JPH0788881A

JPH0788881A - アウトサート成形体

Info

Publication number: JPH0788881A
Application number: JP5241684A
Authority: JP
Inventors: Naoki Eguchi; 直紀江口; Minoru Ubusawa; 稔生澤
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1993-09-28
Filing date: 1993-09-28
Publication date: 1995-04-04

Abstract

(57)【要約】【目的】この発明は、部品点数の削減化を図り得るよう
にして、製作の簡略化と共に、小形・軽量化の促進を図
ることにある。【構成】立設成形体９の基端に樹脂材料注入口７と対向
させて位置規制部８を敷設して設けるように構成して、
所期の目的を達成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばビデオテープ
レコーダ（ＶＴＲ）等の磁気記録再生装置のカセット装
填系，テープローディング系，テープ駆動系等の構成部
材を成形するのに好適するアウトサート成形体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の磁気記録再生装置用の
シャーシは、図９に示すように金属板１上の所定の位置
にテープカセットのリールハブが装着される一対のリー
ル軸部２ａ，２ｂが立設され、このリール軸部２ａ，２
ｂに対応して磁気テープを引出して回転ヘッドの搭載さ
れる回転シリンダに装架するテープローディング系、テ
ープローディングされた磁気テープを走行案内するテー
プ案内機構を含むテープ駆動系及びモード制御系等の構
成部品を含む複数の搭載部材３…が設置される。そのた
め、このようなシャーシにあっては、その搭載部材３…
の設置精度に応じて、そのテープローディング系、テー
プ駆動系及びモード制御系等の精度が決定されること
で、ＶＴＲ等の磁気記録再生装置を製作するうえにおい
て、その設置精度が大きく影響を与えている。

【０００３】そこで、このようなシャーシの搭載部材３
…は、そのテープ駆動系のブレーキ部材取付用フックや
モード制御系の支持部等の強度、精度の要求の比較的低
い部材３ａがポリ・オキシ・メチレン（ＰＯＭ）等の熱
可塑性樹脂でアウトサート成形して設置される。そし
て、回転シリンダを固定するシリンダ取付体、磁気テー
プを回転シリンダに対して高精度に規制するテープガイ
ドポスト、上記リール軸部２ａ，２ｂ等の強度及び精度
的に要求の強い部材３ｂは、例えば金属材料等を用いて
切削加工して製作して、その加工品が螺子４やカシメ等
の取付手段を用いて金属板１上に設置する方法が採られ
ている。

【０００４】ところが、上記磁気記録再生装置のシャー
シでは、テープローディング系、テープ駆動系等を構成
するための部品点数が非常に多くなり、その部品管理が
非常に面倒であると共に、その製作工数が多く、その組
立作業を含む製作が非常に面倒であるという問題を有す
る。また、金属材料を比較的多く用い、しかも螺子止め
やカシメ作業が必要とり、その重量が重くなると共に、
小形化の促進を困難とするという問題を有する。

【０００５】そこで、このような強度及び精度的に要求
の厳しい搭載部材を樹脂材料を用いて金属板上にアウト
サート成形することにより、上記の不具合点を改善する
ことが考えられている。この場合、単に、特性的に優れ
た樹脂材料を用いて搭載部材をアウトサート成形すれば
よいものでなく、組合せ結合される機構部に対して悪影
響を及ぼしたりすることく、信頼性の高い高精度なアウ
トサート成形を実現することが要求される。

【０００６】例えば、このような構成部品として、回転
ヘッドの搭載される回転シリンダの周囲に装架した磁気
テープを該回転シリンダに走行案内するテープガイドポ
スト、リール軸ポスト、ピンチレバーポスト等の立設成
形体がある。この立設成形体は、金属板のテープパスに
対応して垂直状に立設されて、テープ走行駆動された磁
気テープを高精度に案内して安定したテープ走行を実現
する。

【０００７】なお、係るアウトサート成形の要請は、上
記磁気記録再生装置のシャーシ構造に限ることなく、搭
載部材を金属板上に組合わせ配置して各種の機構部が構
成される装置等のシャーシ構造においても同様である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の磁気記録再生装置では、部品点数が非常に多くな
り、その部品管理及び組立を含む製作が非常に面倒であ
ると共に、小形・軽量化の促進が困難であるという問題
を有する。

【０００９】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、簡易な構成で、部品点数の削減化を図り得るよ
うにして、製作の簡略化と共に、小形・軽量化の促進を
図り得るようにしたアウトサート成形体を提供すること
を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明のアウトサート
成形体は、成形体基端に樹脂材料注入口と対向させて敷
設される位置規制部を有し、金属板に一体的にアウトサ
ート成形するようにしたものである。

