JPH0782546A - 可視光硬化型接着剤 - Google Patents

可視光硬化型接着剤

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JPH0782546A
JPH0782546A JP5230666A JP23066693A JPH0782546A JP H0782546 A JPH0782546 A JP H0782546A JP 5230666 A JP5230666 A JP 5230666A JP 23066693 A JP23066693 A JP 23066693A JP H0782546 A JPH0782546 A JP H0782546A
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compound
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JP5230666A
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Akira Kikuchi
明 菊池
Yasumasa Toba
泰正 鳥羽
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、可視光硬化型接着剤の提供を目的と
する。 【構成】 (A)分子中に1個以上のエチレン性不飽和二重
結合を有する化合物、(B)分子中に平均0.01個以上のイ
ソシアネート基を有する化合物、 (C)芳香族オニウム塩
および (D)3−ケトクマリン化合物を含む可視光硬化型
接着剤において、 (A)と(B) の合計 100重量部に対し
て、 (C)と(D) の合計重量が 0.1ないし40重量部である
ことを特徴とする可視光硬化型接着剤。 【効果】本発明により、可視光により速やかに硬化が可
能であり、かつ広範な被着物に適応可能な接着剤が提供
できるようになった。また、通常の光硬化型接着剤では
可視光を透過しない被着物に適応できないが、本発明の
接着剤を使用し、かつ予備硬化方式によれば、このよう
な被着物に対する適応も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光により速やかに
硬化が可能であり、かつ広範な被着物に適用可能な接着
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線エネルギーにより速やかに硬化を
終了し、所定の接着力を発現する電子線(EB)硬化型
接着剤や紫外線(UV)硬化型接着剤は、その利便性に
より、広く使用されている。しかし、これらの接着剤
は、電子線や紫外線を発生する特殊な装置を必要とす
る。また、電子線や紫外線が人体に多大な害を及ぼすこ
とは周知の事実であり、これらの放射線を接着作業中に
作業員が被曝する可能性がある点で大きな問題である。
【0003】上記問題を解決する可視光硬化型接着剤に
ついては、例えば日本接着学会誌のVol.29,No.5,p31-40
(1993年)に記載されている。すなわち、エチレン性不
飽和二重結合を有する(メタ)アクリルオリゴマーもし
くはモノマーと、可視光に官能なラジカル開始剤および
増感剤から構成される可視光硬化型接着剤が開示されて
いる。該接着剤に可視光が照射されると、開始剤が活性
ラジカルを発生し、これによりオリゴマーもしくはモノ
マーが重合して所定の接着力が発現する。
【0004】しかし、ラジカル重合型の反応による硬化
を行った場合、硬化に伴う硬化収縮が大きく、接着力の
低下を招く原因となる。また、ラジカル重合は、酸素の
存在下において阻害されることは明確である。酸素によ
るラジカル重合の阻害は、空気中の酸素のみならず接着
剤中に溶存する酸素によっても引き起こされ、接着力の
低下および不安定の原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題を解決すべく鋭意検討を行った結果、分子中に1個以
上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と分子中
に平均0.01個以上のイソシアネート基を有する化合物と
を含む組成物、または分子中にエチレン性不飽和二重結
合とイソシアネート基とを有する化合物に、開始剤とし
て芳香族オニウム塩を、可視光に対する増感剤として3
−ケトクマリン化合物を使用することにより、安定で接
着力が高い可視光硬化型接着剤が得られることを見出
し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)分子中に1個以上のエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物、 (B)分子中に平均0.01個以上のイソシアネ
ート基を有する化合物、(C)芳香族オニウム塩および
(D)3−ケトクマリン化合物を含む可視光硬化型接着剤
において、 (A)と(B) の合計 100重量部に対して、 (C)
