JPH0788270B2 - 単結晶薄膜の育成方法 - Google Patents
単結晶薄膜の育成方法Info
- Publication number
- JPH0788270B2 JPH0788270B2 JP10046389A JP10046389A JPH0788270B2 JP H0788270 B2 JPH0788270 B2 JP H0788270B2 JP 10046389 A JP10046389 A JP 10046389A JP 10046389 A JP10046389 A JP 10046389A JP H0788270 B2 JPH0788270 B2 JP H0788270B2
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- bbo
- thin film
- single crystal
- crystal
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、非線形光学結晶ベータバリウムボレイト
(以下、β−BBOと略記する)単結晶薄膜の育成方法に
関する。
(以下、β−BBOと略記する)単結晶薄膜の育成方法に
関する。
(従来の技術) β−BBOのバルク単結晶は、Na2O、Na2CO3、BaCl2などを
用いたフラックス法により育成されている。つまりこれ
らのフラックスにBBOの原料を融解し、融点を下げてβ
−BBOを晶出させるという方法を用いている。
用いたフラックス法により育成されている。つまりこれ
らのフラックスにBBOの原料を融解し、融点を下げてβ
−BBOを晶出させるという方法を用いている。
フラックスを用いた自然核生成法では最大数ミリ角程度
の単結晶しか得られないので、β−BBOの種結晶を用い
て大型の結晶を育成した例が報告されている(例えば、
ジャーナル・オブ・クリスタル・グロウス 1986年 79
巻 963−969ページ)。この方法はフラックスに原料を
溶かした溶液に板状の種結晶を接触させて回転し、その
まわりに結晶を晶出させていく方法(TSSG法)である
が、育成時間が非常に長く大型の結晶を育成するのに2
週間以上も必要としているので、歩留りがとても悪い。
の単結晶しか得られないので、β−BBOの種結晶を用い
て大型の結晶を育成した例が報告されている(例えば、
ジャーナル・オブ・クリスタル・グロウス 1986年 79
巻 963−969ページ)。この方法はフラックスに原料を
溶かした溶液に板状の種結晶を接触させて回転し、その
まわりに結晶を晶出させていく方法(TSSG法)である
が、育成時間が非常に長く大型の結晶を育成するのに2
週間以上も必要としているので、歩留りがとても悪い。
(発明が解決しようとする課題) β−BBOは非線形光学素子として最近注目されいる結晶
であるが、現在まではバルクの結晶としてしか利用され
ていなかった。しかし、半導体レーザ光の第二高調波を
得る等の非線形光学デバイスを作製するためにβ−BBO
の薄膜化が必要な場合がある。従来のβ−BBOの種結晶
として用いるTSSG法では、まだ薄膜のβ−BBOの育成は
試みられていない。
であるが、現在まではバルクの結晶としてしか利用され
ていなかった。しかし、半導体レーザ光の第二高調波を
得る等の非線形光学デバイスを作製するためにβ−BBO
の薄膜化が必要な場合がある。従来のβ−BBOの種結晶
として用いるTSSG法では、まだ薄膜のβ−BBOの育成は
試みられていない。
仮にβ−BBOを基板として薄膜を育成しようとしても、
現在では大きな基板が簡単に得られないので、大面積の
エピタキシャルウエハーを得ることが出来ない。
現在では大きな基板が簡単に得られないので、大面積の
エピタキシャルウエハーを得ることが出来ない。
(課題を解決するための手段) 大型のα−BBOのウエハーを基板に用い、その上にβ−B
BOをエピタキシャル成長させることで大面積のβ−BBO
単結晶薄膜を育成することができる。
BOをエピタキシャル成長させることで大面積のβ−BBO
単結晶薄膜を育成することができる。
(作用) β−BBOは低温相の結晶であるため、融液から直接大型
の単結晶を得ることは出来ず、フラックスを用いて融点
を下げて育成されている。しかし高温相であるα−BBO
は融液から直接育成できるため、引き上げ法等により大
型で高品質な結晶を得ることが出来る。α−BBOの格子
定数はa=7.235Å、c=39.192Å、β−BBOはa=12.5
19Å、c=12.723Åであるが、この差は単位格子のとり
方から来ている。実際の結晶構造はα−BBOはバリウム
のサイトが2種類あるのに対しβ−BBOは1種類である
