JPH0787152A - 直交信号発生回路 - Google Patents

直交信号発生回路

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JPH0787152A
JPH0787152A JP5224365A JP22436593A JPH0787152A JP H0787152 A JPH0787152 A JP H0787152A JP 5224365 A JP5224365 A JP 5224365A JP 22436593 A JP22436593 A JP 22436593A JP H0787152 A JPH0787152 A JP H0787152A
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    • H04L27/18Phase-modulated carrier systems, i.e. using phase-shift keying
    • H04L27/20Modulator circuits; Transmitter circuits

Abstract

(57)【要約】 【目的】低電圧動作が可能であって、また電圧利得を十
分に確保しつつ、互いに90°位相の異なる2つの出力
信号を高精度に得ることができる直交信号発生回路を提
供する。 【構成】入力端子1から与えられる交流入力信号によっ
て電流値が変化する可変電流源2と、この可変電流源2
と電源+Vccとの間に接続された線形素子3と、この線
形素子3に対してそれぞれ並列に接続された積分器(C
1,R1)および微分器(R2,C2)により構成さ
れ、互いに90°位相の異なる第1および第2の出力信
号を得る移相回路4とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直交変調に使用される
キャリア信号のような互いに90°位相の異なる2つの
信号を発生する直交信号発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機、セルラーに代表され
るように、場所を選ばずに通信ができる移動通信機器の
開発が盛んに行なわれている。これらの通信機器は、例
えば人間が所持したり、自動車などに搭載されるため、
小型・軽量化が要求される。このため、機器を構成する
部品は従来のハイブリッドICに代えて、小型・軽量化
に向くモノリシックIC化が必須となってきた。さら
に、携帯電話などはバッテリ駆動が必須であるため、I
Cは低電圧・低消費電力で動作することが要求される。
【0003】ところで、このような移動通信機器では、
通信方式として互いに90°位相の異なる2つのキャリ
アに音声信号を乗せて伝送する直交変調方式が一般に採
用されている。直交変調方式を実現する場合、局部発振
器で発生される純度の高いローカル信号から互いに90
°位相の異なる2つのキャリア信号を生成する必要があ
る。本発明では、これらの2つのキャリア信号のような
直交関係にある2つの出力信号を発生する回路を直交信
号発生回路という。
【0004】図8に、従来の直交信号発生回路の例を示
す。入力端子100に入力されるローカル信号は、キャ
パシタ101を介して終端抵抗102で終端された後、
トランジスタ103と電流源104からなるエミッタフ
ォロワ回路を介して移相回路105に入力される。移相
回路105は、キャパシタC11と抵抗R11からなる
微分器と、抵抗R12とキャパシタC12からなる積分
器により構成され、微分器からローカル信号の位相を進
めた信号を出力し、積分器からローカル信号の位相を遅
らせた信号を出力する。微分器の出力信号はトランジス
タ106と電流源108からなるエミッタフォロワ回路
を介して出力端子110に出力され、積分器の出力信号
はトランジスタ107と電流源109からなるエミッタ
フォロワ回路を介して出力端子111に出力される。な
お、本回路はギガヘルツ帯の信号を扱うことを想定して
いるため、インピーダンス整合のための終端抵抗102
を備えるとともに、キャパシタ101によってローカル
信号の交流成分のみを移相器105に入力するようにし
ている。
