JPH0787724A - 超電導モーター - Google Patents

超電導モーター

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JPH0787724A
JPH0787724A JP5253802A JP25380293A JPH0787724A JP H0787724 A JPH0787724 A JP H0787724A JP 5253802 A JP5253802 A JP 5253802A JP 25380293 A JP25380293 A JP 25380293A JP H0787724 A JPH0787724 A JP H0787724A
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superconductor
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superconducting
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佳孝 伊藤
Yosuke Yanagi
陽介 柳
Tetsuo Oka
徹雄 岡
Ryohei Yabuno
良平 藪野
Shintaro Harada
信太郎 原田
Tsutomu Sakakibara
務 榊原
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IMRA Material R&D Co Ltd
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IMURA ZAIRYO KAIHATSU KENKYUSH
IMRA Material R&D Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超電導体にクエンチが発生せず,効率のよ
い,超電導モーターを提供すること。 【構成】 回転シャフト16に設けた電機子15と,該
電機子15に対向配設した磁石部10と,該磁石部10
及び冷媒130を収容する冷媒容器13と,該冷媒容器
13に連結した冷媒供給用の冷媒パイプ131とよりな
ると共に,上記磁石部10は超電導体11とその周囲に
巻回した着磁用コイル12とよりなり,かつ該着磁用コ
イル12には着磁用のパルス電流を供給するためのリー
ド線121を接続してなる。上記磁石部10は上記電機
子15の両側面に配設されている。上記磁石部10は,
上記電機子15の回転方向に沿って1個又は複数個配設
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,バルク状の超電導体を
用いた超電導モーターに関する。
【0002】
【従来技術】従来,超電導モーターとしては,特開平3
−289344号に示す装置が知られている。上記超電
導モーターはシャフトと,シャフトに固定された円盤状
の電機子と,該電機子に対向配設された超電導コイルと
からなる。また,上記超電導コイルは液体ヘリウム容器
と,輻射シールドを有する。
【0003】この超電導モーターは,上記超電導コイル
に通電することにより,これに磁場を発生させ,電機子
に回転力を与える方式のものである。即ち,上記超電導
コイルは,液体ヘリウムによって臨界温度以下まで冷却
され,超電導状態にある。従って,上記超電導コイル
は,通電することにより容易に励磁され,磁束密度の高
い磁石となる。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記超電導モ
ーターには以下に示す問題点がある。まず,上記超電導
コイルには,クエンチの恐れがある。クエンチとは,局
所的に発生した常電導領域が雪崩的に拡大し,急激に超
電導体全体が,常電導状態へと転移することである。上
記クエンチは,各超電導体固有の臨界電流,臨界磁場以
上の電流又は磁場の印加等が原因である。また,上記ク
エンチは,線材において,特に発生し易い。また,常電
導状態においては,超電導体は通常の電気抵抗を有す
る。従って,通電に伴って相応のジュール熱が発生す
る。
【0005】従って,上記超電導モーターの超電導コイ
ルにおいて,クエンチが発生した場合には,上記コイル
に発生するジュール熱のため,液体ヘリウムが気化蒸発
し,圧力上昇によって液体ヘリウム容器等が破損するお
