JPH0791168B2 - 水中油形エマルジョン - Google Patents

水中油形エマルジョン

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JPH0791168B2
JPH0791168B2 JP62148898A JP14889887A JPH0791168B2 JP H0791168 B2 JPH0791168 B2 JP H0791168B2 JP 62148898 A JP62148898 A JP 62148898A JP 14889887 A JP14889887 A JP 14889887A JP H0791168 B2 JPH0791168 B2 JP H0791168B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、プロペタムホスの溶媒欠乏水中油形エマル
ジョンに関するものである。
[背景技術] プロペタムホス(Propetamphos)は、化学名(E)−O
−2−イソプロポキシカルボニル−1−メチルビニル・
O−メチル・エチルホスホルアミドチオエートを有する
公知の殺虫剤の一般名である。
工業用プロペタムホスは、貯蔵中強い不快臭を発生する
ことが知られている。その貯蔵安定性は例えば酸スカベ
ンジャーまたはアルデヒドを用いて改善することができ
る。こうして安定化した工業用有効成分をエアロゾル、
乳剤用濃厚液(EC)、即使用形液体製剤等の水を含まな
い有機溶媒形製剤に配合すると、悪臭の発生は約2年間
防止できる。ここにいう工業用プロペタムホスの語は、
少なくとも純度86.0重量%で所望により2.0重量%以下
の酸スカベンジャーまたはオクタナールのようなアルデ
ヒドを含むものを意味する。
溶媒を含まない水中油形エアロゾル(EW)はECに較べて
多数の利点を有する。これらは特に不燃性で、取扱い容
易であり、輸送と貯蔵にプラスチック容器を用いること
ができ、生態学的に安全で、哺乳類に対する毒性・刺激
性が少なく、植物に対する毒性も少ない。
しかし、工業用プロペタムホスは、酸スカベンジャーま
たはアルデヒドで安定化されたものもそうでないもの
も、加水分解的に不安定であり、水に溶かすと半減期は
25℃で約1年にすぎない。
[発明の記載] この発明の目的は、最低2−3年の貯蔵寿命でその間悪
臭を発生しない、プロペタムホスの水に安定なEWを提供
するにある。さらに、EWは取扱い容易で、注入容易な粘
度をもち、あらゆる種類の水で容易に希釈できて適用形
態にできるものでなければならない。
下記成分 a)粒径5ミクロン未満の小滴の形の工業用プロペタム
ホス5−50重量% b)ポリビニルアルコール1−8重量% c)製剤のpHを6−7に緩衝する緩衝剤1−3重量% d)植物油1−2重量% e)乳化剤0.5−2重量% f)不凍剤0−8重量% g)消泡剤0−0.1重量% h)香料0−0.1重量% 残量として水 を含む、プロペタムホスのEWが、目的とする水安定性と
臭気安定性、およびEWの施用と即使用に必要なその他の
性質を有することが見出された。
この発明のEVに用いるのに適当なポリビニルアルコール
(PVA)は、分子量が2000〜125000であり、そのヒドロ
キシ基の11〜28%がエステル形、特にアセテートエステ
ル形で存在するものである。特に適当なPVAは、分子量
が10000〜30000で加水分解度が87〜89モル%のものであ
る。この発明のEVは、PVAを4〜8重量%含むのが好適
であるが、PVAの量が低くても容認できる安定性が得ら
れる。
この発明のEWにおけるPVAの主要な機能は、増粘剤とし
ての機能、および適度の界面活性作用を伴った分散剤と
しての機能であると考えられる。沈降と相分離を防ぐた
めには、水相の密度を油相の密度にできるだけ近づけな
ければならない(工業用プロペタムホスの密度は20℃で
1.13g/ml)。エマルジョンの水相と油相の密度差は0.1g
/mlより少ないのが好適である。上記密度差が0.05g/ml
以下、特に0.02g/ml以下のとき、極めて良好な結果が得
られる。
水相中に存在する緩衝系および他の成分も水相の密度上
昇に役立つ。
原則的には、pH6〜7でpHを安定できる任意の緩衝系、
例えばKH2PO4/NaOHのような無機系およびトリエタノー
ルアミン・HCl(好ましくはエチレンジアミン4酸酸ジ
ナトリウム(EDTAジNa)と併用)、トリヒドロキシメチ
ルアミノエタン・HCl、イミダゾール・HCl等を上記密度
要件を考慮して用いることができる。
油相の小滴寸法は、3ミクロンより小さいのが好適であ
