JPH0790522A - 亀裂成長抵抗性に優れたジルカロイ管の製造方法 - Google Patents

亀裂成長抵抗性に優れたジルカロイ管の製造方法

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JPH0790522A
JPH0790522A JP6081201A JP8120194A JPH0790522A JP H0790522 A JPH0790522 A JP H0790522A JP 6081201 A JP6081201 A JP 6081201A JP 8120194 A JP8120194 A JP 8120194A JP H0790522 A JPH0790522 A JP H0790522A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸方向亀裂成長、亀裂の発生および腐食に対
し抵抗性を有するジルコニウム合金製被覆管の製法。 【構成】 燃料要素用のジルコニウム合金製被覆管にお
いて、管壁を横切って粗大な金属間化合物析出物を含有
する領域および微細な金属間化合物析出物を含有する領
域を生み出すための方法が提供される。かかる方法は、
被覆管の大部分において粗大化された析出物を生成させ
るために役立つ特定の熱処理工程および焼なまし工程を
含んでいる。かかる方法はまた、冶金学的変化がほとん
どもしくは全く生じないような温度に被覆管の内部領域
を維持しながら、被覆管の外部領域をβ相範囲またはα
+β相範囲にまで加熱することから成る少なくとも1つ
の工程をも含んでいる。このような方法によれば、外部
領域が微細な析出物を含有しかつ内部領域が粗大な析出
物を含有するような複合被覆管が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、燃料要素において使用するため
のジルカロイ製被覆管の製造方法に関するものである。
更に詳しく言えば本発明は、内部領域が亀裂成長抵抗性
を有しかつ外部領域が耐食性を有するようにするため、
管壁を横切って粒度および密度の変化した析出物を含有
する被覆管の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】原子炉用の核燃料は、減速材/冷却材系
からの隔離のため、密封された被覆管内に収容されてい
る。本明細書中において使用される「被覆管」という用
語は、ジルコニウム基材に少なくとも1種の金属を添加
して成るジルコニウム合金製の管を意味する。また、本
明細書中において使用される「析出物」という用語は、
ジルコニウム合金母材中に独立した相を生成するような
被覆管中の添加金属を意味する。これらの析出物は金属
間化合物を生成することもあれば生成しないこともあ
る。通例、これらの析出物は(粒度は様々に変化するも
のの)母材中に一様に分布している。更にまた、いわゆ
る微細な析出物(すなわち、0.1ミクロン未満の析出
物)は一様な分布状態を成すこともあれば、あるいはい
わゆる二次元配列状態(すなわち、析出物がジルコニウ
ム合金の外面付近においてシート状の層を成して分布し
ている状態)を成すこともある。
【0003】被覆管は0.030インチ程度の公称厚さ
を有する管から成っていて、その内部には通例ペレット
状の核燃料が収容されている。これらのペレットは、1
60インチ程度の長さを有する被覆管のほぼ全長にわた
り、互いに接触しながら堆積されている。被覆管にはま
た、燃料ペレットを中心に配置するためのばねおよび核
分裂生成ガスを吸収するためのいわゆる「ゲッタ」が設
けられているのが通例である。最後に、核分裂反応から
生じるガスの消散を最適化するために燃料棒の内部が各
種のガスで加圧され、次いで燃料棒の両端が封止され
る。
【0004】通常の情況下では、ジルコニウムおよびそ
れの合金は優れた核燃料被覆材である。なぜなら、それ
らは小さい中性子吸収断面積を有すると共に、約398
℃より低い温度(すなわち、運転中の原子炉の炉心温度
以下の温度)においては脱イオン水または蒸気の存在下
で優れた強度、延性、安定性および非反応性を示すから
である。「ジルカロイ」は、広く使用されている一群の
耐食性ジルコニウム合金被覆材の名称である。かかるジ
ルカロイは98〜99重量%のジルコニウムから成って
いて、残部はスズ、鉄、クロムおよびニッケルである。
「ジルカロイ−2」および「ジルカロイ−4」は、被覆
目的のために使用されている2種のジルコニウム基合金
である。(なお、ジルカロイ−4からはニッケルが省か
れている。) 被覆管の腐食は、沸騰水型原子炉(BWR)および加圧
水型原子炉(PWR)のいずれにおいても起こり得る問
題である。たとえばPWRにおいては、水は沸騰しない
(ただし、最新のPWRにおいては一部の燃料棒の上端
において僅かに沸騰が起こることがある)。酸素レベル
は比較的低くて、約20ppbである。注入された水素
が約200ppbの濃度で水減速材中に存在しており、
それによって酸素レベルが抑制される。水圧は2000
psi程度であり、また温度は原子炉の運転状態に応じ
て300〜380℃の範囲内にある。
【0005】PWR用被覆管における腐食は一様なもの
であるが、それはジルカロイ被覆材中における析出物の
粒度に関係する。小さい析出物は一様腐食現象を実際に
促進することが判明している。それ故、PWR用のジル
カロイ製被覆管においては析出物の粒度が比較的大きい
ことが好ましい。PWR内の放射線環境においては、照
射に伴って析出物が溶解して小さくなる。一様腐食現象
の促進を回避するため、PWR用被覆管における析出物
は一様に大きい初期粒度(すなわち、0.2ミクロン以
上の粒度)を有している。その結果、小さい粒度の析出
物の生成が減速され、従って小さい粒度の析出物に関し
て起こるより急速な一様腐食が抑制されるのである。
【0006】BWR環境においては、水は沸騰する。酸
素レベルは比較的高くて、約200ppbである。原子
炉の構造部品の安定性を得るために水素が注入されるこ
とがあるが、この水素は沸騰の一部として効果的に除去
され、そして水減速材中には20ppb程度の濃度で存
在している。水圧は1000psi程度であり、また温
度は本質的に圧力の関数であるが、大体は原子炉の全て
