JPH0791063A - フロアーハッチのコンクリート打込施工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工が容易なフロアーハッチのコンクリート
打込施工装置を提供すること。 【構成】 遮蔽枠３０の周囲で水平支持枠４０上に複数
の連結杆１５を立設し、該連結杆１５に蓋受枠２を固着
し、さらに蓋受枠２と、遮蔽枠３０間に生ずる蓋受部２
上の空隙ｓを養生材３１で遮蔽してから、その外側周囲
にコンクリート４１を打込むようにしたものであるか
ら、一度のコンクリート打込みにより完成され、工期が
大幅に短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、屋内または玄関先等の
屋外に設けられる各種点検口等の蓋板として使用される
フロアーハッチの構築に使用されるコンクリート打込施
工装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ここで、フロアーハッチｘは、点検口等
として用いられ、口縁に蓋受枠が固着され、該蓋受枠上
にハッチ蓋を被着して構成される。このフロアーハッチ
の従来の構築手段を図６に従って説明する。

【０００３】まず、水平支持枠ａ上にフロアーハッチｘ
の内側寸法よりも外側位置で型枠ｂを乗載し、該型枠ｂ
の周囲に基礎面となるコンクリートｃを所定レベルで打
込み、アンカーボルトｄを埋入して凝固するまで放置し
てコンクリート基盤ｅを形成する（図６イ）。次に、コ
ンクリートｃの凝固後に支持枠ａと、型枠ｂを除去す
る。そして、蓋受枠ｆの外側面の摺動溝に装着されたア
ンカーｇを、前記アンカーボルトｄに溶接する。このと
きハッチ蓋５０を蓋受枠ｆに乗載し、その高さを調整す
る。そしてハッチ蓋５０と、蓋受枠ｆ間の目地を養生材
ｉで被覆してから、コンクリート基盤ｅの内面に、フロ
アーハッチｘの内周面となる仕上モルタルｊを塗り込
み、さらに蓋受枠ｆと、コンクリートｃ間にも仕上モル
タルｊを埋め込む（図６ロ）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の施工
手段にあっては、スラブコンクリートｃの凝固後（凝固
は通常１週間以上）に蓋受枠を固着し、さらに仕上モル
タルｊの凝固により完成するものであるから、工期が長
くなるとともに、アンカーボルトｄとの固着時に蓋受枠
ｆのレベル調整をするものであるから、そのレベル出し
が原始的なため面倒であり、しかも必ずしも水平に調整
できなかった。さらにはフロアーハッチｘの内面を仕上
モルタルｊの塗り込みによって施すものであるから、施
工に手間がかかり、熟練を要していた。しかも、仕上モ
ルタルｊの打込み時に、養生材ｉを被着する等面倒であ
った。本発明は、かかる従来構成の問題点を除去するこ
とを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明のフロアーハッチ
のコンクリート打込施工装置は、断面略Ｌ形の矩形枠か
らなり、外側面にアンカーが固定される垂直状の側壁部
と、該側壁部の下縁から内方へ直角状に突出する蓋受部
とからなる蓋受枠を固定するものであって、モルタルを
支持する水平支持枠に立設されて、上端で前記アンカー
を高さ調整可能に固着して、前記蓋受枠を所定高さに支
持する連結杆と、水平支持枠上に乗載して、連結杆に支
持された蓋受枠に内接し、蓋受枠の外周部に打込まれた
モルタルを遮断してハッチの入口内周面を規定する遮蔽
枠と、蓋受枠と、前記遮蔽枠間に生ずる蓋受部上の空隙
を遮蔽する養生材とで構成したことを特徴とするもので
ある。

【０００６】

【作用】まず遮蔽枠を所要位置の水平支持枠上に乗載す
る。そして、該遮蔽枠の周囲でコンクリートの水平支持
枠上に複数の連結杆を立設し、該連結杆に、蓋受枠の外
側面の摺動溝に装着されたアンカーを固着する。然る後
に蓋受枠と、前記遮蔽枠間に生ずる蓋受部上の空隙に可
撓性養生材を埋め込み、その外側周囲にコンクリートを
打込む。そしてこの凝固後に遮蔽枠をコンクリート面か
ら剥離すると共に、蓋受枠上から可撓性養生材を除去す
る。而して、蓋受枠ｆの構築が成される。