というだけであって、αとβではほとんど変わらない。
そのためα−BBOの上にβ−BBOをエピタキシャル成長さ
せることが可能である。薄膜を育成させる方法はLPE
法、スパッタ法、MOCVE法、MBE法等、現在薄膜結晶を得
るために用いられている方法が可能である。
の単結晶を得ることは出来ず、フラックスを用いて融点
を下げて育成されている。しかし高温相であるα−BBO
は融液から直接育成できるため、引き上げ法等により大
型で高品質な結晶を得ることが出来る。α−BBOの格子
定数はa=7.235Å、c=39.192Å、β−BBOはa=12.5
19Å、c=12.723Åであるが、この差は単位格子のとり
方から来ている。実際の結晶構造はα−BBOはバリウム
のサイトが2種類あるのに対しβ−BBOは1種類である
というだけであって、αとβではほとんど変わらない。
そのためα−BBOの上にβ−BBOをエピタキシャル成長さ
せることが可能である。薄膜を育成させる方法はLPE
法、スパッタ法、MOCVE法、MBE法等、現在薄膜結晶を得
るために用いられている方法が可能である。
(実施例) 酸化バリウムと酸化ホウ素を1:1のモル比で混合した粉
末をα−BBO育成原料に用い、融解して白金るつぼに充
填した。通常の高周波引き上げ炉でc軸方向に成長する
ようなα−BBOの種結晶を用い、直径30mm、長さ60mmの
α−BBOの単結晶を育成した。この結晶をc軸に垂直に
切断し、両面をアルミナ、ダイヤモンドペーストの研磨
粉を用いて鏡面研磨して厚さ2mm、直径30mmのα−BBOウ
エハーを得た。次にα−BBO育成原料と炭酸ナトリウム
を1:1のモル比で混合融解して白金るつぼに充填し、120
0℃3hr加熱してNa2O・BaB2O4とし、これをフラックス原
料とした。このフラックスとBaB2O4の平衡状態図を第1
図に示した。図中のA〜Bの組成でBaB2O4とフラックス
を混合し、融解した溶液からβ−BBOは初晶として育成
されることがわかる。しかし実際にはBaB2O4とNa2O・Ba
B2O4を混合した溶液から結晶が晶出してくる温度は、過
冷却のために状態図に示す温度以下になる。このことを
考慮にいれ、初晶がβ−BBOになる最適な組成はBaB2O4:
Na2O・BaB2O4が68.4:31.6のモル比であることが報告さ
れている。(例えば、ジャーナル・オブ・クリスタル・
グロウス 1986年 79巻 963−969ページ)このモル比
で混合した試料を、第2図のようなアルミナ耐火物2に
カンタル線5を巻いた抵抗加熱炉により直径50mmの白金
るつぼ6に融解、充填した。溶液を約950℃に温度を保
ち、サファイアロッド1に取り付けられた保持具4に取
り付けたα−BBOの基板3を20rpmで回転させながら溶液
の表面に接触させた。次に溶液の温度を950℃から850℃
まで1℃/minで下げて基板上にβ−BBOを晶出させた。
その後、基板の回転数を50rpmにして溶液表面から基板
を離した。常温まで除冷した後、基板を取り出して膜厚
を測定した結果、厚さ約20μmのβ−BBO薄膜が得られ
ていることがわかった。またa軸に垂直にカットして研
磨したα−BBOの基板を用いて同じ実験を試みたとこ
ろ、同じように厚さ約15μmのβ−BBOの薄膜単結晶が
得られた。
末をα−BBO育成原料に用い、融解して白金るつぼに充
填した。通常の高周波引き上げ炉でc軸方向に成長する
ようなα−BBOの種結晶を用い、直径30mm、長さ60mmの
α−BBOの単結晶を育成した。この結晶をc軸に垂直に
切断し、両面をアルミナ、ダイヤモンドペーストの研磨
粉を用いて鏡面研磨して厚さ2mm、直径30mmのα−BBOウ
エハーを得た。次にα−BBO育成原料と炭酸ナトリウム
を1:1のモル比で混合融解して白金るつぼに充填し、120
0℃3hr加熱してNa2O・BaB2O4とし、これをフラックス原
料とした。このフラックスとBaB2O4の平衡状態図を第1
図に示した。図中のA〜Bの組成でBaB2O4とフラックス
を混合し、融解した溶液からβ−BBOは初晶として育成
されることがわかる。しかし実際にはBaB2O4とNa2O・Ba
B2O4を混合した溶液から結晶が晶出してくる温度は、過
冷却のために状態図に示す温度以下になる。このことを
考慮にいれ、初晶がβ−BBOになる最適な組成はBaB2O4:
Na2O・BaB2O4が68.4:31.6のモル比であることが報告さ
れている。(例えば、ジャーナル・オブ・クリスタル・
グロウス 1986年 79巻 963−969ページ)このモル比
で混合した試料を、第2図のようなアルミナ耐火物2に
