JPH0790018A - 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びそれを含有する組成物 - Google Patents

塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム及びそれを含有する組成物

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JPH0790018A
JPH0790018A JP6167100A JP16710094A JPH0790018A JP H0790018 A JPH0790018 A JP H0790018A JP 6167100 A JP6167100 A JP 6167100A JP 16710094 A JP16710094 A JP 16710094A JP H0790018 A JPH0790018 A JP H0790018A
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JP
Japan
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copolymer rubber
ethylene
olefin copolymer
bis
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Withdrawn
Application number
JP6167100A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Muneyuki Matsumoto
宗之 松本
Yoshiharu Kikuchi
義治 菊地
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩素含量が20〜40重量%であり、ム−ニ
−粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190であ
り、そして塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合
ゴムがその分子末端にビニリデン結合を有し、これが炭
素1000ケあたり0.05〜1.00ケ存在することを
特徴とする塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
並びにこの共重合ゴムを含む組成物。 【効果】 加工性、熱安定性に優れ、加硫ゴムの強度が
良好で高モジュラスであり、耐熱老化性、耐候性に優れ
たゴム製品を与える。例えば電機絶縁材、自動車工業部
品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布その他に
有効に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム及びそれを含有する組成物に関す
る。更に詳しくは、ゴム弾性に優れ、ゴム製品を代表す
る用途であるシ−ル用材料として極めて有用な塩素化エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴム及びそれを含有する
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
ゴムは、Rubber Chem. Technol.49 353(1976)、特開昭6
0-99149号公報、特開平1-182340号公報および特開平3-2
96506号公報に開示されておりすでに知られている。塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは耐オゾン
性、耐熱老化性、耐候性、耐油性に優れたゴムである
が、モジュラスが小さいためシ−ル材等の用途には使用
し難いという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解消するもので、塩素化エチレン・α−オレフィ
ン共重合ゴムの特長はそのままに、モジュラスの大きい
ゴム及びそれを含有する有用な組成物を提供することに
ある。本発明の他の目的および利点は以下の説明から明
らかになろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムであって、塩素含量が20〜40
重量%であり、ム−ニ−粘度[ML1+4(121℃)]
が10〜190であり、そして塩素化前のエチレン・α
−オレフィン共重合ゴムがその分子末端にビニリデン結
合を有し、これが炭素1000ケ当たり0.05〜1.0
0ケ存在することを特徴とする塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムによって達成される。
【0005】すなわち、本発明の塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムは、分子末端にビニリデン結合を
有し、これが炭素1000ケ当り0.05〜1.00ケ存
在するエチレン・α−オレフィン共重合ゴムの塩素化物
であって、塩素含量が20〜40重量%でありそしてム
−ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190で
あることを特徴とする。
【0006】前記塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴムは、塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重合
ゴムのエチレン単位とα−オレフィン単位との組成比が
モル基準で85/15〜95/5であることが好適であ
る。
【0007】本発明によれば、第2に、本発明の前記塩
素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部
に対し(a)300重量部までの補強剤および(b)2
00重量部までの軟化剤、並びに(c)該共重合ゴム1
00g当たり5.0×10-4〜5.0×10-2モルの加硫
剤を配合してなる組成物が同様に提供される。
【0008】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムに使用されるエチレン・α−オレフィン共重
合ゴム(ベ−スポリマ−)、このベ−スポリマ−から本
発明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムを製
造する方法、ゴムの特徴、特性、及び加硫ゴム組成物に
ついて、以下順次説明する。
【0009】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムにおいて、ベ−スポリマ−として使用される
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムは次の通りであ
る。α−オレフィンとしては、例えば炭素数で3〜20
のものが好ましく用いられる。かかるα−オレフィンと
しては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチルペ
ンテン−1、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセンな
どが例示できる。好適には1−ブテン、1−ヘキセンが
使用される。
【0010】エチレン・α−オレフィン共重合ゴム中の
エチレン単位とα−オレフィン単位との組成比(エチレ
ン/α−オレフィン)は、モル基準で好ましくは85/
15〜95/5、より好ましくは88/12〜93/7
である。
【0011】上記エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
は、その分子末端にビニリデン結合を有する。この結合
は炭素1000ケ当たり0.05〜1.00ケ存在する。
好ましくは0.10〜0.70ケ存在する。この結合数は
本発明の目的を達成するために極めて重要である。
【0012】このような、エチレン・α−オレフィン共
重合ゴムは、例えば特開昭62−121709号公報、
特開昭62−121711号および特開昭62−129
303号公報等に記載された触媒を用いる方法により製
造することができる。
【0013】かかる触媒としては、例えば (A)周期
律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合
物、および(B)有機アルミニウムオキシ化合物、より
なる触媒が用いられる。
【0014】このような周期律表第IVB族から選ばれ
る遷移金属のメタロセン化合物(A)は、具体的に、次
式(I) MLX … (I) 式(I)中、Mは周期律表のIVB族から選ばれる遷移
金属であり、具体的に、ジルコニウム、チタンまたはハ
フニウムであり、xは遷移金属の原子価である、で表わ
される。
【0015】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0016】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシク
ロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、
n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n
−、i−、sec−、t−ブチルシクロペンタジエニル
基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロ
ペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、
トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシク
ロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプ
ロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル
基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブ
チルシクロペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペ
ンタジエニル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジ
エニル基などのアルキルまたはシクロアルキル置換シク
ロペンタジエニル基、さらにインデニル基、4,5,6,
7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが
挙げられる。これらの基はハロゲン原子、トリアルキル
シリル基などで置換されていてもよい。
【0017】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素数が1〜12の炭化水素基、ア
ルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−S
3Ra)(ここでRaはアルキル基、ハロゲン原子で
置換されたアルキル基、アリール基またはハロゲン原子
またはアルキル基で置換されたアリール基である)、ハ
ロゲン原子または水素原子を挙げることができる。
【0018】炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などを例示することができる。より具体的には、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル
基、トリル基などのアリール基、ベンジル基、ネオフィ
ル基などのアラルキル基を挙げることができる。
【0019】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、
オクトキシ基などを挙げることができる。アリーロキシ
基としては、フェノキシ基などを挙げることができる。
スルホン酸含有基(−SO3Ra)としては、メタンス
ルホナト基、p−トルエンスルホナト基、トリフルオロ
メタンスルホナト基、p−クロルベンゼンスルホナト基
などを挙げることができる。ハロゲン原子としては、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示される。
【0020】上記のような式(I)で表わされるメタロ
セン化合物は、例えば遷移金属の原子価が4である場
合、より具体的には下記式(II)で表わされる。 R2 k3 l4 m5 nM … (II) 式(II)中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロ
ペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、
3、R4およびR5は、それぞれ独立にシクロペンタジ
エニル骨格を有する基または上記式(I)中のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同じであ
る。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。以下に、Mがジルコニウムであり、かつシクロペン
タジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメ
タロセン化合物を例示する。
【0021】ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノ
クロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−プロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イ
ソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(sec−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(イソブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(オクチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7−テトラヒド
ロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(p−トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、
【0022】ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−
ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(1−メチル−3
−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(1−メチル−3
−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1−メチル
−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−
プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−
ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1−メチル−3−オクチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、
【0023】ビス(1−エチル−3−ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルベンジルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(メチルシクロヘキシルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを例示すること
ができる。上記の1,3−位置換シクロペンタジエニル
基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換えた
化合物も本発明で用いることができる。
【0024】また上記式(II)において、R2、R3
4およびR5の少なくとも2個、例えばR2およびR3
シクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であ
り、この2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基が
アルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置
換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイ
プのメタロセン化合物も例示することができる。このと
き、R4およびR5はそれぞれ独立に式(I)中で説明し
たシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと
同じである。
【0025】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、以下のような化合物を挙げることができ
る。 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフル
オロメタンスルホナト)、エチレンビス(インデニル)
ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(p−トルエンスルホ
ナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p−クロルベンゼンスルホナト)など。
【0026】上記においてはメタロセン化合物(A)と
してジルコノセン化合物について例示したが、ジルコニ
ウムをチタンまたはハフニウムに置換えた化合物も同様
に用いることができる。これらの化合物は単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素に希釈して用
いてもよい。本発明では、メタロセン化合物(A)は炭
化水素、特に後述する脂肪族炭化水素溶媒または脂環族
炭化水素溶媒(b)に希釈して用いることが好ましい。
また、上記のようなメタロセン化合物(A)は、粒子状
担体化合物と接触させて、担体化合物とともに用いるこ
ともできる。
【0027】担体化合物としては、SiO2、Al
23、B23、MgO、ZrO2、CaO、TiO2、Z
nO、ZnO2、SnO2、BaO、ThOなどの無機担
体化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−
ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体などの樹脂を用いることができ
る。これらの担体化合物は、2種以上混合して用いるこ
ともできる。本発明では、メタロセン化合物(A)とし
て、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも
2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有する
ジルコノセン化合物が好ましく用いられる。
【0028】次に本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物(B)について説明する。本発明では、有
機アルミニウムオキシ化合物(B)は後述するように脂
肪族炭化水素溶媒または脂環族炭化水素溶媒(b)のス
ラリーとして用いられるが、まず有機アルミニウムオキ
シ化合物(B)について説明する。本発明で用いられる
有機アルミニウムオキシ化合物(B)は、従来公知のア
ルミノオキサン(B−1)であってもよく、またベンゼ
