JPH0789524B2 - 磁気ヘッド用軟磁性薄膜 - Google Patents

磁気ヘッド用軟磁性薄膜

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JPH0789524B2
JPH0789524B2 JP60077338A JP7733885A JPH0789524B2 JP H0789524 B2 JPH0789524 B2 JP H0789524B2 JP 60077338 A JP60077338 A JP 60077338A JP 7733885 A JP7733885 A JP 7733885A JP H0789524 B2 JPH0789524 B2 JP H0789524B2
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正俊 早川
祥隆 落合
秀樹 松田
理 石川
洋 岩崎
興一 阿蘇
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、良好な軟磁気特性を示し磁気ヘッド材料等に
好適な磁気ヘッド用軟磁性薄膜に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、Fe,Ga,Siを主成分とする新規な組成を有する
軟磁性薄膜を提供し、特に飽和磁束密度Bsが極めて大き
な磁気ヘッド用軟磁性薄膜を提供するものである。
〔従来の技術〕
例えばオーディオテープレコーダやVTR(ビデオテープ
レコーダ)等の磁気記録再生装置においては、記録信号
の高密度化や高品質化等が進められており、この高記録
密度化に対応して、磁気記録媒体として磁性粉にFe,Co,
Ni等の金属あるいは合金からなる粉末を用いた、いわゆ
るメタルテープや、強磁性金属材料を真空薄膜形成技術
によりベースフィルム上に直接被着した、いわゆる蒸着
テープ等が開発され、各分野で実用化されている。
ところで、このような高保磁力を有する磁気記録媒体の
特性を発揮せしめるためには、磁気ヘッドのコア材料の
特性として、高い飽和磁束密度を有するとともに、同一
の磁気ヘッドで再生を行なおうとする場合においては、
高透磁率を併せて有することが要求される。例えば、従
来磁気ヘッドのコア材料として多用されているフェライ
ト材では飽和磁束密度が低く、また、パーマロイでは耐
摩耗性に問題がある。
従来、かかる諸要求を満たすコア材料として、Fe−Al−
Si系合金からなるセンダスト合金が好適であると考えら
れ、すでに実用に供されていることは周知の通りであ
る。
しかしながら、このセンダスト合金のように軟磁気特性
に優れた材料においては、磁歪λsと結晶磁気異方性K
が共に零付近であることが望ましく、磁気ヘッドに使用
可能な材料組成はこれら両者の値を考慮して決められ
る。したがって、飽和磁束密度もこの組成に対応して一
義的に決まり、センダスト合金の場合、10〜11kガウス
が限界である。
あるいは、上記センダスト合金にかわり、高周波数領域
での透磁率の低下が少なく高い飽和磁束密度を有する非
晶質磁性合金材料(いわゆるアモルファス磁性合金材
料)も開発されているが、この非晶質磁性合金材料でも
飽和磁束密度は12kガウス程度であり、また、熱的に不
安定で結晶化の可能性が大きいので500℃以上の温度を
長時間加えることはできず、例えばガラス融着のように
各種熱処理が必要な磁気ヘッドに使用するには工程上制
限が生ずる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような状況から、高品質化,高記録密度化を図るた
めの磁気記録媒体の高保磁力化の試みも、従来のコア材
料を用いる限りにおいて、飽和磁束密度の限界から自ず
と制約を受けているのが現状である。
そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑みて提案された
ものであって、センダスト合金と同程度の軟磁気特性
(透磁率や抗磁力等)を有し、飛躍的に高い飽和磁束密
度を有する磁気ヘッド用軟磁性薄膜を提供することを目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、かかる目的を達成せんものと長期に亘り
鋭意研究の結果、Fe,Ga,Siを主成分とする新規組成物が
センダスト合金をはるかに凌ぐ飽和磁束密度を示すこと
を見出し本発明を完成するに至ったものであって、FeaG
abSic(ただしa,b,cはそれぞれ組成比を原子%として表
す。)なる組成式で示され、その組成範囲が 68≦a≦84 1≦b≦23 9≦c≦31 a+b+c=100 であるとともに、結晶質であり、飽和磁束密度Bsが11.5
kガウス以上、抗磁力Hcが0.9エルステッド以下であるこ
とを特徴とするものである。
さらに、上記組成のうち、Gaの一部をAlで置換してもよ
く、あるいはSiの一部をGaで置換してもよい。
本発明の磁気ヘッド用軟磁性薄膜は、Fe,Ga,Siを主成分
とするものであって、センダスト合金よりも飽和磁束密
度Bsははるかに高く、また、Fe−Si系合金である電磁鋼
板と同等の飽和磁束密度Bsを有し、かつ電磁鋼板よりも
軟磁気特性や耐蝕性に優れるものである。
本発明の磁気ヘッド用軟磁性薄膜においては、各成分元
素の組成比を所定の範囲内に設定することが好ましく、
この範囲を外れると磁歪が大きくなり、磁気特性が劣化
する。
上記軟磁性薄膜の製造方法としては種々の方法が考えら
れるが、なかでも真空薄膜形成技術によるのが良い。
この真空薄膜形成技術の手法としては、スパッタリング
やイオンプレーティング,真空蒸着法,クラスター・イ
オンビーム法等が挙げられる。
また、上記各成分元素の組成を調節する方法としては、 (1) Fe,Ga,Siを所定の割合となるように秤量し、こ
れらをあらかじめ例えば高周波溶解炉等で溶解して合金
インゴットを形成しておき、この合金インゴットを蒸発
源として使用する方法、 (2) 各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸
発源の数で組成を制御する方法、 (3) 各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸
発源に加える出力(印加電圧)を制御して蒸発スピード
をコントロールし組成を制御する方法、 (4) 合金を蒸発源として蒸着しながら他の元素を打
ち込む方法、 等が挙げられる。
なお、上述の真空薄膜形成技術等により膜付けされた軟
磁性薄膜は、そのままの状態では保磁力は若干高い値を
示し良好な軟磁気特性が得られないので、熱処理を施し
て膜の歪を除去し、軟磁気特性を改善することが好まし
い。
〔作用〕
このように、磁気ヘッド用軟磁性薄膜の構成元素として
Fe,Ga,Siを選び、これらの組成比を所定の範囲内に設定
することにより、飽和磁束密度Bsはセンダスト合金等に
比べて大幅に大きなものとなり、抗磁力,透磁率等の軟
磁気特性や耐蝕性も確保される。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本
発明がこの実施例に限定されるものではない。
先ず、Fe,Ga,Siをそれぞれ所定の組成比となるように秤
量し、高周波誘導加熱炉を用いて溶解・鋳造後、さらに
機械加工を行って直径4インチ,厚み4mmのスパッタリ
ング用合金ターゲットを得た。
次に、この合金ターゲットを用いて、高周波マグネトロ
ンスパッタ装置により、アルゴン分圧5×10-3Torr,投
入電力300Wの条件でスパッタリングを行い、結晶化ガラ
ス基板(保谷ガラス社製,商品名HOYA PEG3130C)上に
膜厚約1μmの薄膜を得た。
さらに、この薄膜を、1×10-6Torr以下の真空下で500
℃,1時間焼鈍し徐冷して軟磁性薄膜を得た。
上述の方法に従い、合金ターゲットの組成比を第1図中
にそれぞれ○印で示すような値に設定し、サンプル1な
いしサンプル14を作製した。なお、サンプル作製用合金
ターゲットの組成比と得られる軟磁性薄膜の組成比との
間には若干のずれがあるが、スパッタリング時の組成ず
れにより、得られる各サンプルの組成比は第1図中斜線
で示す本発明の組成範囲内となる。
得られた各サンプルについて、飽和磁束密度Bs,飽和磁
化σg,抗磁力Hc,透磁率μ(1M Hzおよび100M Hzにおけ
る値),磁歪および耐蝕性について調べた。
ここで、飽和磁束密度Bsは試料振動磁束計(VSM)、抗
磁力HcはB−Hループトレーサ、透磁率μは8の字コイ
ル型透磁率計で測定した。また、各サンプルの膜厚は、
試料表面にアルミニウムを薄く蒸着し、多重干渉膜厚計
によって膜と基板との段差を測定することにより求め
た。さらに、各サンプルの組成分析は、EPMA(Electron
Probe Micro−Analysis)法によった。
各サンプルの耐蝕性は、室温で水道水に約一週間浸した
後の膜面の表面の観察に依った。この耐蝕性の評価は、
下記のような表面状態から判定した。
A:膜面に変化がなく、鏡面を保ったままの状態。
B:膜面に薄く錆が発生した状態。
C:膜面に濃く錆が発生した状態。
D:膜自体が消失する程度に錆が発生した状態。
結果を次表に示す。なお、比較のために、上述の方法と
同様に成膜したFe−Si合金(電磁鋼板)およびFe−Si−
Al合金(センダスト)についても、それぞれ比較サンプ
ル1および比較サンプル2として、各値を測定した。
この表より、本発明に係る各サンプルにあっては、セン
ダスト合金よりも若干軟磁気特性に劣るものの、飽和磁
束密度Bsははるかに高いことがわかる。また、これら各
サンプルの飽和磁束密度Bsは、Fe−Si合金(電磁鋼板)