カンタル線5を巻いた抵抗加熱炉により直径50mmの白金
るつぼ6に融解、充填した。溶液を約950℃に温度を保
ち、サファイアロッド1に取り付けられた保持具4に取
り付けたα−BBOの基板3を20rpmで回転させながら溶液
の表面に接触させた。次に溶液の温度を950℃から850℃
まで1℃/minで下げて基板上にβ−BBOを晶出させた。
その後、基板の回転数を50rpmにして溶液表面から基板
を離した。常温まで除冷した後、基板を取り出して膜厚
を測定した結果、厚さ約20μmのβ−BBO薄膜が得られ
ていることがわかった。またa軸に垂直にカットして研
磨したα−BBOの基板を用いて同じ実験を試みたとこ
ろ、同じように厚さ約15μmのβ−BBOの薄膜単結晶が
得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、従来まで育成されていなかったβ−BB
O薄膜単結晶が大面積かつ歩留まり良く育成することが
でき、薄膜を利用した非線形光学デバイスの開発に大き
く貢献する。なお実施例では数十μm以下の薄膜につい
て説明したが、必要に応じてより厚い膜を育成すること
も可能である。
O薄膜単結晶が大面積かつ歩留まり良く育成することが
でき、薄膜を利用した非線形光学デバイスの開発に大き
く貢献する。なお実施例では数十μm以下の薄膜につい
て説明したが、必要に応じてより厚い膜を育成すること
も可能である。
第1図はフラックス育成の原理を説明するためのBaB2O4
−Na2O2元系平衡状態図である。第2図は本発明を実施
するための育成炉の構成を示す図。 図中1はサファイアロッド、2はアルミナ耐火物、3は
基板、4は保持具、5はカンタル線、6は白金るつぼで
ある。
−Na2O2元系平衡状態図である。第2図は本発明を実施
するための育成炉の構成を示す図。 図中1はサファイアロッド、2はアルミナ耐火物、3は
基板、4は保持具、5はカンタル線、6は白金るつぼで
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】ベータバリウムボレイト(β−BaB2O4)単
結晶薄膜の育成方法において、アルファバリウムボレイ
ト(α−BaB2O4)単結晶を基板として、その上にベータ
バリウムボレイトをエピタキシャル成長させることを特
徴とする単結晶薄膜の育成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10046389A JPH0788270B2 (ja) | 1989-04-19 | 1989-04-19 | 単結晶薄膜の育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10046389A JPH0788270B2 (ja) | 1989-04-19 | 1989-04-19 | 単結晶薄膜の育成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02279596A JPH02279596A (ja) | 1990-11-15 |
JPH0788270B2 true JPH0788270B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=14274603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10046389A Expired - Fee Related JPH0788270B2 (ja) | 1989-04-19 | 1989-04-19 | 単結晶薄膜の育成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0788270B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2807282B2 (ja) * | 1989-09-22 | 1998-10-08 | 住友金属鉱山株式会社 | ベータ型メタホウ酸バリウム単結晶の製造方法 |
JPH07108837B2 (ja) * | 1992-06-18 | 1995-11-22 | 日本電気株式会社 | ベータバリウムボレイト単結晶の育成方法 |
-
1989
- 1989-04-19 JP JP10046389A patent/JPH0788270B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02279596A (ja) | 1990-11-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |