JPH07188522A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH07188522A
JPH07188522A JP33126293A JP33126293A JPH07188522A JP H07188522 A JPH07188522 A JP H07188522A JP 33126293 A JP33126293 A JP 33126293A JP 33126293 A JP33126293 A JP 33126293A JP H07188522 A JPH07188522 A JP H07188522A
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JP
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polyester resin
mol
diol
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resin
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JP33126293A
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English (en)
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Yasutoku Hosokawa
泰徳 細川
Fumito Suzuki
文人 鈴木
Takahiro Sato
孝洋 佐藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、剛性、寸法安定性、成形加工性、
光沢、環境特性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供
する。 【構成】 ポリエステルを構成するジカルボン酸成分の
主成分がテレフタル酸であり、ジオール成分の3〜80モ
ル%がビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’
−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン等のエチレ
ンオキシド1〜5モル付加物 パラキシリレングリコー
ル等から選ばれるジオールであるポリエステル樹脂
(A)とポリアリレート樹脂(B)とを99:1〜50:50
の重量比でブレンドした樹脂100 重量部に対し、ガラス
転移温度が0℃以下の樹脂(C)1〜30重量部を配合し
てなるポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、剛性、寸法
安定性、成形加工性、光沢、環境特性に優れたポリエス
テル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
チレンはシート、フィルム、容器、射出成形品等種々の
成形体に幅広く用いられている汎用樹脂であるが、省資
源、ゴミ量低減等を考え少しでも材料を薄肉化しようと
すると剛性の不足、耐衝撃性の不足から限界がある。一
方、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の芳香族
ポリエステルは、ポリエチレンと比較して弾性率、降伏
点応力、破断強度等に優れ剛性の高い材料と言え、ポリ
エチレンよりは薄肉化に適するが、無延伸状態で比較す
ると衝撃強度は逆にポリエチレンよりも弱く、高衝撃強
度が必要な用途に使用するには限界があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、耐衝撃性、剛性、
寸法安定性、成形加工性、光沢、環境特性等に優れたポ
リエステル樹脂組成物を見出し、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、ポリエステルを構成するジカル
ボン酸成分の主成分がテレフタル酸であり、ジオール成
分の3〜80モル%が式(I)で表されるジオール、式
(II)で表されるジオール及び式(III) で表されるパラ
キシリレングリコールからなる群から選ばれる少なくと
も1種であるポリエステル樹脂(A)とポリアリレート
樹脂(B)とを99:1〜50:50の重量比でブレンドした
樹脂 100重量部に対し、ガラス転移温度(Tg)が0℃
以下の樹脂(C)を1〜30重量部配合してなることを特
徴とするポリエステル樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0004】
【化5】
【0005】ここで本発明のポリエステル樹脂(A)を
構成するジカルボン酸成分の主たる成分はテレフタル酸
であるが、他に20モル%未満の範囲で他のジカルボン酸
成分を含有してもよい。他のジカルボン酸成分として
は、イソフタル酸、1,5−,1,6−, 1,7−,
2,6−及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、フタル
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジブロモイソフタル
酸、ナトリウム−スルホイソフタル酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、フェニレンジオ
キシジ酢酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバ
シン酸、コハク酸、グルタル酸、ピペリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸
等の脂肪族ジカルボン酸の単独又は2種以上の混合物が
あげられる。
【0006】また、本発明のポリエステル樹脂(A)を
構成するジオール成分の3〜80モル%、好ましくは3〜
70モル%、さらに好ましくは3〜50モル%は、前記式
(I)で表されるジオール、式(II)で表されるジオール
及び式(III) で表されるパラキシリレングリコールから
なる群から選ばれる少なくとも1種であり、これらを併
用して用いることも可能である。
【0007】式(I)で表されるジオールの具体的な例
としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等のエチレンオキシド付加物が挙げられ、
式(II)で表されるジオールの具体的な例としては、ハ
イドロキノンのエチレンオキシド付加物が挙げられる。
ここでアルキレンオキシドの付加モル数n及びmは1〜
5であり、1〜3が耐熱性の点から特に好ましい。これ
らのジオール成分の中で特に下記式 (IV) 、(V)又は
(VI) で表されるジオール、パラキシリレングリコール
が好ましい。
【0008】
【化6】
【0009】本発明のポリエステル樹脂(A)を構成す
るその他のジオール成分としては、エチレングリコール
が好ましく用いられるが、20モル%未満の範囲であれば
他のジオール成分を共重合してもよい。他のジオール成
分としては、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂環式グリコール、o,m−キシリレングリコー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン等の芳香族グリコールの単独又は2種以上の混
合物があげられる。
【0010】本発明のポリエステル樹脂(A)を構成す
るジオール成分中の式(I)で表されるジオール、式
(II)で表されるジオール及び式(III) で表されるパラ
キシリレングリコールからなる群から選ばれる少なくと
も1種の導入量が3モル%未満、あるいは80モル%を越
えると、改質効果が小さくなる。即ち、力学的特性、特
に耐衝撃性の低下が生じる。さらに本発明のポリエステ
ル樹脂(A)中には、グリコール酸、ヒドロキシ安息香
酸、ヒドロキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸、
ハイドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェ
ニル、ジヒドロキシジフェニルエーテル等のジフェノー
ルを共重合成分として含んでいてもよい。
【0011】なお、これらのモノマーを用いてポリエス
テル樹脂(A)を合成する方法については、直接重縮合
法、エステル交換法等、一般のポリエステルを合成する
方法であればいかなる方法を用いてもよい。本発明のポ
リエステル樹脂(A)は、フェノール/テトラクロロエ
タン(重量比6/4)の混合溶媒中で25℃で測定した極
限粘度が 0.5dl/g以上であることが好ましい。極限粘
度が 0.5dl/g未満であると、得られたポリエステル樹
脂組成物の力学的特性の低下を招き好ましくない。
【0012】本発明で用いられるポリアリレート樹脂
(B)は、全芳香族ポリエステル樹脂のことであり、酸
成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−,
1,6−,1,7−,2,6−及び2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、フタル酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、ジブロモイソフタル酸、ナトリウム−スルホイソフ
タル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフ
ェニルケトンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカル
ボン酸、フェニレンジオキシジ酢酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、二価フェノールとしてはビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノン、レゾル
シノール等をあげることができるが、この中で酸成分と
してテレフタル酸とイソフタル酸、二価フェノールとし
てビスフェノールAを用いたポリアリレート樹脂が最も
好ましい。
【0013】ポリエステル樹脂(A)とポリアリレート
樹脂(B)の配合比率は重量比で(A):(B)=99:
1〜50:50の範囲で用いられる。ポリアリレート樹脂
(B)の配合量を増やして行くと耐熱性を高めることが
できるが、配合割合が上記範囲より多くなると逆に成形
性が損なわれる。またポリアリレート樹脂(B)の配合
割合が上記範囲より少ないとTgが0℃以下の樹脂
(C)の分散状態が悪い場合には衝撃強度が低下してし
まう。
【0014】本発明で用いられるTgが0℃以下の樹脂
(C)としては、示差熱分析(DSC)のような熱的方
法でTgが0℃以下と認められる材料であればいずれで
も用いることができる。なお、ここでDSCによるTg
は図1に示すような接線の交点と定義している。このよ