の運転速度にわたって一定(288℃)である。
【0007】BWR用被覆管における腐食は結節状(ま
たはいぼ状)の腐食である。また、一様腐食も起こる
が、通常の場合はそれほど顕著でない。更にまた、被覆
管の水接触面上には無機物および粒子の沈着も起こる。
このような腐食および沈着に由来する生成物は、被覆管
の水接触面上においてかなりの厚さに達することがあ
る。
【0008】結節状腐食は本質的に悪いものではない。
しかしながら、原子炉内における燃料が長い寿命期間
(たとえば、40メガワット日/トンを越える使用期
間)を有する場合には、結節状腐食が高密度化する。か
かる結節状腐食が高密度化し、かつその他の粒子(たと
えば、銅イオン)と共に作用した場合には、それが被覆
管を局部的に貫通することがある。
【0009】小さい析出物は結節状腐食を実際に抑制す
ることが判明している。それ故、結節の形成を防止する
ためには、(0.1ミクロン以下の)小さい析出物を得
ることが望ましい。先行技術に従えば、コイルによる加
熱を用いて被覆管の水接触面を外部から処理することに
より、微細な析出物を含有する外面を形成し得ることが
知られている。この点に関しては、エデンス(Eddens)等
の米国特許第4576654号明細書を参照されたい。
【0010】BWR内の放射線環境においては、放射線
照射に伴って析出物が溶解して小さくなる。結節状腐食
はかかる小さい析出物によって抑制されると共に、溶解
過程によって溶解状態になった合金元素によっても抑制
される。ジルコニウム合金に関しては様々な焼なまし操
作が使用されてきたが、それらは温度範囲の点から見て
次のように要約することができる。低温側から始めれ
ば、通例は金属の加工によって約70%の断面減少率を
達成した後、480℃より高い温度下における焼なまし
によって応力除去が行われる。約576℃における焼な
ましは応力除去をもたらすばかりでなく、金属の再結晶
をも開始させる。かかる焼なましにおいては、材料の延
性が最大になる。最後に、576℃より実質的に高い温
度下における焼なましは結晶の成長をもたらし、それに
よって一般に金属は軟化する。
【0011】先行技術においては、PWR用被覆管の熱
処理は(毎秒5℃より遅い速度の)緩徐な冷却を伴う高
温焼なましによって大きい粒度の析出物を保存する操作
を含んでいた。逆に、BWR用被覆管の熱処理は(毎秒
5℃より早い速度の)急速な冷却を伴う低温焼なましに
よって小さい粒度の析出物を生成させる操作を含んでい
た。
【0012】ジルカロイ製被覆管の耐食性は、ジルカロ
イ母材中に一様に分布した小さい析出物粒子を生成させ
ることによって改善されてきた。ジルカロイ母材中に存
在する鉄、クロムおよびニッケル成分の一部は、母材と
異なる化学組成を有する不溶性の結晶質析出物を生成す
る。一般に、かかる析出物は化学式Zr(Fe,Cr)
2 およびZr2 (Fe,Ni)によって表わされる。通
例、かかる耐食性合金中において使用される析出物は約
0.1ミクロン未満の平均粒径を有している。
【0013】腐食および亀裂はいずれも被覆管に損傷を
もたらすことがあるが、それらは基本的に相異なる現象
である。亀裂は被覆管壁の機械的な破断または破裂であ
るのに対し、腐食は被覆管の金属が電気化学的に酸化物
またはその他の非金属化合物に転化することである。亀
裂の発生は、機械的応力および腐食をはじめとする様々
な原因によって引起こされることがある。たとえ亀裂が
発生しても、それが小さな区域内に限定されている限り
はほとんど問題にならない。しかるにその亀裂が成長す
れば、被覆管は破裂し、そして遂には核燃料物質が冷却
材または減速材に接触することがある。結局、これは不
経済な原子炉の運転休止をもたらすことになる。
【0014】従来の原子炉においては、亀裂の発生の原
因は各種の機械的応力に帰することができる。亀裂が発
生するのは、金属の線、削り屑または粒子のごとき残骸
が燃料バンドル内の燃料棒の間を通って流れる炉水中に
混入した場合である。かかる残骸は被覆管壁に隣接しな
がら燃料棒スペーサの位置に留まることがある。その結
果、かかる残骸は通過する蒸気/水混合物の作用下で振
動して被覆管壁を摩擦する。このような振動が続くと、
やがて亀裂が発生するのである。
【0015】腐食は初期の亀裂成長の原因となることが
ある。その上、製造時の欠陥が亀裂の出発点となること
もある。更にまた、原子炉内における使用期間中に存在
する腐食性の高圧環境においては、亀裂の成長が燃料棒
の内側から始まることもある。密封された被覆管の内側
からの亀裂について述べれば、核燃料、被覆管、および
核反応から生じる核分裂生成物の間における様々な相互
作用のために被覆管の脆性破壊が起こることがある。か
かる望ましくない現象は、核燃料と被覆管との間におけ
る膨張の差および摩擦の結果として被覆管上に生じた局
部的な機械的応力に原因することが判明している。ヨウ
素やカドミウムのごとき特定の核分裂生成物の存在下に
おいてかかる局部的な応力およびひずみが生じると、応
力腐食割れおよび液体金属脆化として知られる現象によ
って被覆管の破壊が起こることがある。また、その他の
現象(たとえば、被覆管の局部的な水素化並びに酸素、
窒素、一酸化炭素および二酸化炭素の存在)が被覆管の
破壊を助長し、そして燃料棒の破裂を引起すこともあ
る。
【0016】アルミジョ(Armijo)等の米国特許第420
0492および437281号並びにアダムソン(Adams
on) の米国特許第4894203号の明細書中には、被
覆管の内側に隔壁を配置することによって亀裂の発生を
防止するための解決策が提唱されている。内側に配置さ
れた隔壁を含む被覆管は、「複合」被覆管または2つの
相異なる冶金層を有する被覆管と呼ばれることがある。
【0017】亀裂の発生を防止することは極めて望まし
いものであるが、万一亀裂が発生した場合には、それの
成長を回避する必要がある。特にBWR環境において
は、軸方向の亀裂成長に対して抵抗性を有する被覆管が
要望されている。また、軸方向の亀裂成長、亀裂の発生
および腐食の全てに対して抵抗性を有する被覆管も要望
されている。
【0018】
【発明の概要】本発明は、ジルコニウム合金管の管壁の
内部領域中に粗大な析出物を生成させかつそれの外部領
