JPH0789993A - 新規環状ペンタペプチド - Google Patents

新規環状ペンタペプチド

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JPH0789993A
JPH0789993A JP6029161A JP2916194A JPH0789993A JP H0789993 A JPH0789993 A JP H0789993A JP 6029161 A JP6029161 A JP 6029161A JP 2916194 A JP2916194 A JP 2916194A JP H0789993 A JPH0789993 A JP H0789993A
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JP
Japan
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dtrp
group
dasp
endothelin
leu
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Application number
JP6029161A
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English (en)
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Kiyobumi Ishikawa
清文 石川
Takehiro Fukami
竹広 深見
Masaki Ihara
正樹 伊原
Masaru Nishikibe
優 錦辺
Mitsuo Yano
光夫 矢野
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 cyclo(−X1−X2−X3−X4−X5−) [I] [式中、Xn(n=1〜5)はそれぞれアミノ酸残基を
示し、X1はDTrp(2−Br)等を示し、X2はDA
sp等を示し、X3はPro等を示し、X4はDVal等
を示し、X5はAla等を示す]で表される環状ペンタ
ペプチド又はその製薬上許容される塩。 【効果】本発明の環状ペプチドは、エンドセリン拮抗作
用を有し、エンドセリンに関与する各種疾患の予防・治
療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内在性の強力な生理活
性ペプチドである3種のエンドセリン(エンドセリン−
1、エンドセリン−2及びエンドセリン−3)に対する
拮抗作用を有する新規化合物、その製造法及びその用途
に関するものである。
【0002】本発明の化合物は、エンドセリン受容体サ
ブタイプETA及びETBの双方の受容体に対して高い親
和性を有し、エンドセリンの作用を阻害することによ
り、血管拡張作用及び気管支拡張作用を有し、医薬の分
野、特に高血圧、肺高血圧、レイノー病、急性腎不全、
心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳血管攣縮、動脈硬化症、
気管支喘息、胃潰瘍、糖尿病、エンドトキシンショッ
ク、エンドトキシンを起因とする多臓器不全や播種性血
管内凝固及び/又はシクロスポリン誘発の腎障害や高血
圧等の治療剤として利用できる。
【0003】
【従来の技術】エンドセリンは21個のアミノ酸から成
るポリペプチドであり、ヒト、ブタの内皮細胞より産生
され、強力な血管収縮作用及び持続的で強い昇圧作用を
有する[ネイチャー(Nature)、第332巻、第
411頁−第415頁(1988年)参照]。また、エ
ンドセリンには、構造の類似したファミリーペプチドと
して、3種のエンドセリン(エンドセリン−1,エンド
セリン−2,エンドセリン−3)が人を含む動物で存在
していることが知られ、これらのペプチドは、いずれも
血管収縮作用及び昇圧作用を有することが知られている
[プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンス(Proc. Natl.Acad.Sc
i.USA),86,2863−2867(1989)
参照]。
【0004】エンドセリンは、臨床上、本態性高血圧患
者、急性心筋梗塞患者、肺高血圧患者、レイノー病患
者、糖尿病患者、アテローム性動脈硬化症患者の血中及
び喘息患者の血中或は気道洗浄液中において正常人に比
べ明らかに増加していることが報告されている[日本高
血圧学会誌(Japan.J.Hypertensio
n),第12巻,第79頁(1989年)、ジャーナル
・オブ・バスキュラー・メディシン・アンド・バイオロ
ジー(J.Vascular MedicineBio
logy),第2巻,第207頁(1990年)、ダイ
アベトロジア(Diabetologia),第33
巻,第306頁−第310頁(1990年)、ジャーナ
ル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション
(J.Am.Med.Association),第2
64巻,第2868頁(1990年)及びザ・ランセッ
ト(The Lancet),第2巻,第747頁−第
748頁(1989年)及び第2巻,第1144頁−第
1147頁(1990年)参照]。
【0005】また、実験的脳血管攣縮モデルにおいて、
脳血管のエンドセリンに対する感受性の増加[日本脳循
環代謝学会(Japan.Soc.Cereb.Blo
odFlow & Metabol.)、第1巻、第7
3頁(1989年)]、急性腎不全モデルにおけるエン
ドセリン抗体による腎機能の改善[ジャーナル・オブ・
クリニカル・インベスティゲーション(J.Clin.
Invest.)、第83巻、第1762頁−第176
7頁(1989年)]、及び胃潰瘍モデルにおけるエン
ドセリン抗体による胃潰瘍発生の抑制[第19回 日本
実験潰瘍研究会抄録,第50頁(1991年)]等が報
告されていることより、エンドセリンはクモ膜下出血後
の脳血管攣縮及び急性腎不全の原因物質のひとつとして
考えられている。
【0006】更にエンドセリンは血管内皮細胞のみなら
ず、気管上皮細胞、或は腎実質細胞からも遊離されるこ
とが明らかとなっている[フェブス・レターズ(FEB
SLetters)、第255巻、第129頁−第13
2頁(1989年)及びフェブス・レターズ(FEBS
Letters)、第249巻、第42頁−第46頁
(1989年)]。
【0007】エンドセリンは、内因性生理活性ペプチド
であるレニン及び心房性ナトリウム利尿ホルモン、更に
は内皮細胞由来の血管弛緩因子(EDRF)、トロンボ
キサンA2、プロスタサイクリン、ノルアドレナリン、
アンジオテンシンII及びサブスタンスP等の生理活性
物質の遊離を調節していることも見出された[バイオケ
ミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュ
ニケーションズ(Biochem.Biophys.R
es.Commun.)、第157巻、第1164頁−
第1168頁(1988年)、バイオケミカル・アンド
・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ
(Biochem.Biophys.Res.Comm
un.)、第155巻、第167頁−第172頁(19
89年)、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ユーエスエー
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、
第85巻、第9797頁−第9800頁(1989
年)、ジャーナル・オブ・カルジオバスキュラー・ファ
ーマコロジー(J.Cardiovasc.Pharm
acol.)、第13巻、第S89頁−第S92頁(1
989年)、日本高血圧学会誌(Japan.J.Hy
pertension)、第12巻、第76頁(198
9年)及びニューロサイエンス・レターズ(Neuro
science Letters)、第102巻、第1
79頁−第184頁(1989年)]。その他、消化管
平滑筋及び子宮平滑筋をも収縮する作用を有する[フェ
ブス・レターズ(FEBS Letters)、第24
7巻、第337頁−第340頁(1989年)、ヨーロ
ピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Eu
r.J.Pharmacol.)、第154巻、第22
7頁−第228頁(1988年)及びバイオケミカル・
アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーシ
ョンズ(Biochem.Biophys.Res.C
ommun.)、第159巻、第317頁−第323頁
(1989年)参照]。
【0008】またエンドセリンは、ラット血管平滑筋細
胞の増殖を促進することが見出され、動脈肥厚との関連
性が示唆されている[アテロスクレローシス(Athe
rosclerosis)、第78巻、第225頁−第
228頁(1989年)参照]。更に、エンドセリンの
受容体は末梢組織ばかりではなく中枢組織にも高濃度に
存在することが知られており、脳内に投与したエンドセ
リンが動物行動の変化をもたらすことから、エンドセリ
ンは神経機能の調節に対しても重要な役割を持っている
と考えられている[ニューロサイエンス・レターズ(N
euroscience Letters)、第97
巻、第276頁−第279頁(1989年)参照]。特
に、エンドセリンは、痛覚のメディエーターの一種であ
ることが示唆されている[ライフ・サイエンシズ(Li
fe Sciences)、第49巻、第PL−61頁
−第PL−65頁(1991年)]。
【0009】一方、エンドトキシンは内因性エンドセリ
ン遊離を促す有力な候補物質の一つである。エンドトキ
シンを外因的に動物に投与した際、或は培養血管内皮細
胞に添加した際に、血中或は培養上清中のエンドセリン
濃度が顕著に上昇することが見出されており、エンドセ
リンがエンドトキシンを起因とする疾患に関与する重要
なメディエーターのひとつであると考えられている[バ
イオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・
コミュニケーションズ(Biochem.Biophy
s.Res.Commun.)、第161巻、第122
0頁(1989年)及びアクタ・フィジオロジカ・スカ
ンジナビカ(Acta Physiol.Scan
d.)、第137巻、第317頁(1989年)]。
【0010】更に、シクロスポリンを培養腎細胞(LL
C−PK1細胞)に添加した際に、エンドセリンの分泌
が著明に亢進されることが報告されている[ヨーロピア
ン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Eur.
J.Pharmacol.)、第180巻、第191頁
−第192頁(1990年)]。また、シクロスポリン
をラットに投与すると、糸球体濾過量の減少及び血圧の
上昇が観察され、この時、循環中のエンドセリン量は顕
著な上昇を示していた。このシクロスポリン誘発の腎障
害はエンドセリンの抗体を投与することにより抑制され
る[キドニー・インターナショナル(Kidney I
nt.)、第37巻、第1487頁−第1491頁(1
990年)]。このように、エンドセリンがシクロスポ
リン誘発のこれら疾患に重要な役割を果たしていること
が示唆されている。
【0011】これらのエンドセリンによるさまざまな作
用は、生体内に広く分布するエンドセリン受容体とエン
ドセリンとの結合により生じることが知られている[ア
メリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Am.
