JPH0789885B2

JPH0789885B2 - 美肌効果を有する飲食物

Info

Publication number: JPH0789885B2
Application number: JP1170886A
Authority: JP
Inventors: 裕文越智
Original assignee: Ezaki Glico Co Ltd
Current assignee: Ezaki Glico Co Ltd
Priority date: 1989-06-30
Filing date: 1989-06-30
Publication date: 1995-10-04
Anticipated expiration: 2010-10-04
Also published as: JPH0335774A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、これを常用摂食することにより肌がよくな
る飲食物にかかわるものである。

従来の技術とその課題皮膚は一般に年齢と共に次第にうるおいがなくなり、つ
ややきめが粗くなる。これは、皮膚中に存在するムコ多
糖類が減少、皮膚の水分が失われてしまうからであると
考えられている。最近の研究によると、皮膚の角質層が
10〜20％の水分を含むのが適当であり、それによって肌
の滑らかさ、うるおいが得られるという。

ムコ多糖類は動物性粘性物質の主成分であり、これには
コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン酸、ケラ
ト硫酸などがあり、これらはすべて保湿性を有してい
る。

従来はこれらムコ多糖類を添加した化粧品を使用して直
接的に皮膚を物理的に保護したり又はこれら成分を経皮
的に吸収させて美肌の目的を達しようとしている。

本発明では、このような美肌物質を通常の飲食物に添加
し、従来行われていなかった経口摂食によって体内に摂
取することにより、ごく自然に美肌の効果を発現させん
とするものである。かかる経口投与によっても美肌効果
があることは、従来全く知られていなかったものであ
る。

課題解決の手段動物性粘性物質は、殊にヨシキリザメの背びれ及び胸び
れの軟骨を使用するものであって、その調整法も以下に
述べる通り、特定である。

先ず、原料軟骨をアルカリ存在下、蒸煮して加水分解す
る。たとえば水酸化ナトリウムの30〜60％程度の濃度と
し、40℃・1.5時間程度保持する。これを一旦、中和し
た後、エタノールを添加して粘性物質を沈澱・分別す
る。エタノール添加は２段階によるのがよい。即ち、第
１段階として約95％濃度のエタノールを添加し、次いで
得られた沈澱物を約75％濃度のエタノールで再抽出し溶
解分を除去する。残つた沈澱物が本発明において使用さ
れる粘性物質であり、大よそ分子量20,000〜100,000程
度、成分としては大よそ次の通りである。

コンドロイチン硫酸 60％ヒアルロン酸１％ヘパリン酸５％ケラト硫酸９％粗タンパク（アミノ酸） 25％実際の使用に際しては、これにデキストリンの如き賦型
剤を加え、スプレードライ等の手段により粉末化したも
のが便である。

かかる動物性粘性物質は、通常、飲食物中に大よそ0.1
％〜10％添加する。摂取方法としても通常の通りでよ
く、添加対象飲食物も特定ではない。即ち、米飯、パ
ン、麺、菓子、飲料その他がある。

作用本発明飲食物で経口摂取されてのち、如何なる経過を経
て美肌効果を示すこととなるのかの詳細は、まだ一切知
られていない。動物性粘性物質は分子量も大きいから一
旦は胃や腸で分解され吸収されるのであろうが、それが
体内の何処で再合成されるのが、再合成されたものが如
何なる経過により皮膚に達するのか、又はその他の如何
なる理由により美肌効果を発するのかの情報は今後の研
究にまたれる。

実施例と本発明の効果下記配合によりゼリーを調整した。

果汁 12.8％クエン酸 0.2％クエン酸ナトリウム 0.2％ペクチン 1.3％麦芽糖 4.2％グラニユ糖 47.8％水あめ 30.7％動物軟骨抽出物 2.5％香料 0.3％計 100.0％ただし、上記の動物軟骨抽出物というは、ヨシキリザメ
の背びれ及び胸びれの軟骨を用い、これに水酸化ナトリ
ウムの50％溶液を加えて、既述の通り蒸煮し、エタノー
ルによる沈澱を回収する方法により抽出されたものであ
る。

美肌効果判定のためのパネル（被験者）は、10〜60才代
の女性91人である。

投与方法は、上記ゼリーを毎日２個（１個の重量は10
g）づつ８週間継続摂食による。期間中の動物軟骨摂取
量はパネル１人当り28gに及ぶこととなる。

試験期間終了後、パネル全員に対してアンケート調査を
試みたところ、下表の通りであった。

なお、別途、パネル91人中40名について皮膚表面の観察
を行った。即ち、流動性シルコン精密印象材（商品名キ
サントプレンプラス（登録商標））とシリコン印象硬化
材（商品名エラストマーハードナー（登録商標））を混
合したものを、頬の中央部に直径40mmの円形状に塗布
し、完全に硬化した後これを剥がし取り、皮膚表面の鋳
型を作成した。このような鋳型を試験開始前と試験終了
時の２枚作成し、実体観察用顕微鏡でこの２枚を比較観
察した結果、ほぼ下表のように判断できた。

第１表における「肌の状態がよくなった」と「肌の状態
がややよくなった」をあわせた数は全体の64.8％、第２
表における「美肌に有効である」と「美肌にやや有効で
ある」を加えた数は全体の65％、と両方の比率はほぼ同
一の比率を示しており、美肌効果は大よそその程度の割
合で発現するものと考えられる。なお、鋳型による実例
は添付の参考１図（某パネルの試験開始前の頬の皮膚の
状態を示す図）及び参考２図（参考１図に示したパネル
の試験終了時の頬の皮膚の状態を示す図）の通りであ
る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヨシキリザメの背びれ及び胸びれの軟骨を
アルカリ存在下蒸煮して加水分解し、その分解物を一旦
中和し未溶解分を除去した後、エタノールを添加して得
られる沈澱物である動物性粘性物質を通常の食品原料に
添加してなる飲食物。