JPH0784327B2 - 石英ガラスおよびその製造法 - Google Patents
石英ガラスおよびその製造法Info
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- JPH0784327B2 JPH0784327B2 JP1245183A JP24518389A JPH0784327B2 JP H0784327 B2 JPH0784327 B2 JP H0784327B2 JP 1245183 A JP1245183 A JP 1245183A JP 24518389 A JP24518389 A JP 24518389A JP H0784327 B2 JPH0784327 B2 JP H0784327B2
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- Japan
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- quartz glass
- temperature
- heating furnace
- porous
- heating
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/14—Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
- C03B19/1453—Thermal after-treatment of the shaped article, e.g. dehydrating, consolidating, sintering
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
- Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [技術の分野] 本発明は高温粘性の高い耐熱性に優れた石英ガラスおよ
びその製造法に関する。
びその製造法に関する。
[従来の技術] 石英ガラスは、従来よりその化学的耐蝕性、純度、高温
での耐久性に優れた特徴を有することから、半導体製造
設備のなかで多くの工程に用いられている。特に高温部
材としては、拡散炉用プロセスチューブ素材として従来
より溶融石英ガラスが使用されている。しかしながら最
近の半導体の高集積化に伴い、高温使用時における石英
ガラスからの不純物の拡散放出が、半導体製品の性能や
歩留り等に悪影響を及ぼすことが指摘され、溶融石英ガ
ラスからよる純度の高い合成石英ガラスへの材質変更の
要請が高まりつつある。
での耐久性に優れた特徴を有することから、半導体製造
設備のなかで多くの工程に用いられている。特に高温部
材としては、拡散炉用プロセスチューブ素材として従来
より溶融石英ガラスが使用されている。しかしながら最
近の半導体の高集積化に伴い、高温使用時における石英
ガラスからの不純物の拡散放出が、半導体製品の性能や
歩留り等に悪影響を及ぼすことが指摘され、溶融石英ガ
ラスからよる純度の高い合成石英ガラスへの材質変更の
要請が高まりつつある。
一方、合成石英ガラスの製造方法としては、従来より気
相反応法により多孔質石英ガラスを形成し、これを加熱
してガラス化する方法が知られている。即ち、四塩化珪
素等の珪素化合物を酸水素炎中で加水分解させ、生成し
たシリカ微粒子を基材上に付着・堆積させて多孔質石英
ガラス(以下、多孔質体という)を形成する。ついで、
この多孔質体を加熱炉にいれ、ヒータで加熱して多孔質
体を焼結することによりガラス化する方法である。この
方法で合成された石英ガラスは、一般の溶融石英ガラス
に比べ純度が極めて高く各種の光学的品等に用いられて
いる。しかしながら、この方法で合成された石英ガラス
は、徐冷点(粘度が1013.0poiseとなる温度)が1100〜1
170℃と、溶融品の徐冷点(1180〜1220℃)に比べ低い
という欠点を有しており、プロセスチューブ等の高温用
部材用途に用いる場合には非常に大きな障害となってい
た。このような合成石英ガラスの低粘性の原因として
は、水分含有量が100〜1500ppmの溶融品に比べ多いため
と考えられるが、光ファイバー製造に際してVAD法等で
行なわれている塩素ガス等の脱水剤による脱水法を用い
た場合でも、水分量は1ppm以下となるにもかかわらず粘
性の改善は得られなかかった。また、水分低減の方法と
しては、この他にも酸水素炎の代替としてプラズマ炎を
用いた酸化反応による方法があるが、同じく効果は見ら
れなかった。
相反応法により多孔質石英ガラスを形成し、これを加熱
してガラス化する方法が知られている。即ち、四塩化珪
素等の珪素化合物を酸水素炎中で加水分解させ、生成し
たシリカ微粒子を基材上に付着・堆積させて多孔質石英
