JPH0789875A - 崩壊遅延防止錠剤 - Google Patents

崩壊遅延防止錠剤

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JPH0789875A
JPH0789875A JP23268493A JP23268493A JPH0789875A JP H0789875 A JPH0789875 A JP H0789875A JP 23268493 A JP23268493 A JP 23268493A JP 23268493 A JP23268493 A JP 23268493A JP H0789875 A JPH0789875 A JP H0789875A
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崇弘 松本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエチレングリコ−ル及び疎水性滑沢剤を
含む錠剤において生ずる崩壊時間の遅延や薬物の崩壊の
溶出遅延の防止を目的とする。 【構成】 ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
−ル、滑沢剤及び薬剤を含む錠剤を提供する。 【効果】 上記錠剤は、優れた打錠適性・品質を維持し
つつ、過酷な熱保存や、熱と湿度の複合保存条件下にお
いても、崩壊時間の遅延や錠剤中からの薬物の溶出遅延
の防止が認められた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】医薬品の錠剤に関する。
【0002】
【従来技術】従来、錠剤を製する場合の一般的製法とし
ては、粉体に滑沢剤を混合した後、打錠成形する方法
か、或は粉体を造粒し、適切な粒度の粒状物とし、滑沢
剤を混合した後、打錠成形する方法がある。
【0003】錠剤を製する前工程で造られる打錠用顆粒
の造粒法として、水分に不安定な主薬を含む錠剤を製す
る場合は、繁用されている造粒時に水を添加する湿式造
粒法の代わりに、水を添加しない乾式造粒法が用いられ
ている。
【0004】乾式造粒法の主な製法には、通常の乾式破
砕法(A法)の他、溶融造粒法(B法)が知られてい
る。乾式破砕法(A法)は、主薬と賦形剤にポリエチレ
ングリコ−ル等の結合剤を加え、板状の固形物を製した
後これらを破壊し、粒状物を製する方法であり、溶融造
粒法(B法)は、ポリエチレングリコール等の低融点物
質の融解により主薬及び賦形剤を付着させ、粒状物を製
する方法である(特開昭58−214333号;特公平
4−13019号)。
【0005】従来、上記の(A法)又は(B法)により
製した粒状物は、打錠障害を防止するため適量のステア
リン酸マグネシウム等の滑沢剤を添加・混合した後、そ
の混合物を打錠成形することにより錠剤を製していた。
このような打錠成形により得られた錠剤は、長期又は高
温・高湿下の保存のため又はフィルムコ−ティング時の
熱のため、錠剤の生体内投与後又は溶液中で錠剤が長時
間にわたり崩壊しない場合があり、従来、薬物の溶出面
からの品質上の問題となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、滑沢
剤を添加・混合し、乾式造粒法により造粒して得られた
錠剤においても、生体投与後、或は、溶液中で崩壊遅延
が起こらない錠剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するために鋭意検討した結果、 錠剤中にショ
糖脂肪酸エステルを配合することにより、高温、高湿条
件により、或は、フィルムコーティング時の熱によりも
たらされる崩壊時間遅延を著しく短縮できることを見い
だし、崩壊遅延を防止する錠剤(崩壊遅延防止剤)を提
供することができた。ここで、本発明における崩壊遅延
防止錠剤とは、保存条件下における錠剤の吸湿による水
分及び熱処理により生じる崩壊時間の遅延を防止させた
錠剤をいう。
【0008】本発明は、以下の(1)〜(6)に記載す
る崩壊遅延防止錠剤に係るものである。 (1)成分(a) ショ糖脂肪酸エステル、成分(b) 滑沢
剤、成分(c) 結合剤、及び成分(d) 薬剤を配合すること
により得られる崩壊遅延防止錠剤。 (2)本発明の錠剤中に含まれる成分(a) ショ糖脂肪酸
エステルが、そのショ糖脂肪酸エステルの示すHLB値
が3〜7である(1)〜(4)のいずれかに記載の崩壊
