JPH078236Y2 - シャープペンシルの替芯収納ケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シャープペンシルの替芯を収納するケースに
関する。

〔従来の技術〕

従来のかかるケースには、単に蓋を開けて芯取出口を下
に向けて芯を振り落とす簡単な構造のものや、第４図乃
至第６図に示したように蓋体（１）の開蓋に連動して芯
押し部（２）が芯取出口（３）の方向へ内壁（４）に沿
って移動して芯（５）の先端部を芯取出口（３）から自
動的に突出させる機構を備えたもの等が存在する。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記の従来例には、開蓋状態で不用意に芯取出口を下へ
向けた場合に芯が落下するという共通の欠点がある。ま
た図示したものには、第５図の如く芯取出口（３）が下
側に位置するようにケースを横に倒した姿勢では開蓋に
従い芯押し部（２）によって芯（５）を押し出して芯取
出口（３）から突出させることができるが、第６図の如
く芯取出口（３）が上側に位置するようにケースを横に
倒した姿勢では芯（５）が重力によって下方向に移動す
るので芯（５）を芯取出口（３）から突出させることが
できない不便がある。

そこで本考案は、開蓋状態で不用意に芯取出口を下へ向
けても芯が落下する心配がなく、且つ如何なる姿勢でも
開蓋操作によって自動的に芯の先端部を芯取出口から突
出させることができる新規な構造のシャープペンシル用
替芯収納ケースの提供を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために案出された本考案のシャープ
ペンシルの替芯収納ケースは、蓋体と、蓋体の開蓋に連
動して内壁方向へ移動して芯を内壁に当接させる弾性支
持体と、蓋体の開蓋に連動して芯取出口方向へ内壁に沿
って移動して芯の先端部を芯取出口から突出させる芯押
し部とを備えたことを特徴として構成されるものであ
る。

ここで芯押し部や弾性支持体は蓋体と一体的に形成して
も良いし、又は別部品とすることも可能である。

〔作用〕

蓋体が開蓋すると先ず弾性支持体が内壁に向って移動し
て適宜なバネ力により芯を内壁に当接させて支持し、次
に芯押し部が内壁に沿って芯取出口方向へ移動するの
で、芯は弾性支持体に支持されながら芯押し部により押
されてその先端部を芯取出口から突出させる。そしてケ
ースが如何なる姿勢にあろうとも弾性支持体が芯を内壁
に当接させて芯取出口から突出可能な位置に固定させる
のでケースの姿勢の如何によって芯の取り出しができな
いという不便がない。また開蓋状態では弾性支持体のバ
ネ力により芯が内壁へ押さえられているので不用意に芯
取出口を下へ向けても芯が落下することはない。