域中に微細な析出物を生成させるための方法に関する。
この場合、内部領域は低い析出物密度を有し、また外部
領域は高い析出物密度を有する。本発明の方法は、管の
内部領域中に「粗大化された析出物」を生成させるため
に役立つ特定の高温焼なまし工程を含んでいる。本発明
の方法はまた、冶金学的変化がほとんどもしくは全く起
こらないような温度に管の内部領域を維持しながら、管
の外部領域をα+β相範囲またはβ相範囲にまで加熱し
た後に急冷することから成る少なくとも1つの熱処理工
程をも含んでいる。なお、管の内面上にジルコニウム製
またはジルコニウム合金製のライナを配置することによ
り、ペレットと被覆管との相互作用によって引起こされ
る損傷に対する抵抗性を得ることもできる。本発明の方
法によれば、(特に管の軸方向における)亀裂成長抵抗
性と共に結節状腐食抵抗性を有する管が得られる。この
ような特性を有する管はBWR環境において特に有用で
あると考えられるが、PWRまたはその他の形式の原子
炉の環境においても望ましいものであり得る。
【0019】以下、添付の図面を参照しながら本発明の
特定の実施の態様を詳しく説明しよう。
【0020】
【特定の実施の態様の説明】
(1)概説 本明細書中において使用される「α結晶構造」または
「α相」という用語は、低温において安定なジルコニウ
ムおよびジルコニウム含有合金の最密六方結晶構造を意
味する。α相が安定であるような温度範囲は「α相範
囲」と呼ばれる。ジルカロイ−2の場合、純粋なα相は
約820℃より低い温度において存在する。
【0021】本明細書中において使用される「β結晶構
造」または「β相」という用語は、高温において安定な
ジルコニウムおよびジルコニウム含有合金の体心立方格
子結晶構造を意味する。β相が安定であるような温度範
囲は「β相範囲」と呼ばれる。ジルカロイ−2の場合、
純粋なβ相は約960℃より高い温度において存在す
る。
【0022】本明細書中において使用される「α+β結
晶構造」または「α+β相」という用語は、ある種のジ
ルコニウム合金中においてある温度下で存在するα相と
β相との混合物を意味する。純粋なジルコニウムにおい
ては、α相結晶構造は約860℃までの温度下で安定で
ある。ほぼこの温度において相変化が起こる結果、約8
60℃より高い温度下で安定なβ結晶構造が生成され
る。それに対し、ジルコニウム合金の場合には一定の温
度範囲にわたってα相からβ相への変化が起こる。この
温度範囲内においては、α結晶構造とβ結晶構造との混
合物が安定である。かかる混合物が安定であるような温
度範囲は個々の合金に応じて異なる。たとえば、ジルカ
ロイ−2の場合には、約825〜約965℃の温度範囲
内においてα結晶構造とβ結晶構造との安定な混合物が
存在する。図1には、ジルカロイ−2において各種の相
が存在する温度範囲が示されている。
【0023】本明細書中で使用される「部材」という用
語は、様々な用途および形状を有する金属部品を意味す
る。更に、「管」という用語は様々な用途を有する金属
管を意味し、また「燃料棒容器」もしくは単に「容器」
という用語は燃料ペレットを封入するため燃料棒におい
て使用される管を意味する。なお、燃料棒容器は当業界
において「被覆管」と呼ばれることもある。
【0024】ジルカロイまたはその他の合金中における
析出物の粒度は、各種の公知製造方法によって調整する
ことができる。先ず最初に、析出物の粒度はβ相からの
冷却速度によって本質的に支配される。β相から(たと
えば、毎秒約50℃より早い速度で)急速に冷却すれば
より小さい析出物が得られるのに対し、それよりも遅い
速度で冷却すればより大きい析出物が得られる。それに
続いて熱処理および焼なましを施すことにより、析出物
を粗大化することができる。相対的な意味で一般的に述
べれば、より高い温度およびより長い時間で焼なましを
施せば析出物の粗大化が促進されるのに対し、より低い
温度およびより短い時間で焼なましを施せば微細な析出
物が保存される。微細な析出物を高い密度で含有する顕
微鏡組織は、β相範囲またはα+β相範囲にまで達する
高温熱処理を施した後に急冷することによって得ること
ができる。
【0025】次の図2について説明すれば、(一般に
「燃料棒」と呼ばれる)燃料要素14は本発明の方法に
従って製造された燃料棒容器17およびそれによって包
囲された燃料芯材16を含んでいる。かかる燃料要素1
4は、燃料棒容器17と燃料芯材16との間における優
れた熱的接触、最小の寄生中性子吸収、および冷却材の
高速流れによって時折引起こされる弓そりや振動に対す
る抵抗性をもたらすように設計されている。通例、燃料
芯材16は核分裂性物質および(または)燃料親物質か
ら成る複数の燃料ペレットである。燃料芯材16は、円
柱状ペレット、球または小さい粒子のごとき各種の形状
を有し得る。ウラン化合物、トリウム化合物およびそれ
らの混合物をはじめとする各種の核燃料を使用すること
ができるが、好適な核燃料は二酸化ウランまたは二酸化
ウランと二酸化プルトニウムとの混合物である。
【0026】本発明に従って製造された燃料棒容器17
は、少なくとも2つの相異なる冶金学的領域、すなわち
粗大な析出物を含有する内部領域30および微細な析出
物を含有する外部領域33を有している。内部領域と外
部領域との間の遷移領域は「冶金学的勾配」と呼ばれる
こともある。一般に、かかる遷移領域は比較的鮮明な境
界を成している。本発明においては、かかる遷移領域は
外部領域の一部と見なされる。通例、かかる遷移領域は
外部領域の高々約25%を占めるに過ぎないが、これは
不可欠の要求条件ではない。場合によっては、遷移領域
が管の全厚の5〜10%を占めることもある。
【0027】次の図3には、本発明の方法によって製造
された管における管壁104の顕微鏡組織が略示されて
いる。管壁104の外部領域においては、ジルコニウム
合金は結晶粒100として存在している。また、管壁1
04の内部領域においては、ジルコニウム合金は結晶粒
106として存在している。一般に、内部領域および外
部領域における結晶粒はほぼ同じ大きさを有している。
しかしながら、これら2つの領域における結晶粒の顕微
鏡組織は異なっている。図示のごとく、外部領域の結晶
粒は微細な析出物108を高い密度で含有するのに対