ン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)で
あってもよい。このような従来公知のアルミノオキサン
(B−1)は、具体的に下記一般式(III)および
(IV)で表わされる。
【0029】
【化1】
【0030】一般式(III)および(IV)におい
て、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル
基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ま
しくは5〜40の整数である。ここで、このアルミノオ
キサンは式(OAl(R7))で表わされるアルキルオ
キシアルミニウム単位および式(OAl(R8))で表
わされるアルキルオキシアルミニウム単位[ここで、R
7およびR8はRと同様の炭化水素基を例示することがで
き、R7およびR8は相異なる基を表わす]からなる混合
アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていても
よい。
【0031】従来公知のアルミノオキサン(B−1)
は、例えば下記のような方法によって製造され、通常、
芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収される。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、
硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第
1セリウム水和物などを懸濁した芳香族炭化水素溶媒
に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム
化合物を添加して反応させて芳香族炭化水素溶媒の溶液
として回収する方法。
【0032】(2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中でトリアルキルア
ルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水
(水、氷または水蒸気)を作用させて上記媒体の溶液と
して回収する方法。
【0033】(3) デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒
体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウ
ム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキ
シドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0034】これらの方法のうちでは、(1)の方法を採
用するのが好ましい。アルミノオキサンの溶液を調製す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具
体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピル
アルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、
トリtert−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミ
ニウム、トリデシルアルミニウム、トリシクロヘキシル
アルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどの
トリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロ
リド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドな
どのジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイド
ライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジ
メチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウム
エトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシ
ド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキ
ルアルミニウムアリーロキシドなどを挙げることができ
る。これらのうち、トリアルキルアルミニウムが特に好
ましい。
【0035】また、有機アルミニウム化合物として、下
記一般式(V)で表わされるイソプレニルアルミニウム
を用いることもできる。
【0036】 (i-C49xAly(C510z (V) 式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。上
記のような有機アルミニウム化合物は、単独であるいは
組み合せて用いられる。
【0037】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、例えばアルミ
ノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを
接触させる方法、あるいは上記のような有機アルミニウ
ム化合物と水とを接触させる方法などによって得ること
ができる。
【0038】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物では、該化合物を赤外分光法
(IR)によって解析して、1220cm-1付近におけ
る吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における吸
光度(D1260)との比(D12 60/D1220)が、0.09
以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.4〜
0.07の範囲にあることが望ましい。
【0039】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物(B−1)は、下記式(VI)で表
わされるアルキルオキシアルミニウム単位(i)を有する
と推定される。
【0040】
【化2】
【0041】式中、R9は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基として、具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基などを例示することができる。これらの中でメチ
ル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0042】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物(B−2)は、上記式(VI)で表わされる
アルキルオキシアルミニウム単位(i)の他に、下記式
(VII)で表わされるオキシアルミニウム単位(ii)を
含有していてよい。
【0043】
【化3】
【0044】式中、R10は炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子であ
る。また該R10および上記式(VI)中のR9は互いに
異なる基を表わす。
【0045】オキシアルミニウム単位(ii)を含有する場
合には、アルキルオキシアルミニウム単位(i)を30モ
ル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは
70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウ
ム単位を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望まし
い。上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(B)
は、通常、トルエン溶液として市販されるかまたは取り
扱われている。なお、本発明で用いられる有機アルミニ
ウムオキシ化合物(B)は、少量のアルミニウム以外の
金属の有機化合物成分を含有していてもよい。また、有
機アルミニウムオキシ化合物(B)は、上述した担体化
合物に担持させて用いることもできる。
【0046】上記重合用触媒は、上記のようなメタロセ
ン化合物(A)と有機アルミニウム化合物(B)とから
形成されるが、これらとともに必要に応じて有機アルミ
ニウム化合物(C)を含有していてもよい。このような
有機アルミニウム化合物(C)としては、例えば下記式
(VIII)で表わされる有機アルミニウム化合物を例
示することができる。 R11 nAlX3-n … (VIII) 式中、R11は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xは
ハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。
【0047】このような炭素数1〜12の炭化水素基と
しては、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはア
リール基であるが、具体的にはメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などを例示する
ことができる。
【0048】このような有機アルミニウム化合物とし
て、具体的には以下のような化合物が用いられる。トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプ
レニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジ
メチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムク
ロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブ
ロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチル
アルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセス
キクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセス
キハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキル
アルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
アルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0049】また有機アルミニウム化合物(C)とし
て、下記一般式(IX)で表わされる化合物を用いるこ
ともできる。 R11 nAlY3-n … (IX) 式中、R11は上記式(VIII)と同様であり、Yは−
OR12基、−OSiR1 3 3基、−OAlR14 2基、−NR
15 2基、−SiR16 3基または−N(R17)AlR1 8 2基で
ある。R12、R13、R14およびR18は、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R15は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、R16およびR17はメチル基、エ
チル基などであり、nは1〜2である。
【0050】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、以下のような化合物が用いられる。 (i)R11 nAl(OR123-nで表わされる化合物、例
えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシ
ドなど、(ii)R11 nAl(OSiR13 33-nで表わさ
れる化合物、例えばEt2Al(OSiMe3)、(iso
−Bu)2Al(OSiMe3)、(iso−Bu)2Al
(OSiEt3)など、(iii)R11 nAl(OAl
14 23-nで表わされる化合物、例えばEt2AlOA
lEt2、(iso−Bu)2AlOAl(iso−Bu)2
ど、(iv) R11 nAl(NR15 23-nで表わされる化合
物、例えばMe2AlNEt2、Et2AlNHMe、M
2AlNHEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-
Bu)2AlN(SiMe32など、(v)R11 nAl
(SiR16 33-nで表わされる化合物、例えば(iso-B
u)2AlSiMe3など、(vi)
【0051】
【化4】
【0052】で表わされる化合物、例えば
【0053】
【化5】
【0054】など。
【0055】本発明では、上記のような有機アルミニウ
ム化合物(C)のうち、トリアルキルアルミニウムが好
ましく、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
これらの有機アルミニウム化合物(C)は、2種以上混
合して用いることもできる。
【0056】本発明で用いられる重合用触媒は、上記の
ような触媒成分(A)、(B)および必要に応じて
(C)とから形成される。この際、メタロセン化合物
(A)は、重合容積1リットル当たり、遷移金属原子に
換算して、通常、約0.0005〜0.1ミリモル、好ま
しくは約0.0001〜0.05ミリモルの量で、有機ア
ルミニウムオキシ化合物(B)は、メタロセン化合物
(A)の遷移金属原子1モルに対して、有機アルミニウ
ムオキシ化合物(B)中のアルミニウム原子が、通常、
約1〜10000モル、好ましくは10〜5000モル
となるような量で用いられる。さらに、有機アルミニウ
ム化合物(C)が用いられる場合には、有機アルミニウ
ム化合物(C)は、有機アルミニウムオキシ化合物
(B)中のアルミニウム原子1モルに対して、通常、約
0〜200モル、好ましくは約0〜100モルとなるよ
うな量で用いられる。
【0057】エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの分
子量は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの
ム−ニ−粘度により規定できる。塩素化前のエチレン・
α−オレフィン共重合ゴムとしては、135℃における
デカリン中の極限粘度[η]で0.5〜6.0の範囲に入
るものが好適に用いられる。
【0058】塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムは、上記により得られたエチレン・α−オレフィン共
重合ゴムを塩素化することにより得られる。
【0059】エチレン・α−オレフィン共重合ゴムの塩
素化は、例えば共重合ゴムを溶媒中に溶解し、光あるい
は有機過酸化物を触媒として分子状塩素を接触させるこ
とにより実施することができる。この反応の際、溶媒と
して例えば四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロルエチレン、ニト
ロメタンなどの有機系の溶媒;四塩化チタン、四塩化ス
ズ、四塩化ケイ素、四塩化バナジウム、三塩化バナジル
などの無機系溶媒などを用いることができる。塩素に対
しての安定性、安全性等の点からこれらの溶媒のうち、
四塩化炭素、クロロホルムなどが好ましい。
【0060】塩素化反応後、反応混合物は通常次のよう
に後処理される。まず、反応混合物中の分子状塩素、塩
化水素を脱気し、次にメタノ−ルなどの塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムの貧溶媒中に投入し、沈澱
物をろ過し、この貧溶媒で洗浄し乾燥させるとか、ある
いは反応混合物を薄膜状にして溶媒を熱で除く方法など
が例示できる。塩素化の程度は、分子状塩素の使用量、
反応時間、反応温度、触媒の量などを変えることによっ
て調節することができる。
【0061】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムの、塩素含量は20〜40重量%であり、好
ましくは25〜35重量%である。またム−ニ−粘度
[ML 1+4(121℃)]は成形性、作業性、性能の点
から10〜190であり、好ましくは20〜150であ
り、更に好ましくは30〜120である。
【0062】前記要件において、塩素含量が20重量%
を下まわると、塩素化により期待できる耐油性、難燃
性、接着性の効果が十分に発揮されない。また、塩素含
量が40重量%を上まわると溶融流動性が低下し、成形
性、加工性等が悪くなる。
【0063】また、ム−ニ−粘度[ML1+4(121
℃)]が上記範囲より小さい場合には、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムの強度が不十分となり、一
方上記範囲より大きい場合には溶融流動性が低下し、成
形性、加工性が悪化し、また他のゴムや樹脂と均一にブ
レンドしにくくなる。
【0064】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムは、未加硫状態においては熱可塑性ゴムとし
て使用できる。また、未加硫の塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴムは、柔軟性に富み、溶融流動性にも
優れることから、各種の樹脂と容易にブレンドすること
ができる。例えば、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、A
S樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリプロピ
レンなどの耐衝撃性改良剤として、軟質〜半硬質塩化ビ
ニル樹脂の非移行性可塑剤として、あるいはポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン用難燃化剤な
どとして有利に用いることができる。
【0065】加硫塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴム(塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム組
成物) 本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム
は、加硫状態においてその特性が最も良く発揮される。
加硫物は、通常のゴムを加硫する時と同様に、未加硫の
配合ゴムを一度調整し、次いで該配合ゴムを意図する形
に成形した後に加硫を行うことにより製造される。
【0066】本発明においては、本発明の塩素化エチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴムに加えてゴムを製造する
上での加工性および要求性能に応じて、それ自体公知の
配合剤、例えば加硫剤、加硫助剤、ゴム用補強剤、顔
料、充填剤、顔料、軟化剤、金属活性化剤、スコ−チ防
止剤、塩酸吸収剤、老化防止剤、加工助剤等を配合する
ことができる。
【0067】本発明の組成物の加硫方法としては、トリ
アジン加硫、有機過酸化物加硫などが有効である。トリ
アジン加硫を行う場合、加硫剤としては、下記一般式
(X)で表されるトリアジン化合物が使用される。
【0068】
【化6】
【0069】式中、R19は−NR2021、−OR20また
は−SR20を表わし、ここでR20、R21は、それぞれ水
素原子、未置換もしくは置換アルキル基、または未置換
もしくは置換アリ−ル基を表わすものとする。このよう
な一般式で表わされるトリアジンチオ−ル類として具体
的には、トリアジン−2,4,6−トリチオ−ル、2−ジ
ブチルアミノトリアジン−4,6−ジチオ−ル、2−フ
ェニルアミノトリアジン−4,6−ジチオ−ル、2−ヘ
キシルアミノトリアジン−4,6−ジチオ−ル、2−ジ
エチルアミノトリアジン−4,6−ジチオ−ル、2−ブ
トキシトリアジン−4,6−ジチオ−ルなどを挙げるこ