【0005】この直交信号発生回路では、 R11=R12,C11=C12 ωc*C11=R11 (1) ωc:ローカル信号周波数 のように回路定数を定めることにより、位相が互いに9
0°異なり、かつ振幅の等しい2つの出力信号が出力端
子110,111に得られる。
【0006】図9は、図8の移相器105の等価回路で
ある。R20は図8のトランジスタ103をエミッタ側
からみた等価抵抗であり、その一端は信号源Vinと接続
され、他端は移相器105と接続される。C11,C1
2は、トランジスタ106,107のベース・コレクタ
間容量(Cu)や、キャパシタ電極とグランド間容量な
どの寄生キャパシタを示す。
【0007】寄生キャパシタC21,C22が同じであ
れば、出力端子110,111に得られる2つの出力信
号は位相誤差および振幅誤差のない信号となる。しか
し、寄生キャパシタC21,C22がトランジスタ10
6,107のベース・コレクタ間電圧の違いやプロセス
上のばらつき等で異なると、2つの出力信号の位相関係
や振幅比が乱される。このため、通常はトランジスタ1
06,107の寸法を小さくすることによりキャパシタ
C11,C21と寄生キャパシタC21,C22の比を
小さくし、寄生キャパシタC21,C22の影響を軽減
している。
【0008】この従来の直交信号発生回路は、ギガヘル
ツ帯まで精度を保てるという利点があるが、次の理由か
ら低電圧動作に適さないという欠点がある。図8おい
て、出力端子110,111の電位は、最大でも電源+
Vccより2VBE(VBE:トランジスタのベース・エミッ
タ間電圧)低い電位となる。すなわち、出力端子110
の電位は+Vccよりトランジスタ103,106のVBE
の合計だけ低い電位となり、出力端子111の電位は+
Vccよりトランジスタ103,107のVBEの合計だけ
低い電位となる。
【0009】ここで、出力端子110,111からの出
力信号が一般に差動増幅器で増幅されることを考慮に入
れると、差動増幅器を構成するエミッタ結合トランジス
タ対の共通エミッタ端子は、該トランジスタのVBEだけ
さらに電位が下がるため、結果的に電源+Vccに対して
3VBEの電圧降下が生じてしまう。携帯電話機などの電
源電圧は将来2.5[V]程度となることを予想する
と、VBE〜0.7[V]程度とすれば、上記共通エミッ
タ端子の電位は0.1〜0.4[V]程度となってしま
い、この共通エミッタ端子に接続される電流源を直流的
に動作させることは困難となる。
【0010】この問題を回避するには、出力端子11
0,111と差動増幅器の間にキャパシタを挿入するこ
とにより直流成分をカットした上で、レベルシフト回路
を用いて差動増幅器の直流レベルをシフトすればよい
が、直流カット用キャパシタを含めてレベルシフト回路
をIC上に製作することは、チップ面積の増大、コスト
アップを招き、好ましくない。
【0011】また、図8に示した直交信号発生回路では
終端抵抗102により入力信号Vinの電圧振幅が制限さ
れる構成となっているため、入力信号Vinのパワーによ
って直交信号発生回路の出力信号の電圧振幅が決定され
てしまい、電圧利得が十分に得られないという問題があ
る。終端抵抗102の値を選ぶことで電圧利得を上げる
ことは原理的には可能であるが、ギガヘルツ帯では伝送
路の特性インピーダンスなどの関係から通常、50Ω,
75Ωといった程度の自由度しかない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
直交信号発生回路では、出力端子の電位が電源電圧より
大きく低下するため、低電圧動作に適さず、また入力側
に終端抵抗を付加する必要があることから、電圧利得が
十分に得られないという問題があった。
【0013】本発明は、低電圧動作が可能であって、ま
た電圧利得を十分に確保しつつ、互いに90°位相の異
なる2つの出力信号を高精度に得ることができる直交信
号発生回路を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の直交信号発生回路は所定周波数の交流入力
信号によって電流値が変化する可変電流源と、この可変
電流源と電源との間に接続された線形素子と、この線形
素子に対してそれぞれ並列に接続された積分器および微
分器により構成され、互いに90°位相の異なる第1お
よび第2の出力信号を得る移相回路とを備えたことを特
