JPH0786367B2 - 合成樹脂製締結部材 - Google Patents
合成樹脂製締結部材Info
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- JPH0786367B2 JPH0786367B2 JP1235111A JP23511189A JPH0786367B2 JP H0786367 B2 JPH0786367 B2 JP H0786367B2 JP 1235111 A JP1235111 A JP 1235111A JP 23511189 A JP23511189 A JP 23511189A JP H0786367 B2 JPH0786367 B2 JP H0786367B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- screw
- synthetic resin
- screw thread
- long fibers
- radius
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、長繊維で補強された合成樹脂を素材とした螺
子又はリベット等の締結部材に関する。
子又はリベット等の締結部材に関する。
「従来の技術」 従来より、合成樹脂製の螺子はリベット等の締結部材は
軽量かつ耐食性が要求される場合等において広く用いら
れているが、合成樹脂のみにより製造された場合には強
度が必ずしも十分ではないので、カーボンファイバ等の
長繊維により補強することが従来より行なわれている。
軽量かつ耐食性が要求される場合等において広く用いら
れているが、合成樹脂のみにより製造された場合には強
度が必ずしも十分ではないので、カーボンファイバ等の
長繊維により補強することが従来より行なわれている。
そして、そのような長繊維で補強された締結部材を製造
するには、長繊維を含有させた未硬化の樹脂から円柱状
の素材をつくり、その樹脂を硬化させた後に頭部又は軸
部を切削加工するという方法が従来一般に採用されてい
た。
するには、長繊維を含有させた未硬化の樹脂から円柱状
の素材をつくり、その樹脂を硬化させた後に頭部又は軸
部を切削加工するという方法が従来一般に採用されてい
た。
ところが、上記のような方法では、切削加工する際に長
繊維も切断されてしまい、長繊維による補強効果が十分
に発揮されない。このため、長繊維が切断されないプレ
ス加工により製造する方法が採用されるようになってき
ている。
繊維も切断されてしまい、長繊維による補強効果が十分
に発揮されない。このため、長繊維が切断されないプレ
ス加工により製造する方法が採用されるようになってき
ている。
すなわち、例えば第13図,第14図に示すように、熱可塑
性合成樹脂1に長繊維2を多数含有させてなる棒状の素
材3を加熱した状態で、上型4aと下型4bとよりなる成形
型4により外周面をプレス成形して、螺子5を製造する
方法である。この方法は、切削による方法に比べ、長繊
維が切断され難く、また素材3の外周の長繊維が外周面
の形状に沿うように湾曲するため、例えばこの場合螺子
山の強度が高くなるというものであった。
性合成樹脂1に長繊維2を多数含有させてなる棒状の素
材3を加熱した状態で、上型4aと下型4bとよりなる成形
型4により外周面をプレス成形して、螺子5を製造する
方法である。この方法は、切削による方法に比べ、長繊
維が切断され難く、また素材3の外周の長繊維が外周面
の形状に沿うように湾曲するため、例えばこの場合螺子
山の強度が高くなるというものであった。
「発明が解決しようとする課題」 ところが、上記のような方法を採用しても、なお長繊維
による補強効果が効率良く発揮されていなかった。すな
わち、螺子又はリベット等の形状としては、素材として
金属が用いられることが一般的である従来の規格に準拠
したものが採用され、その外周面には、長繊維が湾曲し
て入り込むことができない鋭角な凸部や、プレス成形時
に長繊維が切断されてしまうような鋭角な凹部が存在し
ていた。
による補強効果が効率良く発揮されていなかった。すな
わち、螺子又はリベット等の形状としては、素材として
金属が用いられることが一般的である従来の規格に準拠
したものが採用され、その外周面には、長繊維が湾曲し
て入り込むことができない鋭角な凸部や、プレス成形時
に長繊維が切断されてしまうような鋭角な凹部が存在し
ていた。
例えば、第15図は、螺子の形状をJIS規格B0205(メート
ル並目ネジ)に準拠した場合の、螺子山部の状態を示す
断面図であるが、この場合螺子の呼び径が小さくなれば
なるほど螺子山の頂部X(先端部)には切断されない長
繊維2が入り込み難い。また、谷部Yにおいては長繊維
が切断されてしまい易かった。
ル並目ネジ)に準拠した場合の、螺子山部の状態を示す
断面図であるが、この場合螺子の呼び径が小さくなれば
なるほど螺子山の頂部X(先端部)には切断されない長
繊維2が入り込み難い。また、谷部Yにおいては長繊維
が切断されてしまい易かった。
また、螺子あるいはリベットの頭部においても同様で、
軸部と頭部の境目の鋭い形状変化のために、プレス成形
の際に長繊維が切断されてしまうことがあった。
軸部と頭部の境目の鋭い形状変化のために、プレス成形
の際に長繊維が切断されてしまうことがあった。
このため、長繊維の補強効果が部材の全体にわたって発
揮されないとともに、長繊維の密度の極端に少ない部分
(この場合前記頂部X)ができてしまい膨張率が部材内
で極端に偏り、特に温度変化の激しい環境で使用される
場合の強度が十分に得られなかった。
揮されないとともに、長繊維の密度の極端に少ない部分
(この場合前記頂部X)ができてしまい膨張率が部材内
で極端に偏り、特に温度変化の激しい環境で使用される
場合の強度が十分に得られなかった。
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであっ
て、長繊維による補強効果が効率良く発揮され十分な強
度を有する合成樹脂製の締結部材を提供することを目的
としている。
て、長繊維による補強効果が効率良く発揮され十分な強
度を有する合成樹脂製の締結部材を提供することを目的
としている。
「課題を解決するための手段」 本発明の合成樹脂製締結部材は、内周面に螺子山が形成
された成形型内に、合成樹脂にカーボンファイバ等の長
繊維を長手方向に配されるように含有させてなる棒状の
素材を配置し、前記素材の中心に、前記素材よりも小径
に形成された線状の強化素材を圧入して前記素材の外周
を前記成形型の内面へ押し付けることにより、前記強化
素材が一体化されかつ外周に螺子山が形成されてなる合
成樹脂製締結部材であって、 長手方向における外周面の形状変化の曲率半径が、前記
長繊維を湾曲させた時に発生する最大応力が許容応力と
なる曲率半径よりも大きくされていることを特徴として
いる。
された成形型内に、合成樹脂にカーボンファイバ等の長
繊維を長手方向に配されるように含有させてなる棒状の
素材を配置し、前記素材の中心に、前記素材よりも小径
に形成された線状の強化素材を圧入して前記素材の外周
を前記成形型の内面へ押し付けることにより、前記強化
素材が一体化されかつ外周に螺子山が形成されてなる合
成樹脂製締結部材であって、 長手方向における外周面の形状変化の曲率半径が、前記
長繊維を湾曲させた時に発生する最大応力が許容応力と
なる曲率半径よりも大きくされていることを特徴として
いる。
「作用」 本発明の合成樹脂製締結部材は、長手方向における外周
面の形状変化の曲率半径が、前記長繊維を湾曲させた時
に発生する最大応力が許容応力となる曲率半径よりも大
きくされている。このため、プレス成形の際に、外周に
位置する長繊維が外周面に完全に沿うように湾曲して
も、この湾曲により発生する最大応力は許容応力を越え
ない。したがって、長繊維を切断してしまうことなく外
周面に完全に沿うように分布させることができる。
面の形状変化の曲率半径が、前記長繊維を湾曲させた時
に発生する最大応力が許容応力となる曲率半径よりも大
きくされている。このため、プレス成形の際に、外周に
位置する長繊維が外周面に完全に沿うように湾曲して
も、この湾曲により発生する最大応力は許容応力を越え
ない。したがって、長繊維を切断してしまうことなく外
周面に完全に沿うように分布させることができる。
また、成形型内に配設した棒状の素材の中心に、素材よ
りも小径に形成された線状の強化素材を圧入して、素材
の外周を成形型の内面の螺子山へ押し付けるものである
ので、成形時における長繊維の整列状態が維持される。
りも小径に形成された線状の強化素材を圧入して、素材
の外周を成形型の内面の螺子山へ押し付けるものである
ので、成形時における長繊維の整列状態が維持される。
