JPH0790583B2 - 射出成形機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、溶融した樹脂を射出
して金型によって成形し、製品を製造する射出成形機に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、樹脂を成形する射出成形機に
は、図５に示すように、ホッパー２から送り込まれた樹
脂を溶融して送り出す射出装置３が設けられており、こ
の射出装置３から送り出された溶融樹脂を成形部４に設
けられた金型によって所定の形状に成形するようになっ
ている。また、この射出成形機には、金型を開閉させる
とともにこれら金型へ型締力を与える型締シリンダ等を
有する型締機構部５が設けられている。

【０００３】また、この型締機構部５及び成形部４は、
それぞれ安全対策等の目的のためにカバ６及びガード７
によって覆われており、ガード７は、成形部４と型締機
構部５との間にて、図５中矢印イ方向へ摺動されるよう
になっている。即ち、ガード７を摺動させて成形部４を
開くことにより、成形品の取り出し、金型の取り替え、
設置作業を行うことができるようになっている。

【０００４】また、カバ６には、その側部に調整窓８が
設けられており、この調整窓８には、横方向へ摺動させ
ることによって窓部９を開閉させる開閉扉１０が設けら
れている。そして、この開閉扉１０をスライドさせて窓
部９を開くことにより、型締機構部５に設けられて金型
の高圧復帰を設定する際に使用されるリミットスイッチ
を操作することができるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記調整窓
８は、その開閉扉１０がスライド式であるので、この開
閉扉１０を開いた際に、この開閉扉１０自体を収納する
スペースをカバ６の側部に設ける必要がある。このた
め、窓部８を大きさが制限された小さなものにせざるを
得ず、リミットスイッチの良好な操作性を得ることが困
難であった。

【０００６】また、調整窓８の開閉扉１０を開いてリミ
ットスイッチの調整作業をしている際に、前記ガード７
が型締機構部５方向へ摺動して作業者の手をはさんでし
まう恐れがあり、作業者への安全性の面でも問題があっ
た。

【０００７】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、型締機構部のリミットスイッチの操作性を向上さ
せることができるとともに、作業者への安全性が向上さ
れた射出成形機を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の射出成形機
は、樹脂を溶融して送り出す射出装置と、この射出装置
から送り出された溶融樹脂を所定形状に成形する金型が
設けらた成形部と、前記金型を開閉させるとともに成形
時に前記金型へ型締力を与える型締機構部と、この型締
機構部の外周を覆うカバと、前記成形部と前記型締機構
部との間にて摺動可能に設けられ、成形時に前記成形部
方向へ摺動されて、この成形部の外周を覆うガードと、
前記型締機構部に設けられてこの型締機構部の作動を調
整する際に操作されるリミットスイッチとを備えてなる
射出成形機において、前記カバには、その側部に形成さ
れた窓部と、この窓部を開閉する開閉扉とから構成さ
れ、前記ガードを前記成形部方向へ移動させた際に、前
記開閉扉を開くことにより前記リミットスイッチの操作
を可能とする調整窓が設けられてなり、前記開閉扉は、
その下端部が前記窓部の下端部に水平方向の軸線を中心
として回動可能に連結され、かつその下端部に、この開
閉扉を回動させて前記窓部を開いた際に、前記成形部方
向へ移動させたガードの摺動経路と交差する位置に配置
されてこのガードの摺動を禁止するストッパが設けられ
てなることを特徴としている。

【０００９】

【作用】この発明の射出成形機によれば、ガードを成形
部方向へ移動させた状態にて、調整窓の開閉扉を水平方
向の軸線を中心として回動させると、窓部が開口され、
作業者によるリミットスイッチの操作が可能となる。こ
こで、調整窓の開閉扉は、下端部が窓部の下端部に水平
方向の軸線を中心として回動可能に連結されたヒンジ式
のものであるので、カバの側部にて調整窓の窓部の大き
さの制約が少なくなる。したがって、窓部の大きさを最
大限に大きくすることができ、リミットスイッチの良好
な操作性が確保される。

【００１０】また、開閉扉を開くことにより、この開閉
扉の下端部に設けられたストッパがガードの摺動経路と
交差する位置に配置され、成形部側に移動させたガード
の型締機構部方向への摺動が禁止され、調整窓からリミ
ットスイッチを操作している作業者の安全性が確保され
る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の射出成形機の一実施例を図１
ないし図３によって説明する。なお、上記従来例と同一
構造部分には、同一符号を付して説明を省略する。図に
おいて、符号１１は、本実施例の射出成形機に設けられ
た調整窓である。この調整窓１１に設けられた開閉扉１
２は、その下端部における両側部が、カバ６に形成され
た窓部１３の下端部における両側部にピン１４、１４に
よって回動自在に連結されている。即ち、この開閉扉１
２は、水平方向を軸線としたピン１４、１４の軸線を中
心として、図１中矢印ロ方向へ回動可能に取り付けられ
ており、この開閉扉１２を回動させることにより、窓部
１３が開閉されるようになっている。

【００１２】また、窓部１３の上端部には、マグネット
１５が設けられており、開閉扉１２を閉じた際に、この
マグネット１５によって開閉扉１２が吸着され、開閉扉
１２による窓部１３の閉鎖状態が確実に維持されるよう
になっている。

【００１３】また、この開閉扉１２の成形部４側の下端
部には、ストッパ２１が設けられており、開閉扉１２の
開閉動作にともなって前記ピン１４、１４の軸線を中心
として回動するようになっている。そして、図４に示す
ように、この開閉扉１２によって窓部１３を開いた状態
において、ストッパ２１がガード７の摺動経路と交差す
る位置に配置され、またこれとは逆に、開閉扉１２によ
って窓部１３を閉じた状態において、ストッパ２１がガ
ード７の摺動経路から外れた位置に配置されるようにな
っている。

