JPH078489Y2 - 出荷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、倉庫から搬出された荷をトラック等に積載す
べく出荷場へ搬送する出荷装置に関する。

［従来の技術］ 従来、例えば自動倉庫から配送先を指定されて搬出され
る荷はパレットに積付けられ手作業では取扱えない重量
であり、倉庫から搬出される順に出荷場に搬出されフォ
ークリフト等の移載装置でトラック等に積み込まれてい
る。したがって、トラック等に移載される荷は配送先別
でみると順不同の状態で乱積みされており、トラック等
はこの状態で順次配送先をまわり荷を配達していた。そ
して、トラック等が配送先に到着するごとに運転者が乱
積みされている荷から配達する荷を選別して荷降しして
いた。

また、この出荷方法では、倉庫から搬出される荷を１ケ
所に配達するべくトラック等に移載する場合、荷の個々
の重量や荷高さについて考慮されることなく、倉庫から
搬出される順にトラック等に積み込まれていた。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上述した従来の出荷方法では、荷はトラック
等に順不同状態で積み込まれるため、トラック等が配送
先に到着した際、運転者が狭い荷台内で、配達伝票等と
付け合せ配達する荷を多数の荷から選別取降し、位置の
再整列をフォークリフト等の移載装置によって繰返し作
業することが必要であった。

そのため、トラック等で多数の配達先に荷を配達しなが
ら回わると、この荷降しに時間がかかるため、配達時間
が長引き、トラック等や運転者の稼動率が低いという問
題があった。

また、従来の出荷装置で、倉庫から搬出される多数の荷
を１ケ所に配達するため１台のトラック等に移載する場
合、荷の個々の重量や荷高が考慮されずに、これら荷は
搬出順にトラック等に移載されるので、トラック等の荷
台のスペースに効率よく荷を積み込むことができず、ま
た、荷の重心が偏ったりして運転上不安定となるという
問題があった。

本考案は上述の問題点を解決すべくなされたものであっ
て、その目的とするところは、倉庫から順不同で搬出さ
れてきた荷を出荷時間を遅らせることなく所望の順序で
出荷することのできる出荷装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、倉庫から搬出される荷をトラック等に積載す
べく出荷場に搬送する出荷装置において、上記倉庫から
搬出された荷を搬送する搬出ラインと、この搬出ライン
の下流側に設置されると共に、複数段で形成されかつ各
段に整列された荷をその整列順で出荷場へ払い出す払い
出しコンベアと、この払い出しコンベアの側部に沿って
走行すると共に搬出ラインの搬出端に搬送されてきた荷
を識別して順次払い出しコンベア上に搬送し、払い出し
コンベアの各段にトラック等１台分の荷を当該トラック
等への積載順序で整列させて載置するスタッカクレーン
とを備えたものである。

［作用］ 出荷場にトラック等が着岸すると、そのトラック等に積
載されるべき荷が倉庫から搬出ラインを通じて搬出され
る。搬出ラインの搬出端まで搬送された荷は、順次、ス
タッカクレーンによって識別されて払い出しコンベア上
に搬送され、払い出しコンベアの所定段にトラック等へ
の積載順序で整列載置される。例えば、トラック等が多
数の配送先を回って配送する場合、スタッカクレーン
は、搬送されてきた荷を識別して荷降し順位を判断し、
配送先の最後に荷降しする荷を最初に、また、最初に荷
降しする荷を最後に移載できるような順序で整列載置す
る。また、１台のトラック等で１カ所に種々な重量や荷
高の荷を配達する場合には、スタッカクレーンは、荷の
重量や高さを識別し、トラック等の重心・荷台容量を考
慮した順序で整列載置する。

以上のように本考案では、倉庫から搬出された荷を随時
スタッカクレーンにより払い出しコンベア上に搬送して
載置するので、迅速に荷をトラック等への積載順序で整
列載置できる。その後、払い出しコンベアから荷を払い
出すことにより、荷は迅速にトラック等に移載される。
しかも、払い出しコンベアの各段にトラック１台分の荷
を整列載置するので、トラック複数台分の荷を貯蔵して
トラック等の待ち時間を短くできると共に、貯蔵スペー
スの省スペース化を図ることができる。

［実施例］ 本考案の好適な一実施例を第１図、第２図に基づいて説
明する。

本実施例にかかる出荷装置は、図示するように、自動倉
庫１から搬出されるパレット上に積載された荷２をトラ
ック８に移載するために用いられる。本実施例では同一
の品が２個載置された１つのパレットを荷２として示し
た。

自動倉庫１には、荷２が分類されて棚に貯蔵されてお
り、出荷の指令でこの棚から搬出され、搬出ライン５上
に移送されるようになっている。この搬出ライン５は、
例えばローラコンベアで形成されており、荷２はその搬
出端部10まで移送されるようになっている。

自動倉庫１から出荷される荷２には、荷２の配送先の順
序を勘案し、または個々の荷２の重量、荷高等を勘案し
たトラック８への移載順序が記録されたラベルが張り付
けられてある。

搬出ライン５の下流側には、搬出ライン５の搬出端部10
と直交方向に延びる払い出しコンベア６が設置されてい
る。払い出しコンベア６は、後述するスタッカクレーン
７により整列載置された荷2,2…をその整列順に従って
出荷場側へ払い出すもので、第２図に示すように、駆動
可能なローラコンベアを複数段で設置して形成されてい
る。払い出しコンベア６の各階には、積載されるトラッ
ク８の１台分の荷２を載置できるようになっている。

払い出しコンベア６は、また、例えばＡ階の載置位置A1
〜A10に１台のトラック８に移載すべき個数の荷２が載
置されると駆動され、Ａ階の荷2,2…が出荷場側即ち払
出し部12側に移動される。この移動中に、Ｂ階には、次
のトラック８に移載される荷２が連続的に載置位置B1〜
B10に整列載置され始める。

払い出しコンベア６の側部には、これに沿って走行可能
にスタッカクレーン７が設置されている。スタッカクレ
ーン７は、上記自動倉庫１からトラック８への移載順序
に関係なく搬出された荷２を払い出しコンベア６上に移
載順序に従って整列載置させるもので、上記搬出ライン
５の搬出端部10に搬送されてきた荷２を順次識別し、こ
の荷２を払い出しコンベア６上の所定の載置位置A1〜A1
0,B1〜B10…に搬送して載置できるようになっている。

このスタッカクレーン７は、上記搬出ライン５から上記
払い出しコンベア６の払出し端部12に至る間に敷設され
たレール13上に走行自在に設けられている。また、この
クレーン７には、払い出しコンベア６のＡ階、Ｂ階を昇
降し、かつ出没自在なフォーク14を有する台車16が設け
られている。そして、上記搬出ライン５の搬出端部10に
移送された荷２をフォーク14に載置してレール13上を走
行させ、この荷２をコンベア６の、どの階の、どの載置
位置にも移送し載置させることができるようになってい
る。

上記払い出しコンベア６の払出し端部12から、荷２をト
ラック８へ移載するためのフォークリフト13が備えられ
る。このフォークリフト13により荷を移載するため、ト
ラック８は側部に荷の積卸口が設けらたものが好適であ
る。

次に本実施例の作用について説明する。

まず、自動倉庫１から多品種の荷２が出荷され、この荷
２が１台のトラック８に移載され、複数の配送先を回り
ながら荷降しすることについて説明する。

荷２には自動倉庫１から出荷される際、配送先などによ
るトラック８への移載順序が記憶されたラベルが張り付
けられて、順次搬出ライン５に移送される。

この搬出ライン５の搬出端部10まで移送された荷２は、
スタッカクレーン７の台車16のフオーク14に係合され台
車16上に載置される。

そして、このクレーン７で荷２に張り付けられているラ
ベルによる識別が行われる。すなわち、このラベルに記
憶されている配送先、荷の種類が検出され、移載する荷
の荷降ろし順位が識別され、この荷２の払い出しコンベ
ア６上に載置される位置が自動的に判断され、荷２は払
い出しコンベア６の所定載置位置まで移送され載置され
る。

具体的には、このコンベア６には図示するように、荷２
が載置位置A1,A2,A3……A10に整列されて載置されるよ
うになっており、載置された荷２はこの載置位置の番号
順にトラック８に移載されるようになっている。

すなわち、トラック８が多数の配送先をまわり、順次荷
降しする場合には、載置位置A1に貯蔵される荷２は最終
の配送先で荷降しされるように、また最尾の載置位置A1
0に貯蔵される荷２は最初の配送先で荷降しされるよう
になっている。

このように１台のトラック８に混載される全個数の荷２
が払い出しコンベア６上に移送されると、このコンベア
６が駆動され、フオークリフト13で順次トラック８に移
載される。すなわち、この移載される荷２は荷降し順と
逆の順序でトラック８に移載されることになる。このよ
うに自動倉庫１から搬出された荷２は常に下流側へと搬
送され、途中で載置位置を変更するだけで、トラック８
に荷降し順序とは逆の順序で移載できるので、出荷時間
を大幅に遅らせずに迅速に移載できる。

このコンベア６のＡ階に載置されている荷２がトラック
８へ移載され始めると、自動倉庫１から、次のトラック
８に移載される荷２の出荷が始められる。この荷２は同
じく識別され、コンベア６のＢ階に整列して載置され
る。したがって、コンベア６はＡ階、Ｂ階と、多段階に
形成されており、自動倉庫１から連続的に出荷される荷
を順次受入、れ、次々にトラック８に荷２を移載するこ
とができ、トラック８の荷２の移載のための待時間を短
縮することができる。

トラック８が多数の配達先を回って荷降しする際、トラ
ック８には配達先順に荷降しできるよう荷２が積載され
ているので、配達地での荷２の選別を行うことがなく、
停車時間を縮め配達効率を高めることができる。

次に、自動倉庫１から出荷指令により、荷２の重量や荷
高がまちまちな荷２がパレットに載置されて出荷され、
この荷２が１台のトラック８に移載され、１ケ所の配達
先に向けて配達する場合について説明する。

この荷２は自動倉庫１から出荷の際、荷２のそれぞれの
重量や荷高がラベルに記憶され、張り付けられて搬出ラ
イン５に搬出される。

スタッカクレーン７でこれら荷２の重量がラベルから識
別され、トラック８の重心を考慮した荷重配置となるよ
う払い出しコンベア６に整列して載置される。また、荷
高についても識別が行われ、荷２の積重段数などが考慮
され、払い出しコンベア６に整列して載置される。この
のち、これら整列された荷２はスタッカクレーン７でト
ラック８に移載され、配達先に安定した走行状態で配達
される。

なお、上述した出荷装置はトラックについて説明した
が、トレーラなどの陸上輸送機関のみならず航空機にも
適用できる。

［考案の効果］ 本考案は上述のとおりなので、次のごとき優れた効果を
奏する。

（１）倉庫から搬出された荷の搬出ラインの下流側に払
い出しコンベアを複数段で設け、搬出ラインにより搬送
されてきた荷を順次スタッカクレーンによって払い出し
コンベア上に整列させて載置するので、倉庫から順不同
で搬出されてくる荷を所望の順序に直して出荷してトラ
ック等に移載できる。

（２）払い出しコンベアを複数段で形成し、その払い出
しコンベアの各段にトラック等１台分の荷をスタッカク
レーンによって整列載置するので、トラック複数台が着
岸した場合でも、倉庫から搬出されてきる荷を迅速に払
い出しコンベア上に整列載置でき、出荷時間の増大を防
止することができる。

（３）払い出しコンベアを複数段で形成したので、出荷
装置の省スペース化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる１実施例の説明図、第２図は第
１図の要部側面図である。 図中、１は自動倉庫、２は荷、５は搬出ライン、６は払
い出しコンベア、７はスタッカクレーン、８はトラック
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】倉庫から搬出される荷をトラック等に積載
   すべく出荷場に搬送する出荷装置において、上記倉庫か
   ら搬出された荷を搬送する搬出ラインと、該搬出ライン
   の下流側に設置されると共に、複数段で形成されかつ各
   段に整列された荷をその整列順で上記出荷場へ払い出す
   払い出しコンベアと、該払い出しコンベアの側部に沿っ
   て走行すると共に搬出ラインの搬出端に搬送されてきた
   荷を識別して順次払い出しコンベア上に搬送し、払い出
   しコンベアの各段にトラック等１台分の荷を当該トラッ
   ク等への積載順序で整列させて載置するスタッカクレー
   ンとを備えたことを特徴とする出荷装置。