徴とする。
【0015】本発明の一つの態様によると、可変電流源
と電源との間にはインダクタを含む線形素子が接続され
る。移相回路を構成する積分器は線形素子に並列に接続
された第1のキャパシタと第1の抵抗との直列回路から
なり、微分器は同じく線形素子に並列に接続された第2
の抵抗と第2のキャパシタとの直列回路からなる。この
場合、線形素子として用いられるインダクタと第1およ
び第2のキャパシタとの共振周波数を交流入力信号の周
波数に合わせる構成とすることが望ましい。
【0016】
【作用】このように本発明の直交信号発生回路では、可
変電流源に交流入力信号に応じた大きさの電流が流れ、
これが線形素子と移相回路の積分器および微分器に入力
されることによって、積分器と微分器から互いに90°
位相の異なる出力信号が得られる。
【0017】ここで、移相回路の入力ノード、すなわち
可変電流源に接続された端子の電位は、線形素子を介し
て電源と同電位になり、従来例のようにトランジスタの
ベース・エミッタ間電圧分だけ下がることがないため、
それだけ動作電圧範囲が拡大され、低電圧動作が可能と
なる。しかも、出力側に直流カット用キャパシタを付加
する必要がないため、モノリシックIC化に適した構成
となる。
【0018】また、移相回路の積分器および微分器の出
力の直流電位を共に電源電位に等しくできるため、積分
器および微分器の出力側にエミッタフォロワなどのバッ
ファを配置する場合、各バッファを構成するトランジス
タの寄生キャパシタを等しくできる。これにより寄生キ
ャパシタの偏差に起因する出力信号の位相誤差、振幅誤
差が低減される。
【0019】さらに、可変電流源のバイアス電流を調節
することで、入力側に終端抵抗を付加することなく、入
力インピーダンスを規定の値にすることができるので、
電圧利得を大きくとることが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1に、本発明に一実施例に係る直交信号発生回
路を示す。同図において、入力端子1には所定周波数の
交流入力信号、例えば図示しない局部発振器からのロー
カル信号VLOが入力される。このローカル信号VLOは、
可変電流源2の制御入力端子に印加される。これによ
り、可変電流源2からローカル信号VLOに応じて電流値
が変化する電流が出力される。
【0021】可変電流源2の一端はグランドGNDに接
続され、他端(ノードN0)は線形素子3を介して正の
電源+Vccに接続される。線形素子3は、例えばインダ
クタや抵抗のような線形の受動素子により構成される。
この線形素子3に並列に移相回路4が接続される。この
移相回路4は、第1のキャパシタC1と第1の抵抗R1
との直列回路からなる積分器と、第2の抵抗R2と第2
のキャパシタC2との直列回路からなる微分器により構
成され、ローカル信号VLOと同一周波数で、互いに90
°位相の異なる第1および第2の出力信号を得る。
【0022】移相回路4における積分器の出力ノードN
1(キャパシタC1と抵抗R1との接続点)および微分
器の出力ノードN2(抵抗R2とキャパシタC2との接
続点)は、トランジスタ5,6のベースにそれぞれ接続
される。トランジスタ5,6は、それぞれ電流源7,8
とともにエミッタフォロワ回路を構成し、移相回路4の
2つの出力信号を出力端子9,10を介して次段に伝達
するためのバッファ回路として用いられる。すなわち、
トランジスタ5,6のコレクタは電源+Vccに接続さ
れ、エミッタは電流源7,8の各一端にそれぞれ接続さ
れると共に、出力端子9,10にそれぞれ接続される。
電流源7,8の他端はグランド端子GNDに接続され
る。
【0023】次に、このように構成された直交信号発生
回路の動作を図2に示す等価回路を参照して説明する。
図2に示すように、線形素子3がインダクタンスLのイ
ンダクタとし、またC1=C2,R1=R2と仮定す
る。可変電流源2から出力される電流のうち、ローカル
信号VLOに応じた交流分ILO(以下、これをローカル信
号電流という)は、線形素子3と積分器(C1,R1)
および微分器(R2,C2)に分配される。ここで、積
分器に流れる電流をIint 、微分器に流れる電流をIdi
f とすると、これらは次式で表される。
【0024】 Iint =Idif =1/(R/jωcL−1/ω2 CL+2)・ILO (2) 但し、C=C1=C2,R=R1=R2 式(2)より、インダクタンスLを大きくすることでロ
ーカル信号電流ILOは移相回路4にほぼ電流利得1で入
力される。また、LとCとの共振周波数をローカル信号
周波数fcに合わせれば、|Iint |,|Idif |〜
0.67となり、ローカル信号電流ILOと、移相回路4
の入力電流(積分器および微分器に流れる電流)との比
(電流利得)を0.5以上とすることが可能となる。
【0025】こうしてローカル信号電流ILOが移相回路
4の積分器と微分器に入力されることにより、積分器と
微分器から直交信号、すなわち互いに移相が90°異な
る第1および第2の出力信号が得られる。これら第1お
よび第2の出力信号は、トランジスタ5と電流源7から
なるエミッタフォロワおよびトランジスタ6と電流源8
からなるエミッタフォロワをそれぞれ介して出力端子
9,10に導かれる。出力端子9,10には通常、差動
増幅器が接続されるが、エミッタフォロワによって移相
回路4と差動増幅器は電気的に分離される。
【0026】本実施例の直交信号発生回路では、移相回
路4の入力ノードN0の電位が電源+Vccと同電位とな
るため、図8に示した従来例に比較して、トランジスタ
のベース・エミッタ間電圧VBE分だけ動作電圧範囲が拡
大される。すなわち、図8に示した従来例の回路では、
出力端子110,111の電位は+Vccより2VBE低い
電位となるが、図1に示した本実施例の回路では、出力
端子9,10の電位は+VccよりVBEだけ低くなるのみ
である。
【0027】従って、出力端子9,10からの出力信号
を差動増幅器に入力する場合を考えると、差動増幅器に
おけるエミッタ結合トランジスタ対の共通エミッタ端子
の電位は+Vccに対して2VBE低下するのみであるか
ら、例えば携帯電話機などのように+Vccが2.5
[V]程度まで低くなった場合でも、共通エミッタ端子
の電位は1[V]以上となり、この共通エミッタ端子に
接続される電流源を問題なく動作させることが可能とな
る。
【0028】また、本実施例では移相回路4における積
分器および微分器の出力ノードN1,N2の電位は+V
ccに等しくなるため、直流動作点でトランジスタ5,6
のベース・コレクタ間容量(Cu)は等しくなる。すな
わち、図8に示した従来例ではトランジスタ106,1
07のベース電位を等しくするのは困難であるため、各
々のCuを等しくすることは難しい。直流バイアスによ
るCuのような寄生キャパシタの偏差は、直交信号発生
回路の位相誤差および振幅誤差に影響する。従って、本
実施例の回路は従来の回路よりも位相および振幅の精度
が向上することになる。
【0029】上述の説明では、線形素子3としてインダ
クタを用いたが、図3に示すように抵抗Rを用いてもよ
い。この場合、抵抗Rに流れる電流により移相回路4の
入力ノードN0の電位が+Vccより若干下がり、動作電
圧範囲は線形素子3としてインダクタを用いた場合に比
べて低くなる。しかし、抵抗Rによる電圧降下がベース
・エミッタ間電圧VBEより小さい値、例えば0.3
[V]程度となるように設計することは容易であり、そ
れにより従来例の回路に比較して少なくとも0.4
[V]程度動作電圧範囲を広くすることができる。ま
た、この抵抗Rによる電圧降下に伴い、トランジスタ
5,6のベース・コレクタ間容量が異なってくるが、そ
の差は従来例の回路のそれに比較して小さくなる。
【0030】次に、可変電流源2の構成と動作について
詳しく説明する。直交信号発生回路の交流入力信号であ
るローカル信号VLOの周波数がギガヘルツ帯の場合を想
定すると、直交信号発生回路の入力部では局部発振器か
らのローカル信号を損失なく入力するため、局部発振器
からのローカル信号を伝送する伝送路とのインピーダン
ス整合をとる必要がある。伝送路の特性インピーダンス
は通常50Ωであり、その場合、直交信号発生回路の入
力インピーダンスも50Ωとする。
【0031】図4に、図1の直交信号発生回路の入力部
に設けられた可変電流源2の等価回路を示す。入力端子
1の入力インピーダンスは50Ωである。可変電流源2
に流れるローカル信号電流ILOは、入力端子1の電位つ
まりローカル信号VLOの電圧と次式の関係があるものと
