JPH078950A - イオン水生成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解処理により生成するイオン水のｐＨ値を
良好に制御することができ、設定したｐＨ値のイオン水
を得ることができるイオン水生成装置を提供すること。 【構成】 電解処理をＯＮして、電解槽５５への電流の
供給を開始し（Ｓ４）、一定時間が経過すると、電解処
理がＯＦＦになり電解槽５５への電流の供給を停止し
（Ｓ５）、このＯＦＦ期間中に、電解処理によって生成
されたアルカリ水のｐＨ値をｐＨセンサー７０が検出
し、その検出信号を制御回路１０に入力する（Ｓ６）。
ここで、検出したｐＨ値が使用者があらかじめ設定した
値と異なっている場合、その設定値に近づくように電解
槽５５への供給電流量を増減し（Ｓ７）、再び電解処理
をＯＮして電解槽５５への電流の供給が開始されると
（Ｓ８）、Ｓ７で決定した電流量が電解槽５５に供給さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道等の水源から供給
された用水を電解槽において電解処理してアルカリ水や
酸性水を得るイオン水生成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のイオン水生成装置として
図４に示すものが存在する。このイオン水生成装置５０
の内部には、圧力センサー５１、内部に活性炭や中空糸
膜を有するフィルター５３、カルシウム添加槽５４、電
解槽５５、電解槽５５に電流を供給する駆動回路５６、
電源回路５７及び制御回路５８等が設けられている。ま
た、イオン水生成装置５０の外面には電解強度等を設定
する操作パネル５９が設置されている。水源に接続され
た給水ホース６０が圧力センサー５１に接続され、そし
て圧力センサー５１とフィルター５３とはホース６１に
よって接続され、フィルター５３とカルシウム添加槽５
４とはホース６２によって接続され、カルシウム添加槽
５４と電解槽５５はホース６３によって接続されてい
る。さらに、電解槽５５にはアルカリ水吐出ホース６４
と酸性水吐出ホース６５が接続されており、アルカリ水
吐出ホース６４の途中にはｐＨセンサー７０が設けられ
ている。

【０００３】使用者が本イオン水生成装置５０の電源を
投入し、使用目的に合わせて操作パネル５９上のスイッ
チを使って所望のｐＨ値を設定すると、制御回路５８は
操作パネル５９の設定に基づいて駆動回路５６から電解
槽５５に供給する電流量を決定する。次に、給水ホース
６０に用水を通水すると、圧力センサー５１が通水され
たことを検出し、通水信号を制御回路５８に入力する。
制御回路５８は通水されたことを認知し、電解処理をＯ
Ｎにするように駆動回路５６に指令を出し、電解槽５５
への電流の供給を開始する。電解処理によって生成され
たアルカリ水のｐＨ値をｐＨセンサー７０が検出し、そ
の検出信号を制御回路５８に入力する。制御回路５８は
検出されたｐＨ値が設定値と異なる場合、駆動回路５６
から電解槽５５内の電極へ供給する電流量を変化させて
電解処理によって生成するアルカリ水のｐＨ値が設定値
に近づくようにし、ｐＨ値がほぼ一定のアルカリ水が得
られるように制御する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
イオン水生成装置においては、ｐＨセンサー７０として
ＩＳ−ＦＥＴ等を使用しており、電解槽５５内の電極と
このｐＨセンサーは、水によって導通している。ＩＳ−
ＦＥＴ等は、高感度であり駆動回路５６が電解槽５５内
の電極に流す電流の影響を受けやすいため、正確なｐＨ
値が得られず、その不正確なｐＨ値を用いて制御回路５
８が電解槽５５に供給する電流量を制御するため、生成
するイオン水のｐＨ値が一定せず、設定したｐＨ値のイ
オン水が得られないという問題があった。

【０００５】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、電解処理により生成するイオン
水のｐＨ値を良好に制御することができ、設定したｐＨ
値のイオン水を得ることができるイオン水生成装置を提
供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のイオン水生成装置は、電解処理により生成し
たイオン水のｐＨ値を検出するイオン濃度検出手段と、
電解槽内の電極に電流を供給する電解ドライブ手段と、
前記イオン濃度検出手段によるｐＨ値の検出時に、前記
電解ドライブ手段により前記電極に供給される電流を小
さく、或は停止するように制御し、かつ前記イオン濃度
検出手段によって検出されたｐＨ値に基づいて、以後の
前記電解ドライブ手段による前記電極への電流供給量を
変化させる制御手段とを備えている。

