JPH0784418B2 - 芳香族−アルキルカ−ボネ−トの製造方法 - Google Patents

芳香族−アルキルカ−ボネ−トの製造方法

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JPH0784418B2
JPH0784418B2 JP62204093A JP20409387A JPH0784418B2 JP H0784418 B2 JPH0784418 B2 JP H0784418B2 JP 62204093 A JP62204093 A JP 62204093A JP 20409387 A JP20409387 A JP 20409387A JP H0784418 B2 JPH0784418 B2 JP H0784418B2
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JP
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carbonate
aromatic dihydroxy
dihydroxy compound
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aromatic
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晴幸 米田
伊三郎 府川
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は芳香族−アルキルカーボネートの新規な製造方
法に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明
は、ポリカーボネートやポリエステルカーボネートなど
の単量体として有用な、芳香族ジヒドロキシ化合物のモ
ノアルキルカーボネート及びジアルキルカーボネートを
工業的有利に製造する方法に関するものである。
従来の技術 芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキルカーボネートは、
有毒なホスゲンを用いないポリカーボネートやポリエス
テルカーボネートなどの製法における原料として有用な
ことが知られている。
従来、この芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキルカーボ
ネートの製造方法としては、例えば芳香族ジヒドロキシ
化合物を、アルカリの存在下にクロロギ酸アルキルエス
テルと反応させる方法、及び芳香族ジヒドロキシ化合物
とジアルキルカーボネートとを触媒の存在下に反応させ
る方法が知られている。
しかしながら、前者の方法においては、毒性や腐食性の
強いクロロギ酸アルキルエステルの使用が必要である上
に、副生する塩を洗浄除去する工程が必要であるなどの
欠点を有し、一方、後者の方法においては、触媒の使用
が不可欠であり、重合に供するために必要な高純度の生
成物を得るためには、煩雑な再結晶操作などを繰り返し
て精製しないと、触媒の除去が困難であるという欠点を
有している。
このように、扱いやすい化合物を使用して、無触媒で、
芳香族ジヒドロキシ化合物のモノアルキルカーボネート
及びジアルキルカーボネートを得る方法は、これまで知
られていなかつた。
発明が解決しようとする問題点 本発明はこのような事情のもとで、芳香族ジヒドロキシ
化合物のモノアルキルカーボネート及びジアルキルカー
ボネートを、毒性や腐食性の強い化合物を使用すること
なく、かつ無触媒で簡単な操作によつて工業的規模で製
造しうる方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
問題点を解決するための手段 本発明者らは前記の目的を達成するために鋭意研究を重
ねた結果、芳香族ジヒドロキシ化合物とアリールアルキ
ルカーボネートとを反応させることにより、選択的に芳
香族ジヒドロキシ化合物のモノアルキルカーボネート及
びジアルキルカーボネートが得られ、その目的を達成し
うることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至つた。
すなわち、本発明は、一般式 (式中のArは環が置換されていてもよい芳香族炭化水素
基、Rはメチル基又はエチル基である) で表わされるアリールアルキルカーボネートと、一般式 HO−Ar′−OH …(II) (式中のAr′は二価の芳香族基である) で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させる
ことを特徴とする、一般式 及び (式中のR及びAr′は前記と同じ意味をもつ) で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物のモノアルキル
カーボネート及びジアルキルカーボネートの製造方法を
提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において用いられる一般式(II)の芳香族ジ
ヒドロキシ化合物は、芳香核に直結した2個のヒドロキ
シル基を有する芳香族化合物であつて、例えば以下に示
すものである。
これらの芳香族ジヒドロキシ化合物の中で代表的なもの
はビスフエノールAである。
本発明方法において用いられるアリールアルキルカーボ
ネートは、一般式 (式中のAr及びRは前記と同じ意味をもつ) で表わされるものであつて、該式中のArとしては、例え
ばフエニル基、ナフチル基のような未置換の芳香族炭化
水素残基又はo−トリル基、o−ニトロフエニル基、o
−カルボメトキシフエニル基、o−クロロフエニル基、
o−シアノフエニル基のような核がアルキル基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、カルボアルコキシ基、シアノ基など
で置換されている芳香族炭化水素残基が挙げられる。こ
のような化合物の例としては、フエニルメチルカーボネ
ート、フエニルエチルカーボネート、o−ニトロフエニ
ルメチルカーボネート、o−ニトロフエニルエチルカー
ボネート、o−カルボメトキシフエニルメチルカーボネ
ート、o−カルボメトキシフエニルエチルカーボネー
ト、o−クロロフエニルメチルカーボネート、o−クロ
ロフエニルエチルカーボネート、o−シアノフエニルメ
チルカーボネート、o−シアノフエニルエチルカーボネ
ートなどが挙げられるが、これらの中で、フエニルメチ
ルカーボネート及びフエニルエチルカーボネートが入手
しやすいので有利である。
本発明方法においては、前記の芳香族ジヒドロキシ化合
物とアリールアルキルカーボネートとの使用割合は、通
常モル比で1:1ないし1:50の範囲で選ばれる。また反応
温度は、通常130〜250℃の範囲で選ばれるが、特に150
〜200℃の範囲が好適である。
本発明における反応は、一般に無溶媒で行われるが、必
要に応じ溶媒を使用することもできる。また、触媒の使
用は必ずしも必要ではないが、反応速度を上げるため
に、所望に応じ、エステル交換法に使用される公知の触
媒を用いることができる。この際、使用する触媒は芳香
族ジヒドロキシ化合物のアルキルカーボネート下の選択
率を下げないものが好ましく、またその量は、生成物中
に残存する触媒の除去が不必要か、又は簡単な操作で除
去しうる程度の量であることが望ましい。
次に、本発明の好適な実施態様の1例について説明する
と、まず所要量の芳香族ジヒドロキシ化合物とアリール
アルキルカーボネートとを反応器に仕込み、次いでこの
混合物を、好ましくは窒素、アルゴン、ヘリウムなどの
不活性ガス雰囲気下で加熱し、通常130〜250℃、好まし
くは150〜200℃の範囲の温度において反応を行う。生成
する、一般式Ar−OH(Arは前記と同じ意味をもつ)で表
わされる芳香族ジヒドロキシ化合物は、蒸留(常圧及び
減圧)、不活性ガスの流通により除去することが可能で
ある。
反応終了後、反応混合物中に未反応の芳香族ジヒドロキ
シ化合物が存在した場合には、アルカリで洗浄して除去
することも可能である。また、生成物である芳香族ジヒ
ドロキシ化合物のモノアルキルカーボネート及びジアル
キルカーボネートは、減圧蒸留や再結晶などの常法に従
つて精製することができる。
発明の効果 本発明方法によると、クロロギ酸アルキルエステルのよ
うな毒性や腐食性の強い化合物を使用することがなく、
また芳香族ジヒドロキシ化合物とジアルキルカーボネー
トの反応のように触媒を使う必要がないため、複雑な触
媒除去の工程が不要であるなど、極めて工業的有利に芳
香族ジヒドロキシ化合物のモノアルキルカーボネート及
びジアルキルカーボネートを製造することができる。
本発明方法で得られる芳香族ジヒドロキシ化合物のモノ
アルキルカーボネート及びジアルキルカーボネートは、
ポリカーボネートやポリエステルカーボネートなどの単
量体として有用である。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によつてなんら限定されるものではな
い。
実施例1 かきまぜ機、温度計、冷却器を備えたフラスコにビスフ
エノールA22.8g(100ミリモル)、フエニルメチルカー
ボネート60.9g(400ミリモル)を入れ、窒素で置換した
のち、窒素雰囲気のまま昇温を行い180℃で3時間保持
した。
反応混合物を液体クロマトグラフイーで定量したとこ
ろ、ビスフエノールAの反応率は90%であり、ビスフエ
ノールAモノメチルカーボネートの選択率は55%、ビス
フエノールAジメチルビスカーボネートの選択率は45%
であつた。
実施例2 フエニルメチルカーボネート243.5g(1600ミリモル)を
用いた以外は実施例1と同様にして180℃で2時間反応
させた。
実施例1と同様に反応混合物を定量したところ、ビスフ
エノールAの反応率は99%であり、ビスフエノールAモ
ノメチルカーボネートの選択率は34%、ビスフエノール
Aジメチルビスカーボネートの選択率は66%であつた。
さらにこの反応混合物に窒素を流入させて、生成するフ
エノールを過剰のフエニルメチルカーボネートとともに
徐々に留去した。
その結果、ビスフエノールAの反応率は100%、ビスフ
エノールAモノメチルカーボネートの選択率は11%、ビ
スフエノールAジメチルビスカーボネートの選択率は89
%であつた。
実施例3 フエニルメチルカーボネートに代えて、フエニルエチル
カーボネート66.4g(400ミルモル)を使用した以外は実
施例1と同様にして180℃で4時間反応させた。その結
果ビスフエノールAの反応率は90%、ビスフエノールA
モノエチルカーボネートの選択率は60%、ビスフエノー
ルAジメチルビスカーボネートの選択率は40%であつ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中のArは環が置換されていてもよい芳香族炭化水素
    基、Rはメチル基又はエチル基である) で表わされるアリールアルキルカーボネートと、一般式 HO−Ar′−OH (式中のAr′は二価の芳香族基である) で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させる
    ことを特徴とする、一般式 及び (式中のR及びAr′は前記と同じ意味をもつ) で表わされる芳香族ジヒドロキシ化合物のモノアルキル
    カーボネート及びジアルキルカーボネートの製造方法。
JP62204093A 1987-08-19 1987-08-19 芳香族−アルキルカ−ボネ−トの製造方法 Expired - Lifetime JPH0784418B2 (ja)

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