遅延防止錠剤。 (3)本発明の錠剤中に含まれる滑沢剤が、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩、ステアリン酸等の脂
肪酸及び硬化油から選ばれた1種又は2種以上の混合物
からなる(1)又は(2)のいずれかの崩壊遅延防止錠
剤。 (4)本発明に係る錠剤中に含まれる結合剤が、ポリエ
チレングリコール4000、ポリエチレングリコール6
000及びポリエチレングリコール20000から選ば
れた1種又は2種以上の混合物からなる(1)から
(3)のいずれかに記載の崩壊遅延防止錠剤。 (5)本発明に係る錠剤中に含まれるショ糖脂肪酸エス
テルが、ショ糖ステアリン酸エステル及びショ糖パルミ
チン酸エステルから選ばれた1種又はそれらの混合物か
らなる(1)〜(4)の崩壊遅延防止錠剤。 (6)本発明の錠剤中に含まれる(d)成分である生理活
性を有する薬剤が、(S)−(2−(2−クロロフェニ
ル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロチエノ
[3,2−c]ピリジン−5−イル))酢酸メチルエス
テル又はその塩である(1)〜(5)のいずれかに記載
の崩壊遅延防止錠剤。
【0009】次に、本発明に係る崩壊遅延防止剤の各々
の成分について説明する。本発明に係る錠剤中に含まれ
るショ糖脂肪酸エステルとは、脂肪酸にショ糖がエステ
ル結合したものであるが、ショ糖脂肪酸エステルの物理
化学的性質は、当然ながらショ糖脂肪酸1分子に結合し
た脂肪酸の種類と数により影響を受ける。
【0010】本発明に係る崩壊遅延防止錠剤に用いるこ
とのできるショ糖脂肪酸エステルは、打錠適正の面から
は、常温で固体状態を呈することが必要である。また、
本発明に係る崩壊遅延防止剤に用いることのできるショ
糖脂肪酸エステルの基準は、ショ糖脂肪酸エステルの物
理化学的性質の一つであるHLB(hydrophile-lipophi
le balance; 親水−親油バランス)値により決定するこ
とができる。本発明の崩壊遅延防止剤に使用可能なショ
糖脂肪酸エステルのHLBの値は、0〜15の範囲であ
り、好ましくは、3〜7が適している。
【0011】以上を考慮すると、成分(a) ショ糖脂肪酸
エステルの最も代表的な例として、ショ糖ステアリン酸
エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等をあげること
ができる。また、成分(a) ショ糖脂肪酸エステルには、
ショ糖ベヘニン酸エステル及びショ糖ラウリン酸エステ
ル等をも含むものとする。また、それらのエステルは表
示された各々のショ糖脂肪酸エステルが当然ながら主成
分として含まれる他に、それ(主たるエステル)以外の
エステル体及びフリー体(ショ糖のみ又は脂肪酸のみ)
が混在する。エステル体としては、モノエステル、ジエ
ステル、トリエステル又はそれらの混合物をも含むもの
とする。従って、それ以外のエステル体とは、主たるエ
ステルがモノエステルの場合はジエステル体、トリエス
テル体であり、主たるエステル体がジエステルの場合
は、それ以外のエステルとはモノエステル体、トリエス
テル体を意味する。同様に、主たるエステル体がトリエ
ステルの場合は、それ以外のエステル体とは、モノエス
テル体、ジエステル体を意味する。
【0012】例えば、ショ糖ステアリン酸エステルの場
合、ショ糖とステアリン酸のモノエステル等の他に、ス
テアリン酸とのジエステル、トリエステル及びフリー体
(ショ糖のみ又はステアリン酸のみ)が存在しており、
多くはそれらが混合物の状態で種々の比率で存在してい
るが、本発明における崩壊遅延防止剤においては、それ
らのエステルのいずれか一種又はそれらの混合物を含む
ものとする。また、ショ糖パルミチン酸エステルの場合
でも、同様に、ショ糖パルミチン酸のモノエステル等の
他に、ジエステル、トリエステル及びフリー体(ショ糖
のみ又はパルミチン酸のみ)が存在し、多くは、それら
が混合物の状態で種々の比率で存在しているが、本発明
における崩壊遅延防止剤においては、それらのエステル
の内いずれか一種又はそれらの混合物を含むものとす
る。
【0013】主成分の1種のショ糖脂肪酸エステル以外
のショ糖脂肪酸エステルが混合物として含まれていて
も、HLB値が0〜15好ましくは3〜7の範囲内にあ
れば、本発明における崩壊遅延防止剤で用いるショ糖脂
肪酸エステルとして使用可能である。用いるショ糖脂肪
