JPH0790162A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0790162A
JPH0790162A JP5261940A JP26194093A JPH0790162A JP H0790162 A JPH0790162 A JP H0790162A JP 5261940 A JP5261940 A JP 5261940A JP 26194093 A JP26194093 A JP 26194093A JP H0790162 A JPH0790162 A JP H0790162A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
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weight
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JP5261940A
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English (en)
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Kouichi Yamashita
晃市 山下
Osamu Miyama
治 三山
Shin Hasegawa
慎 長谷川
Masahiro Asada
正博 浅田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアリレート(A)と、ゲルマニウム化合
物を重合触媒とし、80モル%以上のエチレンテレフタ
レート繰り返し単位を有する共重合ポリエステル(B)
とからなる樹脂組成物100重量部に対して、グラフト
共重合体(C)1〜50重量部及び(D)無機系結晶化
核剤が0.01〜10重量部を添加してなる熱可塑性樹
脂組成物。 【効果】 耐熱変形性に優れたプラスチック成形品を与
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアリレート、共重合
ポリエステル、グラフト共重合体、及び無機系結晶化核
剤からなる熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しく
は、100℃以下の金型温度で成形しても組成物中の共
重合ポリエステルの結晶化が充分に進み、高い熱変形温
度を持つ改良された熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリレートと共重合ポリエステル
(例えばポリエチレンテレフタレート)とからなる樹脂
組成物は、特開昭48−54159号公報、特開昭49
−23844号公報、特開昭49−61247号公報、
特開昭50−15834号公報で既に公知である。かか
る樹脂組成物は相溶系であるために、ポリアリレートと
ポリエチレンテレフタレートの組成比に応じた耐熱性と
成形流動性を有することが知られている。さらに特公昭
59−5619号公報には、該組成物に対して耐衝撃性
を付与するために、不飽和ゴム骨格上にビニル芳香族
体、アクリレート、不飽和ニトリルまたはこれらの混合
物をグラフトした共重合体を添加する方法が開示されて
いる。
【0003】しかしながら、上記のいずれの系において
も、ポリアリレートの相溶化によってポリエチレンテレ
フタレートの結晶化が進まず、熱変形温度が低いことが
判明した。この問題点を解決する方法、すなわちポリエ
チレンテレフタレートの結晶化を進めて耐熱性を改善す
る方法の提案がなされている。例えば、特開昭61−2
41353号公報や特開昭61−283652号公報に
おいては、無機系結晶化核剤とカルボキシル基の金属塩
を有する有機核剤を併用することが提案されている。し
かしながら、カルボキシル基の金属塩を有する有機核剤
は、ポリエチレンテレフタレートの分子量を低下させる
ことが特公昭44−7542号公報などで知られてお
り、衝撃性等の物性に悪影響を与える。また、中でもカ
ルボキシル基のNa塩を有する有機核剤は、ポリアリレ
ートとポリエチレンテレフタレートのエステル交換反応
を促進し系を相溶化させることが判明した。またポリエ
チレンテレフタレートの重合触媒として、金属、脂肪酸
金属、炭酸金属塩、及び金属酸化物が用いられるが、こ
れらはエステル交換反応触媒であるため、その多くは系
の相溶化を促進させ、充分な耐熱変形温度を有する樹脂
組成物を得ることができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
金型温度が100℃以下でも充分に結晶化が進み、熱変
形温度、耐薬品性、寸法安定性、成形品の表面性に優れ
る樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、ポリアリレ
ート、重合触媒としてゲルマニウム化合物を使用し、8
0モル%以上のエチレンテレフタレート繰り返し単位を
有する共重合ポリエステル、不飽和ゴム骨格上にビニル
芳香族体、アクリレート、不飽和ニトリルまたはこれら
の混合物をグラフトしてなる、約7000kg/cm2 (約
100000psi)以下の引張弾性率を有するグラフト共
重合体、及び無機系結晶化核剤からなる熱可塑性樹脂組
成物は、驚くべきことに、ポリアリレートと共重合ポリ
エステルとの相溶化が抑えられるため、ポリアリレート
のガラス転移温度が高い温度に維持され、かつ100℃