り、2ミクロンより小さいのが好ましく、1ミクロンよ
り小さいのがさらに好ましい。このような小滴は、慣用
される高せん断撹拌装置(例えばポリトン(商標)ホモ
ジナイザー、マントン・ゴーリン(商標)ホモジナイザ
ー、ウルトラツラックス(商標)ホモジナイザー)また
は超音波により得られる。古典的なプロペラ撹拌器は2
ミクロン以上の小滴を作るが、粗悪で安定性の悪いエマ
ルジョンをもたらす。液滴が小さければ化学的安定性が
悪いと思われるかも知れないが、(油/水界面は液滴が
小さいほど大きい)、これは正しくない。
植物油は、エマルジョンの安定性に驚くほど有利な効果
をもたらし、漿液の分離を防ぐ。適当な植物油の例は、
大豆油、ピーナッツ油、綿実油、ひまわり油およびなた
ね油である。植物油はエポキシ化されていてもいなくて
もよい。エポキシ化度は必要条件でない。
この発明のEWに用いるに特に適する乳化剤は、非イオン
性(非電解性)(所望によりアニオン性乳化剤と混用)
または両性イオン性のものである。乳化剤のHLB(親水
性親油性比)は13〜14が好ましい。このような乳化剤の
例は、エチレンオキシド32モルを有するエトキシ化ひま
し油(サンドホルLM(HLB14)としてサンド社から市
販)、エチレンオキシド12モルのエトキシ化オレエルセ
チルアルコール(アンドキシレートAOC−12(HLB14)と
してサンド社から市販)、エチレンオキシド10モルのエ
トキシ化イソオクチルフェノール(サンドキシレートPO
−10(HLB14)としてサンド社から市販)、PEG600モノ
オレエート(ノプコ1125B(HLB13.5)としてランクロ社
から市販)、PEG1800リシノレエート(エチランC40AH
(HLB13.5)としてランクロ社から市販)、エトキシ化
トリグリセリドとドデシルベンゼンスルホン酸カルシウ
ムの混合物(アトロツクス4851B(HLB13.2)としてICI
社から市販)およびココアミドスルホベタイン(サンド
ベトSCとしてサンド社から市販)である。
EWの粘度は30mPa.sを越えないものであり、250mPa.sよ
り低いのが好ましい。特に好ましいEWは、粘度として50
〜150mPa.s(各レオマツト30により20℃、せん断速度10
0s-1で測定)を有する。
この発明のEWについて良好な凍結・解凍安定性が必要な
場合、EWはさらにエタノール、プロピレングリコール、
エチレングリコール、他のグリコール類またはこれらの
混合物のような不凍剤を含むのが好適である。不凍剤の
適当な量は(EWの)4〜8重量%である。
発泡を減少させるためには、例えばシリコーン油のよう
な消泡剤を加えるのが好ましい。一般に、発泡を容認で
きる水準に抑えるためには、0.04〜0.1重量%を加えれ
ば充分である。
EWに所望の香味を付与するために、少量の着香剤を加え
ることができる。一般に、この目的には0.01〜0.1重量
%で充分である。
この発明のEWは、プロペタムホス、植物油および所望に
より着香剤を含む油相を、強く撹拌しながら、PVA、緩
衝系、乳化剤および所望により消泡剤および/または不
凍剤を含む水相中へ注入することにより好便に得られ
る。撹拌は、例えば15〜20000rpmで、高速せん断撹拌装
置を用いて行なうのが好適である。同様な超音波発生装
置も同じく用い得る。例えば500g仕込みの場合、一般に
1〜20分の高速せん断撹拌で目的とする小滴寸法が得ら
れる。
この条件ではエマルジョンが昇温し、冷却が必要となる
かも知れない。撹拌後室温に冷却するのが好ましい。
水相を製造する場合、PVAを室温すなわち20〜25℃、特
に23℃で水に加えることが重要である。ついで、水・PV
A混合物(これは緩衝系、消泡剤および不凍剤を含むこ
とがある)を室温で短時間撹拌して、水中におけるPVA
の分散を良好にする。次に、混合物を撹拌しながら徐々
に50℃に昇温し、均一になるまで撹拌を続ける。混合物
の温度を70〜95℃まで昇温させ、PVAが全部溶けるまで
この温度に保つ。溶液を室温に冷却し、乳化剤をまぜ込
む。
この発明のEWは、ECおよび他の製剤に比較して、安全性
(生態学上および取扱い上)、植物毒性、包装性、スプ
レイ装置の腐食性等の面で利点をもたらす。この発明の
EWは、例えばごきぶりまたはありに対して(スプレイ形
態で)、または洗液(うし用洗液またはひつじ用洗液)
として、家庭で使用するのに特に適する。
以下、この発明の実施例を示すが、これは発明を限定す
るものではない。部は重量部で、温度はセ氏で示す。
[実施例] 2.原材料 組成物AおよびBに用いた原料の仕様を以下に示す。
プロペタムホス(工業用):純度91%、オクタノール1.
