JPH0789893A - アシル基置換芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

アシル基置換芳香族化合物の製造方法

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JPH0789893A
JPH0789893A JP23960893A JP23960893A JPH0789893A JP H0789893 A JPH0789893 A JP H0789893A JP 23960893 A JP23960893 A JP 23960893A JP 23960893 A JP23960893 A JP 23960893A JP H0789893 A JPH0789893 A JP H0789893A
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acid
aromatic
reaction
polycyclic
mol
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JP23960893A
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Akira Miyata
暁 宮田
Hiroaki Honda
宏明 本多
Mamoru Ishikawa
守 石川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 R1 −CO−X(R1 はアルキル基;XはC
l、Br、OH、アルコキシ基または−OCOR2 であ
り、ここでR2 はアルキル基であり、R1 と同じであっ
ても異なってもよい。)のアシル化剤と、H−Ar−
(R3 (Arは単環、多環または縮合環系芳香族残
基であり、多環系芳香族残基は直結合によって結合し;
3 は水素原子またはアルキル基であり、mが2以上の
場合互いに異なるアルキル基であってもよい;mはAr
が単環の場合1〜5の整数を表し、多環または縮合環系
の場合1からR3 が最大結合しうる間の整数を表す。)
の芳香族化合物とをゼオライトベータの存在下に反応さ
せる、R1 −CO−Ar−(R3 (R1 、R2 、R
3 、Ar、mは上記と同じ。)のアシル基置換芳香族化
合物の製造方法。 【効果】 芳香族炭化水素の脂肪族カルボン酸およびそ
の誘導体によるアシル化反応を高い転換率と高い位置選
択性で効率よく行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゼオライトベータの存
在下、芳香族炭化水素化合物と脂肪族カルボン酸および
その誘導体とを反応させることによってアシル基置換芳
香族化合物を製造する方法に関する。
【0002】アシル基置換芳香族化合物、例えば、アセ
トフェノンまたはp−イソブチルアセトフェノンなどは
香料、医薬、農薬の中間体として非常に有用である。
【0003】
【従来の技術】従来のアシル基置換芳香族化合物の製造
方法としては、一般的に触媒として塩化アルミニウム、
塩化鉄または三フッ化ホウ素などのルイス酸、またはフ
ッ化水素酸などのプロトン酸を用い、芳香族化合物とカ
ルボン酸クロリドあるいはカルボン酸無水物などとフリ
ーデル・クラフツ型アシル化反応を行わせる方法が知ら
れている。これらの触媒は、一般的には化学量論量以上
必要とされ、工業的に実施される場合、装置に対する腐
食性が高いという問題およびアシル化反応後の処理の間
に、加水分解によって触媒が分解され、塩酸をはじめと
する多量の廃棄物が発生するなど、多くの操作上および
環境上の解決すべき問題をかかえていることは十分に知
られている。
【0004】それゆえ、これらの触媒に置き換わる、非
腐食性の高価でない固体酸触媒を見出すことは長い間の
研究目的であった。この目的を達成するために種々の型
のゼオライト触媒が提案されてきた。通常、フリーデル
・クラフツ型アシル化反応が起こりやすい芳香族エーテ
ル化合物およびフェノール化合物のアシル化に関する方
法が、特に多く開示されている(特開平4−23594
1号公報、欧州特許第334096号、第316133
号、独国特許第3809260号、第3704810
号、米国特許第4668826号、第4652683号
明細書など)。またゼオライト触媒では高い位置選択性
が報告されている。一方、一般に芳香族エーテル化合物
およびフェノール化合物より反応性の低い芳香族炭化水
素化合物のアシル化に関する方法として、以下の例が開
示されている。
【0005】欧州特許第455332号明細書には、1
2員環細孔構造を有するゼオライト、特にゼオライトベ
ータの存在下で、芳香族化合物を芳香族カルボン酸また
はそのエステルあるいは無水物でアシル化することが示