【０００７】

【作用】上記の構成を有する本発明のイオン水生成装置
においては、イオン濃度検出手段は、電解処理により生
成したイオン水のｐＨ値を検出し、電解ドライブ手段
は、電解槽内の電極に電流を供給する。制御手段は、前
記イオン濃度検出手段によるｐＨ値の検出時に前記電解
ドライブ手段により電極に供給される電流を小さく、或
は停止するように制御し、かつ、検出されたｐＨ値に基
づいて電解ドライブ手段による電極への電流供給量を変
化させる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を具体化したイオン水生成装置
の一実施例を図面を参照して説明する。尚、従来の技術
と同様の部分は同様の名称及び符号を引用する。

【０００９】図１に示すように、本実施例のイオン水生
成装置１の内部には、用水が供給されたか否かを検出す
る圧力センサー５１、内部に活性炭や中空糸膜を有する
フィルター５３、カルシウム添加槽５４、電解槽５５、
電解槽５５に電流を供給する駆動回路１１、電源回路５
７及び制御回路１０等が設けられている。また、イオン
水生成装置１の外面には電解強度等を設定する操作パネ
ル５９が設置されている。水源に接続された給水ホース
６０が圧力センサー５１に接続され、そして圧力センサ
ー５１とフィルター５３とはホース６１によって接続さ
れ、フィルター５３とカルシウム添加槽５４とはホース
６２によって接続され、カルシウム添加槽５４と電解槽
５５はホース６３によって接続されている。さらに電解
槽５５にはアルカリ水吐出ホース６４と酸性水吐出ホー
ス６５が接続されており、アルカリ水吐出ホース６４の
途中にはｐＨセンサー７０が設けられている。

【００１０】水道等から供給された用水は給水ホース６
０から圧力センサー５１を通過した後、フィルター５３
によって用水に含まれる塵や塩素が除去される。浄化さ
れた用水はホース６２を経て、グリセロリン酸カルシウ
ムを投入可能なカルシウム添加槽５４を経た後、電解槽
５５に流入する。電解槽５５内には、陽電極と陰電極
（図示せず）が設けられており、ここで電解処理が行わ
れ、生成したアルカリ水はｐＨセンサー７０を経た後、
アルカリ水吐出ホース６４から、酸性水は酸性水吐出ホ
ース６５からそれぞれ吐出される。

【００１１】制御回路１０には、圧力センサー５１、ｐ
Ｈセンサー７０が接続されており、圧力センサー５１及
びｐＨセンサー７０で検出されたデータは、制御回路１
０に伝えられ、認識される。また、制御回路１０には、
電解槽５５内の電極に電流を供給する駆動回路１１が接
続されており、制御回路１０はこの駆動回路１１に電解
槽５５内の各電極に供給する電流量を指示して、電解処
理のＯＮ・ＯＦＦや電解強度等の制御を行う。

【００１２】そして、ｐＨセンサー７０が本発明のイオ
ン濃度検出手段を構成し、駆動回路１１が電解ドライブ
手段を構成し、制御回路１０が制御手段を構成してい
る。

【００１３】次に、図２を参照して、本実施例のイオン
水生成装置の動作をｐＨ９（アルカリ水）に設定した場
合を例として説明する。

【００１４】操作者が操作パネル５９を操作して所望の
ｐＨ値であるｐＨ＝９を設定すると（ステップ１、以下
Ｓ１と略称する。以下各ステップも同様に略称す
る。）、制御回路１０は操作パネル５９の設定に基づい
て駆動回路１１から電解槽５５に供給する電流量を決定
する。次に、圧力センサー５１は用水が通水されたか否
かを検出し（Ｓ２）、操作者により給水ホース６０に用
水が通水されると、圧力センサー５１が通水されたこと
を検出し、通水されたことを制御回路１０に伝え（Ｓ
２：Ｙｅｓ）、制御回路１０は、電解処理をＯＮするよ
うに駆動回路１１に指令を出し、電解槽５５への電流の
供給を開始する（Ｓ４）。