と(D) の合計重量が0.1ないし40重量部である可視光硬
化型接着剤を提供する。 また、本発明は、(E)分子中
にエチレン性不飽和二重結合を平均 0.2個以上有し、か
つイソシアネート基を平均0.01個以上有する化合物、
(C)芳香族オニウム塩および (D)3−ケトクマリン化合
物を含む可視光硬化型接着剤において、 (E) 100重量部
に対して、 (C)と(D) の合計重量が 0.1ないし40重量部
である可視光硬化型接着剤を提供する。
【0007】本発明の可視光硬化型接着剤は、硬化によ
り接着性能を発揮する (A)成分と(B)成分の混合物もし
くは (E)成分と、可視光に対する開始剤である (C)成分
と、増感剤として機能する (D)成分とを含有することを
特徴とする。
【0008】(A)分子中に1個以上のエチレン性不飽和
二重結合を有する化合物のうち、オリゴマー、モノマー
としては、アロニックス(東亞合成社製)、カヤラッド
(日本化薬社製)などを用いることができる。なかで
も、分子中に燐原子を含有するオリゴマー(例えば、日
本化薬社製「カヤマー」)は、金属の接着に有効であ
る。また、分子中に珪素原子を含有するシランカップリ
ング剤(例えば、信越化学社製「KBE1003 」、「KBM50
3」)は、ガラスの接着に有効である。モノマーは、硬
化後の架橋密度の調整に有用であり、スチレンなどを使
用することができる。
【0009】樹脂としては、反応性官能基を有する樹脂
と、該反応性官能基と反応しえる反応性官能基とエチレ
ン性不飽和二重結合の両方を有する化合物とを反応させ
てなる樹脂を用いることができる。具体的には、例え
ば、下記の反応操作により、分子中に1個以上のエチレ
ン性不飽和二重結合を有する樹脂が得られる。 (1)カルボキシル基を有するアクリル樹脂またはポリエ
ステル樹脂と、グリシジル(メタ)アクリレートとを反
応させる。 (2)水酸基を有するビニル系樹脂またはポリエステル樹
脂と、無水マレイン酸または無水イタコン酸とをエステ
ル反応により反応させる。 (3)イソシアネート基を有するウレタン系樹脂と、2-ヒ
ドロキシエチルアクリレートなどの水酸基を有するアク
リルモノマーを反応させる。
【0010】(B)分子中に平均0.01個以上のイソシアネ
ート基を有する化合物としては、イソシアネート基過剰
で反応されたポリエステル系ウレタン樹脂およびポリエ
ーテル系ウレタン樹脂(例えば、住友バイエルウレタン
社製「スミジュールシリーズ」、「デスモジュールシリ
ーズ」)を用いることができる。また、m−イソプロペ
ニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのごと
きラジカル重合が可能なイソシアネート基を有するビニ
ル系モノマーとその他のビニル系モノマーとの共重合物
を用いることもできる。該共重合物は、イソシアネート
基の含有量を適宜コントロールし易いため便利である。
【0011】また、通常は硬化剤として使用される低分
子イソシアネートを用いることもできる。すなわち、ト
ルエンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製
「スミジュールT-80」)、モノメリック 4,4'-ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製
「スミジュール 44S」)、ポリメリック 4,4'-ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製
「スミジュール 44V10」)、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(住友バイエルウレタン社製「デスモジュール
H」)などからも選択が可能である。この場合、イソシ
アネート基は、フェノール、弱酸、酸アミド、ラクタム
などによりブロックされているブロックイソシアネート
基でもよい。
【0012】本発明においては、 (A)分子中に1個以上
のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と、 (B)分
子中に平均0.01個以上のイソシアネート基を有する化合
物とを混合使用することが重要である。すなわち、 (A)
成分のみでは、従来の技術において述べたとおり、硬化
性および接着力に問題を有する。学術的には不明な部分
であるが、 (B)成分のイソシアネート基の有する大きな
極性が被接着材との界面における接合力を高め、硬化し
た接着剤層の凝集力を向上させることは従来より指摘さ
れている。また、木材のごとくその表面に水酸基を有す
る被接着材の場合、接着剤中のイソシアネート基と被接
着材中の水酸基とが強固な化学結合を生成することも知
られている。 (A)成分に (B)成分を混合使用することに
より、これらの要因が相乗して、本発明の効果、すなわ
ち硬化の安定性と接着力の飛躍的な向上が生じていると
考えられる。
【0013】(A)成分と (B)成分の比率は、98重量部/
2重量部ないし2重量部/98重量部の範囲が好ましい。
