JPH0787893A - 顆粒状ココア及びその製造法 - Google Patents

顆粒状ココア及びその製造法

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JPH0787893A
JPH0787893A JP5259073A JP25907393A JPH0787893A JP H0787893 A JPH0787893 A JP H0787893A JP 5259073 A JP5259073 A JP 5259073A JP 25907393 A JP25907393 A JP 25907393A JP H0787893 A JPH0787893 A JP H0787893A
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    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/30Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温水のみならず冷水にも容易に溶解分散し、
しかも長期保存においても溶解分散性が劣化しない顆粒
状ココア及びその製造法を提供することを目的とする。 【構成】 親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親油
性ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し、これをココ
アパウダーに噴霧してココアパウダーを顆粒とすること
を特徴とする顆粒状ココア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顆粒状ココア及びその
製造法に関する。詳しくは、親水性ポリグリセリン脂肪
酸エステルと親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを混
合し、これをココアパウダーに噴霧してココアパウダー
を顆粒とすることを特徴とする、温水のみならず冷水に
も容易に溶解分散し、しかも保存中に溶解分散性が劣化
しない顆粒状ココア及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ココアパウダーはカカオマスを部分的に
脱脂し、粉砕した疎水性の微粉末であり、通常10〜2
4%のカカオバターを含有している。これに温水を注ぐ
とママコとなり、均一に溶解分散することが難しく、撹
拌して分散させても次第に凝集して沈殿してゆく。この
ような微粉末の溶解分散性を改良するために、ココアパ
ウダーを公知の造粒法により顆粒とする方法が行われて
いる。しかしながら、これを熱湯に加えてよく撹拌して
も完全に溶解分散せずに粒子が残ることがあった。これ
は、ココアの脂肪のため顆粒の表面が疎水性となり水を
はじくため、粒子が水に濡れにくく、顆粒内部にも水が
侵入しにくいためと考えられる。このような顆粒状ココ
アの溶解分散性を改良するために、ココアパウダーを造
粒する際に親水性界面活性剤を添加して溶解分散性を向
上させる方法が行われている。この方法により、顆粒表
面が親水性界面活性剤の働きで親水性となり、ココア粒
子が水に濡れやすくなり、顆粒内部に水が侵入するた
め、温水のみならず冷水にも容易に溶解分散するものと
なった。しかしながらこのような顆粒状ココアは、保存
中に徐々に溶解分散性が劣化してゆき、長期間保存後に
は溶解分散性が著しく低下するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、温水のみな
らず冷水にも容易に溶解分散し、しかも長期保存におい
ても溶解分散性が劣化しない顆粒状ココア及びその製造
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の実
情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、親水性ポリグリセリン
脂肪酸エステルと親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル
を混合し、これをココアパウダーに噴霧してココアパウ
ダーを顆粒とすることにより、上記目的を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち本発
明は、親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親油性ポ
リグリセリン脂肪酸エステルを混合し、これをココアパ
ウダーに噴霧してココアパウダーを顆粒とすることを特
徴とする顆粒状ココア及びその製造法に関する。次に本
発明を詳しく説明する。
【0005】本発明で使用する親油性ポリグリセリン脂
肪酸エステルは、常温においてココアの粒子を互いに付
着させ、顆粒状態を保持するバインダーとしての働きが
必要であるため、常温において固体であることが必要で
ある。従って融点は40℃以上が望ましい。用いられる
脂肪酸は、食用油脂由来の炭素数12〜22の飽和脂肪
酸が望ましく、特に好ましくは炭素数18のステアリン
酸が良い。また、ポリグリセリンは平均重合度は4(テ
トラ)以上であればよいが、6(ヘキサ),10(デ
カ)が好ましい。エステル化度は30%以上が望まし
い。HLBは8以下のものが望ましい。本発明における
エステル化度とは数1で表せるものである。
【0006】
【数1】
【0007】本発明で使用する親水性ポリグリセリン脂
肪酸エステルは、ココアの溶解分散性を良くするため
に、なるべく親水性の高いものが良く、HLBが11以
上のものが望ましい。用いられる脂肪酸は、食用油脂由
来の炭素数12〜22の脂肪酸であれば特に限定しな
い。
【0008】本発明で使用する親水性ポリグリセリン脂
肪酸エステルとともにグリセリン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等を併用する
こともできる。
【0009】親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルに対
する親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、5〜
60重量%、好ましくは10〜50重量%である。5重
量%未満では溶解分散性の効果が弱く、60重量%を越
えると親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルのバインダ
ーとしての働き及び長期保存における溶解分散性の維持
効果が弱まる。
【0010】上記親水性ポリグリセリン脂肪酸エステル
と親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し、これ
を用いてココアパウダーを顆粒とする。ココアパウダー
を顆粒とするには、ココアパウダーを流動状態とし、そ
こに溶融した親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親
油性ポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物を噴霧し、
これをバインダーとして流動造粒する。親水性ポリグリ
セリン脂肪酸エステルと親油性ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルを混合溶融する方法は、例えば融点以上に加熱溶
融した親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルに親水性ポ
リグリセリン脂肪酸エステルを滴下し混合する方法、ま
た親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親油性ポリグ
リセリン脂肪酸エステルを混合しこれを親油性ポリグリ
セリン脂肪酸エステルの融点以上に加熱溶融する方法等
があるが特に限定はない。ココアパウダーに対する親水
性ポリグリセリン脂肪酸エステルと親油性ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルの混合物の量は5〜40重量%、好ま
しくは10〜30重量%である。5重量%未満では十分
な固さの顆粒にならず、40重量%を越えると溶解分散
性が悪くなるばかりでなく、風味的に好ましくない。得
られた顆粒は、粒径が10〜50メッシュ、好ましくは
20〜40メッシュのものが望ましく、カサ比重が0.
