を演算する残
留燃料量演算手段と、を備え、該演算された残留燃料量
に応じて補正して設定された量の燃料を機関に供給する
内燃機関の燃料供給制御装置において、機関停止時に気
筒毎の吸・排気弁の開閉状態を検出する弁開閉状態検出
手段と、機関停止後の経過時間を演算する経過時間演算
手段と、前記機関停止時に前記残留燃料量演算手段によ
って演算された吸気系の燃料残留量と、機関停止時の気
筒毎の吸・排気弁の開閉状態と、機関停止後の経過時間
とに基づいて機関の再始動時に吸気系に残留する燃料量
を気筒毎に推定する始動時残留燃料量推定手段と、機関
の始動時に前記推定された残留燃料量に基づいて燃料の
増量補正量を気筒毎に設定してなる始動増量補正量設定
手段と、前記設定された増量補正量に基づいて始動時の
燃料供給量を気筒毎に設定する始動時燃料供給量設定手
段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0006】
【作用】機関の停止時の吸・排気弁の開閉状態により、
例えば吸気弁が閉状態で停止した場合は、残留燃料が吸
気ポート内に留まるのに対し吸気弁が開、排気弁が閉状
態で停止した場合は、残留燃料はシリンダまで拡散し、
また、吸気弁, 排気弁共に開かれて停止した場合は、気
化した燃料が排気系に抜けることとなる。したがって、
前記の順で残留燃料の減少割合は増大するから、停止後
残留燃料量は前記機関停止時の吸・排気弁の開閉状態に
見合った減少割合に応じて残留燃料量を推定更新する。
例えば吸気弁が閉状態で停止した場合は、残留燃料が吸
気ポート内に留まるのに対し吸気弁が開、排気弁が閉状
態で停止した場合は、残留燃料はシリンダまで拡散し、
また、吸気弁, 排気弁共に開かれて停止した場合は、気
化した燃料が排気系に抜けることとなる。したがって、
前記の順で残留燃料の減少割合は増大するから、停止後
残留燃料量は前記機関停止時の吸・排気弁の開閉状態に
見合った減少割合に応じて残留燃料量を推定更新する。
【0007】始動増量補正量設定手段は、前記のように
して精度良く推定された残留燃料量に基づいて燃料の増
量補正量を設定し、該増量補正量に基づいて始動時の燃
料供給量が補正して設定される。ここで、残留燃料量が
多い場合は増量補正量を少なく、残留燃料量が少ない場
合は増量補正量を多く調整して設定されるため、常に適
正な始動時の燃料供給量の設定が行われ、始動性能を良
好なものとすることができる。
して精度良く推定された残留燃料量に基づいて燃料の増
量補正量を設定し、該増量補正量に基づいて始動時の燃
料供給量が補正して設定される。ここで、残留燃料量が
多い場合は増量補正量を少なく、残留燃料量が少ない場
合は増量補正量を多く調整して設定されるため、常に適
正な始動時の燃料供給量の設定が行われ、始動性能を良
好なものとすることができる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。一実施例のシステム構成を示す図2において、内燃
機関10には、吸入空気流量Qを検出するエアフローメー
タ11、クランク角の検出延いては機関回転速度Nを検出
するクランク角センサ12、吸気ポート温度を検出するポ
ート温度センサ13、機関冷却水温度を検出する水温セン
サ14が設けられ、これらセンサ類からの検出信号はコン
トロールユニット15に入力される。尚、前記各センサ類
は運転状態検出手段に相当する。
る。一実施例のシステム構成を示す図2において、内燃
機関10には、吸入空気流量Qを検出するエアフローメー
タ11、クランク角の検出延いては機関回転速度Nを検出
するクランク角センサ12、吸気ポート温度を検出するポ
ート温度センサ13、機関冷却水温度を検出する水温セン
サ14が設けられ、これらセンサ類からの検出信号はコン
トロールユニット15に入力される。尚、前記各センサ類
は運転状態検出手段に相当する。
【0009】コントロールユニット15は、前記各検出信
号に基づいて吸気系に残留する燃料量を機関運転中及び
運転停止後も推定して逐次更新記憶し、該残留燃料量に
基づいて運転中及び再始動時の燃料供給量を補正して設
定し、該燃料供給量に相当する噴射パルス信号を気筒毎
に設けられた燃料噴射弁17に出力して駆動させ、所定の
