JPH0790033A - ポリエステル−アミノアクリレートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル−アミノアクリレートフィルム及びその製造方法

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JPH0790033A
JPH0790033A JP5233591A JP23359193A JPH0790033A JP H0790033 A JPH0790033 A JP H0790033A JP 5233591 A JP5233591 A JP 5233591A JP 23359193 A JP23359193 A JP 23359193A JP H0790033 A JPH0790033 A JP H0790033A
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JP
Japan
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polyester
film
weight
aminoacrylate
acid
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JP5233591A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Asuke
哲也 足助
Tsuyoshi Takahashi
強 高橋
Toshio Taka
敏雄 鷹
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、フィルム強度及びヒートシール性
が良好であり、かつ、高透明性を有する脂肪族ポリエス
テル系フィルムを得ることを目的とする。 【構成】 グリコールと脂肪族二塩基酸またはその誘導
体とから合成された、温度190℃、剪断速度100
(sec-1)における溶融粘度が5,000〜100,
000ポイズであり、融点が70〜200℃とした脂肪
族ポリエステル80.0〜99.9重量部に、一般式 【化1】 (ただし、R1 は水素またはメチル基、R2 、R3 は水
素または炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜4の整数
を示す。)で示されるアミノアルキルアクリレート系化
合物を0.1〜20重量部グラフトしてなるポリエステ
ル−アミノアクリレートグラフト共重合体からなるポリ
エステル−アミノアクリレートグラフト共重合体フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度が高く、優れた透
明性を有し、しかもヒートシール性の良いポリエステル
−アミノアクリレートグラフト共重合体フィルムと、そ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルム、繊維、その他の成形品
の成形に用いられていた高分子量ポリエステル(以下、
ここで言う高分子量ポリエステルとは、数平均分子量が
20,000以上を指すものとする。)は、テレフタル
酸(ジメチルテレフタレートを含む)とエチレングリコ
ールとの縮合体であるポリエチレンテレフタレートある
いはテレフタール酸とブチレングリコールからのブチレ
ンテレフタレートに限定されているといっても過言では
なかった。
【0003】しかしこれらのフィルムはテレフタル酸の
分子構造的な要因として、例えば通常のインフレーショ
ンフィルムのままでは剛性が大きく、強度的にも高い性
質を有してはいるが、未延伸のままではもろくてフィル
ムとしての使用価値はなく、すべて延伸されたフィルム
として広く利用されていた。延伸ポリエステルフィルム
は透明性、強度等には極めて優れてはいるが、ヒートシ
ール性に難点があるため、ヒートシール包装用フィルム
としてはヒートシール性に優れたポリオレフィン系の樹
脂またはフィルムと貼りあわせた積層体としてしか使用
できなかった。この改良のためテレフタル酸の代りに、
2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた例もあるが、
ジカルボン酸に脂肪族ジカルボン酸を使用したポリエス
テルをシート、フィルム、繊維等に成形し、実用化され
た例はあまりない。
【0004】実用化されていない理由の一つは、たとえ
結晶性であったとしても、脂肪族ポリエステルの融点は
100℃以下のものがほとんどであり、その上溶融時の
熱安定性に乏しいこと、更に重要なことは脂肪族ポリエ
ステルの性質、特に引張強さで代表される機械的性質が
極めて低く、ポリエチレンテレフタレートと同一レベル
の数平均分子量でも著しく劣った値しか示さず、実用性
が見出せなかったからにほかならない。
【0005】また、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステルは微生物分解性がないため、使用後単に廃棄
するだけではいつまでも分解せず残り、完全な処理のた
めには焼却処理を必要とするなどの問題を有していた。
【0006】これらの欠点を解決すべく、ウレタン結合
を含む脂肪族ポリエステルを用いて成形したフィルムが
提案されている(特開平5−105736)。しかし、
このフィルムにおいても、フィルム強度が低く、ヒート
シール性が悪く、透明性も悪い欠点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルム強
度及びヒートシール性が良好であり、かつ、高透明性を
有する脂肪族ポリエステル系フィルムを得ることを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、グリコール
と脂肪族二塩基酸またはその誘導体とから合成された、
温度190℃、剪断速度100(sec-1)における溶
融粘度が5,000〜100,000ポイズであり、融
点が70〜200℃とした脂肪族ポリエステル80.0
〜99.9重量部に、一般式
【化3】 (ただし、R1 は水素またはメチル基、R2 、R3 は水
素または炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜4の整数
を示す。)で示されるアミノアルキルアクリレート系化
合物を0.1〜20重量部グラフトしてなるポリエステ
ル−アミノアクリレートグラフト共重合体からなるポリ
エステル−アミノアクリレートグラフト共重合体フィル
ムにより解決される。以下、本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明で言う脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類と脂肪族二塩基酸またはその酸無水物とから
合成されるポリエステルを主成分とするものであり、分
子量を充分に高くするため、両端にヒドロキシル基を有
する比較的高分子量のポリエステルプレポリマーを合成
した後カップリング剤により、さらにこれらプレポリマ
ーをカップリングさせたものである。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーは、グリコールと
脂肪族二塩基酸またはその無水物とを反応せしめて得ら
れる末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分
子量が5,000以上、好ましくは10,000以上の
比較的高分子量、融点が60℃以上の飽和脂肪族ポリエ
ステルである。
【0011】数平均分子量が5,000未満、例えば
2,500程度であると、0.1〜5重量部という少量
のカップリング剤を用いても良好な物性を有するポリエ
ステルを得ることができない。数平均分子量が5,00
0以上のポリエステルプレポリマーは、ヒドロキシル価
が30以下であり、少量のカップリング剤の使用で、溶
融状態といった苛酷な条件下でも反応中にゲルを生ずる
ことなく、高分子量ポリエステルを合成することができ
る。
【0012】用いられるグリコール類としては、例えば
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等があげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらのグリコール類は併用してもよい。グリ
コール類と反応して脂肪族ポリエステルを形成する脂肪
族二塩基酸またはその誘導体としては、コハク酸、アジ
ピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水
コハク酸、無水アジピン酸あるいはそのジメチルエステ
ル等の低級アルキルエステルなどがあり、これらは市販
されているので本発明に利用することができる。二塩基
酸またはその酸無水物は併用してもよい。これらの化合
物はあらかじめ低分子のエステルとしておいて脱グリコ
ール反応により高分子化してもよい。
【0013】これらグリコール類及び二塩基酸は脂肪族
系が主成分であるが、少量の他成分、例えば3官能また
は4官能の多価アルコール、オキシカルボン酸または多
価カルボン酸を併用してもよい。
【0014】3官能の多価アルコール成分としては、ト
リメチロールプロパン、グリセリンまたはその無水物が
代表的であり、4官能の多価アルコール成分はペンタエ
リトリットが代表的である。
【0015】3官能のオキシカルボン酸は、リンゴ酸が
実用上有利であり、4官能のオキシカルボン酸成分では
市販品が容易に、かつ低コストに入手できるところから
クエン酸が実用的である。
【0016】3官能の多価カルボン酸(またはその酸無
水物)成分としては、例えばトリメシン酸、プロパント
リカルボン酸等を使用することができるが、実用上から
無水トリメリット酸が有利である。
【0017】4官能の多価カルボン酸(またはその酸無
水物)としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸無水物等が挙げられる。
【0018】多官能成分の使用割合は、脂肪族(環状脂
肪族を含む)ジカルボン酸(またはその酸無水物)の成
分全体が100モル%に対して、3官能成分の場合は5
モル%以下、好ましくは0.5モル%以上3モル%以下
であり、4官能成分の場合は3モル%以下、好ましくは
0.2モル%以上2モル%以下である。
【0019】3官能成分の使用割合が5モル%より多い
