JPH0783392A - 熱応動式スチ―ムトラップ - Google Patents

熱応動式スチ―ムトラップ

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JPH0783392A
JPH0783392A JP25260693A JP25260693A JPH0783392A JP H0783392 A JPH0783392 A JP H0783392A JP 25260693 A JP25260693 A JP 25260693A JP 25260693 A JP25260693 A JP 25260693A JP H0783392 A JPH0783392 A JP H0783392A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 始動時の多量の低温流体を素早く排出できる
熱応動式スチ―ムトラップを得ること。 【構成】 上下二つの壁部材11,19の間に第1及び
第2ダイヤフラム14,18の外周縁を固着して上壁部
材11と第1ダイヤフラム14との間の収容室13に膨
脹媒体15を封入し第2ダイヤフラム18に弁部材16
を連結した温度制御機素9を、入口4の連通する弁室3
内に配置したものにおいて、上壁部材11をバイメタル
で形成する。低温時に上壁部材11がより上に凸状に変
形することによって、弁部材16と弁座部材7との間の
隙間を大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種蒸気使用機器や蒸
気配管で発生する復水を自動的に排出するスチ―ムトラ
ップに関し、特に、蒸気と復水で加熱冷却されその温度
に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用い
て、所望温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチ
―ムトラップに関する。
【0002】
【従来の技術】熱応動式スチ―ムトラップの基本的構成
は、例えば、特公昭60−46318号公報から公知で
ある。当該公報から理解されるように、上下二つの皿状
壁部材の間にダイヤフラムの外周縁を固着して上壁部材
とダイヤフラムとの間の内部空間に膨脹媒体を封入しダ
イヤフラムに弁部材を連結した温度制御機素を、入口の
連通する弁室内に配置し、膨脹媒体の膨脹収縮を利用し
て、ダイヤフラムを介して弁部材を駆動し、これによっ
て、弁室と出口とを連通する導出路を有する弁座部材
に、弁部材を離着座せしめるようにしたものである。
【0003】弁室内に所定温度以上の高温流体が流入し
てくると、膨脹媒体が膨脹し、ダイヤフラムを閉弁方向
に変位せしめて弁部材を弁座部材に着座せしめ、導出路
を閉止する。これによって、蒸気の排出を防止する。所
定温度以下の低温流体が流入してくると、膨脹媒体が収
縮し、弁室内の流体圧力によってダイヤフラムが開弁方
向に変位せしめられて弁部材が弁座部材から離座し、導
出路を開ける。これによって、復水や空気を系外へ排出
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな様式の熱応動式スチ―ムトラップにあっては、始動
時に多量に溜っている低温流体の排出に時間が掛かる問
題がある。これは、始動時には膨脹媒体が収縮し、弁部
材が弁座部材から離座して導出路を開いているのである
が、弁部材と弁座部材との隙間が狭いために、多量の低
温流体を排出するためには時間が掛かるためである。
【0005】従って本発明の技術的課題は、始動時に弁
部材と弁座部材との隙間を大きくすることによって、多
量の低温流体を素早く排出できる熱応動式スチムトラッ
プを得ることである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上記の技術的課題を解決す
る為に講じた本発明の技術的手段は、弁ケ―シングで入
口と弁室と出口を形成し、導出路を有する弁座部材を弁
室と出口との間に配置し、上下二つの壁部材と、両壁部
材の間に外周縁を固着したダイヤフラムと、上壁部材と
ダイヤフラムとの間に封入した膨脹媒体と、ダイヤフラ
ムに連結した弁部材とから成る温度制御機素を弁室内に
配置し、膨脹媒体の膨脹収縮によるダイヤフラムの変位
によって弁部材を弁座部材に離着座せしめて導出路を開
閉するものにおいて、上壁部材を温度応動部材で形成
し、低温時に上壁部材がより上に凸状に変形することを
特徴とするものである。
【0007】
【作用】上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
始動時、弁室内は低温であり、膨脹媒体は収縮し、弁部
材が弁座部材から離座して導出路を開けている。このと
き、温度応動部材はより上に凸状に変形しているので、
ダイヤフラム及びダイヤフラムに連結された弁部材もよ
り上側に変位している。これによって、弁部材と弁座部
材との間に充分な排出流路を確保でき、多量の低温流体
を素早く排出することができる。低温流体の排出によっ
て流入流体の温度が高くなってくると、温度応動部材の
上への変形度合が小さくなって、弁部材と弁座部材との
隙間を通常の隙間にする。以降は従来と同様に、膨脹媒
体の膨脹収縮によって、ダイヤフラムを介して弁部材を
弁座部材に離着座せしめ、導出路を開閉する。
【0008】
【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する(図1と図2参照)。図1において、上ケ―シン
グ1と下ケ―シング2とをねじ結合して、内部に弁室3
を有する弁ケ―シングが形成される。上ケ―シング1に
入口4が、下ケ―シング2に出口5が形成される。弁室
3と出口5との間の隔壁6に、弁座部材7がねじ結合さ
れている。弁座部材7の中央に、弁室3と出口5とを連
通する貫通導出路8が形成されている。
【0009】弁座部材7の上方に、温度制御機素9が位
置する。温度制御機素9は、注入口10を有する上壁部
材11と、注入口10を密封する栓部材12と、上壁部
材11との間に収容室13を形成する第1ダイヤフラム
14と、収容室13に密封した膨脹媒体15と、弁座部
材7に離着座して導出路8を開閉する弁部材16と、弁
部材16を環状部材17と共に固着する第2ダイヤフラ
ム18と、第1及び第2ダイヤフラム14,18の外周
縁を上壁部材11との間に挟んで固着する下壁部材19
と、上壁部材11に固着したストッパ―20とから成
る。膨脹媒体15は、水、水より沸点の低い液体、或い
はそれらの混合物で形成される。上壁部材11は温度応
動部材としてのバイメタルで形成され、低温時により上
に凸状に変形し、高温時に上への変形度合が小さくな
る。
【0010】温度制御機素9は、隔壁6と弁座部材7の
間に挟んで固定された有底円筒形状の取付部材21内に
収容され、スクリ―ン22と上壁部材11との間に配置
された弾性部材としてのコイルスプリング23によって
下方に付勢され、取付部材21の内面に形成された段部
24に下壁部材19の外周下面が当って保持される。取
付部材21の周囲壁には両側に二つの流体通過窓25が
開けられている。
【0011】始動時、弁室3内は低温であり、膨脹媒体
15は収縮し、図1に示すように第2ダイヤフラム18
が弁室3内の流体圧力によって持上げられ、弁部材16
が弁座部材7から離座して導出路8を開けている。また
上壁部材11がより上に凸状に変形して弁部材16を弁
座部材7から大きく離間させている。これによって多量
の低温流体が素早く排出される。
【0012】低温流体の排出によって弁室3内に流入し
てくる流体の温度が高くなってくると、上壁部材11の
上への変形度合が小さくなって弁部材16と弁座部材7
との隙間が通常の隙間にされる。そして以降は、膨脹媒
体15の膨脹収縮によって、弁部材16を弁座部材7に
離着座せしめ、導出路8を開閉する。
【0013】
【発明の効果】本発明は下記の特有の効果を生じる。上
記のように本発明による熱応動式スチ―ムトラップは、
始動時の多量の低温流体を素早く排出できるので、蒸気
使用機器の立ち上げ時間を短縮でき、稼動率を上げるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の熱応動式スチ―ムトラップの
断面図である。
【符号の説明】
3 弁室 4 入口 5 出口 7 弁座部材 8 導出路 9 温度制御機素 11 上壁部材 14 第1ダイヤフラム 15 膨脹媒体 16 弁部材 18 第2ダイヤフラム 19 下壁部材 21 取付部材 24 段部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ケ―シングで入口と弁室と出口を形成
    し、導出路を有する弁座部材を弁室と出口との間に配置
    し、上下二つの壁部材と、両壁部材の間に外周縁を固着
    したダイヤフラムと、上壁部材とダイヤフラムとの間に
    封入した膨脹媒体と、ダイヤフラムに連結した弁部材と
    から成る温度制御機素を弁室内に配置し、膨脹媒体の膨
    脹収縮によるダイヤフラムの変位によって弁部材を弁座
    部材に離着座せしめて導出路を開閉するものにおいて、
    上壁部材を温度応動部材で形成し、低温時に上壁部材が
    より上に凸状に変形することを特徴とする熱応動式スチ
    ―ムトラップ。
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