「実施例」 以下、本発明の一実施例を第1図〜第12図により説明す
る。
る。
第2図,第3図において、全体として符号10で示すもの
は、本発明の実施例である有頭螺子である。螺子10は、
基材である合成樹脂11と表面形状に沿うように長手方向
に連続した状態で分布する炭素繊維12とよりなり、軸部
10aに螺子山が形成され、一端部に軸部10aよりも大径な
皿状の頭部10bが形成されたもので、この螺子10の螺子
山の歯型は、第1図に示すように、JIS規格B0205(メー
トル並目ネジ)に規定される歯型の頂部及び谷部を半径
r1円弧で丸めて得られた螺子山角度30度の丸螺子の歯型
となっている。すなわち、もととなるメートル並目ネジ
の呼び径をdとしピッチをpとすると、この螺子10の谷
部の半径R1及び頂部の半径R2は下記式のように設定され
ている。
は、本発明の実施例である有頭螺子である。螺子10は、
基材である合成樹脂11と表面形状に沿うように長手方向
に連続した状態で分布する炭素繊維12とよりなり、軸部
10aに螺子山が形成され、一端部に軸部10aよりも大径な
皿状の頭部10bが形成されたもので、この螺子10の螺子
山の歯型は、第1図に示すように、JIS規格B0205(メー
トル並目ネジ)に規定される歯型の頂部及び谷部を半径
r1円弧で丸めて得られた螺子山角度30度の丸螺子の歯型
となっている。すなわち、もととなるメートル並目ネジ
の呼び径をdとしピッチをpとすると、この螺子10の谷
部の半径R1及び頂部の半径R2は下記式のように設定され
ている。
R1=d/2−7K/8+r1 ……(1) R2=d/2+K/8−r1 ……(2) (K=sin60°×p) また、頭部10bと軸部10aの境目(以下、これを“首部”
と称する。)も円弧状とされその曲率半径はr2とされて
いる。
と称する。)も円弧状とされその曲率半径はr2とされて
いる。
そして、上記半径r1,r2は、例えば、炭素繊維12の素線
の直径をdCとしヤング率をEとし引張り強さをσとした
場合、下記式のように設定されている。
の直径をdCとしヤング率をEとし引張り強さをσとした
場合、下記式のように設定されている。
r1,r2≧dC・E/(2・σ) ……(3) ここで、上記式(3)の右辺は、炭素繊維を湾曲された
時に最外周部分に発生する引張り応力がσとなる時の曲
率半径である。
時に最外周部分に発生する引張り応力がσとなる時の曲
率半径である。
具体的には、例えば、炭素繊維12の素線の直径dCが7μ
mでヤング率Eが26000kg/mm2で引張り強さσが260kg/m
m2である場合には、 r1,r2≧0.35mm となる。
mでヤング率Eが26000kg/mm2で引張り強さσが260kg/m
m2である場合には、 r1,r2≧0.35mm となる。
つぎに、上記螺子10の製造方法について説明する。
まず、熱可塑性合成樹脂11中に、高強度の長繊維12を多
数含有させ、それを押出成形あるいは引抜成形すること
によって、第6図に示すような円形棒状の素材13を形成
する。その際、長繊維12が素材13の長手方向に沿って配
されるようになす。
数含有させ、それを押出成形あるいは引抜成形すること
によって、第6図に示すような円形棒状の素材13を形成
する。その際、長繊維12が素材13の長手方向に沿って配
されるようになす。
ここで、熱可塑性合成樹脂11としては、例えば軽量で十
分な強度を有するPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
樹脂を用いることができる。
分な強度を有するPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
樹脂を用いることができる。
つぎに、素材13を所定の長さに切断し、第10図に示すよ
うな雌型14内に挿入し、加熱して軟化させる。
うな雌型14内に挿入し、加熱して軟化させる。
ここで、雌型14は、頭部成形面15aと軸部成形面15bとよ
りなり、前記螺子10の頭部側の端部外周面の半周分を形
成する成形面15が形成された成形部16と、後述する雄型
18又は素材13の挿入を案内するガイド部17とを有するも
のである。そして、この雌型14の頭部成形面15aと軸部
成形面15bの境目は円弧状に形成されておりその曲率半
径は前記r2の値とされている。
りなり、前記螺子10の頭部側の端部外周面の半周分を形
成する成形面15が形成された成形部16と、後述する雄型