それがある。また,ジュール熱によって,上記コイルそ
のものが溶断される場合もある。従って,上記従来の超
電導モーターは,クエンチに留意する必要があるため,
出力に限界がある。また,このため,効率がよくない。
【0006】また,液体ヘリウムの沸点は約4Kという
低温である。このため,上記液体ヘリウム容器には,特
別の断熱性能が要求される。すなわち,容器等の周囲に
は,真空断熱層を介して液体窒素を循環させ,更に,そ
の外周には真空部分を設け,その上,輻射シールドを容
器全体を覆うように配置する等の,特別な断熱装置を設
けねばならない。従って,上記超電導モーターは構造が
複雑で,装置が大型化する。
【0007】更に,液体ヘリウムは高価である。このた
め,上記超電導モーターの運転コストは高くなる。本発
明は,かかる問題点に鑑み,超電導体にクエンチが発生
せず,効率のよい,超電導モーターを提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題の解決手段】本発明は,回転シャフトに設けた電
機子と,該電機子に対向配設した磁石部と,該磁石部及
び冷媒を収容する冷媒容器と,該冷媒容器に連結した冷
媒供給用の冷媒パイプとよりなると共に,上記磁石部は
超電導体とその周囲に巻回した着磁用コイルとよりな
り,かつ該着磁用コイルには着磁用のパルス電流を供給
するためのリード線を接続してなることを特徴とする超
電導モーターにある。
【0009】本発明において最も注目すべきことは,上
記磁石部は超電導体とその周囲に巻回した着磁用コイル
とよりなり,着磁にはパルス電流を用いることにある。
上記着磁用コイルには,パルス電流が周期的に与えられ
る。この周期は,使用する超電導体,所望するモーター
出力等によって異なるが,数分〜数日を目安に与えるこ
とが好ましい。パルス電流の電源は,超電導モーターの
外部に設ける。
【0010】上記パルス電流のパルスの幅は短いほど好
ましい。また,パルスのピークも高いほど好ましい(図
7)。また,上記超電導体への着磁の方向は,まず,超
電導体の磁束が,電機子に対して垂直であることが好ま
しい。また,電機子の周方向に隣り合って配置されてい
る超電導体の磁束は,閉曲線状であることが好ましい
(図4)。
【0011】上記冷媒パイプは冷媒容器への供給用およ
び排出用の2種類からなる。上記冷媒パイプは,例え
ば,その両者を別体として設ける。もしくは,同軸の二
重配管で一体となった構造として設ける。
【0012】次に,上記磁石部は上記電機子の片側面に
配設されている。もしくは,上記電機子の両側面に配設
されている。上記磁石部は,上記電機子の回転方向に沿
って1個又は複数個配設されている。また,外部に超電
導体からの磁束が漏れないようにするために,電機子の
回転方向に沿って,偶数個の磁石部を設けることが好ま
しい。すなわち,磁石部が多ければ,モーターの出力は
大きくなる。しかし,磁石部の数に応じて装置が大型化
するため,目的によって磁石部の構成は選択する必要が
ある。
【0013】次に,上記着磁用コイルは,通常の電気銅
線を用いることができるが,超電導線により作製されて
いることが好ましい。上記超電導線の材料は,使用する
冷媒の温度付近で超電導状態を保ち,かつ線材としての
加工が可能であれば,いかなる超電導体を用いてもかま
わない。しかし,コストの点から,冷媒が液体窒素であ
るときには,Bi系の超電導体が好ましい。上記着磁用
コイルが超電導体である場合には,通電しても熱を発生
しない。従って,磁石部等の昇温を防止できる。
【0014】次に,着磁用コイルに連結する上記リード
線は,互いにらせん状に縒り合わされていることが好ま
しい。上記リード線は着磁用コイルへ向かうものと,着
磁用コイルより出てくるものを縒り合わせることが好ま
しい。即ち,上記往復の2本のリード線は,電流の流れ
る方向が反対である。従って,上記リード線の間には力
が働き,リード線が,振動する。
【0015】また,上記リード線は,その周囲に磁場を
発生する。しかし,2本のリード線は流れる電流の方向
が逆であるので,2本のリード線の発生する磁場は逆方
向である。従って,上記のごとく,縒り合わせることに
より,2本のリード線の振動及び磁場の発生を防止でき
る。
【0016】次に,上記リード線は,上記冷媒パイプ内
において配線されていることが好ましい。上記リード線
は,冷却することによって電気抵抗を減少させる。この