場合、または4官能成分の使用割合が3モル%より多い
場合には、エステル化反応中にゲル化する危険性が著し
く増大する。
【0020】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル用
ポリエステルプレポリマーは、末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるが、そのためには合成反応に使用するグ
リコール類及び二塩基酸(またはその誘導体)の使用割
合は、グリコール類をいくぶん過剰に使用する必要があ
る。
【0021】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。
【0022】脱グリコール反応触媒としては、例えばア
セトアセトイル型チタンキレート化合物、並びに有機ア
ルコキシチタン化合物等のチタン化合物があげられる。
これらのチタン化合物は併用もできる。これらの例とし
ては、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本化
学産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエトキ
シチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチ
タン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポリ
エステルプレポリマー100重量部に対して0.001
〜1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部であ
る。チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよ
く、また脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0023】この結果、ポリエステルプレポリマーは通
常数平均分子量5,000以上、好ましくは20,00
0以上、融点60℃以上のものが容易に得られ、結晶性
があれば一層好ましい。
【0024】本発明の脂肪族ポリエステルを得るために
は、更に数平均分子量が5,000以上、望ましくは1
0,000以上の末端基が実質的にヒドロキシル基であ
るポリエステルプレポリマーに、更に数平均分子量を高
めるためにカップリング剤が使用される。
【0025】カップリング剤としては、ジイソシアナー
ト、オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等が挙
げられ、特にジイソシアナートが好適である。
【0026】なお、オキサゾリンやジエポキシ化合物の
場合はヒドロキシル基を酸無水物等と反応させ、末端を
カルボキシル基に変換してからカップリング剤を使用す
ることが必要である。
【0027】ジイソシアナートには特に制限はないが、
例えば次の種類があげられる。2,4−トリレンジイソ
シアナート、2,4−トリレンジイソシアナートと2,
6−トリレンジイソシアナートとの混合体、ジフェニル
メタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、特にヘキサメチレン
ジイソシアナートが生成樹脂の色相、ポリエステル添加
時の反応性等の点から好ましい。
【0028】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満ではカップリング反応が不十分であり、5重量部
を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0029】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、あるいは溶融状態のポリエステルプレポリマー(例
えばニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0030】本脂肪族ポリエステル樹脂は温度190
℃、剪断速度100(sec-1)における溶融粘度が
5,000〜100,000ポイズであり、好ましくは
10,000〜50,000ポイズである。溶融粘度が
5,000ポイズより小さいと、インフレーション成形
等のフィルム成形においてバブルが著しく不安定とな
り、インフレーション成形が困難となり、一方、10
0,000ポイズを超えるとダイスを通過時の流れが著
しく悪くなり、発熱やダイス出口より流動ムラが生じて
良質なフィルムが得られない。また、MFR(190
℃)は一般に20g/10分以下であり、20g/10分よ
り大きいとバブル安定性が悪く、加工性が低下する。
【0031】また、本発明は脂肪族ポリエステルの数平
均分子量が20,000以上、融点が70〜200℃、
ウレタン結合が0.03〜3.0重量%である特徴を有
するフィルムを含む。数平均分子量が20,000以上
であってはじめて上に述べたような強度のあるフィルム
が得られ、種々の用途に対応できる。20,000未満
では強度面でももろい性質となり、実用強度のあるフィ
ルムとして好ましくない。
【0032】本発明に係るポリエステル−アミノアクリ
レートグラフト共重合体は、脂肪族ポリエステル80.
