JPH0790342B2 - シームレスパイプ用連続鋳造鋳片の製造方法 - Google Patents

シームレスパイプ用連続鋳造鋳片の製造方法

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JPH0790342B2
JPH0790342B2 JP1045181A JP4518189A JPH0790342B2 JP H0790342 B2 JPH0790342 B2 JP H0790342B2 JP 1045181 A JP1045181 A JP 1045181A JP 4518189 A JP4518189 A JP 4518189A JP H0790342 B2 JPH0790342 B2 JP H0790342B2
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信司 小島
敏胤 松川
俊生 藤村
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、シームレスパイプの素材として好適な連続
鋳造鋳片の有利な製造方法に関するものである。
(従来の技術) シームレスパイプは、素材ビレットをプレス穿孔法や傾
斜ロール穿孔法、プレスロール穿孔法などで穿孔し、つ
いで拡管することにより製造される。
ところで上記のシームレスパイプの製造に当たっては、
とくに穿孔プラグの寿命および素材鋳片の中心部の空孔
性欠陥に起因して発生するパイプ内面疵が問題となる。
プラグ寿命については、プラグ材質の高強度化や耐熱負
荷化、されにはプラグ形状の最適化を図り、穿孔時にお
けるプラグへの負荷を低減することによって、寿命の延
長が図られているが、それでも穿孔プラグの寿命は通
常、ビレット本数で40〜100本程度と短く、その一層の
向上が望まれていた。
またパイプの内面疵は、鋳片内部に存在する気孔部が加
熱時に酸化されて生じたスケールに起因して発生するこ
とから、連鋳時に電磁撹拌を適用したり、低温鋳造を利
用して、鋳片中心部における空孔性欠陥の発生を抑制す
ることで対処しているが、未だ十分とはいい難かった。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、上記の問題を有利に解決するもので、プラ
グ寿命の延長は勿論のこと、パイプ内面疵の発生を効果
的に防止できるシームレスパイプ用連続鋳造鋳片の有利
な製造方法を提案することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、従来から出願人が提案している連続鍛圧技
術(たとえば特開昭63−183765号公報)に関する実験の
際に、新たに見出された新規な知見に基いて開発された
ものである。
すなわち上記の連続鍛圧法は、負偏析を含めた中心偏析
の解消を目指した技術であるが、発明者らは上記技術に
関する種々の実験、検討の際、鋳造段階で鋳片中心部に
積極的に負偏析を生じさせると中心部の変形抵抗が大幅
に低減すると共に変形能が増大し、穿孔が極めて容易に
行い得ることを見出し、この知見に基いてこの発明を完
成させるに至ったのである。
すなわちこの発明は、連続鋳造鋳型から引抜いた鋳片
を、該鋳片内部が凝固を完了する前に、下記の条件下に
連続して鍛圧することからなるシームレスパイプ用連続
鋳造鋳片の製造方法である。
ここでd:未凝固厚み(mm) D:鍛造前の鋳片厚み(mm) δ:鍛圧量(mm) 以下この発明を具体的に説明する。
さて連続鍛圧の特徴は、第1図a,bに示すように、鍛圧
金型1を用いて連鋳鋳片2のクレータエンドを圧下する
ものであるが、圧下した際の内部割れ防止の点で凝固界
面に割れが発生しないことが前提であり、従ってδ/dを
0.5以上として鍛圧を行うことは、従来の連続鍛圧と同
様である。
第2図に、鍛圧加工における圧下量(δ)と鋳片1の中
心部の未凝固厚み(d)の比(δ/d)と圧下位置におけ
る鋳片の中心部の固相率(fs)との関係を示す。
ここで上記した鋳片の中心部の固相率(fs)とは具体的
に、鋳片の中心部の温度が鋼種によって決まる液相線温
度と固相線温度の間のどの位置にあるかを表わす指標で
あり、例えば固相率1.0は該温度が固相線温度であるこ
とを、0.5は液相線温度と固相線温度の中間であること
を示す。
同図より明らかなように、δ/dを0.5以上とすれば、凝
固界面における割れの発生を防止することができる。
次に、δ/d≧0.5の条件下で鍛圧を行ったときの、圧下
位置における鋳片中心部の固相率(fs)と鋳片の厚み中
