JPH0787794B2 - 生物変換によるアミノ酸の製造 - Google Patents
生物変換によるアミノ酸の製造Info
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- JPH0787794B2 JPH0787794B2 JP60022734A JP2273485A JPH0787794B2 JP H0787794 B2 JPH0787794 B2 JP H0787794B2 JP 60022734 A JP60022734 A JP 60022734A JP 2273485 A JP2273485 A JP 2273485A JP H0787794 B2 JPH0787794 B2 JP H0787794B2
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- C12P13/00—Preparation of nitrogen-containing organic compounds
- C12P13/04—Alpha- or beta- amino acids
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- C12N9/10—Transferases (2.)
- C12N9/1096—Transferases (2.) transferring nitrogenous groups (2.6)
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Description
【発明の詳細な説明】 アミノ基転移反応によるアミノ酸の製造は、アミノトラ
ンスフエラーゼの存在下、アミン供与体からアミノ酸の
α−ケト酸前駆体である受容体へのアミノ基の共有結合
転移が関与する。アミノ基転移は次の一般式で表すこと
ができる。
ンスフエラーゼの存在下、アミン供与体からアミノ酸の
α−ケト酸前駆体である受容体へのアミノ基の共有結合
転移が関与する。アミノ基転移は次の一般式で表すこと
ができる。
式中、(I)はアミン供与体、(II)はケト酸前駆体、
(III)はケト酸生成物、(IV)はアミノ酸、a.t.はア
ミノトランスフエラーゼである。この反応は可逆的であ
り、したがつてアミノトランスフエラーゼはアミノ酸の
合成にも分解にも利用することができる。
(III)はケト酸生成物、(IV)はアミノ酸、a.t.はア
ミノトランスフエラーゼである。この反応は可逆的であ
り、したがつてアミノトランスフエラーゼはアミノ酸の
合成にも分解にも利用することができる。
アミノ酸の合成には、生合成の最終工程としてアミノ基
転移を包含する場合が多い。たとえば、芳香族アミノ酸
であるフエニルアラニンおよびチロシンの生合成には、
最終工程としてアミノトランスフエラーゼの作用を必要
とする。フエニルピルビン酸は、グルタミン酸からアミ
ノ基を転移するアミノトランスフエラーゼによつてフエ
ニルアラニンに変換される。この反応でのケト酸生成物
はα−ケトグルタール酸である。同様に、グルタミン酸
からのアミノ基は4−ヒドロキシフエニルピルビン酸に
転移されてチロシンを産生する。
転移を包含する場合が多い。たとえば、芳香族アミノ酸
であるフエニルアラニンおよびチロシンの生合成には、
最終工程としてアミノトランスフエラーゼの作用を必要
とする。フエニルピルビン酸は、グルタミン酸からアミ
ノ基を転移するアミノトランスフエラーゼによつてフエ
ニルアラニンに変換される。この反応でのケト酸生成物
はα−ケトグルタール酸である。同様に、グルタミン酸
からのアミノ基は4−ヒドロキシフエニルピルビン酸に
転移されてチロシンを産生する。
アミノ基転移反応に用いられるアミノトランスフエラー
ゼは、多種の原料から、とくにアミノトランスフエラー
ゼ産生微生物から得ることができる。天然の微生物、い
わゆる野生型微生物は多種のアミノトランスフエラーゼ
の産生能をもつている。
ゼは、多種の原料から、とくにアミノトランスフエラー
ゼ産生微生物から得ることができる。天然の微生物、い
わゆる野生型微生物は多種のアミノトランスフエラーゼ
の産生能をもつている。
一般に、アミノ基転移反応によるアミノ酸の産生速度
は、使用した特定のアミノ酸の活性およびアミノ基転移
反応を行う温度によつて決定される。野生型微生物によ
つて産生されるアミノトランスフエラーゼは大部分、40
℃またはそれ以上の温度では、ほとんど活性が消失す
る。しかも、野生型微生物によつて産生されるアミノト
ランスフエラーゼは、高濃度のケト酸前駆体および/ま
たはアミノ酸生成物の存在によつても活性を失う。
は、使用した特定のアミノ酸の活性およびアミノ基転移
反応を行う温度によつて決定される。野生型微生物によ
つて産生されるアミノトランスフエラーゼは大部分、40
℃またはそれ以上の温度では、ほとんど活性が消失す
る。しかも、野生型微生物によつて産生されるアミノト
ランスフエラーゼは、高濃度のケト酸前駆体および/ま
たはアミノ酸生成物の存在によつても活性を失う。
本発明の目的は、温度によるアミノトランスフエラーゼ
活性の消失効果を低下させることによりアミノ基転移反
応によるアミノ酸の産生速度を増大させた方法、高濃度
のケト酸前駆体を用いてアミノ基転移反応を実施できる
方法を提供することにある。
活性の消失効果を低下させることによりアミノ基転移反
応によるアミノ酸の産生速度を増大させた方法、高濃度
のケト酸前駆体を用いてアミノ基転移反応を実施できる
方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、アミノトランスフエラーゼを
過剰に産生できるように遺伝的に改良した微生物から得
られるアミノトランスフエラーゼを用いるアミノ基転移
反応によりアミノ酸を製造する方法を提供することにあ
り、このアミノ基転移反応の間、微生物は透過性にされ
る。
過剰に産生できるように遺伝的に改良した微生物から得
られるアミノトランスフエラーゼを用いるアミノ基転移
反応によりアミノ酸を製造する方法を提供することにあ
り、このアミノ基転移反応の間、微生物は透過性にされ
る。
本発明の他の目的は、アミノトランスフエラーゼが通常
は使用できなくなる温度より高温で行われるアミノ基転
移反応によつてアミノ酸を製造する方法を提供すること
にある。
は使用できなくなる温度より高温で行われるアミノ基転
移反応によつてアミノ酸を製造する方法を提供すること
にある。
発明の要約 本発明は、アミノトランスフエラーゼを過剰に産生する
ように遺伝的に改良した微生物から得られるアミノトラ
ンスフエラーゼの存在下、アミン供与体とアミノ酸のケ
ト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に従つてアミノ酸
を製造する方法において、アミノ基転移反応は40℃また
はそれ以上の温度で実施する改良方法に関する。
ように遺伝的に改良した微生物から得られるアミノトラ
ンスフエラーゼの存在下、アミン供与体とアミノ酸のケ
ト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に従つてアミノ酸
を製造する方法において、アミノ基転移反応は40℃また
はそれ以上の温度で実施する改良方法に関する。
また、本発明は、アミノトランスフエラーゼを過剰に産
生するように遺伝的に改良した微生物から得られるアミ
ノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与体とアミノ
酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に従つてア
ミノ酸を製造する方法において、アミノ基転移反応を40
℃またはそれ以上の温度で実施することにより反応の過
程中、微生物を透過性にする改良方法に関する。
生するように遺伝的に改良した微生物から得られるアミ
ノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与体とアミノ
酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に従つてア
ミノ酸を製造する方法において、アミノ基転移反応を40
℃またはそれ以上の温度で実施することにより反応の過
程中、微生物を透過性にする改良方法に関する。
さらに、本発明は、アミノトランスフエラーゼを過剰に