ガラス(以下、多孔質体という)を形成する。ついで、
この多孔質体を加熱炉にいれ、ヒータで加熱して多孔質
体を焼結することによりガラス化する方法である。この
方法で合成された石英ガラスは、一般の溶融石英ガラス
に比べ純度が極めて高く各種の光学的品等に用いられて
いる。しかしながら、この方法で合成された石英ガラス
は、徐冷点(粘度が1013.0poiseとなる温度)が1100〜1
170℃と、溶融品の徐冷点(1180〜1220℃)に比べ低い
という欠点を有しており、プロセスチューブ等の高温用
部材用途に用いる場合には非常に大きな障害となってい
た。このような合成石英ガラスの低粘性の原因として
は、水分含有量が100〜1500ppmの溶融品に比べ多いため
と考えられるが、光ファイバー製造に際してVAD法等で
行なわれている塩素ガス等の脱水剤による脱水法を用い
た場合でも、水分量は1ppm以下となるにもかかわらず粘
性の改善は得られなかかった。また、水分低減の方法と
しては、この他にも酸水素炎の代替としてプラズマ炎を
用いた酸化反応による方法があるが、同じく効果は見ら
れなかった。
[発明の解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、高温
部材としての用途に使用可能な高い耐熱性をもつ超高純
度な石英ガラスおよびその製造法を提供することにあ
る。
部材としての用途に使用可能な高い耐熱性をもつ超高純
度な石英ガラスおよびその製造法を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ガラス形成原料を加熱加水分解させて形成さ
れる多孔質石英ガラス体を加熱することにより透明ガラ
ス化して石英ガラスを製造する方法において、焼結温度
以下の温度で多孔質石英ガラス体を加熱処理するための
第1加熱炉と、透明ガラス化するための第2加熱炉と
が、開閉可能な加熱炉仕り板を隔てて接続されてなる加
熱炉を用い、第1加熱炉に前記多孔質石英ガラス体を挿
入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化する温
度以下の保持温度域で、水蒸気分圧の低い乾燥ガスの雰
囲気中に一定時間加熱保持した後、前記加熱炉仕切り板
を開き、前記多孔質石英ガラス体を第2加熱炉に挿入し
て、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化することを
特徴とする耐熱性に優れた石英ガラスの製造法および、
このような方法により得られる耐熱性に優えた石英ガラ
スを提供するものである。
れる多孔質石英ガラス体を加熱することにより透明ガラ
ス化して石英ガラスを製造する方法において、焼結温度
以下の温度で多孔質石英ガラス体を加熱処理するための
第1加熱炉と、透明ガラス化するための第2加熱炉と
が、開閉可能な加熱炉仕り板を隔てて接続されてなる加
熱炉を用い、第1加熱炉に前記多孔質石英ガラス体を挿
入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化する温
度以下の保持温度域で、水蒸気分圧の低い乾燥ガスの雰
囲気中に一定時間加熱保持した後、前記加熱炉仕切り板
を開き、前記多孔質石英ガラス体を第2加熱炉に挿入し
て、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化することを
特徴とする耐熱性に優れた石英ガラスの製造法および、
このような方法により得られる耐熱性に優えた石英ガラ
スを提供するものである。
本発明においては、予めガラス形成原料を加熱加水分解
して得られるシリカ微粒子を基材に堆積・成長させた多
孔質石英ガラス体を透明ガラス化する温度以下の温度域
で水蒸気分圧の低い雰囲気中に一定時間加熱保持し後、
透明ガラス化温度に昇温加熱して石英ガラスとする。
して得られるシリカ微粒子を基材に堆積・成長させた多
孔質石英ガラス体を透明ガラス化する温度以下の温度域
で水蒸気分圧の低い雰囲気中に一定時間加熱保持し後、
透明ガラス化温度に昇温加熱して石英ガラスとする。
用いられるガラス形成原料としては、ガス化可能な原料
であれば特に制限されるものではないが、SiCl4,SiHC
l3,SiH2Cl2,Si(CH3)Cl3等の塩化物、SiF4,SiHF3,SiH2
F2のフッ化物、SiBr4,SiHBr3等の臭化物、SiI4等の沃化
物などのハロゲン化珪素化合物が作業性やコストの面か
ら好ましい。多孔質石英ガラス体は、これらのガラス形
成原料を通常の酸素水素炎中での加水分解法や、間接加
熱方式による水蒸気との気相反応法等により加水分解
し、基材上に堆積させることにより形成される。
であれば特に制限されるものではないが、SiCl4,SiHC
l3,SiH2Cl2,Si(CH3)Cl3等の塩化物、SiF4,SiHF3,SiH2