以下の金型温度で成形しても無機結晶核剤の働きによる
共重合ポリエステルの結晶化が充分に進むために高い熱
変形温度を持ち、しかも高い衝撃強度を保つことを見出
し本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリア
リレート(A)10〜90重量部と、重合触媒としてゲ
ルマニウム化合物を使用し、80モル%以上のエチレン
テレフタレート繰り返し単位を有する共重合ポリエステ
ル(B)90〜10重量部からなる樹脂組成物100重
量部に対し、不飽和ゴム状骨格上にビニル芳香族体、ア
クリレート、不飽和ニトリルまたはこれらの混合物をグ
ラフトしてなる、約7000kg/cm2 (約100000
psi)以下の引張弾性率を有するグラフト共重合体(C)
3〜40重量部、及び無機系結晶化核剤(D)0.01
〜10重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を内容とする
ものである。
【0006】本発明に用いられるポリアリレート(A)
は、例えば、ビスフェノール類またはその誘導体と、芳
香族ジカルボン酸またはその誘導体とを重縮合反応させ
て合成される。本発明に用いられるビスフェノール類と
しては、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、XはO,S,SO2 ,CO,C1
〜C20のアルキレン基、及びC6 〜C20のアルキリデン
基よりなる群より選ばれ、R1 〜R8 は水素原子、ハロ
ゲン原子、及びC1 〜C4 の炭化水素基よりなる群より
選ばれる。)で示される従来から既知の種々のものを用
いることができる。
【0009】具体的には例えば、2,2−ビス(4′−
ヒドロキシフェニル)プロパン(別名「ビスフェノール
A」)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キシルメタン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)スルホン、4,4′−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシ−3′,
5′−ジメチルフェニル)プロパン等が挙げられる。上
記ビスフェノール類の誘導体としては、それらのジアセ
テート等が挙げられる。これらは単独または2種以上組
み合わせて用いられる。更に、必要に応じて、少量の
4,4′−ビフェノール、ヒドロキノン、レゾルシノー
ル、2,6−ジヒドロキシナフタレン等の2価の化合物
を前記ビスフェノール類またはその誘導体と併用しても
よい。
【0010】本発明に用いられる芳香族ジカルボン酸と
しては、従来から既知の種々のものを用いることができ
る。例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニル
エーテル−4,4′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−
4,4′ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸等が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸の中
で、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましい。上記芳香
族ジカルボン酸の誘導体としては、例えばそれらのジク
ロリド、アルキル化物、アリール化物等が挙げられる。
これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明に用いられるポリアリレートは、界面重縮合法、
溶液重合法等の従来から既知の重合法を用いて製造する
ことができる。但し、溶液粘度は固有粘度で0.2〜
1.5(クロロホルム溶液、30℃)の範囲のものが耐
衝撃性、耐熱変形性、成形性等から好ましい。
【0011】本発明に用いられる共重合ポリエステル
(B)は、重合触媒としてゲルマニウム化合物を使用
し、80モル%以上のエチレンテレフタレート繰り返し
単位を有する共重合ポリエステルである。エチレンテレ
フタレート繰り返し単位が80モル%未満であると分子
鎖の規則性が乱れ、共重合ポリエステルの結晶化が阻害
される。
【0012】共重合成分としては、従来から既知の種々
の酸成分及び/またはグリコール成分が広く用いられ
る。例えば、酸成分としてはイソフタル酸、ナフタレン
1,4−ジカルボン酸、ナフタレン2,5−ジカルボン
酸、ジフェニルエーテル4,4′−ジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等が挙げられ、グリコール成分とし
ては、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル−2,8,5,6−テ
トラブロモフェニル)プロパン等が挙げられ、これらは
単独または2種以上組み合わせて用いられる。このよう
な共重合ポリエステルとしては、耐熱性、成形性のバラ
ンスから特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0013】本発明に用いられる共重合ポリエステル
は、製造の際の重合触媒がゲルマニウム化合物であれば
通常用いられる任意の方法で製造される。その中でも特
に生産性、重合度のバランスから、一般に最も多く採用
されている溶融重合法もしくは固相重合法により製造さ
れることが望ましい。特に重合触媒がゲルマニウム化合
物であることが重要である。通常用いられる重合触媒、
例えばアンチモン化合物等を用いた共重合ポリエステル
は、ポリアリレートとのエステル交換反応が進むため、
ポリアリレートのガラス転移温度の低下が起こり、さら
に共重合ポリエステル相にポリアリレートが相溶するこ
とにより無機結晶核剤の効果が薄れ、その結果、耐熱変
形性が低くなる。ゲルマニウム化合物の具体例として
は、酸化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム、炭酸ゲルマ
ニウム等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み
合わせて用いられる。また、これらの共重合ポリエステ
ルの固有粘度は0.3〜1.5dl/g〔フェノール/テ
トラクロロエタン=6/4(重量比)、25℃〕の範囲
にあることが好ましく、特に0.4〜1.2dl/gの範
囲にあることが好ましい。固有粘度が0.3未満の場合
には充分な衝撃強度が得られず、また1.5を越えると
樹脂組成物の成形流動性が低下するため好ましくない。
【0014】本発明に用いられるグラフト共重合体
(C)は、不飽和ゴム状骨格上にグラフトしたビニル芳
香族体、アクリレート、不飽和ニトリルまたはそれらの
混合物からなるものであり、かつ約7000kg/cm
2 (約100000psi)以下、好ましくは約1050kg
/cm2 (15000psi)〜約7000kg/cm2 (約10
0000psi)の引張弾性率を有するものである。不飽和
ゴム骨格としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチ
レンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリ
マー、ポリイソプレン等が挙げられ、これらは単独また
は2種以上組み合わせて用いられる。
【0015】不飽和ゴム状骨格上にグラフトされる構成
成分は、スチレン、αメチルスチレン、アルキルスチレ
ンまたはそれらの2種以上の混合物のようなビニル芳香
族体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メチルメタクリレートまたはそれらの
2種以上の混合物のようなアクリレート;アクリロニト
リル、メタクリロニトリルまたはそれらの2種以上の混
合物のような不飽和ニトリルから選択される。これらビ
ニル芳香族体は、アクリレート、及びアクリロニトリル
は単独で、または任意の組み合わせで不飽和ゴム骨格上
にグラフトさせることができる。
【0016】グラフト共重合体のグラフト成分は、成形
製品の引張弾性率が約7000kg/cm2 (約10000
0psi)を越えず、好ましくは1050kg/cm2 (150
00psi)〜約7000kg/cm2 (約100000psi)で
あるように、前記成分を約20〜60重量%含有する。
引張弾性率が約7000を越えると衝撃改良効果が充分
でなくなる。グラフト共重合体(C)の添加量は、ポリ
アリレート(A)10〜90重量部、共重合ポリエステ
ル(B)90〜10重量部からなる樹脂組成物100重
量部に対して1〜50重量部であり、好ましくは3〜3
0重量部である。グラフト共重合体(C)の添加量が1
重量部未満では衝撃改良の効果が充分でなく、50重量
部を越えると耐熱変形性の低下が著しいため好ましくな
い。
【0017】本発明で用いられる無機系結晶化核剤
(D)としては、例えばタルク、マイカ、カーボンブラ
ック、シリカ、ケイ酸塩、石英粉、ケイ藻土、ドロマイ
ト粉、アルミナ等を挙げることができ、これらは単独ま
たは2種以上組み合わせて使用することができるが、中
でもタルクを使用することが好ましい。無機系結晶化核
剤の平均粒子径は、30μm以下のものが好ましい。3
0μmを越えるとその効果が小さくなる。ただし、ここ
でいう平均粒子径とは、球状または円盤状であれば直径
を、立方体状であれば一辺の長さを、板状または短冊状
であれば投影面積径を、針状または桂状であれば長径
を、繊維状であれば繊維長を表すものである。無機系結
晶化核剤の配合量は、前記成分(A)、(B)からなる
樹脂組成物100重量部に対し0.01〜10重量部で
ある。無機系結晶化核剤が0.01重量部未満であると
成形時の共重合ポリエステル結晶化が不充分であり、熱
変形温度や耐薬品性が低くなり、また10重量部を越え
ると、成形品の表面性や耐衝撃性が著しく低下する。
【0018】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製法は特に
限定されないが、溶融混合法を用いることが最も好まし
く、例えば押出機、熱ロール、ブラベンダー、バンバリ
ーミキサーなどの従来から既知の各種ブレンダーを用い
て溶融混合すれば良い。また必要に応じて、本発明の目
的を損なわない程度で、本発明組成物に、ワックス等の
滑剤、燐系、フェノール系等の安定剤、紫外線吸収剤、
顔料、難燃化剤、可塑剤、無機質充填剤、強化繊維等を
添加し、別途新たな機能性を当該樹脂組成物に付与して
もよい。本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形
品は、特に高い熱変形温度を持ち、その他耐衝撃性、成
形時の流動性に優れており、例えば自動車部品、機械部
品、電気・電子機器部品などに好適な成形材料を与え