タイミングで前記燃料噴射弁17から前記燃料供給量に相
当する量の燃料を噴射供給させる。18は吸気弁,19は排
気弁である。
号に基づいて吸気系に残留する燃料量を機関運転中及び
運転停止後も推定して逐次更新記憶し、該残留燃料量に
基づいて運転中及び再始動時の燃料供給量を補正して設
定し、該燃料供給量に相当する噴射パルス信号を気筒毎
に設けられた燃料噴射弁17に出力して駆動させ、所定の
タイミングで前記燃料噴射弁17から前記燃料供給量に相
当する量の燃料を噴射供給させる。18は吸気弁,19は排
気弁である。
【0010】次に、機関停止時の吸・排気弁開閉状態に
応じた残留燃料の状態を図3〜図6に基づいて説明す
る。ここで、図3に示すように吸気弁が閉じている状態
(IV・C期) と、吸気弁が開,排気弁が閉の状態 (I
V・O期) と、吸気弁,排気弁とも開いている状態(オ
ーバーラップ期) とに分けて考えると、各期間における
残留燃料の状態は図4に示すようになる。
応じた残留燃料の状態を図3〜図6に基づいて説明す
る。ここで、図3に示すように吸気弁が閉じている状態
(IV・C期) と、吸気弁が開,排気弁が閉の状態 (I
V・O期) と、吸気弁,排気弁とも開いている状態(オ
ーバーラップ期) とに分けて考えると、各期間における
残留燃料の状態は図4に示すようになる。
【0011】まず、IV・C期では吸気弁が閉じている
ため、吸気弁とスロットルチャンバとの間が閉じられた
吸気ポート空間となるため、残留燃料は該ポート空間内
に留まる。一方、IV・O期では、シリンダからスロッ
トルチャンバまで閉空間が拡大するため、残留燃料はシ
リンダ内まで拡がる。
ため、吸気弁とスロットルチャンバとの間が閉じられた
吸気ポート空間となるため、残留燃料は該ポート空間内
に留まる。一方、IV・O期では、シリンダからスロッ
トルチャンバまで閉空間が拡大するため、残留燃料はシ
リンダ内まで拡がる。
【0012】また、オーバーラップ期では、気化した燃
料が排気弁を介して排気系に抜けることとなる。機関が
停止した時に吸・排気弁の状態以外の条件が同じ場合の
残留燃料量の変化を図5に示す。機関停止時の状態がオ
ーバーラップ期であるときは、前記排気系への抜けによ
り残留燃料の減少割合は速く、IV・O期であるとき
は、排気系への抜けが無くなるため、オーバーラップ期
の場合より残留燃料の減少割合が小さく、IV・C期で
あるときは、シリンダへの拡散も無くなるため残留燃料
の減少割合は最も小さくなる。
料が排気弁を介して排気系に抜けることとなる。機関が
停止した時に吸・排気弁の状態以外の条件が同じ場合の
残留燃料量の変化を図5に示す。機関停止時の状態がオ
ーバーラップ期であるときは、前記排気系への抜けによ
り残留燃料の減少割合は速く、IV・O期であるとき
は、排気系への抜けが無くなるため、オーバーラップ期
の場合より残留燃料の減少割合が小さく、IV・C期で
あるときは、シリンダへの拡散も無くなるため残留燃料
の減少割合は最も小さくなる。
【0013】したがって、IV・C期とIV・O期の場
合、残留燃料の減少割合が小さいため、図6に示すよう
に本実施例では従来の制御法に比較して始動後増量補正
量は少なくて済むことになる。また、この残留燃料の減
少割合は吸気ポート温度の影響を強く受け、吸気ポート
温度が高くなるほど気化による減少が促進されるため図
7に示すように吸・排気弁の開閉状態で異なった関数と
なる。
合、残留燃料の減少割合が小さいため、図6に示すよう
に本実施例では従来の制御法に比較して始動後増量補正
量は少なくて済むことになる。また、この残留燃料の減
少割合は吸気ポート温度の影響を強く受け、吸気ポート
温度が高くなるほど気化による減少が促進されるため図
7に示すように吸・排気弁の開閉状態で異なった関数と
なる。
【0014】図8は本実施例の制御の概略を示したもの
で、機関停止時の残留燃料量MS を演算し、経過時間と
共に減少割合DMで減少していく。機関再始動時は始動
後に平衡となる残留燃料量Mと再始動時に演算された残
留燃料量MS との差に応じて、始動後増量を行う。した
がって、残留燃料量MS が多いほど始動後増量は少なく
て済むこととなる。
