JPH079073A - 鋳型製造用硬化剤組成物,鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット及び鋳型の製造方法 - Google Patents
鋳型製造用硬化剤組成物,鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット及び鋳型の製造方法Info
- Publication number
- JPH079073A JPH079073A JP11400994A JP11400994A JPH079073A JP H079073 A JPH079073 A JP H079073A JP 11400994 A JP11400994 A JP 11400994A JP 11400994 A JP11400994 A JP 11400994A JP H079073 A JPH079073 A JP H079073A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- binder
- mold
- hardener
- type water
- resol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Mold Materials And Core Materials (AREA)
Abstract
るのに使用する硬化剤組成物を提供する。また、これと
粘結剤とを組み合わせてなる粘結剤−硬化剤キットを提
供する。更に、これらを使用して、型枠の使用効率に優
れた鋳型の製造方法を提供する。 【構成】 この硬化剤組成物は、ポリグリセロールポリ
グリシジルエーテル等のエポキシ基を持つ化合物と、γ
−ブチロラクトン等の有機エステルとを含有する。この
硬化剤組成物は溶液の形態で、レゾール型水溶性フェノ
ール樹脂を含有する水溶液形態の粘結剤と組み合わせて
キットとして供給される。鋳型を製造する際には、耐火
性粒状材料に、この硬化剤組成物溶液を添加混練する。
得られた混合物に、レゾール型水溶性フェノール樹脂を
含有する粘結剤水溶液を添加混練して砂組成物を得る。
この砂組成物を、型枠に充填した後、粘結剤を硬化さ
せ、鋳型を製造することができる。
Description
用する、レゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる粘結
剤を常温硬化させるために用いる硬化剤組成物に関する
ものである。また、粘結剤と硬化剤組成物とを組み合わ
せてなる粘結剤−硬化剤キットに関するものである。更
に、耐火性粒状材料に、溶液形態の硬化剤及び水溶液形
態の粘結剤が添加混練されてなる砂組成物を使用して、
鋳型を製造する方法に関するものである。
結剤とを混練した混練砂を、型枠(模型)に充填し、そ
の後粘結剤を、所定の硬化剤で硬化させることにより製
造されている。例えば、鋳鋼分野においては、水ガラス
を主体とする粘結剤を使用した、水ガラス/CO2法や
水ガラス/ダイカル法が用いられている。近年、水ガラ
スに代わる粘結剤として、フラン系樹脂,レゾール型水
溶性フェノール樹脂,ウレタン系樹脂等の各種の有機系
硬化性樹脂が開発され、使用され始めている。この中で
も、レゾール型水溶性フェノール樹脂は、有機エステル
又は炭酸ガスで硬化するため、自硬性若しくはガス硬化
性鋳型製造時の作業環境の悪化を防止でき、水ガラスに
代わる粘結剤として好適なものである(特開昭50-13062
7号公報,特公昭61-43132号公報,特公昭61-37022号公
報)。
ノール樹脂よりなる粘結剤と耐火性粒状材料とを混練し
て、鋳型を製造する場合、フラン系樹脂よりなる粘結剤
を使用した場合に比べて、以下の如き欠点があった。即
ち、得られる鋳型の強度が低く、且つ得られる鋳型の表
面安定性が悪いという欠点があった。これらの欠点は、
いずれも、硬化したレゾール型水溶性フェノール樹脂の
粘結力が弱いために生じるものである。
を向上させるためには、レゾール型水溶性フェノール樹
脂に、親水性エポキシ樹脂オリゴマーの如きエポキシ基
を持つ化合物を配合した二成分系の粘結剤を使用すれば
よいことが知られている(特開平4-298591号公報)。し
かし、この二成分系の粘結剤は、硬化速度は遅いものの
常温硬化性であるため、予め二成分系の粘結剤を準備し
ておくと、時間の経過と共に硬化が始まるため、一定時
間経過後には使用できなくなってしまうということがあ
った。このため、使用直前に、レゾール型水溶性フェノ
ール樹脂と親水性エポキシ樹脂オリゴマーとを混合し
て、二成分系の粘結剤を調整することが行なわれる。し
かし、この二成分系の粘結剤は、前述したように硬化速
度が非常に遅く、鋳型製造用の粘結剤として使用するこ
とはできなかった。即ち、製造した鋳型を速やかに抜型
すること(鋳型から型枠を取りはずすこと)ができず、
型枠の使用効率が低下し、実用的な鋳型の製造が行なえ
ないという欠点があった。
記した二成分系の粘結剤を使用するのではなく、粘結剤