18又は素材13の挿入を案内するガイド部17とを有するも
のである。そして、この雌型14の頭部成形面15aと軸部
成形面15bの境目は円弧状に形成されておりその曲率半
径は前記r2の値とされている。
その後、前記頭部成形面15aに対向する位置に外形が前
記頭部成形面15aに沿うように形成された凸部18aが設け
られた雄型18により、第11図に示すように、素材13の側
面を雌型14の成形部16に押し付けるようにプレスし、さ
らにその後不要部分を切断する。こうして、第8図に示
すような、前記頭部側の端部外周面19が一端に形成され
た棒状の成形品20が得られる。
記頭部成形面15aに沿うように形成された凸部18aが設け
られた雄型18により、第11図に示すように、素材13の側
面を雌型14の成形部16に押し付けるようにプレスし、さ
らにその後不要部分を切断する。こうして、第8図に示
すような、前記頭部側の端部外周面19が一端に形成され
た棒状の成形品20が得られる。
この際、素材13の炭素繊維12は、第11図に示すように、
成形品20内に全長にわたって残り、切断されることがな
い。特に雌型14の頭部成形面15aと軸部成形面15bの境目
付近の炭素繊維12は曲率半径がr2を越えるようには湾曲
しないので折損するとがない また、素材13の端部は前記凸部18aにより前記頭部成形
面15aに押し付けられるようにして広がり、半周分の頭
部外周21を形成する。このため、第11図に示すように、
成形品20の頭部外周面21内には、炭素繊維12が前記頭部
側の端部外周面19に沿うようにして分布する。
成形品20内に全長にわたって残り、切断されることがな
い。特に雌型14の頭部成形面15aと軸部成形面15bの境目
付近の炭素繊維12は曲率半径がr2を越えるようには湾曲
しないので折損するとがない また、素材13の端部は前記凸部18aにより前記頭部成形
面15aに押し付けられるようにして広がり、半周分の頭
部外周21を形成する。このため、第11図に示すように、
成形品20の頭部外周面21内には、炭素繊維12が前記頭部
側の端部外周面19に沿うようにして分布する。
つぎに、二つの成形品20を、それぞれの形状を互いに合
わせるようにして、その端面20aにおいて接着し一体と
なすことにより、第9図に示すような、一端に凹部23a
を有する頭部側の端部23が形成された棒状の成形品24が
得られる。
わせるようにして、その端面20aにおいて接着し一体と
なすことにより、第9図に示すような、一端に凹部23a
を有する頭部側の端部23が形成された棒状の成形品24が
得られる。
ここで、上記成形品20の接着は、例えば熱溶着等により
行うことができる。
行うことができる。
そして、成形品24の前記凹部23aに第7図に示すような
埋設材25を埋め込むとともに、成形品24の他端部16に螺
子山を形成すれば、頭部が皿状の螺子10が完成する。
埋設材25を埋め込むとともに、成形品24の他端部16に螺
子山を形成すれば、頭部が皿状の螺子10が完成する。
すなわち、成形品24を、第12図に示すような型27内に挿
入し、まず、埋設材25を前記凹部23aに熱溶着等により
固定した後、加熱して軟化させる。
入し、まず、埋設材25を前記凹部23aに熱溶着等により
固定した後、加熱して軟化させる。
ここで、型27は、螺子山成形型28と端面成形型29とガイ
ド30とよりなり、螺子山成形部27aを有する。そして、
螺子山成形部27aの形状は前述の第1図に示す歯型を形
成するものとなっている。すなわち、螺子山成形部27a
の谷部と山部とは半径r1の円弧状とされている。また、
首部に対応する部分は半径r2の円弧状とされている。
ド30とよりなり、螺子山成形部27aを有する。そして、
螺子山成形部27aの形状は前述の第1図に示す歯型を形
成するものとなっている。すなわち、螺子山成形部27a
の谷部と山部とは半径r1の円弧状とされている。また、
首部に対応する部分は半径r2の円弧状とされている。
その後、丸棒状の強化素材31を、第12図に示すように、
図示していない圧入装置により、成形品24の他端部26側
から長手方向軸線上に圧入する。これにより、成形品24
の他端部26は半径方向に押し広げられ、外周面に螺子山
が形成される。こうして、成形品24と強化素材31が一体
化し、一端部に皿状の頭部33aが、他端部に螺子山を有
する螺子軸部33bか形成された成形品33が得られる。
図示していない圧入装置により、成形品24の他端部26側
から長手方向軸線上に圧入する。これにより、成形品24
の他端部26は半径方向に押し広げられ、外周面に螺子山
が形成される。こうして、成形品24と強化素材31が一体
化し、一端部に皿状の頭部33aが、他端部に螺子山を有
する螺子軸部33bか形成された成形品33が得られる。
この際、長繊維12は、成形品33内に全長にわたって残
り、切断されることがない。特に成形品24の他端部26の
外周部の長繊維12は、螺子山の形状に沿うように蛇行し
て、螺子山内に入り込むように分布するが、曲率半径が
r1を越えるようには湾曲しないので折損することがな
い。また螺子山の先端部(頂部)にも密に炭素繊維12が
分布する。
り、切断されることがない。特に成形品24の他端部26の
外周部の長繊維12は、螺子山の形状に沿うように蛇行し
て、螺子山内に入り込むように分布するが、曲率半径が
r1を越えるようには湾曲しないので折損することがな
い。また螺子山の先端部(頂部)にも密に炭素繊維12が
分布する。
ここで、強化素材31としては、高強度な材料、例えばス
チール等の線材又は棒材を用いることができるし、また
素材13と同様な材料を用いることもできる。そして、強
化素材31の外形寸法は、製造しようとする螺子のサイズ
等に応じて、強化素材31の圧入時に、前記他端部26が、
十分に押し広げられ、型27の螺子山成形部27a内に十分
にゆきわたるように、選定する。
チール等の線材又は棒材を用いることができるし、また
素材13と同様な材料を用いることもできる。そして、強
化素材31の外形寸法は、製造しようとする螺子のサイズ
等に応じて、強化素材31の圧入時に、前記他端部26が、
十分に押し広げられ、型27の螺子山成形部27a内に十分
にゆきわたるように、選定する。
そして、成形品33を冷却し硬化させた後、強化素材31を
成形品33の軸部33b側の端面B−Bで切断し、必要に応
じて切削加工等により頭部33a端面にすりわり等を形成
すれば、第2図,第3図に示す有頭螺子10が完成する。
成形品33の軸部33b側の端面B−Bで切断し、必要に応
じて切削加工等により頭部33a端面にすりわり等を形成
すれば、第2図,第3図に示す有頭螺子10が完成する。
以上説明した螺子10は、同様の歯型の雌螺子が形成され
たナットと組み合わせたり、また螺子10を取り付ける部
材に同様の歯形の螺子孔を設けて使用できることはいう
までもないが、例えば本実施例の場合、もととなるJISB
0205の規格に準拠したナットあるいは螺子孔に対しても
これらを必要に応じて追加工すれば使用できる。
たナットと組み合わせたり、また螺子10を取り付ける部
材に同様の歯形の螺子孔を設けて使用できることはいう
までもないが、例えば本実施例の場合、もととなるJISB
0205の規格に準拠したナットあるいは螺子孔に対しても
これらを必要に応じて追加工すれば使用できる。
すなわち、この場合ピッチp及び螺子山角度は同じであ
るので、かみ合いの条件としては螺子山の頂部及び谷部
の干渉が問題となる。しかし、前記式(1),(2),
(3)で明らかなように、螺子の頂部の半径R2は前記半
径r1を大きくすれば小さくなるので、このr1を十分大き
く設定することにより、式(3)の条件を満足させると
ともに頂部の干渉を避けることができる。一方、谷部の
外半径R1についてはこれとは逆であるので、r2の値を最
小にしてもピッチpが小さいと谷部が干渉する可能性が
あるが、雌螺子の内径(螺子山の頂部)を追加工して若
干大きくすることにより容易に適用可能とすることがで
きる。
るので、かみ合いの条件としては螺子山の頂部及び谷部
の干渉が問題となる。しかし、前記式(1),(2),
(3)で明らかなように、螺子の頂部の半径R2は前記半
径r1を大きくすれば小さくなるので、このr1を十分大き
く設定することにより、式(3)の条件を満足させると
ともに頂部の干渉を避けることができる。一方、谷部の
外半径R1についてはこれとは逆であるので、r2の値を最
小にしてもピッチpが小さいと谷部が干渉する可能性が
あるが、雌螺子の内径(螺子山の頂部)を追加工して若
干大きくすることにより容易に適用可能とすることがで
きる。
また、首部を曲率半径r2の円弧状としたことで、螺子10
を取り付ける相手側部材の座面との干渉が生じる可能性
があるが、例えば第4図に示すようなスペーサ35を頭部
10bと前記座面との間に介装させれば、前記座面は従来
のままで適用することができる。
を取り付ける相手側部材の座面との干渉が生じる可能性
があるが、例えば第4図に示すようなスペーサ35を頭部
10bと前記座面との間に介装させれば、前記座面は従来
のままで適用することができる。
本実施例の螺子10は、第11図あるいは第12図に示すプレ
ス成形の際に、加圧力(炭素繊維12を成形面に押し付け
る力)をいくら大きくしても、炭素繊維12が許容応力を
越えて湾曲しない。このため、炭素繊維12が、第1図,
第3図に示すように、螺子内に全長にわたって残り、切
断されていない。また、螺子山内及び頭部側の端部外周
には、炭素繊維12が外周面の形状に沿って密に分布して
いる。このため、螺子山及び頭部の剪断破壊に対する強
度が非常に高くなっている。
ス成形の際に、加圧力(炭素繊維12を成形面に押し付け
る力)をいくら大きくしても、炭素繊維12が許容応力を
越えて湾曲しない。このため、炭素繊維12が、第1図,
第3図に示すように、螺子内に全長にわたって残り、切
断されていない。また、螺子山内及び頭部側の端部外周
には、炭素繊維12が外周面の形状に沿って密に分布して
いる。このため、螺子山及び頭部の剪断破壊に対する強
度が非常に高くなっている。
また、炭素繊維12を螺子山の頂部にも密に分布させるこ
とができるため、螺子山付近の熱膨張係数を略均一にし
て温度変化に対する螺子山の強度を高く確保することが
できる。
とができるため、螺子山付近の熱膨張係数を略均一にし
て温度変化に対する螺子山の強度を高く確保することが
できる。
なお、上記実施例は、本発明を有頭螺子に適用した例で
あるが、これに限るものでなく、例えばリベットやナッ
ト等の軸方向に力の加わる締結部品に適用しても同様の
効果を有する。
あるが、これに限るものでなく、例えばリベットやナッ
ト等の軸方向に力の加わる締結部品に適用しても同様の
効果を有する。
また、上記実施例は、螺子山が丸螺子である場合である
が、これに限るものでなく、例えば第5図に示すよう
に、JIS規格B0216に規定された台形螺子の山部と谷部と
を前記半径r1の円弧で丸めた歯形であってもよいし、ま
た、もととなる規格もユニファイねじ等の他の規格でも
よい。
が、これに限るものでなく、例えば第5図に示すよう
に、JIS規格B0216に規定された台形螺子の山部と谷部と
を前記半径r1の円弧で丸めた歯形であってもよいし、ま
た、もととなる規格もユニファイねじ等の他の規格でも
よい。
「発明の効果」 本発明の合成樹脂製締結部材は、長繊維を切断すること
なく外周面の形状に沿って密に分布させることができる
ので、長繊維で効率よく補強された締結部材となる。
なく外周面の形状に沿って密に分布させることができる
ので、長繊維で効率よく補強された締結部材となる。
また、成形型内に配設した棒状の素材の中心に、素材よ
りも小径に形成された線状の強化素材を圧入して、素材
の外周を成形型の内面の螺子山へ押し付けるものである
ので、成形時における長繊維の整列状態を維持させるこ
とができ、これにより、長繊維の分布密度の偏りによる
強度の不均一及び熱膨張係数の部位による違いが少なく
なり、温度変化に対する強度も向上したものとなる。
りも小径に形成された線状の強化素材を圧入して、素材
の外周を成形型の内面の螺子山へ押し付けるものである
ので、成形時における長繊維の整列状態を維持させるこ
とができ、これにより、長繊維の分布密度の偏りによる
強度の不均一及び熱膨張係数の部位による違いが少なく
なり、温度変化に対する強度も向上したものとなる。
第1図〜第5図は本発明の実施例である有頭螺子を説明
するための図であって、第1図は螺子山の断面を示す
図、第2図は有頭螺子の斜視図、第3図は有頭螺子の全
体断面図、第4図はスペーサの斜視図、第5図は螺子山
の断面図である。 また、第6図〜第12図は本発明の実施例である有頭螺子
の製造方法を説明するための図であって、第6図は素材
の斜視図、第7図は埋設材の斜視図、第8図は成形品の
斜視図、第9図は二つの成形品を組み合わせた状態を示
す斜視図、第10図は素材を型内に配した状態を示す図、
第11図は素材を成形した状態を示す図、第12図は成形品
の端部に螺子山を形成した状態を示す図である。 また、第13図〜第15図は従来技術を説明するための図で
あって、第13図は素材を型内に配した状態を示す図、第
14図は素材を成形した状態を示す図、第15図は螺子山の
断面図である。 11……合成樹脂、12……長繊維、13……素材、10……螺
子、r1,r2……曲率半径。
するための図であって、第1図は螺子山の断面を示す
図、第2図は有頭螺子の斜視図、第3図は有頭螺子の全
体断面図、第4図はスペーサの斜視図、第5図は螺子山
の断面図である。 また、第6図〜第12図は本発明の実施例である有頭螺子
の製造方法を説明するための図であって、第6図は素材
の斜視図、第7図は埋設材の斜視図、第8図は成形品の
斜視図、第9図は二つの成形品を組み合わせた状態を示
す斜視図、第10図は素材を型内に配した状態を示す図、
第11図は素材を成形した状態を示す図、第12図は成形品
の端部に螺子山を形成した状態を示す図である。 また、第13図〜第15図は従来技術を説明するための図で
あって、第13図は素材を型内に配した状態を示す図、第
14図は素材を成形した状態を示す図、第15図は螺子山の
断面図である。 11……合成樹脂、12……長繊維、13……素材、10……螺
子、r1,r2……曲率半径。
Claims (1)
- 【請求項1】内周面に螺子山が形成された成形型内に、
合成樹脂にカーボンファイバ等の長繊維を長手方向に配
されるように含有させてなる棒状の素材を配置し、前記
素材の中心に、前記素材よりも小径に形成された線状の
強化素材を圧入して前記素材の外周を前記成形型の内面
へ押し付けることにより、前記強化素材が一体化されか
つ外周に螺子山が形成されてなる合成樹脂製締結部材で
あって、 長手方向における外周面の形状変化の曲率半径が、前記
長繊維を湾曲させた時に発生する最大応力が許容応力と
なる曲率半径よりも大きくなっていることを特徴とする
合成樹脂製締結部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1235111A JPH0786367B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-09-11 | 合成樹脂製締結部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1235111A JPH0786367B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-09-11 | 合成樹脂製締結部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0396709A JPH0396709A (ja) | 1991-04-22 |
JPH0786367B2 true JPH0786367B2 (ja) | 1995-09-20 |
Family
ID=16981221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1235111A Expired - Lifetime JPH0786367B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-09-11 | 合成樹脂製締結部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0786367B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6659658B2 (ja) * | 2017-12-12 | 2020-03-04 | ハードロック工業株式会社 | 炭素繊維強化複合材料からなるネジ山を有するネジ筒の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63224930A (ja) * | 1987-03-13 | 1988-09-20 | Daido Steel Co Ltd | 合成樹脂製ねじ材の製造方法 |
-
1989
- 1989-09-11 JP JP1235111A patent/JPH0786367B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0396709A (ja) | 1991-04-22 |
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