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施
可能である。
【0020】実施例1〜9、比較例1〜9 1.樹脂組成物の製造 下記に示すポリアリレート(A−1)、ポリエチレンテ
レフタレート(B−1〜B−5)、ブタジエンをベース
としたグラフト共重合体(C−1、C−2)、無機系結
晶化核剤(D−1)を表1、表2に示す所定の割合でド
ライブレンドし、2軸押出機(日本製鋼所製、TEX4
4)を用いて260℃の温度下で溶融混練して押し出
し、ペレット状の樹脂組成物を製造した。
【0021】<ポリアリレート(PAR)A−1>ビス
フェノールAと、イソフタル酸ジクロリド及びテレフタ
ル酸ジクロリド(8/2モル比)からなる混合物とをモ
ル比1:1で重縮合反応を行いポリアリレート(固有粘
度:0.63)を作製した。
【0022】<ポリエチレンテレフタレートB−1>鐘
紡株式会社製、ベルペットEFG−10(固有粘度
0.60、重合触媒ゲルマニウム化合物) <ポリエチレンテレフタレートB−2>鐘紡株式会社
製、ベルペットEFG−6(固有粘度 0.70、重合
触媒 ゲルマニウム化合物) <ポリエチレンテレフタレートB−3>鐘紡株式会社
製、ベルペットEFG−7(固有粘度 0.74、重合
触媒 ゲルマニウム化合物) <ポリエチレンテレフタレートB−4>クラレ株式会社
製、クラペットKL226R(固有粘度 0.60、重
合触媒アンチモン化合物) <ポリエチレンテレフタレートB−5>鐘紡株式会社
製、PBK−II(固有粘度 0.65、重合触媒 アン
チモン化合物)
【0023】<グラフト共重合体C−1>鐘淵化学工業
株式会社製、カネエースB−56〔ブタジエン/メチル
メタクリレート/スチレン共重合体 引張弾性率約10
0kg/cm2 (約1450psi)〕 <グラフト共重合体C−2>鐘淵化学工業株式会社製、
カネエースM−511〔ブタジエン/メチルメタクリレ
ート/スチレン共重合体 引張弾性率約100kg/cm2
(約1450psi)〕〕
【0024】<無機系結晶化核剤D−1> タルク:富士タルク株式会社製、LMS200(平均粒
子径1.5〜1.8μm)
【0025】2.物性の測定 上記1で作製したペレット状の樹脂組成物を、140℃
の温度で8時間除湿乾燥し、ポリアリレート相のガラス
転移温度(Tg)を以下に示した方法で測定した。ま
た、同条件で乾燥したペレット状のポリエステル組成物
を射出成形して試験片を作製し、各試験片について以下
に示した方法で熱変形温度(HDT)、アイゾット衝撃
強度、高速面衝撃特性(HRIT)を測定した。
【0026】(1)樹脂組成物におけるPAR相のTg シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で成形
したASTM1号ダンベルの中心部を切り出し、動的粘
弾性測定装置(Polymer Labolatories社製、DMTA MK-I
I)測定温度30〜200℃、昇温速度2℃/min 、周
波数10Hz、曲げモードでtanδを測定した。そして
160〜190℃付近に現れるtanδピークをPAR
相のガラス転移温度(Tg)とした。この値は、相溶化
の程度の尺度となることが知られている。
【0027】(2)熱変形温度(HDT) ASTM D−648に準じ、シリンダー温度280
℃、金型温度80℃の条件で成形した厚さ1/4インチ
の試験片について、荷重4.6kg/cm2 下で測定した。
また上記と同様の試験片を140℃で4時間アニール
し、荷重4.6kg/cm2下で測定した。
【0028】(3)アイゾット衝撃強度 シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で成形
したASTM1号ダンベルの中心部を切り出し側面にV
ノッチを入れた厚さ1/8インチの試験片について23
℃、及び−30℃でアイゾット衝撃強度を測定した。
【0029】(4)高速面衝撃特性(HRIT) シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で成形
した120×120×3mmの試験片を内径38.1mmの
支持枠で固定し、先端径が15.9mmのストライカーに
より5m/sの速度で打ち抜いた時の全吸収エネルギー
を求めた。測定温度は23℃と−30℃で行った。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱可塑性
樹脂組成物はプラスチック成形材料として、射出成形、
押出成形、吹込成形、圧縮成形などの各種成形法により
成形した場合、耐熱変形性に優れたプラスチック成形品
を得ることができ、自動車部品、機械部品、電気・電子
部品などの各種分野に好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明で用いられる無機系結晶化核剤
(D)としては、例えばタルク、マイカ、カーボンブラ
ック、シリカ、ケイ酸塩、石英粉、ケイ藻土、ドロマイ
ト粉、アルミナ等を挙げることができ、これらは単独ま
たは2種以上組み合わせて使用することができるが、中
でもタルクを使用することが、共重合ポリエステルの結
晶化を促進し耐熱性を高める点で好ましい。無機系結晶
化核剤の平均粒子径は、30μm以下のものが好まし
い。30μmを越えるとその効果が小さくなる。ただ
し、ここでいう平均粒子径とは、球状または円盤状であ
れば直径を、立方体状であれば一辺の長さを、板状また