F2のフッ化物、SiBr4,SiHBr3等の臭化物、SiI4等の沃化
物などのハロゲン化珪素化合物が作業性やコストの面か
ら好ましい。多孔質石英ガラス体は、これらのガラス形
成原料を通常の酸素水素炎中での加水分解法や、間接加
熱方式による水蒸気との気相反応法等により加水分解
し、基材上に堆積させることにより形成される。
このようにして得られた多孔質体は、ついで低水蒸気分
圧雰囲気下で一定時間加熱保持されたのち、透明ガラス
化温度まで昇温されてガラス化を完了することにより石
英ガラスとなる。すなわち、例えば、多孔質体は雰囲気
制御可能な電気炉内に予め装着されたのち、一定の昇温
速度で加熱される。ついで所定の温度に到達の後、乾燥
ガスを雰囲気中に導入し、多孔質体が接する雰囲気を置
換することにより雰囲気中の水蒸気分圧を所定値以下に
低減する。その際の水蒸気分圧は、露点温度マイナス70
℃以下であることが好ましく、これを超える場合には最
終的に得られる石英ガラスの純度が低く耐熱性の向上を
達成することが出来ず好ましくない。また、加熱保持す
る温度域としては、800〜1250℃の範囲内が好ましく、
この温度域未満の温度では、実質的な効果が得られる、
またこの温度域を超えると多孔質体の表面のガラス化が
進行するため、多孔質体内部を所望の低水蒸気分圧雰囲
気に置換することが出来ず好ましくない。また、この温
度域であれば、加熱処理の方法としては、一定温度に保
持してもよく、また、この温度域内を所定の時間の範囲
内で昇温させながら処理しても良い。また、この温度域
での保持時間は保持温度に依存するため一概に規定する
ことは出来ないが1〜10時間程度が好ましく、これより
短時間の場合には、実質的な効果が薄く、またこれより
長時間をかけた場合ににもその効果は変わらないため生
産効率を勘案した場合には好ましくない。また、乾燥ガ
スとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等を通常用いる
ことが出来るが、乾燥ガスとして使用できれば必ずしも
これらのガスに限定されるものではない。ついでこのよ
うな加熱処理の後、多孔質体はガラス化温度まで昇温さ
れてガラス化される。ガラス化温度としては、1350〜15
00℃の範囲から採用することが好ましい。なお、加熱処
理とガラス化処理をそれぞれ別の加熱装置で行うと、移
送時に水分が吸着する虞れがあった。また、加熱処理と
ガラス化処理を同一のヒータで行うと、加熱処理とガラ
ス化処理の温度が違うために温度調整時間がかかり、そ
の間作業が中断するという問題と、加熱処理とガラス化
処理を同一のヒータで行うと、加熱処理およびガラス化
処理の温度分布を各々自由に設定するのが困難であると
いう問題があった。しかし、本発明のように、焼結温度
以下の温度で多孔質石英ガラス体を加熱処理するための
第1加熱炉と、透明ガラス化するための第2加熱炉と
が、開閉可能な加熱炉仕切り板を隔てて接続されてなる
加熱炉を用い、第1加熱炉に前記多孔質石英ガラス体を
挿入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化する
温度以下の保持温度域で、水蒸気分圧の低い乾燥ガスの
雰囲気中に一定時間加熱保持した後、前記加熱加熱仕切
り板を開き、前記多孔質石英ガラス体を第2加熱炉に挿
入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化するこ
とにより、多孔質石英ガラス体の加熱処理とガラス化と
がタイムリーに行え、加熱処理とガラス化との間の時間
に多孔質石英ガラス体に水分が吸着することもなくなっ
た。しかも、第1加熱炉と第2加熱炉とが開閉可能な加
熱炉仕切り板を隔てて接続されているので、雰囲気を独
立に調整することができた。
圧雰囲気下で一定時間加熱保持されたのち、透明ガラス
化温度まで昇温されてガラス化を完了することにより石
英ガラスとなる。すなわち、例えば、多孔質体は雰囲気
制御可能な電気炉内に予め装着されたのち、一定の昇温
速度で加熱される。ついで所定の温度に到達の後、乾燥
ガスを雰囲気中に導入し、多孔質体が接する雰囲気を置
換することにより雰囲気中の水蒸気分圧を所定値以下に
低減する。その際の水蒸気分圧は、露点温度マイナス70
℃以下であることが好ましく、これを超える場合には最
終的に得られる石英ガラスの純度が低く耐熱性の向上を
達成することが出来ず好ましくない。また、加熱保持す
る温度域としては、800〜1250℃の範囲内が好ましく、
この温度域未満の温度では、実質的な効果が得られる、
またこの温度域を超えると多孔質体の表面のガラス化が
進行するため、多孔質体内部を所望の低水蒸気分圧雰囲
気に置換することが出来ず好ましくない。また、この温
度域であれば、加熱処理の方法としては、一定温度に保
持してもよく、また、この温度域内を所定の時間の範囲
内で昇温させながら処理しても良い。また、この温度域
での保持時間は保持温度に依存するため一概に規定する
ことは出来ないが1〜10時間程度が好ましく、これより
短時間の場合には、実質的な効果が薄く、またこれより
長時間をかけた場合ににもその効果は変わらないため生
産効率を勘案した場合には好ましくない。また、乾燥ガ
スとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等を通常用いる
ことが出来るが、乾燥ガスとして使用できれば必ずしも
これらのガスに限定されるものではない。ついでこのよ
うな加熱処理の後、多孔質体はガラス化温度まで昇温さ
れてガラス化される。ガラス化温度としては、1350〜15
00℃の範囲から採用することが好ましい。なお、加熱処
理とガラス化処理をそれぞれ別の加熱装置で行うと、移
送時に水分が吸着する虞れがあった。また、加熱処理と
ガラス化処理を同一のヒータで行うと、加熱処理とガラ
ス化処理の温度が違うために温度調整時間がかかり、そ
の間作業が中断するという問題と、加熱処理とガラス化
処理を同一のヒータで行うと、加熱処理およびガラス化
処理の温度分布を各々自由に設定するのが困難であると
いう問題があった。しかし、本発明のように、焼結温度
以下の温度で多孔質石英ガラス体を加熱処理するための
第1加熱炉と、透明ガラス化するための第2加熱炉と
が、開閉可能な加熱炉仕切り板を隔てて接続されてなる
加熱炉を用い、第1加熱炉に前記多孔質石英ガラス体を
挿入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化する
温度以下の保持温度域で、水蒸気分圧の低い乾燥ガスの
雰囲気中に一定時間加熱保持した後、前記加熱加熱仕切
り板を開き、前記多孔質石英ガラス体を第2加熱炉に挿
入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化するこ
とにより、多孔質石英ガラス体の加熱処理とガラス化と
がタイムリーに行え、加熱処理とガラス化との間の時間
に多孔質石英ガラス体に水分が吸着することもなくなっ
た。しかも、第1加熱炉と第2加熱炉とが開閉可能な加
熱炉仕切り板を隔てて接続されているので、雰囲気を独
立に調整することができた。
以上のような工程を経て得られる石英ガラスは、徐冷点
が1190℃以上の極めて耐熱性に優れた石英ガラスであ
る。また、溶融石英ガラスと異なり、ガラス形成原料と
して高純度な合成原料が使用可能なこと、溶融工程を経
ないためルツボ等からの不純物の混入がないこと等か
ら、鉄、ニッケル等の重金属元素やナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属元素の不純物総量が1ppm以下と極め
て高純度であり、その他の元素例えば溶融品に多く含ま
れるアルミニウム等も極めて少なく高品質な石英ガラス
でる。
が1190℃以上の極めて耐熱性に優れた石英ガラスであ
る。また、溶融石英ガラスと異なり、ガラス形成原料と
して高純度な合成原料が使用可能なこと、溶融工程を経
ないためルツボ等からの不純物の混入がないこと等か
ら、鉄、ニッケル等の重金属元素やナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属元素の不純物総量が1ppm以下と極め
て高純度であり、その他の元素例えば溶融品に多く含ま
れるアルミニウム等も極めて少なく高品質な石英ガラス
でる。
以下、本発明の詳細についてさらに実施例により説明す
るが、本発明の内容は当然のことながらこれら実施例に
限定されるものではない。
るが、本発明の内容は当然のことながらこれら実施例に
限定されるものではない。
[実施例] 前記した公知の方法により作成した、石英ガラス製の種
棒14に形成された直径35cm、長さ100cmの多孔質石英ガ
ラス体15を、第1図(A)に示すような加熱炉21に装着
した。加熱炉21は、焼結温度以下の温度で多孔質を加熱
処理するための加熱炉22と、加熱処理された多孔質体を
焼結温度まで昇温し、透明ガラス化するための加熱炉23
とからなり、この炉の上部には多孔質石英ガラスを炉内
に装着し、また移動させるための昇降装置24が配置され
ている。
棒14に形成された直径35cm、長さ100cmの多孔質石英ガ
ラス体15を、第1図(A)に示すような加熱炉21に装着
した。加熱炉21は、焼結温度以下の温度で多孔質を加熱
処理するための加熱炉22と、加熱処理された多孔質体を
焼結温度まで昇温し、透明ガラス化するための加熱炉23
とからなり、この炉の上部には多孔質石英ガラスを炉内
に装着し、また移動させるための昇降装置24が配置され
ている。
まず多孔質石英ガラス体を下降させて加熱炉22内に配置
し、下降を停止する(第1図(B))。ガラス供給口27
から露点温度−70℃の窒素ガスを加熱炉22内に導入し炉
内雰囲気を一定に保つ。ガスを流しながら通電を開始
し、500℃/時の速度で昇温し、1000℃に到達したとこ
ろで、昇温速度50℃/時に落とし1200℃まで昇温し、12
00℃で5時間保持した。ついで導入ガスを窒素からヘリ
ウムに入り替えるとともに、加熱炉22と加熱炉23の間の
仕切り板28を開けて、多孔質体を加熱炉23の中へ一定の
速度で下降させる(1第1図(C))。加熱炉23の内部
には環状ヒータ25が配置されており、予め所定の温度に
昇温保持されている。加熱炉23のヒータの上下方向の長
さは60cmで、ヒータ上部が1200℃、中央部が1450℃、下
部が1300℃程度となるように温度勾配が設けられてい
る。また、加熱炉23内には、ガス導入口26から露点温度
−70℃のヘリウムガスが導入され、炉内は一定雰囲気に
保持されている。多孔質体をその下端部からヒータ25内
に50mm/時の速度で徐々に挿入していくと、挿入された
多孔質体は、下端部より徐々に加熱溶融し、脱泡がなさ
れて透明ガラス体となった(第1図(C))。ついで、
第1図(D)に示す如く、種棒の下端部がヒータ25の上
端の手前にきたとき、下降を停止してガラス化を終了さ
せた(第1図(D))。
し、下降を停止する(第1図(B))。ガラス供給口27
から露点温度−70℃の窒素ガスを加熱炉22内に導入し炉
内雰囲気を一定に保つ。ガスを流しながら通電を開始
し、500℃/時の速度で昇温し、1000℃に到達したとこ
ろで、昇温速度50℃/時に落とし1200℃まで昇温し、12
00℃で5時間保持した。ついで導入ガスを窒素からヘリ
ウムに入り替えるとともに、加熱炉22と加熱炉23の間の
仕切り板28を開けて、多孔質体を加熱炉23の中へ一定の
速度で下降させる(1第1図(C))。加熱炉23の内部
には環状ヒータ25が配置されており、予め所定の温度に
昇温保持されている。加熱炉23のヒータの上下方向の長
さは60cmで、ヒータ上部が1200℃、中央部が1450℃、下
部が1300℃程度となるように温度勾配が設けられてい
る。また、加熱炉23内には、ガス導入口26から露点温度
−70℃のヘリウムガスが導入され、炉内は一定雰囲気に
保持されている。多孔質体をその下端部からヒータ25内
に50mm/時の速度で徐々に挿入していくと、挿入された
多孔質体は、下端部より徐々に加熱溶融し、脱泡がなさ
れて透明ガラス体となった(第1図(C))。ついで、
第1図(D)に示す如く、種棒の下端部がヒータ25の上
端の手前にきたとき、下降を停止してガラス化を終了さ
せた(第1図(D))。
このようにして作成した試料の徐冷点を測定したとこ
ろ、1200℃であった。
ろ、1200℃であった。
さらにこの試料の中心部を採取し、密閉容器中で弗酸溶
解後フレームレス原子吸光法、ICP法で重金属およびア
ルカリの含有量を測定したところ、総計は1ppm以下であ
った。
解後フレームレス原子吸光法、ICP法で重金属およびア
ルカリの含有量を測定したところ、総計は1ppm以下であ
った。
[発明の効果] 本発明によれば徐冷点が、溶融石英ガラスと同程度の徐
冷点をもつ合成石英ガラスが得られる。これにより純
度、化学的耐蝕性に優れながらも溶融石英ガラスに比較
して徐冷点が低いという従来の合成石英ガラスのもつ欠
点を払拭した高温における耐熱性、耐久性に優れた合成
石英ガラスが得られる。本発明の合成石英ガラスは広い
用途を有するが、特に高温において機械的負荷のかかる
装置や部材として優れている。
冷点をもつ合成石英ガラスが得られる。これにより純
度、化学的耐蝕性に優れながらも溶融石英ガラスに比較
して徐冷点が低いという従来の合成石英ガラスのもつ欠
点を払拭した高温における耐熱性、耐久性に優れた合成
石英ガラスが得られる。本発明の合成石英ガラスは広い
用途を有するが、特に高温において機械的負荷のかかる
装置や部材として優れている。
第1図(A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の実
施例を工程に従って示す説明図である。 14……基材(種棒)、15……多孔質石英ガラス体 21……加熱炉、22……焼結温度以下の温度で多孔質石英
ガラス体を加熱処理するための加熱炉、23……透明ガラ
ス化用加熱炉、24……昇降装置 25……環状ヒータ、26……ガス導入口 27……ガス供給口、28……仕切り板
施例を工程に従って示す説明図である。 14……基材(種棒)、15……多孔質石英ガラス体 21……加熱炉、22……焼結温度以下の温度で多孔質石英
ガラス体を加熱処理するための加熱炉、23……透明ガラ
ス化用加熱炉、24……昇降装置 25……環状ヒータ、26……ガス導入口 27……ガス供給口、28……仕切り板
Claims (7)
- 【請求項1】ガラス形成原料を加熱加水分解させて形成
される多孔質石英ガラス体を加熱することにより透明ガ
ラス化して石英ガラスを製造する方法において、焼結温
度以下の温度で多孔質石英ガラス体を加熱処理するため
の第1加熱炉と、透明ガラス化するための第2加熱炉と
が、開閉可能な加熱炉仕切り板を隔てて接続されてなる
加熱炉を用い、第1加熱炉に前記多孔質石英ガラス体を
挿入して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化する
温度以下の保持温度域で、水蒸気分圧の低い乾燥ガスの
雰囲気中に一定時間加熱保持した後、前記加熱炉仕切り
板を開き、前記多孔質石英ガラス体を第2加熱炉に挿入
して、前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化すること
を特徴とする耐熱性に優れた石英ガラスの製造法。 - 【請求項2】前記乾燥ガスの露点温度が−70℃以下であ
ることを特徴とする請求項1の製造法。 - 【請求項3】前記保持温度域の保持温度が800〜1250℃
であることを特徴とする請求項1または2の製造法。 - 【請求項4】前記保持温度域での保持時間が1〜10時間
であることを特徴とする請求項3の製造法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの製造法により製
造される、徐冷点が1190℃以上であることを特徴とする
耐熱性に優れた石英ガラス。 - 【請求項6】重金属およびアルカリの含有量の総計が1p
pm以下であることを特徴とする請求項5の石英ガラス。 - 【請求項7】請求項5または6の石英ガラスからなる電
気炉の炉芯管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1245183A JPH0784327B2 (ja) | 1989-09-22 | 1989-09-22 | 石英ガラスおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1245183A JPH0784327B2 (ja) | 1989-09-22 | 1989-09-22 | 石英ガラスおよびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03109224A JPH03109224A (ja) | 1991-05-09 |
JPH0784327B2 true JPH0784327B2 (ja) | 1995-09-13 |
Family
ID=17129848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1245183A Expired - Fee Related JPH0784327B2 (ja) | 1989-09-22 | 1989-09-22 | 石英ガラスおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0784327B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007091537A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Hoya Corp | 近赤外光吸収ガラス材ロットおよびそれを用いる光学素子の製造方法 |
JP4501850B2 (ja) * | 2005-12-07 | 2010-07-14 | 住友電気工業株式会社 | ガラス体製造方法 |
JPWO2019107557A1 (ja) | 2017-12-01 | 2020-11-19 | 古河電気工業株式会社 | ガラス体の製造装置、ガラス体の製造方法、スート搬送機構、及びスート加熱機構 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6047214A (ja) * | 1983-08-26 | 1985-03-14 | Nec Corp | 信号検出回路 |
JPS62283838A (ja) * | 1986-06-02 | 1987-12-09 | Fujikura Ltd | 光フアイバの製造方法 |
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1989
- 1989-09-22 JP JP1245183A patent/JPH0784327B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH03109224A (ja) | 1991-05-09 |
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