としてはレゾール型水溶性フェノール樹脂を使用し、エ
ポキシ基を持つ化合物は硬化剤である有機エステルに配
合して使用することにより、高生産効率で、高強度且つ
表面安定性の良好な鋳型を製造することができるように
したものである。
シ基を持つ化合物と有機エステルとを含有することを特
徴とする粘結剤を常温硬化させることが可能な鋳型製造
用硬化剤組成物に関するものである。また、レゾール型
水溶性フェノール樹脂を含有する粘結剤と、エポキシ基
を持つ化合物と有機エステルとを含有する硬化剤組成物
との組み合わせよりなることを特徴とする鋳型製造用粘
結剤−硬化剤キットに関するものである。更に、耐火性
粒状材料に、エポキシ基を持つ化合物と有機エステルと
を含有する硬化剤組成物溶液を添加混練して、該耐火性
粒状材料と該硬化剤組成物溶液とを均一に混合した後、
この混合物にレゾール型水溶性フェノール樹脂を含有す
る水溶液形態の粘結剤を添加混練して砂組成物を得、該
砂組成物を所定の型枠に充填した後、レゾール型水溶性
フェノール樹脂を硬化剤組成物の作用で硬化させること
を特徴とする鋳型の製造方法に関するものである。
にレゾール型水溶性フェノール樹脂よりなるものが用い
られる。レゾール型水溶性フェノール樹脂は、フェノー
ル類とアルデヒド化合物とを、水酸化カリウム等のアル
カリ性触媒の存在下で、縮合させて得られるものであ
る。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、
3,5-キシレノール、ノニルフェノール,p-tert-ブチル
フェノール,イソプロペニルフェノール,フェニルフェ
ノール等のアルキルフェノール、レゾルシノール,カテ
コール,ハイドロキノン,フロログリシン等の多価フェ
ノール、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフ
ェノールC,ビスフェノールE等のビスフェノール類等
が用いられる。また、カシューナット殻液,リグニン,
タンニンのようなフェノール系化合物の混合物よりなる
ものも、フェノール類として使用することができる。こ
れら各種のフェノール類は、1種の物質を単独で使用し
てもよいし、2種以上の物質を混合してアルデヒド化合
物と共縮合させてもよい。
ド化合物としては、ホルマリン,パラホルムアルデヒ
ド,フルフラール,グリオキザール等が使用される。ア
ルデヒド化合物の使用量は、フェノール類1モル当た
り、1〜3モル、好ましくは1.5〜2モル使用される。アル
デヒド化合物の使用量が1モル未満であると、得られた
レゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる粘結剤を硬化
させても粘結力が十分でなく、鋳型強度が向上しない傾
向が生じる。逆に、アルデヒド化合物の使用量が3モル
を超えると、レゾール型水溶性フェノール樹脂からのア
ルデヒド臭が強く、作業環境が悪化する傾向が生じる。
は、一般的にアルカリ水溶液中で行なわれ、レゾール型
水溶性フェノール樹脂が得られるのである。この際、反
応触媒としては、水酸化カリウム(KOH)を使用する
のが好ましく、従って水酸化カリウム水溶液中で縮合さ
せるのが好ましい。また、レゾール型水溶性フェノール
樹脂は、一般的にアルカリ水溶液の形で供給されるた
め、縮合の際に所定量の水酸化カリウムを使用しても良
いし、また反応触媒として最小限の水酸化カリウムを使
用し、縮合を終えたあと、所定量の水酸化カリウムを添
加してもよい。また、縮合を終えたあとにおいては、水
酸化カリウムと共に水酸化ナトリウム(NaOH),水
酸化リチウム(LiOH)或いはヘキサメチレンテトラ
ミン等のアミン類を併用して、所定のアルカリ性になる
ようにしてもよい。レゾール型水溶性フェノール樹脂の
アルカリ水溶液中において、アルカリ(塩基)のモル数
は、フェノール性水酸基1モルに対して、0.03〜1モルで
あるのが好ましい。ここで、フェノール性水酸基とは、
レゾール型水溶性フェノール樹脂が有している全てのO
H基、即ち芳香環に直接結合しているOH基及びメチレ
ン基を介して芳香環に結合しているOH基のいずれをも
包含するものである。アルカリ(塩基)のモル数が0.03
モル未満になると、硬化させたレゾール型水溶性フェノ
ール樹脂の粘結力が低下する傾向が生じる。逆に、アル
カリ(塩基)のモル数が1モルを超えると、強アルカリ
水溶液になって、取り扱い上、危険である。
る水溶液形態の粘結剤中には、得られる鋳型の強度を向
上させるために、シランカップリング剤が含有されてい
てもよい。シランカップリング剤としては、従来公知の
各種のものを使用することができ、特にγ-グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン,γ-アミノプロピルト
リエトキシシラン,γ-(2-アミノエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン,N-グリシジル-N,N-ビス[3-(ト