とができる。
【0070】これらのトリアジン化合物の配合量は、必
要に応じ適宜選択できるが、通常、塩素化エチレン・α
−オレフィン共重合ゴム100g当たり、好ましくは
5.0×10-4〜5.0×10-2モル、より好ましくは
1.5×10-3〜2.0×10-2モル、さらに好ましくは
3.0×10-3〜1.3×10-2モルである。
【0071】加硫剤の配合量が上記範囲よりも小さい場
合には、好適なゴム弾性を有する加硫物が得られず、ま
た上記範囲よりも多量に配合すると伸びが低下し実用に
供し難くなる傾向がある。
【0072】多様なゴムの加工工程に対応するため、加
硫速度の調節は実用上極めて重要である。このため、加
硫助剤が添加される。本ゴム組成物には、これらの加硫
助剤が必要に応じて添加される。
【0073】加硫剤としてトリアジン化合物を使用する
ときは加硫助剤が添加される。加硫助剤は加硫速度を加
工成形上実用的なものとするために添加される。加硫助
剤としては、酸解離定数(pKa)が7以上の有機塩
基、あるいは有機塩基を発生しうる化合物が使用され
る。
【0074】これらの加硫助剤としては1,8−ジアザ
ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ラウリルアミ
ン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモ
ルフォリン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸
ピペリジン塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド、安息香酸・ピペリジン塩、安息
香酸・ジシクロヘキシルアミン塩、ジフェニルグアニジ
ン、ジオルトトリルグアニジン、ジペンタメチレンチウ
ラムテトラスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、ヨウ化テトラメチルスルフォニウム、塩化テトラ
メチルアンモニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、
臭化テトラブチルアンモニウム、ジステアリルジメチル
アンンモニウムクロライドなどのオニウム塩が例示でき
る。
【0075】加硫助剤は、塩素化エチレン・α−オレフ
ィン共重合ゴム100gに対して、好ましくは5×10
-4〜2×10-2モル、より好ましくは1×10-3〜1×
10 -2モル用いられる。これらは1種単独あるいは2種
以上一緒に用いられる。
【0076】有機過酸化物加硫を行なう場合、加硫剤と
してはジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)
ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチ
ルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
第三ジブチルヒドロペルオキシドを例示できる。なかで
もジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、
ジ第三ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンが好ましく使用される。
【0077】有機過酸化物の使用量は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100gに対して、好まし
くは3×10-3〜5×10-2モル、より好ましくは1×
10 -3〜3×10-2モルの範囲である。
【0078】加硫剤として有機過酸化物を使用するとき
は、加硫助剤の併用が好ましい。加硫助剤としては硫
黄、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系、
エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ル
プロパントリメタクリレ−トなどのアクリル系、ジアリ
ルフタレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−トなどのアリ
ル系、その他マレイミド系、ジビニルベンゼンなどが例
示される。
【0079】このような加硫助剤は、使用する有機過酸
化物1モルに対し、好ましくは0.5〜2モル、より好
ましくは均等モル使用される。
【0080】ゴム用補強剤としては、例えばSRF、G
PF、FEF、MAF、ISAF、SAF、FT、MT
などの各種カ−ボンブラック、微粉けい酸などが適宜用
いられる。
【0081】これらの補強剤は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部当たり好ましくは3
00重量部以下、より好ましくは150重量部以下の量
で配合される。300重量部を上廻るときは、加工性が
低下する。
【0082】充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−などが用いら
れる。また、着色のため無機顔料、有機顔料などが用い
られる。
【0083】これらの充填剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択される。いずれも塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム100重量部当たり、好ましくは3
00重量部以下、より好ましくは150重量部以下用い
られる。
【0084】また軟化剤としては、本発明における基本
要件たる特定のパラフィン系プロセスオイルが用いられ
るが、必要に応じ既存の軟化剤を用いることもできる。
そのような軟化剤としては、例えば、ヒマシ油、ナタネ
油、大豆油、ヤシ油などの脂肪油、ト−ル油、蜜ロウ、
カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類;リシノ−ル
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸、またはその
金属塩;ナフテン酸またはその金属石鹸;パイン油、ロ
ジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン、ジオ
クチルフタレ−ト、ジオクチルアジペ−ト、ジオクチル
セバケ−トなどのエステル系可塑剤、その他マイクロク
リスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブ
タジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコ−ルな
どを挙げることができる。
【0085】これらの軟化剤の配合量は、所望の製品に
より適宜選択される。いずれも塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム100重量部当たり、好ましくは2
00重量部以下、より好ましくは70重量部以下用いら
れる。軟化剤の量が200重量部を上まわるときは、耐
熱老化性が低下し好ましくない。
【0086】金属活性化剤としては、酸化マグネシウ
ム、高級脂肪酸亜鉛、鉛丹、リサ−ジ、酸化カルシウ
ム、ハイドロタルサイトなどを使用しうる。
【0087】これらの金属活性化剤は、塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、好
ましくは3〜15重量部、より好ましくは5〜10重量
部の範囲で用いられる。
【0088】スコ−チ防止剤としては、公知のスコ−チ
防止剤を用いることができる。その例としては無水マレ
イン酸、チオイミド系化合物、スルフェンアミド系化合
物、スルフォンアミド系化合物などを挙げることができ
る。上記成分は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重
合ゴム100重量部に対して、好ましくは0.2〜5重
量部、より好ましくは0.3〜3重量部の範囲で用いら
れる。
【0089】塩酸吸収剤としては、周期律表第IIA族
金属の酸化物および有機酸塩が用いられ、例えばステア
リン酸マグネシウム、マグネシア、ステアリン酸カルシ
ウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、マナセアイ
ト、ハイドロタルサイト、エポキシ化大豆油、エポキシ
系塩酸吸収剤などが例示できる。これらの塩酸吸収剤
は、塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100
重量部に対して、好ましくは10重量部以下の量で適宜
配合できる。
【0090】また本発明のゴム組成物は、老化防止剤を
使用しなくても、優れた耐熱性、耐久性を示すが、なお
老化防止剤を使用すれば、本発明のゴム組成物を用いた
製品の材料寿命を長くすることが可能であることも通常
のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用され
る老化防止剤としては、例えばフェニルブチルアミン、
N,N'ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなど
の芳香族第二アミン軽、ジブチルヒドロキシトルエン、
テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシ)ヒドロシンナメ−ト]メタンなどのフェノ
−ル系安定剤、ビス[2−メチル−4−(3−n−アル
キルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニ
ル]スルフィドなどのチオエ−テル系安定剤、ジブチル
ジチオカルバミン酸ニッケルなどのなどのジチオカルバ
ミン酸塩系安定剤などが単独あるいは2種以上の併用で
配合される。このような老化防止剤の使用量は、塩素化
エチレン・α−オレフィン共重合ゴム100重量部に対
して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.
