JPH05245474A - アルカリイオン水生成器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 電極の汚れに影響されることなく、所定の水
質を容易に得ることができるアルカリイオン水生成器の
提供。 【構成】 水質を検出するセンサ１２値と、該センサ１
２の初期基準値と通算電解時間とから判断されて自動的
に設定される経時基準値とにより、適正電解状態を演算
し、アルカリイオン水生成調節を自動的に行わせるよう
に構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は飲料水の電解によりアル
カリイオン水と酸性水を形成するアルカリイオン水生成
器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、実開平１−１６３４９４号公報に
示す如く、直流電圧を印加する陽極と陰極を備える電解
槽を設け、アルカリイオン水と酸性水を形成する技術が
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、水質
を検出するセンサを設けて電極間の電流を調節していた
が、基準値を手動で設定していたから、使用者の誤判
断、または電極の経時汚れなどにより適正な基準値を容
易に得られず、調節機能の向上並びに取扱い操作の簡略
化などを容易に図り得ない等の問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、水質
を検出するセンサ値と、該センサの初期基準値と通算電
解時間とから判断されて自動的に設定される経時基準値
とにより、適正電解状態を演算し、アルカリイオン水生
成調節を自動的に行わせるように構成したもので、水酸
化カルシュウムまたは炭酸カルシュウムなどの付着によ
り電極が汚れるが、この電極の汚れ具合に比例して変化
する経時基準値が自動的に設定され、この経時基準値に
基づきアルカリイオン水生成調節が行われるから、基準
値の手動設定が不要となり、また電極の汚れに影響され
ることなく、所定のアルカリイオン水を容易に得られ、
アルカリイオン水生成の調節機能の向上並びに取扱い操
作の簡略化などを容易に図り得るものである。

【０００５】また、水質を検出するセンサの電解開始時
の値を初期基準値として記憶させ、その初期基準値に基
づき電極の汚れを判断して電極を自動的に洗浄するよう
に構成したもので、水酸化カルシュウムまたは炭酸カル
シュウムなどの付着により電極が所定以上に汚れたとき
に洗浄するから、従来の手動や一定電解時間の経過によ
り電極の洗浄を行う技術に比べ、電極の汚れが少ないと
きの無駄な洗浄をなくし、また電極の汚れが多いときの
アルカリイオン水の生成を阻止し、水酸化カルシュウム
などの含有量に係わらず電極の汚れを常に所定範囲に維
持し得るものである。

【０００６】また、電極を洗浄する毎に、水質を検出す
るセンサ値を初期基準値として記憶させ、その初期基準
値に基づく経時基準値と、前記センサ値により、アルカ
リイオン水生成調節を自動的に行わせるように構成した
もので、季節の温度変化に対応した基準値が自動的に設
定されるから、水温変化によって水の電解度が変化して
も、アルカリイオン水生成調節の誤差を従来よりも著し
く低減させ得、季節によって取水温度が変化してもアル
カリイオン水を安定して生成し得るものである。

【０００７】また、水質を検出するセンサ値がアルカリ
イオン水生成調節範囲外に変化したときに警報を行うよ
うに構成したもので、水道工事または貯水タンクの掃除
などにより取水に含まれる鉄分などが急激に増加して水
質が大きく変化したとき、前記警報により飲用不適の警
告を行い得、アルカリイオン水を安全に飲用し得るもの
である。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図１は全体の説明図であり、活性炭及びフィルタ
などを内蔵して水を濾過する浄水槽（１）と、電極であ
る陽極（２）と陰極（３）を内設していて酸性水出口
（４）とアルカリイオン水出口（５）を設けている電解
槽（６）を備え、上水道管（７）の蛇口（８）に浄水槽
（１）を介して電解槽（６）を連通接続させるもので、
浄水槽（１）で濾過された取水を、電解槽（６）で酸性
水とアルカリイオン水に電解して取出すように構成して
いる。

【０００９】また、１００ボルトの商用交流電源（９）
を所定電圧の直流に変換するトランス（１０）と整流器
（１１）を備え、陽極（２）に電流センサ（１２）を介
してトランス（１０）を接続させると共に、極性切換ス
イッチ（１３）（１４）及び整流器（１１）及び電圧切
換スイッチ（１５）を介して陰極（３）にトランス（１
０）を接続させるもので、電圧切換スイッチ（１５）を
切換えて陽極（２）と陰極（３）の極間電圧を設定する
電圧調節回路（１６）と、極性切換スイッチ（１３）
（１４）を切換えて陽極（２）と陰極（３）に逆電流を
印加させる極性変換回路（１７）とを設けている。