J.Physiol.)、第256巻、第R856頁−
第R866頁(1989年)参照]。
【0012】エンドセリン受容体は今までの研究から少
なくとも2種類のサブタイプが存在し、エンドセリンに
よる血管収縮作用もこれら2種のエンドセリン受容体サ
ブタイプを介して引き起こされることが知られている
[ジャーナル・オブ・カルジオバスキュラー・ファーマ
コロジー(J.Cardiovasc.Pharmac
ol.)、第17(Suppl.7)巻、第S119頁
−第S121頁(1991年)参照]。これらエンドセ
リン受容体サブタイプの一方は、エンドセリンファミリ
ーペプチドのET−3に比べET−1に選択性を有して
いるエンドセリン受容体(ETA)であり、他方はET
−1とET−3でほぼ同等の活性を有するエンドセリン
受容体(ETB)であり、これらそれぞれの受容体蛋白
はそれぞれ異なることが示されている[ネイチャー(N
ature)、第348巻、第730頁−第735頁
(1990年)参照]。
【0013】また、これらエンドセリンファミリーペプ
チド間の選択性の異なる2種のエンドセリン受容体サブ
タイプの組織内分布は異なっており、ETA受容体は心
血管系に多いのに対して、ETB受容体は脳、腎臓、
肺、心臓、血管など広範囲の組織に分布していることが
知られている。
【0014】これらエンドセリン受容体へのエンドセリ
ンの結合を特異的に阻害する物質は、上に述べたエンド
セリンの種々の生理作用に拮抗し広範な分野で医薬品と
して有用であると考えられる。本発明者らは、先に環状
ペンタペプチドのETA受容体を介するエンドセリンの
強力な拮抗作用を開示した[ヨーロッパ特許公開公報
(公開番号0436189A1)]。しかしながら、エ
ンドセリンの作用は、ETA受容体のみならずETB受容
体を介しても発現しているため、さらに、効果的にさま
ざまな疾患でのエンドセリンの作用に拮抗するために
は、ETA、ETB両受容体に対して拮抗活性を有する物
質の発明が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】エンドセリンは直接的
又は間接的(種々の内因性物質の遊離を調節)に血管性
及び非血管性の平滑筋を持続的に収縮させる内在性の生
理活性物質であり、その過剰生産や過剰分泌は高血圧
症、肺高血圧症、レイノー病、気管支喘息、胃潰瘍、糖
尿病、動脈硬化症、急性腎不全、心筋梗塞、狭心症、脳
血管攣縮及び脳梗塞の病因のひとつであると考えられ
る。また、エンドトキシンショック或はエンドトキシン
起因の多臓器不全、播種性血管内凝固等の疾患及びシク
ロスポリン誘発の腎障害や高血圧に対してエンドセリン
が重要なメディエーターとして働いていることが示唆さ
れている。エンドセリンの受容体としては、ETA受容
体及びETB受容体が知られており、ETA受容体拮抗物
質とともに、ETB受容体拮抗物質は、医薬として有用
である。本発明は、ETA受容体、ETB受容体双方に対
して強く拮抗活性を有する物質の発明により、上記の種
々の病態に対して従来にない新規な治療法を提供しよう
とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために、種々の環状ペンタペプチドを合成
し、そのエンドセリン拮抗活性を調べた結果、一般式 cyclo(−X1−X2−X3−X4−X5−) [I] [式中、Xn(n=1〜5)はそれぞれアミノ酸残基を
示し、X1はDTrp(2−F)、DTrp(2−C
l)、DTrp(2−Br)、DTrp(2−I)又は
DTrp(2−Me)を示し、X2はDAsp、DGl
u又はDCys(O3H)を示し、X3はPro、Hy
p、Pip、Thz又はα−アミノ基上の水素原子が、
イミダゾリル基、カルボキシル基、スルホ基、水酸基か
らなる群より選ばれる任意の基を有していてもよいC 1
〜C6アルキル基若しくはC3〜C7シクロアルキル基で
置換されていてもよい、Gly、Ala、αAba、A
ib、Val、Nva、Leu、Ile、aIle、N
le、Cprg、Cpeg、Chg、Cpra、Cpe
a、Cha、Met、Met(O)、Met(O2)、
Phe、Tza、Tha、Tyr、Trp、His、A
rg、Lys、Lys(CHO)、Orn、Orn(C
HO)、Asn、Gln、Asp、Glu、Cys(O
3H)、Cys、Ser若しくはThrを示し、X4はD
Ala、DαAba、DVal、DNva、DLeu、
DIle、DaIle、DNle、DtertLeu、
DγMeLeu、DCprg、DCpeg、DChg、
DDpg、DPhe、DTha、DTyr、DTza、
DPen、DPen(Me)、Aib、Ac3c、Ac4
c、Ac5c、Ac6c、Ac7c、又はα位の水素原子
がC1〜C3アルキル基で置換されていてもよいDPh
g、DThg、DFug、DTzg若しくはDItgを
示し、X5はα−アミノ基上の水素原子がC 1〜C6アル
キル基で置換されていてもよい、Ala、αAba、V
al、Nva、Leu、Ile、aIle、Nle、γ
MeLeu、Met、Phg、Thg、Fug、Tz
g、Itg、Phe、Tyr、Tha、Trp、Tz
a、Cprg、Cpeg、Chg、Cpra、Cpea
又はChaを示す]で表される環状ペンタペプチド又は
その製薬上許容される塩が強いETA受容体、ETB受容
体双方に対して強い拮抗活性を有することを見出し、本
発明を完成した。
【0017】次に、この明細書に記載されている各種略
号の意味を以下に示す。略号 略号の意味 αAba L−α−アミノブタン酸 DαAba D−α−アミノブタン酸 Ac3c 1−アミノシクロプロパンカルボン酸 Ac4c 1−アミノシクロブタンカルボン酸 Ac5c 1−アミノシクロペンタンカルボン酸 Ac6c 1−アミノシクロヘキサンカルボン酸 Ac7c 1−アミノシクロヘプタンカルボン酸 Aib 2−アミノ−2−メチルプロピオン酸 Ala L−アラニン DAla D−アラニン Arg L−アルギニン Asn L−アスパラギン Asp L−アスパラギン酸 DAsp D−アスパラギン酸 DAsp(OMe) D−アスパラギン酸 βメチルエステル DChg D−2−シクロヘキシルグリシン DCprg D−2−シクロプロピルグリシン DCpeg D−2−シクロペンチルグリシン Chg L−2−シクロヘキシルグリシン Cprg L−2−シクロプロピルグリシン Cpeg L−2−シクロペンチルグリシン Cha L−2−シクロヘキシルアラニン Cpra L−2−シクロプロピルアラニン Cpea L−2−シクロペンチルアラニン Cys L−システイン Cys(O3H) L−システイン酸 DCys(O3H) D−システイン酸 DCys(O3Na) D−システイン酸ナトリウム塩 DDpg D−2−(1,4−シクロヘキサジエニル) グリシン DFug D−2−(2−フリル)グリシン Fug L−2−(2−フリル)グリシン Glu L−グルタミン酸 DGlu D−グルタミン酸 Gln L−グルタミン Gly グリシン His L−ヒスチジン Hyp 4−ヒドロキシ−L−プロリン Ile L−イソロイシン aIle L−アロイソロイシン DIle D−イソロイシン DaIle D−アロイソロイシン DItg D−2−(イソチアゾリル)グリシン Itg L−2−(イソチアゾリル)グリシン Leu L−ロイシン DLeu D−ロイシン DtertLeu D−2−アミノ−3,3−ジメチルブタン酸 γMeLeu γ−メチル−L−ロイシン DγMeLeu γ−メチル−D−ロイシン Lys L−リジン Lys(CHO) Nε−ホルミル−L−リジン Met L−メチオニン Met(O) L−メチオニン スルホキシド Met(O2) L−メチオニン スルホン Nle L−ノルロイシン DNle D−ノルロイシン Nva L−ノルバリン DNva D−ノルバリン Orn L−オルニチン Orn(CHO) N5−ホルミル−L−オルニチン DPen D−ペニシラミン DPen(Me) S−メチル−D−ペニシラミン Phe L−フェニルアラニン DPhe D−フェニルアラニン Phg L−フェニルグリシン DPhg D−フェニルグリシン Pip L−ピペコリン酸 Pro L−プロリン Ser L−セリン Tha L−3−(2−チエニル)アラニン DTha D−3−(2−チエニル)アラニン DThg D−2−(2−チエニル)グリシン Thg L−2−(2−チエニル)グリシン Thr L−トレオニン Thz L−チアゾリジン−4−カルボン酸 Trp L−トリプトファン DTrp D−トリプトファン DTrp(2−F) 2−フルオロ−D−トリプトファン DTrp(2−Cl) 2−クロロ−D−トリプトファン DTrp(2−Br) 2−ブロモ−D−トリプトファン DTrp(2−I) 2−ヨード−D−トリプトファン DTrp(1−Boc,2−Cl)1−tert−ブトキシカルボニル−2−ク ロロ−D−トリプトファン DTrp(1−Boc,2−Br)1−tert−ブトキシカルボニル−2−ブ ロモ−D−トリプトファン DTrp(2−Me) 2−メチル−D−トリプトファン Tyr L−チロシン DTyr D−チロシン Tza L−3−(2−チアゾリル)アラニン DTza D−3−(2−チアゾリル)アラニン Tzg L−2−(チアゾリル)グリシン DTzg D−2−(チアゾリル)グリシン Val L−バリン DVal D−バリン Boc tert−ブトキシカルボニル Z ベンジルオキシカルボニル Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル Me メチル tBu tert−ブチル Bzl ベンジル Pac フェナシル Pfp ペンタフルオロフェニル HOBT・H2O 1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾー ル・一水和物 DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミ ド DIPC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド EDCI・HCl 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ ロピル)カルボジイミド塩酸塩 TFA トリフルオロ酢酸 NMM N−メチルモルホリン TEA トリエチルアミン EDT 1,2−エタンジチオール p−TosOH p−トルエンスルホン酸 Pd/C パラジウム−炭素 DMAP 4−ジメチルアミノピリジン DMF N,N−ジメチルホルムアミド THF テトラヒドロフラン DMSO ジメチルスルホキシド MOPS 3−モルホリノプロパンスルホン酸 HEPES 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1− ピペラジニル]エタンスルホン酸 Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ ン PMSF フェニルメタンスルホニルフルオリド 次に本発明の新規環状ペンタペプチドの製造法について
説明する。
【0018】本発明の環状ペンタペプチドは、必要に応
じてアミノ酸側鎖官能基が保護された対応する線状ペン
タペプチド、又は一般式[I]においてアミノ酸残基X
1がDTrpである線状ペンタペプチド若しくは必要に
応じてそのアミノ酸側鎖官能基が保護された対応する線
状ペンタペプチドを環化して、その後必要に応じて、
1)側鎖保護基の除去、2)トリプトファンのインドー
ル環2位のハロゲン化、3)リジン又はオルニチンの側
鎖アミノ基のホルミル化、4)メチオニンのメチオニン
スルホキシド又はメチオニン スルホンへの酸化、の
うちいずれかひとつ以上の反応を行い、更にまた場合に
よりその製薬上許容される塩を形成せしめることにより
製造される。線状ペンタペプチドは、アミノ酸を1個ず
つ縮合せしめる方法、複数のアミノ酸からなる縮合物同
士を縮合せしめる方法又はこれらを組み合わせた方法に
より製造できる。この様な縮合は、例えばアジド法、混
合酸無水物法、DCC法、活性エステル法等の公知の方
法[例えばエム・ボダンスキー(M.Bodansk
y)及びエム・エイ・オンデッティ(M.A.Onde
tti)著、ペプチド・シンセシス、インターサイエン
ス、ニューヨーク(Peptide Synthesi
s,Interscience,New York)1