産生するように遺伝的に改良した微生物から得られるア
ミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与体とアミ
ノ酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に従つて
アミノ酸を製造する方法において、アミノ基転移反応は
40℃またはそれ以上の温度で、高濃度のケト酸前駆体を
用いて実施する改良方法に関する。
産生するように遺伝的に改良した微生物から得られるア
ミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与体とアミ
ノ酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に従つて
アミノ酸を製造する方法において、アミノ基転移反応は
40℃またはそれ以上の温度で、高濃度のケト酸前駆体を
用いて実施する改良方法に関する。
発明の詳細な記述 本発明によれば、アミノトランスフエラーゼを過剰に産
生する遺伝的に改良された微生物を用いたアミノ基転移
反応に従つて、高収率のアミノ酸が高い産生速度で得ら
れる。本明細書において用いられる「アミノトランスフ
エラーゼを過剰に産生する遺伝的に改良された微生物」
の語は、少なくとも200単位/g細胞乾燥重量のレベルで
アミノトランスフエラーゼを産生する遺伝的に改良され
た微生物を意味する。本明細書で用いられる「変換率」
の語は、アミノ酸産生量(g)/存在する細胞(または
微生物)の乾燥重量(g)×平衡時間、あるいはアミノ
酸産生量(g)/104酵素活性単位×平衡時間で表され
る。「酵素活性単位」とは、反応混合物中に存在する微
生物によつて生じた反応混合物の酵素活性を指す。「平
衡時間」とは、反応によつて最大濃度のアミノ酸が産生
した時間を指す。
生する遺伝的に改良された微生物を用いたアミノ基転移
反応に従つて、高収率のアミノ酸が高い産生速度で得ら
れる。本明細書において用いられる「アミノトランスフ
エラーゼを過剰に産生する遺伝的に改良された微生物」
の語は、少なくとも200単位/g細胞乾燥重量のレベルで
アミノトランスフエラーゼを産生する遺伝的に改良され
た微生物を意味する。本明細書で用いられる「変換率」
の語は、アミノ酸産生量(g)/存在する細胞(または
微生物)の乾燥重量(g)×平衡時間、あるいはアミノ
酸産生量(g)/104酵素活性単位×平衡時間で表され
る。「酵素活性単位」とは、反応混合物中に存在する微
生物によつて生じた反応混合物の酵素活性を指す。「平
衡時間」とは、反応によつて最大濃度のアミノ酸が産生
した時間を指す。
本発明の好ましい態様によれば、アミノトランスフエラ
ーゼを過剰に産生できる問題の微生物は適当な培地中で
生育される。一般にこの微生物は、目的のアミノ酸のケ
ト酸前駆体にアミノ基を転移できるアミノトランスフエ
ラーゼをコードする遺伝子をもつプラスミドを含有す
る。このような培地は本技術分野における通常の熟練者
にはよく知られているもので、たとえば、酵母抽出液、
グルタミン酸および無機塩を含有する培地等である。こ
のような培地は一般に、市販されているか、あるいは本
技術分野における通常の熟練者には容易に調製できる。
細胞は25℃から40℃までの温度範囲内で、好ましくは約
37℃において、約16時間または好ましくは細胞濃度が少
なくとも10g/l、とくに好ましくは30g/lになるまで培養
する。細胞は生育培地の存在下に使用してもよいし、ま
た遠心分離して収穫してもよい。また、細胞は無傷のま
ま使用してもよいし、処理してアミノトランスフエラー
ゼを放出させてもよい。アミノトランスフエラーゼを放
出させる方法は本技術分野においてよく知られていて、
たとえば、細胞の表面活性剤たとえば0.2%トリトンX-1
00、0.2%デオキシコール酸等による処理、凍結/解凍
による物理的破壊、超音波処理、圧力崩壊などがある。
無傷細胞を本発明の操作に従つて用いると、驚くべきこ
とに、アミノ基転移反応を実施する温度において細胞が
透過性になることを発見した。とくに、本発明の方法を
40℃以上の温度で実施すると、細胞は透過性になること
が明らかにされた。本発明を実施するに際しては、アミ
ノ基転移反応前に細胞が透過性にはならないことが好ま
しい。
ーゼを過剰に産生できる問題の微生物は適当な培地中で
生育される。一般にこの微生物は、目的のアミノ酸のケ
ト酸前駆体にアミノ基を転移できるアミノトランスフエ
ラーゼをコードする遺伝子をもつプラスミドを含有す
る。このような培地は本技術分野における通常の熟練者
にはよく知られているもので、たとえば、酵母抽出液、
グルタミン酸および無機塩を含有する培地等である。こ
のような培地は一般に、市販されているか、あるいは本
技術分野における通常の熟練者には容易に調製できる。
細胞は25℃から40℃までの温度範囲内で、好ましくは約
37℃において、約16時間または好ましくは細胞濃度が少
なくとも10g/l、とくに好ましくは30g/lになるまで培養
する。細胞は生育培地の存在下に使用してもよいし、ま
た遠心分離して収穫してもよい。また、細胞は無傷のま
ま使用してもよいし、処理してアミノトランスフエラー
ゼを放出させてもよい。アミノトランスフエラーゼを放
出させる方法は本技術分野においてよく知られていて、
たとえば、細胞の表面活性剤たとえば0.2%トリトンX-1
00、0.2%デオキシコール酸等による処理、凍結/解凍
による物理的破壊、超音波処理、圧力崩壊などがある。
無傷細胞を本発明の操作に従つて用いると、驚くべきこ
とに、アミノ基転移反応を実施する温度において細胞が
透過性になることを発見した。とくに、本発明の方法を
40℃以上の温度で実施すると、細胞は透過性になること
が明らかにされた。本発明を実施するに際しては、アミ
ノ基転移反応前に細胞が透過性にはならないことが好ま
しい。
したがつて、アミン供与体とケト酸前駆体を含有する混
合物に無傷細胞を加えることができる。アミノ基転移反
応の実施前に細胞が透過性になつた場合には、放出され
たアミノトランスフエラーゼを含む溶液の一部と、アミ
ン供与体およびケト酸前駆体を含む混合物に添加する。
生成した反応混合物を、好ましくは、反応混合物が平衡
に達するに十分な時間インキユベートする。
合物に無傷細胞を加えることができる。アミノ基転移反
応の実施前に細胞が透過性になつた場合には、放出され
たアミノトランスフエラーゼを含む溶液の一部と、アミ
ン供与体およびケト酸前駆体を含む混合物に添加する。
生成した反応混合物を、好ましくは、反応混合物が平衡
に達するに十分な時間インキユベートする。
用いた特定のアミノトランスフエラーゼによつて、反応
混合物のpHは5から9の範囲内に維持される。フエニル
アラニンを製造する場合には、反応混合物のpHは好まし
くは6.5〜9、とくに好ましくは7.5〜8.5に維持され
る。反応混合物のpHを、酵素活性の維持に適当な範囲に
維持するには、適当な緩衝液を使用することができる。
混合物のpHは5から9の範囲内に維持される。フエニル
アラニンを製造する場合には、反応混合物のpHは好まし
くは6.5〜9、とくに好ましくは7.5〜8.5に維持され
る。反応混合物のpHを、酵素活性の維持に適当な範囲に
維持するには、適当な緩衝液を使用することができる。
アミノ酸の収率を増大させ、反応混合物を安定化させる
ためには、アミノトランスフエラーゼに対する補因子、
たとえばピリドキサール−5−ホスフエート、ピリドキ
シン、ピリドキサミンまたはその誘導体を反応混合物に
添加することができる。反応混合物に添加する補因子の
量は、本技術分野における通常の熟練者であれば容易に
確認できる。
ためには、アミノトランスフエラーゼに対する補因子、
たとえばピリドキサール−5−ホスフエート、ピリドキ
シン、ピリドキサミンまたはその誘導体を反応混合物に
添加することができる。反応混合物に添加する補因子の
量は、本技術分野における通常の熟練者であれば容易に
確認できる。
さらに、反応混合物にギ酸を添加すると、反応速度およ
びアミノ酸の産生を増大させることができる。ギ酸は0.
5M〜約15Mの濃度範囲で用いることが好ましい。反応混
合物へのギ酸の添加はアミノトランスフエラーゼの活性
を増大させ、またとくに反応を40℃またはそれ以上の温
度で行う場合にアミノトランスフエラーゼを安定化させ
ることにより、反応速度を上昇させる。
びアミノ酸の産生を増大させることができる。ギ酸は0.