は短冊状であれば投影面積径を、針状または桂状であれ
ば長径を、繊維状であれば繊維長を表すものである。無
機系結晶化核剤の配合量は、前記成分(A)、(B)か
らなる樹脂組成物100重量部に対し0.01〜10重
量部である。無機系結晶化核剤が0.01重量部未満で
あると成形時の共重合ポリエステル結晶化が不充分であ
り、熱変形温度や耐薬品性が低くなり、また10重量部
を越えると、成形品の表面性や耐衝撃性が著しく低下す
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】2.物性の測定 上記1で作製したペレット状の樹脂組成物を、140℃
の温度で8時間除湿乾燥したものを射出成形して試験片
を作成し、各試験片について以下に示した方法でポリア
リレート(PAR)相のガラス転移温度(Tg)、熱変
形温度(HDT)、アイゾット衝撃強度、高速面衝撃特
性(HRIT)を測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:04)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(I) 【化1】 (式中、XはO,S,SO2 ,CO,C1 〜C20のアル
    キレン基、及びC6 〜C20のアルキリデン基よりなる群
    より選ばれ、R1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、及
    びC1 〜C4 の炭化水素基よりなる群より選ばれる。)
    で示される2価フェノールまたはその誘導体と、芳香族
    ジカルボン酸またはその誘導体とからなるポリアリレー
    ト10〜90重量部と、(B)ゲルマニウム化合物を重
    合触媒とし、80モル%以上のエチレンテレフタレート
    繰り返し単位を有する共重合ポリエステル90〜10重
    量部からなる樹脂組成物100重量部に対して、(C)
    不飽和ゴム状骨格上にビニル芳香族体、アクリレート、
    不飽和ニトリルまたはこれらの混合物をグラフトしてな
    る、7000kg/cm2 (100000psi)以下の引張弾
    性率を有するグラフト共重合体1〜50重量部、及び
    (D)平均粒径30μm以下の無機系結晶化核剤0.0
    1〜10重量部を添加してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(C)のグラフト共重合体中のビニ
    ル芳香族体が、スチレン、αメチルスチレン、アルキル
    スチレン、またはそれらの混合物から選択される請求項
    1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(C)のグラフト共重合体中のアク
    リレートが、メチルアクリレート、エチルアクリレー
    ト、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートまたは
    それらの混合物から選択される請求項1記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(C)のグラフト共重合体中の不飽
    和ニトリルが、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
    ル、またはそれらの混合物から選択される請求項1記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分(C)のグラフト共重合体中の不飽
    和ゴム状骨格が、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレ
    ンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマ
    ー、ポリイソプレン、またはそれらの混合物から選択さ
    れる請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(C)のグラフト共重合体が、10
    50kg/cm2 (15000psi)〜7000kg/cm2 (1
    00000psi)の引張弾性率を有する請求項1記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分(D)の無機系結晶化核剤が成分
    (B)の共重合ポリエステル相に存在する量が、樹脂組
    成物中の共重合ポリエステル重量部数の0.01%以上
    である請求項1〜6記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 成分(B)の共重合ポリエステルがポリ
    エチレンテレフタレートである請求項1〜7記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 成分(D)の無機系結晶化核剤がタルク
    である請求項1〜8記載の熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101150290B1 (ko) * 2008-08-28 2012-05-25 주식회사 엘지화학 광학 필름용 수지 조성물 및 이를 포함하는 광학 필름

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