0〜99.9重量部にアミノアルキルアクリレート系化
合物0.1〜20重量部をグラフトしたものである。脂
肪族ポリエステル80.0重量部未満ではフィルムの引
張強度が低く、99.9重量部を超えるとヒートシール
性や衝撃強度が悪い。
【0033】また、本発明に用いられるアミノアルキル
アクリレート系化合物は、一般式
【化4】 で表わされる化合物であり、R1 は水素またはメチル基
であり、R2 、R3 は水素またはメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、ターシャリーブチルなど炭素
数1〜4のアルキル基である。また、nは1〜4までの
整数を示し、Cn2nの具体例としては、メチレン、エ
チレン、トリメチレン、テトラメチレン、ジメチルメチ
レン、メチルエチルメチレン、ジメチルエチレン、メチ
ルトリメチレンなどが挙げられる。前記一般式で示され
るアミノアルキルアクリレート化合物を具体的に例示す
ると、アミノメチルアクリレート、アミノエチルアクリ
レート、アミノノルマルブチルアクリレート、N−メチ
ルアミノエチルアクリレート、N−エチルアミノエチル
アクリレート、N−イソプロピルアミノエチルアクリレ
ート、N−ターシャリーブチルエチルアクリレート、N
−n−ブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメチルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノイソプ
ロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノ−n−ブ
チルアクリレート、N,N−ジメチルアミノヘキシルア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジ−n−プロピルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジ−n−ブチルアミノエチルアクリレー
ト、N−メチル−N−エチルアミノエチルアクリレー
ト、N−メチル−N−n−ブチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジ−n−プロピルアミノプロピルアクリ
レートなどのアクリル酸エステルならびにこれらに相当
するメタクリル酸エステルなどが挙げることができる。
メタクリル酸エステルのなかではN,N−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートが好ましい。
【0034】本発明のポリエステル−アミノアクリレー
トグラフト共重合体フィルムは、上記脂肪族ポリエステ
ルとアミノアルキルアクリレート系化合物を有機過酸化
物の存在下で直接フィルム成形機に装着された押出機内
で反応とフィルム成形を同時に行うことにより製造する
ことができ、この方法は経済性にも優れている。また、
他の方法として、押出機内あるいはバンバリーミキサー
等の混練機あるいは放射線照射装置等を用いることによ
り、ポリエステル−アミノアクリレートグラフト共重合
体を製造し、これを通常のフィルム成形機によりフィル
ム成形を行ってもよい。
【0035】上記有機過酸化物としては、例えば、ベン
ゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、t
−ブチルヒドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−
ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、2,5−(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシンなどが好適に用いられる。
【0036】脂肪族ポリエステルとアミノアルキルアク
リレート系化合物の総量の和を100重量部として、
0.005〜2.0重量部、好ましくは0.01〜1重
量部の範囲で使用される。有機過酸化物の添加量が0.
005重量部未満では実質上変性効果が発揮されず、ま
た2.0重量部を超えて添加してもそれ以上の効果を得
ることが困難であると共に、過度の分解あるいは架橋反
応等を惹起させる恐れを生じる。有機過酸化物はポリエ
ステル−アミノアクリレートグラフト共重合体(以下、
単に共重合体ということもある)製造時に加熱により分
解し、一部は該共重合体外に一部は該共重合体にとり込
まれるものと考えられ、該共重合体内の量を正確に規定
するのは困難である。
【0037】上記のポリエステル−アミノアクリレート
グラフト共重合体を得るグラフト反応及びフィルム成形
温度は、通例の温度条件、すなわち樹脂の劣化、有機過
酸化物の分解温度等を考慮し、適宜選択されるが、一般
的には150℃〜250℃の範囲の反応温度が用いられ
る。
【0038】本発明に係るポリエステル−アミノアクリ
レートグラフト共重合体には、必要に応じて安定剤、帯
電防止剤、顔料等の着色剤、その他の添加剤を本発明の
目的を損なわない範囲で添加することができる。この添
加はフィルム成形時に添加しても、ポリエステル−アミ
ノアクリレートグラフト共重合体製造時に添加してもよ
い。
【0039】本発明のポリエステル−アミノアクリレー