5M〜約15Mの濃度範囲で用いることが好ましい。反応混
合物へのギ酸の添加はアミノトランスフエラーゼの活性
を増大させ、またとくに反応を40℃またはそれ以上の温
度で行う場合にアミノトランスフエラーゼを安定化させ
ることにより、反応速度を上昇させる。
本発明の方法に従つて製造される代表的なアミノ酸とし
ては、L−アルギニン、L−グルタミン酸、L−セリ
ン、L−チロシン、L−フエニルアラニン、L−トリプ
トフアン、L−ジヒドロキシフエニルアラニン(L−ド
ーパ)、L−ヒスチジン、L−リジン、L−イソロイシ
ン、L−メチオニン等を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。本発明の方法は、芳香族ア
ミノ酸、たとえばL−フエニルアラニン、L−チロシン
等の製造にとくに有効である。
ては、L−アルギニン、L−グルタミン酸、L−セリ
ン、L−チロシン、L−フエニルアラニン、L−トリプ
トフアン、L−ジヒドロキシフエニルアラニン(L−ド
ーパ)、L−ヒスチジン、L−リジン、L−イソロイシ
ン、L−メチオニン等を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。本発明の方法は、芳香族ア
ミノ酸、たとえばL−フエニルアラニン、L−チロシン
等の製造にとくに有効である。
本発明の方法に用いられる特定のアミノ酸供与体および
ケト酸前駆体の選択は、製造すべき特定のアミノ酸によ
り、本技術分野の通常の熟練者であれば容易に確認でき
る。用いるアミノトランスフエラーゼによつては、広範
囲のアミン供与体を使用できる。アミノトランスフエラ
ーゼとしてアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼを
用いた場合、グルタミン酸、アラニン、アスパラギン
酸、チロシンまたはその誘導体をアミン供与体として使
用することができる。使用するケト酸前駆体は、目的の
特定のアミノ酸によつてきまる。ケト酸前駆体は遊離酸
またはその塩の形で使用できる。たとえば、フエニルア
ラニンの製造に際しては、ケト酸前駆体としてフエニル
ピルビン酸またはその誘導体が用いられる。
ケト酸前駆体の選択は、製造すべき特定のアミノ酸によ
り、本技術分野の通常の熟練者であれば容易に確認でき
る。用いるアミノトランスフエラーゼによつては、広範
囲のアミン供与体を使用できる。アミノトランスフエラ
ーゼとしてアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼを
用いた場合、グルタミン酸、アラニン、アスパラギン
酸、チロシンまたはその誘導体をアミン供与体として使
用することができる。使用するケト酸前駆体は、目的の
特定のアミノ酸によつてきまる。ケト酸前駆体は遊離酸
またはその塩の形で使用できる。たとえば、フエニルア
ラニンの製造に際しては、ケト酸前駆体としてフエニル
ピルビン酸またはその誘導体が用いられる。
第1表は、各種のアミノ酸の製造に使用できる適当なケ
ト酸前駆体を例示したものである。
ト酸前駆体を例示したものである。
アミン供与体とケト酸前駆体の割合は本技術分野におけ
る通常の熟練者によれば容易に確認することができる。
アミン供与体とケト酸前駆体の割合は理論的には少なく
とも1:1であるが、アミン供与体を過剰に用いることが
好ましい。たとえば、フエニルアラニンを製造するに際
しては、グルタミン酸をアミン供与体とする場合、グル
タミン酸:フエニルピルビン酸の割合は約3:1から約4:1
の範囲が好ましいことが明らかにされている。また、フ
エニルアラニンの製造に際しアスパラギン酸をアミン供
与体とする場合、アスパラギン酸:フエニルピルビン酸
の割合は、約1:1から1.5:1の範囲が好ましく、とくに1:
1から1.2:1の範囲が好ましいことが明らかにされてい
る。
る通常の熟練者によれば容易に確認することができる。
アミン供与体とケト酸前駆体の割合は理論的には少なく
とも1:1であるが、アミン供与体を過剰に用いることが
好ましい。たとえば、フエニルアラニンを製造するに際
しては、グルタミン酸をアミン供与体とする場合、グル
タミン酸:フエニルピルビン酸の割合は約3:1から約4:1
の範囲が好ましいことが明らかにされている。また、フ
エニルアラニンの製造に際しアスパラギン酸をアミン供
与体とする場合、アスパラギン酸:フエニルピルビン酸
の割合は、約1:1から1.5:1の範囲が好ましく、とくに1:
1から1.2:1の範囲が好ましいことが明らかにされてい
る。
本発明の方法においては、驚くべきことに、ケト酸前駆
体濃度を10g/l以上とすることが有効であることが発見
された。L−フエニルアラニンの製造に際しては、フエ
ニルピルビン酸を30〜60g/lの範囲の濃度とすることが
好ましいことが明らかにされている。さらに、フエニル
ピルビン酸の製造に際して生成し、フエニルピルビン酸
をケト酸前駆体として用いるアミノ基転移反応混合物中
に通常入つてくる反応副生物(たとえば、塩、二量体
等)がフエニルアラニンの収率に影響しないことも明ら
かにされている。さらに、ケト酸前駆体として用いられ
るフエニルピルビン酸は、市販品を購入してあるいはin
situで製造して用いてもよく、本発明のアミノ基転移
反応では、単離も精製も必要でないことが明らかにされ
ている。フエニルピルビン酸は、ベンズアルデヒドとヒ
ダントインを反応させ、生成したベンジリデンヒダント
インを加水分解してフエニルピルビン酸またはその塩に
導くことにより製造できる。
体濃度を10g/l以上とすることが有効であることが発見
された。L−フエニルアラニンの製造に際しては、フエ
ニルピルビン酸を30〜60g/lの範囲の濃度とすることが
好ましいことが明らかにされている。さらに、フエニル
ピルビン酸の製造に際して生成し、フエニルピルビン酸
をケト酸前駆体として用いるアミノ基転移反応混合物中
に通常入つてくる反応副生物(たとえば、塩、二量体
等)がフエニルアラニンの収率に影響しないことも明ら
かにされている。さらに、ケト酸前駆体として用いられ
るフエニルピルビン酸は、市販品を購入してあるいはin
situで製造して用いてもよく、本発明のアミノ基転移
反応では、単離も精製も必要でないことが明らかにされ
ている。フエニルピルビン酸は、ベンズアルデヒドとヒ
ダントインを反応させ、生成したベンジリデンヒダント
インを加水分解してフエニルピルビン酸またはその塩に
導くことにより製造できる。
温度およびケト酸前駆体の濃度に加えて、反応混合物の
アミノトランスフエラーゼ活性は、反応混合物に添加さ
れたアミノトランスフエラーゼ含有細胞の量によつても
決定される。各細胞のアミノトランスフエラーゼ活性が
低いほど、反応を維持するために多量の細胞を反応混合
物に添加しなければならない。しかしながら、反応混合
物に添加する細胞の量が多くなるほど、アミノ酸生成物
の単離は困難になる。野生型微生物に代えて遺伝的に改
良した微生物を用いる本発明の方法におけるひとつの利
点は、反応混合物中のアミノトランスフエラーゼ活性を
最大にし、存在させる細胞の総量を最小にすることが可
能であることを発見し、それによつて生成物の単離を容
易にした点にある。本発明の方法における反応混合物中
の細胞の低濃度は、細胞残屑の除去を容易にし、アミノ
酸生成物の回収率を高める。本発明の方法を実施する場
合、アミノトランスフエラーゼ活性を0.5×104単位/lま
たはそれ以上にするに十分な細胞濃度が好ましいことが
明らかにされている。
アミノトランスフエラーゼ活性は、反応混合物に添加さ
れたアミノトランスフエラーゼ含有細胞の量によつても
決定される。各細胞のアミノトランスフエラーゼ活性が
低いほど、反応を維持するために多量の細胞を反応混合
物に添加しなければならない。しかしながら、反応混合
物に添加する細胞の量が多くなるほど、アミノ酸生成物
の単離は困難になる。野生型微生物に代えて遺伝的に改
良した微生物を用いる本発明の方法におけるひとつの利
点は、反応混合物中のアミノトランスフエラーゼ活性を
最大にし、存在させる細胞の総量を最小にすることが可
能であることを発見し、それによつて生成物の単離を容
易にした点にある。本発明の方法における反応混合物中
の細胞の低濃度は、細胞残屑の除去を容易にし、アミノ
酸生成物の回収率を高める。本発明の方法を実施する場
合、アミノトランスフエラーゼ活性を0.5×104単位/lま
たはそれ以上にするに十分な細胞濃度が好ましいことが
明らかにされている。
本発明の方法に従つて産生されたアミノ酸は慣用方法に
よつて単離できる。たとえば、問題のアミノ酸が不溶
で、水混和性の溶媒を反応混合物に添加してもよい。水
混和性溶媒を添加すると、問題のアミノ酸が沈殿し、反
応混合物から除去される。このアミノ酸生成物の単離方