ため,通電に伴うジュール熱の発生を最小に押さえるこ
とができる。従って,リード線の発熱等で周囲の温度を
上げることがない。また,上記リード線は耐寒物質によ
って,表面を被覆することが好ましい。
【0017】次に,上記超電導体は,バルク状(固片
状)のものを用いる。このような,超電導体の材料とし
ては,例えばY−Ba−Cu−O,Bi−(Pb)−S
r−Ca−Cu−O,Tl−Ba−Ca−Cu−O,H
g−Ba−Ca−Cu−Oなどがある。また,超電導体
は,特に溶融法により,YとBaとCuの酸化物を含有
する超電導材料によって作製されていることが好まし
い。
【0018】上記酸化物よりなる超電導材料は,その臨
界温度が90K以上である。そのため,液体窒素等の安
価かつ手軽に入手できる冷媒によって,超電導状態を達
成できる。また,上記酸化物を含有する超電導体は,大
きなピン止め効果をもつ。このため,より多くの磁束を
ピン止め点に固定させることができる。従って,超電導
モーターの性能が向上する。
【0019】次に,上記冷媒は,液体窒素,液体アルゴ
ン,液体空気,液体酸素,液体メタン,及び液体クリプ
トンのグループから選ばれる液体冷媒であることが好ま
しい。上記物質は,1気圧の沸点がそれぞれ,77K,
87K,79K,90K,112K,及び120Kであ
る。すなわち,液体ヘリウムの沸点4Kに比べて,十分
高温である。このため,冷媒容器及び冷媒パイプ等に特
別の断熱機構を必要としない。
【0020】また,液体窒素,液体空気には,安価であ
るという利点もある。なお,上記冷媒は沸点が,液体ヘ
リウムの沸点よりも高く,磁石部に使用する超電導体の
臨界温度よりも低く,気化熱が液体ヘリウムより大きけ
れば,いかなる物質であっても構わない。
【0021】また,冷媒を減圧すると温度が下がるとい
う性質を利用し,冷媒容器及び,冷媒パイプの内部を減
圧して冷媒を沸点以下の温度にして用いてもよい。減圧
することにより,固体,液体及び気体が共存する3重点
の温度まで冷媒の温度を下げることもできる。即ち,液
体窒素は63K,液体アルゴンは84K,液体酸素は5
4K,液体メタンは91K,液体クリプトンは116K
まで,液体のまま温度を下げることができ,液体冷媒と
して使用できる。
【0022】次に,上記冷媒は,冷却されたヘリウムガ
ス,水素ガス,ネオンガスのグループから選ばれる気体
冷媒を用いることも可能である。上記気体冷媒は,液体
冷媒に比べて,少量で冷媒容器を充填させることが可能
である。また,気体は粘性が低いので,冷媒を循環する
パイプ等の口径を,小さくすることも可能になる。この
ため,省スペース化を図ることができ,また液体冷媒に
比べて軽量にできる。また,上記ヘリウムガスは液化し
にくい。このため気体冷媒として優れている。
【0023】次に,上記気体冷媒は,冷凍機により冷却
されて,該冷凍機と上記冷媒容器との間に循環されてい
ることが好ましい。これは,気体冷媒の昇温を防止する
ためである。よって,超電導体を常に一定の温度に保つ
ことができる。次に,上記冷媒容器は,真空容器内に配
設されていることが好ましい。これにより,冷媒容器の
断熱性が一層向上する。
【0024】
【作用及び効果】本発明の超電導モーターにおいては,
磁石部は超電導体とその周囲に巻回した着磁用コイルと
よりなり,磁石部の着磁にはパルス電流を用いる。これ
により,磁石部の超電導体は,着磁用コイルに発生した
磁束が固定される。すなわち,超電導体そのものに電流
を流すことなく,磁石とすることができる。このため,
超電導体内部において,電気的擾乱が発生することがな
い。更に,上記超電導体はバルク状である。このため,
クエンチが起こらない。
【0025】また,着磁用コイルはパルス電流を流すこ
とにより磁場を発生させる。すなわち,電流が流れる時
間は極めて短い。また,着磁用コイルは冷媒中にあって
冷却され,電気抵抗が小さい。よって,ジュール発熱は
極めて小さい。このため冷媒の蒸発も少なくてすむ。ま
た,上記のごとく着磁用コイルの電気抵抗が小さくなる
ので,パルス電流を供給する電源の容量を小さくでき,
小型化できる。上記の点が,超電導コイル自体に磁場を
発生させて,モーター作用をさせる前記従来例の超電導
モーターと根本的に異なる。
【0026】更に,超電導体の発生する磁場の大きさ
は,着磁用コイルの発生する磁場に依存する。このた
め,着磁用コイルに流れるパルス電流の大きさを変化さ