966年;エフ・エム・フィン(F.M.Finn)及
びケイ・ホフマン(K.Hofmann)著、ザ・プロ
テインズ(The Proteins)、第2巻、エイ
チ・ネンラス(H.Nenrath)及びアール・エル
・ヒル(R.L.Hill)編集、アカデミック・プレ
ス・インコーポレイテッド、ニューヨーク(Acade
mic Press Inc.,New York)1
976年;泉屋信夫他著、ペプチド合成、丸善(株)1
975年等に記載されている]により液相や固相におい
て行うことができる。
【0019】固相法による本発明化合物の製造は以下の
ようにして行うことができる。線状ペンタペプチドは例
えばクロロメチル樹脂[バイオケミストリー(Bioc
hemistry),,1385(1964)]、オ
キシメチル樹脂[ケミストリー・アンド・インダストリ
ー(Chem.Ind.(London)),196
,1597]、p−アルコキシベンジルアルコール樹
脂[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソ
サエティ(J.Am.Chem.Soc.),95,1
328(1973)]、官能化されたポリアミド樹脂
[バイオオーガニック・ケミストリー(Bioorga
nic Chemistry),,351−370
(1979)]等の不溶性担体上で逐次的に縮合反応を
行うことにより得られる。まず線状ペンタペプチドにお
けるC末端アミノ酸に選択されたアミノ酸のα−アミノ
基を保護し、もし側鎖に反応性官能基が存在する場合に
はその側鎖官能基をも保護した後、公知の方法に従いカ
ルボン酸エステルとして不溶性担体に共有結合させる。
次いで、α−アミノ保護基を除去した後、次の配列順の
アミノ保護誘導体(必要ならば側鎖官能基も保護する)
を例えば、DCC又はDIPC等の縮合剤及び必要なら
ばHOBT・H2O等の添加剤と同時に加えて縮合させ
る。このアミノ保護誘導体はペンタフルオロフェニルエ
ステル、酸アジド等のようなカルボキシル活性化アミノ
酸の形で使用してもよい。このような脱保護及び縮合を
繰り返して目的の線状ペンタペプチドを得る。アミノ保
護基としては通常当業界でよく知られているもの、例え
ばZ基、Boc基、Fmoc基、p−メトキシベンジル
オキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル基等のようなウレタン型保護基から選択される。α
−アミノ基の保護に関してはFmoc基又はBoc基の
使用が好適である。Fmoc基は該縮合反応の後に比較
的緩和な塩基の作用、例えば20%ピペリジンのDMF
溶液により容易に除去することができ、一方、Boc基
は比較的緩和な酸の作用、例えばTFAにより容易に除
去することができる。α−アミノ基の保護にFmoc基
を使用する場合には、アスパラギン酸及びグルタミン酸
等のカルボキシル基はtert−ブチルエステル又はト
リチルエステルとして、チロシン、セリン及びトレオニ
ン等の水酸基はtert−ブチルエーテルとして、リジ
ン及びオルニチン等のアミノ基及びヒスチジンのイミダ
ゾリル基はBoc基で、システインのメルカプト基はト
リチル基で、アルギニンのグアニジノ基はペンタメチル
クロマンスルホニル基で保護すればこれらの保護基はF
moc除去条件下では安定であり、線状ペンタペプチド
を環化後に緩和な酸の作用、例えばTFAにより全ての
保護基を同時に除去することができる。一方、α−アミ
ノ基の保護にBoc基を使用する場合には、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸等のカルボキシル基をベンジルエス
テルとして、チロシン、セリン及びトレオニン等の水酸
基をベンジルエーテルとして、リジン及びオルニチン等
のアミノ基及びヒスチジンのイミダゾリル基をZ基で保
護すればこれらの保護基はBoc基除去条件下では安定
であり、線状ペンタペプチド環化後には接触水素添加処
理、フッ化水素処理、トリフルオロメタンスルホン酸ト
リメチルシリル−チオアニソール−TFA処理[ケミカ
ル・アンド・ファ−マシューティカル・ブレチン(Ch
em.Pharm.Bull.),35,3447−5
2(1987)]等により全ての保護基を同時に除去す
ることができる。
【0020】N末端保護基を除去した後の線状ペンタペ
プチドの樹脂からの脱離は、当業者によく知られた種々
の方法により行うことができる。例えば、ペプチドをヒ
ドラジンにより樹脂から切り出すと対応するヒドラジド
が得られ、ヒドラジドは次にアジドを経て目的の環状ペ
ンタペプチドへ環化させることができる。ヒドラジドは
系内で亜硝酸を供給する試薬との反応により対応するア
ジドに変換される。この目的に適した試薬としては塩
酸、硫酸等のような強酸存在下の亜硝酸低級アルキルエ
ステル(例えば、亜硝酸tert−ブチル、亜硝酸イソ
アミル)又は亜硝酸アルカリ金属塩(例えば亜硝酸ナト
リウム、亜硝酸カリウム)が挙げられる。この反応は約
−40℃〜20℃の間の温度で水及び/又はDMF、T
HF、1,4−ジオキサン等の非水系溶媒存在下に行う
ことができる。一方、固相樹脂としてp−アルコキシベ
ンジルアルコール樹脂等を用いて固相合成を行った場合
には、TFA等の緩和な酸の作用によりC末端がカルボ
キシル基(側鎖官能基は必要に応じて保護されている)
の線状ペプチドを得ることができる。この様な線状ペン
タペプチドは、約−40℃〜20℃の間の温度でDM
F、THF、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ジ
クロロメタン、クロロホルム等の溶媒の存在下に例えば
DCC(又はEDCI・HCl)−HOBT・H2O、
ジフェニルホスホリルアジド等の縮合剤を作用させるこ
とにより環状ペンタペプチドへ環化させることができ
る。このような環化反応は分子間反応が分子内反応に競
争しておこる可能性があるので高度希釈条件下に行うこ
とが望ましい。以上のようにして得られた環状ペンタペ
プチドが側鎖に保護基を有する場合には適切な方法によ
り保護基を除去することができる。こうして得られた環
状ペンタペプチドは、更に場合により、例えばナトリウ
ム、カリウム、カルシウム等のアルカリ又はアルカリ土
類金属の塩、例えばリジン、アルギニン等の塩基性アミ
ノ酸との付加塩、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸との酸付加
塩、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミ
ノ酸との酸付加塩、例えばマレイン酸、フマル酸、酒石
酸、リンゴ酸、クエン酸等の有機酸との酸付加塩に導く
ことができる。
【0021】一方、線状ペンタペプチドは液相法により
アミノ酸を1個ずつ縮合せしめる方法、複数のアミノ酸
からなる縮合物どうしを縮合せしめる方法、又はこれら
を組み合わせた方法により製造することもできる。
【0022】線状ペンタペプチドのN末端アミノ酸のα
−アミノ基、C末端アミノ酸のα−カルボキシル基及び
側鎖反応性官能基の保護基は、線状ペンタペプチドの環
化方法を考慮して選択すべきである。
【0023】例えば、線状ペンタペプチドをヒドラジド
に導き、その後アジドを経て環化させるいわゆるアジド
法の場合には、N末端アミノ酸のα−アミノ基をZ基
で、C末端アミノ酸のα−カルボキシル基をメチルエス
テル、エチルエステル、ベンジルエステル等のエステル
として、側鎖反応性官能基、例えばアスパラギン酸及び
グルタミン酸等のカルボキシル基はtert−ブチルエ
ステル又はトリチルエステルとして、チロシン、セリン
及びトレオニン等の水酸基はtert−ブチルエーテル
として、リジン及びオルニチン等のアミノ基はBoc基
で、ヒスチジンのイミダゾリル基及びシステインのメル
カプト基はトリチル基で、アルギニンのグアニジノ基は
ペンタメチルクロマンスルホニル基で保護するのが好適
である。即ち、縮合後に得られる保護された線状ペンタ
ペプチドにヒドラジンを作用させてヒドラジドとし、N
末端アミノ酸のα−アミノ基の保護基であるZ基を接触
水素添加により除去する時には側鎖官能基のこれらの保
護基は除去されない。そして、環化反応を行った後に例
えばTFA等の緩和な酸の作用によりこれら全ての側鎖
保護基を除去することができる。また、ペプチドが側鎖
に反応性官能基を持たない場合には、本アジド法におい
てもN末端アミノ酸のα−アミノ基の保護基としてBo
c基を選択することができる。
【0024】液相法により得たN末端保護基が除去され
た線状ペンタペプチドヒドラジドは固相法により得たも
のと同様な方法によりアジドを経て環化反応を行い環状
ペンタペプチドを得ることができる。
【0025】また、線状ペンタペプチドをN末端アミノ
酸のα−アミノ基の保護基とC末端アミノ酸のα−カル
ボキシル基の保護基を除去した後、例えばDCC(又は
EDCI・HCl)−HOBT・H2O、ジフェニルホ
スホリルアジド等の縮合剤を作用させることにより環化
させる場合には、N末端アミノ酸のα−アミノ基をBo
c基で、C末端アミノ酸のα−カルボキシル基をter
t−ブチルエステル又はフェナシルエステルとして、側
鎖反応性官能基はアスパラギン酸及びグルタミン酸等の
カルボキシル基はメチルエステル、エチルエステル等の
低級アルキルエステル又はベンジルエステルとして、チ
ロシン、セリン及びトレオニン等の水酸基はベンジルエ
ーテルとして、リジン及びオルニチン等のアミノ基、ヒ
スチジンのイミダゾリル基及びトリプトファンのインド
リル基はZ基で保護するのが好適である。即ち、縮合後
に得られる保護された線状ペンタペプチドのC末端がt
ert−ブチルエステルの場合は、例えばTFA等の緩
和な酸の作用により、側鎖保護基を除去することなくN
末端のBoc基及びC末端のtert−ブチルエステル
の両方を同時に除去することができる。C末端がフェナ
シルエステルの場合は、側鎖保護基を除去することな
く、例えばTFA等の緩和な酸の作用によりN末端のB
oc基を、亜鉛−酢酸の作用によりC末端のフェナシル
エステルを除去することができる。いずれの場合も環化
反応を行った後に、例えばアルカリ加水分解、接触水素
添加又はこれらの組み合わせ等の方法によりこれら全て
の側鎖保護基を同時に、又は段階的に除去することがで
きる。また、N末端アミノ酸のα−アミノ基をZ基で、
C末端アミノ酸のα−カルボキシル基をベンジルエステ
ル又はフェナシルエステルとした場合には、側鎖反応性
官能基は、アスパラギン酸及びグルタミン酸等のカルボ
キシル基はtert−ブチルエステル又はトリチルエス
テルとして、チロシン、セリン及びトレオニン等の水酸
基はtert−ブチルエーテルとして、リジン及びオル
ニチン等のアミノ基及びヒスチジンのイミダゾリル基は
Boc基で保護すればN末端アミノ酸のα−アミノ基の
保護基及びC末端アミノ酸のα−カルボキシル基の保護
基を除去する条件下では、これらの側鎖保護基は除去さ
れることなく、環化後には例えばTFA等の緩和な酸の
作用によりこれら全ての側鎖保護基を除去することがで
きる。
【0026】この様にして得られた線状ペンタペプチド
は固相法により得たものと同様な方法により縮合剤を作
用させることにより環化反応を行い環状ペンタペプチド
を得ることができる。或は該線状ペンタペプチドは、N
末端アミノ酸のα−アミノ基が保護された状態で、例え
ばp−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシサクシ
ンイミドエステル等の活性エステルに導き、その後α−
アミノ基の保護基を除去して環化せしめることもでき
る。
【0027】上記の如くして得られる、保護されていて
もよい環状ペンタペプチド又はその塩は、更に必要に応
じて、トリプトファンのインドール環2位のハロゲン
化、リジン又はオルニチンの側鎖アミノ基のホルミル
化、メチオニンのメチオニン スルホキシド又はメチオ
ニン スルホンへの酸化等を行うこともできるを行うこ
ともできる。
【0028】トリプトファンのインドール環2位のハロ
ゲン化は、環状ペプチドを例えば酢酸、四塩化炭素等の
溶媒中、例えばN−ブロモコハク酸イミド、N−クロロ
コハク酸イミド等のN−ハロコハク酸イミドを、必要に
応じて2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等の
存在下に作用させることにより、インドール環2位をハ