【０００７】

【実施例】図２に示すように、１は正方形状の点検口で
あって、その口の内周部には、断面略Ｌ形の金属製蓋受
枠２が周設される。また点検口１周部の床面には、後述
するようにコンクリート４１が打込まれると共に、その
表面に樹脂タイル等の床仕上材４２が敷設される。この
蓋受枠２には、ハッチ蓋５０が被着される。このハッチ
蓋５０は、図６で示すように浅底皿状の蓋受枠本体５１
に、前記床仕上材４２と同一材料のモルタル，樹脂タイ
ル等の仕上材５２が充填もしくは敷設され、前記ハッチ
蓋５０がその周部と違和感を生じないようにしている。

【０００８】前記蓋受枠２は、金属板の曲げ加工により
形成された断面Ｌ形の矩形枠からなり、外側面にアンカ
ー１０を摺動可能に装着する摺動溝４を備えた垂直状の
側壁部３と、該側壁部３の下縁から内方へ直角状に突出
する蓋受部５とからなる。また前記蓋受部５の端部は膨
隆状としてその内角部に、パッキンが固着される装着溝
６を形成している。

【０００９】前記アンカー１０は、Ｌ径横断面をしてお
り、前記摺動溝４に摺動自在に装着される摺動辺部１１
と、固着辺部１２とからなり、かつ摺動辺部１１の螺子
孔に螺合した固定螺子１３により前記摺動溝４に対する
位置決めがなされる。また前記固着辺部１２の下縁には
さらに挟持辺部１４が連成されている。

【００１０】上述の蓋受枠２は、本発明に係るコンクリ
ート打込施工装置により点検口１の周口に固着される。
このコンクリート打込施工装置は、連結杆１５，固定プ
レート１６，遮蔽枠３０，養生材３１等により構成され
る。その各構成を説明する。

【００１１】ここで水平支持枠４０上には螺子杆からな
る連結杆１５が固定プレート１６により立設される。こ
の固定プレート１６は、図３に示すように基板１７上に
二条のＬ形係止片１８，１８を挿入間隔を置いて対向状
に形成して、その内部に摺動案内溝１９を形成してな
る。そして、摺動案内溝１９の後端からナット２０ａを
挿入し、該ナット２０ａの二側面を摺動案内溝１９の両
側内面で挟持して、内外方向への移動調整を可能として
いる。また固定プレート１６の両側には釘打込用の固定
孔２１，２１が穿設されている。該固定プレート１６は
合成樹脂製であっても良い。そして、連結杆１５は、雄
螺子２３の下部を固定プレート１６のナット２０ａに螺
合して立設される。

【００１２】この連結杆１５の雄螺子２３の上部にも後
述するように、ナット２２ａ，２２ｂが螺着される。
尚、連結杆１５の上下部位に夫々別途に雄螺子を形成し
ても良い。

【００１３】図４は遮蔽枠３０を示し、長尺状のベニヤ
板を切り出す等により現場で成形される。このような手
段により遮蔽枠３０を形成した場合には、あらかじめ数
種の高さのものを用意しておく必要がない。しかも、こ
の遮蔽枠３０の長さは、水平支持枠４０と蓋受枠２の内
部下端までの高さ以上の長さがあればよく、その切断長
を厳密に規定されないから、切断作業が極めて容易であ
る。尚、遮蔽枠３０は、金属板によりあらかじめ形成す
るようにしても良い。

【００１４】次にコンクリート打込施工装置によるフロ
アーハッチ蓋の蓋受枠２の固定手段について説明する。

【００１５】まず図２で示すように四枚の遮蔽枠３０を
上下のコーナー金具３３で組み付けて方形枠体３２を形
成し、該方形枠体３２をフロアーハッチの位置となるよ
うに水平支持枠４０上に位置決めして、下部のコーナー
金具３３を水平支持枠４０に釘打ち固定する。然る後
に、各遮蔽枠３０の外方で固定プレート１６を固定孔２
１，２１に釘を水平支持枠４０側に打ち込んで四辺部に
夫々配設する。この様に固定された固定プレート１６の
ナット２０ａに、図１に示すように連結杆１５の雄螺子
２３を螺合する。そして固定プレート１６の直上で、さ
らにナット２０ｂを緩く締めてその前後位置を仮保持し
た後に、ナット２２ｂをさらに螺合して上下の位置を定
める。

【００１６】次に蓋受枠２を遮蔽枠３０の上端部内側に
沿って位置させ、前記アンカー１０の挟持辺部１４に形
成した透孔１４ａを、ナット２２ｂ上で連結杆１５に外
嵌する。

【００１７】このとき、ナット２０ｂを緩めて、連結杆
１５の螺合位置を摺動案内溝１９に沿って適宜に調整し
たり、ナット２２ｂの螺合位置を変えることにより、蓋
受枠２を随意に高さ調整及び平行度調整することができ
る。而して、蓋受枠２は最適位置となる。そして雄螺子
２３の上端部に固定用ナット２２ａを螺合して、挟持辺
部１４をナット２２ａ，２２ｂで挟持し、蓋受枠２を連
結杆１５により固定プレート１６上に支持する。

