JPH0785796A - ブラウン管の組立状態検査装置および検査方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラウン管のマスク製造においてパネルとマ
スクの間隔を非接触で一度の位置合わせで検査する装置
を得る。 【構成】 パネル１及びシャドウマスク２からの反射像
を発生させるスリット光４と、このスリット光４により
発生した反射像を撮像するためのテレビカメラ５と、こ
のテレビカメラ５が撮像したパネルとシャドウマスクの
反射像の距離およびパネルへの照射光と反射光の角度か
らパネル１とシャドウマスク２の組立状態を検査する演
算処理回路９と、検査結果を必要に応じて表示する表示
回路12から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ブラウン管のパネル
とシャドウマスクの組立状態を検査する装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】図７は、例えば特開昭63−257725号公報
に示された従来のブラウン管測定装置を示す構成図であ
る。図７において、４はスリット光の投光器、５はテレ
ビカメラ、６はスリット光の投光器４に対してテレビカ
メラ５を角度θに傾けて取付け一体化した計測ヘッド、
７は計測ヘッドを三次元で走査可能な移動ステージ、８
はスリット光の投光器４の駆動回路、９はテレビカメラ
５の撮像した画像からパネル内面とシャドウマスクの位
置を求める演算処理装置。10は移動ステージ７の駆動回
路、11は装置全体を制御する制御回路、12は検査結果を
表示する表示回路、１はパネル、２はシャドウマスク、
３はパネル１の位置決め治具である。

【０００３】従来のブラウン管測定装置は上記のように
構成され、図８に示すようにしてシャドウマスク２と蛍
光面24の間隔Zqを測定する。まず、移動ステージ７によ
りシャドウマスク２上の測定点に投光器４とテレビカメ
ラ５を位置決めし、スリット像20が撮像された画面上の
位置（ｍ）を求める。次に、投光器４とテレビカメラ５
をシャドウマスク２と蛍光面24の設計値の間隔（Ｌ）だ
け移動させ、スリット像20a が撮像された画面上の位置
（ｐ）を求める。移動ステージ７の移動量（Ｌ）とスリ
ット像20と20a の画面上の位置（ｍ，ｐ）から、シャド
ウマスク２と蛍光体24の間隔Zqを求めることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のブ
ラウン管測定装置では、計測ヘッドをパネルの内面とシ
ャドウマスクの内側の両位置に別々に位置決めして測定
するため、測定に時間がかかるばかりでなく、パネルと
シャドウマスクに垂直な軸は高精度の位置決めかつ、位
置検出が必要であるという問題点があった。

【０００５】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、パネルの外側から非接触で、パ
ネルとシャドウマスクの組立状態を定量的に高精度に検
査できる検査装置および検査方法を提供することを目的
としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためにこの発明に係るブラウン管組立状態検査装置
は、パネルの内面及びシャドウマスクからの反射像を発
生させる手段によりできた像をテレビカメラで撮像する
ものである。

【０００７】請求項１および請求項７の発明は、パネル
内面からの反射像とシャドウマスクからの反射像を照射
光に対し一定の角度をなす反射光を受光するテレビカメ
ラで撮像し、両者の距離および前記角度からパネルとシ
ャドウマスクとの距離を計測する。

【０００８】請求項２はスリット光を、請求項３は円ま
たは楕円のスポット光を、請求項４はレーザ光を、反射
像を発生させる手段として夫々使うものである。

【０００９】請求項５は、パネル内面からの反射像を撮
像するときとシャドウマスクからの反射像を撮像すると
きとで照射する光の強度を変えるよう制御するものであ
る。

【００１０】請求項６はテレビカメラのシャドウマスク
からの反射像の画像結像位置に減光フィルターを設けた
ものである。

【００１１】

【作用】請求項１および請求項７は、パネル内面からの
反射像とシャドウマスクからの反射像との距離およびパ
ネルへの照射光と反射光の角度に基づきパネル内面とシ
ャドウマスクとの距離を求めるようにしたのでテレビカ
メラの位置決めを２度も行う必要はなくなる。

【００１２】請求項２は光源として一般的なスリット光
を使うことができる。請求項３のスポット光を使うとシ
ャドウマスクの孔の部分による反射像の一部欠落の影響
を軽減することができる。請求項４はレーザ光を使うの
で集束し易く計測が容易になる。

【００１３】請求項５は照射する光の強度を制御するこ
とによりテレビカメラで撮像された反射像の強度を▲揃
▼えることができる。請求項６は、シャドウマスクから
の反射像が結像する位置のテレビカメラに減光フィルタ
ーを設けることにより、請求項４と同様の効果を得るも
のである。