【００１５】電解槽５５への電流の供給は、図３に示す
ように、ｔ₁ 期間供給すると、ｔ₂期間供給を停止し、
さらに、ｔ₁ 期間供給するというように、一定期間ごと
に電流の供給と停止が繰り返される。

【００１６】電解処理がＯＦＦで、電解槽５５へ電流が
供給されない時（Ｓ５）、電解処理によって生成された
アルカリ水のｐＨ値をｐＨセンサー７０が検出し、その
検出信号を制御回路１０に入力する（Ｓ６）。ここで、
検出したｐＨ値が設定値であるｐＨ＝９と異なっている
場合、ｐＨ＝９に近づくように電解槽５５への供給電流
量を増減し（Ｓ７）、電解処理がＯＮで、電解槽５５へ
の電流の供給を開始すると（Ｓ８）、Ｓ７で決定した電
流量が電解槽５５に供給される。例えば、検出されたｐ
Ｈ値がｐＨ＝８．５の時、ｐＨ＝９に近づけるために電
解槽５５への供給電流量を増加させて電解処理を行う。
この処理を電解処理がＯＦＦで電解槽５５への電流の供
給が停止になるタイミングで毎回行う。ここで、どのく
らいの時間間隔でｐＨ値を検出し、どのくらい供給電流
量を増減させるかは、実験的に求める。

【００１７】操作者により用水の通水が止められると、
圧力センサー５１が通水されていないこと検知し、制御
回路１０に伝え（Ｓ２：Ｎｏ）、制御回路１０は、電解
処理をＯＦＦするように駆動回路１１に指示する（Ｓ
３）。

【００１８】このように本実施例においてはｐＨセンサ
ー７０によるｐＨ値の検出時に、電解処理をＯＦＦして
いるので、電解電流の影響を受けない正確なｐＨ値が得
られ、その正確なｐＨ値を用いて電解槽５５に供給する
電流量を制御するため、ｐＨ値が一定し、設定したｐＨ
値のアルカリ水を確実に得ることができる。

【００１９】尚、本発明は上述した実施例に限定される
ことなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変
更を加えることができる。

【００２０】本実施例では、アルカリ水吐出ホース側に
ｐＨセンサーを設置したが、酸性水吐出ホース側に設置
してもよく、また、両方に設置してもよい。使用水を吐
出するホースと捨て水を吐出するホースとが設けられ、
使用水を吐出するホースから酸性水とアルカリ水の両方
を吐出する装置については、使用水を吐出するホース側
にｐＨセンサーを設けて、酸性水とアルカリ水の両方に
対応できるように制御してもよい。

【００２１】さらに、ｐＨ検出時には電流をＯＦＦした
が、完全にＯＦＦせずに検出に影響がない程度に電流を
小さく抑えてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のイオン水生成装置においては、ｐＨ検出手段によ
るｐＨ値の検出時に、制御手段が電解ドライブ手段によ
り電極に供給される電流を小さく、或は停止するように
制御するので、電解電流の影響を受けない正確なｐＨ値
を検出することができ、その正確なｐＨ値を用いて電解
槽に供給する電流量を制御するため、生成するイオン水
のｐＨ値を良好に制御することができ、設定したｐＨ値
のイオン水を確実に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のイオン水生成装置の構成を示すブロ
ック図である。

【図２】本実施例のイオン水生成装置の動作を示すフロ
ーチャートである。

【図３】本実施例のイオン水生成装置の制御タイミング
を示すタイミングチャートである。

【図４】従来のイオン水生成装置の構成を示すブロック
図である。

【符号の説明】

１０ 制御回路 １１ 駆動回路 ５５ 電解槽 ７０ ｐＨセンサー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水道等の水源から供給された用水を、電
   解槽において電解処理してアルカリ水や酸性水を得るイ
   オン水生成装置において、 前記電解処理により生成した前記イオン水のｐＨ値を検
   出するイオン濃度検出手段と、 前記電解槽内の電極に電流を供給する電解ドライブ手段
   と、 前記イオン濃度検出手段によるｐＨ値の検出時に、前記
   電解ドライブ手段により前記電極に供給される電流を小
   さく、或は停止するように制御し、かつ前記イオン濃度
   検出手段によって検出されたｐＨ値に基づいて、以後の
   前記電解ドライブ手段による前記電極への電流供給量を
   変化させる制御手段と、 を備えたことを特徴とするイオン水生成装置。