法は、アミノ基転移反応に用いられるアミノトランスフ
エラーゼを阻害するアミノ酸、たとえばフエニルアラニ
ンを製造する場合にはとくに重要である。
よつて単離できる。たとえば、問題のアミノ酸が不溶
で、水混和性の溶媒を反応混合物に添加してもよい。水
混和性溶媒を添加すると、問題のアミノ酸が沈殿し、反
応混合物から除去される。このアミノ酸生成物の単離方
法は、アミノ基転移反応に用いられるアミノトランスフ
エラーゼを阻害するアミノ酸、たとえばフエニルアラニ
ンを製造する場合にはとくに重要である。
本発明の方法においては、微生物によつて産生される広
範囲のアミノトランスフエラーゼが本発明の操作に有効
であることが明らかにされている。このようなアミノト
ランスフエラーゼの例としては、アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ、分枝鎖アミノトランスフエラー
ゼ、芳香族アミノトランスフエラーゼのように大腸菌遺
伝子asp C、tyr Bおよびilv E等の遺伝子生成物として
定義できるアミノトランスフエラーゼを挙げることがで
きるが、これに限定されるものではない。
範囲のアミノトランスフエラーゼが本発明の操作に有効
であることが明らかにされている。このようなアミノト
ランスフエラーゼの例としては、アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ、分枝鎖アミノトランスフエラー
ゼ、芳香族アミノトランスフエラーゼのように大腸菌遺
伝子asp C、tyr Bおよびilv E等の遺伝子生成物として
定義できるアミノトランスフエラーゼを挙げることがで
きるが、これに限定されるものではない。
上述のアミノトランスフエラーゼを遺伝的に改良された
微生物を用いて産生させる場合、それは必ずしも純粋で
ある必要はない。問題のアミノトランスフエラーゼを含
有する未精製の粗抽出液を本発明の方法に使用できるこ
とも明らかにされている。これらの抽出液は、もちろ
ん、本発明の方法に従つて利用するのに先立つて、部分
的に精製することもできる。本発明の方法に従つて、2
種またはそれ以上のアミノトランスフエラーゼの混合物
を使用することもできる。本発明の方法によつてフエニ
ルアラニンを製造する場合には、使用するアミノトラン
スフエラーゼはアスパラギン酸アミノトランスフェラー
ゼであることが好ましい。
微生物を用いて産生させる場合、それは必ずしも純粋で
ある必要はない。問題のアミノトランスフエラーゼを含
有する未精製の粗抽出液を本発明の方法に使用できるこ
とも明らかにされている。これらの抽出液は、もちろ
ん、本発明の方法に従つて利用するのに先立つて、部分
的に精製することもできる。本発明の方法に従つて、2
種またはそれ以上のアミノトランスフエラーゼの混合物
を使用することもできる。本発明の方法によつてフエニ
ルアラニンを製造する場合には、使用するアミノトラン
スフエラーゼはアスパラギン酸アミノトランスフェラー
ゼであることが好ましい。
慣用のアミノ基転移反応によるアミノ酸の製造はアミノ
トランスフエラーゼの活性によつて制限を受け、反応温
度が高くなるとアミノトランスフエラーゼの活性が実質
的に低下するか効果的に阻害されるという事実から、40
℃またはそれ以上の温度でのアミノ基転移反応によつて
アミノ酸を製造するためには、温度および/または高濃
度のケト酸によるアミノトランスフエラーゼの変性作用
を克服するのに十分な高レベルにアミノトランスフエラ
ーゼ活性を上昇させる必要があることが明らかにされ
た。野生型微生物は本発明の方法を実施するのに十分な
量のアミノトランスフエラーゼを産生しないので、アミ
ノトランスフエラーゼを過剰に産生する遺伝的に改良さ
れた微生物を使用する必要がある。本技術分野における
通常の熟練者が容易に確認できるように、微生物は慣用
技術によつて容易に、遺伝的に改良することができる。
このような技術には、たとえば、突然変異、形質導入、
形質転換(たとえば多コピープラスミドを用いて)、抱
合およびin vitroでの遺伝子操作がある。たとえば、
アミノトランスフエラーゼ過剰産生株を突然変異後に単
離することができる。また、適当なアミノトランスフエ
ラーゼの遺伝子を適当なプラスミドまたはフアージベク
ターにクローン化することができる。別の態様として、
アミノトランスフエラーゼ遺伝子を適当なベクター上に
単離し、ついでそのアミノトランスフエラーゼ遺伝子の
表現を上昇できるようにin vitroまたはin vivoで操作
する方法もある。これは、たとえば、遺伝子をもつと強
力な構造プロモーターに融合させることにより実行でき
る。ついで、単離した可動化アミノトランスフエラーゼ
遺伝子を、組換え、転位またはフアージ相互作用のよう
な技術によつて微生物の染色体に戻し挿入する。
トランスフエラーゼの活性によつて制限を受け、反応温
度が高くなるとアミノトランスフエラーゼの活性が実質
的に低下するか効果的に阻害されるという事実から、40
℃またはそれ以上の温度でのアミノ基転移反応によつて
アミノ酸を製造するためには、温度および/または高濃
度のケト酸によるアミノトランスフエラーゼの変性作用
を克服するのに十分な高レベルにアミノトランスフエラ
ーゼ活性を上昇させる必要があることが明らかにされ
た。野生型微生物は本発明の方法を実施するのに十分な
量のアミノトランスフエラーゼを産生しないので、アミ
ノトランスフエラーゼを過剰に産生する遺伝的に改良さ
れた微生物を使用する必要がある。本技術分野における
通常の熟練者が容易に確認できるように、微生物は慣用
技術によつて容易に、遺伝的に改良することができる。
このような技術には、たとえば、突然変異、形質導入、
形質転換(たとえば多コピープラスミドを用いて)、抱
合およびin vitroでの遺伝子操作がある。たとえば、
アミノトランスフエラーゼ過剰産生株を突然変異後に単
離することができる。また、適当なアミノトランスフエ
ラーゼの遺伝子を適当なプラスミドまたはフアージベク
ターにクローン化することができる。別の態様として、
アミノトランスフエラーゼ遺伝子を適当なベクター上に
単離し、ついでそのアミノトランスフエラーゼ遺伝子の
表現を上昇できるようにin vitroまたはin vivoで操作
する方法もある。これは、たとえば、遺伝子をもつと強
力な構造プロモーターに融合させることにより実行でき
る。ついで、単離した可動化アミノトランスフエラーゼ
遺伝子を、組換え、転位またはフアージ相互作用のよう
な技術によつて微生物の染色体に戻し挿入する。
本明細書に述べたように遺伝的に改良できる微生物とし
ては、たとえば、アクロモバクター(Achromobacter a
quatilis,Achromobacter liquidum);アスペルギル
ス(Aspergillus oryzae,Aspergillus niger);バ
チルス属(Bacillus species)たとえばBacillus mega
terium,Bacillus subtilis);バクテリウム属(Bact
erium succinium):ブレビバクテリウム属(Brevibac
terium species)たとえばBrevibacterium flavum:コ
リネバクテリウム属(Corynebacterium species)たと
えばCorynebacterium glutaminicumを含めたコリネフ
オルム細菌;エルウイニア(Erwinia herbicola):エ
シエリヒア(Escherichia coli);グルコノバクター
(Gluconobacter melanogenus);ラクトバチルス(La
ctobacillus bulgaris);ミクロコツカス(Micrococc
us ureae);ペニシリウム(Penicillium vinaceu
m):プロテウス(Proteus vulgaris);シユードモナ
ス属(Pseudomonas species)たとえばPseudomonas ae
ruginosa,Pseudomonas dacunhae,Pseudomonas puti
da;サルシナ(Sarcina lutea);ストレプトミセス
(Streptomyces griseus,Streptomyces phaeochromo
genus):セラシア(Serratia marcescens);ならび
にサツカロミセス属(Saccharomyces species)および
スキゾサツカロミセス属(Schizosaccharomyces specie
s)を挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。これらの微生物は必ずしも無傷の生細胞でなく
てもよく、凍結乾燥処理、熱処理またはアセトン処理等