【００１４】

【実施例】

実施例１．図１はこの発明の一実施例を示す構成図であ
る。図１において、１〜12は上記従来装置と全く同一の
もので、パネルの外面側に設置する。４はスリット光の
投光器、５はテレビカメラ、６はスリット光の投光器４
に対してテレビカメラ５を所定の角度θに傾けて取付け
一体化した計測ヘッド、７は計測ヘッドを三次元で走査
可能な移動ステージ、８はスリット光の投光器４の駆動
回路、９はテレビカメラ６の撮像した画像からパネル内
面とシャドウマスクの位置を求める演算処理装置、10は
移動ステージ７の駆動回路、11は装置全体を制御する制
御回路、12は検査結果を表示する表示回路、１はパネ
ル、２はシャドウマスク、３はパネル１の位置決め治具
である。

【００１５】前記のような構成によりパネル１に対する
シャドウマスク２の水平方向の傾きを測定する。図２、
図３に測定原理を示す。まず、移動ステージ７によりパ
ネル１上の測定点に投光器４とテレビカメラ５を位置決
めする。スリット光をパネルとシャドウマスクにむかっ
て光軸13のように投光する。スリット光はパネルの外
面、内面で一部反射しながらシャドウマスク上まで透過
し、パネル外面で15c 、内面で15b 、シャドウマスク上
で15a のスリット像をつくる。このスリット像を一定の
角度に傾けて取り付けたテレビカメラ５で同時に撮像す
る。各スリット像15はテレビカメラ５の光学系5aにより
反射光の光軸14を通り、撮像素子5bの16a，16b ，16c
の位置にそれぞれ結像される。

【００１６】図３に撮像画面の一例を示す。17a はシャ
ドウマスク、17b はパネル内面、17c はパネル外面の撮
像されたスリット像である。この撮像画面を演算処理回
路９で処理し、スリット像の画面上の位置ZpとZmを求
め、画面上のパネル内面とシャドウマスクのスリット像
の距離Zqを求める。このZqとパネルへの照射光13とテレ
ビカメラが受光する反射光の角度θから三角測量の原理
より、実際のパネル内面とシャドウマスクの距離Ｘを計
算で求めることができる。なお、パネル１と投光器４の
間、パネル１とテレビカメラ５の間にミラー、プリズム
等を設けて照射光や反射光を曲げるようにしても良い。
また、パネル１の厚さが既知であるときは、パネル外面
からの反射像17cとシャドウマスクからの反射像17a の
距離からパネル外面とシャドウマスク２までの距離を同
様の原理で求め、パネルの厚さを引算するようにしても
良い。

【００１７】実施例２．上記実施例１では一般的な測定
用光源であるスリット光の投光器を用いたが、円形、ま
たは楕円形、または長円形のスポット光を投光する投光
器を用いても同様の測定が可能である。シャドウマスク
２の孔の部分にスリット光が照射されると孔の部分から
は反射しないので一部が欠けた反射像となる。小さな径
のスポット光で孔の部分を避けて照射するか、孔より相
当大きな径のスポット光を照射して孔の影響を受けて測
定精度がばらつくという問題に対処できる。

【００１８】実施例３．前述した実施例１ではスリット
光とテレビカメラを取付けた計測ヘッドを三次元の移動
ステージで移動したが、計測ヘッドを測定点の数だけ設
置してもよい。

【００１９】実施例４．前述した実施例１ではパネル１
とシャドウマスク２の反射画像を光学系5aを通して撮像
素子5bに直接結像していたが、図６に示すようにシャド
ウマスク２の反射画像を結像する撮像素子5bの前に減光
フィルター19を付けることで、シャドウマスク２の反射
画像の強度を弱めてパネル内面からの反射像と強度の差
を少なくすることにより安定して計測することが可能で
ある。減光フィルター19を設ける位置はシャドウマスク
２からテレビカメラの結像位置16a までの間のどこであ
っても良い。また、投光器４の強度を制御して、シャド
ウマスク２からの反射像を撮像するときは照射光を弱
め、パネル内面からの反射像を撮像するときは照射光を
強め、得られる像の強度を均一化することによっっても
同様に安定した計測が可能となる。

【００２０】実施例５．前述した実施例１ではパネル１
の位置決め治具３を用いたが、この実施例では、図５に
示すようなマスクの位置決め用の孔18を、図４に示すよ
うな反射照明17で照明し、このマスクの位置決め用の孔
18の反射画像をテレビカメラ５で撮像する。この撮像さ
れた像を演算処理回路９によりシャドウマスク２の位置
を計算する。この計算されたシャドウマスク２の位置か
らブラウン管組立状態を検査する位置を計算し、テレビ
カメラの位置決めを行った後実施例１で示した方式によ
り検査を行う。