せることによって,超電導体の磁場の大きさをコントロ
ールできる。よって,モーターの出力コントロールが容
易である。従って,効率的である。上記のごとく,本発
明によれば,超電導体にクエンチが発生せず,効率のよ
い,超電導モーターを提供することができる。
【0027】
【実施例】実施例1 本発明の実施例にかかる超電導モーターにつき,図1〜
図7を用いて説明する。図1に示すごとく,本例の超電
導モーター1は,回転シャフト16に設けた電機子15
と,該電機子15に対向配設した磁石部10と,該磁石
部10及び冷媒130を収容する冷媒容器13と,該冷
媒容器13に連結した冷媒供給用の冷媒パイプ131と
よりなる。そして,上記磁石部10は超電導体11とそ
の周囲に巻回した着磁用12コイルとよりなる。更に,
上記着磁用コイル12には着磁用のパルス電流を供給す
るためのリード線121を接続してなる。
【0028】上記電機子15を設けた回転シャフト16
は,外部より電流を供給するためのブラシ17とを有す
る。該ブラシ17は,整流子18に対向配置されてい
る。なお,図3において符号150は,電機子15を空
冷するために風を送り込むブロアーである。上記磁石部
10は,図1〜図4に示すごとく,上記電機子15の両
側面に,該電機子15を挟み込むように対向して配設さ
れている。また,上記磁石部10は,図3に示すごとく
上記電機子15の回転方向に沿って等間隔に10個配設
されている。すなわち,本例の超電導モーター1は合計
20個の磁石部10を有する。
【0029】図2に示すごとく,上記磁石部10は,バ
ルク状の超電導体11に対して,ボビン122を配置
し,次に,上記ボビン122に対して着磁用コイル12
を巻回することにより構成される。なお,図2において
符号135は,超電導体11を電機子15の方向へ押圧
しておくバネである。図3,図4,図6に示すごとく,
上記磁石部10は,電機子15と同軸に配置された架台
19に固定されている。
【0030】上記架台19は,図6に示すごとく,リン
グ形状で,表面には,磁石部10を設ける載置部191
を有する。上記リード線121は,図2に示すごとく,
着磁用コイル12に対して,入っていく線と出ていく線
とがある。そして,この両者は,互いにらせん状に縒り
合わされて,排出用冷媒パイプ132内に配線されてい
る。
【0031】また,図1〜図4に示すごとく,上記冷媒
容器13は,真空容器内14に配設されている。上記冷
媒容器13には,供給用冷媒パイプ131と排出用冷媒
パイプ132とが接続されている。上記供給用および排
出用冷媒パイプ131,132は,それぞれ別体として
設けられている。上記供給用冷媒131パイプは,図6
に示すごとく,架台19の背面から接続されている。
【0032】なお,図3において,符号136は冷媒サ
ブタンク収納部である。上記供給用および排出用冷媒パ
イプ131,132は,上記収納部内の冷媒サブタンク
に接続されている。上記サブダンクにおいても同様に,
メインタンクと接続された,供給用及び排出用冷媒パイ
プ137,138が設けられている。また,上記冷媒1
30としては,液体窒素を用いる。
【0033】上記超電導体11は,円柱バルク状を呈し
ている(図1〜図4)。また,この超電導体11は,溶
融法により作製された,YBa2 Cu3 7 の大きな結
晶粒の間に微細なY2 Ba1 Cu1 5 の粒子を含有す
る超電導材料よりなる。上記超電導材料の転移温度は9
0K程度である。上記超電導体11は,図5に示すごと
く,磁束110をトラップするピン止め点111を保有
するので,モーター用磁石体として好適である。また,
上記着磁用コイル12は断面積3mm×1.2mmの角
型の銅線を用い,これを10ターン巻いてある。
【0034】次に,本例における作用効果につき説明す
る。図1〜図3に示すごとく,本例の超電導モーター1
は,供給用冷媒パイプ131により,冷媒容器13に液
体窒素が充填される。これにより,磁石部10の超電導
体11が冷却され,臨界温度以下になる。また,着磁用
コイル12も同様に冷却される。次に,パルス電流源か
らパルス電流120が与えられる(図4)。これによ
り,着磁用コイル12に磁場が発生し,上記磁場による
磁束110が超電導体内のピン止め点111に固定され
る(図5)。こうして,上記超電導体11は,磁化され
る。
【0035】一方,モータ駆動時には,電機子15に対