【００１１】

【作用】上記構成によれば、アウトサート成形時、その
位置規制部が樹脂材料の繊維配向密度の差に伴う倒れ成
分を相殺する如く規制することにより、金属板への高精
度な立設を実現する。これにより、例えば磁気記録再生
装置に適用した場合、テープ駆動系及びテープローディ
ング系の構成部品を含む構成部材のアウトサート成形化
の促進が図れて、従来に比して組立部品の削減化が図れ
て、小形・軽量化の促進を図ることが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照して詳細に説明する。図１はこの発明の一実施例に係
るアウトサート成形体を示すもので、図中９は、金属板
１０に立設される立設成形体で、例えば回転シリンダ
（図示せず）に装架された磁気テープのテープパスに対
応して配設されるテープガイドポスト、ピンチレバーポ
スト及びリール軸ポスト等を形成する。この立設成形体
９は、例えば収縮率が低く、金型転写性が高い第１の熱
可塑性樹脂材料、例えば後述するポリ・フェニリン・サ
ルファイド（ＰＰＳ）で、例えば中空状に成形される。
そして、この立設成形体９の基部には、例えばリブ状の
成形倒れ防止用の位置規制部８が立設方向に敷設されて
設けられる。この位置規制部８は、立設成形体９の基部
において樹脂注入口７と対向して配置され、後述するア
ウトサート成形時、熱可塑性樹脂材料がゲート６及びラ
ンナー５を介して樹脂注入口７に導かれる際に発生する
該樹脂繊維の配向差による倒れ成分を打消す如く相殺し
て位置規制する。

【００１３】図２は、この発明の適用される磁気記録再
生装置用シャーシを示すもので、金属板１０には、複数
の第１の成形体１１（図中点を粒子状に記入して示すも
ので、上記立設成形体９を含む）及び第２の成形体１２
（図中白抜きで示す）が収縮率の異なる第１及び第２の
熱可塑性樹脂材料を選択的に用いて所定の位置にアウト
サート成形される。これら第１及び第２の成形体１１，
１２としては、テープ案内機構を含むテープ走行駆動用
のをテープ駆動系を構成するテープ駆動部品、カセット
に巻装される磁気テープを上記回転シリンダ（図示せ
ず）の周囲に装架するテープローディング系を構成する
テープローディング部品、カセットをテープ駆動位置に
移送するカセット装填系を構成するカセット案内部品
や、消去ヘッド取付用フック等の取付部品等の各種機能
特性を持つ搭載部材が含まれる。

【００１４】上記第１の成形体１１は、上記立設成形体
９を含む強度及び精度的に厳しい要求のある搭載部材で
あり、収縮率が低く、金型転写性が高い第１の熱可塑性
樹脂材料、例えばポリ・フェニリン・サルファイド（Ｐ
ＰＳ）でアウトサート成形される。このＰＰＳとして
は、例えば収縮率が０．２〜０．４％（流動方向），
０．６〜０．８％（直角方向）、線膨脹係数が０．７×
１０^-5ｃｍ／ｃｍ・°ｃ（流動方向），６．２×１０^-5
ｃｍ／ｃｍ・°ｃ（直角方向）、曲げ弾性係数１３×１
０^-4ｋｇｆ／ｃｍ² 、引張強度１８００ｋｇｆ／ｃｍ
² 、熱変形温度２７０°ｃの機械的特性のものが用いら
れ、金型の温度が１５０°ｃでアウトサート成形され
る。

【００１５】他方、第２の成形体１２は、上記搭載部材
のうち取付フック等の弾性力が要求される部材であり、
強度及び精度的に比較的要求の緩い搭載部材で、上記Ｐ
ＰＳに比して収縮率が高く、金型転写性が低い、例えば
ポリ・オキシ・メチレン（ＰＯＭ）でアウトサート成形
に用いられる。このＰＯＭとしては、例えば収縮率がＤ
１．５〜３．５％、線膨脹係数が１０×１０^-5ｃｍ／ｃ
ｍ・°ｃ、曲げ弾性係数２．６×１０⁴ ｋｇｆ／ｃｍ
² 、引張強度６２０ｋｇｆ／ｃｍ² 、熱変形温度１１°
ｃの機械的特性のものが用いられ、金型の温度が８０°
ｃでアウトサート成形される。

【００１６】なお、金属板１０の第２の成形体１２に
は、上記テープ駆動系、テープローディング系、カセッ
ト装填系の他に、例えば電気回路基板を支持する基板支
持フック等の取付部品が含まれる。