うな樹脂(C)としては具体的には、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸金属塩共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、ポリブチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、A
BS樹脂、MBS系ゴム、SB系ゴム、ポリイソプレン
系ゴム、ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム、ポリ
エチレングリコール、ポリブチレングリコール等をあげ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
また、コアーシェル型のゴムや、多相構造の樹脂の場合
は主成分のTgが0℃以下であれば用いることができ
る。例えば、MBS系ゴムはBSのコア部分にメタクリ
ル酸メチルをグラフト化したコアーシェル型であるが、
コアのBS部分はTgが0℃以下なので有効に用いるこ
とができる。上記具体例の中では、MBS系ゴム、アク
リル系ゴム、エチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体、ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート
共重合体が好ましく用いられる。
【0015】本発明の組成物中の、Tgが0℃以下の樹
脂(C)のブレンド量としては、ポリエステル樹脂
(A)とポリアリレート樹脂(B)の合計量 100重量部
に対し、1〜30重量部、好ましくは5〜15重量部であ
る。1重量部未満の配合量であれば、衝撃強度に対する
改質効果は小さく、30重量部を越えると逆に剛性が低下
する。これらの樹脂(A)、(B)及び(C)のブレン
ド方法としては、あらかじめ溶融ブレンドしても成形機
のホッパーでドライブレンドするだけでもよい。あらか
じめ溶融ブレンドする場合には、例えば一軸押出機、二
軸押出機、オープンロール、ニーダー、ミキサー等いず
れも採用することができる。また、ブレンドする際、樹
脂(A)、(B)、(C)を同時に混練しても、まず2
成分を混練したのち3成分目を混練してもかまわない。
また本発明のポリエステル樹脂組成物には必要に応じ
て、種々の添加剤、例えば着色剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等を配合することができ
る。
【0016】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は耐衝
撃性、剛性のバランス、寸法安定性、成形加工性、光沢
に優れ、例えばポリエチレンが使用されている様々な用
途、すなわち射出成形体、シート、フィルム、容器等に
ポリエチレンに代わって使用することができ、しかも燃
焼カロリーがポリエチレンよりも低いポリエステル系素
材なので、環境特性にも優れたものである。
【0017】
【実施例】以下、ポリエステル樹脂(A)及び樹脂
(C)の製造例、及び本発明の実施例により本発明を更
に詳細に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を限
定するものではない。なお、ポリマーの極限粘度はフェ
ノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒
を用い、25℃で測定した。
【0018】ポリエステル樹脂(A)の製造例 製造例1 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えた反応装置にテレフ
タル酸ジメチル 100モル(19.42kg) 、式(VII)
【0019】
【化7】
【0020】で表されるジオールを20モル(6.32kg)、エ
チレングリコール 180モル(11.17kg)、触媒として酢酸
亜鉛と二酸化ゲルマニウムを各々10gずつ仕込んだ。窒
素気流下で 180℃に加熱してエステル交換反応を行い、
メタノールを留去した。4時間後には、ほぼ理論量のメ
タノールが留去されるのでその後 270℃に昇温し、徐々
に減圧し、 0.1〜0.3Torr で5時間重合した。得られた
ポリマーを 1H−NMRにより分析した結果、ポリエス
テルを構成するジカルボン酸残基の 100モル%がテレフ
タル酸単位であり、ジオール単位の20モル%が式(VII)
で表されるジオール単位、80モル%がエチレングリコー
ル単位であった。また極限粘度は0.75dl/gであった。
【0021】製造例2 前記式(VII) で表されるジオールとエチレングリコール
の仕込量をそれぞれ50モル(15.80kg) 、 150モル(9.31k
g)にする以外は、製造例1と同様にポリマーを合成し
た。なお、得られたポリマーを 1H−NMRにより分析
した結果、ポリエステルを構成するジカルボン酸単位の
100モル%がテレフタル酸単位であり、ジオール単位の
49モル%が式(VII) で表されるジオール単位、51モル%
がエチレングリコール単位であった。また極限粘度は0.
75dl/gであった。
【0022】製造例3 前記式(VII) で表されるジオールとエチレングリコール
の仕込量をそれぞれ5モル(1.58kg)、 195モル(12.10k
g) にする以外は、製造例1と同様にポリマーを合成し
た。なお、得られたポリマーを 1H−NMRにより分析
した結果、ポリエステルを構成するジカルボン酸単位の
100モル%がテレフタル酸単位であり、ジオール単位の
5モル%が式(VII) で表されるジオール単位、95モル%
がエチレングリコール単位であった。また極限粘度は0.