ロゲン化することができる。リジン又はオルニチンの側
鎖アミノ基のホルミル化は、例えばリジン又はオルニチ
ンを含む環状ペンタペプチドをDMF、アセトニトリル
等の溶媒中で、氷冷下から室温にて、1〜10当量のギ
酸ピバリン酸無水物で処理することにより行うことがで
きる。一方、メチオニンのメチオニンスルホキシド又は
メチオニン スルホンへの変換は、例えばメチオニンを
含む環状ペンタペプチド(但し、該メチオニン以外の酸
化を受けやすい側鎖官能基を有するアミノ酸残基を含む
場合は、それらの側鎖官能基は適切な保護基で保護され
ていることが望ましい)を、酢酸等の溶媒中で、0〜8
5℃で過酸化水素、又は過酢酸等の過酸で処理すること
により行うことができる。この時、酸化剤の使用量、反
応温度及び反応時間を適切にコントロールすることによ
り、メチオニンスルホキシド又はメチオニン スルホン
のいずれか一方を選択的に得ることができる。また、メ
チオニン スルホンは、メチオニン スルホキシドを更
に上記の反応条件で処理することによっても得られる。
【0029】こうして得られた、環状ペンタペプチド
は、更に必要に応じて保護基を除去し、そして場合によ
り、塩の形成又は塩交換を行うことにより、本発明の環
状ペンタペプチド又はその製薬上許容される塩に導くこ
とができる。
【0030】上記製法における反応中間体及び目的物
は、それ自体は公知の精製方法(例えば再結晶、再沈
殿、分配操作、順相若しくは逆相のクロマトグラフィー
又はイオン交換クロマトグラフィー等)により精製する
ことができる。
【0031】上記の製造法中に用いられる原料化合物と
しては、市販の化合物を使用することができるが、以下
の原料化合物はそれぞれ公知の方法で製造したものを使
用した。
【0032】D−シクロプロピルグリシン[ジャーナル
・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ−
(J.Am.Chem.Soc.),111,6354
(1989)] D−シクロペンチルグリシン[ジャーナル・オブ・オー
ガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),
30,1320(1965)] α−N−(トリフルオロアセチル)−2−クロロ−D−
トリプトファン メチルエステル、α−N−(トリフル
オロアセチル)−2−ブロモ−D−トリプトファン メ
チルエステル及びα−N−(トリフルオロアセチル)−
1−メチル−2−クロロ−D−トリプトファン[ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J.Am.Chem.Soc.),108,2023
(1986)に準じて合成した。] α−N−ベンジルオキシカルボニル−2−メチル−D−
トリプトファン メチルエステル[テトラヘドロン・レ
ターズ(Tetrahedron Lett.),3
0,4073(1989)に準じて合成した。] 次に、本発明の環状ペンタペプチドのエンドセリン拮抗
作用について述べる。
【0033】ETA受容体へのエンドセリン結合阻害試験 ブタ大動脈平滑筋組織を4℃にて10mM MOPS
pH7.4緩衝液中でポリトロンによりホモジェナイズ
した。ホモジネートにショ糖を20%になるように加
え、1000×gにて15分間遠心し、更に上澄を10
000×gにて15分間遠心した。この上澄を更に、9
0000×gにて40分間遠心し、得られた沈澱を5m
M HEPES/Tris pH7.4緩衝液中に懸濁
させ25mg/mlになるように膜分画を調製した。
【0034】この膜分画16μlを50mM Tris
/HCl pH7.4緩衝液A(10μM 塩化カルシ
ウム、10μM 塩化マグネシウム、0.1mM PM
SF、 1μM ペプスタチンA、2μM ロイペプチ
ン、1mM 1,10−フェナンスロリン、0.1%
牛血清アルブミンを含む)340μl中に懸濁させた。
この懸濁液に、(A)最終濃度が0.2μMとなる非標
識エンドセリン−1(非特異的結合用)、(B)緩衝液
A(全結合用)、又は(C)最終濃度が1.1μMとな
る試験化合物各々4μlを加え、更にそれぞれに 125
I−エンドセリン−1(12000〜18000cp
m)40μlを加えた。これらの混合物を25℃にて4
時間インキュベーションし、グラスフィルターGF/C
にて濾過を行い、5mM HEPES/Tris pH
7.4(0.3%牛血清アルブミンを含む)にて洗浄後
グラスフィルター上の放射能量の測定より本発明化合物
1.1μMにおける 125I−エンドセリン−1結合阻
害率D(%)を次式により求めた。
【0035】
【数1】 これらの検定はすべて3重に行った。
【0036】第1表に示すように、本発明化合物はET
A受容体へのエンドセリン結合に対して極めて強い阻害
活性を示した。尚、試験化合物は実施例番号で示した。
【0037】
【表1】 ETB受容体へのエンドセリン結合阻害試験 ブタ小脳を4℃にて10mM MOPS pH7.4緩
衝液中でポリトロンによりホモジェナイズした。ホモジ
ネートにショ糖を20%になるように加え、1000X
gにて15分間遠心し、更に上澄を10000Xgにて
15分間遠心した。この上澄を更に、90000Xgに
て40分間遠心し、得られた沈澱を5mM HEPES
/Tris pH7.4緩衝液中に懸濁させ3.3mg
/mlになるように膜分画を調製した。
【0038】この膜分画16μlを50mM Tris
/HCl pH7.4緩衝液A(10μM 塩化カルシ
ウム、10μM 塩化マグネシウム、0.1mM PM
SF、1μM ペプスタチンA、2μM ロイペプチ
ン、1mM 1,10−フェナンスロリン、0.1%
牛血清アルブミンを含む)340μl中に懸濁させた。
この懸濁液に、(A)最終濃度が0.2μMとなる非標
識エンドセリン−1(非特異的結合用)、(B)緩衝液
A(全結合用)、又は(C)最終濃度が1.1μMとな
る試験化合物各々4μlを加え、更にそれぞれに 125
I−エンドセリン−1(12000〜18000cp
m)40μlを加えた。これらの混合物を25℃にて4
時間インキュベーションし、グラスフィルターGF/C
にて濾過を行い、5mM HEPES/Tris pH
7.4(0.3%牛血清アルブミンを含む)にて洗浄後
グラスフィルター上の放射能量の測定より本発明化合物
1.1μMにおける 125I−エンドセリン−1結合阻
害率D(%)を次式により求めた。
【0039】
【数2】 これらの検定はすべて3重に行った。
【0040】第2表に示すように、本発明化合物はET
B受容体へのエンドセリン結合に対して極めて強い阻害
活性を示した。尚、試験化合物は実施例番号で示した。
【0041】
【表2】 これに対して、ヨーロッパ特許公開公報(公開番号04
36189A1)に記載されているエンドセリン拮抗性
環状ペンタペプチドの代表的化合物(参考化合物1、
2、3)は、1.1μMの濃度において、ETA受容体
の多いブタ大動脈膜画分への 125I−ET−1結合を
それぞれ85、85、82%阻害するのに対して、本試
験のブタ小脳膜画分ETB受容体への 125I−ET−1
結合については、同濃度においてそれぞれ10、0.
6、11%しか阻害しなかった。
【0042】参考化合物1 cyclo(−DTrp−
DAsp−Pro−DVal−Leu−) 参考化合物2 cyclo(−DTrp−DCys(O
3Na)−Pro−DVal−Leu−) 参考化合物3 cyclo(−DTrp−DAsp−P
ro−DThg−Leu−)ブタ摘出冠状動脈標本におけるエンドセリン収縮(ET
A受容体を介した収縮)に対する作用 ブタの冠状動脈を摘出後、幅1mm、長さ10mmのラ
セン状標本を作製した。内皮細胞を剥離した標本を95
%O2、5%CO2の混合ガスで飽和したクレブス・ヘン
ゼライト液を満たした5のマグヌス管に懸垂し、張力の
変化を等尺性に測定記録した。
【0043】エンドセリン−1を累積的にマグヌス管内
に加えることにより得られた用量反応曲線に対する本発
明化合物の影響を検討した。尚、本発明化合物は最終濃
度が10μMとなる様にエンドセリン−1添加20分前
にマグヌス管内に加えた。
【0044】第1図に示すように、実施例9の化合物は
エンドセリン−1の用量反応曲線を顕著に右方向へ移動
し、その最大反応には影響を与えなかった。また、本発
明化合物は単独では上記血管標本に対し何ら作用を示さ
なかった。以上のように、本発明化合物は上記血管標本
におけるエンドセリン収縮に対し顕著な拮抗作用を示し
た。
【0045】モルモット摘出気管支標本におけるエンド
セリン収縮(ETB受容体を介した収縮)に対する作用 モルモットの気管支を摘出後、外径2mm、幅4mmの
リング標本を作製し、95%O2、5%CO2の混合ガス
で飽和したクレブス・ヘンゼライト液を満した5mlの
マグヌス管に懸垂した。張力の変化は等尺性に測定し記
録した。
【0046】エンドセリン−1を累積的にマグヌス管内
に加えることにより得られた用量反応曲線に対する本発
明化合物の影響を検討した。尚、本発明化合物は最終濃
度が10μMとなる様にエンドセリン添加20分前にマ
グヌス管内に加えた。
【0047】第2図に示すように、実施例9の化合物は
摘出気管支筋標本におけるエンドセリン−1の用量反応
曲線を顕著に右方へ移動した。また、本発明化合物は単
独では上記標本に対し何ら作用を示さなかった。以上の
ように、本発明化合物は上記標本におけるエンドセリン
収縮に対し顕著な拮抗作用を示した。
【0048】ウサギ摘出肺動脈標本におけるエンドセリ
ン収縮(ETB受容体を介した収縮)に対する作用 ウサギの肺動脈を摘出後、幅1mm、長さ10mmのラ
セン状標本を作製した。内皮細胞を剥離した標本を95
%O2、5%CO2の混合ガスで飽和したクレブス・ヘン
ゼライト液を満たした5mlのマグヌス管に懸垂し、張
力の変化を等尺性に測定記録した。
【0049】エンドセリン−1を累積的にマグヌス管内
に加えることにより得られた用量反応曲線に対する本発
明化合物の影響を検討した。尚、本発明化合物はエンド
セリン添加20分前にマグヌス管内に加えた。
【0050】第3図に示すように、実施例9の化合物は
摘出肺動脈標本におけるエンドセリン−1の用量反応曲
線を顕著に右方へ移動した。また、本発明化合物は単独
では上記血管標本に対し何ら作用を示さなかった。以上
のように、本発明化合物は上記血管標本におけるエンド
セリン収縮に対し顕著な拮抗作用を示した。
【0051】このように本発明化合物はETA、ETB
受容体に対して優れたエンドセリン拮抗作用を有し、医
薬品の分野で血管拡張剤及び気管支拡張剤として有用で
あり、高血圧症、肺高血圧症、レイノ−病、急性腎不
全、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳血管攣縮、動脈硬化
症、気管支喘息、胃潰瘍、糖尿病、エンドトキシンショ
ック、エンドトキシンを起因とする多臓器不全や播種性
血管内凝固及び/又はシクロスポリン誘発の腎障害や高
血圧等の治療薬となり得る。このような疾患の治療剤と
して使用する場合、本発明化合物は単独或は他の治療薬
と組み合わせて使用することもできる。
【0052】本発明化合物は、当分野で公知の固体又は
液体の賦形剤担体と混合し、非経口投与、経口投与又は
外部投与に適した医薬製剤の形で使用することができ
る。医薬製剤としては、例えば注射剤、吸入剤、シロッ
プ剤若しくは乳剤等の液剤、例えば錠剤、カプセル剤若
しくは粒剤等の固形剤又は例えば軟膏、座剤等の外用剤
等が挙げられる。また、これらの製剤には必要に応じて
助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤又は界面活
性剤等の通常使用される添加剤が含まれていてもよい。
添加剤としては注射用蒸留水、リンゲル液、グルコー
ス、ショ糖シロップ、ゼラチン、食用油、カカオ脂、エ
チレングリコール、ショ糖、とうもろこし澱粉、ステア
リン酸マグネシウム又はタルク等が挙げられる。
【0053】エンドセリン拮抗物質としての本発明化合
物の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、及び治療
する患者の容態等に応じて異なるが、成人に対する代表
的な投与方法は経口投与又は非経口投与であり、成人患
者に対して経口投与の場合1日あたり0.1〜100m
g/Kg体重であり、非経口投与の場合1日あたり0.