し、内部領域の結晶粒は粗大な析出物102を低い密度
で含有している。なお、一部の実施の態様においては、
管壁104の内面上にジルコニウム製のライナまたは隔
壁層(図示せず)が配置される。
【0028】燃料棒容器17の内部領域および外部領域
はいずれも、ジルカロイ−2またはジルカロイ−4のご
ときジルコニウム合金から成ることが好ましい。ジルカ
ロイ−2は、約1.5重量%のスズ、0.12重量%の
鉄、0.09重量%のクロムおよび0.05重量%のニ
ッケルを含有している。ジルカロイ−4は実質的にニッ
ケルを含有しないと共に約0.2重量%の鉄を含有して
いるが、その他の点ではジルカロイ−2と同様である。
本発明において使用し得る別の合金は、約1重量%のス
ズ、約1重量%のニオブおよび約0.2重量%未満の鉄
を含有するジルコニウム基合金である「ジルロ(Zirlo)
」である。本発明において使用し得る更に別の合金
は、少なくとも約98重量%のジルコニウム、約0.0
6〜0.25重量%の鉄、約0.03〜0.1重量%の
ニッケルおよび約0.8〜1.7重量%のスズから成る
ものである。その他の添加剤としては、ニオブ、ビスマ
ス、モリブデン、および当業界において使用されるその
他各種の元素が挙げられる。最も一般的に述べれば、金
属間化合物を生成する任意のジルコニウム合金を使用す
ることができる。
【0029】本発明において使用される微細な析出物は
約0.01〜0.15ミクロンの範囲内の平均粒径を有
することが好ましく、また約0.02〜0.06ミクロ
ンの範囲内の平均粒径を有することがより好ましい。な
お、微細な析出物の平均粒径は約0.04ミクロンであ
ることが最も好ましい。粗大な析出物は約0.15〜
2.0ミクロンの範囲内の平均粒径を有することが好ま
しく、また約0.2〜1.0ミクロンの範囲内の平均粒
径を有することがより好ましい。上記のごとき析出物の
粒径は、当業界において公知の標準的な透過電子顕微鏡
検査(TEMおよびSTEM)によって容易に測定され
る。
【0030】微細な析出物を含有するジルカロイ領域
は、粗大な析出物を含有するジルカロイ領域よりも耐食
性が大きい。粗大な析出物を含有する領域は、亀裂成長
抵抗性を付与するものと考えられている。腐食は被覆管
の表面において最も顕著に見られるのが通例であるが、
亀裂の発生および成長は被覆管壁の全域にわたって起こ
る。それ故、本発明の方法によれば、管壁の外面のみに
微細な析出物を含有しかつ内面および本体部分には粗大
な析出物を含有するような管が製造される。
【0031】好適な実施の態様に従えば、微細な析出物
を含有する外部領域は管の肉厚の約5〜20%を占める
一方、粗大な析出物を含有する内部領域は管の肉厚の約
80〜95%を占める。なお、外部領域は管の肉厚の約
5〜15%を占めることがより好ましく、また管の肉厚
の約10%を占めることが最も好ましい。すなわち、3
0ミルの肉厚を有する典型的な管の場合、外部領域は約
3ミルの厚さを有することが好ましいのである。
【0032】本発明の方法に従って製造される管の構造
に関する詳細な説明は、1993年4月23日に提出さ
れかつ本発明の譲受人に譲渡された、「亀裂成長抵抗性
に優れたジルカロイ管」と称する本発明者等の米国特許
出願第08/052,793号明細書中に記載されてい
る。本発明の方法は、上記のごとき性質を有する管の製
造を目的とするものである。一般に、かかる方法はβ相
から急冷されたジルカロイ−2製の厚肉ビレットを用い
て開始される。とは言え、一部の実施の態様に従えば緩
徐な冷却を使用することもできる。本明細書中において
使用される「急冷」という用語は、毎秒約5℃より早い
冷却速度を意味する。なお、冷却速度は毎秒50℃より
早いことが好ましい。一般に、早い冷却速度は全域にわ
たって分散した微細な析出物を含有する管を生み出す。
一般に、冷却速度が遅くなるほど得られる析出物は粗大
になる。β焼入れの後、押出し工程および(場合によっ
ては)寸法安定性を得るために設計された冷間加工工程
が実施される。次いで、微細な析出物を含有する外部領
域および粗大な析出物を含有する内部領域を生成もしく
は保存するための様々な工程が実施される。更にまた、
管に所望の寸法を付与するために複数回の冷間加工が施
される。各回の冷間加工の後、応力を除去しかつ延性を
回復するための焼なましが管に施される。各回の冷間加
工は約70%の加工量で実施されるが、これは本発明に
とって重要なわけではない。なお、かかるパーセント値
は冷間加工操作中における肉厚の減少率にほぼ等しい。
【0033】管の内部領域中に粗大な析出物を生成もし
くは保存するため、少なくとも1回の高温焼なましが実
施されるのが通例である。本明細書中において使用され
る「高温焼なまし」という用語は、約650〜750℃
の範囲内の温度下で約1〜100時間にわたって実施さ
れる焼なまし操作を意味する。なお、かかる高温焼なま
しは約700〜750℃の範囲内の温度下で約1〜10
時間にわたって実施されることがより好ましく、また約
700℃で約8時間にわたって実施されることが最も好
ましい。かかる高温焼なましに加え、粗大な析出物の生
成を促進するため、比較的高い温度下で比較的長い時間
にわたって冷間加工後の焼なましを実施する必要があ
る。かかる冷間加工後の焼なましは約576〜650℃
の範囲内の温度下で約1〜10時間にわたって実施され
ることが好ましく、また約620〜650℃の範囲内の
温度下で約2〜4時間にわたって実施されることがより
好ましい。このような熱処理および焼なましの温度およ
び時間は上記の値から多少変化してもよいことは当業者
にとって自明であろう。一般に、本発明において好適で
ある粗大な析出物は高い温度および長い時間の下で生成
される。それに対し、低い温度および短い時間の下での
熱処理は微細な析出物を保存する傾向がある。
【0034】冷間加工後の焼なまし温度は結晶粒組織お
よび析出物組織に影響を及ぼす。70%冷間加工の場
合、約490〜577℃の範囲内の温度下における焼な
ましは応力の除去をもたらし、従って応力除去焼なまし
と呼ばれる。それよりも高い温度(すなわち、約577
℃より高い温度)下では再結晶が起こる。これは冷間加
工によって生じた応力の除去をもたらすばかりでなく、
結晶粒の再配列をももたらす。それよりも多少高い温度
(たとえば、約650℃より高い温度)下における焼な
ましを施せば、結晶粒の成長が起こる。これらの温度は
固定されたものではなくて、冷間加工の加工量に応じて
変化する。より多くの冷間加工は、応力除去、再結晶な
どに対するより大きい駆動力を与える。すなわち、冷間
加工の加工量が多くなるのに伴って応力除去、再結晶な
どの温度は低下するのである。
【0035】微細な析出物組織は、管の一部を高温に加
熱してから急冷することによって導入することができ
る。これを達成するための方法の1つは、管の内部領域
を低温に維持しながら、管の外部領域をα+β相範囲ま
たは純粋なβ相範囲にまで選択的に加熱してから急冷す
るというものである。その結果、外部領域が微細な析出
物を含有しかつ内部領域が粗大な析出物を含有するよう
な冶金学的勾配が生み出される。このような熱処理工程
は、下記のごとき誘導コイル加熱をはじめとする各種の
方法によって実施することができる。
【0036】所望の顕微鏡組織を有する管を製造するた
めには各種の方法を使用し得ることを理解すべきであ
る。製造プロセスの初期段階においてβ相からの急速な
冷却が行われる場合には、以後に析出物を粗大化するた
めの工程が必要となる。他方、β相からの緩徐な冷却が
行われる場合には、以後の工程は析出物を維持もしくは
更に粗大化するように選定される。
【0037】ある種の公知プロセスと本発明に基づくプ
ロセスとの相違点並びにプロセス中の工程が完成した管
の顕微鏡組織に及ぼす影響を容易に理解し得るようにす
るため、3種の公知プロセスおよび本発明の様々な実施
の態様に基づく5種の新規プロセスが以下に記載され
る。なお、本発明は記載された実施の態様のみに限定さ
れるわけではないのであって、それ以外にも各種のプロ
セスによって所望の顕微鏡組織が生み出されることを理
解すべきである。下記の実施例中に記載される温度およ
び時間は、当業界において公知のごとく、顕微鏡組織を
実質的に変化させることなしにある程度まで加減するこ
とができる。更にまた、下記の実施例はジルカロイ−2
に関するものである。その他の合金を使用する場合に
は、条件が異なることになる。 (2)製造プロセスの具体例 下記のごとき3種の公知プロセスは、本明細書中におい
て「公知プロセス1」、「公知プロセス2」および「公
知プロセス3」と呼ばれる。また、本発明の様々な実施
の態様に基づく5種のプロセスは、本明細書中において
「新規プロセス1」ないし「新規プロセス5」と呼ばれ
る。これらのプロセスの比較を容易にするため、それぞ
れのプロセスにおいて使用される工程が図4の一覧表中
に要約して示されている。 〔公知プロセス〕 (公知プロセス1)本プロセスは、約6インチの直径お
よび2フィートの長さを有するビレットを用いて開始さ
れる。下記のごときプロセスの終了時までに、かかるビ
レットは約1/2 インチの外径を有する約400フィート
の管に変えられる。
【0038】上記のごときビレットに対してβ焼入れが
施される。かかるβ焼入れ時の冷却速度は部分的にはビ
レットの太さに依存するのであって、細いビレットほど
急速に冷却される。かかるβ焼入れは、一般に、ビレッ
トを(約1000℃より高い)β相範囲にまで加熱し、
次いで水タンク内に浸漬することによって1000℃か
ら約700℃まで急冷することから成っている。100
0℃から700℃までの冷却速度は重要である。しかし
ながら、700℃に到達した後には、冷却速度は所望に
応じて加減することができる。
【0039】次に、ビレットを約570℃の温度に維持
しながら押出すことにより、約3インチの直径を有する
管が形成される。かかる押出しは、ビレットを高圧下で
1組のテーパ付きダイスに通すことによって行われる。
適当な押出機はアメリカ合衆国ペンシルヴェニア州コレ
オボリス市所在のマンネスマン・デマング(Mannessmann
Demang)社から入手することができる。こうして得られ
た押出製品は「管素材」と呼ばれる。かかる管素材は、
(アメリカ合衆国オレゴン州アルバニー市所在の)テレ
ダイン・ワーチャング(Teledyne Wahchang) 社、(アメ
リカ合衆国ユタ州オグデン市所在のウェスティングハウ
ス関連会社である)ウェスタン・ジルコニウム(Western
Zirconium) 社および(フランス国所在の)セズス(Cez
us) 社のごとき様々な販売業者から指定の寸法で入手す
ることができる。
【0040】かかる管素材の管壁の外側30%の部分に
対し、(α+β相範囲内にある)約927℃の温度下で
熱処理が施される。これは、管壁の約33%に浸透する
(誘導コイルからの)高周波エネルギーを用いて管素材
を加熱することによって達成される。かかる誘導加熱に
際しては、管の内部に水が流される。これは2つの目的
のために役立つ。第一に、それは外部領域が加熱されて
いる間にも管の内部領域を低い温度に維持するために役
立つ。第二に、それは加熱エネルギーを取除いた場合に
管全体を極めて急速に冷却するために役立つ。なお、管
素材の内部領域は実質的に加熱されないことを理解する
のが重要である。かかる誘導加熱操作に関する詳細な説
明は、エデンス等の米国特許第4576654号明細書
中に記載されている。
【0041】管の冷却に関しては、一般にジルコニウム
合金または隔壁層材料に対して不活性な任意の流体を使
用することができる。たとえば、かかる操作に際しては
ガス冷却材、水または蒸気を使用することができる。こ
の時点において、減径のための1回目の冷間加工が施さ
れる。すなわち、熱処理された管素材がピルガー圧延機
に通される。ピルガー圧延機はかなり複雑な装置である
が、それが広く利用し得るものであることは当業者にと
って自明であろう。ピルガー圧延機による冷間加工に際
しては、硬質のテーパ付きマンドレルによって管の内面
が支持されている間に所定形状のダイス型が管の外面上
を走行させられる。このようにして、管の肉厚および直
径が同時に減少させられる。
【0042】通例、約70%の冷間加工が実施される。
この場合のパーセント値は肉厚の減少率にほぼ等しい。
もし応力除去なしにそれ以上の冷間加工を管に施せば、
製造中に管の亀裂が生じる可能性がある。冷間加工によ
って誘起された応力を除去するため、アメリカ合衆国ニ
ューハンプシャー州ナシュア市所在のセントル・バキュ
ーム・インダストリーズ(CentorrVacuum Industries)
社から入手し得るような大型の真空焼なまし炉内におい
て約593℃で2時間の焼なましが管に施される。次
に、ピルガー圧延機を用いて2回目の(やはり約70%
の)冷間加工が施される。かかる2回目の冷間加工によ
って誘起された応力を除去するため、(やはり593℃
で約2時間の)焼なましが管に施される。最後に、前述
のごとくにして3回目の冷間加工が施される。その結
果、管はそれの最終寸法(すなわち、約1/2 インチの外
径および約30ミルの公称肉厚)を有することになる。
【0043】このような管が燃料棒用の長さ(すなわ
ち、約14フィートの長さ)に切断され、そして577
℃で約2時間の最終焼なましが施される。あるいはま
た、かかる最終焼なましは約480〜577℃の範囲内
の任意の温度下で実施される応力除去焼なましであって
もよい。最終焼なましが完了すれば、かかる管は原子炉
内において使用することができる。 (公知プロセス2)本プロセスにおいては、公知プロセ
ス1の場合と同じβ焼入れおよび管素材の押出しが実施
される。しかしながら、管素材段階における熱処理およ
び急冷は実施されない。その代り、約650℃で約2時
間の焼なましが管素材に施される。これは管素材を軟化
させ、従ってそれの加工が容易になる。次に、前述のご
とくにして1回目の70%冷間加工が施される。なお、
それに続く焼なましは僅かに高い温度(621℃)下で
2時間にわたって実施される。
【0044】この時点において、管の外側30%の部分
のみを加熱するような熱処理が施される。この熱処理は
公知プロセス1における管素材の熱処理と同様なもので
あるが、それは僅かに高い温度(927℃に対して10
45℃)下で実施される。なお、管はこの段階までによ
り細くなっている。次に、公知プロセス1の場合と同様
にして2回目の冷間加工が施され、それに続いて(公知
プロセス1の場合よりも僅かに低い)577℃で2時間
の焼なましが施される。最後に、前述のごとくにして3
回目の冷間加工が施され、それに続いて同じ温度および
時間を使用しながら再結晶焼なましまたは応力除去焼な
ましが施される。 (公知プロセス3)押出し後に追加の「ロック(rock)」
工程が実施される点を除けば、本プロセスは公知プロセ
ス2と全く同じである。ロック工程とは、通例は寸法調
整のために実施される約50%の冷間加工工程である。 (要約)上記のごとき一連の焼なまし工程、冷間加工工
程および熱処理工程の背後に存在する目的は、高度の耐
食性を有する管を得ることにある。こうして得られる顕
微鏡組織は、ジルカロイ管が極めて微細な析出物を含有
するようなものである。特に、外部領域は最小の析出物
粒度を有している。小さい析出物粒度は、急速な冷却と
比較的低い焼なまし温度との組合せによって生み出され
る。すなわち、急速な冷却は小さい析出物粒度を設定す
るために役立ち、また低い焼なまし温度および加工温度
は小さい析出物を保存するために役立つのである。 〔新規プロセス〕 (新規プロセス1)公知プロセス1および2の場合と同
じ条件下でβ焼入れおよび押出しが実施される。こうし
て得られた管素材は、上記の公知プロセスにおいて得ら
れたものと同じである。もし管素材がより高い温度下で
押出されたならば、粗大化された析出物を含有する材料
が得られたはずである。
【0045】かかる管素材に対し、高温焼なまし(すな
わち、約700℃で約8時間の焼なまし)が施される。
このような条件は、公知プロセスにおいて使用されるも
のよりも実質的に高い温度および長い時間から成ってい
る。その結果、管素材の全域において析出物が粗大化す
ることになる。次に、公知プロセスの場合と同様にして
1回目の70%冷間加工が施される。冷間加工後には、
比較的高い温度下でにおける焼なまし(すなわち、65
0℃で4時間の焼なまし)が施される。これは析出物を
更に粗大化するものであって、温度および時間条件に関
する公知プロセスからの第2の変更点を成している。
【0046】この時点において、管の外側により小さい
析出物を再び生成させるための熱処理が施される。この
熱処理は(純粋なβ相範囲内にある)1045℃の温度
下で実施される。すなわち、管が(通例は長さ12イン
チ未満の)誘導コイル内に通過させられる。管は誘導コ
イルによって所望の温度にまで急速に加熱されるが、誘
導コイルから出た途端に急速に冷却される。この操作は
公知プロセス1における管素材の熱処理と同様なもので
あるが、管の(外側30%ではなく)外側15%の部分
のみが加熱されるように変更されている。誘導コイルの
エネルギーの浸透度は、誘導コイルの周波数、誘導コイ
ルのエネルギー、誘導コイル内における管の移動速度、
および水の温度(流量)を加減することによって調整す
ることができる。管の外側15%の部分に小さい析出物
を生成させるような熱処理を達成するためにこれらの条
件を調整する方法は、当業者にとって自明であろう。こ
の点に関する詳細な説明は、エデンス等の米国特許第4
576654号明細書中に見出すことができる。こうし
て得られた管は、内部領域中に粗大な析出物を保有しな
がら良好な結節状腐食抵抗性を有している。
【0047】次に、公知プロセスの場合と同様にして2
回目の70%冷間加工が施される。それに続いて650
℃で2時間の焼なましが施されるが、これは耐食性に実
質的な影響を及ぼすことなしに管の内部領域中の析出物
を更に粗大化する。更にまた、公知プロセスの場合と同
じ条件下で3回目の冷間加工および再結晶または応力除
去焼なましが施される。
【0048】上記の公知プロセスによって製造された管
とは異なり、新規プロセス1によって製造されたジルカ
ロイ管はそれの内部領域中にかなり粗大な析出物を含有
している。 (新規プロセス2)本プロセスにおいては、管素材段階
において誘導加熱処理が実施される。先ず、新規プロセ
ス1の場合と同様にして管素材が製造される。すなわ
ち、元のビレットにβ焼入れを施した後、ビレットが約
570℃の温度下で押出される。次に、前述のごとくに
して管素材に高温焼なまし(すなわち、約700℃で約
8時間の焼なまし)が施される。ここまでは、本プロセ