74dl/gであった。
【0023】製造例4 ジオールとして、前記式(VII) で表されるジオールと式
(VIII)
【0024】
【化8】
【0025】で表されるジオールとエチレングリコール
を用い、仕込量をそれぞれ25.5モル(8.06kg)、 4.5モル
(1.82kg)、 170モル(10.55kg) にする以外は、製造例1
と同様にポリマーを合成した。なお、得られたポリマー
1H−NMRにより分析した結果、ポリエステルを構
成するジカルボン酸単位の 100モル%がテレフタル酸単
位であり、ジオール単位の30モル%が式(VII) 又は(VII
I)で表されるジオール単位、70モル%がエチレングリコ
ール単位であった。また極限粘度は0.78dl/gであっ
た。
【0026】製造例5 ジオールとして式(IX)
【0027】
【化9】
【0028】で表されるジオールとエチレングリコール
を用い、仕込量をそれぞれ20モル(4.94kg)、 180モル
(11.17kg) にする以外は、製造例1と同様にポリマーを
合成した。なお、得られたポリマーを 1H−NMRによ
り分析した結果、ポリエステルを構成するジカルボン酸
単位の 100モル%がテレフタル酸単位であり、ジオール
単位の20モル%が式(IX)で表されるジオール単位、80モ
ル%がエチレングリコール単位であった。また極限粘度
は0.71dl/gであった。
【0029】製造例6 ジオールとして前記式(IX)で表されるジオールとエチレ
ングリコールを用い、仕込量をそれぞれ50モル(12.35k
g) 、 150モル(9.31kg)にする以外は、製造例1と同様
にポリマーを合成した。なお、得られたポリマーを 1
−NMRにより分析した結果、ポリエステルを構成する
ジカルボン酸単位の 100モル%がテレフタル酸単位であ
り、ジオール単位の48モル%が式(IX)で表されるジオー
ル単位、52モル%がエチレングリコール単位であった。
また極限粘度は0.75dl/gであった。
【0030】製造例7 ジオールとして式(X)
【0031】
【化10】
【0032】で表されるジオールとエチレングリコール
を用い、仕込量をそれぞれ20モル(3.96kg)、 180モル(1
1.17kg) にする以外は、製造例1と同様にポリマーを合
成した。なお、得られたポリマーを 1H−NMRにより
分析した結果、ポリエステルを構成するジカルボン酸単
位の 100モル%がテレフタル酸単位であり、ジオール単
位の19モル%が式(X)で表されるジオール単位、81モ
ル%がエチレングリコール単位であった。また極限粘度
は0.77dl/gであった。
【0033】製造例8 ジオールとして前記式(X)で表されるジオールとエチ
レングリコールを用い、仕込量をそれぞれ50モル(9.90k
g)、 150モル(9.31kg)にする以外は、製造例1と同様に
ポリマーを合成した。なお、得られたポリマーを 1H−
NMRにより分析した結果、ポリエステルを構成するジ
カルボン酸単位の 100モル%がテレフタル酸単位であ
り、ジオール単位の46モル%が式(X)で表されるジオ
ール単位、54モル%がエチレングリコール単位であっ
た。また極限粘度は0.75dl/gであった。
【0034】製造例9 ジオールとしてパラキシリレングリコールとエチレング
リコールを用い、仕込量をそれぞれ20モル(2.76kg)、 1
80モル(11.17kg) にする以外は、製造例1と同様にポリ
マーを合成した。なお、得られたポリマーを 1H−NM
Rにより分析した結果、ポリエステルを構成するジカル
ボン酸単位の 100モル%がテレフタル酸単位であり、ジ
オール単位の17モル%がパラキシリレングリコール単
位、83モル%がエチレングリコール単位であった。また
極限粘度は0.73dl/gであった。
【0035】樹脂(C)の製造例 製造例10(n−ブチルアクリレート−グリシジルメタ
クリレート共重合体) 攪拌翼、窒素導入口、温度計を備えた反応装置に、n−
ブチルアクリレート9モル(1.15kg)、グリシジルメタク
リレート1モル(0.14kg)、トルエン 1.5kg、開始剤とし
てAIBN 3.3gを加え、窒素気流下、70℃で5時間重
合させ、重合後メタノールへの再沈を2回繰り返し精製
した。1H−NMRによると、得られたポリマーの88モ
ル%がn−ブチルアクリレート単位、12モル%がグリシ
ジルメタクリレート単位であった。また、GPC(溶剤
THF、ポリスチレン標準)によると、得られたポリマ
ーの数平均分子量は49,000であった。
【0036】実施例1〜21 ポリエステル樹脂(A)として製造例1〜9で合成した
樹脂を、ポリアリレート樹脂(B)としてユニチカU−
ポリマーU-100を、Tgが0℃以下の樹脂(C)として
次の樹脂: MBS樹脂;呉羽化学パラロイド EXL-2602(表ではEXL-
2602と記載)(Tgは−80℃) アクリルゴム;呉羽化学パラロイド EXL-2311(表ではEX
L-2311と記載)(Tgは−40℃) エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体;住友化
学ボンドファースト2C(表ではBF2Cと記載)(Tgは
−30℃) n−ブチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共
重合体;製造例10で合成したもの(表ではBA-GMAと記
載)(Tgは−30℃) を用い、次の方法でポリエステル樹脂組成物を調製し、
その物性を評価した。結果を表1に示す。なお、Tgは
DSCにより20℃/min の昇温速度で求めたものであ
る。
【0037】<ポリエステル樹脂組成物調製法及び試験
法>ポリエステル樹脂(A)及びポリアリレート樹脂
(B)を除湿乾燥機を用い80℃で一晩乾燥させた後、