【００１８】一方、蓋受枠２と、遮蔽枠３０間に生ずる
蓋受部５上に生ずる正方形状の空隙ｓには、現場にて適
宜寸法に切り出された杆状発泡スチロール等の可撓性養
生材３１が嵌着される。該可撓性養生材３１は図５で示
すように断面円筒形をしており、前記空隙に沿って円環
状に埋入する。尚、この可撓性養生材３１は円筒形に限
らず中実状でも良く、かつその断面形状も種々提案され
る。要は所要の可撓性を生ずるものであれば良い。

【００１９】このように可撓性養生材３１を適用した場
合にあっては、その可撓性により圧潰して空隙ｓ内に緊
密に埋入されて遮蔽枠３０に外接し、該蓋受枠２を整一
に覆い得ることとなる。また可撓性があるためその外周
形状に拘束されず、随意に被着することができ、簡便で
保守管理が容易となる利点を生ずる。

【００２０】尚、前記空隙ｓには、適宜箇所に該空隙ｓ
の幅に一致させた木片３４を嵌着することにより、コン
クリートの打圧力に抗して蓋受枠２を保持して、該蓋受
枠２の反りの発生を防止することができる。この木片３
４は養生材の一例を構成するものである。その他、養生
材として、ダンボール材，テープ，木片等を適用しても
良い。

【００２１】そして、遮蔽枠３０の周囲で水平支持枠４
０上にコンクリート４１を打込み、その上面にタイル等
の床仕上材４２を敷設し、該床面高さを蓋受枠２の上縁
と一致させる。このとき前記可撓性養生材３１により、
コンクリート４１の打ち込みによって、蓋受枠２の装着
溝６内にコンクリート４１が入り込むことはない。この
コンクリート４１が凝固した後に、水平支持枠４０，遮
蔽枠３０及び可撓性養生材３１を順次除去する。これに
より、図１に示すように蓋受枠２はコンクリート４１に
より埋設施工されると共に、遮蔽枠３０により規定され
たフロアーハッチが形成されることとなる。

【００２２】

【発明の効果】本発明は、遮蔽枠３０の周囲で水平支持
枠４０上に複数の連結杆１５を立設し、該連結杆１５に
蓋受枠２を固着し、さらに蓋受枠２と、遮蔽枠３０間に
生ずる蓋受部２上の空隙ｓを養生材３１で遮蔽してか
ら、その外側周囲にコンクリート４１を打込むようにし
たものであるから、一度のコンクリート打込みにより完
成され、工期が大幅に短縮される。また、蓋受枠２と、
前記遮蔽枠３０間に可撓性養生材３１を埋入して蓋受枠
２の内側へのモルタルの流入を防止するようにした構成
にあっては、その形状に拘束されず、随意に被着するこ
とができ、簡便かつ保守管理が容易である等の優れた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の施工状態の縦断側面図である。

【図２】蓋受枠２のコンクリート打込み前の平面図であ
る。

【図３】固定プレート１６の分離斜視図である。

【図４】遮蔽枠３０の斜視図である。

【図５】可撓性養生材３１の斜視図である。

【図６】従来手段の施工工程を示す縦断側面図である。

【符合の説明】

２ 蓋受枠 ４ 摺動溝 １０ アンカー １５ 連結杆 １６ 固定プレート ３０ 遮蔽枠 ３１ 可撓性養生材 ４０ 水平支持枠

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】断面略Ｌ形の矩形枠からなり、外側面にア
   ンカーが固定される垂直状の側壁部と、該側壁部の下縁
   から内方へ直角状に突出する蓋受部とからなる蓋受枠を
   固定するものであって、モルタルを支持する水平支持枠
   に立設されて、上端で前記アンカーを高さ調整可能に固
   着して、前記蓋受枠を所定高さに支持する連結杆と、水
   平支持枠上に乗載して、連結杆に支持された蓋受枠に内
   接し、蓋受枠の外周部に打込まれたモルタルを遮断して
   ハッチの入口内周面を規定する遮蔽枠と、蓋受枠と、前
   記遮蔽枠間に生ずる蓋受部上の空隙を遮蔽する養生材と
   で構成したことを特徴とするフロアーハッチのコンクリ
   ート打込施工装置。
2. 【請求項２】前記養生材が、可撓性養生材であることを
   特徴とする請求項１記載のフロアーハッチのコンクリー
   ト打込施工装置。