して電流源よりブラシ17と整流子18を介して電流が
供給される。このため,電機子15の電流に対して,超
電導体11における上記磁束110によるローレンツ力
が働く。このため電機子15は回転し,電機子15に接
続した回転シャフト16により,外部にモーター出力を
取り出すことが可能になる。
【0036】なお,上記冷媒130は,冷媒容器13か
ら排出用冷媒パイプ132を通って,再び冷媒供給部に
戻っていく。そこで再び冷却され,供給用冷媒パイプ1
31を通じて再度超電導モーター1に送り込まれる。
【0037】上記パルス電流120による,超電導体1
1の着磁の様子を図4に示す。すなわち,図4に示すご
とく,パルス電流120は,電機子15を挟んで向かい
合う着磁用コイル12に対しては同方向に,電機子15
の周方向に隣接する着磁用コイル12に対しては異なる
方向に流されている。
【0038】このため,上記パルス電流120による磁
束110は,電機子15を挟んで向かい合う超電導体1
1において,電機子15に対し垂直方向である。また,
電機子15の周方向に隣接する超電導体11において,
閉曲線を描く。従って,上記超電導体11は,着磁用コ
イル12によって,図4に図示された方向に磁化され
る。また,磁束110の方向は固定されている。このた
め,磁束110は外部に漏れない。従って,超電導体1
1に対して効率よく磁束110を固定できる。
【0039】また,上記パルス電流120により発生し
た磁束110は,図5に示すごとく,超電導体11内部
のピン止め点111に固定される。このため,超電導体
11に電流を流すことなく超電導体11を磁化すること
ができる。従って,上記超電導体11にはクエンチが発
生しない。
【0040】次に,上記パルス電流120の波形を図7
に示す。図7に示すごとく,上記パルス電流120は,
その立ち上がり時間は1ms,そして10ms経過後に
は,電流は消滅している。すなわち,着磁用コイル12
に電流の流れる時間は極めて短いので,ジュール熱の発
生が少なく,冷媒の沸騰が抑えられる。
【0041】上記パルス電流120によって磁化された
超電導体11の磁場は時間の経過と共に減衰する。この
ため,例えば30分間毎にパルス電流120を着磁用コ
イル12に流す。従って,上記超電導体11は常に高い
磁束を保有する。また,上記パルス電流120は外部の
パルス電流源から供給される。よって,外部のパルス電
流源から超電導体11の磁場を操作することができる。
従って,パルス電源とは切り離して効率的にモーターを
運転できる。また,着磁する磁場の大きさを制御するこ
とによって,任意のモータ出力を得ることができる。
【0042】また,本例に用いた上記超電導体11は転
移温度が約90Kである。従って,冷媒130として液
体窒素を用いることができる。液体窒素は価格も安く,
取扱いも容易である。このため,運転コストが低く,構
造の簡単な超電導モーター1を得ることができる。従っ
て,本例によれば,超電導体にクエンチが発生する懸念
がなく,効率のよい,超電導モーターを提供することが
できる。
【0043】実施例2 本例は,図8に示すごとく,超電導体11の冷却に気体
冷媒21を用いたものである。上記気体冷媒21は,超
電導モーターの外部に設けられた冷媒タンク2から供給
され,冷凍機3に設けられた冷却部31において冷却さ
れる。上記気体冷媒21は,所望の温度まで冷却された
後,実施例1と同様に供給用冷媒パイプ131によっ
て,冷媒容器13に運ばれる。
【0044】そして,超電導体11等を冷却した後,排
出用冷媒パイプ132から排出され,冷凍機3に送りだ
される。すなわち,上記気体冷媒21は,冷凍機3と上
記冷媒容器13との間を循環される。上記気体冷媒21
としては,ヘリウムガスを用いる。
【0045】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例においては,気体冷媒21を用いるため,液体
冷媒の場合に比べて,少ない量で冷媒容器13を充填で
きる。また,気体は粘性が低いため,供給用および排出
用冷媒パイプ131,132は,液体冷媒に比べて,口
径の細いものが使用できる。このため,省スペースを図
ることができる。
【0046】また,上記気体冷媒21は,冷媒容器13
と冷凍機3の間を循環させている。よって,超電導体1
1等を,一定の温度を保つことができる。また,その他