で、機関停止時の残留燃料量MS を演算し、経過時間と
共に減少割合DMで減少していく。機関再始動時は始動
後に平衡となる残留燃料量Mと再始動時に演算された残
留燃料量MS との差に応じて、始動後増量を行う。した
がって、残留燃料量MS が多いほど始動後増量は少なく
て済むこととなる。
【0015】次に本実施例の制御の流れを図9,図10の
フローチャートに従って説明する。図9は、機関停止後
の残留燃料量を演算するルーチンを示す。このルーチン
は機関停止によって開始される。ステップ (図ではSと
記す。以下同様) 81では、機関停止直前の吸入空気流量
Q,機関回転速度Nを読み込む。
フローチャートに従って説明する。図9は、機関停止後
の残留燃料量を演算するルーチンを示す。このルーチン
は機関停止によって開始される。ステップ (図ではSと
記す。以下同様) 81では、機関停止直前の吸入空気流量
Q,機関回転速度Nを読み込む。
【0016】ステップ82では、基本燃料噴射量TP (=
K1 ・Q/N K1 は定数) を演算する。ステップ83で
は、吸気温度センサ14で検出された吸気ポート温度Tq
を読み込む。ステップ84では、演算された基本燃料噴射
量TP と検出された吸気温度Tq とに基づいて、機関停
止時の残留燃料量MS ”を予め実験,解析等で求められ
ROMに記憶されたマップテーブルから読み込む。この
残留燃料量MS ”の特性は図11に示すように吸気温度T
q が低いほど気化割合が低いため、また、負荷 (基本燃
料噴射量TP ) が大きいほど壁流燃料量の絶対量が増大
するため大きな値となる。このステップ84の機能が、残
留燃料量演算手段に相当する。
K1 ・Q/N K1 は定数) を演算する。ステップ83で
は、吸気温度センサ14で検出された吸気ポート温度Tq
を読み込む。ステップ84では、演算された基本燃料噴射
量TP と検出された吸気温度Tq とに基づいて、機関停
止時の残留燃料量MS ”を予め実験,解析等で求められ
ROMに記憶されたマップテーブルから読み込む。この
残留燃料量MS ”の特性は図11に示すように吸気温度T
q が低いほど気化割合が低いため、また、負荷 (基本燃
料噴射量TP ) が大きいほど壁流燃料量の絶対量が増大
するため大きな値となる。このステップ84の機能が、残
留燃料量演算手段に相当する。
【0017】ステップ85では、機関停止直前の機関回転
速度Nにより残留燃料量MS " の補正を行う。具体的に
は、図12に示されるマップテーブルから回転補正係数N
m を読み出し、該回転補正係数Nm を前記残留燃料量
M”に乗じることで、MS ’を求める。ここで、回転補
正係数Nm は機関停止直前の機関回転速度Nが低いほど
吸気流でシリンダ内に流入する壁流燃料量が減少するた
め大きい値に設定されている。
速度Nにより残留燃料量MS " の補正を行う。具体的に
は、図12に示されるマップテーブルから回転補正係数N
m を読み出し、該回転補正係数Nm を前記残留燃料量
M”に乗じることで、MS ’を求める。ここで、回転補
正係数Nm は機関停止直前の機関回転速度Nが低いほど
吸気流でシリンダ内に流入する壁流燃料量が減少するた
め大きい値に設定されている。
【0018】ステップ86では、クランク角センサ12から
の信号に基づいて、各気筒の吸・排気弁の開閉状態を検
出する。このステップ86の機能が、弁開閉状態検出手段
に相当する。ステップ87では、前記検出された吸・排気
弁の開閉状態に応じた関数より吸気温度Tq における各
気筒i (i=1〜n; nは気筒数) の残留燃料減少割
合DMCYLiを求める。これは、前記の図6に示した特性
を有するマップテーブルから読み出して行う。
の信号に基づいて、各気筒の吸・排気弁の開閉状態を検
出する。このステップ86の機能が、弁開閉状態検出手段
に相当する。ステップ87では、前記検出された吸・排気
弁の開閉状態に応じた関数より吸気温度Tq における各
気筒i (i=1〜n; nは気筒数) の残留燃料減少割
合DMCYLiを求める。これは、前記の図6に示した特性
を有するマップテーブルから読み出して行う。
【0019】ステップ88では、気筒毎に現在の残留燃料
量MS(CYLi) ( 初期値はMS ’) から前記減少割合DM