スは新規プロセス1と同じである。しかるにこの段階に
おいて、管素材の外側約15%の部分に対し、誘導加熱
によって(α+β相範囲内にある)927℃の温度下に
おける熱処理が施される。次いで、管素材を急冷するこ
とにより、管素材の外部領域中に所望の微細な析出物が
生成されるのである。この時点において、上記プロセス
の場合と同様にして管素材に1回目の70%冷間加工が
施される。それに続いて、621℃で2時間の焼なま
し、2回目の冷間加工、および約621℃で2時間の焼
なましが施される。621℃に加熱することにより、あ
る程度の再結晶が達成され、従って析出物は更に粗大化
する。次に、上記プロセスの場合と同じ条件下で3回目
の冷間加工および(好ましくは約577℃の温度下にお
ける)最終の再結晶または応力除去焼なましが施され
る。新規プロセス2によって製造された管は、新規プロ
セス2によって得られるものと実質的に同じ顕微鏡組織
を有している。
【0049】新規プロセス2は、表面的には前述の公知
プロセス1と同様である点に注意すべきである。しかし
ながら、本プロセスにおいては、公知プロセス1におい
て使用されなかった高温焼なましが熱処理に先立って実
施される。その上、1回目および2回目の冷間加工後に
おける焼なましは公知プロセス1の場合よりも高い温度
下で実施される。かかる追加の高温焼なましおよびより
高い温度下における冷間加工後の焼なましは、管素材中
の析出物を粗大化する。更にまた、新規プロセス2にお
いては、(公知プロセス1の場合のように管素材の外側
30%の部分を加熱するのではなく)管素材の外側15
%の部分のみを加熱する誘導加熱工程が使用されてい
る。 (新規プロセス3)本プロセスにおける管素材は、先ず
最初に、上記プロセスにおいてβ焼入れを施された管素
材よりも粗大な析出物を含有するように加工される。こ
れは、上記のごときβ焼入れの場合よりも遅い速度でビ
レットを冷却することによって達成される。なお、冷却
速度は毎秒約5℃よりも遅いことが好ましい。次いで、
かかるビレットが押出されるが、その際には570℃の
温度が使用されるか、あるいは得られる管素材中の析出
物を更に粗大化するためにそれよりも高い温度が使用さ
れる。
【0050】この段階で実施し得る追加の工程として
は、(1) ロック(すなわち、通例は寸法調整のために実
施される約50%の冷間加工工程)および(2) 700℃
で8時間の焼なましが挙げられる。この時点において、
1回目の70%冷間加工が施される。以後の全ての工程
は、新規プロセス1における高温焼なまし後の工程と全
く同じである。 (新規プロセス4)管の外部領域を選択的に加熱する工
程が異なる温度下で実施される点を除けば、本プロセス
は新規プロセス1と全く同じである。新規プロセス1に
おいては外部領域がβ相範囲(1045℃)にまで加熱
されるのに対し、本プロセスにおいては外部領域がα+
β相範囲にまでしか加熱されない。なお、外部領域は9
27℃にまで加熱されることが好ましい。β相範囲では
なくα+β相範囲にまで加熱した場合には、加熱時にお
ける外面の酸化が減少し、急冷時に生じる内部応力が減
少し、かつ加熱のために必要なエネルギーが減少するこ
とになる。 (新規プロセス5)選択的な熱処理工程において管の外
部領域が(β相範囲ではなく)α+β相範囲にまで加熱
される点を除けば、本プロセスは新規プロセス3と全く
同じである。なお、外部領域はこの工程において927
℃にまで加熱されることが好ましい。 (要約)上記のごとき新規プロセスの各々は、同様な顕
微鏡組織を有する管を生み出す。各々の新規プロセスに
おいては、(1) 約700℃で約8時間の高温焼なまし
(新規プロセス3においては随意である)、(2) 冷間加
工後における1回以上の低温焼なまし(すなわち、約6
10℃より高い温度下における焼なまし)、並びに(3)
管の外側約15%の部分のみを加熱するβ相またはα+
β相熱処理およびそれに続く急冷が使用されている。
【0051】上記のごとき公知プロセスおよび新規プロ
セス中に記載された工程以外にも様々な工程が実施され
ることは当業者にとっては自明であろう。たとえば、表
面の欠陥(亀裂層)を除去するために化学エッチングが
使用される。また、特別に設計される装置を用いる管の
矯正もしばしば実施される。更にまた、各種の非破壊検
査(たとえば、腐食検査や表面の亀裂欠陥の超音波検
査)も実施される。なお、使用し得る追加工程の全てが
ここに記載されているわけではないのであって、これら
は使用し得る追加工程の一部を例示するものに過ぎない
ことを理解すべきである。 (3)隔壁層 ある種の好適な実施の態様においては、核燃料との相互
作用によって引起こされる燃料棒容器の劣化を防止する
ため、燃料棒容器の内面上に中性子吸収の小さい隔壁層
が配置される。公知のごとく、核燃料、燃料棒容器、お
よび核燃料からの核分裂生成物の間における相互作用の
ために燃料棒容器は破裂またはその他の劣化を生じるこ
とがある。上記のごとき隔壁層は、管の内面に対して冶
金的に接合された高純度ジルコニウム(たとえば、結晶
棒ジルコニウム)もしくは中純度ジルコニウム(たとえ
ば、ジルコニウムスポンジ)製のライナから成るのが通
例である。この点に関しては、アルミジョおよびコフィ
ン(Armijo & Coffin) の米国特許第4200492およ
び4372817号、バネショー(Vannesjo)の米国特許
第4610842号、並びにアダムソン(Adamson) の米
国特許第4894203号の明細書を参照されたい。隔
壁層においてはまた、その他の希薄ジルコニウム合金
(たとえば、0.5%のスズを含有するジルコニウム合
金、0.1%の鉄および0.4%のクロムを含有するジ
ルコニウム合金、0.4%のビスマスおよび0.2%の
ニオブを含有するジルコニウム合金など)を使用するこ
ともできる。一般に、かかる隔壁層は押出し工程に際し
て管に接合されたスリーブから成っている。以後の工程
は上記のごとくにして実施すればよい。(本発明の燃料
棒容器の第3の構成要素を成す)隔壁層は管の全厚の約
1〜30%を占めるのが通例であり、また管の全厚の約
5〜15%を占めることがより好ましい。 (4)累積規格化焼なまし時間 当業者にとっては自明のごとく、本発明において所望さ