5〜3重量部の割合である。
【0091】次に加工助剤としては、通常のゴムの加工
に使用されるものが使用でき、例えばリシノ−ル酸、ス
テアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸
バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、上記酸のエステル類などの高級脂肪酸、その塩およ
びそのエステル類などを例示できる。これらの加工助剤
は通常の場合には、塩素化エチレン・α−オレフィン共
重合ゴム100重量部に対して、好ましくは約10重量
部まで、より好ましくは約1〜5重量部用いられる。
【0092】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム組成物は、例えば次のような方法で調整する
ことができる。本発明の必須成分である塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムおよび補強剤、充填剤、軟
化剤、顔料などの添加剤をバンバリ−ミキサ−の如きミ
キサ−類を用いて約80℃〜170℃の温度で約3〜1
0分間混練した後、加硫剤、加硫助剤をオ−プンロ−ル
の如きロ−ル類を用いて追加混合し、ロ−ル温度約40
℃〜80℃で約3〜30分間混練して押出し、リボン状
またはシ−ト状のゴム配合物を調製する。
【0093】このようにして調製された未加硫ゴム配合
物は、押出機、カレンダ−ロ−ル、プレス、射出成形
機、トランスファ−成形機などにより所望の形状に成形
される。成形と同時にまたはその成形品を加硫槽内で、
通常約150℃〜270℃で約1〜30分間加熱する方
法により加硫される。
【0094】加硫槽としては、スチ−ム加硫缶、熱空気
加硫槽、ガラスビ−ズ流動床、溶融塩加硫槽、マイクロ
波槽などが単独、あるいは組み合わせで使用される。
【0095】加硫物はそのもの自体でも電気絶縁材、自
動車工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引
布として有用である。
【0096】電気絶縁材としては、プラグキャップ、イ
グニションキャップ、ディストリビュ−タ−キャップな
どの自動車エンジン周辺のキャップ類、コンデンサ−キ
ャップ、舶用電線、自動車用イグニションケ−ブルなど
の被覆絶縁層、ケ−ブルジョイントカバ−などに具体的
に使用される。
【0097】自動車工業部品としては、ラジエ−タ−ホ
−ス、フュ−エルホ−スなどのホ−ス類、またバンパ
−、バンパ−フィラ−、バンパ−ストリップ、バンパ−
サイドガ−ド、オ−バ−ライダ−、サイドプロテクショ
ンモ−ルなどの自動車外装部品、各種ウエザ−ストリッ
プ類、ブ−ツ、ボ−ルジョイントシ−ル、各種防振ゴム
などに使用できる。
【0098】工業用ゴム部品としては、ロ−ル、パッキ
ング、ライニング、ベルトなどに使用できる。
【0099】また、土木建材用としては、ル−フィング
シ−ト、耐熱ベルト、建材用ガスケット、ハイウェイジ
ョイントシ−ルなどに使用される。
【0100】ゴム引布としては、防水布、天幕、レジャ
−シ−トなどに使用される。
【0101】更に、加硫に先立ってゴム配合物中の一方
あるいは両方に発泡剤および必要に応じて発泡助剤を配
合し、断熱材、クッション材、シ−ル材、防音材などに
使用し得る発泡加硫物とすることもできる。
【0102】発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機
発泡剤;N,N'−ジメチルN,N'−ジニトロソテレフタ
ルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ンなどのニトロ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、
アゾジアミノベンゼン、アゾジカルボン酸バリウムなど
のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニトリルヒドラジド、
トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'−オキシビス
(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、ジフェニルスル
ホン−3,3'−ジスルフォニルヒドラジドなどのスルフ
ォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−
ジフェニルジスルフォニルアジド、p−トルエンスルフ
ォニルアジドなどのアジド化合物が挙げられる。これら
のうち特にニトロ化合物、アゾ化合物およびアジド化合
物が好んで使用される。
【0103】これらの発泡剤は、塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴム100重量部に対して、好ましく
は0.3〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量
部の割合で配合される。一般に見掛比重約 0.03〜
0.9程度の発泡体が形成される。
【0104】発泡剤とともに使用することのできる発泡
助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸な
どの有機酸あるいは尿素またはその誘導体などが使用さ
れる。発泡助剤は発泡剤の分解温度の低下、分解促進、
気泡の均一化などの働きを示す。
【0105】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムとその組成物における塩素化エチレン・α−
オレフィン共重合ゴムは、前記の通り塩素含量が20〜
40重量%であり、ム−ニ−粘度[ML1+4(121
℃)]が10〜190であり、そして塩素化前のエチレ
ン・α−オレフィン共重合ゴムがその分子末端にビニリ
デン結合を有し、これが炭素1000ケ当たり0.05
〜1.00ケ存在することを特徴とする。
【0106】塩素含量が20〜40重量%であること
が、耐オゾン性、耐熱性、耐油性、難燃性、接着性、ゴ