01〜10mg/Kg体重である。
【0054】
【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、もとより本発明はこれらの実施例のみに
限定されるものではない。 実施例1cyclo(−DTrp(2−Cl)−DAsp−Pr
o−DtertLeu−Leu−) (1−a) α−N,1−ビス(t−ブトキシカルボニ
ル)−α−N−トリフルオロアセチル−2−クロロ−D
−トリプトファン メチルエステル フィリップス・ア−ル・エス(R.S.Phillip
s)らの方法[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサエテー(J.Am.Chem.So
c.)、108、2023(1986)]に準じて合成
したα−N−トリフルオロアセチル−2−クロロ−D−
トリプトファン メチルエステル283mgをアセトニ
トリル5mlに溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル0.89
g及びDMAP20mgを加え室温にて23時間攪拌し
た。反応液を減圧濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグラ
フィー(メルク社製 ローバーカラム リクロプレップ
SI60/ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製
し、目的物265mgを得た。
【0055】FAB−MS(m/e,(C24283
lN27+として):548,550 (1−b) α−N,1−ビス(t−ブトキシカルボニ
ル)−2−クロロ−D−トリプトファン (1−a)で得たα−N,1−ビス(t−ブトキシカル
ボニル)−α−N−トリフルオロアセチル−2−クロロ
−D−トリプトファン メチルエステル255mgをメ
タノール5mlに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液
1.03mlを加え室温にて7時間攪拌した。反応液に
水(50ml)を加えて希釈し、10%クエン酸水溶液
を加えて酸性にした後、酢酸エチル(30ml×3)に
て抽出した。有機層は合わせて飽和食塩水(30ml)
にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減
圧下に溶媒を留去し、目的物206mgを得た。
【0056】FAB−MS(m/e,(C2127ClN
26+として):438,440 (1−c) Boc−DTrp(1−Boc,2−C
l)−DAsp(OMe)−OtBu (1−b)で得たα−N,1−ビス(t−ブトキシカル
ボニル)−2−クロロ−D−トリプトファン205mg
及びH−DAsp(OMe)−OtBu 134mgを
ジクロロメタン(10ml)に溶かし、氷冷下にNMM
62μl、HOBT・H2O 86mg及びEDCI
・HCl 107mgを加え、氷冷下にて1時間、室温
にて14時間攪拌した。反応液にジクロロメタン(20
ml)を加えて希釈し、この溶液を飽和重曹水(30m
l)、10%クエン酸水溶液(30ml)及び飽和食塩
水(30ml)にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(メルク社製 シリカゲル6
0/クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製
し、目的物247mgを得た。 (1−d) H−DTrp(1−Boc,2−Cl)−
DAsp(OMe)−OtBu (1−c)で得たBoc−DTrp(1−Boc,2−
Cl)−DAsp(OMe)−OtBu 245mgを
蟻酸(10ml)に溶解し、室温にて1時間攪拌した
後、減圧下に溶媒を留去した。残査を酢酸エチルに溶か
し、飽和重曹水(50ml×2)及び飽和食塩水(50
ml)にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した
後、減圧下に溶媒を留去し、目的物174mgを得た。 (1−e) Boc−DtertLeu−Leu−OB
zl Boc−DtertLeu−OH 8.22g及びH−
Leu−OBzl・p−TosOH 14.0gをDM
F 70mlに溶解し、氷冷下にてN−メチルモルホリ
ン3.90ml、HOBT・H2O 5.98g及びE
DCI・HCl7.49gを加え、氷冷下にて1.5時
間、室温にて3.5時間撹拌した。反応液に水(600
ml)を加え、酢酸エチル(200ml×3)にて抽出
した。有機層は合わせて10%クエン酸水溶液(150
ml×2)、飽和重曹水(150ml×2)及び飽和食
塩水(150ml)にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣を酢酸エチ
ル−ヘキサンから結晶化し、目的物を無色結晶として
9.85g得た。
【0057】融点:109−111℃ FAB−MS(m/e,(C243825+H)+とし
て):435 (1−f) Boc−Pro−DtertLeu−Le
u−OBzl (1−e)で得たBoc−DtertLeu−Leu−
OBzl 8.69gをTFA 20mlに溶解し、室
温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣
をDMF 40mlに溶解し、氷冷下にてN−メチルモ
ルホリンを加えてTFAを中和した。この混合物に、B
oc−Pro−OH 4.74g、HOBT・H2
3.37g及びEDCI・HCl 4.22gを加えて
氷冷下にて1時間、室温にて一晩撹拌した。反応液に水
(300ml)を加え、酢酸エチル(100ml×3)
にて抽出した。有機層は合わせて10%クエン酸水溶液
(100ml)、飽和重曹水(100ml)及び飽和食
塩水(100ml)にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣を酢酸エチ
ル−ヘキサンから結晶化し、目的物を無色結晶として
9.84g得た。
【0058】融点:162−163℃ FAB−MS(m/e,(C294536+H)+とし
て):532 (1−g) Boc−Pro−DtertLeu−Le
u−OH (1−f)で得たBoc−Pro−DtertLeu−
Leu−OBzl 1.0gを95%エタノール(20
ml)に溶解し、10% Pd/C 100mgを加え
1気圧の水素圧下、室温にて一晩撹拌した。触媒を濾去
し、濾液は減圧下に溶媒を留去し、目的物783mgを
得た。 (1−h) cyclo(−DTrp(2−Cl)−D
Asp(OMe)−Pro−DtertLeu−Leu
−) (1−g)で得たBoc−Pro−DtertLeu−
Leu−OH 91mgと(1−d)で得たH−DTr
p(1−Boc,2−Cl)−DAsp(OMe)−O
tBu 90mgをDMF 5mlに溶解し、氷冷下に
てHOBT・H2O 40mg及びEDCI・HCl
50mgを加えて、氷冷下にて1時間、室温にて一晩攪
拌した。反応液に50mlの酢酸エチルを加え、飽和重
曹水(30ml)、10%クエン酸水溶液(30ml)
及び飽和食塩水(30ml)にて洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣に
TFA 5mlを加え、室温にて1.5時間攪拌した。
TFAを減圧留去後、ジエチルエーテル20mlを加え
て、析出した白色沈殿を濾取し、H−Pro−Dter
tLeu−Leu−DTrp(2−Cl)−DAsp
(OMe)−OH・TFA塩106mgを得た。このう
ち104mgをDMF 2.5mlに溶解し、氷冷下で
NMM 14μlを加えて中和した溶液を、HOBT・
2O 30mg及びEDCI・HCl 37mgのD
MF(10ml)溶液中へ、氷冷下で攪拌しながら15
分かけて滴下し、その後、同温で3時間、室温にて一晩
攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチル50m
lを加えて、飽和重曹水(30ml)、10%クエン酸
水溶液(30ml)及び飽和食塩水(30ml)にて洗
浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒
を留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(メル
ク社製 シリカゲル60F254/ヘキサン:酢酸エチル
=1:3)にて精製し、目的物を無色アモルファスとし
て35mg得た。
【0059】FAB−MS(m/e,(C3345ClN
67+H)+として):673 (1−i) cyclo(−DTrp(2−Cl)−D
Asp−Pro−DtertLeu−Leu−) cyclo(−DTrp(2−Cl)−DAsp(OM
e)−Pro−DtertLeu−Leu−)32mg
をメタノール2mlに溶解し、氷冷下にて1N水酸化ナ
トリウム水溶液0.3mlを加えて、同温で2時間、室
温にて一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に1N
塩酸10mlを加えて、析出した白色沈殿を濾取乾燥
し、表題化合物を、無色粉末として26mg得た。
【0060】融点:188−194℃ IR(KBr,cm-1):3291,2960,165
2,1535,1454,1240,1108,744 高分解能FAB−MS(m/e,(C3243ClN67
+H)+として): 計算値:659.2960 測定値:659.29621 H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.60(6H,d,J=6.4Hz),0.8
6(9H,s),0.80−0.98(1H,m),
1.02−1.25(2H,m),1.53−1.80
(2H,m),1.86−1.99(1H,m),2.
22−2.32(1H,m),2.36(1H,dd,
J=3.7Hz,16.2Hz),2.84(1H,d
d,J=10.8Hz,16.2Hz),2.95(1
H,dd,J=10.7Hz,14.7Hz),3.0
2−3.14(1H,m),3.22−3.39(2
H,m),3.90−4.01(1H,m),4.19
(1H,d,J=10.3Hz),4.30−4.41
(1H,m),4.78(1H,d,J=7.3H
z),4.90−5.00(1H,m),6.97(1
H,t,J=7.6Hz),7.06(1H,t,J=
7.6Hz),7.22(1H,d,J=7.6H
z),7.63(1H,d,J=10.3Hz),7.
64(1H,d,J=7.6Hz),7.76(1H,
d,J=8.8Hz),8.77(1H,d,J=5.
7Hz),8.82(1H,d,J=8.8Hz),1
1.62(1H,s),12.34(1H,brs) 以下の実施例2及び3の各化合物は実施例(1−h)に
おけるBoc−Pro−DtertLeu−Leu−O
Hに換えて、対応するN端がBoc基で保護されたトリ
ペプチドを用いて、実施例(1−h)及び(1−i)と
同様な操作を行なうことにより得られた。 実施例2cyclo(−DTrp(2−Cl)−DAsp−Pr
o−DVal−Leu−) 融点:181−184℃ IR(KBr,cm-1):3404,3290,305
7,2933,1659,1535,1452,123
0,1092,744 高分解能FAB−MS(m/e,(C3141ClN67
+H)+として): 計算値:645.2803 測定値:645.28311 H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.59(3H,d,J=6.4Hz),0.6
0(3H,d,J=6.4Hz),0.84(3H,
d,J=6.8Hz),0.89(3H,d,J=6.
8Hz),0.92−1.22(3H,m),1.58
−1.79(3H,m),1.87−1.93(1H,
m),2.21−2.27(1H,m),2.37(1
H,dd,J=3.9Hz,16.3Hz),2.83
(1H,dd,J=10.5Hz,16.3Hz),
2.95(1H,dd,J=10.7Hz,14.2H
z),3.08−3.12(1H,m),3.26(1
H,dd,J=3.4Hz,14.2Hz),3.30
−3.41(1H,m),3.93−3.98(1H,
m),4.12(1H,dd,J=7.8Hz,10.