トグラフト共重合体フィルムの成形は周知の種々の方法
により実施される。例えばグラフト反応を押出成形機内
で行なうことから、空冷インフレーション法、水冷イン
フレーション法、T−ダイ法等が適しており、特に空冷
インフレーション法が好適である。
【0040】空冷法インフレーションフィルムの製造
は、空冷法インフレーションフィルム製造装置で実行可
能であり、例えば高密度PE、アミノアルキルアクリレ
ート化合物及び有機過酸化物を混合し、150〜250
℃の温度で押出機よりサーキュラーダイを通して押出
し、空冷式エアーリングより吹き出す空気に接触させて
急冷し、固化させてピンチロールで引取った後、枠に巻
取ることにより行なわれる。この方法により、従来、同
時に解決することが困難であた空冷法インフレーション
フィルムの透明性、強度およびヒートシール性を同時に
改善することができる。
【0041】勿論、空冷法インフレーションフィルム以
外にも水冷法インフレーションフィルムおよびT−ダイ
法フィルムを製造することも出来、透明性の良好なフィ
ルムを得ることができる。
【0042】本発明のポリエステル−アミノアクリレー
トグラフト共重合体フィルムの厚さは、その使い易さの
点から10〜20μm、より好ましくは30〜100μ
m程度であることが望ましい。
【0043】以上のような製造方法により、ヘイズ値2
0%未満の優れた透明性を有するポリエステル−アミノ
アクリレートグラフト共重合体フィルムを得ることがで
きる。ヘイズ値はASTM D1003に準拠して測定
される。また、本発明においてヘイズ値は、外部ヘイズ
値と内部ヘイズ値とを合計した数値を示す。
【0044】
【作用】本発明のポリエステル−アミノアクリレートグ
ラフト共重合体フィルムは、表面に凹凸状に突出してい
た結晶ラメラの集積体の粒径(L=50〜60Å)が、
脂肪族ポリエステルの粒径(L=200〜300Å)に
比べ小さいという特徴を有しており、フィルム表面を平
滑化して、フィルムの外部ヘイズ値を小さくすることが
できる。その上さらに、フィルムの内部の微結晶の粒径
も同時に小さくなり、フィルムの内部ヘイズ値をも小さ
くすることができる。さらにこのような結晶粒径サイズ
の微小化及び分子運動性が増大することにより、溶融温
度が低くなり、低温ヒートシール性が発現する。また、
脂肪族ポリエステル成分が80.0〜99.9重量部あ
るので、脂肪族ポリエステルフィルムの有する優れた性
質である高強度は保持される。
【0045】
【実施例】以下の実施例、比較例において、各物性は次
の方法によって測定した。 ヘイズ値‥‥‥ASTM D1003に準拠 ヒートシール性‥‥‥まず、フィルムを幅15mmのた
んざく状に切り取り、これをシール圧力2kg/cm
2 、シール時間1秒の条件下で温度を変えてヒートシー
ルし、この試験片を300mm/分の速度で剥離して剥
離強度を調べる。その結果、この剥離強度が1kgを示
した試験片のシール温度をもってヒートシール性を表し
た。 衝撃強度‥‥‥ASTM D781に準拠
【0046】(実施例1、2)700Lの反応機を窒素
置換してから、1,4ーブタンジオール183kg、コ
ハク酸224kgを仕込んだ。窒素気流下において昇温
を行い、192〜220℃にて3.5時間、更に窒素を
停止して20〜2mmHgの減圧下に3.5時間にわた
り脱水縮合によるエステル化反応を行った。採取された
試料は、酸価が9.2mg/g、数平均分子量(Mn)
が5,160、また重量平均分子量(Mw)が10,6
70であった。引き続いて、常圧の窒素気流下に触媒の
テトライソプロポキシチタン34gを添加した。温度を
上昇させ、温度215〜220℃で15〜0.2mmH
gの減圧に5.5時間、脱グリコール反応を行った。採
取された試料は数平均分子量(Mn)が16,800、
また重量平均分子量(Mw)が43,600であった。
このポリエステル(A1)は、凝縮水を除くと収量は3
39kgであった。
【0047】ポリエステル(A1)339kgを入れた
反応器にヘキサメチレンジイソシアナート5420gを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで抗酸化剤としてイルガノックス1010(チ
バガイギー社製)を1700g及び滑剤としてステアリ
ン酸カルシウムを1700g加えて、更に30分間撹拌
を続けた。この反応生成物をエクストルーダーにて水中
に押出し、カッターで裁断してペレットにした。90℃
で6時間、真空乾燥した後のポリエステル(B1)の収
量は300kgであった。
【0048】得られたポリエステル(B1)は、わずか
にアイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が35,500、重量平均分
子量(Mw)が170,000、MFR(190℃)は
1.0g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は230ポイズ、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度は1.5×104 ポイズで
あった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11(昭和電工(株)製ゲルクロマトグ