ム弾性等においてバランスのとれた良好な性状を与えて
いる。塩素含量が、上記範囲よりも小さいと塩素化によ
り期待できる耐油性、接着性、難燃性等の効果が十分発
揮できなくなり、上記範囲よりも大きいとム−ニ−粘度
があまりに大きい場合と同様に溶融流動性が低下し成形
性、加工性が悪くなる。
【0107】ム−ニ−粘度[ML1+4(121℃)]は
10〜190であることが、バランスのとれた良好な物
性で、成形性、加工性を良好にしている。ム−ニ−粘度
が上記範囲より小さい場合には、ゴムの強度が十分でな
く、一方大きい場合には、溶融流動性が低下し成形性、
加工性が悪化し、また他のゴムや樹脂との混和性が低下
する。
【0108】塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重
合ゴムが、その分子末端にビニリデン結合を有し、これ
が炭素1000ケ当たり0.05〜1.00ケ存在するこ
とが、本発明のシ−ル性の優れたゴム製品を得る上で極
めて重要である。すなわち分子末端のビニリデン量が炭
素1000ケ当たりあまりに小さいと本発明の目的たる
モジュラスの高い製品を得ることができず、一方あまり
に大きいと、熱安定性が低下する。末端ビニリデン量
(個/1000ケカーボン)は、赤外分光計を用い、C
H面外変角振動に基づく890cm-1の吸収での単位厚
さ(cm)当たりの吸光度を算出し、予め作成してある
検量線より求めた。
【0109】本発明の塩素化エチレン・α−オレフィン
共重合ゴムは、トリアジン加硫、有機過酸化物加硫が有
効であり、加硫ゴム組成物は、塩素化エチレン・α−オ
レフィン共重合ゴム100重量部当たり300重量部ま
での補強剤、200重量部までの軟化剤、及び該重合ゴ
ム100g当たり5.0×10-4〜5.0×10-2モルの
加硫剤を配合することにより、加工性、熱安定性に優
れ、加硫ゴムの強度が良好で高モジュラスであり、耐熱
老化性、耐候性に優れたゴム製品を与えることができ
る。
【0110】本発明における塩素化エチレン・α−オレ
フィン共重合ゴムとその組成物は、上述のように優れた
特性を示すことから、前述したように電機絶縁材、自動
車工業部品、工業用ゴム製品、土木建材用品、ゴム引布
その他に有効に使用することができる。
【0111】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明する。
【0112】実施例1 エチレン・1−ブテン共重合ゴムを以下の方法で重合し
た。すなわち、容積300リットルの連続重合反応器
に、脱水精製したヘキサン溶媒を38.7リットル/h
rの割合で、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶
液(2.5ミリモル/リットル)を4リットル/hrの
割合で、メチルアルミノキサンのヘキサン溶液(アルミ
ニウム原子として2.04ミリグラム原子/リットル)
を6.4リットル/hrの割合で、ビス(1,3−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのヘ
キサン溶液(0.072ミリモル/リットル)を0.9リ
ットル/hrの割合で連続的に供給した(合計ヘキサン
50リットル/hr)。同時に重合反応器内に、エチレ
ンと1−ブテンと水素とをエチレンを4.2kg/hr
の割合で、1−ブテンを15kg/hrの割合で、水素
を0.8リットル/hrの割合で連続供給し、重合温度
90℃、滞留時間1.4時間の条件下で共重合を行っ
た。
【0113】重合反応器で生成したエチレン・1−ブテ
ン共重合体の溶液は、連続的に排出させ、溶媒を蒸発分
離し、エチレン・1−ブテン共重合体を得た。この共重
合ゴムの組成を13C−NMRで測定したところエチレン
単位と1−ブテン単位のモル比が90/10であった。
次に、IRで末端ビニリデン結合を測定したところ炭素
1000ケ当たり0.20個であった。次に、135℃
のデカリン中で極限粘度[η]を測定した。[η]は
1.5であった。
【0114】この共重合ゴム300gと有機過酸化物で
あるパ−ブチルOを1.8mモルを5lのクロロホルム
に溶解し、攪拌機、温度計を備えたオ−トクレ−ブに該
溶液を入れた。反応液を70℃に保ちながら反応器内に
塩素ガスを2g/minの割合で導入し、3時間反応を
行った。その後、窒素ガスを反応器に通じて、系中に残
った塩素ガス、塩化水素を除去した。次にこれをエバポ
レ−タ−で濃縮し、更に50℃の真空乾燥機で48時間
減圧乾燥し、十分脱溶媒した。製造した塩素化エチレン
・α−オレフィン共重合ゴムの性状を次のようにして測
定した。
【0115】ム−ニ−粘度 ML1+4(121℃) JIS K6300に従い、島津製作所製MSV−20
0型ム−ニ−粘度計を用いて測定した。
【0116】塩素含量 ボンベ燃焼法により測定した。次に、以下の手順で配合
ゴム、加硫ゴムを作製し試験に供した。まづ8インチオ
−プンロ−ル(日豊ロ−ル社製)を使用して、表1で示
す処方で配合物を作製した。混練に要した時間は15分
間であった。
【0117】
【表1】
【0118】この配合物を厚さ5mmで分出しした。こ
の分出しシ−トを用い、プレス成形機(コ−タキ社製ゴ
ム用150tプレス成形機)を使用して、160℃で2
0分間加硫し、2mmの加硫シ−トを作製した。加硫シ
−トについて、JISK6301に従って、スプリング
硬さ(A型)(Hs JISA)、引張強さ、伸び、1
00%モジュラスを測定した。結果を、表2に示す。
【0119】比較例1 オキシ三塩化バナジウムとエチルアルミニウムセスキク
ロリドを触媒とし、ヘキサン溶媒中、水素の存在下50
℃でエチレンと1−ブテンの混合物を重合し、エチレン
・1−ブテン共重合ゴムを製造した。この、共重合ゴム
の組成を13C−NMRで測定したところエチレン単位と
1−ブテン単位のモル比が90/10であった。次に、
IRで末端ビニリデン結合の量を測定したところ存在が
認められなかった。次に、135℃のデカリン中で極限
粘度[η]を測定した。[η]は1.6であった。以下
は実施例1と同様に行った。結果を、表2に示す。
【0120】実施例2 実施例1において、重合温度を70℃、水素添加量を