0Hz),4.36−4.41(1H,m),4.75
(1H,d,J=7.3Hz),4.91−4.97
(1H,m),6.97(1H,t,J=7.6H
z),7.06(1H,t,J=7.6Hz),7.2
2(1H,d,J=7.6Hz),7.49(1H,
d,J=10.0Hz),7.63(1H,d,J=
7.6Hz),7.78(1H,d,J=9.3H
z),8.35−8.42(2H,m),11.61
(1H,s),12.33(1H,brs) 実施例3cyclo(−DTrp(2−Cl)−DAsp−Pr
o−DPen(Me)−Leu−) 融点:185−190℃ IR(KBr,cm-1):3292,2960,165
5,1535,1450,746,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3243ClN67
S+H)+として): 計算値:691.2681 測定値:691.26601 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.61(6H,d,J=6.3Hz),0.8
0−0.92(1H,m),1.08−1.29(2
H,m),1.17(3H,s),1.23(3H,
s),1.55−1.70(2H,m),1.87−
1.99(1H,m),2.00(3H,s),2.2
1−2.43(2H,m),2.84(1H,dd,J
=10.4Hz,16.4Hz),2.95(1H,d
d,J=10.5Hz,14.4Hz),3.04−
3.15(1H,m),3.18−3.50(2H,
m),3.91−4.01(1H,m),4.28−
4.40(1H,m),4.50(1H,d,J=1
0.3Hz),4.77(1H,d,J=6.8H
z),4.90−5.00(1H,m),6.97(1
H,t,J=7.5Hz),7.06(1H,t,J=
7.5Hz),7.22(1H,d,J=7.5H
z),7.65(1H,d,J=7.5Hz),7.6
5(1H,d,J=9.1Hz),7.81(1H,
d,J=10.4Hz),8.86(1H,d,J=
9.0Hz),8.92(1H,d,J=5.3H
z),11.63(1H,s) 実施例4cyclo(−DTrp(2−Br)−DAsp−Pr
o−DtertLeu−Leu−) 実施例1におけるα−N−トリフルオロアセチル−2−
クロロ−D−トリプトファン メチルエステルに換えて
フィリップス・アール・エス(R.S. Philli
ps)らの方法[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・
ケミカル・ソサエテー(J.Am.Chem.So
c.)、108、2023(1986)]に準じて合成
したα−N−トリフルオロアセチル−2−ブロモ−D−
トリプトファン メチルエステルを出発原料として用い
て実施例1と同様な操作を行ない表題化合物を得た。
【0061】融点:196.5−200℃ IR(KBr,cm-1):3410,3292,295
8,1680,1651,1537,1450,124
0,1186,744,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3243BrN67
+H)+として): 計算値:703.2455 測定値:703.24621 H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.60(6H,d,J=6.4Hz),0.8
6(9H,s),0.81−0.89(1H,m),
1.07−1.22(2H,m),1.57−1.64
(1H,m),1.67−1.74(1H,m),1.
87−1.95(1H,m),2.24−2.32(1
H,m),2.37(1H,dd,J=3.9Hz,1
6.3Hz),2.85(1H,dd,J=10.5H
z,16.3Hz),2.94(1H,dd,J=1
0.7Hz,14.7Hz),3.06−3.10(1
H,m),3.23−3.40(2H,m),3.92
−3.98(1H,m),4.19(1H,d,J=1
0.3Hz),4.31−4.37(1H,m),4.
78(1H,d,J=7.3Hz),4.91−4.9
7(1H,m),6.95(1H,t,J=7.7H
z),7.04(1H,t,J=7.7Hz),7.2
3(1H,d,J=7.7Hz),7.64(1H,
d,J=10.3Hz),7.69(1H,d,J=
7.7Hz),7.75(1H,d,J=9.3H
z),8.78(1H,d,J=5.4Hz),8.8
1(1H,d,J=9.3Hz),11.61(1H,
s),12.34(1H,brs) 以下の実施例5〜9の各化合物は実施例4におけるBo
c−Pro−DtertLeu−Leu−OHに換え
て、対応するN端がBoc基で保護されたトリペプチド
を用いて、実施例4と同様な操作を行なうことにより得
られた。 実施例5cyclo(−DTrp(2−Br)−DAsp−Pr
o−DVal−Leu−) 融点:188−192℃ IR(KBr,cm-1):3413,3294,296
0,1655,1535,1450,1230,108
8,744,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3141BrN67
+H)+として): 計算値:689.2298 測定値:689.23251 H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.59(3H,d,J=6.4Hz),0.5
9(3H,d,J=6.4Hz),0.81(3H,
d,J=6.4Hz),0.84(3H,d,J=6.
4Hz),0.87−0.95(1H,m),1.03
−1.10(1H,m),1.14−1.22(1H,
m),1.57−1.79(3H,m),1.87−
1.93(1H,m),2.21−2.32(1H,
m),2.37(1H,dd,J=3.7Hz,16.
4Hz),2.83(1H,dd,J=10.5Hz,
16.4Hz),2.94(1H,dd,J=10.5
Hz,14.4Hz),3.07−3.12(1H,
m),3.25(1H,dd,J=3.7Hz,14.
4Hz),3.29−3.42(1H,m),3.92
−3.98(1H,m),4.12(1H,dd,J=
7.8Hz,10.3Hz),4.34−4.40(1
H,m),4.75(1H,d,J=7.8Hz),
4.90−4.97(1H,m),6.95(1H,
t,J=7.6Hz),7.04(1H,t,J=7.
6Hz),7.23(1H,d,J=7.6Hz),
7.50(1H,d,J=10.3Hz),7.67
(1H,d,J=7.6Hz),7.77(1H,d,
J=8.8Hz),8.74(1H,d,J=9.8H
z),8.76(1H,d,J=5.9Hz),11.
60(1H,s),12.33(1H,brs) 実施例6cyclo(−DTrp(2−Br)−DAsp−Pr
o−DPen(Me)−Leu−) 融点:195−200℃ IR(KBr,cm-1):3282,2960,165
5,1535,1446,1236,1099,74
6,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3243BrN67
S+H)+として): 計算値:735.2176 測定値:735.21341 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.61(6H,d,J=6.3Hz),0.8
0−0.92(1H,m),1.08−1.29(2
H,m),1.17(3H,s),1.23(3H,
s),1.55−1.70(2H,m),1.87−
1.99(1H,m),2.00(3H,s),2.2
1−2.43(2H,m),2.84(1H,dd,J
=10.4Hz,16.4Hz),2.95(1H,d
d,J=10.5Hz,14.4Hz),3.04−
3.15(1H,m),3.18−3.50(2H,
m),3.91−4.01(1H,m),4.28−
4.40(1H,m),4.50(1H,d,J=1
0.3Hz),4.77(1H,d,J=6.8H
z),4.90−5.00(1H,m),6.95(1
H,t,J=7.5Hz),7.05(1H,t,J=
7.5Hz),7.23(1H,d,J=7.5H
z),7.64(1H,d,J=9.1Hz),7.6
9(1H,d,J=7.5Hz),7.82(1H,
d,J=10.6Hz),8.84(1H,d,J=
8.7Hz),8.92(1H,d,J=5.6H
z),11.62(1H,s) 実施例7cyclo(−DTrp(2−Br)−DAsp−Pr
o−DCpeg−Leu−) 融点:195−202℃ IR(KBr,cm-1):3282,2956,292
4,2852,1649,1543,1450,134
0,1234,1086,743,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3343BrN67
+H)+として): 計算値:715.2455 測定値:715.24851 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.61(6H,d,J=6.3Hz),0.8
3−0.97(2H,m),1.03−1.35(6
H,m),1.40−2.00(7H,m),2.17
−2.26(1H,m),2.38(1H,dd,J=
3.7Hz,16.4Hz),2.84(1H,dd,
J=10.6Hz,16.4Hz),2.96(1H,
dd,J=10.9Hz,14.5Hz),3.10−
3.50(3H,m),3.92−3.99(1H,
m),4.20(1H,t,J=9.6Hz),4.3
4−4.46(1H,m),4.75(1H,d,J=
7.6Hz),4.90−4.99(1H,m),6.
96(1H,t,J=7.7Hz),7.06(1H,
t,J=7.7Hz),7.24(1H,d,J=7.
7Hz),7.53(1H,d,J=9.6Hz),
7.69(1H,d,J=7.7Hz),7.81(1
H,d,J=9.0Hz),8.76(1H,d,J=
9.0Hz),8.80(1H,d,J=5.4H
z),11.63(1H,s) 実施例8cyclo(−DTrp(2−Br)−DAsp−Pr
o−Ac6c−Leu−) 融点:201−205℃ IR(KBr,cm-1):3269,2935,166
6,1643,1529,1490,1240,108
6,744,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3343BrN67
+H)+として): 計算値:715.2455 測定値:715.24591 H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.60(3H,d,J=5.6Hz),0.6
1(3H,d,J=5.6Hz),1.00−1.99
(16H,m),2.28(1H,dd,J=3.9H
z,16.5Hz),2.53−2.58(1H,
m),2.73(1H,dd,J=10.5Hz,1
6.5Hz),2.96(1H,dd,J=9.5H
z,14.4Hz),3.14(1H,dd,J=4.
6Hz,14.4Hz),3.30−3.42(2H,
m),3.96−4.01(1H,m),4.30−
4.34(1H,m),4.60(1H,d,J=8.
8Hz),4.83−4.88(1H,m),6.97
(1H,t,J=7.7Hz),7.06(1H,t,
J=7.7Hz),7.24(1H,d,J=7.7H
z),7.28(1H,s),7.58(1H,d,J
=7.7Hz),7.72(1H,d,J=6.4H
z),7.90(1H,d,J=9.3Hz),8.2
4(1H,d,J=8.8Hz),11.65(1H,
s) 実施例9cyclo(−DTrp(2−Br)−DAsp−Pr
o−DCpeg−Cprg−) 融点:197℃ dec. IR(KBr,cm-1):3360,3284,295
6,1871,1714,1650,1535,145
0,1340,1230,1083,746,609 高分解能FAB−MS(m/e,(C3239BrN67
+H)+として): 計算値:699.2142 測定値:699.21411 H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δpp
m):−0.13−0.03(3H,m),0.30−
0.40(1H,m),0.76−0.88(1H,
m),1.19−1.70(9H,m),1.70−
1.87(1H,m),1.87−2.00(2H,
m),2.19−2.30(1H,m),2.32(1
H,dd,J=3.9Hz,16.1Hz),2.76
(1H,dd,J=10.7Hz,16.1Hz),
3.01(1H,dd,J=9.8Hz,14.7H
z),3.08−3.51(4H,m),4.24(1
H,t,J=9.8Hz),4.30−4.40(1
H,m),4.73(1H,d,J=7.3Hz),
4.90−5.01(1H,m),6.97(1H,
t,J=7.6Hz),7.06(1H,t,J=7.
6Hz),7.25(1H,d,J=7.6Hz),
7.48(1H,d,J=9.8Hz),7.68(1
H,d,J=7.6Hz),7.84(1H,d,J=
9.3Hz),8.46(1H,d,J=8.8H
z),9.07(1H,d,J=4.9Hz),11.