を行つて本発明における使用前に細胞を透過性にしたも
のでもよい。
ては、たとえば、アクロモバクター(Achromobacter a
quatilis,Achromobacter liquidum);アスペルギル
ス(Aspergillus oryzae,Aspergillus niger);バ
チルス属(Bacillus species)たとえばBacillus mega
terium,Bacillus subtilis);バクテリウム属(Bact
erium succinium):ブレビバクテリウム属(Brevibac
terium species)たとえばBrevibacterium flavum:コ
リネバクテリウム属(Corynebacterium species)たと
えばCorynebacterium glutaminicumを含めたコリネフ
オルム細菌;エルウイニア(Erwinia herbicola):エ
シエリヒア(Escherichia coli);グルコノバクター
(Gluconobacter melanogenus);ラクトバチルス(La
ctobacillus bulgaris);ミクロコツカス(Micrococc
us ureae);ペニシリウム(Penicillium vinaceu
m):プロテウス(Proteus vulgaris);シユードモナ
ス属(Pseudomonas species)たとえばPseudomonas ae
ruginosa,Pseudomonas dacunhae,Pseudomonas puti
da;サルシナ(Sarcina lutea);ストレプトミセス
(Streptomyces griseus,Streptomyces phaeochromo
genus):セラシア(Serratia marcescens);ならび
にサツカロミセス属(Saccharomyces species)および
スキゾサツカロミセス属(Schizosaccharomyces specie
s)を挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。これらの微生物は必ずしも無傷の生細胞でなく
てもよく、凍結乾燥処理、熱処理またはアセトン処理等
を行つて本発明における使用前に細胞を透過性にしたも
のでもよい。
本発明の方法を例示する目的で、アミノトランスフエラ
ーゼに豊む菌株の構築例を示せば、たとえばE.coliK12
からのアスパラギン酸アミノトランスフエラーゼをコー
ドする遺伝子(asp C)を多コピープラスミドpAT 153に
クローン化する方法がある。クローン化株を適当な菌株
たとえばE.coliK12W3110に形質転換すると、得られた菌
株はasp C遺伝子生成物を10〜100倍過剰に産生する。ア
スパラギン酸アミノトランスフエラーゼは、アミノ基転
位、すなわちアミン供与体としてL−アスパラギン酸お
よびL−グルタミン酸のいずれを用いても、フエニルピ
ルビン酸のフエニルアラニンへの変換に活性を示すこと
が知られている。asp Cがコードする蛋白質は比較的熱
安定性が高いという利点もある。asp Cクローンは、E.coliK12または他の適当な微生物か
らの適当に制限されたDNAを適当なベクターたとえばpAT
153にリゲーシヨンするによつて得るのが好ましい。生
成したリゲーシヨン反応混合物を用いて、次に、適当な
受容体、たとえばHW 159{アメリカン タイプ カルチ
ヤー コレクシヨン(American Type Culture Collecti
on),12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852
に寄託,ATCC39260}を形質転換する。この菌株(HW 15
9)は、アスパラギン酸アミノトランスフエラーゼ(asp
C)および芳香族アミノトランスフエラーゼ(tyr B)
遺伝子の両者を欠いている。これらの2つの欠損の結
果、この菌株は生育にチロシン、アスパラギン酸、およ
び程度は低いがフエニルアラニンを要求する。asp Cま
たはtyr Bクローンをもつ組換え体は、チロシン、アス
パラギン酸およびフエニルアラニンを欠いた最小培地で
生育できるので、容易に同定できる。Asp Cクローン
は、細胞抽出液をポリアクリルアミドゲル電気泳動で分
析しついでフエニルピルビン酸アミノトランスフエラー
ゼ活性に対する染色によりtyr Bクローンと識別でき
る。asp Cクローンの単離は、特殊化形質導入フアージ
たとえばLambda asp CをはじめのリゲーシヨンのDNA源
として用いることにより、さらに容易にすることができ
る。
ーゼに豊む菌株の構築例を示せば、たとえばE.coliK12
からのアスパラギン酸アミノトランスフエラーゼをコー
ドする遺伝子(asp C)を多コピープラスミドpAT 153に
クローン化する方法がある。クローン化株を適当な菌株
たとえばE.coliK12W3110に形質転換すると、得られた菌
株はasp C遺伝子生成物を10〜100倍過剰に産生する。ア
スパラギン酸アミノトランスフエラーゼは、アミノ基転
位、すなわちアミン供与体としてL−アスパラギン酸お
よびL−グルタミン酸のいずれを用いても、フエニルピ
ルビン酸のフエニルアラニンへの変換に活性を示すこと
が知られている。asp Cがコードする蛋白質は比較的熱
安定性が高いという利点もある。asp Cクローンは、E.coliK12または他の適当な微生物か
らの適当に制限されたDNAを適当なベクターたとえばpAT
153にリゲーシヨンするによつて得るのが好ましい。生
成したリゲーシヨン反応混合物を用いて、次に、適当な
受容体、たとえばHW 159{アメリカン タイプ カルチ
ヤー コレクシヨン(American Type Culture Collecti
on),12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852
に寄託,ATCC39260}を形質転換する。この菌株(HW 15
9)は、アスパラギン酸アミノトランスフエラーゼ(asp
C)および芳香族アミノトランスフエラーゼ(tyr B)
遺伝子の両者を欠いている。これらの2つの欠損の結
果、この菌株は生育にチロシン、アスパラギン酸、およ
び程度は低いがフエニルアラニンを要求する。asp Cま
たはtyr Bクローンをもつ組換え体は、チロシン、アス
パラギン酸およびフエニルアラニンを欠いた最小培地で
生育できるので、容易に同定できる。Asp Cクローン
は、細胞抽出液をポリアクリルアミドゲル電気泳動で分
析しついでフエニルピルビン酸アミノトランスフエラー
ゼ活性に対する染色によりtyr Bクローンと識別でき
る。asp Cクローンの単離は、特殊化形質導入フアージ
たとえばLambda asp CをはじめのリゲーシヨンのDNA源
として用いることにより、さらに容易にすることができ
る。
以下の例に用いられる微生物(ATCC 39501)は、E.coli
K12原栄養株を、プラスミドpME98、DNAの3.4kb断片上に
asp C遺伝子をもつpAT 153誘導体で形質転換することに
より構築された。これらのすべての技術は、本技術分野
における通常の熟練者によつて容易に確認できる慣用技
術である。
K12原栄養株を、プラスミドpME98、DNAの3.4kb断片上に
asp C遺伝子をもつpAT 153誘導体で形質転換することに
より構築された。これらのすべての技術は、本技術分野
における通常の熟練者によつて容易に確認できる慣用技
術である。
本発明の一態様としては、アミノトランスフエラーゼを
過剰に産生するように遺伝的に改良した微生物から得ら
れるアミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与体
とアミノ酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に
従つてアミノ酸を製造する方法において、アミノ基転移
反応を40℃またはそれ以上の温度で実施する改良方法が
ある。本発明の方法に従つてフエニルアラニンを製造す
るに際しては、アミノ基転移反応を40℃〜70℃の温度範
囲内で行うのが好ましく、45℃〜60℃の温度範囲内で行
うのがとくに好ましい。
過剰に産生するように遺伝的に改良した微生物から得ら
れるアミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与体
とアミノ酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応に
従つてアミノ酸を製造する方法において、アミノ基転移
反応を40℃またはそれ以上の温度で実施する改良方法が
ある。本発明の方法に従つてフエニルアラニンを製造す