【００１４】また、窓部１３の下端部には、その中間に
回動規制片２２が設けられており、開閉扉１２を開いた
際に、この開閉扉１２の下端部の一部が回動規制片２２
に当接され、この開閉扉１２が略水平に支持されるよう
になっている。なお、符号２３は、取っ手であり、この
取っ手２３を作業者が把持して手前へ引くことにより、
この開閉扉１２が回動されて窓部１３が開かれるように
なっている。

【００１５】次に、上記構成の射出成形機にて、型締機
構部５のリミットスイッチを操作して型盤の高圧復帰の
設定を行う場合の手順を説明する。まず、ガード７を成
形部４側へ移動させた状態にて、調整窓１１の開閉扉１
２を取っ手２３を把持して手前へ引く。

【００１６】このようにすると、この開閉扉１２が、ピ
ン１４、１４の軸線を中心として回動されて、その後、
回転規制片２２によってその回動が規制され、略水平に
支持される。そして、開閉扉１２を回動させることによ
り、開かれた窓部１３から作業者が型締機構部５のリミ
ットスイッチを操作する。

【００１７】ここで、開閉扉１２が開かれると、この開
閉扉１２のストッパ２１がガード７の摺動経路と交差す
る位置に配置されることより、ガード７の型締機構部５
方向への移動が禁止され、リミットスイッチを操作して
いる作業者への安全が確実に確保される。

【００１８】このように、上記実施例の射出成形機によ
れば、型締機構部５のリミットスイッチの操作用に設け
られた調整窓１１の開閉扉１２を、その下端部を回動可
能に支持したヒンジ式としたものであるので、スライド
式の従来のものと比較して、窓部１３を開いた際の開閉
扉１２の収納場所の確保を不要とすることができる。こ
れにより、この調整窓１１の窓部１３自体の大きさを最
大限に大きくすることができ、リミットスイッチの操作
性を大幅に向上させることができる。

【００１９】また、開閉扉１２の成形部４側における下
端部には、開閉扉１２を回動させて窓部１３を開いた際
に、ガード７の摺動経路と交差する位置に配置されて、
ガード７の型締機構部５方向への移動を禁止するストッ
パ２１が設けられているので、リミットスイッチを操作
している作業者の手をはさむような危険性を防止して、
確実な安全性を確保することができる。

【００２０】また、開閉扉１２の下端部をピン１４によ
って回動可能に連結してヒンジ式としたので、この開閉
扉１２を閉じた状態にロックさせる手段として、マグネ
ット１５を容易に使用可能とすることができ、その構造
を簡略化することができる。なお、上記実施例の射出成
形機の具体的な構成及び構造は、実施例に限定されるこ
となく、いかなる方式のものであっても良い。

【００２１】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明の射出成
形機によれば、下記の効果を得ることができる。型締機
構部のリミットスイッチの操作用に設けられた調整窓の
開閉扉を、その下端部を回動可能に支持したヒンジ式と
したものであるので、スライド式の従来のものと比較し
て、窓部を開いた際の開閉扉の収納場所の確保を不要と
することができる。これにより、この調整窓の窓部の大
きさを最大限に大きくすることができ、リミットスイッ
チの操作性を大幅に向上させることができる。

【００２２】また、開閉扉の下端部には、開閉扉を回動
させて窓部を開いた際に、ガードの摺動経路と交差する
位置に配置されて、ガードの型締機構部方向への移動を
禁止するストッパが設けられているので、リミットスイ
ッチを操作している作業者への安全を確実に確保するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の射出成形機に設けられた調整
窓の構造を説明する調整窓及びその周辺の斜視図であ
る。

【図２】本発明の実施例の射出成形機に設けられた調整
窓の構造を説明する調整窓及びその周辺の側面図であ
る。

【図３】調整窓に取り付けられた開閉扉の構造を説明す
る開閉扉と調整窓の下端部との連結箇所の側面図であ
る。

【図４】調整窓に取り付けられた開閉扉を開いた状態を
説明する開閉扉と調整窓の下端部との連結箇所の側面図
である。

【図５】射出成形機の全体構造及び従来の調整窓の構造
を説明する射出成形機の側面図である。

【符号の説明】

３ 射出装置 ４ 成形部 ５ 型締機構部 ６ カバ ７ ガード １１ 調整窓 １２ 開閉扉 １３ 窓部 ２１ ストッパ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂を溶融して送り出す射出装置と、こ
   の射出装置から送り出された溶融樹脂を所定形状に成形
   する金型が設けらた成形部と、前記金型を開閉させると
   ともに成形時に前記金型へ型締力を与える型締機構部
   と、この型締機構部の外周を覆うカバと、前記成形部と
   前記型締機構部との間にて摺動可能に設けられ、成形時
   に前記成形部方向へ摺動されて、この成形部の外周を覆
   うガードと、前記型締機構部に設けられてこの型締機構
   部の作動を調整する際に操作されるリミットスイッチと
   を備えてなる射出成形機において、 前記カバには、その側部に形成された窓部と、この窓部
   を開閉する開閉扉とから構成され、前記ガードを前記成
   形部方向へ移動させた際に、前記開閉扉を開くことによ
   り前記リミットスイッチの操作を可能とする調整窓が設
   けられてなり、 前記開閉扉は、その下端部が前記窓部の下端部に水平方
   向の軸線を中心として回動可能に連結され、かつその下
   端部に、この開閉扉を回動させて前記窓部を開いた際
   に、前記成形部方向へ移動させたガードの摺動経路と交
   差する位置に配置されてこのガードの摺動を禁止するス
   トッパが設けられてなることを特徴とする射出成形機。