心部の炭素偏析比(C/CO)との関係について調べた結果
を、第3図に示す。
同図より明らかなように、C/CO<1の負偏析を生じさせ
る状態はfs<0.7であるが、この程度では負偏析の発生
はほとんどなく、この発明で所期したほどの被穿孔性の
改善は望み難い。そこでこの発明では、C/CO<0.8すな
わち固相率fs<0.45となる程度に、積極的に負偏析を生
じさせるものとした。
ところで通常の連鋳操業においては、鋳片の中心部の固
相率を直接コントロールすることは極めて難しい。そこ
でこの発明では、fsに代えて、fsを決定する主要因であ
る鋳込むべき鋳片の厚みおよび鋳片中心部の未凝固厚み
で負偏析の程度を制御するものとした。
第4図に、圧下前の鋳片厚みD(mm)と鋳片中心未凝固
厚さd(mm)とが、負偏析の生成状況に及ぼす影響につ
いて調べた結果を、整理して示す。
同図より明らかなように、 の領域でC/CO<0.8の負偏析状態が得られている。
従ってこの発明で所期した程度の負偏析状態を得るため
には、未凝固厚みが上記の範囲を満足する位置で、δ/d
≧0.5を満たす圧下を加えればよいわけである。
とはいえC/COが0.7を下回るほど負偏析濃度が高まる
と、製品の品質が低下するだけでなく、穿孔時および穿
孔後のスケールロスが増すので、負偏析濃度はC/CO=0.
7すなわち を上限とした。
なおこの発明では、連続鋳造時に、電磁撹拌を加え、溶
鋼流動による負偏析帯の生成作用を利用することもでき
る。
実施例 表1に示す組成になる溶鋼を、湾曲半径が10.5mの3ス
トランド連鋳機を用いて、次の条件 .断面サイズ:厚み(D)350mm、幅450mm ・鋳造速度:1m/min で鋳造しつつ、この連鋳機の下流に配置した鍛圧機で、
次の条件下に ・鍛圧位置における未凝固厚み(d):175mm ・鍛圧量(δ):50mm/片側(100mm/両側) 鍛圧処理を施した。
次いで丸ビレットに成形したのち、マンネスマンプラグ
ミル方式で、外径:241.8mm、肉厚:18mmのパイプに仕上
げた。
上記のようにしてシームレスパイプを製造したときのプ
ラグ寿命と製品の内表面欠陥発生率について調べた結果
を表2に示す。
なお表2には、連続鋳造後に鍛圧処理を加えない従来法
に従って製造した場合の調査結果も併せて示す。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、鋳片中心部に負偏析を積極
的に生成させることによって変形抵抗の低減および変形
能の増大が達成できるので、穿孔時におけるプラグへの
負荷の低減ひいてはプラグ寿命の大幅な延長が実現され
る。また連続鍛圧によって中心部における空孔性欠陥を
皆無にできるので、空孔部に起因したスケールの発生も
なく、従ってパイプ内面疵の発生も効果的に防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは、この発明に従う鍛圧要領の説明図、 第2図は、凝固界面割れに及ぼす固相率(fs)と圧下量
−未凝固厚み比(δ/d)との関係を示したグラフ、 第3図は、固相率(fs)と偏析比(C/CO)との関係を示
したグラフ、 第4図は、負偏析の生成状況に及ぼす圧下前の鋳片厚み
(D)と未凝固厚み(d)との関係を示したグラフであ
る。 1……鍛造金型、2……連鋳鋳片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 俊生 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭63−183765(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造鋳型から引抜いた鋳片を、該鋳片
    内部が凝固を完了する前に、下記の条件下に連続して鍛
    圧することを特徴とするシームレスパイプ用連続鋳造鋳
    片の製造方法。 記 ここでd:未凝固厚み(mm) D:鍛造前の鋳片厚み(mm) δ:鍛圧量(mm)
JP1045181A 1989-02-28 1989-02-28 シームレスパイプ用連続鋳造鋳片の製造方法 Expired - Fee Related JPH0790342B2 (ja)

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JPH0659538B2 (ja) * 1986-09-04 1994-08-10 川崎製鉄株式会社 連続鋳造における鋳片の連続鍛圧方法

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