るに際しては、アミノ基転移反応を40℃〜70℃の温度範
囲内で行うのが好ましく、45℃〜60℃の温度範囲内で行
うのがとくに好ましい。
本発明の他の態様としては、アミノトランスフエラーゼ
を過剰に産生するように遺伝的に改良した微生物から得
られるアミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与
体とフエニルアラニンのケト酸前駆体との間のアミノ基
転移反応によりフエニルアラニンを製造する方法におい
て、ケト酸前駆体を10g/lを越える濃度で用いて反応を
実施する改良方法がある。ケト酸前駆体の濃度は30〜50
g/lの範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは40
〜50g/lの濃度において45℃〜55℃の温度範囲内でアミ
ノ基転移反応は行われる。
を過剰に産生するように遺伝的に改良した微生物から得
られるアミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与
体とフエニルアラニンのケト酸前駆体との間のアミノ基
転移反応によりフエニルアラニンを製造する方法におい
て、ケト酸前駆体を10g/lを越える濃度で用いて反応を
実施する改良方法がある。ケト酸前駆体の濃度は30〜50
g/lの範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは40
〜50g/lの濃度において45℃〜55℃の温度範囲内でアミ
ノ基転移反応は行われる。
本発明の他の態様としては、アミノトランスフエラーゼ
を過剰に産生するように遺伝的に改良した微生物から得
られるアミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与
体とアミノ酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応
によりアミノ酸を製造する方法において、反応を40℃ま
たはそれ以上の温度で行うことにより、アミノ基転移反
応の過程の間、微生物を透過性にする改良方法がある。
を過剰に産生するように遺伝的に改良した微生物から得
られるアミノトランスフエラーゼの存在下、アミン供与
体とアミノ酸のケト酸前駆体との間のアミノ基転移反応
によりアミノ酸を製造する方法において、反応を40℃ま
たはそれ以上の温度で行うことにより、アミノ基転移反
応の過程の間、微生物を透過性にする改良方法がある。
さらに、本発明の好ましい態様としては、アミノトラン
スフエラーゼを過剰に産生するように遺伝的に改良した
微生物から得られるアミノトランスフエラーゼを用いて
アミノ基転移反応により芳香族アミノ酸を製造する方法
において、反応を40℃またはそれ以上の温度で実施する
改良方法がある。
スフエラーゼを過剰に産生するように遺伝的に改良した
微生物から得られるアミノトランスフエラーゼを用いて
アミノ基転移反応により芳香族アミノ酸を製造する方法
において、反応を40℃またはそれ以上の温度で実施する
改良方法がある。
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するもので
あつて、本発明の精神または範囲を限定する意図による
ものではない。実施例中、部はとくに指示のない限り重
量部である。本明細書において用いられる「細胞」の語
は、アミノ基転移反応を行うのに必要な高レベルのアミ
ノトランスフエラーゼを含有する、遺伝的に改良された
細胞を意味する。
あつて、本発明の精神または範囲を限定する意図による
ものではない。実施例中、部はとくに指示のない限り重
量部である。本明細書において用いられる「細胞」の語
は、アミノ基転移反応を行うのに必要な高レベルのアミ
ノトランスフエラーゼを含有する、遺伝的に改良された
細胞を意味する。
例1 アスパラギン酸アミノトランスフエラーゼをコードする
遺伝子をもつプラスミドを含有している大腸菌(Escher
ichia coli)を、以下の培地、1)酵母抽出液(10
g)、Na2HPO4(6g)、KH2PO4(3g)、NaCl(0.5g)、NH
4Cl(1g)、CaCl2・6H2O(0.02g)、MgSO4・7H2O(0.2
5g)、カルベニシリン(0.1g)に水を加えて1とす
る、2)グルコース(35g)、KHPO4(6.6g)、(NH4)2HP
O4(2.0g)、MgSO4・7H2O(2.25g)、クエン酸第二鉄ア
ンモニウム(0.11g)、インドールアクリル酸(2.0mg)
に水を加えて1とする、のいずれかを用いて生育させ
た。細胞を、1中に乾燥重量で少なくとも1gの細胞の
存在が保証できるまで、33℃で培養した。遠心分離して
細胞を収穫し、生成した細胞を1中に乾燥重量で約1g
含有する懸濁液とし、これを凍結、解凍することによつ
てアスパラギン酸アミノトランスフエラーゼを放出させ
た。
遺伝子をもつプラスミドを含有している大腸菌(Escher
ichia coli)を、以下の培地、1)酵母抽出液(10
g)、Na2HPO4(6g)、KH2PO4(3g)、NaCl(0.5g)、NH
4Cl(1g)、CaCl2・6H2O(0.02g)、MgSO4・7H2O(0.2
5g)、カルベニシリン(0.1g)に水を加えて1とす
る、2)グルコース(35g)、KHPO4(6.6g)、(NH4)2HP
O4(2.0g)、MgSO4・7H2O(2.25g)、クエン酸第二鉄ア
ンモニウム(0.11g)、インドールアクリル酸(2.0mg)
に水を加えて1とする、のいずれかを用いて生育させ
た。細胞を、1中に乾燥重量で少なくとも1gの細胞の
存在が保証できるまで、33℃で培養した。遠心分離して
細胞を収穫し、生成した細胞を1中に乾燥重量で約1g
含有する懸濁液とし、これを凍結、解凍することによつ
てアスパラギン酸アミノトランスフエラーゼを放出させ
た。
例2 1中に乾燥重量で約2gの細胞を含有する懸濁液から、
例1と同様にして、アスパラギン酸アミノトランスフエ
ラーゼ含有溶液を製造した。この溶液を、1中にフエ
ニルピルビン酸ナトリウム−水和物15g、アスパラギン
酸ナトリウム−水和物19gおよびピリドキサールホスフ
エート10mgを含有し、10N水酸化ナトリウムでpH8.5に調
整してなる混合物に加えた。得られた反応混合物を60℃
で4時間インキユベートしたところ、1中にL−フエ
ニルアラニン10.2gを含有する混合物が生成した。
例1と同様にして、アスパラギン酸アミノトランスフエ
ラーゼ含有溶液を製造した。この溶液を、1中にフエ
ニルピルビン酸ナトリウム−水和物15g、アスパラギン
酸ナトリウム−水和物19gおよびピリドキサールホスフ
エート10mgを含有し、10N水酸化ナトリウムでpH8.5に調
整してなる混合物に加えた。得られた反応混合物を60℃
で4時間インキユベートしたところ、1中にL−フエ
ニルアラニン10.2gを含有する混合物が生成した。
例3 アスパラギン酸3.88g、0.14×104単位のアスパラギン酸
アミノトランスフエラーゼ含有細胞懸濁液5ml、ピリド
キサールホスフエート0.375mg、ならびに加熱還流下に
4−ヒドロキシ−5−ベンジリデンヒダントイン(8.50
g/41.67モル)、水酸化ナトリウムペレツト(48.0g/1.2
0モル)および水(240ml)を3.5時間攪拌して得られた
反応混合物51mlからなる反応混合物をフラスコ中、50℃
で振盪した。反応混合物を50℃で一液インキベートし、
生成した沈殿をろ過し、洗浄した。NMR、TLC、HPLCおよ
び比旋光度〔α〕20=−10.33°(C=4、1 N HCl)に
より、L−チロシンと同定された。
アミノトランスフエラーゼ含有細胞懸濁液5ml、ピリド
キサールホスフエート0.375mg、ならびに加熱還流下に
4−ヒドロキシ−5−ベンジリデンヒダントイン(8.50
g/41.67モル)、水酸化ナトリウムペレツト(48.0g/1.2
0モル)および水(240ml)を3.5時間攪拌して得られた
反応混合物51mlからなる反応混合物をフラスコ中、50℃
で振盪した。反応混合物を50℃で一液インキベートし、
生成した沈殿をろ過し、洗浄した。NMR、TLC、HPLCおよ
び比旋光度〔α〕20=−10.33°(C=4、1 N HCl)に
より、L−チロシンと同定された。
例4 例2の操作に従い、各種条件下に一連のアミノ基転移反
応を実施した。反応温度、フエニルピルビン酸の初期濃
度(〔PPA〕)、アミン供与体、平衡時間、フエニルア
ラニンの収率(〔L-Phe〕)、細胞量、変換率およびフ
エニルアラニンの産生速度(フエニルアラニン産生量
(g)/細胞量(g)×平衡時間を第2表に示す。
応を実施した。反応温度、フエニルピルビン酸の初期濃
度(〔PPA〕)、アミン供与体、平衡時間、フエニルア