【００１７】上記のように構成される磁気記録再生装置
用シャーシは、先ず、図３（ａ）に示すように略板状の
金属板１０を加工処理して、その所定の位置に複数の成
形体取付部１０ｂが形成される。次に、金属板１０は、
図４に示すように第１のアウトサート成形機３０のコア
側及びキャビ側金型３０ａ，３０ｂ間に装着される。

【００１８】この状態において、第１のアウトサート成
形機３０には、そのキャビ側金型３０ｂに樹脂供給源３
０ｃから収縮率が低く、転写性の高い第１の熱可塑性樹
脂材料が供給され、金属板１０の各成形体取付部１０ｃ
に第１の成形体１１がアウトサート成形される（図３
（ｂ）参照）。

【００１９】ここで、上記立設成形体９は、その樹脂注
入口７に対して第１のアウトサート成形機３０から第１
の熱可塑性樹脂材料がゲート６及びランナー５を介して
注入される。この際、立設成形体９は、その樹脂材料の
繊維配向が樹脂注入口７側が逆側に比して密となり、そ
の配向差に伴って倒れ成分が位置規制部方向に付与され
るが、その位置規制部８が倒れ成分を打消して相殺する
如く作用して、金属板１０に対して垂直状に立設され
る。

【００２０】なお、立設成形体９をアウトサート成形す
る場合には、第１のアウトサート成形機３０の金型３０
ａ，３０ｂの立設成形体成形部を予め樹脂繊維の配向差
に基づいて傾斜させて形成して、成形時の倒れ成分を立
設成形体９の位置規制部８と協働して相殺するように構
成することで、さらに良好な効果が得られることが確認
される。

【００２１】そして、第１の成形体１１がアウトサート
成形された金属板１０は、第１のアウトサート成形機３
０から離脱され、略同様に構成される図示しない第２の
アウトサート成形機に装着され、上記第１の熱可塑性樹
脂材料より収縮率が高い第２の熱可塑性樹脂材料を用い
て、その所定の成形体取付部１０ｃに第２の成形体１２
がアウトサート成形される（図３（ｃ）参照）。次に、
アウトサート成形が完了した金属板１０は、図２に示す
ように両端部にアウトサート成形される第２の成形体１
２の一対のカセット案内部１２ａが、カセット移送方向
に対応するように折曲げ加工される。

【００２２】なお、上記のように搭載物品のアウトサー
ト成形が完了した金属板１０は、次の組立工程で、テー
プ駆動系、テープローディング系、カセット装填系等の
第１及び第２の成形体１１，１２に対して各構成部品が
組付けられて磁気記録再生装置の内部機器が形成され
る。

【００２３】このように、上記アウトサート成形体は、
金属板１０に立設される立設成形体９の基端に樹脂材料
注入口７と対向させて位置規制部８を敷設して設けるよ
うに構成した。

【００２４】これによれば、立設成形体９は、アウトサ
ート成形時、その位置規制部８が熱可塑性樹脂材料の繊
維配向密度の差に伴う倒れ成分を相殺する如く規制し
て、金属板への高精度な立設が実現されることにより、
例えば磁気記録再生装置のシャーシに適用した場合、そ
のテープ駆動系及びテープローディング系の構成部品を
含む搭載部材のアウトサート成形化の促進が図れるた
め、従来に比して組立部品の削減化が図れて、小形・軽
量化の促進を図ることが可能となる。

【００２５】なお、この発明は上記実施例に限ることな
く、その他、例えば図５乃至図８に示すように構成して
も、略同様に高精度な立設精度を得ることが可能であ
る。但し、ここでは、前記図１と同一部分については、
同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。

【００２６】先ず、図５は、立設成形体９ａに偏芯した
中空部８ａを樹脂注入口７ａに対向させて設けて、この
中空部８ａの偏芯に対応される成形体肉厚の差により、
樹脂繊維の配向差による倒れ成分を相殺する如く作用さ
せて、金属板１０に対して所望の状態に立設させるよう
に構成したものである。この偏芯した中空部８ａは、上
記実施例の位置規制部８と組合せて双方を配設するよう
に構成することで、さらに良好な効果が期待される。

【００２７】図６は、立設成形体９ｂの基端に対して複
数の樹脂注入口７ｂを放射状に配設して、これら複数の
樹脂注入口７ｂに対して樹脂案内部７ｃを介して略同様
に熱可塑性樹脂材料を注入することにより、繊維の配向
を立設成形体９ｂの基端の周囲において均一的に整然と
配向させるようにして、高精度な立設を実現するように
構成したものである。