【００２１】

【発明の効果】請求項１および請求項９の発明は、パネ
ル内面からの反射像とシャドウマスクからの反射像をテ
レビカメラで撮像し、両者の距離およびパネルへの照射
光とテレビカメラが受光する反射光の角度からパネルと
シャドウマスクの距離を計測するようにしたので、テレ
ビカメラの位置合わせが１回で済む効果がある。

【００２２】請求項２は反射像を得るための光源とし
て、計測に一般的に使用されているスイット光をそのま
ま使えるという効果がある。

【００２３】請求項３は、スポット光を反射像を得るた
めの光源として使うようにしたので、シャドウマスクの
孔による反射光の一部欠落の影響を軽減することができ
る。

【００２４】請求項４はレーザ光を使うので集束し易く
計測が容易になる効果がある。

【００２５】請求項５は、パネルへ照射する光の強度
を、パネル内面からの反射像を撮像するときは強く、シ
ャドウマスクからの反射像を撮像するときは弱く、制御
することにより、テレビカメラで撮像される反射像の強
度を均一化して、計測を容易にできる効果がある。

【００２６】請求項６は、シャドウマスクからの反射像
の強度を減光フィルターで弱めるようにしたので、パネ
ル内面からの反射像と強度が均一化され測定が容易にな
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるブラウン管の組立状態検査装置
の１実施例を示す図である。

【図２】この発明の測定原理図である。

【図３】この発明に係わる検査装置のカメラでの撮像画
像の一例を示す図である。

【図４】この発明によるブラウン管組立状態検査装置の
他の実施例を示す図である。

【図５】図４におけるカメラでの撮像画像の一例を示す
図である。

【図６】この発明によるブラウン管の組立状態検査装置
の他の実施例を示す図である。

【図７】従来のブラウン管組立状態検査装置の構成を示
す図である。

【図８】図７で示した従来の検査装置の測定原理図であ
る。

【符号の説明】

１ パネル ２ シャドウマスク ３ 位置決め治具 ４ スリット投光器 ５ テレビカメラ 5a テレビカメラの光学系 5b テレビカメラの撮像素子 ６ 計測ヘッド ７ 移動ステージ ８ スリット投光器駆動回路 ９ 演算処理回路 10 駆動回路 11 制御回路 12 表示回路 13 スリット光光軸 14a 反射光光軸 14b 反射光光軸 14c 反射光光軸 15a スリット像位置 15b スリット像位置 15c スリット像位置 16a 結像位置 16b 結像位置 16c 結像位置 17a 撮像された像 17b 撮像された像 17c 撮像された像 18 シャドウマスク位置決め用の孔 19 フィルター 20 スリット像 21 カメラの光軸 23 孔 24 蛍光体

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブラウン管のパネルとシャドウマスクの
   組立状態を検査する装置であって、光を照射することに
   より前記パネルの内面及び前記シャドウマスクからの反
   射像を発生させる手段と、前記パネルの内面及び前記シ
   ャドウマスクからの反射像を撮像するためにパネルへの
   照射光に対し一定の角度をなす反射光を受光するテレビ
   カメラと、前記テレビカメラが撮像したパネルの内面か
   らの反射像と前記シャドウマスクからの反射像との距離
   および前記角度から前記パネルと前記シャドウマスクの
   距離を計測する手段を備えたことを特徴とするブラウン
   管の組立状態検査装置。
2. 【請求項２】 前記反射像を発生させる手段として、ス
   リット光を用いたことを特徴とする請求項１に記載のブ
   ラウン管の組立状態検査装置。
3. 【請求項３】 前記反射像を発生させる手段として、円
   形または楕円形のスポット光を用いたことを特徴とする
   請求項第１項記載のブラウン管の組立状態検査装置。
4. 【請求項４】 前記反射像を発生させる手段として、レ
   ーザを用いたことを特徴とする請求項１項に記載のブラ
   ウン管の組立状態検査装置。
5. 【請求項５】 反射像を発生させる手段が、パネルの内
   面からの反射像をテレビカメラが撮像するときは強度を
   強め、シャドウマスクからの反射像をテレビカメラが撮
   像するときは強度を弱めるよう制御されることを特徴と
   する請求項１項に記載のブラウン管の組立状態検査装
   置。
6. 【請求項６】 前記テレビカメラのシャドウマスクから
   の反射像に対するフィルターを設置することを特徴とす
   る請求項１項に記載のブラウン管の組立状態検査装置。
7. 【請求項７】 ブラウン管のパネルとシャドウマスクに
   対して光を照射して反射像を発生させるステップと、パ
   ネルへの照射光に対して一定の角度をなす反射光を受光
   するテレビカメラでパネルの内面からの反射像とシャド
   ウマスクからの反射像とを撮像するステップと、これら
   ２つの反射像間の距離および前記角度から前記パネルと
   シャドウマスクの距離を計測するステップとからなるブ
   ラウン管の組立状態検査方法。