されている。
【0006】欧州特許第239383号明細書には、ペ
ンタシル型ゼオライトを触媒として、低級アルキルまた
はフェニル置換ベンゼンと低級アルカン酸を反応させる
アシル化法が示されている。アルカン酸としては低級の
ものだけが反応し、5%程度の転化率が得られる。
【0007】仏国特許第2592039号明細書、また
はJ.Org.Chem.,51,2128〜2130
(1986)によれば、芳香族炭化水素をカルボン酸ま
たはその酸塩化物あるいは無水物でアシル化する方法に
おいて、Ceでイオン交換したゼオライト、特にY型ゼ
オライトが有効であることが示されている。オクタン酸
のような長鎖のカルボン酸を用いる場合にだけ、高い転
化率が得られ、酢酸などは反応しないことが示されてい
る。
【0008】特開平4−279545号公報には、10
員環細孔構造を有するペンタシル型ゼオライトの存在
下、ベンゼンをカルボン酸で気相アシル化する方法が示
されており、ベンゼンと酢酸の反応では、生成物中のア
セトフェノンは3重量%程度で得られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように芳香族炭化
水素化合物をゼオライト触媒を用いてアシル化する方法
において、非腐食性であることは認められた利点である
にもかかわらず、アシル化剤として脂肪族カルボン酸お
よびその誘導体を用いる場合、転換率が低いなどの欠点
を有し、工業的に実用性のある触媒の出現が強く望まれ
ていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、ゼオライトベータ
の存在下、少なくとも1個の求電子置換を受け易い水素
原子を有する芳香族炭化水素化合物と脂肪族カルボン酸
およびその誘導体とを反応させることによってアシル基
置換芳香族化合物が製造できることを見出し、本発明に
到達した。
【0011】すなわち、本発明は、次の一般式(I) R1 −CO−X……(I) (式中、R1 はアルキル基であり;XはCl、Br、O
H、アルコキシ基または−OCOR2 であり、ここでR
2 はアルキル基であり、R1 と同じであっても、あるい
は異なっていてもよい。)で表されるアシル化剤と、次
の一般式(II) H−Ar−(R3 ……(II) (式中、Hは水素原子であり;Arは単環、多環または
縮合環系芳香族残基であり、多環系芳香族残基は直結合
によって結合しており;R3 は水素原子またはアルキル
基であり、mが2以上の場合、互いに異なるアルキル基
であってもよい;mはArが単環の場合、1から5の間
の整数を表し、多環または縮合環系の場合、1からR3
が最大結合しうる間の整数を表す。)で示される芳香族
化合物とをゼオライトベータの存在下に反応せしめるこ
とを特徴とする、次の一般式(III) R1 −CO−Ar−(R3 ……(III) (式中、R1 、R2 、R3 、Ar、mは上記と同じもの
を示す。)で表されるアシル基置換芳香族化合物の製造
方法である。
【0012】本発明による方法は、ゼオライトベータの
使用によって特に特徴づけられる。ゼオライトベータは
米国特許第3308069号明細書に最初に記載された
既知の合成結晶質アルミノ珪酸塩である。ゼオライトベ
ータであることを示す最も一般的な方法はX線回折パタ
ーンであり、米国特許第3308069号明細書の表4
などに記載されたその特性X線回折パターンにより同定
される。その特徴的なX線回折パターンは表1のとおり
である。
【0013】
【表1】 ここで、VS=非常に強い、M=中級の強さ、W=弱い
を示す。
【0014】前記ゼオライトベータは、米国特許第33
08069号明細書に記載の方法による水熱合成により
製造できる。結晶化の後、濾過、水洗し、そして乾燥
後、有機テンプレートを除去するため焼成する。次い
で、イオン交換によりアルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移金属または希土類金属の二価または三価イオン
で、あるいはアンモニウムイオンまたはプロトンで交換
する。例えばプロトン、Ca、Cu、Zn、Ni、F
e、La、Ybなどが好適に挙げられる。
【0015】本発明の方法において、前記ゼオライトベ
ータは、必要に応じて、他のゼオライトと混合した触媒
として用いてもよい。さらには、前記ゼオライトを酸、
アルカリ、熱、水蒸気、アンモニア、ハロゲン、あるい
は他の非金属化合物などの物質で適宜処理して使用する
こともできる。
【0016】また本発明の方法において用いられる触媒
は、純粋なゼオライトをそのまま用いてもよいし、成形
体として用いてもよい。成形法は特に制限されるもので
はなく、押出法、圧縮法など公知の方法が適用できる。
また、成形の際に必要ならば、シリカ、アルミナ、シリ
カアルミナ、マグネシアあるいは粘土鉱物などのバイン
ダーを用いてもよい。
【0017】ゼオライトベータ触媒の使用量は、反応方
法によって異なるが、回分操作あるいは半回分操作など
では、反応させるべき有機反応物の全量に対して0.1
〜100重量%、好ましくは1〜50重量%の量で、ま
た連続操作または断続操作では、触媒重量あたりの反応
させるべき有機反応物の、時間あたりの供給重量比とし
て0.1〜5h-1の比、好ましくは0.2〜2h-1の比
で一般的に使用される。
【0018】本発明において、反応により触媒活性が低
下した場合、適当な間隔で触媒の再生を行う。再生処理
の方法としては、例えば、洗浄、酸処理および焼成など
の方法によって再生することができる。
【0019】本発明の方法において用いられる芳香族化
合物は、次の一般式(II) H−Ar−(R3 ……(II) (式中、Hは水素原子であり;Arは単環、多環または
縮合環系芳香族残基であり、多環系芳香族残基は直結合
によって結合しており;R3 は水素原子またはアルキル
基であり、mが2以上の場合、互いに異なるアルキル基
であってもよい;mはArが単環の場合、1から5の間
の整数を表し、多環または縮合環系の場合、1からR3
が最大結合しうる間の整数を表す。)で示される化合物
である。
【0020】この芳香族化合物として具体的には、例え
ば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−、m−
またはp−キシレン、n−プロピルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec. −ブチル
ベンゼン、イソブチルベンゼン、tert.−ブチルベ
ンゼン、o−、m−またはp−シメン、メシチレン、プ
ソイドクメン、デュレン、o−、m−またはp−エチル
トルエン、o−、m−またはp−ジエチルベンゼン、n
−ペンチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘ
キシルベンゼン、ジフェニルメタン、テトラリン、イン
ダン、ベンジルアセトン、1−フェニル−2−ブタノ
ン、ベンジルメチルケトン、ベンジルエチルケトン、ジ
ベンジルケトン、ビフェニル、4−エチルビフェニル、
2−、3−または4−フェニルトルエン、ナフタレン、
1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、2,6
−ジメチルナフタレン、2,6−ジイソプロピルナフタ
レンなどを例示できる。
【0021】本発明において用いられるアシル化剤は次
の一般式(I) R1 −CO−X……(I) (式中、R1 はアルキル基であり;XはCl、Br、O
H、アルコキシ基または−OCOR2 であり、ここでR
2 はアルキル基であり、R1 と同じであっても、あるい
は異なっていてもよい。)で表される。
【0022】アシル化剤の具体的な例は次のとおりであ
る。酢酸、アセチルクロライド、アセチルブロマイド、
無水酢酸、酢酸メチル、プロピオン酸、プロピオン酸ク
ロライド、プロピオン酸ブロマイド、無水プロピオン
酸、プロピオン酸メチル、n−酪酸、n−酪酸クロライ
ド、無水n−酪酸、イソ酪酸、イソ酪酸クロライド、無
水イソ酪酸、ピバリン酸、ピバリン酸クロライド、無水
ピバリン酸、吉草酸、吉草酸クロライド、無水吉草酸、
カプロン酸、カプロン酸クロライド、無水カプロン酸、
ヘプタン酸、ヘプタン酸クロライド、無水ヘプタン酸、
オクタン酸、オクタン酸クロライド、無水オクタン酸、
クロロアセチルクロライド、ジクロロアセチルクロライ
ド、アクリル酸、アクリル酸クロライド、メタクリル
酸、メタクリル酸クロライド、シクロヘキシルカルボン
酸クロライド、フェニルアセチルクロライド、無水マロ
ン酸、無水こはく酸などを例示できる。
【0023】本発明の方法においては、アセチル化剤は
前記芳香族化合物の1モルあたり0.01〜20モル、
好ましくは0.01〜5モルの比率で使用できる。
【0024】アシル化反応は、一般に、反応物だけで行
われるが、もちろん溶媒を用いることも可能である。適
当な溶媒としては、反応条件下に用いるゼオライトおよ
びアシル化剤に対して不活性なもの、例えば、シクロヘ
キサン、石油エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ニトロベンゼンおよび二硫化炭素などが挙げ
られる。溶媒の使用量は、通常、反応させるべき有機反
応物の全量に対して1〜10倍量使用される。
【0025】本発明において使用される反応温度は、通
常20℃〜500℃、好ましくは20℃から300℃で
ある。このとき、反応時間は、回分操作あるいは半回分
操作などでは、通常0.1〜24時間、好ましくは0.