【００１０】また、マイクロコンピュータで構成する電
解制御回路（１８）を備え、前記センサ（１２）及び各
回路（１６）（１７）を制御回路（１８）に接続させる
と共に、リセットスイッチ（１９）、赤ランプ（２
０）、青ランプ（２１）、ブザー（２２）を前記制御回
路（１８）に接続させるもので、図２の如く、陽極
（２）と陰極（３）間の導電度（電流値）と電解時間に
より、特定の水温で特定の基準電流を印加して実験の結
果得られた初期基準値と、経時基準値と、洗浄値を、前
記制御回路（１８）のロムに記憶入力させると共に、電
解開始時の前記センサ（１２）値と基準電流の差に基づ
き前記各基準値及び洗浄値が修正出力されるように構成
している。

【００１１】そして、前記蛇口（８）を開けて浄水槽
（１）から電解槽（６）に取水することにより、電解槽
（６）の各出口（４）（５）から酸性水とアルカリイオ
ン水が送給されるもので、図３のフローチャートに示す
如く、取水時、リセットスイッチ（１９）をオンにする
と、赤ランプ（２０）が点灯して飲用不適を表示し、電
解制御回路（１８）の指示により常に一定の所定電圧を
陽極（２）と陰極（３）間に印加させ、電流センサ（１
２）から検出電流値を入力させ、その電流センサ（１
２）値に基づいて電圧調節回路（１６）を制御して所定
の電流値になるように極間電圧を設定し、電圧の修正が
完了したとき、極間電圧設定後の電流センサ（１２）値
を初期基準値として記憶させるもので、その初期基準値
に基づいて図２に示す各基準値及び洗浄値が修正されて
出力される。

【００１２】また、前記基準値が記憶されたとき、また
はリセットスイッチ（１９）がオフのとき、電流センサ
（１２）値を入力させ、水酸化カルシュウム及び炭酸カ
ルシュウムなどの付着により陰極（３）の導電度が低下
する電極汚れ度を演算させ、電流センサ（１２）値が初
期基準値から洗浄値にまで低下したとき、赤ランプ（２
０）が点灯して洗浄中を表示し、極性変換回路（１７）
を制御して陽極（２）及び陰極（３）に逆電流を印加さ
せ、陰極（３）に付着している水酸化カルシュウム及び
炭酸カルシュウムなどを溶離させると共に、前記洗浄が
所定時間経過により終了したとき、電流センサ（１２）
値が入力され、極間電圧が設定された後で電流センサ
（１２）値を初期基準値として記憶させ、洗浄前の基準
値をリセットする。

【００１３】さらに、前記電流センサ（１２）値が初期
基準値と洗浄値の間で変化しているとき、図２の実験値
により初期基準値に基づいて演算される経時基準値を入
力させ、陽極（２）と陰極（３）の極間電圧を演算し、
水道工事または貯水タンクの掃除などにより取水の鉄分
などが急増して調節範囲外の電圧が求められたとき、赤
ランプ（２０）点灯並びにブザー（２２）鳴動により異
常を警報し、飲用不適の表示警告を行う。

【００１４】また、前記陽極（２）と陰極（３）の極間
電圧が調節範囲内のとき、前記経時基準値と電流センサ
（１２）値を比較し、極間電圧が適正電圧でないとき、
赤ランプ（２０）を点灯させ、電圧調節回路（１６）を
制御して極間電圧調節を行うと共に、極間電圧が適正電
圧で適正電解状態のとき、赤ランプ（２０）を消灯さ
せ、青ランプ（２１）を点灯させて飲用可を表示するも
ので、約ＰＨ９のアルカリイオン水を生成して出口
（５）から送給するものである。

【００１５】上記から明らかなように、水質を検出する
電流センサ（１２）値と、該センサ（１２）の初期基準
値と通算電解時間とから判断されて自動的に設定される
経時基準値とにより、適正電解状態を演算し、アルカリ
イオン水生成調節を自動的に行わせるもので、水質を検
出する電流センサ（１２）の電解開始時の値を初期基準
値として記憶させ、その初期基準値に基づき陰極（３）
の汚れを判断して陰極（３）を自動的に洗浄すると共
に、陰極（３）を洗浄する毎に、水質を検出する電流セ
ンサ（１２）値を初期基準値として記憶させ、その初期
基準値に基づく経時基準値と、前記センサ（１２）値に
より、アルカリイオン水生成調節を自動的に行わせ、ま
た、水質を検出するセンサ（１２）値がアルカリイオン
水生成調節範囲外に変化したときにブザー（２２）など
により警報を行うものである。

【００１６】なお、前記実施例では極間電圧を調節した
が、両極（２）（３）間の電流値を調節してもよく、ま
た電解槽（６）での処理時間を調節してもよく、前記と
同様のアルカリイオン水生成調節を自動的に行うことが
できることは云うまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、水質を検出するセンサ（１２）値と、該センサ（１
２）の初期基準値と通算電解時間とから判断されて自動
的に設定される経時基準値とにより、適正電解状態を演
算し、アルカリイオン水生成調節を自動的に行わせるよ
うに構成したもので、水酸化カルシュウムまたは炭酸カ
ルシュウムなどの付着により電極（３）が汚れるが、こ
の電極の汚れ具合に比例して変化する経時基準値が自動
的に設定され、この経時基準値に基づきアルカリイオン
水生成調節が行われるから、基準値の手動設定が不要と
なり、また電極（３）の汚れに影響されることなく、所
定のアルカリイオン水を容易に得ることができ、アルカ
リイオン水生成の調節機能の向上並びに取扱い操作の簡
略化などを容易に図ることができるものである。

【００１８】また、水質を検出するセンサ（１２）の電
解開始時の値を初期基準値として記憶させ、その初期基
準値に基づき電極（３）の汚れを判断して電極（３）を
自動的に洗浄するように構成したもので、水酸化カルシ
ュウムまたは炭酸カルシュウムなどの付着により電極
（３）が所定以上に汚れたときに洗浄するから、従来の
一定電解時間の経過により電極（３）の洗浄を行う技術
に比べ、電極（３）の汚れが少ないときの無駄な洗浄を
なくし、また電極（３）の汚れが多いときのアルカリイ
オン水の生成を阻止し、水酸化カルシュウムなどの含有
量に係わらず電極（３）の汚れを常に所定範囲に維持で
きるものである。

【００１９】また、電極（３）を洗浄する毎に、水質を
検出するセンサ（１２）値を初期基準値として記憶さ
せ、その初期基準値に基づく経時基準値と、前記センサ
（１２）値により、アルカリイオン水生成調節を自動的
に行わせるように構成したもので、季節の温度変化に対
応した基準値が自動的に設定されるから、水温変化によ
って水の電解度が変化しても、アルカリイオン水生成調
節の誤差を従来よりも著しく低減させることができ、季
節によって取水温度が変化してもアルカリイオン水を安
定して生成できるものである。

【００２０】また、水質を検出するセンサ（１２）値が
アルカリイオン水生成調節範囲外に変化したときに警報
を行うように構成したもので、水道工事または貯水タン
クの掃除などにより取水に含まれる鉄分などが急激に増
加して水質が大きく変化したとき、前記警報により飲用
不適の警告を行うことができ、アルカリイオン水を安全
に飲用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体の説明図。

【図２】基準値出力線図。

【図３】電解制御のフローチャート。

【符号の説明】

（３） 陰極（電極） （１２） 電流センサ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水質を検出するセンサ値と、該センサの
   初期基準値と通算電解時間とから判断されて自動的に設
   定される経時基準値とにより、適正電解状態を演算し、
   アルカリイオン水生成調節を自動的に行わせるように構
   成したことを特徴とするアルカリイオン水生成器。
2. 【請求項２】 水質を検出するセンサの電解開始時の値
   を初期基準値として記憶させ、その初期基準値に基づき
   電極の汚れを判断して電極を自動的に洗浄するように構
   成したことを特徴とするアルカリイオン水生成器。
3. 【請求項３】 電極を洗浄する毎に、水質を検出するセ
   ンサ値を初期基準値として記憶させ、その初期基準値に
   基づく経時基準値と、前記センサ値により、アルカリイ
   オン水生成調節を自動的に行わせるように構成したこと
   を特徴とするアルカリイオン水生成器。
4. 【請求項４】 水質を検出するセンサ値がアルカリイオ
   ン水生成調節範囲外に変化したときに警報を行うように
   構成したことを特徴とするアルカリイオン水生成器。