れる粗大な析出物の分布状態を実現するためには、様々
な熱処理工程および焼なまし工程を様々な順序で実施す
ることができる。一般に、長い時間と高い温度との組合
せは所望の粗大な析出物を生み出す。時間、温度および
析出物粒度の関係は、アレニウス式によって数学的に記
述することができる。その結果、「ジルコニウム・イン
・ザ・ニュークリア・インダストリー(Zirconium in th
e Nuclear Industry) 」(ASTM STP939、1
987年)の417〜430頁に収載されたエフ・ガル
ザローリ(F. Garzarolli) 等の論文「結節状腐食の知識
の進展」中において定義された累積規格化焼なまし時間
として知られるパラメータが得られる。規格化焼なまし
時間(A)は、式A=t・exp(−40000/T)
〔式中、tは(時間単位で表わされた)時間であり、ま
たTは(ケルビン単位で表わされた)温度である〕によ
って与えられる。本発明の場合のような多工程プロセス
においては、β焼入れ後の各工程の規格化焼なまし時間
を合計することによって累積規格化焼なまし時間ΣAi
=Σti ・exp(−40000/Ti )を求めるのが
便利である。本発明の目的にとって十分な程度にまで肥
大化された析出物を得るためには、累積規格化焼なまし
時間が10-17 時間より大きいことが好ましく、また5
×10-17 時間より大きいことがより好ましい。 (4)結論 以上、特定の実施の態様に関連して本発明をかなり詳し
く説明したが、本発明の範囲内において様々な変更態様
が可能であることは当業者にとって自明であろう。たと
えば、上記に記載されたジルカロイ−2は本発明におい
て有利に使用し得る合金の一例に過ぎない。その他のジ
ルコニウム基合金および類似の組織を有する特定のチタ
ン基合金やその他の合金もまた、多くの場合、本発明の
方法において使用することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的なジルコニウム基合金の状態図である。
【図2】本発明に基づく好適な燃料棒の横断面図であ
る。
【図3】本発明に従って製造された管中に存在する微細
な析出物の領域および粗大な析出物の領域を示す略図で
ある。
【図4】ジルコニウム合金管を製造するための3種の公
知プロセスと本発明に基づく5種の新規プロセスとを比
較して示す図表である。
【符号の説明】
14 燃料棒 16 燃料芯材 17 燃料棒容器 30 内部領域 33 外部領域 100 結晶粒 102 粗大な析出物 104 管壁 106 結晶粒 108 微細な結晶粒

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 約621℃よりも高い温度下におい
    てジルコニウム合金管に粗大化焼なましを施し、(b) 前
    記管の内部領域を冷却しながら前記管の外部領域を少な
    くともα+β相範囲にまで加熱してから前記外部領域を
    急冷することによって前記外部領域に選択的な熱処理を
    施し、次いで(c) 前記管に1回以上の冷間加工を施すと
    共に、各回の前記冷間加工に続いて約576℃より高い
    温度下における焼なましを施す工程を含むジルコニウム
    合金管の加工方法。
  2. 【請求項2】 ジルコニウム合金がジルカロイ−2、ジ
    ルカロイ−4およびジルロからなる群から選ばれる請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 管の外部領域を選択的に熱処理する工程
    が誘導コイル加熱器によって行なわれる請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 選択的に熱処理する工程が管の外部領域
    をα+β相範囲に加熱する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 (a) 約621℃よりも高い温度下で約1
    〜100時間にわたりジルコニウム合金管に粗大化焼な
    ましを施し、(b) 前記管に1回目の冷間加工およびそれ
    に続く焼なましを施し、(c) 前記管の内部領域を冷却し
    ながら前記管の外部領域をα+β相範囲にまで加熱した
    後に前記外部領域を急冷することによって前記外部領域
    に選択的な熱処理を施し、(d) 前記管に2回目の冷間加
    工およびそれに続く焼なましを施し、次いで(e) 前記管
    に3回目の冷間加工およびそれに続く焼なましを施す工
    程を含むジルコニウム合金管の加工方法。
  6. 【請求項6】 ジルコニウム合金がジルカロイ−2かジ
    ルカロイ−4であり、選択的に熱処理する工程が管の外
    部領域を約927℃の温度に加熱する請求項5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 外部領域の選択的な熱処理が管を流体で
    冷却しながら外部領域を誘導加熱する工程を含む請求項
    5記載の方法。
  8. 【請求項8】 (a) 累積規格化焼なまし時間が少なくと
    も10-17 時間になるような回数、時間および温度を使
    用しながら、ジルコニウム合金管を所定の時間にわたっ
    て少なくとも約621℃の温度に加熱する工程を1回以
    上実施し、次いで(b) 前記管の内部領域を冷却しながら
    前記管の外部領域を少なくともα+β相範囲にまで選択
    的に加熱する工程を含むジルコニウム合金管の加工方
    法。
  9. 【請求項9】 累積規格化焼なまし時間が少なくとも約
    5×10-17 時間である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 外部領域を選択的に加熱する工程が誘
    導コイル加熱器内で行なわれる請求項8記載の方法。
JP08120194A 1993-04-23 1994-04-20 亀裂成長抵抗性に優れたジルカロイ管の製造方法 Expired - Fee Related JP3844256B2 (ja)

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