と同等で、かつ軟磁気特性や耐蝕性はFe−Si合金よりも
優れていることがわかる。
また、上記各サンプルの磁歪について、張力あるいは圧
縮力を加えた時の異方性磁界の値から見積もったとこ
ろ、いずれも磁歪は1×10-6以下の値であった。
ところで、本実施例においては、軟磁性薄膜をスパッタ
リングにより被着した後、温度500℃の条件で熱処理を
施しているが、これは次のような理由になる。
例えば、サンプル1(Fe78.2Ga7.2Si14.6)について、
スパッタリングにより被着したままの状態で抗磁力Hcを
測定したところ、約16エルステッドとかなり高い値を示
した。
そこで、本発明者等はさらに実験を重ね、このスパッタ
リングにより被着した薄膜に対して熱処理を加え、この
熱処理温度と得られる軟磁性薄膜の抗磁力Hcの関係につ
いて調べた。結果を第2図に示す。
この第2図より、スパッタリングにより被着した薄膜に
対して熱処理を施すことにより得られる軟磁性薄膜の抗
磁力Hcが大幅に低減し、特に熱処理温度が450〜550℃の
時に極小値を示すことがわかった。
このような知見に基づき、サンプル2(Fe77.1Ga9.0Si
13.9)について、熱処理前と温度500℃,1時間の条件で
の焼鈍・徐冷後の磁化曲線を求めた。第3図は熱処理前
の磁化曲線であり、第4図は熱処理後の磁化曲線であ
る。これら第3図および第4図から、温度500℃での熱
処理により、得られる軟磁性薄膜の磁気特性(特に抗磁
力)が著しく改善されたことがわかる。
〔発明の効果〕
上述の説明からも明らかなように、磁気ヘッド用軟磁性
薄膜の成分元素としてFe,Ga,Siを選び、これらの組成比
を所定の値に設定することにより、センダスト合金やア
モルファス磁性合金等おはるかに凌ぐ飽和磁束密度Bsを
達成することができるとともに、軟磁気特性や耐蝕性を
確保することができる。
したがって、この軟磁性薄膜を例えば磁気ヘッドのコア
材料として用いることにより、磁気記録媒体の高保磁力
化に充分対処することができ、高品質化や高記録密度化
を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で用いた合金ターゲットの組成
および本発明の磁気ヘッド用軟磁性薄膜の組成範囲を示
す3元特性図である。 第2図はスパッタリングにより被着した軟磁性薄膜の抗
磁力Hcと熱処理温度の関係を示す特性図であり、第3図
はこの軟磁性薄膜の熱処理前の磁化曲線を示す特性図、
第4図は500℃,1時間の熱処理後の磁化曲線を示す特性
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 祥隆 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 松田 秀樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 石川 理 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岩崎 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 阿蘇 興一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−153757(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FeaGabSic(ただしa,b,cはそれぞれ組成比
    を原子%として表す。)なる組成式で示され、その組成
    範囲が 68≦a≦84 1≦b≦23 9≦c≦31 a+b+c=100 であるとともに、結晶質であり、飽和磁束密度Bsが11.5
    kガウス以上、抗磁力Hcが0.9エルステッド以下であるこ
    とを特徴とする磁気ヘッド用軟磁性薄膜。
JP60077338A 1985-04-11 1985-04-11 磁気ヘッド用軟磁性薄膜 Expired - Lifetime JPH0789524B2 (ja)

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JP60077338A JPH0789524B2 (ja) 1985-04-11 1985-04-11 磁気ヘッド用軟磁性薄膜
DE8686104897T DE3681056D1 (de) 1985-04-11 1986-04-10 Weichmagnetischer duenner film.
EP86104897A EP0198422B1 (en) 1985-04-11 1986-04-10 Soft magnetic thin film
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