ラフィー)、溶媒はCF3 COONaのヘキサフロロイ
ソプロピルアルコール5ミリモル溶液、濃度0.1重量
%、検量線は昭和電工(株)製PMMA標準サンプル
Shodex Standard M−75で行った。
【0049】次いで空冷式インフレーション成形法によ
り、直接押出機内で、有機過酸化物存在下、ポリエステ
ル(B1)とアミノアルキルアクリレート系化合物とを
反応させ、同時にフィルム成形を行なった。
【0050】有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオ
キサイドをポリエステル(B1)とアミノアルキルアク
リレート系化合物の総和100重量部に対して0.1重
量部を用いた。アミノアルキルアクリレート系化合物と
してはアミノエチルアクリレートを用いた。ポリエステ
ル(B1)とアミノエチルアクリレートとの配合比は、
実施例1で(95/5)、実施例2で(90/10)に
設定した。上記配合比からなる組成物を、空冷式インフ
レーション成形機により厚さ30μmに製膜した。その
際、成形温度200℃、ブロー比は3であった。得られ
たフィルム物性を表1に示す。
【0051】表1の結果から、本発明のフィルムは優れ
た衝撃強度を有し、またヒートシール性、ヘイズ値等に
ついてもバランスの良い物性を有するものであることが
確認できた。また、本フィルムを土中に2か月間埋めて
おき、強度を測定したところ衝撃強度が100kg・c
m/mmと大幅に低下しており、土中で劣化が生じてい
ることが明らかになった。
【0052】(比較例1、2)比較例1、比較例2では
アミノアルキルアクリレート系化合物は用いず、比較例
1では有機過酸化物も使用しなかった以外は実施例1と
同様の操作によりフィルムを得た。得られたフィルムの
物性を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上説明したポリエステル−アミノアク
リレートグラフト共重合体フィルムは柔軟性を有し、か
つ適当な溶融温度を有するものとなるので、脂肪族ポリ
エステル樹脂の有する優れた性質である高強度に加え、
良好な衝撃強度とヒートシール性、高透明性をも兼備し
たものとなる。従って、低温で容易にヒートシールする
ことができ、かつ衝撃を受けても破れ難いものとなる。
更には、微生物分解性であり、廃棄の問題の少ないフィ
ルムである。また、以上説明したような製造方法によれ
ば、高強度、易ヒートシール性、高衝撃強度等に加え、
良好な透明性を有するフィルムを簡易に製造することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコールと脂肪族二塩基酸またはその
    誘導体とから合成された、温度190℃、剪断速度10
    0(sec-1)における溶融粘度が5,000〜10
    0,000ポイズであり、融点が70〜200℃とした
    脂肪族ポリエステル80.0〜99.9重量部に、一般
    式 【化1】 (ただし、R1 は水素またはメチル基、R2 、R3 は水
    素または炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜4の整数
    を示す。)で示されるアミノアルキルアクリレート系化
    合物を0.1〜20重量部グラフトしてなるポリエステ
    ル−アミノアクリレートグラフト共重合体からなるポリ
    エステル−アミノアクリレートグラフト共重合体フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 グリコールと脂肪族二塩基酸またはその
    誘導体とから合成された、温度190℃、剪断速度10
    0(sec-1)における溶融粘度が5,000〜10
    0,000ポイズであり、融点が70〜200℃とした
    脂肪族ポリエステルに、一般式 【化2】 (ただし、R1 は水素またはメチル基、R2 、R3 は水
    素または炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜4の整数
    を示す。)で示されるアミノアルキルアクリレート系化
    合物を、フィルム成形機内でグラフト共重合させること
    を特徴とする、請求項1記載のポリエステル−アミノア
    クリレートグラフト共重合体フィルムを製造する方法。
JP5233591A 1993-09-20 1993-09-20 ポリエステル−アミノアクリレートフィルム及びその製造方法 Pending JPH0790033A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997047670A1 (en) * 1996-06-13 1997-12-18 Regents Of The University Of Minnesota Method of grafting functional groups to synthetic polymers for making biodegradable plastics

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