JPH0790077B2 - 全自動洗濯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は洗濯する衣類の布量を検知する全自動洗濯機に
関する。

従来の技術 従来の洗濯機は第４図に示すように本体１の内部に洗濯
受槽２を支持杆３によりサスペンション４を介して垂下
防振支持している。洗濯受槽２の側壁の下部には支持体
を５を固着し、洗濯受槽２は、この支持体５にサスペン
ション４の上部に弾性支持される。水槽６はその内部で
衣類の洗濯作用を行ない、かつ、高速回転して、脱水作
用を行なう。誘導電動機７はクラッチ機構８を介して、
前記、水槽６および、撹拌翼９に回転トルクを伝達す
る。一般的に水槽６内に投入される衣類の容量は、千差
万別であり洗濯機には衣類の容量に応じたすすぎおよ
び、脱水を行なうことが、要求されており、従来から、
洗濯後の脱水起動時における誘導電動機の起動用コンデ
ンサー10の端子電圧V_cを検知手段により検知し、ある一
定電圧に達するまでの時間T_dを測定して、その時間の長
さによって布量を判断していた。

すなわち、水槽６内の布量が多いときは、衣類、水槽６
を含めた回転体の慣性モーメントが大きくなり第５図イ
のごとく脱水回転の起動時間T_dは長くなり、また、逆に
布量が、少ないときは、慣性モーメントが小さいため脱
水回転の起動時間T_dは第５図ロのごとく短かくなり前記
コンデンサー10の端子電圧V_cは、誘導電動機７の回転数
にほぼ比例するため端子電圧V_cの変化率を検知すれば間
接的に布量が判別できた。

以上のような方法で、第６図のごとく洗濯後の第１脱水
行程において、布量を判別し、以後の第１すすぎ、第２
脱水、第２すすぎ、第３脱水には、その布量を適用し、
最適なすすぎ、水洗およびすすぎ時間、脱水時間で洗濯
機を制御していた。

発明が解決しようとする問題点 このような従来の布量の判別方式においては、使用者が
例えば途中の第１すすぎ、行程等において、布を追加あ
るいは取り出したりした場合には、それ以後の行程にお
いては、最初に検知した布量と実際の布量が異なってし
まい、それ以後の運転行程が、最適なものではなくなっ
てしまうという問題点を有していた。特に近年では、洗
濯する衣類の多用化により、分け洗い等をし、こまめな
洗濯をする使用者が、増えているためこの問題は非常に
重要な問題点となってきた。

本発明は上記問題点に鑑み、途中に布の追加あるいは取
り出しがあっても最適な状態で運転を行うことを目的と
する。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、脱水行程時に水槽
を回転させるモータの回転数を検知し、モータの回転数
の立ち上がり特性により水槽内の布量を検知する検知手
段を設け、この検知手段は通常の洗濯から最終脱水まで
の運転サイクル中、複数回行う脱水行程において検知動
作を行い、各検知動作毎の検知結果によりすすぎ、脱水
工程を制御するものである。

作用 この構成によれば、布量の検知を全運転サイクル中の複
数回の脱水工程において行うため、運転サイクルの途中
で、衣類の追加あるいは取り出しを行なっても、次の脱
水行程において布量検知し、最適な脱水運転、すすぎ運
転をすることができる。

実施例 以下、本発明の実施例について第１図，第２図，第３図
を参照して説明する。第１図において、第４図に示す従
来の洗濯機と同一部分には同一符号を付し、その詳細な
る説明は省略する。11はコンデンサー端子電圧V_c検知手
段であり、脱水時、つまり水槽６が回転起動する時に検
知し、その電圧がある一定の電圧に達するまでの時間を
測定して布量判別手段14により布量の判別を行なう。13
は記憶手段で、布量の判別を行なった結果を記憶し、こ
の記憶内容にしたがって、制御手段12によりモータ７等
を制御する。第２図に布量検知判別手段14の制御を示
す。すなわち、ステップ20で脱水行程において前回の布
量判別結果をクリアーし時間カウント開始した後ステッ
プ21でモータ回転し、ステップ22でコンデンサー端子電
圧V_cを測定する。このV_cを遂次検知し、設定電圧V_tに達
するまでの時間T_dをステップ23で測定する。この時間T_d
に基づいて布量判別手段14はステップ24における布量判
別を行う。つまり、時間T_dが大きいと布量が多いと判別
し、T_dが小さいと布量が小さいと判別する。この布量判
別の結果をステップ25で記憶手段13に記憶し、次行程の
脱水、すすぎ行程は、その記憶内容にもとづいて制御手
段12が判別した布量に対して最適な時間、および、最適
な水流で、運転を行なう。また、制御手段12は第３図に
示す行程で制御を行うが、前記布量判別のルーチンを全
ての脱水工程の始めに設け、常に前回の布量判別結果を
完全にクリアーした後、その時点における布量を再検知
する方式としている。従って、途中の行程、例えば、第
１すすぎの途中で衣類を追加、あるいは取り出しを行な
っても、第１脱水時に判別した布量はクリアーされ、次
行程の第２脱水において再度布量の検知を行なうため、
布量の変動に対応した最適な、運転を行なうことができ
る。

なお、本実施例では布量を検知する手段として誘導電動
機のコンデンサー端子電圧を検知する方法を示したが、
水槽の回転角加速度あるいはこれに相当する値を利用し
て布量を検知してもよく、要は布量を検知できる工程を
運転サイクル中に複数設けて制御すればよい。

発明の効果 以上のように本発明によれば、運転サイクル中の複数の
脱水工程において布量検知を行うため、布量の変動に対
応した最適な運転が可能になり、使用者の分け洗いある
いは途中からの衣類の追加などを行っても最適な運転が
可能となり、より自由度の高い洗濯運転が実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における洗濯機の構成図、第
２図は同布量検知の判別を行うフローチャート、第３図
は同洗濯機の行程を示す図、第４図は従来における洗濯
機の縦断面図、第５図は同コンデンサー端子電圧V_cと時
間の関係を示すグラフ、第６図は同洗濯機の行程を示す
図である。 １……本体、２……洗濯受槽、６……水槽、７……誘導
電動機、８……クラッチ機構、10……コンデンサー、11
……コンデンサー端子電圧検知手段、12……制御手段、
13……記憶手段、14……布量判別手段。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】脱水行程時に水槽を回転させるモータの回
   転数を検知し、モータの回転数の立ち上がり特性により
   水槽内の布量を検知する検知手段を設け、この検知手段
   は通常の洗濯から最終脱水までの運転サイクル中、複数
   回行う脱水行程において検知動作を行い、各検知動作毎
   の検知結果によりすすぎ、脱水工程を制御する全自動洗
   濯機。
2. 【請求項２】検知手段は水槽の回転角加速度あるいは回
   転角加速度に相当する値を布量として検知する特許請求
   の範囲第１項記載の全自動洗濯機。
3. 【請求項３】検知手段はモータの起動用コンデンサーの
   端子電圧を検知し、その時系列における電圧変化率相当
   を布量として検知する特許請求の範囲第１項記載の全自
   動洗濯機。
4. 【請求項４】検知手段は最新の布量データを記憶し直す
   特許請求の範囲第１項記載の全自動洗濯機。