1.2リットル/hrと調節した以外は実施例1と同様
に重合した。エチレン・1−ブテン共重合ゴムとして、
エチレン単位と1−ブテン単位のモル比が90/10で
あり、末端ビニリデン結合の量が炭素1000ケ当たり
0.09個、135℃のデカリン中で極限粘度[η]が
1.6のものを用いた以外は実施例1と同様に行った。
結果を、表2に示す。
【0121】実施例3 実施例1において、重合温度を110℃に変える以外は
実施例1と同様に行った。エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとして、エチレン単位と1−ブテン単位のモル比が
90/10であり、末端ビニリデン結合の量が炭素10
00ケ当たり0.45個、135℃のデカリン中で極限
粘度[η]が1.6のものを用いた以外は実施例1と同
様に行った。結果を、表2に示す。
【0122】
【表2】
【0123】実施例4 実施例1において、エチレンを4.2kg/hr、1−
ブテンを10.8kg/hrの割合に調節した以外は実
施例1と同様に重合した。エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとして、エチレン単位と1−ブテン単位のモル比が
93/7であり、末端ビニリデン結合の量が炭素100
0ケ当たり0.21個、135℃のデカリン中で極限粘
度[η]が1.6のものを用い、塩素化時間を2.5時間
にした以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示
す。
【0124】実施例5 実施例1において、エチレンを4.2kg/hr、1−
ブテンを19.1kg/hrの割合に調節した以外は実
施例1と同様に重合した。エチレン・1−ブテン共重合
ゴムとして、エチレン単位と1−ブテン単位のモル比が
87/13であり、末端ビニリデン結合の量が炭素10
00ケ当たり0.20個、135℃のデカリン中で極限
粘度[η]が1.6のものを用い、塩素化時間を3.5時
間にした以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に
示す。
【0125】実施例6 実施例1において、所望の[η]が得られるように水素
供給量を調節した以外は実施例1と同様に重合した。エ
チレン・1−ブテン共重合ゴムとして、エチレン単位と
1−ブテン単位のモル比が90/10であり、末端ビニ
リデン結合の量が炭素1000ケ当たり0.23個、1
35℃のデカリン中で極限粘度[η]が2.0のものを
用い、塩素化時間を1.5時間にした以外は実施例1と
同様に行った。結果を表3に示す。
【0126】実施例7 実施例1において、1−ヘキセンを31.5kg/h
r、所望の[η]が得られるように水素供給量を調節し
た以外は実施例1と同様に重合した。得られたエチレン
・1−ヘキセン共重合ゴムは、エチレン単位と1−ヘキ
セン単位のモル比が90/10であり、末端ビニリデン
結合の量が炭素1000ケ当たり0.20個、135℃
のデカリン中で極限粘度[η]が1.5のものであっ
た。このものを用いた以外は実施例1と同様に行った。
結果を表3に示す。
【0127】
【表3】
【0128】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/28 LDA

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化エチレン・α−オレフィン共重合
    ゴムであって、塩素含量が20〜40重量%であり、ム
    −ニ−粘度[ML1+4(121℃)]が10〜190で
    あり、そして塩素化前のエチレン・α−オレフィン共重
    合ゴムがその分子末端にビニリデン結合を有し、これが
    炭素1000ケ当たり0.05〜1.00ケ存在すること
    を特徴とする塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
    ム。
  2. 【請求項2】 塩素化前のエチレン・α−オレフィン共
    重合ゴムのエチレン単位とα−オレフィン単位との組成
    比がモル基準で85/15〜95/5である請求項1記
    載の塩素化エチレン・α−オレフィン共重合ゴム。
  3. 【請求項3】 α−オレフィンの炭素数が3〜20であ
    る請求項第1項記載の塩素化エチレン・α−オレフィン
    共重合ゴム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の塩素化エチレン・α−オ
    レフィン共重合ゴム100重量部に対し(a)300重
    量部までの補強剤および(b)200重量部までの軟化
    剤、並びに(c)該共重合ゴム100g当たり5.0×
    10-4〜5.0×10-2モルの加硫剤を配合してなる組
    成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007077734A1 (ja) * 2006-01-06 2007-07-12 Idemitsu Kosan Co., Ltd. ポリオレフィンの製造方法およびその製造に用いる触媒成分
WO2019142749A1 (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 日本製紙株式会社 塩素化ポリオレフィン樹脂及びその用途

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WO2007077734A1 (ja) * 2006-01-06 2007-07-12 Idemitsu Kosan Co., Ltd. ポリオレフィンの製造方法およびその製造に用いる触媒成分
WO2019142749A1 (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 日本製紙株式会社 塩素化ポリオレフィン樹脂及びその用途
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