リメトキシシリル)プロピル]アミン等を使用するのが好
ましい。そして、シランカップリング剤が含有されてい
る又は含有されていない粘結剤水溶液の粘度は、25℃に
おいて、800cps以下であるのが好ましく、特に200cps以
下であるのが好ましい。この粘度が800cpsを超えると、
耐火性粒状材料と均一に混練しにくくなる傾向が生じ
る。なお、この粘度はB型粘度計により測定したもので
ある。また、この粘結剤水溶液中の固形分含量、即ち水
分を除いた含有量(レゾール型水溶性フェノール樹脂や
シランカップリング剤の含有量である。)は、35〜75重
量%であることを好ましい。固形分含量が35重量%未満
であると、得られる鋳型の強度が十分向上しない傾向が
生じる。逆に、固形分含量が75重量%を超えると、粘度
が800cpsを超える傾向となって、耐火性粒状材料と均一
に混練しにくくなる傾向が生じる。なお、この固形分含
量は、秤量試料(2.0±0.1g)を熱風乾燥機内で、3時
間105℃に加熱することにより、水分を蒸発させて、
(水分蒸発後の試料の重量/秤量試料の重量)×100=
固形分含量なる式によって算出したものである。
常温で硬化させるための硬化剤組成物として、本発明に
おいては、エポキシ基を持つ化合物と有機エステルとよ
りなるものが採用される。エポキシ基を持つ化合物とし
ては、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル,ソル
ビトールポリグリシジルエーテル,ペンタエリスリトー
ルポリグリシジルエーテル,ジグリセロールポリグリシ
ジルエーテル,トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート,グリセロールポリグリシジル
エーテル等のポリエポキシ化合物、エチレン-プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル,プロピレン-ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル,ポリテト
ラメチレングリコールジグリシジルエーテル,レゾルシ
ンジグリシジルエーテル,ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル,1,6-ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル,ビスフェノールSジグリシジルエーテル等の
ジエポキシ化合物、フェノール(EO)5グリシジルエ
ーテル,p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル,2
-エチルヘキシルグリシジルエーテル等のモノエポキシ
化合物等を使用することができる。
ては、蟻酸メチル,トリアセチン,γ−ブチロラクト
ン,エチレングリコールモノアセテート,エチレングリ
コールジアセテート等を使用することができる。この硬
化剤組成物は、一般的に溶液の形態で供給される。エポ
キシ基を持つ化合物と有機エステルとが含有されている
硬化剤組成物を使用する場合、エポキシ基を持つ化合物
と有機エステルとの重量比率は、以下のとおりであるの
が好ましい。即ち、エポキシ基を持つ化合物1重量部に
対して、有機エステルが0.02〜99重量部であるのが好ま
しい。有機エステルの量が99重量部を超えると、相対的
にエポキシ基を持つ化合物の量が少なくなって、得られ
鋳型の強度が低下する傾向が生じる。逆に、有機エステ
ルの量が0.02重量部未満であると、粘結剤の硬化速度が
低下し、鋳型の生産効率が低下する傾向が生じる。
水溶性フェノール樹脂を含有する水溶液形態の粘結剤
と、エポキシ基を持つ化合物及び有機エステルとよりな
る溶液形態の硬化剤組成物とは、以下のようにして、耐
火性粒状材料に添加混練され、鋳型が製造される。即
ち、まず耐火性粒状材料に硬化剤組成物溶液を添加混練
し、耐火性粒状材料と硬化剤組成物溶液とが均一に混合
された混合物を得る。この後、この混合物にレゾール型
水溶性フェノール樹脂を含有する粘結剤水溶液を添加混
練して、砂組成物を得る。もちろん、粘結剤水溶液と硬
化剤組成物溶液とを別途準備しておいて、耐火性粒状材
料に随時添加混練(添加混練の順序や量を任意に決定)
して、砂組成物を得ることもできる。そして、この砂組
成物を型枠(模型)に充填し、粘結剤がある程度硬化し
た時点で型枠を取り除いて(抜型して)、一昼夜程度放
置しておけば、粘結剤が十分に硬化して、高強度の鋳型
を得ることができるのである。このような鋳型の製造に
おいて、耐火性粒状材料に対する、粘結剤中のレゾール
型水溶性フェノール樹脂や硬化剤組成物溶液中のエポキ
シ基を持つ化合物の添加量は、以下のとおりであるのが
好ましい。即ち、耐火性粒状材料100重量部に対して、
レゾール型水溶性フェノール樹脂が0.5〜6重量部となる
ように添加し、またエポキシ基を持つ化合物が0.0025〜
3重量部となるように添加するのが好ましい。なお、使