酸エステルの含有量は、得られた粒状物の粒度や粒状物
の物性により異なるが、打錠適性、吸湿性の面から、粉
体1部に対し、0.5%から10%の範囲で用いること
ができる。
【0014】本発明の錠剤中に含まれる滑沢剤は、高級
脂肪酸の金属塩、脂肪酸、硬化油、等を挙げることがで
きる。高級脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウム等を挙げることができ、脂肪酸としては、ステ
アリン酸を代表例として挙げることができる。滑沢剤の
含量は、0.5〜5%を用いることができる。滑沢剤
は、打錠時に生じるスティッキングや杵と臼との摩擦を
防止するために加える。
【0015】本発明に係る崩壊遅延防止剤の一成分であ
る結合剤について説明する。ポリエチレングリコールに
ついて、常温で固体状態を呈する平均分子量が600か
ら20000までのものを使用することもできるが、好
ましくは、融点が530 C〜640 Cという性質を有す
ることが必要であるため、使用に適する平均分子量は、
4000〜20000となる。従って、その代表例とし
て、ポリエチレングリコール4000、6000及び2
0000を挙げることができる。これらのポリエチレン
グリコールは、単独で用いてもよく、また、混合して用
いることもできる。ポリエチレングリコ−ルの添加量
は、別に添加する賦形剤、有効成分の種類、有効成分の
量又は造粒しようとする造粒物の粒度に応じてその量を
調製することができる。具体的には、2〜40%、好ま
しくは、5〜25%を添加することができる。
【0016】本発明にかかる崩壊遅延防止剤の中に含む
ことができる、(d) 成分としての生理活性を有する薬剤
について説明する。本発明における薬剤としては、錠剤
として人体又は動物に投与する生理活性を有するどのよ
うな薬剤をも用いることができる。薬効或は用途により
特に限定されることはなく、あらゆる薬効の薬剤に適用
が可能である。本発明に係る崩壊遅延防止錠剤の一成分
である、成分(d) 生理活性を有する薬剤として、例え
ば、抗血小板薬をその例として挙げることができる。抗
血小板薬の例として、例えば、硫酸クロピドグレル(Clo
pidogrel hydrogen sulfate; (S)−(2−(2−ク
ロロフェニル)−2−(4,5,6,7−テトラヒドロ
チエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル))酢酸メチ
ルエステル又はその塩)を挙げることができる。該化合
物は、本発明に係る崩壊遅延防止錠剤に適した薬剤であ
り、本発明の崩壊遅延防止錠剤中に配合することによ
り、顕著な崩壊遅延防止効果を示す一例である。
【0017】錠剤の製法には、粉末を直接打錠する直打
法と粉末を造粒した後打錠する方法があるが、更に、後
者の方法における造粒法としては、湿式造粒法と乾式造
粒法に分けられ、乾式造粒法には一般的な破砕法の他、
溶融造粒法も知られている。本発明の崩壊遅延防止剤の
製法は、乾式造粒法によることから薬剤が水に不安定な
場合には、特に有用であるという特徴を有する。本発明
に係る成分(d) 生理活性を有する薬剤は、1〜90%を
含有することができ、好ましくは、5〜50%を含有す
る場合が多く用いられる。
【0018】次に、本発明の崩壊遅延防止剤の成分とし
て、(a) 〜(d) 必須成分の他に、その他の賦形剤、崩壊
剤等を含むことができる。以下それらについて説明す
る。本発明に係る崩壊遅延防止剤に含むことができる賦
形剤は、乳糖、トウモロコシデンプン、結晶セルロース
等を挙げることができる。それらの賦形剤の含量は、得
ようとする錠剤中の有効成分の溶解度等の物理化学的な
性質や有効成分の含量に応じて、適宜調製する必要があ
り、錠剤の成分中に5〜95%を含むことができ、50
〜90%を含有する場合が好ましい。
【0019】また、本発明にかかる崩壊遅延防止剤の中
に、その他の成分として、崩壊剤をを含むことができ
る。その崩壊剤としては、カルメロース(ヒドロキシプ
ロピルセルロース)、カルメロースカルシウム、クロス
カルメロースナトリウム及びそれらの誘導体を挙げるこ
とができ、必要に応じて増加・減少することができる
が、その含有量は5〜20%である。
【0020】以下に本発明にかかる崩壊遅延防止剤の製
造法について説明する。本発明の崩壊遅延防止剤の製法
は、上記のごとく、乾式造粒法(A法)と溶融造粒法
(B法)があるが、それらの各々について説明する。先
ず、乾式解砕法(A法)について説明する。この方法に
おいては、有効成分に乳糖、トウモロコシデンプン等の
適量の賦形剤と適量の固体状の結合剤を適切な混合機を
用いて均一に混合し、得られた混合粉末は乾式造粒機を
用いて成形又は打錠した後、この成形体を適当な粉砕機
を用いて破砕し、篩過による整粒後、粒状物を得ること
ができる。この場合、結合剤としては、ポリエチレング
リコール類を用いることが望ましく、上記の乾式造粒機
としては、例えば、スラッグ打錠機やローラーコンパク
ターなどを用いることができる。
【0021】また、溶融造粒法(B法)においては、撹
拌造粒機や流動層式造粒乾燥機などの適当な造粒機を用
い、適量の有効成分、適量の賦形剤とともに得ようとす
る粒度に応じて、適当な粒度を有する固体状の結合剤を
適量投入し、加熱させながら、攪拌或は流動し、粉末成
分を溶融過程の結合剤に付着させる。その後、ポリエチ
レングリコールの融点以下まで冷却して粒状物を得る。
尚、上記成分(有効成分、賦形剤、結合剤)の各々の適
量を粉砕等の前処理を行い用いることができる。
【0022】上記、乾式造粒法(A製法)または溶融造
粒法(B製法)等により得られた粒状物を篩過した後、
滑沢剤とショ糖脂肪酸エステルを混合機を用いて混合す
る。混合機としては、例えば、V字型混合機などを用い
ることができる。その混合物を用いて混合した粒状物を
打錠用の粒状物として打錠機により打錠成形し、錠剤を
得る。打錠機としては単発打錠機やロータリー打錠機な
どを用いることができる。
【0023】
【効果】上記のように製造した本発明にかかる崩壊遅延
防止錠剤は、ショ糖脂肪酸エステルの添加により、過酷
な熱保存や、熱と湿度の複合保存条件において、錠剤の
崩壊遅延が防止又は抑制されるため、薬物の溶出遅延の
著しい改善が認められる。
【0024】以下に本発明の実施例を示すが、本発明は
これらのみに、限定されるものではない。 [実施例1] 流動層式造粒乾燥機(グラッドWSG−
5型)中に乳糖(DMV社製)4000g、トウモロコ
シデンプン(日本食品工業社製)250g、ポリエチレ
ングリコール6000(Pタイプ、日本油脂製)500
g及び低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(信越化学工業製)300gを投入し、吸気温度90℃
設定にて流動させながら加熱し、ポリエチレングリコー
ル6000を溶融させる。粉末成分が溶融過程のポリエ
チレングリコール6000に付着し、流動層中に浮遊す
る粉末が無くなったことを確認した後、冷風を送り、ポ
リエチレングリコール6000の融点以下まで冷却して
顆粒を得た。得られた顆粒を16メッシュを用いて篩過
した後、ステアリン酸マグネシウム 50g及びショ糖
脂肪酸エステル(S−370,三菱化成食品社製)50
gをV字型混合機にて10分間混合した。得られた打錠
用の顆粒をロータリー打錠機(畑製作所製、HT−15
A)により打錠成形し、8mm径の錠剤を得た。
【0025】 [実施例1の処方] 乳糖 4000g トウモロコシデンプン 250g ポリエチレングリコール6000(*) 500g 低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g ステアリン酸マグネシウム 50g ショ糖脂肪酸エステル(**) 50g * ;Pタイプ、日本油脂製: **;S−370、三菱化成食品社製
【0026】[比較例1] 実施例1の処方において、
ショ糖脂肪酸エステルを除く以外、実施例1と同様に操
作することにより、錠剤を得た。 [比較例1の処方] 乳糖 4000g トウモロコシデンプン 250g ポリエチレングリコール6000 500g 低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g ステアリン酸マグネシウム 50g
【0027】[試験例1] 実施例1及び比較例1より
得られた錠剤を60℃及び40℃、75%相対湿度
(R.H.)の条件下で保存し、 各々の崩壊時間を測定
した。 崩壊時間の測定は、 第十二改正日本薬局方の崩壊
試験に準じて、試験液に水を用い試験を行った。すなわ
ち、6個の錠剤につき、試験を行い崩壊時間を各錠剤毎
に求めた。表1に示す崩壊時間は、測定した6個の錠剤
中の最短崩壊時間と最長崩壊時間を示した。
【0028】
【表1】