(CYLi)を減算した値で残留燃料量MS(CYLi) を更新す
る。尚、このルーチンは所定の周期で実行され、残留燃
料量は機関停止後の経過時間の増大と共にDMの減算回
数が増大するため機関停止後の経過時間に応じて推定さ
れることとなり、したがって、このルーチンの中に経過
時間演算手段の機能が含まれる。
量MS(CYLi) ( 初期値はMS ’) から前記減少割合DM
(CYLi)を減算した値で残留燃料量MS(CYLi) を更新す
る。尚、このルーチンは所定の周期で実行され、残留燃
料量は機関停止後の経過時間の増大と共にDMの減算回
数が増大するため機関停止後の経過時間に応じて推定さ
れることとなり、したがって、このルーチンの中に経過
時間演算手段の機能が含まれる。
【0020】ステップ89では、残留燃料量MS(CYLi) が
0以下であるかを判定し、0以下になるとステップ90へ
進み、MS(CYLi) =0として気筒iについて残留燃料量
の演算を終了する。次に、前記のようにして求めた機関
停止後の残留燃料量に基づいて、再始動時の燃料供給量
を補正して設定するルーチンを、図10に従って説明す
る。
0以下であるかを判定し、0以下になるとステップ90へ
進み、MS(CYLi) =0として気筒iについて残留燃料量
の演算を終了する。次に、前記のようにして求めた機関
停止後の残留燃料量に基づいて、再始動時の燃料供給量
を補正して設定するルーチンを、図10に従って説明す
る。
【0021】まず、ステップ91〜ステップ95では、前記
機関停止時の残留燃料量を求めるルーチンのステップ81
〜ステップ85と同様にして始動後に平衡状態となる残留
燃料量Mを始動時に検出される各状態に基づいて求め
る。次に、ステップ96では、前記ルーチンのステップ88
で求めた各気筒iの現在の残留燃料量MS(CYLi) を読み
出す。
機関停止時の残留燃料量を求めるルーチンのステップ81
〜ステップ85と同様にして始動後に平衡状態となる残留
燃料量Mを始動時に検出される各状態に基づいて求め
る。次に、ステップ96では、前記ルーチンのステップ88
で求めた各気筒iの現在の残留燃料量MS(CYLi) を読み
出す。
【0022】ステップ97では、前記始動後に平衡する残
留燃料量Mと各気筒iの現在の残留燃料量MS(CYLi) と
に基づいて、各気筒iの始動後増量補正量KS(CYLi) を
次式により求める。このステップ97の機能が、始動増量
補正量設定手段に相当する。 KS(CYLi) =M−MS(CYLi) ×K2 K2 は定数 ステップ98では、次式により現在の残留燃料量M
S(CYLi) を更新する。したがって、前記ステップ88,ス
テップ96と、このステップ98の機能とが始動時残留燃料
量推定手段に相当する。
留燃料量Mと各気筒iの現在の残留燃料量MS(CYLi) と
に基づいて、各気筒iの始動後増量補正量KS(CYLi) を
次式により求める。このステップ97の機能が、始動増量
補正量設定手段に相当する。 KS(CYLi) =M−MS(CYLi) ×K2 K2 は定数 ステップ98では、次式により現在の残留燃料量M
S(CYLi) を更新する。したがって、前記ステップ88,ス
テップ96と、このステップ98の機能とが始動時残留燃料
量推定手段に相当する。
【0023】MS(CYLi) =MS(CYLi) + (M−M
S(CYLi) ) ×K3 K3 は定数 ステップ99では、前記基本燃料噴射量TP を水温等に基
づく各種補正K、前記残留燃料量に基づく増量補正量K
S(CYLi) 及びバッテリ電圧による無効パルス幅により補
正を行い、最終的に各気筒iの燃料噴射量TI(CYLi)を
次式により演算する。このステップ99の機能が始動時燃
料供給量設定手段に相当する。
S(CYLi) ) ×K3 K3 は定数 ステップ99では、前記基本燃料噴射量TP を水温等に基
づく各種補正K、前記残留燃料量に基づく増量補正量K
S(CYLi) 及びバッテリ電圧による無効パルス幅により補
正を行い、最終的に各気筒iの燃料噴射量TI(CYLi)を
次式により演算する。このステップ99の機能が始動時燃
料供給量設定手段に相当する。