5〜10時間である。また連続操作または断続操作で
は、空間速度(WHSV=時間あたりの重量空間速度)
として、0.1〜5h-1、好ましくは0.2〜2h-1
範囲である。
【0026】本発明において、アシル化反応は各種の型
式の装置を用いて、種々の操作によって行うことができ
る。例えば、回分操作あるいは半回分操作などによって
行うことができるし、あるいは固定床型式、流動床型
式、移動床型式、懸濁床型式などによる連続操作または
断続操作で行うこともできる。反応圧力は必要に応じて
減圧、常圧、加圧下のいずれでも行うことができる。よ
り好都合には、反応は常圧または加圧下で行われる。
【0027】かくして、本発明のアシル化反応により次
の一般式(III) R1 −CO−Ar−(R3 ……(III) (式中、R1 、R2 、R3 、Ar、mは上記と同じもの
を示す。)で表されるアシル基置換芳香族化合物が得ら
れる。
【0028】反応終了後は、反応混合物から生成したア
シル基置換芳香族化合物は通常の蒸留法、晶析法あるい
はクラマトグラフィー法などによって分離、精製するこ
とができる。また、末反応原料が回収されるとき、再び
アシル化反応に使用することもできる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する
が、本発明はこれらに規定されるものではない。
【0030】実施例1 20wt%テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド水
溶液を96.2g、アルミン酸ソーダ水溶液(Al2
3 含有量19.5%、Na2 O含有量20.2%)1
6.8gを水254.1gに溶解した。この水溶液に珪
酸52.6gを加え、撹拌して混合物スラリーを調製し
た。この混合物スラリーを500ml容積のオートクレ
ーブに仕込み、撹拌しながら160℃で11日間反応さ
せた。その後、冷却してから内容物を取出して、濾過、
水洗を7回繰返した後、120℃で一晩乾燥した。
【0031】得られた生成物のX線回折パターンを表2
に示した。この結果から得られた生成物はゼオライトベ
ータであった。
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 実施例1で合成したゼオライトベータ粉末に、アルミナ
ゾルをAl2 3 換算で15重量%添加して混練りした
後、14〜24メッシュに押出成型し500℃で2時間
空気中で焼成した。このゼオライトベータ成型体を10
wt%塩化アンモニウム水溶液を用いて、90℃で7回
イオン交換(固液比20ml/10g)を行った。さら
に充分水洗して120℃で一晩乾燥後、540℃で2時
間空気中で焼成して酸型の触媒を調製した。
【0034】水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中
に、上記で調製した触媒1.5g、トルエン46.1g
(0.5モル)および無水酢酸2.55g(0.025
モル)を加え、アルゴンガス雰囲気下、還流温度まで加
熱し、撹拌した。3時間反応後、冷却し、水を加えて未
反応の無水酢酸の分解および触媒中の吸着物質の追い出
しを行った。その後、触媒を濾過除去し、水を分液操作
により反応液と分離した。反応液の極小量を取り、ガス
クロマトグラムによる内部標準修正百分率法でp−メチ
ルアセトフェノンの定量を行ったところ、無水酢酸に対
する生成収率は28.3%であった。さらにp−体選択
率は98.9%であった。反応液の残りは減圧蒸留する
ことにより、p−メチルアセトフェノン0.9gを得
た。
【0035】実施例3 実施例2と同様に成型したゼオライトベータ成型体を、
10wt%硝酸カルシウム水溶液を用いて、90℃で7
回イオン交換(固液比20ml/10g)を行った。さ
らに90℃で6回水洗し、120℃で一晩乾燥後、54
0℃で2時間空気中で焼成し、Caカチオン交換型の触
媒を調製した。
【0036】水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中
に、上記で調製した触媒1.5g、トルエン46.1g
(0.5モル)および無水酢酸2.55g(0.025
モル)を加え、アルゴンガス雰囲気下、還流温度まで加
熱し撹拌した。その温度で3時間保持した。
【0037】冷却後、実施例2と同様に処理し、ガスク