【0029】この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加し
た錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表1)。
【0030】
【実施例2】実施例1の処方においてステアリン酸マグ
ネシウム50gの代わりに硬化油50gを用いた処方に
より、実施例1と同様な製法で錠剤を得た。 [実施例2の処方] 乳糖 4000g トウモロコシデンプン 250g ポリエチレングリコール6000 500g 低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g 硬化油 50g ショ糖脂肪酸エステル 50g
【0031】[比較例2] 実施例2の処方において、
ショ糖脂肪酸エステルを用いた処方により、実施例2と
同様な製法で錠剤を得た。 [比較例2の処方] 乳糖 4000g トウモロコシデンプン 250g ポリエチレングリコール6000 500g 低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース 300g 硬化油 50g
【0032】実施例2及び比較例2の処方により得られ
た錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%(R.
H.)に保存し、 崩壊時間の比較を行った。
【0033】[試験例2] 実施例2及び比較例2の処
方により得られた錠剤の崩壊時間の測定は、 第十二改正
日本薬局方の崩壊試験に準じて、試験液に水を用い試験
を行った。この結果、実施例2に示すショ糖脂肪酸エス
テルを添加した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示し
た(表2)。
【0034】
【表2】
【0035】[実施例3] 乳糖 130g、トウモロ
コシデンプン 7g及びポリエチレングリコール600
0(Pタイプ、日本油脂(株)製)8gをポリ袋で5分
間混合後、ローラーコンパクターミニ(フロイント産業
製)に投入後、1mmスクリーンを通し、破砕、整粒
後、顆粒を得た。得られた顆粒に結晶セルロース、ステ
アリン酸マグネシウム5g及びショ糖脂肪酸エステル5
gをポリ袋にて10分間混合した。得られた打錠用の顆
粒を単発打錠機(岡田精工製)より打錠成形し、8mm
径の錠剤を得た。
【0036】[実施例3の処方] 乳糖 130g トウモロコシデンプン 7g ポリエチレングリコール6000 8g 結晶セルロース 10g ステアリン酸マグネシウム 5g ショ糖脂肪酸エステル 5g
【0037】[比較例3] 実施例3の処方においてシ
ョ糖脂肪酸エステル5gを用いた処方により、実施例3
と同様な製法で錠剤を得た。 [比較例3の処方] 乳糖 130g トウモロコシデンプン 7g ポリエチレングリコール6000 8g 結晶セルロース 10g ステアリン酸マグネシウム 5g
【0038】[試験例3] 実施例3及び比較例3によ
り得られた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%
(R.H.)に保存し、 崩壊時間の比較を行った。実施
例3および比較例3の処方により得られた錠剤について
の崩壊時間の測定は、 第十二改正日本薬局方の崩壊試験
に準じて試験液に水を用い試験を行った。
【0039】
【表3】
【0040】この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加し
た錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表3)。
【0041】[実施例4] 実施例3の処方において、
ステアリン酸マグネシウム5gに代わり硬化油5gを用
いた処方により実施例3と同様な製法で錠剤を得た。 [実施例4の処方] 乳糖 130g トウモロコシデンプン 7g ポリエチレングリコール6000 8g 結晶セルロース 10g 硬化油 5g ショ糖脂肪酸エステル 5g
【0042】[比較例4] 実施例4の処方において、
ショ糖脂肪酸エステル5gを除いた処方により、実施例
3と同様な製法により錠剤を得た。 [比較例4の処方] 乳糖 130g トウモロコシデンプン 7g ポリエチレングリコール6000 8g 結晶セルロース 10g 硬化油 5g
【0043】[試験例4] 実施例4および比較例4に