【0024】 TI(CYLi)=TP × (K+KS(CYLi) ) +TS 本実施例によれば、気筒毎の吸・排気弁の開閉状態に基
づいて始動時の残留燃料量を精度よく求めることができ
るため、該残留燃料量に応じて過不足のない始動後増量
補正量を設定することができ、以て、始動性能が向上す
る。次に第2の実施例を説明する。本実施例では、図2
に示すように吸気温度を検出する吸気温度センサ15を追
加して設け、機関停止時の吸気温度, 吸気ポート温度と
再始動時の吸気温度, 吸気ポート温度と機関停止後の経
過時間とに基づいて始動時の残留燃料量を算出するもの
である。
づいて始動時の残留燃料量を精度よく求めることができ
るため、該残留燃料量に応じて過不足のない始動後増量
補正量を設定することができ、以て、始動性能が向上す
る。次に第2の実施例を説明する。本実施例では、図2
に示すように吸気温度を検出する吸気温度センサ15を追
加して設け、機関停止時の吸気温度, 吸気ポート温度と
再始動時の吸気温度, 吸気ポート温度と機関停止後の経
過時間とに基づいて始動時の残留燃料量を算出するもの
である。
【0025】機関停止後の残留燃料量を演算するルーチ
ンを図15に示す。図において、ステップ141,142 では、
図10と同様な方法によって、機関停止時における気筒毎
の吸・排気弁の開閉状態の検出と、残留燃料量M
S (CYLi)の演算とを行う。次にステップ143 では、機関
停止時の吸気温度TOUT ’, 吸気ポート温度T q ’及び
機関停止時の時刻tstopをメモリに記憶する。
ンを図15に示す。図において、ステップ141,142 では、
図10と同様な方法によって、機関停止時における気筒毎
の吸・排気弁の開閉状態の検出と、残留燃料量M
S (CYLi)の演算とを行う。次にステップ143 では、機関
停止時の吸気温度TOUT ’, 吸気ポート温度T q ’及び
機関停止時の時刻tstopをメモリに記憶する。
【0026】次に、機関の再始動時の燃料供給量設定ル
ーチンを図16のフローチャートに従って説明する。これ
は、図10のステップ96における残留燃料量の算出法を変
えたものである。即ち、図10のステップ95に続くステッ
プ151 では、機関始動時の吸気温度TOU T ,吸気ポート
温度Tq 、機関始動時の時刻tstart を読み込む。
ーチンを図16のフローチャートに従って説明する。これ
は、図10のステップ96における残留燃料量の算出法を変
えたものである。即ち、図10のステップ95に続くステッ
プ151 では、機関始動時の吸気温度TOU T ,吸気ポート
温度Tq 、機関始動時の時刻tstart を読み込む。
【0027】次にステップ152 では、前記機関停止時の
吸気温度TOUT ’, 吸気ポート温度T q ’と始動時の
吸気温度TOUT ,吸気ポート温度Tq とから、吸気温度
と吸気ポート温度の平均値TOUTM,TqMを求める。ま
た、機関停止時の時刻tstopと始動時の時刻tstart と
の差から停止後から始動時までの経過時間tを求める。
本実施例では、前記ステップ143,ステップ152 で機関停
止時の時刻tstop, 始動時の時刻tstart を記憶する機
能と、このステップ152 の機能が経過時間設定手段に相
当する。
吸気温度TOUT ’, 吸気ポート温度T q ’と始動時の
吸気温度TOUT ,吸気ポート温度Tq とから、吸気温度
と吸気ポート温度の平均値TOUTM,TqMを求める。ま
た、機関停止時の時刻tstopと始動時の時刻tstart と
の差から停止後から始動時までの経過時間tを求める。
本実施例では、前記ステップ143,ステップ152 で機関停
止時の時刻tstop, 始動時の時刻tstart を記憶する機
能と、このステップ152 の機能が経過時間設定手段に相
当する。
【0028】次にステップ153 では、気筒毎に吸・排気
弁の開閉状態と、前記経過時間tとから残留燃料の減少
率ψt を図13に示した特性を有するマップテーブルから
の検索により求める。該減少率ψt は経過時間tの増大
に伴って0に近づく値に設定されている。次に、ステッ
プ154 で前記吸気温度の平均値TOUTMと吸気ポート温度
の平均値TqMから温度補正項ψT を図13に示した特性を