【００２８】図７は、立設成形体９ｃの基端に一対の樹
脂注入口７ｄ，７ｄを互いに対向させて配置して、この
一対の樹脂注入口７ｄ，７ｄを一対のランナー５ａ，５
ａを介してゲート６に接続し、この樹脂注入口７ｄ，７
ｄに対して略同様に熱可塑性樹脂材料を注入することに
より繊維の配向を立設成形体９ｃの基端の周囲において
均一的に整然と形成させるようにして、高精度な立設を
実現するように構成したものである。

【００２９】図８は、樹脂注入口７ｅを立設成形体９ｄ
が一方面に立設される金属板１０の背面側に配設して、
この樹脂注入口７ｄより立設成形体９ｄの立設方向に熱
可塑性樹脂材料を注入することにより、繊維の配向を立
設成形体９ｄの基端の周囲において均一的に整然と形成
させるようにして、高精度な立設を実現するように構成
したものである。

【００３０】なお、上記図５乃至図８に示す各実施は、
単独で構成することなく、各特徴点を組合せ構成するこ
とも可能である。そして、これら各実施例においては、
それぞれ第１のアウトサート成形機３０による成形時、
該第１のアウトサート成形機３０の金型３０ａ，３０ｂ
の立設成形体成形部を樹脂繊維の配向による倒れ成分を
打消す方向に傾斜させるように構成することで、さらに
有効な効果が得られることが確認されている。

【００３１】また、上記各実施例では、立設成形体９，
９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄを第１の熱可塑性樹脂材料でア
ウトサート成形した場合で説明したが、第２の熱可塑性
樹脂材料でアウトサート成形する場合においても略同様
の効果が期待される。

【００３２】さらに、上記各実施例では、立設成形体
９，９ａ，９ｂ，９ｄを金属板１０に対して垂直状に立
設するように構成した場合で説明したが、所定の傾斜角
を有して立設する搭載部材においても適用可能で、略同
様の効果が期待される。

【００３３】また、上記実施例では、磁気記録再生装置
を構成するシャーシに立設される立設成形体をアウトサ
ート成形するように構成した場合で説明したが、これに
限ることなく、各種装置における機構部等の構成される
シャーシ構造において、搭載部材をアウトサート成形す
る場合においても適用可能で、略同様の効果が期待され
る。よって、この発明は、上記実施例に限ることなく、
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形
を実施し得ることは勿論のことである。

【００３４】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、簡易な構成で、部品点数の削減化を図り得るように
して、製作の簡略化と共に、小形・軽量化の促進を図り
得るようにしたアウトサート成形体を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係るアウトサート成形体
を示した図。

【図２】この発明の適用される磁気記録再生装置用シャ
ーシを示した示し図。

【図３】図２の製造工程を示した図。

【図４】第１の立設成形体をアウトサート成形するのに
用いる第１のアウトサート成形機を示した図。

【図５】この発明の他の実施例を示した図。

【図６】この発明の他の実施例を示した図。

【図７】この発明の他の実施例を示した図。

【図８】この発明の他の実施例を示した図。

【図９】従来の磁気記録再生装置用シャーシを示した
図。

【符号の説明】

６…ゲート、５，５ａ…ランナー、７，７ａ，７ｂ，７
ｄ，７ｅ…樹脂注入口、７ｃ…樹脂案内部、８…位置規
制部、８ａ…中空部、９，９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄ…立
設成形体、１０…金属板、１０ｃ…成形体取付部、１
１，１２…第１及び第２の成形体、３０…第１のアウト
サート成形機、３０ａ，３０ｂ…金型、３０ｃ…樹脂供
給源。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】成形体基端に樹脂材料注入口と対向させ
て敷設される位置規制部を有し、樹脂により金属板に一
体的にアウトサート成形されるアウトサート成形体。
【請求項２】樹脂材料注入口に対応して一方に偏芯さ
れる中空部を有し、樹脂により金属板に一体的にアウト
サート成形されるアウトサート成形体。
【請求項３】成形体基端に樹脂材料注入口と対向させ
て敷設される位置規制部と、前記樹脂材料注入口に対応
して一方に偏芯される中空部とを有し、樹脂により金属
板に一体的にアウトサート成形されるアウトサート成形
体。
【請求項４】成形体端部に放射状に配置される複数の
樹脂材料注入口を有し、樹脂により金属板に一体的にア
ウトサート成形されるアウトサート成形体。
【請求項５】成形体基端を挟んで対向配置される一対
の樹脂材料注入口を有し、樹脂により金属板に一体的に
アウトサート成形されるアウトサート成形体。
【請求項６】金属板の一方面側に樹脂材料注入口を有
し、金属板の他方面側に一体的にアウトサート成形され
るアウトサート成形体。