用する耐火性粒状材料としては、従来公知の各種のもの
を用いることができ、例えば、石英質を主成分とする珪
砂,クロマイト砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナ
砂,ムライト砂,合成ムライト砂等を使用することがで
きる。また、耐火性粒状材料として、これらの再生砂や
回収砂を主体とするものも使用することができるのは、
言うまでもない。
なように、本発明において使用する粘結剤及び硬化剤
は、鋳型製造業者にキットの形態で供給されるのが好ま
しい。即ち、レゾール型水溶性フェノール樹脂を含有す
る粘結剤と、エポキシ基を持つ化合物と有機エステルと
を含有する硬化剤組成物とを組み合わせてキットとして
供給するのが好ましい。特に、粘結剤を水溶液の形態と
し、硬化剤組成物を溶液の形態にして、この両者を組み
合わせてキットの形態で供給するのが、より好ましい。
このようにキットとして供給する場合、粘結剤と硬化剤
組成物との各重量の割合は、以下のように設定するのが
好ましい。即ち、粘結剤中におけるレゾール型水溶性フ
ェノール樹脂(固形分)100重量部に対して、硬化剤組
成物中におけるエポキシ基を持つ化合物が0.5〜5重量部
となるように設定するのが好ましい。エポキシ基を持つ
化合物をこの範囲に設定した場合、鋳型を得る際の粘結
剤の硬化速度が速く、また24時間経過後の鋳型強度も高
く、更にSSI%(鋳型の表面安定性)も良好となる。
エポキシ基を持つ化合物がこの範囲を逸脱した場合に
は、これらの物性の少なくとも一つが若干低下し、特に
粘結剤の硬化速度が遅くなる傾向が生じる。
ェノール樹脂水溶液よりなる粘結剤中に又は硬化剤組成
物溶液中に、ノニオン界面活性剤,カチオン界面活性
剤,アニオン界面活性剤,両性界面活性剤等の各種界面
活性剤、或いは尿素,尿素化合物,アミド化合物等の有
機窒素化合物を含有させておくことにより、耐火性粒状
材料と混練した砂組成物の流動性や模型への充填性を向
上させることができる。更に、耐火性粒状材料として再
生砂を使用する場合には、塩化カルシウムや酸化アルミ
ニウム等の各種多価金属塩を含有させておくことによ
り、得られる鋳型の強度を向上させることができる。
を加え、攪拌・溶解させた。この水溶液を80℃に保持し
ながら、フェノール1モルに対して、ホルマリンが2モル
となるように、50%ホルマリン水溶液を徐々に加えて、
フェノールとホルマリンとの縮合反応を進行させた。そ
して、この反応溶液の粘度が120cps(25℃)に達する時
点まで、80℃で反応を続けた。この粘度に達した時点
で、反応溶液を室温まで冷却し、フェノール性水酸基1
モルに対して、KOHのモル数が0.70となるように、50
%KOH水溶液を加え、樹脂水溶液を得た。この樹脂水
溶液100重量部に対して、γ-グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランを0.5重量部添加し、粘度が70cps(25
℃)のレゾール型水溶性フェノール樹脂水溶液よりなる
粘結剤を得た。なお、レゾール型水溶性フェノール樹脂
水溶液の固形分含量は、50重量%であった。
した如く、エポキシ基を持つ化合物と有機エステルとを
所定の割合で混合したもの9種類(No1〜9)を準備し
た。そして、耐火性粒状材料である珪砂(フリーマント
ル)100重量部に対して、各硬化剤組成物溶液を0.3重量
部添加混練した。その後、レゾール型水溶性フェノール
樹脂水溶液よりなる粘結剤を1.5重量部添加混練して、
砂組成物を得た。
mmhのテストピース枠に充填し、自硬性鋳型製造法でテ
スト鋳型を得た。なお、この硬化試験は、雰囲気温度25
℃,砂温25℃,湿度60%RHの条件下で行なった。そし
て、得られたテスト鋳型の30分経過後の圧縮強度[kg/
cm2],1時間経過後の圧縮強度[kg/cm2],2時間経過
後の圧縮強度[kg/cm2],24時間経過後の圧縮強度[k
g/cm2]を各々測定し、表2に示した。また、得られた
鋳型の表面安定性(SSI)も表2に示した。
面安定性を示すものであり、混練直後に造型したテスト
鋳型を用い「有機鋳型の試験方法[多品種少量生産型高
効率鋳造技術連絡会議報告書(昭和61年2月)]104有機
鋳型の表面安定度試験方法p7」に基づいて行なった。即
ち、テスト鋳型をふるい上で60秒間振盪し、振盪後の重
量を測定する。そして、振盪前のテスト鋳型の重量をW
1(g)とし、振盪後のテスト鋳型の重量をW2(g)と
すると、SSI(%)は次式により求められる。即ち、
SSI(%)=(W2/W1)×100である。従って、S
SI(%)は、その値が大きいほど、鋳型の表面安定性
が良好であることを示すものである。
成物として、エポキシ基を持つ化合物と有機エステルと
からなるものを使用した場合には、エポキシ基を持つ化
合物を使用せずに有機エステルのみを使用して場合(比
較例1)に比べて、混練後24時間経過した後の鋳型強度
(圧縮強度)が向上していることが分かる。また、硬化