は実施例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における超電導モーターの断面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】実施例1における超電導モーターの全体斜視
図。
【図4】実施例1における超電導モーターの磁石部の説
明図。
【図5】実施例1における超電導モーターの超電導体の
磁束ピン止めの説明図。
【図6】実施例1における超電導モーターの架台の背面
図。
【図7】実施例1における超電導モーターのパルス電流
の説明図。
【図8】実施例2における超電導モーターの要部説明
図。
【符号の説明】 1...超電導モーター, 10...磁石部, 11...超電導体, 12...着磁用コイル, 120...パルス電流, 121...リード線, 13...冷媒容器, 130...冷媒, 131...供給用冷媒パイプ, 14...真空容器, 15...電機子, 16...回転シャフト, 21...気体冷媒, 3...冷凍機,
フロントページの続き (72)発明者 藪野 良平 愛知県刈谷市八軒町5丁目30番地 株式会 社イムラ材料開発研究所内 (72)発明者 原田 信太郎 愛知県刈谷市八軒町5丁目30番地 株式会 社アイシンコスモス研究所内 (72)発明者 榊原 務 愛知県刈谷市八軒町5丁目30番地 株式会 社アイシンコスモス研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転シャフトに設けた電機子と,該電機
    子に対向配設した磁石部と,該磁石部及び冷媒を収容す
    る冷媒容器と,該冷媒容器に連結した冷媒供給用の冷媒
    パイプとよりなると共に,上記磁石部は超電導体とその
    周囲に巻回した着磁用コイルとよりなり, かつ該着磁用コイルには着磁用のパルス電流を供給する
    ためのリード線を接続してなることを特徴とする超電導
    モーター。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記磁石部は上記電
    機子の片側面に配設されていることを特徴とする超電導
    モーター。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記磁石部は上記電
    機子の両側面に配設されていることを特徴とする超電導
    モーター。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において,上記磁石
    部は,上記電機子の回転方向に沿って1個又は複数個配
    設されていることを特徴とする超電導モーター。
  5. 【請求項5】 請求項1において,上記着磁用コイルは
    超電導線により作製されていることを特徴とする超電導
    モーター。
  6. 【請求項6】 請求項1において,上記リード線は,互
    いにらせん状に縒り合わされていることを特徴とする超
    電導モーター。
  7. 【請求項7】 請求項1において,上記リード線は,上
    記冷媒パイプ内において配線されていることを特徴とす
    る超電導モーター。
  8. 【請求項8】 請求項1において,上記超電導体は,溶
    融法により,YとBaとCuの酸化物を含有する超電導
    材料によって作製されていることを特徴とする超電導モ
    ーター。
  9. 【請求項9】 請求項1において,上記冷媒は,液体窒
    素,液体アルゴン,液体空気,液体酸素,液体メタン,
    液体クリプトンのグループから選ばれる液体冷媒である
    ことを特徴とする超電導モーター。
  10. 【請求項10】 請求項1において,上記冷媒は,冷却
    されたヘリウムガス,水素ガス,ネオンガスのグループ
    から選ばれる気体冷媒であることを特徴とする超電導モ
    ーター。
  11. 【請求項11】 請求項10において,上記気体冷媒
    は,冷凍機により冷却されて,該冷凍機と上記冷媒容器
    との間に循環されていることを特徴とする超電導モータ
    ー。
  12. 【請求項12】 請求項1において,上記冷媒容器は,
    真空容器内に配設されていることを特徴とする超電導モ
    ーター。
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