〔実施例〕

第１図乃至第３図に基づき本考案の一実施例を説明す
る。ケース本体（６）は基体（７）とカバー（８）とか
ら成る。まず基体（７）はその内面部の一方の長手辺で
ある横側辺部（９）の上端から下端までの位置、及び底
辺部（10）の全範囲、更にもう一方の横側辺部（11）の
下端から上端の少し手前までの位置に夫々一連の内側面
体（12）を突設している。また基体（７）は一方の横側
辺部（11）と底辺部（10）の内側面体（12）に沿ってそ
の少し内側位置にガイドリブ（13）を突設して該ガイド
リブ（13）と内側面体（12）との間にガイド溝部Ａ（1
4）を形成している。尚、底辺部（10）の両端部位置の
ガイド溝部Ａ（14）は角状ではなく円弧状に曲ってい
る。また基体（７）の底辺部（10）のガイドリブ（13）
の内側にそれと平行で両端部がガイドリブ（13）と一体
的に接続する仕切リブＡ（15）を突設すると共にその略
中央部に下端部を一体的に接続させて一方の横側辺部
（９）の内側面体（12）に平行な仕切リブＢ（16）を突
設して、該仕切リブＢ（16）と仕切リブＡ（15）と一方
の横側辺部（９）の内側面体（12）とによって芯収納空
間（17）を形成している。仕切リブＢ（16）の上端は基
体（７）の天辺部（18）まで到達せず、その略上方位置
にはピン（19）と円弧状のリブ（20）からなる後記弾性
支持体の取付部（21）を設けている。また一方の横側辺
部（11）のガイドリブ（13）の略上方位置で弾性支持体
の取付部（21）の外側位置に後記蓋体の取付軸（22）を
突設している。また基体（７）の天辺部（18）と一方の
横側辺部（11）の上端部は開放しており、芯収容空間
（17）の上方位置の天辺部（18）を芯取出口（３）とな
している。また一方の横側辺部（９）の内側面体（12）
の内面部、即ち内壁（４）の下端部でガイド溝部Ａ（1
4）の先端開口部の近傍には内壁（４）と平行なガイド
溝部Ｂ（23）を形成している。次にカバー（８）は、基
体（７）に設けた内側面体（12）と対向するようにその
内面部に同様に外側面体（24）を突設して、該外側面体
（24）を基体（７）の内側面体（12）の外面側へ嵌着さ
せることにより基体（７）と一体化するように形成され
ている。次に蓋体（１）は、その基端内面部に取付環部
（25）を設け、該取付環部（25）の側面には蓋体（１）
に略垂直な押圧突起（26）を設け、基端部における取付
環部（25）の外側位置には可撓性を有する摺動ベルト
（27）を一体的に連設している。摺動ベルト（27）は蓋
体（１）に連なる基端外面部に突条（28）を設け、先端
部には芯押し部（２）を設けると共にその端部にガイド
片部（29）を設けている。蓋体（１）はその取付環部
（25）を前記の基体（７）の取付軸（22）に回動自在に
嵌着させ、また摺動ベルト（27）は基体（７）のガイド
溝部Ａ（14）に、ガイド片部（29）は基体（７）のガイ
ド溝部Ｂ（23）に夫々摺動自在に嵌装している。次に弾
性支持体（30）はバネ性を有する湾曲部（31）を有する
と共に一端には略く字状に屈曲した被押圧片部（32）を
有し、湾曲部（31）を芯収納空間（17）に位置せしめ
て、その屈曲部（33）を基体（７）の取付部（21）のピ
ン（19）と円弧状のリブ（20）の間に挟み込んで取付け
られている。蓋体（１）が閉蓋状態のときは第３図に示
すように弾性支持体（30）の湾曲部（31）の先端部が仕
切リブＢ（16）に当接し、また被押圧片部（32）は自由
な状態にある。次に摺動ベルト（27）の基端部の突条
（28）に指を掛けて蓋体（１）を取付軸（22）を中心と
して回動させ開蓋すると第２図に示すように、押圧突起
（26）が弾性支持体（30）の被押圧片部（32）に当接し
て押圧するので弾性支持体（30）も回動してその湾曲部
（31）が内壁（４）に向って移動して芯（５）を内壁
（４）に当接して支持する。また開蓋と連動して摺動ベ
ルト（27）もガイド溝部Ａ（14）を摺動してその先端ガ
イド片部（29）もガイド溝部Ｂ（23）を摺動して芯押し
部（２）が内壁（４）に沿って芯取出口（３）の方向へ
移動して、弾性支持体（30）により支持されている芯
（５）を押し上げてその先端部を芯取出口（３）から突
出させる。尚、蓋体（１）を逆方向に回転させて閉蓋す
れば第３図の状態に復元する。

〔考案の効果〕

本考案は叙上の通りであり、開蓋時に不用意に芯取出口
を下に向けても芯が落下する虞がなく、またケースが如
何なる姿勢にあろうとも開蓋操作により芯取出口から芯
を突出させることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示したもので、
第１図は分解斜視図、第２図は開蓋状態の断面図、第３
図は閉蓋状態の断面図である。また第４図乃至第６図は
従来例を示したもので、第４図は起立状態の断面図、第
５図は芯取出口を下側にして横に倒した状態の断面図、
第６図は芯取出口を上側にして横に倒した状態の断面図
である。 （１）……蓋体，（２）……芯押し部，（３）……芯取
出口，（４）……内壁，（５）……芯，（６）……ケー
ス本体，（７）……基体，（８）……カバー，（９）…
…横側辺部，（10）……底辺部，（11）……横側辺部，
（12）……内側面体，（13）……ガイドリブ，（14）…
…ガイド溝部A,（15）……仕切リブA,（16）……仕切リ
ブB,（17）……芯収納空間，（18）……天辺部，（19）
……ピン，（20）……円弧状のリブ，（21）……取付
部，（22）……取付軸，（23）……ガイド溝部B,（24）
……外側面体，（25）……取付環部，（26）……押圧突
起，（27）……摺動ベルト，（28）……突条，（29）…
…ガイド片部，（30）……弾性支持体，（31）……湾曲
部，（32）……被押圧片部，（33）……屈曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蓋体と、蓋体の開蓋に連動して内壁方向へ
   移動して芯を内壁に当接させる弾性支持体と、蓋体の開
   蓋に連動して芯取出口方向へ内壁に沿って移動して芯の
   先端部を芯取出口から突出させる芯押し部とを備えたこ
   とを特徴とするシャープペンシルの替芯収納ケース。