剤組成物として、有機エステルを使用せずにエポキシ基
を持つ化合物のみを使用した場合に(比較例2)に比べ
て、初期の硬化速度、具体的には混練後30分〜2時間の
間の硬化速度が非常に速くなっていることが分かる。
基を持つ化合物と有機エステルとを所定の割合で混合し
たもの6種類を準備した。そして、耐火性粒状材料であ
る珪砂(フリーマントル)100重量部に対して、各硬化
剤組成物溶液を0.3重量部添加混練した。その後、実施
例1で使用した粘結剤水溶液を1.5重量部添加混練し
て、砂組成物を得た。そして、実施例1と同様にしてテ
スト鋳型を製造し、1時間経過後の圧縮強度[kg/cm2]
を測定し、その結果を表3に示した。
水溶性フェノール樹脂100重量部に対して、エポキシ基
を持つ化合物の量が5重量部を超えると、1時間経過後の
圧縮強度が若干低くなることが判る。即ち、レゾール型
水溶性フェノール樹脂(固形分)100重量部に対して、
エポキシ基を持つ化合物の量が5重量部未満と少ない方
が、粘結剤の硬化速度が速くなるのである。このこと
は、粘結剤水溶液中のレゾール型水溶性フェノール樹脂
に対して、硬化剤組成物が多いほど硬化速度が速まると
いうわけではなく、硬化剤組成物は少量であっても適量
の範囲で使用するのが好ましいことを示唆している。
は、鋳型を製造する際に使用する粘結剤(主としてレゾ
ール型水溶性フェノール樹脂)を常温で硬化させるため
の硬化剤組成物として、エポキシ基を持つ化合物と有機
エステルとからなるものが用いられている。このエポキ
シ基を持つ化合物は、粘結剤を硬化させる作用を果たす
と共に、粘結剤と結合(重合)して三次元網目構造の一
単位となるものである。そして、硬化が進んだ粘結剤の
粘結力を向上させるのである。また、硬化剤組成物中の
有機エステルは、粘結剤が硬化する速度を格段に速める
ことができる。従って、砂組成物を型枠に充填すれば、
すぐに硬化が始まり、ある程度の鋳型強度を得ることが
できるので、砂組成物を充填後すぐに型枠を取り除くこ
と(抜型すること)ができる。依って、本発明に係る硬
化剤組成物を使用して、自硬性鋳型製造法等で鋳型を得
れば、型枠の使用効率を格段に向上させることができる
と共に、強度が高く、且つ表面安定性に優れた鋳型を得
ることができるという効果を奏する。
であるレゾール型水溶性フェノール樹脂と、硬化剤組成
物中のエポキシ基を持つ化合物とを、ある特定の重量割
合、即ち前者100重量部に対して後者が0.5〜5重量部の
範囲で使用した場合には、特に鋳型の硬化速度が向上す
るという効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 エポキシ基を持つ化合物と有機エステル
とを含有することを特徴とする粘結剤を常温硬化させる
ことが可能な鋳型製造用硬化剤組成物。 - 【請求項2】 エポキシ基を持つ化合物1重量部に対し
て、有機エステルが0.02〜99重量部配合されてなる請求
項1記載の鋳型製造用硬化剤組成物。 - 【請求項3】 レゾール型水溶性フェノール樹脂を含有
する粘結剤と、エポキシ基を持つ化合物と有機エステル
とを含有する硬化剤組成物との組み合わせよりなること
を特徴とする鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット。 - 【請求項4】 請求項3に記載された鋳型製造用粘結剤
−硬化剤キットにおいて、レゾール型水溶性フェノール
樹脂(固形分)100重量部に対して、エポキシ基を持つ
化合物が0.5〜5重量部となるように組み合わされている
鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット。 - 【請求項5】 耐火性粒状材料に、エポキシ基を持つ化
合物と有機エステルとを含有する硬化剤組成物溶液を添
加混練して、該耐火性粒状材料と該硬化剤組成物溶液と
を均一に混合した後、この混合物にレゾール型水溶性フ
ェノール樹脂を含有する水溶液形態の粘結剤を添加混練
して砂組成物を得、該砂組成物を所定の型枠に充填した
後、レゾール型水溶性フェノール樹脂を硬化剤組成物の
作用で硬化させることを特徴とする鋳型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11400994A JP3324718B2 (ja) | 1993-04-30 | 1994-04-30 | 鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-128506 | 1993-04-30 | ||
JP12850693 | 1993-04-30 | ||
JP11400994A JP3324718B2 (ja) | 1993-04-30 | 1994-04-30 | 鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH079073A true JPH079073A (ja) | 1995-01-13 |