(A)成分が98重量部より多い場合、ラジカル重合的要素
が大きくなりすぎ、すでに述べたように問題点が大き
く、接着力に寄与するイソシアネート基の量が不足す
る。反対に、 (A)成分が2重量部より少ない場合、硬化
に寄与の大きいエチレン性不飽和二重結合の量が不足
し、迅速な硬化に支障をきたす。
【0014】接着力と迅速な硬化とのバランスは、2種
の樹脂の混合によらず達成することも可能である。すな
わち、 (E)分子中にエチレン性不飽和二重結合を平均
0.2個以上有し、かつイソシアネート基を平均0.01個以
上有する化合物を使用する。(E)成分は、硬化に寄与の
大きいエチレン性不飽和二重結合と、接着に寄与の大き
いイソシアネート基とを、同一分子内に持っている点に
おいて有用である。エチレン性不飽和二重結合が分子中
に平均 0.2個未満の場合には、迅速な硬化に支障をきた
し、イソシアネート基が分子中に平均0.01個未満の場合
には、十分な接着力が得られない。
【0015】(E)成分のうち高分子化合物は、例えば下
記の反応操作により得られる。 (1)分子中にイソシアネート基を有するウレタン樹脂
(例えば、住友バイエルウレタン社製「スミジュール
L」、「デスモジュールAPステーブル」)と、エチレ
ン性不飽和二重結合と水酸基の両方を分子内に有するア
クリル系モノマー(例えば、2-ヒドロキシエチルアクリ
レート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート)とを、イソシアネー
ト基が分子中に平均0.01個以上残留し、かつエチレン性
不飽和二重結合を分子中に平均 0.2個以上導入できる割
合で反応させる。 (2)分子中にイソシアネート基とラジカル重合可能な不
飽和二重結合とを有するビニル系モノマー(例えば、m-
イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネ
ート(武田薬品工業社製「m-TMI 」)、メタクリルイソ
シアネート(日本ペイント社製「MAI 」))と、その他
のビニル系モノマーを共重合させる。
【0016】(3)アルコール成分を過剰に使用し、反応
終了後に水酸基を残留させた不飽和ポリエステル樹脂の
残留水酸基と、イソシアネート基とエチレン性不飽和二
重結合とを有するビニル系モノマーのイソシアネート基
とを反応させる。また、 (E)成分のうち低分子化合物と
しては、m-イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル
イソシアネート(武田薬品工業社製「m-TMI 」)、メタ
クリルイソシアネート(日本ペイント社製「MAI 」)を
そのまま用いることもできる。
【0017】(C)芳香族オニウム塩としては、特公昭60-
35930号公報に記載されている化合物を用いることがで
きる。具体的には、GE社製「UVE 1014」、「UVE 101
6」、3M社製「FC-508」、「FC-509」、Degussa 社製
「Degacure K126 」、Ciba-Geigy社製「CG-24-61」等が
挙げられる。 (C)成分は、上記 (A)、(B) または (E)成
分中に溶解した状態で使用するのが好ましいが、完全に
溶解していなくとも充分な微分散状態であれば効果を発
揮しえる。
【0018】(D)3−ケトクマリン化合物としては、特
公平 2-32285号公報に記載されている3−ケトクマリン
構造を有する化合物を用いることができ、2種以上を混
合使用することも可能である。具体的には、3-ベンゾイ
ル−7-メトキシクマリン、3,3'−カルボニルビス(5,7-
ジエトキシクマリン)、3-(4-メトキシベンゾイル)-5,
7-ジ−n-プロポキシクマリン、3,3'−カルボニルビス
(7-アセトキシクマリン)、3-ベンゾイル−7-ジエチル
アミノクマリン、3,3'−カルボニルビス(7-ジエチルア
ミノクマリン)等が挙げられる。 (D)成分は、上記
(A)、(B) または (E)成分中に溶解した状態で使用する
のが好ましいが、完全に溶解していなくとも充分な微分
散状態であれば効果を発揮しえる。
【0019】(C)芳香族オニウム塩と (D)3−ケトクマ
リン化合物の含有量は、 (A)成分と(B)成分の合計 100
重量部または (E)成分の 100重量部に対して、合計で
0.1ないし40重量部、さらに好ましくは 1ないし10重量
部の範囲でなければならない。(C)成分と (D)成分の合
計重量が 0.1重量部に満たない場合は、可視光による開
始剤の効力が充分ではなく、硬化が不充分となる。一
方、40重量部を越えた場合は、接着力を低下させる。
【0020】本発明の可視光硬化型接着剤を硬化させる
過程において、イソシアネート基と反応しえる化合物ま
たはイソシアネート基の反応を促進する化合物を加え、
可視光により予備硬化せしめた後、加熱または常温で保
存するなどの処理により、本硬化させることができる。
この硬化方法により、可視光に限らず光硬化型接着剤の
問題点の一つである、光を透過しない被接着物の接着も
行うことができる。また、可視光により予備硬化して接
着剤のタックを無くしているため、本硬化を待たずに直
ちに次工程に移行できる利便性も有している。
【0021】特に、本発明の接着剤を可視光により予備
硬化させた後、空気中に存在する水分の触媒作用を利用
して本硬化させる場合には、湿気硬化型のウレタンプレ
ポリマー(例えば、住友バイエルウレタン社製「デスモ
ジュール E1160」、「デスモジュール E1240」、「デス
モジュール E1361」が良好な結果を示す。この場合に
は、空気中の水分がイソシアネート基同志の反応を促進
するため、可視光硬化型接着剤にイソシアネート基と反
応しえる化合物またはイソシアネート基の反応を促進す
る化合物を加える必要はない。
【0022】イソシアネート基と反応しえる化合物とし
ては、ポリエステルポリオールなどのポリオール成分
(例えば、住友バイエルウレタン社製「デスモフェン 6
00」、「デスモフェン 650」、「デスモフェン 800」、
「デスモフェン1140」)を用いることができる。また、
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリ
コール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリトリット、ソルビトールな
どの多価アルコールなどの低分子化合物を用いることも
できる。さらに、レゾルシン、ビスフェノールAなどの
多価フェノール、フタル酸、イソフタル酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を用いるこ
ともできる。
【0023】イソシアネート基同志の反応を促進する化
合物としては、金属ナトリウム、シアン化ナトリウムな
どが有効である。また、水酸基とイソシアネート基の反
応を促進する化合物としては、第3アミン、有機スズ化
合物などを使用することが可能である。本発明の可視光
硬化型接着剤には、必要に応じて各種添加剤、顔料、フ
ィラーなどの固形成分、さらには各種溶剤を含有させる
ことが可能である。
【0024】
〔E−1の合成〕
トルエンジイソシアネート 174部 (住友バイエルウレタン社製「スミジュールT-80」) 2−ヒドロキシエチルアクリレート 116部 上記組成物を丸底フラスコ中に仕込み、80℃で5時間加
熱、反応させた。反応物をC13−NMRで測定したとこ
ろ、分子中に平均してエチレン性不飽和二重結合が0.82
個、イソシアネート基が0.76個あった。
【0025】 〔E−2の合成〕 ポリエーテルポリオール 1000部 (住友バイエルウレタン社製「デスモフェン 1600U」水酸基当量 500) ヘキサメチレンジイソシアネート 168部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 65部 ポリエーテルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネ
ートを丸底フラスコに仕込み、80℃で3時間反応させ
た。さらに、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
を追加、80℃で3時間反応を行った。反応物をC13−N
MRで測定したところ、分子中に平均してエチレン性不
飽和二重結合が0.27個、イソシアネート基が0.14個あっ
た。
【0026】〔実施例1〕 ウレタンプレポリマー 48部 (住友バイエルウレタン社製「デスモジュール E1160」) トリメチロールプロパントリアクリレート 48部 (日本化薬社製「カヤラッド TMPTA」) 芳香族オニウム塩(3M社製「FC-508」) 2部 3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン) 2部 以上を混合、充分に攪拌して、可視光硬化型接着剤を得
た。
【0027】〔実施例2〕ウレタンプレポリマー48部を
28部に、トリメチロールプロパントリアクリレート48部
を68部に代えた以外は、実施例1と同様にして可視光硬
化型接着剤を得た。 〔実施例3〕 E−2 96部 芳香族オニウム塩( Degussa社製「Degacure K126 」) 2部 3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン) 2部 以上を混合、充分に攪拌して、可視光硬化型接着剤を得
た。
【0028】〔実施例4〕E−2 96部を、E−1 28
部およびオリゴエステルアクリレート(東亞合成社製
「アロニックス M6500」)68部に代えた以外は、実施例
3と同様にして可視光硬化型接着剤を得た。 〔実施例5〕 ウレタンプレポリマー「デスモジュール E1160」 48部 トリメチロールプロパントリアクリレート「カヤラッド TMPTA」48部 芳香族オニウム塩「FC-508」 2部 3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン) 2部 ペンタエリスリトール 10部 以上を混合、充分に攪拌して、可視光硬化型接着剤を得
た。
【0029】〔比較例1〕ウレタンプレポリマー48部を
1部に、トリメチロールプロパントリアクリレート48部
を95部に代えた以外は、実施例1と同様にして可視光硬
化型接着剤を得た。 〔比較例2〕ウレタンプレポリマーおよびトリメチロー
ルプロパントリアクリレートの48部を49.975部に、芳香
族オニウム塩および 3,3'-カルボニルビス(7-アセトキ
シクマリン)の 2部を 0.025部に代えた以外は、実施例
1と同様にして可視光硬化型接着剤を得た。
【0030】得られた接着剤について、硬化性、ガラス
接着性、ガラス接着耐久性、ステンレス(SUS)接着
性およびSUS接着耐久性を評価した結果を表1に示
す。可視光を透過しないSUS板に対する評価は、予備
硬化方式により硬化して行い、この方式用に調整した実
施例4および実施例5についてのみ行った。実施例4の
接着剤はイソシアネート基と反応しえる化合物を含んで
いないが、接着層を透して浸透した空気中の水分により
硬化が完了、充分な接着力を示したと考えられる。評価
方法および評価基準を以下に示す。
【0031】 ・硬化性 :太陽光に10秒暴露後の流動性を目視で確認した。 (○:流動性無し、×:流動性有り) ・ガラス : 2.5mm厚みのガラス板2枚の間に接着剤を塗布し、圧着後、太陽 接着性 光に20秒暴露し、試料片を作製した。試料片の接着強度を、万能 引っ張り試験器により評価した。 (○:ガラス板破断以上、×:ガラス板破断未満) ・ガラス接着:ガラス接着性と同様にして作製した試料片に、耐候性促進評価機 耐久性 により、紫外線を 300時間照射した後、接着強度を評価した。 (○:ガラス板破断以上、×:ガラス板破断未満)
【0032】 ・SUS : 2.5mm厚みのSUS板に接着剤を塗布、太陽光に5秒暴露した後 接着性 、同様のSUS板を圧着した。さらに室温で3日保存し、試料片 を作製した。試料片の接着強度を、万能引っ張り試験器により評 価した。 (○:100kgf/cm 2上、×:100kgf/cm2未満) ・SUS接着:SUS接着性と同様にして作成した試験片を、80℃の熱水中に、 耐久性 400時間浸漬した後、接着強度を評価した。 (○: 50kgf/cm2以上、×: 50kgf/cm2未満)
【0033】
【表1】
【0034】実施例の接着剤については、それぞれの項
目について良好な結果が得られたが、イソシアネート基
を有する化合物の量が少ない比較例1の接着剤は、硬化
が充分でも接着力の低下が見られた。また、開始剤およ
び増感剤量の少ない比較例2の接着剤は、硬化が不充分
であった。実施例4および実施例5の接着剤について
は、太陽光に5秒暴露して圧着後は、試料の持ち運びに
支障が無い接着力を示し、かつ室温保存し本硬化した後
の試料は良好な接着力を示した。
【0035】
【発明の効果】本発明により、可視光により速やかに硬
化が可能であり、かつ広範な被着物に適応可能な接着剤
が提供できるようになった。また、通常の光硬化型接着
剤では可視光を透過しない被着物に適応できないが、本
発明の接着剤を使用し、かつ予備硬化方式によれば、こ
のような被着物に対する適応も可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子中に1個以上のエチレン性不飽和
    二重結合を有する化合物、(B)分子中に平均0.01個以上
    のイソシアネート基を有する化合物、(C)芳香族オニウ
    ム塩および(D)3−ケトクマリン化合物を含む可視光硬
    化型接着剤において、 (A)と(B) の合計 100重量部に対
    して、(C)と(D) の合計重量が 0.1ないし40重量部であ
    ることを特徴とする可視光硬化型接着剤。
  2. 【請求項2】 (A)と(B) の比率が98重量部/2重量部な
    いし2重量部/98重量部であることを特徴とする請求項
    1記載の可視光硬化型接着剤。
  3. 【請求項3】(E)分子中にエチレン性不飽和二重結合を
    平均 0.2個以上有し、かつイソシアネート基を平均0.01
    個以上有する化合物、(C)芳香族オニウム塩および(D)3
    −ケトクマリン化合物を含む可視光硬化型接着剤におい
    て、 (E) 100重量部に対して、 (C)と(D) の合計重量が
    0.1ないし40重量部であることを特徴とする可視光硬化
    型接着剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU716666B2 (en) * 1995-08-11 2000-03-02 Smith & Nephew Plc Adhesives
WO2015111567A1 (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 積水化学工業株式会社 光湿気硬化型樹脂組成物、電子部品用接着剤、及び、表示素子用接着剤

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