有するマップテーブルからの検索により求める。ここで
温度補正項ψT は、TOUTM, TqMが夫々高いほど気化割
合が大きいため0に近づく値に設定されている。
弁の開閉状態と、前記経過時間tとから残留燃料の減少
率ψt を図13に示した特性を有するマップテーブルから
の検索により求める。該減少率ψt は経過時間tの増大
に伴って0に近づく値に設定されている。次に、ステッ
プ154 で前記吸気温度の平均値TOUTMと吸気ポート温度
の平均値TqMから温度補正項ψT を図13に示した特性を
有するマップテーブルからの検索により求める。ここで
温度補正項ψT は、TOUTM, TqMが夫々高いほど気化割
合が大きいため0に近づく値に設定されている。
【0029】ステップ155 では、前記減少率ψt 及び温
度補正項ψT による補正を行って最終的に各気筒の残留
燃料量MS (CYLi)を次式により求める。 MS (CYLi)=M(CYLi)×ψt ×ψT 以下、図9のステップ97以降の制御を行って始動時の燃
料噴射量を設定する。本実施例では、前記第1の実施例
と比較して吸気温度センサを追加する必要があるが、吸
気温度も考慮するため精度が向上し、また、機関停止後
に残留燃料量を逐次推定して更新する必要がなくなる。
度補正項ψT による補正を行って最終的に各気筒の残留
燃料量MS (CYLi)を次式により求める。 MS (CYLi)=M(CYLi)×ψt ×ψT 以下、図9のステップ97以降の制御を行って始動時の燃
料噴射量を設定する。本実施例では、前記第1の実施例
と比較して吸気温度センサを追加する必要があるが、吸
気温度も考慮するため精度が向上し、また、機関停止後
に残留燃料量を逐次推定して更新する必要がなくなる。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、機関停止時の各気筒の吸・排気弁の開閉状態を考慮
に入れて気筒毎に再始動時の残留燃料量を予測し、それ
に基づいて始動時の燃料増量補正量を設定する構成とし
たため、残留燃料量の推定精度が高められ、以て始動時
に残留燃料量に正確に対応した適正な燃料供給量の設定
が行われ、始動性能が改善される。
ば、機関停止時の各気筒の吸・排気弁の開閉状態を考慮
に入れて気筒毎に再始動時の残留燃料量を予測し、それ
に基づいて始動時の燃料増量補正量を設定する構成とし
たため、残留燃料量の推定精度が高められ、以て始動時
に残留燃料量に正確に対応した適正な燃料供給量の設定
が行われ、始動性能が改善される。
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成を示す図。
【図3】吸・排気弁の開閉状態を示すタイムチャート。
【図4】吸・排気弁の開閉状態による残留燃料の状態を
示す図。
示す図。
【図5】機関停止後の経過時間と残留燃料量との関係を
示す線図。
示す線図。
【図6】吸・排気弁の開閉状態と始動後増量補正量との
関係を示す線図。
関係を示す線図。
【図7】吸気ポート温度と残留燃料量の減少割合との関
係を示す線図。
係を示す線図。
【図8】同上実施例の概略を示すタイムチャート。
【図9】同上実施例の機関停止後の残留燃料量を設定す
るルーチンを示すフローチャート。
るルーチンを示すフローチャート。
【図10】同じく、再始動時の燃料供給量を設定するルー
チンを示すフローチャート。
チンを示すフローチャート。
【図11】負荷と吸気ポート温度とに対する残留燃料量の
関係を示す線図。
関係を示す線図。
【図12】残留燃料量の機関回転速度に対する補正係数の
特性線図。
特性線図。
【図13】第2の実施例における機関停止後再始動までの
経過時間に対する残留燃料の減少率の特性を示す線図。
経過時間に対する残留燃料の減少率の特性を示す線図。
【図14】同じく吸気ポート温度平均値と吸気温度平均値
とに対する温度補正係数の特性を示す線図。
とに対する温度補正係数の特性を示す線図。
【図15】同上実施例の機関停止時の制御ルーチンを示す
図。
図。
【図16】同じく機関再始動時の残留燃料量を設定するル
ーチンを示すフローチャート。
ーチンを示すフローチャート。
10 内燃機関 11 エアフローメータ 12 クランク角センサ 13 ポート温度センサ 14 水温センサ 15 コントロールユニット 16 吸気温度センサ
Claims (1)
- 【請求項1】 機関の運転状態を検出する運転状態検出
手段と、該運転状態検出手段によって検出された機関の
運転状態に応じて吸気系に残留する燃料量を演算する残
留燃料量演算手段と、を備え、該演算された残留燃料量
に応じて補正して設定された量の燃料を機関に供給する
内燃機関の燃料供給制御装置において、 機関停止時に気筒毎の吸・排気弁の開閉状態を検出する
弁開閉状態検出手段と、 機関停止後の経過時間を演算する経過時間演算手段と、 前記機関停止時に前記残留燃料量演算手段によって演算
された吸気系の燃料残留量と、機関停止時の気筒毎の吸
・排気弁の開閉状態と、機関停止後の経過時間とに基づ
いて機関の再始動時に吸気系に残留する燃料量を気筒毎
に推定する始動時残留燃料量推定手段と、 機関の始動時に前記推定された残留燃料量に基づいて燃
料の増量補正量を気筒毎に設定してなる始動増量補正量
設定手段と、 前記設定された増量補正量に基づいて始動時の燃料供給
量を気筒毎に設定する始動時燃料供給量設定手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の燃料供給
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23612393A JPH0791288A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 内燃機関の燃料供給制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23612393A JPH0791288A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 内燃機関の燃料供給制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0791288A true JPH0791288A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=16996098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23612393A Pending JPH0791288A (ja) | 1993-09-22 | 1993-09-22 | 内燃機関の燃料供給制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0791288A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198352A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Hitachi Ltd | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2010138919A (ja) * | 2010-03-23 | 2010-06-24 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
-
1993
- 1993-09-22 JP JP23612393A patent/JPH0791288A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007198352A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Hitachi Ltd | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
JP2010138919A (ja) * | 2010-03-23 | 2010-06-24 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
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