JP3324718B2 JP3324718B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=26452874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11400994A Expired - Fee Related JP3324718B2 (ja) | 1993-04-30 | 1994-04-30 | 鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3324718B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015123479A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 花王株式会社 | 自硬性鋳型の製造方法、鋳型用粘結剤キット、及び鋳型用組成物 |
-
1994
- 1994-04-30 JP JP11400994A patent/JP3324718B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015123479A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 花王株式会社 | 自硬性鋳型の製造方法、鋳型用粘結剤キット、及び鋳型用組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3324718B2 (ja) | 2002-09-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6232368B1 (en) | Ester cured binders | |
JP3161563B2 (ja) | 鋳型の製造方法 | |
JP3324718B2 (ja) | 鋳型製造用粘結剤−硬化剤キット | |
JP3933794B2 (ja) | 炭酸ガス硬化用粘結剤組成物 | |
JP2747367B2 (ja) | 鋳型または中子の製造法 | |
JP3250926B2 (ja) | 鋳型組成物および鋳型の製造方法 | |
JP3200644B2 (ja) | 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 | |
JP2983380B2 (ja) | 粘結剤 | |
JP3301236B2 (ja) | 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 | |
JP3189916B2 (ja) | 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 | |
JP3165262B2 (ja) | 鋳造成形用粘結剤組成物、鋳造成形用組成物、および鋳造用鋳型の製造方法 | |
JP3321779B2 (ja) | 鋳型製造用粘結剤水溶液組成物及び鋳型の製造方法 | |
JP3131038B2 (ja) | 鋳造成形用粘結剤組成物、鋳造成形用組成物、および鋳造用鋳型又は中子の製造方法 | |
JPH06297075A (ja) | 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 | |
JP3897907B2 (ja) | 炭酸ガス硬化用粘結剤組成物 | |
JP3221802B2 (ja) | 鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法 | |
JPS6045022B2 (ja) | 鋳型の製造方法 | |
JP2521869B2 (ja) | 水溶性フェノ―ル樹脂の製造方法 | |
JPH01166853A (ja) | 鋳型用粘結剤組成物 | |
JP3181480B2 (ja) | 鋳型用粘結剤組成物、鋳型組成物および鋳型の製造方法 | |
JP2021020240A (ja) | 鋳型造型用粘結剤組成物 | |
JPH0824992B2 (ja) | シエルモ−ルド用樹脂被覆砂粒 | |
JPH06210393A (ja) | 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 | |
JPH06210392A (ja) | 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 | |
JPH02133142A (ja) | 鋳型用粘結剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090705 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100705 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |