JPH078593U - 多翼ファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数の羽根１１を環状に配設した羽根車１０
を、渦巻状のケーシング２０内に収納した多翼ファンの
運転音の低騒音化を図る。 【構成】 ケーシング２０の吸込面２１に吸込口２５を
形成するベルマウス２６を断面半円形の突状に形成し、
主板１３側をケーシング２０の底面２３側に近接して羽
根車１０を収納し、側板１４側と吸込面２１との間に間
隔Ｌを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、空調機器、温水給湯機器、換気送風機器などの送風装置として使 用される多翼ファンに関し、多翼ファンの送風運転時の低騒音化に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

空調機器の室内器、強制燃焼式のガス給湯機などの送風装置には、一般に、タ ーボファン、シロッコファンの遠心型多翼ファンが汎用されている。かかる多翼 ファンは、多数の羽根を環状に配設した羽根車を渦巻状のケーシング内に収納し て構成され、モータで駆動して羽根車を回転させ、吸込口からケーシング内に空 気を吸引して羽根車で昇圧し、吐出口から排出して送風運転するものである。一 方、こうした送風装置を組込んだ家庭用、産業用機器は、機器を設置する周囲の 環境への配慮や使用の快適性の向上の点から運転音の低騒音化が強く望まれるよ うになってきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

かかる状況に応じて近年、これらの機器に組込まれる多翼ファン自体の運転音 の抑制に関する研究が進み、いろいろな提案がされているが必ずしも満足すべき 結果は得られていない。この考案は、こうした課題を解決することを目的とする もので、ベルマウスの形状、羽根車の配置構成について試験、研究を重ねた結果 得られた対策を提供し、多翼ファンの運転音の低騒音化を図ることを目的とする ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、この考案は、円板状の主板と環状の側板とで挟持し て多数の羽根を環状に配設した羽根車を、渦巻状のケーシング内に収納した多翼 ファンにおいて、ケーシングの吸込面に吸込口を形成するベルマウスを断面半円 形の突状に形成し、主板側をケーシングの底面側に近接して羽根車を収納し、側 板側と吸込面との間に間隔Ｌを形成して構成するものである。そして、鋼板製の 各羽根の内端を回転方向へ折曲げて接合し、あるいは、樹脂製の各羽根の内端を 肉厚にして玉状に形成するものである。 以下に、この考案の構成を、図面の実施例を用いて具体的に説明する。

【０００５】

【実施例】

図面はこの考案の実施例で、渦巻状のケーシング（２０）内に羽根車（１０） を収納し、羽根車（１０）の回転で送風運転を行うシロッコファンである。図面 において、円板状の主板（１３）と環状の側板（１４）とで両端を挟持して多数 の羽根（１１）が環状に配設され、羽根車（１０）が円筒状に形成されている。 略矩形の鋼板製の各羽根（１１）は、特定の曲率で穏やかに湾曲して形成され、 その内端（１２）を回転方向へ折曲げて接合されている（図３参照）。また、他 の実施例として、羽根を合成樹脂で成形する場合は、樹脂製の各羽根（１１ａ） の内端（１２ａ）を肉厚にして玉状に形成することもできる（図４参照）。

【０００６】 ケーシング（２０）は、一方の側板すなわち送風空気を吸引する吸込口（２５ ）を開孔した吸込面（２１）、渦巻形に曲げ加工された渦巻きケーシング（２２ ）、他方の側板すなわち底面（２３）を接合して渦巻状に形成され、送風空気を 排出する吐出口（２４）が端部に突出して形成されている。吸込口（２５）は、 週縁に断面半円形の突状にベルマウス（２６）を形成して吸込面（２１）に形成 されている。そして、羽根車（１０）を、送風運転中に生じる振れで底面（２３ ）に接触することがないようにクリアランスを保って、主板（１３）側を底面（ ２３）側に近接してケーシング（２０）内に収納し、側板（１４）側と吸込面（ ２１）との間にできるだけ大きな間隔Ｌが形成され、モータの出力軸（３０）に 羽根車（１０）を連結して構成されている。

【０００７】 この実施例において、モータの駆動で羽根車（１０）を回転させ、吸込口（２ ５）からケーシング（２０）内に空気を吸引して羽根車（１０）で昇圧し、吐出 口（２４）から排出して送風運転を行う。ここで、断面半円形の突状のベルマウ ス（２６）に沿って吸引空気ａが円滑に吸引されて騒音が抑えられ、吸引空気は 軸方向からラジアル方向へ流れを変える。そして、羽根（１１）の内端（１２） は回転方向への折曲げて先端はアールが形成され、羽根車（１０）内から外への 送出空気ｂの騒音が低減される。樹脂製の各羽根（１１ａ）の内端（１２ａ）を 肉厚にして玉状に形成した場合も同様の効果が得られる。さらに、主板（１３） 側をケーシング（２０）の底面（２３）側に近接し、側板（１４）側と吸込面（ ２１）との間に大きな間隔Ｌが形成されており、吸引空気ａと、吸込口（２５） 側へ戻ろうとする逆流空気ｃとの衝突を緩和し、両者を合流させて騒音を抑制す ることができる。

【０００８】

【考案の効果】

この考案の多翼ファンは以上のように構成することにより、送風運転に伴う騒 音を抑制することができ、多翼ファンの運転音の低騒音化を実現することができ るものである。そして、従来と比較して特別に構造が複雑になることもなく、各 部材はプレス加工で容易に形成されて製作の手間も複雑になることもなく、運転 音の低騒音化を確実に図りながら従来と変わらぬコストで製作されるなどの実用 的な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の側面断面図。

【図２】この考案の実施例の正面図。

【図３】鋼板製の羽根の配設状態を示す説明図。

【図４】樹脂製の羽根の配設状態を示す説明図。

【符号の説明】

１０ 羽根車 １１ 羽根 １１ａ 羽根 １２ 内端 １２ａ 内端 １３ 主板 １４ 側板 ２０ ケーシング ２１ 吸込面 ２３ 底面 ２５ 吸込口 ２６ ベルマウス

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円板状の主板（１３）と環状の側板（１
   ４）とで挟持して多数の羽根（１１）を環状に配設した
   羽根車（１０）を、渦巻状のケーシング（２０）内に収
   納した多翼ファンにおいて、ケーシング（２０）の吸込
   面（２１）に吸込口（２５）を形成するベルマウス（２
   ６）を断面半円形の突状に形成し、主板（１３）側をケ
   ーシング（２０）の底面（２３）側に近接して羽根車
   （１０）を収納し、側板（１４）側と吸込面（２１）と
   の間に間隔Ｌを形成した多翼ファン。
2. 【請求項２】 鋼板製の各羽根（１１）の内端（１２）
   を回転方向へ折曲げて接合した請求項１記載の多翼ファ
   ン。
3. 【請求項３】 樹脂製の各羽根（１１ａ）の内端（１２
   ａ）を肉厚にして玉状に形成した請求項１記載の多翼フ
   ァン。