0%含有。
ポリビニルアルコール:クラシキ/CFSから商標名ポバー
ルPVA−205で市販、加水分解度87−89%、重合度500−6
00、(計算)分子量22000−26000、粘度(4%、20℃、
ヘプラー法)約5mPa.s、外観は白色結晶性粉末。
乳化剤:ココアミドスルホベタインの50%水溶液、pH8
±1、外観は透明、さらさらした黄色液体。
植物湯:エポキシ化大豆油、エポキシ基4.2〜4.22mVal/
g(HClO4滴定で測定)、粘度(20℃、ヘプラー法)500
〜600mPa.s、外観は透明帯黄色液体。
着香剤:シトロンベルト40.529としてフイルメニッヒ
(ジュネーブ)から市販。商標名シベール、フラッシュ
ポイント約60℃、外観は透明黄色液体。
30%NaOH:密度1.33+0.005 3.組成物AおよびBの製造。
(実験室スケール、500gエマルジョン仕込み) 3.1.油相 プロペタムホス、植物油および着香剤をビーカー中でマ
グネチックスターラーにより混合した。得られた油相の
性質は下記の通りである。
3.2.水相 (いかり形撹拌器および還流冷却器を備えたスルホン化
フラスコ中) KH2PO4および30%NaOH溶液を脱塩水に溶かした。つい
で、ポリビニルアルコールを23℃で2分間に加えた。15
分間撹拌後、混合物を1時間以内に50℃に加温し、同温
度で1時間撹拌し、75℃でポリビニルアルコールが溶解
するまで加熱した(約90分)。溶液を25℃に冷却し、つ
いで乳化剤をまぜ込み、全混合物をさらに撹拌した。得
られた水相の性質は次の通りである。
3.3.エマルジョン 水相を高せん断力撹拌器により15−20000rpmで撹拌し、
油相を1.5−2分間に水相中に注入した。エマルジョン
をさらに5−10分間高速撹拌し(エマルジョンの温度は
35−45℃に昇温)ついで室温に冷却した。
得られたエマルジョンAおよびBは−1℃まで液状のま
まで変化しない。低温での使用と貯蔵には不凍剤を加え
るのが有利である。
組成物AおよびBは両者とも54℃で8週間(室温で3−
4年に相当すると考えられる)完全に安定(すなわち沈
降、分離と漿液、および悪臭の発生なし)であった。ま
た、上記加温条件にさらした後も容易に分散させること
ができた。
4.組成物CおよびDの製造 組成物CおよびDは、以下に示す点を除いて組成物Aお
よびB(3項)と同様にして得た。
油相はビーカー中でプロペタムホスと植物油をマグネチ
ックスターラーにより混合して得た。
水相は、KH2PO4と30%NaOHを脱塩水に溶かし、ついでポ
リビニルアルコールを加え、溶液を3.2項記載のように
加熱した。溶液を25℃に冷却し、乳化剤およびプロピレ
ングリコールをまぜ込み、消泡剤を加え、混合物を撹拌
して目的とする水相を得た。
乳化剤としては、エトキシ化(32モル)ひまし油(商標
名サンドホルLM、サンド社)を用いた。消泡剤として
は、シリコーン油(ローンプーラン社、商標名ロドルシ
ル426R)を用いた。
水相と油相を前記3.3項記載のように混合してエマルジ
ョンを得た。
得られた組成物CおよびDは発泡性がなく、4週間シク
ロ試験(組成物を−10℃6時間冷却と+40℃6時間加温
の交互処理に付す)において抵抗を示し、物理的性質の
変化がみられなかった。
同様な結果は、酸スカベンジャーを用いないこの発明の
製剤でも得られた。
害虫駆除に際しては、この発明の組成物を所望のプロペ
タムホス濃度になるまで水で希釈し、その殺虫有効量を
害虫の座(locus)に施用する。
この発明の組成物は、公衆衛生害虫(ごきぶり、のみ)
に対して使用するのに特に適する。上記用途におけるプ
ロペタムホスの使用は公知である。プロペタムホスの施
用濃度も公知であり、プロペタムホスの乳剤用濃厚物を
施用するときと同様である。一般に、施用形態のプロペ
タムホス濃度は0.1〜1重量%、例えば0.25重量%(の
みに対して使用)および0.5−1.0重量%(ごきぶりに対
して使用)である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分 a)粒径5ミクロン未満の小滴の形の工業用プロペタム
    ホス5−50重量% b)ポリビニルアルコール1−8重量% c)製剤のpHを6−7に緩衝する緩衝剤1−3重量% d)植物油1−2重量% e)乳化剤0.5−2重量% f)不凍剤0−8重量% g)消泡剤0−0.1重量% h)香料0−0.1重量% 残量として水 を含む、プロペタムホスの溶媒欠乏水中油形エマルジョ
    ン。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコールを4−8重量%含
    む、特許請求の範囲第1項記載のエマルジョン。
  3. 【請求項3】プロペタムホスの小滴が粒径1ミクロン未
    満である、特許請求の範囲第2項記載のエマルジョン。
  4. 【請求項4】ポリビニルアルコールの分子量が2000−12
    5000であり、そのヒドロキシ基の11−28%がアセテート
    エステル形で存在する、特許請求の範囲第1−3項の何
    れか1項記載のエマルジョン。
  5. 【請求項5】ポリビニルアルコールの分子量が10000−3
    0000であり、加水分解度が87−89モル%である、特許請
    求の範囲第4項記載のエマルジョン。
  6. 【請求項6】植物油が大豆油、ピーナッツ油、綿実油、
    ひまわり油およびなたね油から選ばれたものであり、エ
    ポキシ化されたものまたはされないものである、特許請
    求の範囲第1−5項の何れか1項記載のエマルジョン。
  7. 【請求項7】植物油がエポキシ化大豆油である、特許請
    求の範囲第6項記載のエマルジョン。
  8. 【請求項8】緩衝系がKH2PO4/NaOHである、特許請求の
    範囲第1−7項の何れか1項記載のエマルジョン。
  9. 【請求項9】乳化剤が非イオン性であり、所望によりア
    ニオン性乳化剤と混合されているか、または双性イオン
    性であり、HLB値13−14のものである、特許請求の範囲
    第1−8項の何れか1項記載のエマルジョン。
  10. 【請求項10】不凍剤がグリコール、消泡剤がシリコー
    ン油である、特許請求の範囲第1−9項の何れか1項記
    載のエマルジョン。
  11. 【請求項11】20℃における粘度が50−150mPasであ
    る、特許請求の範囲第1−10項の何れか1項記載のエマ
    ルジョン。
  12. 【請求項12】水相と油相の密度差が0.1g/mlより小さ
    い、特許請求の範囲第1−11項の何れか1項記載のエマ
    ルジョン。
JP62148898A 1986-06-16 1987-06-15 水中油形エマルジョン Expired - Lifetime JPH0791168B2 (ja)

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CN (1) CN1015595B (ja)
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DK (1) DK170221B1 (ja)
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