3〜0.7、好ましくは0.4〜0.6のものが望まし
い。
【0011】このようにして得た本発明の顆粒状ココア
は、親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルの働きにより
温水のみならず、冷水や牛乳にも容易に溶解分散するも
のとなった。しかも親油性ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを加えることにより、長期間の保存においても溶解分
散性が劣化しないものとなった。次に実施例により本発
明を具体的に説明する。
【0012】
【実施例】
実施例1 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにテトラグリセリン
ジステアレート(エステル化度33.3%、HLB7)
70部とデカグリセリンモノステアレート(HLB1
2)30部を混合したものを40部噴霧し、顆粒状ココ
アとした。
【0013】実施例2 ココアパウダー(脂肪含量16%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにヘキサグリセリン
トリステアレート(エステル化度37.5%、HLB
7)80部とデカグリセリンモノオレエート(HLB1
4.5)20部を混合したものを30部噴霧し、顆粒状
ココアとした。
【0014】実施例3 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにヘキサグリセリン
オクタステアレート(エステル化度100%、HLB
3.5)70部とデカグリセリンジステアレート(HL
B11)30部を混合したものを40部噴霧し、顆粒状
ココアとした。
【0015】実施例4 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにオクタグリセリン
ヘキサステアレート(エステル化度60%、HLB5)
60部とヘキサグリセリンモノラウレート(HLB1
4)40部を混合したものを50部噴霧し、顆粒状ココ
アとした。
【0016】実施例5 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにデカグリセリンデ
カステアレート(エステル化度83.3%、HLB4)
60部とヘキサグリセリンモノミリステート(HLB1
3)40部を混合したものを50部噴霧し、顆粒状ココ
アとした。
【0017】比較例1 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにトリグリセリンペ
ンタステアレート(エステル化度100%、HLB3)
70部とデカグリセリンモノステアレート(HLB1
2)30部を混合したものを40部噴霧し、顆粒状ココ
アとした。
【0018】比較例2 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにテトラグリセリン
モノステアレート(エステル化度16.7%、HLB1
0)70部とデカグリセリンモノステアレート(HLB
12)30部を混合したものを40部噴霧し、顆粒状コ
コアとした。
【0019】比較例3 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにヘキサグリセリン
ジステアレート(エステル化度25.0%、HLB9)
70部とデカグリセリンモノステアレート(HLB1
2)30部を混合したものを40部噴霧し、顆粒状ココ
アとした。
【0020】比較例4 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにデカグリセリント
リステアレート(エステル化度25.0%、HLB9)
70部とデカグリセリンモノステアレート(HLB1
2)30部を混合したものを40部噴霧し、顆粒状ココ
アとした。
【0021】比較例5 ココアパウダー(脂肪含量20%)200部を流動造粒
装置に入れ、流動状態とする。これにヘキサグリセリン
オクタステアレート(エステル化度100%、HLB
3.5)を溶融したものを40部噴霧し、顆粒状ココア
とした。
【0022】実施例1〜5で得た本発明の顆粒状ココア
と、比較例1〜5で得た顆粒状ココアをそれぞれ室温に
保存し、定期的に水に対する溶解分散性(水100ml
に対する試料12gの溶解分散性)を評価した。結果を
表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から、実施例の顆粒状ココアは
何れも容易に水に分散し、しかも6ケ月保存後も溶解分
散性は良好であった。比較例1〜4は、製造直後は溶解
分散性は良好であったが、保存1ケ月後には溶解分散性
が著しく劣化した。比較例5は、水に溶解分散しないも
のとなった。
【0025】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、温水のみなら
ず冷水にも容易に溶解分散し、しかも長期保存において
も溶解分散性が劣化しない顆粒状ココアが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルと
    親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合し、これを
    ココアパウダーに噴霧してココアパウダーを顆粒とする
    ことを特徴とする顆粒状ココア及びその製造法。
  2. 【請求項2】 親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル
    が、ポリグリセリンの平均重合度が4(テトラ)以上で
    あり、エステル化度が30%以上である請求項1記載の
    顆粒状ココア及びその製造法。
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