JPH0789090B2 - 内燃機関のトルク検出装置 - Google Patents

内燃機関のトルク検出装置

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JPH0789090B2
JPH0789090B2 JP61202736A JP20273686A JPH0789090B2 JP H0789090 B2 JPH0789090 B2 JP H0789090B2 JP 61202736 A JP61202736 A JP 61202736A JP 20273686 A JP20273686 A JP 20273686A JP H0789090 B2 JPH0789090 B2 JP H0789090B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関のトルク検出装置に関する。
〔従来の技術〕
特開昭59−51160号公報は内燃機関の添加時期制御装置
を開示しており、点火時期の制御のためにトルクを算出
している。即ち、トルクは気筒毎の燃焼圧を所定のクラ
ンク角度毎にサンプリングして平均有効圧力を求めるこ
とによって得られるようになっている。この場合、平均
有効圧力は、圧縮及び排気行程におけるサンプル値をプ
ラスの符号でとり、膨張及び吸気行程におけるサンプル
値をマイナスの符号でとり、これらを1サイクル分積算
して得られる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述したような平均有効圧力を求めることによってトル
クを算出する装置では、サンプル値がプラスからマイナ
スまで大きく変動する値を扱うのでサンプル数を大きく
する必要があり、これらの信号を処理するために高速型
の制御装置(コンピュータ)が必要であった。また、全
気筒で上述したトルク検出を行う場合にはさらに大容量
の制御装置が必要になり、それでもトルク検出のために
容量の大部分を使用して制御対象に使用すべき容量が残
り少なくなるという問題があり、かなりのコストアップ
を招くので実用が難しいという問題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明による内燃機関のトルク検出装置は、燃焼室の圧
力を検出する手段1と、検出された圧力に所定のクラン
ク角度における瞬時トルク係数を乗算することによって
瞬時トルクを算出する瞬時トルク算出手段2と、複数の
クランク角度においてそれぞれ算出された瞬時トルクを
加算することによって発生トルクを算出トルク算出手段
3とを設けたことを特徴とするものである。この瞬時ト
ルク算出手段2は、燃焼によりトルクが上昇する過程に
ある所定のクランク角度位置における所定の瞬時トルク
係数と検出された圧力とを乗算することによって第1瞬
時トルクを算出する第1瞬時トルク算出手段と、燃焼に
よりトルクが下降する過程にある所定のクランク角度位
置における所定の瞬時トルク係数と検出された圧力とを
乗算することによって第2瞬時トルクを算出する第2瞬
時トルク算出手段とからなり、トルク算出手段3は、該
第1及び第2の瞬時トルク算出手段によって算出された
第1及び第2の瞬時トルクを加算する。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。
第1図において、機関本体10には公知のように往復動す
るピストン12が挿入され、ピストン12の上方に燃焼室14
が形成される。燃焼室14には吸気ポート16及び排気ポー
ト18が連通して形成され、これらのポートにはそれぞれ
吸気弁22及び排気弁24が配置される。さらに、燃焼室14
には圧力センサ26が配置され、また図示しない点火プラ
グが配置される。吸気ポート16には吸気マニホールド28
が接続され、吸気マニホールド28は上流側に向かって順
にサージタンク30、スロットルボディ32、エアフローメ
ータ34、及びエアクリーナ36に接続される。そして、吸
気マニホールド28の各枝管には燃料噴射弁38が取りつけ
られる。
燃料噴射弁38及び点火プラグは制御装置(EUC)40によ
って制御され、そのために従来から公知のようにエアフ
ローメータ34やスロットルポジションセンサや水温セン
サが設けられ、さらに、例えばディストリビュータを利
用したクランク角センサ42が設けられる。本発明におい
ては、制御装置(EUC)40の中で主に圧力センサ26及び
クランク角センサ42の検出信号によりトルクを検出する
ものであり、このトルク検出装置は前述したように圧力
検出手段1と、瞬時トルク算出手段2と、トルク算出手
段3とから構成されるものである。燃料噴射弁38及び点
火プラグの制御は公知のものを利用できるので以後はト
ルクの検出についてのみ説明する。
制御装置(ECU)40は第2図に示されるようにマイクロ
コンピュータにより構成され、制御と演算の機能を有す
る中央処理装置(CPU)44と、プログラムを記憶するこ
とのできるリードオンリメモリ(ROM)46と、データ等
を記憶すランダムアクセスメモリ(RAM)48と、入出力
ポート50とを備え、これらの要素はバス52によって相互
に接続されている。前述したクランク角センサ42の信号
及び圧力センサ26の検出信号は入出力ポート50を介して
入力され、さらに図示しないA/D変換器が使用される。
演算結果は制御対象への出力手段54に出力され、例え
ば、最大のトルクが得られるように燃料噴射弁38を制御
することができる。また、クランク角センサ42は、第8
図に示されるように720度毎の基準信号と、所定の角度
間隔の角度信号とを発生し、これらの両信号から気筒番
号毎のクランク位置を知ることができる。
第3図は本発明により制御装置で実行されるトルク検出
のためのフローチャートを示し、これは第8図に示した
所定の角度間隔の角度信号毎に起動されるものである。
第3図のフローチャートでは4つの設定角度A,B,C,Dが
設定されており、角設定角度A,B,C,D毎に検出された燃
焼室14の圧力(シリンダ内圧力)により瞬時トルクを算
出し、最後にそれらを加算することによってトルクを算
出するようになっている。ここでは、第3図の詳細を説
明する前に第4図から第6図を参照して本発明の原理に
ついて説明する。
第4図はシリンダ内圧力の一例を示し、圧力は吸気の上
死点(TDC)後の或る角度で最大になり、それからピス
トン12の下降とともに低下していく。第4図から分かる
ように、本発明では圧力がほぼ最大になる辺りの角度A
を1つの設定角度としている。もし、角度Aにおいて圧
力が常に最大になるならば、この圧力の最大値はトルク
の目安の値としてそのまま使用できるかもしれない。し
かしながら、圧力が最大になるクランク角度は例えば点
火時期の制御等によっても変動するので、それを固定的
に定めることはできず、もし最大圧力をトルクの目安と
して使用する場合には少なくとも角度A付近で複数のサ
ンプリングを行ってその中から最大値を求める等の演算
が必要である。この場合にも、最大圧力値はトルクの目
安となるだけで、トルクを正確に表したものとはいえな
い。
第5図は瞬時トルク係数kを示し、これは、クランクの
腕の長さr、連接棒の長さl、クランク角度Θ、λ=l/
rとしたときに、 の関係で求められ、燃焼により発生した圧力がピスト
ン、連接棒によりクランク軸に伝える有効仕事(トルク
発生)量を、クランクの腕に直角な方向の分力として考
えたときの係数である。例えば、上死点後10度でのk値
は1.03であり、25度では2.41、40度では3.62、55度では
4.37である。瞬時トルク係数kはシリンダ内圧力とは勾
配が逆になり、吸気の上死点後70度付近で最大になる。
瞬時トルクはそれぞれ所定の角度におけるシリンダ内圧
力と瞬時トルク係数kを乗算することによって得られ
る。第6図に示されるように、瞬時トルクは吸気の上死
点後10度から90度の間でほとんど決定されてしまい、30
度付近で最大になる。一般的には、内燃機関の解析に瞬
時トルクを用いる場合、特定のクランク角度における瞬
時トルクが採用される。即ち、クランク角何度における
瞬時トルクとして使用される。特性がクランク角度に対
して固定的に定まる場合には、特定のクランク角度にお
ける瞬時トルクがトータルの発生トルクを代表すると言
うことができるかもしれないが、前述したように点火時
期が変化すればシリンダ内圧力が変化し、それによって
瞬時トルクの特性も変化するので特定のクランク角度に
おける瞬時トルクでトータルの発生トルクを代表すると
誤差が大きくなる。
従って、本発明では複数のクランク角度位置における瞬
時トルクを求めてそれらを加算することによってトータ
ルの発生トルクを求めようとするものである。好ましく
は、検出すべきクランク角度は4つあり、それらがA,B,
C,Dによって示されている。第1の角度Aは最適点火時
期における最大圧力P1を与える角度として設定され、第
2の角度Bは同様に最大瞬時トルクを与える角度として
設定される。また、第3の角度C及び第4の角度Dは最
大の瞬時トルク係数kを与える角度の近く及び瞬時トル
クが比較的に高いレベルにある角度を選んで設定され
る。このようにして、第6図に示されるように4つの設
定角度A,B,C,Dにおいて瞬時トルクを求めた場合、もし
も点火時期の変化によって瞬時トルクの特性カーブが第
6図から左にずれた場合、角度Aにおける瞬時トルクT1
は第6図の値よりも大きくなるが、残りの角度B,C,Dに
おける値T2,T3,T4は逆に小さくなり、これらの合計した
もの同士を比べると検出誤差は小さくなっていることが
確認できる。また、特性が右にずれた場合にもプラスと
マイナスの関係が生じ、同様に誤差が小さくなる。従っ
て、本発明においては複数のクランク角度位置でそれぞ
れ求めた瞬時トルクを合計することによって発生トルク
を微小な誤差で求めることが可能である。
第3図に戻って、ステップ51から54はそれぞれの設定角
度A,B,C,Dになったかどうかを判断し、設定角度Aにな
ったときにはステップ55,56においてシリンダ内圧力をP
1として取り込み、瞬時トルクT1=P1w×k1を算出する。
設定角度Bになったときにも同様にステップ57,58にお
いてシリンダ内圧力をP2として取り込み、瞬時トルクT2
=P2w×k2を算出する。さらに設定角度C並びにDにお
いてもそれぞれステップ59,60並びにステップ61,62にお
いて瞬時トルクT3=P3w×k3並びにT4=P4w×k4を算出す
る。最後のステップ62の後はステップ63に進み、瞬時ト
ルクの合計値Tx=T1+T2+T3+T4を算出する。この瞬時
トルクの合計値Txは前述したように発生トルクを代表す
る値である。第3図においてはさらに、瞬時トルクの合
計値Txから実験式を用いて実際のトルクに単位換算した
値TRQ=α×Tx+Δを算出している。この実験式は第7
図のようにして定められることができる。なお、圧力セ
ンサ26として圧電式圧力センサを用いた場合、一般的に
は出力電圧のドリフトが発生することが知られており、
絶対圧力値を正確に検出出来ないことがあるが、その場
合でも、例えば吸気下死点のシリンダ内圧力を検出し、
その圧力からの差圧という形でPを求めればよい。
第8図は全気筒のトルク検出を行う場合のタイムチャー
トを示しており、本発明によれば第4図から第6図を参
照して説明したようにシリンダ内圧力の検出は吸気の上
死点後10度から90度の範囲の複数の角度位置において行
われるので、全記筒トルク検出の場合にも圧力検出及び
そのためのA/D変換のタイミングが重なることがなく、
1個のA/D変換器によりチャネルの切り替え操作によっ
て全気筒分を賄うことができ、また各気筒のトルク検出
の間にも十分な時間的余裕があるのでその他の演算処理
をも十分におこなうことができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、従来複数のA/D変換器を必要とし
たり、大型の制御装置が必要であったりして従来実用し
難かったのが、本発明により簡単に且つ比較的に正確に
トルクを検出することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内燃機関の構成図、第2図は制御装置
の内部構成図、第3図は本発明により実施する制御のフ
ローチャート、第4図はクランク角度に対するシリンダ
内圧力を示す図、第5図はクランク角度に対する瞬時ト
ルク件数を示す図、第6図はクランク角度に対する瞬時
トルクを示す図、第7図は瞬時トルクの合計値と実際の
発生トルクとの関係を示す図、第8図は全気筒のトルク
検出を行うタイミングチャートである。 10……機関本体、12……ピストン、 14……燃焼室、26……圧力センサ、 42……クランク角センサ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室の圧力を検出する手段と、燃焼によ
    りトルクが上昇する過程にある所定のクランク角度位置
    における所定の瞬時トルク係数と検出された圧力とを乗
    算することによって第1瞬時トルクを算出する第1瞬時
    トルク算出手段と、燃焼によりトルクが下降する過程に
    ある所定のクランク角度位置における所定の瞬時トルク
    係数と検出された圧力とを乗算することによって第2瞬
    時トルクを算出する第2瞬時トルク算出手段と、該第1
    及び第2の瞬時トルク算出手段によって算出された第1
    及び第2の瞬時トルクを加算することによって発生トル
    クを算出するトルク算出手段とを設けたことを特徴とす
    る内燃機関のトルク検出装置。
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