より得られた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%
(R.H.)に保存し、 崩壊時間の比較を行った。 崩壊時間の測定は、 第十二改正日本薬局方の崩壊試験に
準じて、試験液に水を用い試験を行った。
【0044】
【表4】
【0045】この結果、ショ糖脂肪酸エステルを添加し
た錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表4)。
【0046】[実施例5] 流動層造粒中に、有効成分
2284g、乳糖2168g、部分α化デンプン245
g、ポリエチレングリコール6000を525gおよび
結晶セルロース300gを投入し、吸気温度90℃に設
定し、流動させながら、加熱し、ポリエチレングリコー
ル6000を溶融させた。粉末成分が、溶融過程のポリ
エチレングリコ−ル6000に付着し、流動層中に浮遊
する粉末がなくなったことを確認した後、冷風を送り、
ポリエチレングリコール6000の融点以下まで冷却し
て顆粒を得た。得られた顆粒を16メッシュにより篩過
した後、硬化油80g及びショ糖脂肪酸エステル50gを
V字型混合機にて10分間混合した。得られた打錠用の
顆粒をロータリー打錠機(畑製作所製、HT−15A)
により打錠成形し、6mm径の錠剤を得た。
【0047】[実施例5の処方] 薬剤(有効成分) 2284g 乳糖 2168g 部分α化デンプン 245g ポリエチレングリコール6000 525g 結晶セルロース 300g 硬化油 80g ショ糖脂肪酸エステル 50g
【0048】[比較例5] 実施例5の処方においてシ
ョ糖脂肪酸エステルを除く以外、実施例1と同様に操作
することにより、錠剤を得た。 [比較例5の処方] 薬剤(有効成分) 2284g 乳糖 2168g 部分α化デンプン 245g ポリエチレングリコール6000 525g 結晶セルロース 300g 硬化油 80g
【0049】実施例4および比較例4の両者により得ら
れた錠剤を60℃及び40℃、相対湿度75%(R.
H.)、室温にて保存し、崩壊時間を測定した。
【0050】[試験例5] 実施例4および比較例5の
処方により得られた錠剤の崩壊時間の測定は、第十二改
正日本薬局方の崩壊時間試験に準じて、試験液に水を用
い試験を行った。この結果、ショ糖脂肪酸エステル添加
した錠剤の方が明らかに良好な崩壊性を示した(表
5)。
【0051】
【表5】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(a) から(d) の成分 (a) ショ糖脂肪酸エステル、 (b) 滑沢剤、 (c) 結合剤、 (d) 生理活性を有する薬剤、 を含む、崩壊遅延防止錠剤。
  2. 【請求項2】 成分(a) ショ糖脂肪酸エステルが、その
    HLB値が3〜7の範囲である請求項1に記載の崩壊遅
    延防止錠剤。
  3. 【請求項3】 成分(b) 滑沢剤が、ステアリン酸マグネ
    シウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、ステアリン
    酸及びステアリン酸アルミニウムから選ばれた1種又は
    2種以上の混合物からなる請求項1又は請求項2いずれ
    か1項に記載の崩壊遅延防止錠剤。
  4. 【請求項4】 成分(c) 結合剤が、ポリエチレングリコ
    ール4000、ポリエチレングリコ−ル6000及びポ
    リエチレングリコール20000から選ばれた1種又は
    2種以上の混合物からなる請求項1から3のいずれか1
    項に記載の崩壊遅延防止錠剤。
  5. 【請求項5】 成分(a) ショ糖脂肪酸エステルが、ショ
    糖ステアリン酸エステル又はショ糖パルミチン酸エステ
    ル又はそれらの混合物からなる請求項1から5のいずれ
    か1項に記載の崩壊遅延防止錠剤。
  6. 【請求項6】 成分(d)生理活性を有する薬剤が、
    (S)−(2−(2−クロロフェニル)−2−(4,
    5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジ
    ン−5−イル))酢酸メチルエステル又はその塩である
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の崩壊遅延防止錠
    剤。
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