64(1H,s),12.30(1H,brs) 実施例10cyclo(−DTrp(2−Me)−DAsp(OM
e)−Pro−DCpeg−Cprg−) (10−a) H−DTrp(2−Me)−DAsp
(OMe)−OtBu Z−DTrp(2−Me)−OH 100mg及びH−
DAsp(OMe)−OtBu・HCl 75mgをD
MF(3ml)に溶かし、氷冷下にNMM(35μ
l)、HOBT・H2O 53mg及びEDCI・HC
l 66mgを加え、氷冷下にて1時間、室温にて1時
間攪拌した。反応液を酢酸エチル(30ml)にて希釈
し、この溶液を飽和重曹水(30ml)、10%クエン
酸水溶液(30ml)及び飽和食塩水(30ml)にて
順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減
圧下に溶媒を留去した。残渣をメタノール(10ml)
に溶かし、10% Pd/C 37mgを加え1気圧の
水素圧下、室温にて一晩撹拌した。触媒を濾去し、濾液
は減圧下に溶媒を留去し、目的物114mgを得た。
【0062】FAB−MS(m/e,(C212935
+H)+として):404 (10−b) Boc−Pro−DCpeg−Cprg
−DTrp(2−Me)−DAsp(OMe)−OtB
実施例(1−e)、(1−f)及び(1−g)と同様に
して合成したBoc−Pro−DCpeg−Cprg−
OH 50mg及び実施例(10−a)で得たH−DT
rp(2−Me)−DAsp(OMe)−OtBu 5
0mgをDMF(3ml)に溶かし、氷冷下にHOBT
・H2O 21mg及びEDCI・HCl 27mgを
加え、氷冷下にて1時間、室温にて2時間攪拌した。反
応液を酢酸エチル(30ml)にて希釈し、この溶液を
飽和重曹水(30ml)、10%クエン酸水溶液(30
ml)及び飽和食塩水(30ml)にて順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下に溶媒を留
去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(メルク社
製 シリカゲル60F254/クロロホルム:メタノール
=20:1)にて精製し、目的物61mgを得た。
【0063】FAB−MS(m/e,(C43626
10+として):822 (10−c) cyclo(−DTrp(2−Me)−
DAsp(OMe)−Pro−DCpeg−Cprg
−) 実施例(10−b)で得たBoc−Pro−DCpeg
−Cprg−DTrp(2−Me)−DAsp(OM
e)−OtBu 57mgをEDT(0.1ml)及び
TFA(3ml)に溶かし室温にて1.5時間攪拌した
後、この溶液を減圧下に乾固した。残渣をDMF(14
ml)に溶かし、NMM(29μl)を加えて中和し、
氷冷下にてHOBT・H2O 16mg及びEDCI・
HCl 20mgを加え、氷冷下にて2時間、室温にて
一晩撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル
(50ml)に溶かし、飽和重曹水(30ml)、10
%クエン酸水溶液(30ml)及び飽和食塩水(30m
l)にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減
圧下に溶媒を留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフ
ィー(メルク社製 シリカゲル60F254/ヘキサン:
酢酸エチル=1:4)にて精製し、表題化合物を無色ア
モルファスとして32.6mg得た。
【0064】IR(KBr,cm-1):3745,32
95,2952,1729,1646,1533,14
44,1371,1303,1228,1087,74
8,605 高分解能FAB−MS(m/e,(C344467
H)+として): 計算値:649.3350 測定値:649.33691 H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):
0.08−0.18(2H,m),0.49−0.64
(2H,m),1.07−2.23(14H,m),
2.33(1H,dd,J=3.7Hz,16.3H
z),2.41(3H,s),2.76−2.82(1
H,m),2.87(1H,dd,J=10.4Hz,
16.3Hz),3.22(1H,dd,J=5.6H
z,14.9Hz),3.33−3.50(2H,
m),3.51(1H,dd,J=4.9Hz,14.
9Hz),3.66(3H,s),4.02(1H,
t,J=9.9Hz),4.67−4.77(1H,
m),4.77(1H,d,J=7.2Hz),5.0
9−5.20(1H,m),6.01(1H,d,J=
8.0Hz),6.79(1H,d,J=5.6H
z),7.07(1H,dt,J=1.3Hz,7.6
Hz),7.15(1H,dt,J=1.3Hz,7.
6Hz),7.22(1H,d,J=8.7Hz),
7.30(1H,dd,J=1.3Hz,7.6H
z),7.48(1H,dd,J=1.3Hz,7.6
Hz),7.67(1H,d,J=9.9Hz),7.
95(1H,s) 実施例11cyclo(−DTrp(2−Me)−DAsp−Pr
o−DCpeg−Cprg−) 実施例10で得たcyclo(−DTrp(2−Me)
−DAsp(OMe)−Pro−DCpeg−Cprg
−)26.2mgをメタノール(1ml)に溶かし、氷
冷下に1N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加
え、同温で2時間、室温にて一晩攪拌した。減圧下にメ
タノールを留去し、残渣に1N塩酸を加え析出晶を濾取
乾燥し表題化合物を無色粉末として19.0mg得た。
【0065】融点:192−196℃ IR(KBr,cm-1):3392,3303,295
4,1468,1537,1457,1438,130
1,1232,1108,1085,746,699,
609 FAB−MS(m/e,(C334267+H)+とし
て):6351 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):−0.09−0.21(3H,m),0.34−
0.48(1H,m),0.78−0.95(1H,
m),1.17−2.00(13H,m),2.17−
2.40(1H,m),2.35(3H,s),2.7
3(1H,dd,J=10.6Hz,16.3Hz),
2.94(1H,dd,J=9.4Hz,14.5H
z),3.05−3.53(4H,m),4.19−
4.30(2H,m),4.73(1H,d,J=7.
3Hz),4.91−5.05(1H,m),6.89
(1H,t,J=7.3Hz),6.96(1H,t,
J=7.3Hz),7.20(1H,d,J=7.3H
z),7.46(1H,d,J=10.3Hz),7.
51(1H,d,J=7.3Hz),7.81(1H,
d,J=8.7Hz),8.43(1H,d,J=8.
5Hz),9.10(1H,d,J=4.9Hz),1
0.71(1H,s),12.30(1H,brs) 実施例12cyclo(−DTrp(2−Me)−DAsp−Pr
o−DCpeg−Leu−) (12−a) Boc−DAsp(OMe)−Pro−
DCpeg−Leu−OBzl 実施例(1−e)及び(1−f)と同様にして合成した
Boc−Pro−DCpeg−Leu−OBzl 10
3mgを4N塩化水素/1,4−ジオキサン(3ml)
に溶かし、室温にて1.5時間攪拌した後、減圧下に溶
媒を留去した。残渣をDMF(3ml)に溶かし、氷冷
下にBoc−DAsp(OMe)−OH71mg、NM
M 26μl、HOBT・H2O 44mg及びEDC
I・HCl 55mgを加えて、氷冷下にて1時間、室
温にて一晩攪拌した。反応液に50mlの酢酸エチルを
加え、飽和重曹水(30ml)、10%クエン酸水溶液
(30ml)及び飽和食塩水(30ml)にて洗浄し、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メルク社
製 シリカゲル60/クロロホルム:メタノール=1
0:1)にて精製し、目的物127mgを得た。
【0066】FAB−MS(m/e,(C355249
+H)+として):673 (12−b) Z−DTrp(2−Me)−DAsp
(OMe)−Pro−DCpeg−Leu−OBzl 実施例(12−a)で得たBoc−DAsp(OMe)
−Pro−DCpeg−Leu−OBzl 125mg
を4N塩化水素/1,4−ジオキサン(3ml)に溶か
し、室温にて1.5時間攪拌した後、減圧下に溶媒を留
去し、無色粉末127mgを得た。このもの65mgを
DMF(3ml)に溶かし、氷冷下にZ−DTrp(2
−Me)−OH 37mg、NMM 23μl、HOB
T・H2O 22mg及びEDCI・HCl 27mg
を加えて、氷冷下にて1時間、室温にて一晩攪拌した。
反応液に50mlの酢酸エチルを加え、飽和重曹水(3
0ml)、10%クエン酸水溶液(30ml)及び飽和
食塩水(30ml)にて洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣を分取薄層
クロマトグラフィー(メルク社製 シリカゲル60F
254/ヘキサン:酢酸エチル=1:4)にて精製し、目
的物62mgを得た。
【0067】FAB−MS(m/e,(C50626
10+H)+として):907 (12−c) cyclo(−DTrp(2−Me)−
DAsp(OMe)−Pro−DCpeg−Leu−) 実施例(12−b)で得たZ−DTrp(2−Me)−
DAsp(OMe)−Pro−DCpeg−Leu−O
Bzl 60mgをDMF(3ml)に溶かし、10%
Pd/C 40mgを加え1気圧の水素圧下、室温に
て1.5時間撹拌した。触媒を濾去し、DMF(10m
l)にて洗浄した。濾液と洗液を合わせて氷冷し、HO
BT・H2O 15mg及びEDCI・HCl 19m
gを加えて、氷冷下にて1時間、室温にて一晩攪拌し
た。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル30mlに
溶かし、飽和重曹水(30ml)、1N塩酸(30m
l)及び飽和食塩水(30ml)にて洗浄し、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残
渣を分取薄層クロマトグラフィー(メルク社製 シリカ
ゲル60F/ヘキサン:酢酸エチル=1:7)にて精製
し、目的物19mgを得た。
【0068】FAB−MS(m/e,(C354867
+H)+として):665 (12−d) cyclo(−DTrp(2−Me)−
DAsp−Pro−DCpeg−Leu−) 実施例(12−c)で得たcyclo(−DTrp(2
−Me)−DAsp(OMe)−Pro−DCpeg−
Leu−)15.5mgをメタノール(1ml)に溶か
し、氷冷下に1N水酸化ナトリウム水溶液(0.5m
l)を加え、室温にて4時間攪拌した。減圧下にメタノ
ールを留去し、残渣に1N塩酸を加え析出晶を濾取乾燥
し表題化合物を無色粉末として12.7mg得た。
【0069】融点:179−184℃ IR(KBr,cm-1):3307,3056,295
6,2871,1648,1537,1461,143
8,1301,1241,1187,1112,108
3,744,607 高分解能FAB−MS(m/e,(C344667
H)+として): 計算値:651.3506 測定値:651.35141 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.61(3H,d,J=6.0Hz),0.6
9(3H,d,J=6.0Hz),0.98−2.02
(15H,m),2.17−2.50(2H,m),
2.32(3H,s),2.80(1H,dd,J=1
0.5Hz,16.0Hz),2.88(1H,dd,
J=10.6Hz,14.7Hz),3.05−3.5
0(3H,m),3.92−4.05(1H,m),
4.19(1H,t,J=10.0Hz),4.27−
4.39(1H,m),4.73(1H,d,J=7.
1Hz),4.91−5.03(1H,m),6.87
(1H,t,J=7.6Hz),6.94(1H,t,
J=7.6Hz),7.18(1H,d,J=7.6H
z),7.48(1H,d,J=7.6Hz),7.5
1(1H,d,J=10.0Hz),7.76(1H,
d,J=8.7Hz),8.67(1H,d,J=9.
0Hz),8.78(1H,d,J=5.0Hz),1
0.67(1H,s) 以下の実施例13〜15の各化合物は実施例12におけ
るBoc−DCpeg−OH又はH−Leu−OBzl
に換えて各々対応するN保護又はカルボキシル保護アミ
ノ酸を用いて、実施例12と同様な操作を行なうことに
より得られた。 実施例13cyclo(−DTrp(2−Me)−DAsp(OM
e)−Pro−DVal−Leu−) IR(KBr,cm-1):3300,2960,173
8,1653,1535,1439,1259,109
2,802,746,608 高分解能FAB−MS(m/e,(C334667
H)+として): 計算値:639.3506 測定値:639.34871 H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):
0.73(3H,d,J=6.7Hz),0.74(3
H,d,J=6.7Hz),0.84(3H,d,J=
6.6Hz),0.92(3H,d,J=6.6H
z),1.23−1.31(1H,m),1.48(2
H,t,J=7.4Hz),1.60−2.30(5
H,m),2.34(1H,dd,J=3.8Hz,1
6.5Hz),2.41(3H,s),2.87(1
H,dd,J=10.7Hz,16.5Hz),3.2
2(1H,dd,J=5.4Hz,15.0Hz),
3.39−3.70(4H,m),3.66(3H,
s),3.88(1H,t,J=9.6Hz),4.6
8−4.85(1H,m),4.78(1H,d,J=
7.8Hz),5.10−5.19(1H,m),6.
11(1H,d,J=7.8Hz),6.51(1H,
brs),7.03−7.15(3H,m),7.31
(1H,d,J=7.6Hz),7.46(1H,d,
J=7.6Hz),7.71(1H,d,J=9.6H
z),7.93(1H,s) 実施例14cyclo(−DTrp(2−Me)−DAsp−Pr
o−DVal−Leu−) 融点:173−175℃ IR(KBr,cm-1):3298,2962,173
0,1652,1543,1462,1232,107
8,750,606 高分解能FAB−MS(m/e,(C324467
H)+として): 計算値:625.3350 測定値:625.33391 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):0.62(3H,d,J=6.1Hz),0.7
0(3H,d,J=6.1Hz),0.82(3H,
d,J=6.5Hz),0.86(3H,d,J=6.
5Hz),1.02−1.09(2H,m),1.22
−1.24(1H,m),1.55−1.81(3H,
m),1.88−1.99(1H,m),2.21−
2.30(1H,m),2.32−2.39(1H,
m),2.34(3H,s),2.82(1H,dd,
J=9.4Hz,15.3Hz),2.90(1H,d
d,J=9.3Hz,13.5Hz),3.12−3.
38(3H,m),3.98−4.05(1H,m),
4.13(1H,dd,J=7.8Hz,10.0H
z),4.29−4.39(1H,m),4.76(1
H,d,J=7.5Hz),4.93−5.05(1
H,m),6.88(1H,t,J=7.4Hz),
6.95(1H,t,J=7.4Hz),7.19(1
H,d,J=7.4Hz),7.49(1H,d,J=
7.4Hz),7.51(1H,d,J=10.0H
z),7.75(1H,d,J=8.6Hz),8.6
9(1H,d,J=8.8Hz),8.77(1H,
d,J=5.4Hz),10.68(1H,s) 実施例15cyclo(−DTrp(2−Me)−DAsp−Pr
o−DVal−Cprg−) 融点:178−182℃ IR(KBr,cm-1):3302,3059,296
4,1716,1649,1535,1441,130
0,1232,1086,746,608 高分解能FAB−MS(m/e,(C313967
H)+として): 計算値:609.3037 測定値:609.30651 H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δpp
m):−0.04−0.02(1H,m),0.07−
0.17(2H,m),0.40−0.45(1H,
m),0.84(3H,d,J=6.9Hz),0.8
6(3H,d,J=6.9Hz),0.80−0.90
(1H,m),1.57−2.27(5H,m),2.
31(1H,dd,J=3.8Hz,16.2Hz),
2.37(3H,s),2.74(1H,dd,J=1
0.7Hz,16.2Hz),2.95(1H,dd,
J=9.5Hz,14.6Hz),3.09−3.40
(3H,m),4.19(1H,dd,J=7.7H
z,10.2Hz),4.23−4.30(1H,
m),4.76(1H,d,J=7.2Hz),4.9
6−5.03(1H,m),6.90(1H,t,J=
7.8Hz),6.97(1H,t,J=7.8H
z),7.21(1H,d,J=7.8Hz),7.4
6(1H,d,J=10.2Hz),7.52(1H,
d,J=7.8Hz),7.80(1H,d,J=9.
0Hz),8.48(1H,d,J=8.4Hz),
9.09(1H,d,J=5.1Hz),10.72
(1H,s),12.30(1H,brs) 参考例1N−t−ブトキシカルボニル−S−メチル−D−ペニシ
ラミン D−ペニシラミン1.49gをエタノール(10ml)
及び1N水酸化ナトリウム水溶液(11ml)の混合溶
液に溶かし、ヨウ化メチル0.68mlを加え、アルゴ
ン雰囲気下に室温にて一晩攪拌した。反応液に、二炭酸
ジ−t−ブチル2.53ml及び1N水酸化ナトリウム
水溶液(11ml)を加え、室温にて3時間攪拌した。
減圧下にエタノールを留去し、残渣をジエチルエーテル
(30ml)にて抽出した。水層に10%クエン酸水溶
液を加えて酸性にした後、酢酸エチル(10ml×3)
にて抽出した。酢酸エチル抽出層は、飽和食塩水(10
ml)にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した後、
減圧下に溶媒を留去し表題化合物2.47gを得た。
【0070】FAB−MS(m/e,(C1121NO4
S+H)+として):264 参考例2α−N−ベンジルオキシカルボニル−2−メチル−D−
トリプトファン (2R)−1−ベンジルオキシカルボニル−2−アジリ
ジンカルボン酸 メチル3.28g、2−メチルインド
ール3.29g及びトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛
10.14gをクロロホルム(42ml)中で混合し7
8℃にて19時間攪拌した。放冷後、反応液に水(15
0ml)を加えクロロホルム(50ml×3)にて抽出
した。クロロホルム抽出層は合わせて無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥したのち減圧下に溶媒を留去した。残渣を
中圧液体クロマトグラフィー(メルク社製 ローバーカ
ラム リクロプレップ SI60/クロロホルム:メタ
ノール=100:1)にて精製し、α−N−ベンジルオ
キシカルボニル−2−メチル−D−トリプトファン メ
チルエステルを2.84g得た。このもの2.1gをジ
オキサン(20ml)に溶かし、1N水酸化ナトリウム
水溶液17.2mlを氷冷下に加え、その後同温で30
分間、室温にて4.5時間攪拌した。減圧下にジオキサ
ンを留去し、残渣に水(150ml)を加え、10%ク
エン酸水溶液を加え酸性にした後、酢酸エチル(80m
l×3)にて抽出した。酢酸エチル抽出層は合わせて無
水硫酸マグネシウムにて乾燥したのち減圧下に溶媒を留
去し、表題化合物1.91gを得た。
【0071】FAB−MS(m/e,(C212224
+H)+として):367
【0072】
【発明の効果】本発明の環状ペンタペプチドは、内在性
の生理活性ペプチドであるエンドセリンに対して強い拮
抗作用を有することから、エンドセリンが関与する血管
及び気管筋収縮作用に拮抗する薬剤として、ひいてはヒ
トの高血圧症、肺高血圧症、レイノー病、気管支喘息、
動脈硬化症、急性腎不全、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、
脳血管攣縮、胃潰瘍及び糖尿病の治療薬として有用であ
る。また、エンドトキシンショック、エンドトキシン起
因の多臓器不全若しくは播種性血管内凝固更にシクロス
ポリン誘発の腎障害及び高血圧等の治療薬としても有用
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は実施例9の化合物10μM(●)及び
薬物非存在下(○)のブタ摘出冠状動脈標本におけるエ
ンドセリン−1収縮に対する作用を示す。
【図2】第2図は実施例9の化合物10μM(●)及び
薬物非存在下(○)のモルモット摘出気管支標本におけ
るエンドセリン−1収縮に対する作用を示す。
【図3】第3図は実施例9の化合物10μM(●)及び
薬物非存在下(○)のウサギ肺動脈標本におけるエンド
セリン−1収縮に対する作用を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ABS ABU ABX ACD ACV // C07K 99:00 A61K 37/02 ABS ABU ABX ACD ACV (72)発明者 錦辺 優 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 矢野 光夫 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 cyclo(−X1−X2−X3−X4−X5−) [I] [式中、Xn(n=1〜5)はそれぞれアミノ酸残基を
    示し、X1はDTrp(2−F)、DTrp(2−C
    l)、DTrp(2−Br)、DTrp(2−I)又は
    DTrp(2−Me)を示し、X2はDAsp、DAs
    p(OMe)、DGlu又はDCys(O3H)を示
    し、X3はPro、Hyp、Pip、Thz又はα−ア
    ミノ基上の水素原子が、イミダゾリル基、カルボキシル
    基、スルホ基、水酸基からなる群より選ばれる任意の基
    を有していてもよいC 1〜C6アルキル基若しくはC3
    7シクロアルキル基で置換されていてもよい、Gl
    y、Ala、αAba、Aib、Val、Nva、Le
    u、Ile、aIle、Nle、Cprg、Cpeg、
    Chg、Cpra、Cpea、Cha、Met、Met
    (O)、Met(O2)、Phe、Tza、Tha、T
    yr、Trp、His、Arg、Lys、Lys(CH
    O)、Orn、Orn(CHO)、Asn、Gln、A
    sp、Glu、Cys(O3H)、Cys、Ser若し
    くはThrを示し、X4はDAla、DαAba、DV
    al、DNva、DLeu、DIle、DaIle、D
    Nle、DtertLeu、DγMeLeu、DCpr
    g、DCpeg、DChg、DDpg、DPhe、DT
    ha、DTyr、DTza、DPen、DPen(M
    e)、Aib、Ac3c、Ac4c、Ac5c、Ac6c、
    Ac7c、又はα位の水素原子がC1〜C3アルキル基で
    置換されていてもよいDPhg、DThg、DFug、
    DTzg若しくはDItgを示し、X5はα−アミノ基
    上の水素原子がC 1〜C6アルキル基で置換されていても
    よい、Ala、αAba、Val、Nva、Leu、I
    le、aIle、Nle、γMeLeu、Met、Ph
    g、Thg、Fug、Tzg、Itg、Phe、Ty
    r、Tha、Trp、Tza、Cprg、Cpeg、C
    hg、Cpra、Cpea又はChaを示す]で表され
    る環状ペンタペプチド又はその製薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】一般式 cyclo(−X1−X2−X3−X4−X5−) [I] [式中、Xn(n=1〜5)はそれぞれアミノ酸残基を
    示し、X1はDTrp(2−Cl)、DTrp(2−B
    r)、DTrp(2−I)又はDTrp(2−Me)を
    示し、X2はDAsp、DAsp(OMe)、DGlu
    又はDCys(O3H)を示し、X3はPro、Hyp、
    Pip又はThzを示し、X4はDAla、DαAb
    a、DVal、DNva、DLeu、DIle、DaI
    le、DNle、DtertLeu、DγMeLeu、
    DCprg、DCpeg、DChg、DPen、DPe
    n(Me)、Aib、Ac3c、Ac4c、Ac5c、A
    6c又はAc7cを示し、X5はAla、αAba、V
    al、Nva、Leu、Ile、aIle、Nle、γ
    MeLeu、Met、Cprg、Cpeg、Chg、C
    pra、Cpea又はChaを示す]で表される環状ペ
    ンタペプチド又はその製薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】一般式 cyclo(−X1−X2−X3−X4−X5−) [I] [式中、Xn(n=1〜5)はそれぞれアミノ酸残基を
    示し、X1はDTrp(2−Cl)、DTrp(2−B
    r)又はDTrp(2−Me)を示し、X2はDAsp
    又はDAsp(OMe)を示し、X3はProを示し、
    4はDVal、DtertLeu、DCpeg、DP
    en(Me)又はAc6cを示し、X5はLeu又はCp
    rgを示す]で表される環状ペンタペプチド又はその製
    薬上許容される塩。
  4. 【請求項4】請求項1記載の一般式[I]で表される環
    状ペンタペプチド又はその製薬上許容される塩を有効量
    含有することを特徴とする高血圧、肺高血圧、レイノー
    病、急性腎不全、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳血管攣
    縮、動脈硬化症、気管支喘息、胃潰瘍、糖尿病、エンド
    トキシンショック、エンドトキシンを起因とする多臓器
    不全や播種性血管内凝固及び/又はシクロスポリン誘発
    の腎障害や高血圧等の治療剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の一般式[I]で表される環
    状ペンタペプチド又はその製薬上許容される塩の有効量
    を投与することによって、高血圧、肺高血圧、レイノー
    病、急性腎不全、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳血管攣
    縮、動脈硬化症、気管支喘息、胃潰瘍、糖尿病、エンド
    トキシンショック、エンドトキシンを起因とする多臓器
    不全や播種性血管内凝固及び/又はシクロスポリン誘発
    の腎障害や高血圧等を治療する方法。
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