(A)、(B)及び(C)の樹脂を表1に示した割合で
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度250 〜270 ℃で
混練し、ストランドを水で冷却した後、ペレット化し
た。ペレットを再び除湿乾燥機を用い80℃で一晩乾燥さ
せた後、射出成形によりシリンダー設定温度 250〜270
℃、金型温度30℃で衝撃試験片、ダンベル型引っ張り試
験片を成形した。衝撃試験はノッチを付けた後、Izod衝
撃強度により評価し、また、引っ張り試験においては弾
性率、降伏点応力を求めた。
【0038】比較例1〜3 ポリエステル樹脂(A)としてポリエチレンテレフタレ
ート(三井PET樹脂J125)を用いる以外は実施例1〜
3と同様にポリエステル樹脂組成物を調製し、その物性
評価を行った。結果を表2に示す。但し、ポリエチレン
テレフタレートは融点が 255℃であるために、混練温
度、射出成形温度共にシリンダーの設定温度を 270℃と
した。
【0039】比較例4 Tgが0℃以上の比較例としてポリメチルメタクリレー
ト(旭化成デルペット560F、Tg= 100℃)を樹脂
(C)として用い、他は実施例1と同様にポリエステル
樹脂組成物を調製し、その物性評価を行った。結果を表
2に示す。
【0040】比較例5 本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエチレンの代
替として非常に有効と考えられるので、比較例として高
密度ポリエチレン(HDPE,昭和電工5503D)の物性
を表2に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガラス転移温度(Tg)の定義を説明するた
めの図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを構成するジカルボン酸成
    分の主成分がテレフタル酸であり、ジオール成分の3〜
    80モル%が式(I)で表されるジオール、式(II)で表
    されるジオール及び式(III) で表されるパラキシリレン
    グリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    るポリエステル樹脂(A)とポリアリレート樹脂(B)
    とを99:1〜50:50の重量比でブレンドした樹脂 100重
    量部に対し、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の樹脂
    (C)を1〜30重量部配合してなることを特徴とするポ
    リエステル樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)のジオール成分
    の3〜80モル%が式(IV) 【化2】 で表されるジオールであることを特徴とする請求項1記
    載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂(A)のジオール成分
    の3〜80モル%が式(V) 【化3】 で表されるジオールであることを特徴とする請求項1記
    載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエステル樹脂(A)のジオール成分
    の3〜80モル%が式(VI) 【化4】 で表されるジオールであることを特徴とする請求項1記
    載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂(A)のジオール成分
    の3〜80モル%がパラキシリレングリコールであること
    を特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 Tgが0℃以下の樹脂(C)が、MBS
    系ゴムである請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 Tgが0℃以下の樹脂(C)が、アクリ
    ル系ゴムである請求項1記載のポリエステル樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 Tgが0℃以下の樹脂(C)が、エチレ
    ン−グリシジルメタクリレート共重合体である請求項1
    記載のポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 Tgが0℃以下の樹脂(C)が、ブチル
    アクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体であ
    る請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 Tgが0℃以下の樹脂(C)の配合量
    が、ポリエステル樹脂(A)とポリアリレート樹脂
    (B)との合計量100 重量部に対し5〜15重量部である
    請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201855A (ja) * 2007-02-16 2008-09-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 樹脂分散体
KR101146169B1 (ko) * 2008-08-28 2012-05-25 주식회사 엘지화학 광학 필름용 수지 조성물 및 이를 포함하는 광학 필름
CN110724250A (zh) * 2019-09-30 2020-01-24 浙江恒澜科技有限公司 一种芳香醇改性聚酯切片的制备方法与应用

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