ラニンの収率(〔L-Phe〕)、細胞量、変換率およびフ
エニルアラニンの産生速度(フエニルアラニン産生量
(g)/細胞量(g)×平衡時間を第2表に示す。
例5 例2の操作に従い、各種条件下に一連のアミノ基転移反
応を実施した。反応温度、フエニルピルビン酸の初期濃
度(〔PPA〕)、アミン供与体、フエニルアラニンの収
率(〔L-Phe〕)、変換率と単位酵素活性(単位)およ
びフエニルアラニンの産生速度(フエニルアラニン産生
量(g)/酵素活性の単位×平衡時間)を第3表に示
す。
応を実施した。反応温度、フエニルピルビン酸の初期濃
度(〔PPA〕)、アミン供与体、フエニルアラニンの収
率(〔L-Phe〕)、変換率と単位酵素活性(単位)およ
びフエニルアラニンの産生速度(フエニルアラニン産生
量(g)/酵素活性の単位×平衡時間)を第3表に示
す。
例6 例2の操作に従い、温度50℃においてフエニルピルビン
酸を1あたり40gとアスパラギン酸48.6g/lを用い、ア
ミノトランスフエラーゼの活性を変えるために細胞量を
変えて一連のアミノ基転移反応を行つた。第4表にその
結果を、アミノトランスフエラーゼ活性、使用した細胞
量(g)および反応が平衡に達するのに必要な時間によ
つて示す。
酸を1あたり40gとアスパラギン酸48.6g/lを用い、ア
ミノトランスフエラーゼの活性を変えるために細胞量を
変えて一連のアミノ基転移反応を行つた。第4表にその
結果を、アミノトランスフエラーゼ活性、使用した細胞
量(g)および反応が平衡に達するのに必要な時間によ
つて示す。
例7 フエニルピルビン酸ナトリウム−水和物585gおよびアス
パラギン酸324gからなる混合物9.6lを含む反応容器を50
℃に加熱し、混合物のpHは35%NH4OHまたは18%HClを適
宜添加して8.0に制御した。この反応混合物に、アスパ
ラギン酸アミノトランスフエラーゼ3.4×105単位および
ピリドキサールホスフエート75mgを含む、ホモジナイズ
した細胞懸濁液400mlを加えた。生成した混合物を3.5時
間攪拌すると、フエニルアラニン33.9g/lを含む溶液が
得られた。L−フエニルアラニンの産生速度は7.1g/104
単位・時間であつた。
パラギン酸324gからなる混合物9.6lを含む反応容器を50
℃に加熱し、混合物のpHは35%NH4OHまたは18%HClを適
宜添加して8.0に制御した。この反応混合物に、アスパ
ラギン酸アミノトランスフエラーゼ3.4×105単位および
ピリドキサールホスフエート75mgを含む、ホモジナイズ
した細胞懸濁液400mlを加えた。生成した混合物を3.5時
間攪拌すると、フエニルアラニン33.9g/lを含む溶液が
得られた。L−フエニルアラニンの産生速度は7.1g/104
単位・時間であつた。
例8 フエニルピルビン酸ナトリウム−水和物585gおよびアス
パラギン酸486gからなる混合物9.7lを含む反応容器を50
℃に加熱し、混合物のpHは35%NH4OHを添加してpH8.0に
制御した。この反応混合物にアスパラギン酸アミノトラ
ンスフエラーゼ2.8×104単位およびピリドキサースホス
フエート75mgを含む、ホモジナイズした細胞懸濁液275m
lを加えた。生成した混合物を3.6時間攪拌すると、フエ
ニルアラニン36.2/gを含む溶液が得られた。L−フエニ
ルアラニンの産生速度は3.6g/104単位・時間であつた。
パラギン酸486gからなる混合物9.7lを含む反応容器を50
℃に加熱し、混合物のpHは35%NH4OHを添加してpH8.0に
制御した。この反応混合物にアスパラギン酸アミノトラ
ンスフエラーゼ2.8×104単位およびピリドキサースホス
フエート75mgを含む、ホモジナイズした細胞懸濁液275m
lを加えた。生成した混合物を3.6時間攪拌すると、フエ
ニルアラニン36.2/gを含む溶液が得られた。L−フエニ
ルアラニンの産生速度は3.6g/104単位・時間であつた。
例9 3−メトキシ−4−ヒドロキシフエニルピルビン酸1.05
g、アスパラギン酸ナトリウム−水和物1.30g、ピリドキ
サールホスフエート0.375gおよびホモジナイズした細胞
懸濁液5mlを水で50mlとした反応混合物をフラスコ中、5
0℃で振盪した。反応混合物のpHは1 N NaOHで8.0に調整
した。生成した反応混合物を50℃で2.5時間インキユベ
ートすると、3−メトキシ−4−ヒドロキシフエニルア
ラニン11.3g/lを含む混合物が生成する。
g、アスパラギン酸ナトリウム−水和物1.30g、ピリドキ
サールホスフエート0.375gおよびホモジナイズした細胞
懸濁液5mlを水で50mlとした反応混合物をフラスコ中、5
0℃で振盪した。反応混合物のpHは1 N NaOHで8.0に調整
した。生成した反応混合物を50℃で2.5時間インキユベ
ートすると、3−メトキシ−4−ヒドロキシフエニルア
ラニン11.3g/lを含む混合物が生成する。
例10 フエニルピルビン酸ナトリウム−水和物2.49g、アスパ
ラギン酸ナトリウム−水和物3.16g、ピリドキサールホ
スフエート0.375mgならびにアミノトランスフエラーゼ
0.2×104単位と水50mlを含む無傷細胞2.5mlを含有する
反応混合物を1 N NaOHでpH8.0に調整した。
ラギン酸ナトリウム−水和物3.16g、ピリドキサールホ
スフエート0.375mgならびにアミノトランスフエラーゼ
0.2×104単位と水50mlを含む無傷細胞2.5mlを含有する
反応混合物を1 N NaOHでpH8.0に調整した。
この反応混合物を50℃で2時間インキユベートすると、
1中にL−フエニルアラニン32.0gを生成した。
1中にL−フエニルアラニン32.0gを生成した。
以上、本発明を特定の改良について記述したが、その詳
細は本発明を例示したものであつて、本発明を限定する
ものではない。本発明の精神および範囲から逸脱するこ
となく、様々の均等、変更、改変が可能なことは自明で
あろう。このような均等な態様は本発明の範囲内に包含
されるものと解すべきである。
細は本発明を例示したものであつて、本発明を限定する
ものではない。本発明の精神および範囲から逸脱するこ
となく、様々の均等、変更、改変が可能なことは自明で
あろう。このような均等な態様は本発明の範囲内に包含
されるものと解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (56)参考文献 The Journal of Bio logical Chemistry V ol.250 No.11 PP.4128〜4133 (1975)
Claims (22)
- 【請求項1】アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
を過剰に産生するように遺伝的に改良した細菌から得ら
れたアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの存在
下、アミン供与体とアミノ酸のケト酸前駆体との間のア
ミノ基転移反応に従ってアミノ酸を製造する方法におい
て、アミノ基転移反応を40℃またはそれ以上の温度で、
しかし、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼが正
常に作用する最適温度より少なくとも高い温度で実施す
る改良方法 - 【請求項2】アミノ酸は芳香族アミノ酸である特許請求
の範囲第1項記載の改良方法 - 【請求項3】アミノ酸はフェニルアラニン、チロシンま
たはヒドロキシメトキシフェニルアラニンである特許請
求の範囲第2項記載の改良方法 - 【請求項4】アミノ酸はフェニルアラニンである特許請
求の範囲第3項記載の改良方法 - 【請求項5】アミノ酸は3−メトキシ−4−ヒドロキシ
フェニルアラニンである特許請求の範囲第3項記載の改
良方法 - 【請求項6】アミン供与体はグルタミン酸またはアスパ
ラギン酸である特許請求の範囲第1項記載の改良方法 - 【請求項7】アミン供与体はアスパラギン酸である特許
請求の範囲第4項記載の改良方法 - 【請求項8】細菌を含有する無傷細胞を利用する特許請
求の範囲第1項記載の改良方法 - 【請求項9】反応にギ酸を添加する特許請求の範囲第1
項記載の改良方法 - 【請求項10】アスパラギン酸アミノトランスフェラー
ゼを過剰に産生するように遺伝的に改良した細菌から得
られたアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの存在
下、アミン供与体とフェニルピルビン酸との間のアミノ
基転移反応によりフェニルアラニンを製造する方法にお
いて、アミノ基転移反応は40℃〜70℃の温度範囲内で実
施する特許請求の範囲第1項記載の改良方法 - 【請求項11】アミン供与体はグルタミン酸またはアス
パラギン酸である特許請求の範囲第10項記載の改良方法 - 【請求項12】フェニルピルビン酸の濃度は30〜60g/l
の範囲内とする特許請求の範囲第11項記載の改良方法 - 【請求項13】反応は45℃〜60℃の温度範囲内で実施す
る特許請求の範囲第12項記載の改良方法 - 【請求項14】アミン供与体はアスパラギン酸である特
許請求の範囲第13項記載の改良方法 - 【請求項15】細菌を含有する無傷細胞を利用する特許
請求の範囲第14項記載の改良方法 - 【請求項16】反応にギ酸を添加する特許請求の範囲第
14項記載の改良方法 - 【請求項17】アスパラギン酸アミノトランスフェラー
ゼをコードする遺伝子はasp Cである特許請求の範囲第1
4項記載の改良方法 - 【請求項18】細菌は大腸菌(Escherichia coli)で
ある特許請求の範囲第17項記載の改良方法 - 【請求項19】大腸菌は菌株ATCC 39260である特許請求
の範囲第18項記載の改良方法 - 【請求項20】アスパラギン酸アミノトランスフェラー
ゼを過剰に産生するように遺伝的に改良した細菌から得
られたアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの存在
下、アミン供与体とフェニルピルビン酸のアミノ基転移
反応によりフェニルアラニンを製造する方法において、
ケト酸前駆体を10g/lを越える濃度で用いて反応を実施
する改良方法 - 【請求項21】アミン供与体はグルタミン酸またはアス
パラギン酸である特許請求の範囲第20項記載の改良方法 - 【請求項22】反応は45℃〜70℃の温度範囲内で実施す
る特許請求の範囲第16項記載の改良方法
Applications Claiming Priority (2)
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---|---|---|---|
GB8403244 | 1984-02-07 | ||
GB848403244A GB8403244D0 (en) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | Aminoacids via bioconversion |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60184394A JPS60184394A (ja) | 1985-09-19 |
JPH0787794B2 true JPH0787794B2 (ja) | 1995-09-27 |
Family
ID=10556233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60022734A Expired - Lifetime JPH0787794B2 (ja) | 1984-02-07 | 1985-02-07 | 生物変換によるアミノ酸の製造 |
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Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0152275B1 (ja) |
JP (1) | JPH0787794B2 (ja) |
DE (1) | DE3583245D1 (ja) |
GB (1) | GB8403244D0 (ja) |
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---|---|---|---|---|
GB2152503B (en) * | 1984-01-05 | 1986-03-19 | Grace W R & Co | Process for producing l-phenylalanine |
DE3423936A1 (de) * | 1984-06-29 | 1986-01-02 | Hoechst Ag, 6230 Frankfurt | Verfahren zur herstellung von l-phenylalanin |
DE3613952A1 (de) * | 1986-04-24 | 1987-10-29 | Hoechst Ag | Verfahren zur herstellung von l-aminosaeuren durch transaminierung |
ES2058076T3 (es) * | 1986-06-04 | 1994-11-01 | Hoechst Ag | Procedimiento para la obtencion de l-fosfinotricina por transaminacion. |
DE3631829A1 (de) * | 1986-09-19 | 1988-07-28 | Hoechst Ag | Klonierung und verwendung des transaminase gens-tyrb |
DE3636722A1 (de) * | 1986-10-29 | 1988-05-05 | Hoechst Ag | Klonierung und verwendung des transaminase-gens ilve |
FR2609712A1 (fr) * | 1987-01-16 | 1988-07-22 | Inst Nat Rech Chimique | Precurseurs et milieux les contenant pour la fabrication de l-aminoacides |
NL8702449A (nl) * | 1987-10-14 | 1987-12-01 | Stamicarbon | Werkwijze voor de bereiding van een d-alfa-aminozuur uit het overeenkomstige alfa-ketozuur. |
DK0581250T3 (da) * | 1992-07-31 | 1999-09-27 | Hoechst Ag | Fremgangsmåde til bioteknisk fremstilling af L-thienylalaniner i enantiomerren form ud fra 2-hydroxy-3-thienyl-acrylsyrer o |
US9023622B2 (en) | 2009-02-10 | 2015-05-05 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | Method for producing L-amino acid using a microorganism with decreased aspartate aminotransferase activity |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8301700D0 (en) * | 1983-01-21 | 1983-02-23 | Searle & Co | Cloning and utilisation of aminotransferase genes |
-
1984
- 1984-02-07 GB GB848403244A patent/GB8403244D0/en active Pending
-
1985
- 1985-02-06 EP EP85300802A patent/EP0152275B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1985-02-06 DE DE8585300802T patent/DE3583245D1/de not_active Expired - Fee Related
- 1985-02-07 JP JP60022734A patent/JPH0787794B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
TheJournalofBiologicalChemistryVol.250No.11PP.4128〜4133(1975) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0152275A3 (en) | 1987-04-15 |
GB8403244D0 (en) | 1984-03-14 |
JPS60184394A (ja) | 1985-09-19 |
EP0152275B1 (en) | 1991-06-19 |
DE3583245D1 (de) | 1991-07-25 |
EP0152275A2 (en) | 1985-08-21 |
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