ロマトグラムで分析したところ、p−メチルアセトフェ
ノンが無水酢酸に対して28.0%の収率で生成してい
た。p−体選択率を求めたところ99.0%であった。
【0038】実施例4〜6 実施例3と同様にゼオライトベータ成型体を、各種の1
0wt%硝酸塩水溶液を用いてイオン交換を行い、それ
ぞれカチオン交換型の触媒を調製した。この触媒を用い
て、実施例2と同様にトルエンと無水酢酸の反応を行い
ガスクロマトグラムで生成収率およびp−体選択率を求
めた。
【0039】表3にゼオライトベータの各種カチオン交
換型触媒によるアシル化反応の結果を示した。
【0040】
【表3】
【0041】実施例7 水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中に、実施例2
で調製した酸型触媒1.5g、メタキシレン53.1g
(0.5モル)および無水酢酸5.12g(0.05モ
ル)を加え、実施例2と同様に反応した。その結果、
2,4−ジメチルアセトフェノンが16.6%の収率で
生成していた。2,4−体への選択率は98.5%であ
った。
【0042】実施例8 実施例7のメタキシレンのかわりに、イソブチルベンゼ
ン67.1g(0.5モル)を用いて同様に反応した。
その結果、p−イソブチルアセトフェノンが無水酢酸に
対して11.2%の収率で生成していた。p−体選択率
は100%であった。
【0043】実施例9 実施例7のメタキシレンのかわりに、tert.−ブチ
ルベンゼン67.1g(0.5モル)を用いて同様に反
応した。その結果、p−tert.−ブチルアセトフェ
ノンが無水酢酸に対して5.0%の収率で生成してい
た。p−体選択率は97.5%であった。
【0044】実施例10 実施例2と同様に成型したゼオライトベータ成型体を、
10wt%硝酸第二鉄水溶液を用いて、90℃で7回処
理(固液比20ml/10g)することによりイオン交
換を行った。90℃で6回水洗した後、120℃で一晩
乾燥した。これを540℃で2時間、空気中で焼成する
ことによりFeカチオン交換型の触媒を調製した。
【0045】水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中
に上記触媒1.5g、2−メチルナフタレン71.1g
(0.5モル)および無水酢酸5.12g(0.05モ
ル)を加え、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらフラスコ
の内容物を還流温度まで加熱し、その温度で3時間反応
を行った。実施例2と同様に処理し、分析したところ、
6´−メチル−2´−アセトナフトンが、無水酢酸に対
する収率29.3%で生成していた。2,6−体選択率
は97.2%であった。
【0046】実施例11 実施例2で調製した酸型ゼオライトベータの成型体を用
い、実施例2と同様にトルエンと無水酢酸の反応を行っ
た。分析の結果、p−メチルアセトフェノンが無水酢酸
に対する収率28.0%で生成していた。この時のp−
体選択率は99.0%であった。反応後、分離した触媒
をアセトンおよび水で洗浄した。さらに120℃で一晩
乾燥後、540℃で2時間、空気中で焼成することによ
り、触媒の再生を行った。
【0047】水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中
に、上記で再生した触媒1.4g、トルエン46.1g
(0.5モル)および無水酢酸2.55g(0.025
モル)を加え、アルゴンガス雰囲気下、還流温度まで加
熱し、撹拌した。その温度で2時間反応を行った。
【0048】冷却後、実施例2と同様に処理し、ガスク
ロマトグラムで分析したところ、p−メチルアセトフェ
ノンが無水酢酸に対して24.3%の収率で生成してい
た。p−体選択率を求めたところ98.7%であった。
【0049】実施例12 水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中にトルエン4
6.07g(0.5モル)と無水プロピオン酸6.51
g(0.05モル)および実施例2で調製した酸型触媒
1.5gを加え、窒素気流下、撹拌しながらフラスコの
内容物を還流温度まで加熱して4時間反応した。冷却
後、実施例2と同様に処理し、分析したところp−メチ
ルプロピオフェノンが無水プロピオン酸に対して24.
3%の収率で生成していた。p−体選択率は99.3%
であった。
【0050】実施例13 水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中にトルエン4
6.07g(0.5モル)と無水n−吉草酸9.31g
(0.05モル)および実施例2で調製した酸型触媒
1.5gを加え、アルゴンガス置換を十分行ったのちに
撹拌しながらフラスコの内容物を還流温度まで加熱し
て、その温度で3時間保った。
【0051】反応液をガスクロマトグラムで定量分析し
たところ、p−メチル−n−バレロフェノンが無水n−
吉草酸に対して収率33.5%で生成していた。p−体
選択率を求めたところ96.4%であった。
【0052】実施例14 実施例13の無水n−吉草酸のかわりに、無水エナント
酸12.1g(0.05mol)を用いて同様に反応し
た。その結果、p−メチル−n−ヘプタノフェノンが無
水エナント酸に対して収率12.0%で生成していた。
p−体選択率は96.0%であった。
【0053】実施例15 実施例2と同様に成型したゼオライトベータ成型体を、
10wt%硝酸ランタン水溶液を用いて、90℃で7回
処理(固液比20ml/10g)することによりイオン
交換を行った。90℃で6回水洗した後、120℃で一
晩乾燥した。これを540℃で2時間、空気中で焼成す
ることによりLaカチオン交換型の触媒を調製した。
【0054】水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中
にトルエン46.07g(0.5モル)、n−カプリル
酸7.21g(0.05モル)および上記で調製した触
媒1.5gを加え、窒素雰囲気下、撹拌しながらフラス
コの内容物を還流温度まで加熱して3時間反応した。
【0055】実施例2と同様に処理し、ガスクロマトグ
ラムによる内部標準修正百分率法によりp−メチル−n
−オクタノフェノンの定量を行い、n−カプリル酸に対
する生成収率を求めたところ14.3%であった。p−
体選択率を求めたところ100.0%であった。
【0056】実施例16 実施例15のn−カプリル酸にかえて、塩化バレロイル
6.15g(0.05モル)を用いて同様に反応を行っ
た。その結果、p−メチル−n−バレロフェノンが、塩
化バレロイルに対して収率22.6%で生成していた。
p−体選択率を求めたところ92.8%であった。
【0057】実施例17 実施例15のn−カプリル酸にかえて、塩化アセチル
3.93g(0.05モル)を用いて同様に反応を行っ
た。その結果、p−メチルアセトフェノンが、塩化アセ
チルに対して収率1.0%で生成していた。p−体選択
率を求めたところ96.6%であった。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族炭化水素の脂肪
族カルボン酸およびその誘導体によるアシル化反応を、
高い転換率および高い位置選択性で効率よく行えるとい
う効果を奏する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】水冷却式還流冷却器を備えたフラスコの中
に上記触媒1.5g、2−メチルナフタレン71.1g
(0.5モル)および無水酢酸5.12g(0.05モ
ル)を加え、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながらフラスコ
の内容物を還流温度まで加熱し、その温度で3時間反応
を行った。実施例2と同様に処理し、分析したところ、
6´−メチル−2´−アセトナフトンが、無水酢酸に対
する収率2.9%で生成していた。2,6−体選択率は
97.2%であった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】100ml容のオートクレーブの中にトル
エン46.07g(0.5モル)、n−カプリル酸7.
21g(0.05モル)および上記で調製した触媒1.
5gを加え、200℃で加熱して3時間反応した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) R1 −CO−X……(I) (式中、R1 はアルキル基であり;XはCl、Br、O
    H、アルコキシ基または−OCOR2 であり、ここでR
    2 はアルキル基であり、R1 と同じであっても、あるい
    は異なっていてもよい。)で表されるアシル化剤と、次
    の一般式(II) H−Ar−(R3 ……(II) (式中、Hは水素原子であり;Arは単環、多環または
    縮合環系芳香族残基であり、多環系芳香族残基は直結合
    によって結合しており;R3 は水素原子またはアルキル
    基であり、mが2以上の場合、互いに異なるアルキル基
    であってもよい;mはArが単環の場合、1から5の間
    の整数を表し、多環または縮合環系の場合、1からR3
    が最大結合しうる間の整数を表す。)で示される芳香族
    化合物とをゼオライトベータの存在下に反応せしめるこ
    とを特徴とする、次の一般式(III) R1 −CO−Ar−(R3 ……(III) (式中、R1 、R2 、R3 、Ar、mは上記と同じもの
    を示す。)で表されるアシル基置換芳香族化合物の製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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