する。
【0032】 ILO=gm*VLO (3) 但し、gm:相互コンダクタンス このような可変電流源2によって、ローカル信号VLOを
線形性よくローカル信号電流ILOに変換できる。
【0033】図5に、図4の等価回路を実現する可変電
流源2の具体例を示す。入力端子1はトランジスタ21
のエミッタと接続されるとともに、電流源22の一端に
接続される。電流源22の他端は接地される。トランジ
スタ21のベースは、電圧源VBBを介して接地される。
トランジスタ21のコレクタは可変電流源2の電流出力
端子であり、図1のノードN0に相当する。この可変電
流源2の入力インピーダンスRinは、電流源22の電流
をItailとして、近似的に次式で表される。
【0034】 Rin=1/gm (4) 但し、gm=Itail/Vt Vt(熱電圧)=kT/q k:ボルツマン定数、q:電子電荷 トランジスタ21のバイアス電流、すなわち電流源22
の電流Itailを調節することにより、入力インピーダン
スRinを50Ωとすることができる。従って、式
(3),(4)から、可変電流源2の電流利得は1とな
り、その出力電流ILOは入力端子1に入力されたローカ
ル信号VLOに基づく電流の交流成分と等しくなる。
【0035】図6に、図4の等価回路を実現する可変電
流源2の他の具体例を示す。この構成は、図5における
電流源22を抵抗23に置き換えたものである。入力端
子1の電位は、トランジスタ21が動作する場合、VBB
−0.7[V]で与えられるので、抵抗23の値R23を
次式のように設定することで所望の電流Itailが得られ
る。
【0036】 Itail=(VBB−0.7)/R23 (5) この場合、入力インピーダンスRinはトランジスタ21
をエミッタから見たインピーダンス1/gmと抵抗23
の値R23の並列合成抵抗となるので、図5で与えたIta
ilより小さな電流でRin=50Ωが実現できる。但し、
1/R23のコンダクタンスの分だけ可変電流源2の電流
利得は下がるが、0.8以上の電流利得を得ることは容
易である。
【0037】次に、入力端子1に入力されるローカル信
号VLOと直交信号発生回路の出力信号との電圧比、すな
わち電圧利得について、図8に示した従来例の回路と比
較して検討する。仮定として、入力端子1に接続される
信号源の出力インピーダンスは50Ωとし、信号源およ
び直交位相信号発生回路に用いられているトランジスタ
や受動素子は全て理想のものとする。
【0038】図8に示した従来の回路において、信号源
の電圧をVinとし、終端抵抗102の値を50Ωとする
と、ノードN10の電位VN10 は次式で表される。 VN10 =Vin/2 (6) トランジスタ103と電流源104で構成されるエミッ
タフォロワの電圧利得が理想的には1であることから、
移相回路105の入力電圧はノードN10の電圧と等し
い。式(1)の条件を仮定すると、移相回路105の出
力信号電圧V11,V12は、キャパシタや抵抗の値に関係
なく、次式で表される。
【0039】 V11=V12=1/(2・21/2 )Vin (7) 従って、インピーダンス整合を考えた系に対して、従来
の回路の利得は最大1/(2・21/2 )である。
【0040】これに対して、図1に示した本実施例の直
交信号発生回路においては、上述したように電流利得が
1となるので、 ILO=Vin/100 (8) となる。従って、例えば積分器の出力電圧V2の大きさ
は次式で表される。
【0041】 |V2|=|1/(jωcL−1/ω2 CL+2)|・R2・Vin/100 (9) ここで、式(9)における絶対値の項は、CとLの共振
周波数に合わせることにより、0.67程度の値が得ら
れるので、 |V2|≦0.0067*R2*Vin (10) となる。直交信号発生回路の電圧利得を従来例のそれに
比べて高くするには、 0.0067*R2>1/(2・21/2 ) (11) とすればよい。式(11)から R2<52Ω (12) となる。従って、R2を52Ω以上にすることで、電圧
利得を図1に示した従来例の回路より上げることができ
る。
【0042】具体的な数値例を示すと、ローカル信号周
波数fcを2GHzとし、各部の回路定数をC=C1=
C2=0.6pF、R1=R2=140Ω、L=10n
Hとすると、式(9)から電圧利得は0.93になり、
従来例よりも2倍程度高くなる。従来例と同等の利得を
得るためには、式(12)の条件から、C=C1=C2
=1.5pF、R=R1=R2=52Ω、L=4.2n
Hとすればよい。従って、寄生キャパシタによる位相誤
差を小さくするために、キャパシタC1,C2を大きく
する必要がある場合、1.5pFまでなら従来例よりも
利得を高くすることができる。
【0043】なお、以上の説明では線形素子3としてイ
ンダクタを想定したが、抵抗を用いた場合でも従来例よ
り利得を高くできることは明らかである。但し、インダ
クタと比べて、共振を利用できなくなる分だけ利得は小
さくなる。
【0044】また、上記実施例ではバイポーラトランジ
スタを用いたが、GaAsFETやMOSFETを用い
ても同様な結果が得られることは自明である。さらに、
図7に示すように図1の構成を基本として、直交信号発
生回路を差動型構成とすることも可能である。図7にお
いて、入力端子1a,1bには交流入力信号が差動信号
の形で与えられ、可変電流源2a,2bの制御入力端子
に印加される。可変電流源2aと線形素子3aおよび移
相回路4aは第1の直交信号発生部を構成し、可変電流
源2bと線形素子3bおよび移相回路4bは第2の直交
信号発生部を構成している。そして、移相回路4a,4
bの積分器からの出力信号の差電圧が第1の差動増幅器
11により増幅され、移相回路4a,4bの微分器から
の出力信号の差電圧が第2の差動増幅器12により増幅
されることによって、両差動増幅器11,12から互い
に90°位相の異なる第1および第2の出力信号が得ら
れる。本実施例によると、差動増幅器11,12の設計
が容易となると共に、高周波特性を改善できるという利
点がある。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による直交
信号発生回路は、低電圧動作が可能であり、しかも直流
カット用キャパシタが不要であるためモノリシックIC
化に適しており、特に電源電圧の低い移動通信機器に好
適である。また、出力信号の位相および振幅精度が高
く、さらに高い電圧利得が得られるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る直交信号発生回路の構
成図
【図2】図1における移相回路部の等価回路図
【図3】図1における移相回路部の他の等価回路図
【図4】図1における可変電流源の等価回路図
【図5】可変電流源の具体例を示す図
【図6】可変電流源の他の具体例を示す図
【図7】本発明の他の実施例に係る直交信号発生回路の
構成図
【図8】従来の直交信号発生回路の構成図
【図9】図8における移相回路部の等価回路図
【符号の説明】
1…入力端子 2…可変電流源 3…線形素子 4…移相回路 5…トランジスタ 6…トランジスタ 7…電流源 8…電流源 9…第1の出力端子 10…第2の出力端子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定周波数の交流入力信号によって電流値
    が変化する可変電流源と、 この可変電流源と電源との間に接続された線形素子と、 この線形素子に対してそれぞれ並列に接続された積分器
    および微分器により構成され、互いに90°位相の異な
    る第1および第2の出力信号を得る移相回路とを備えた
    ことを特徴とする直交信号発生回路。
  2. 【請求項2】所定周波数の交流入力信号によって電流値
    が変化する可変電流源と、 この可変電流源と電源との間に接続されたインダクタを
    含む線形素子と、 この線形素子にそれぞれ並列に接続された、第1のキャ
    パシタと第1の抵抗との直列回路からなる積分器および
    第2の抵抗と第2のキャパシタとの直列回路からなる微
    分器により構成され、互いに90°位相の異なる第1お
    よび第2の出力信号を得る移相回路とを備え、 前記インダクタと前記第1および第2のキャパシタとの
    共振周波数を前記交流入力信号の周波数に合わせたこと
    を特徴とする直交信号発生回路。
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