JPH0782262A - ベンゾピラン化合物及びその用途 - Google Patents

ベンゾピラン化合物及びその用途

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JPH0782262A
JPH0782262A JP15553994A JP15553994A JPH0782262A JP H0782262 A JPH0782262 A JP H0782262A JP 15553994 A JP15553994 A JP 15553994A JP 15553994 A JP15553994 A JP 15553994A JP H0782262 A JPH0782262 A JP H0782262A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】下記式(1) (式中、R及びRは各々独立に、水素原子またはハ
ロゲン原子、Qはハロゲン原子またはアルコキシ基で置
換されていても良い炭素数1〜8のアルキル基、または
水素原子を表す)で表される2H−1−ベンゾピラン−
2−オン化合物およびそれからなる無色の紫外線吸収
剤、ならびに該紫外線吸収剤を含有してなる熱可塑性樹
脂組成物および成形体。 【効果】熱安定性および耐昇華性に優れ、且つ色を付け
ない紫外線吸収剤を含有してなる紫外線遮断効果に優れ
た、熱可塑性樹脂組成物およびその成形体を提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線吸収剤およびそ
れに適した2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物な
らびに該紫外線吸収剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成
物および成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂は機械的強度に優
れ、その化学的性質から、フィルム等の加工成形品に幅
広く利用されている。例えば、ポリエステルは、近年で
はその優れた透明性、気体遮断性、安全衛生性などから
飲料、調味料、酒などの食品用容器として多量に使用さ
れるようになってきた。また、建築用途および車両用と
して、窓ガラスが衝撃を受けた際、粉砕し飛散落下する
ことを防止したり、省エネルギー化に伴い、外部からの
熱線を遮断することを目的として、窓貼りフィルムが開
発されており、特にポリエステル系フィルムが使用され
ている。さらに、最近では、装飾用途としての観点か
ら、該ポリエステルフィルムに着色を施して、デザイン
性を向上させたものが上市されており、デザイン的な独
創性かつ高機能性を必要とされる窓ガラスへの窓貼りフ
ィルムとして需要が急速に伸びてきている。
【0003】他方、農園芸用に使用される例としては、
根菜類など有用な植物の成育促進ならびに多量収穫を目
的として、特に耐光性、光線透過率、強度からポリメチ
ルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等を基材としたマル
チング被覆材などがある(特開昭第53−98242号
公報)。しかしながら、これらの熱可塑性樹脂容器およ
びフィルムは、例えばポリエステルでは、320nm程
度までの短波長側の紫外線遮断性には極めて優れている
が、それ以上の長波長側の紫外線、可視光線等は、ほと
んど通過してしまう。したがって、例えば、ポリエステ
ル容器に、ジュースや食用油、又はみりん、ドレッシン
グなどの液体調味料、あるいは酒を充填し、数カ月の保
存期間を経た場合、保存条件や充填食品の種類によって
差異はあるものの、徐々に内容物の劣化例えば、色、
味、香りに微妙な変化を来すことが多い。該内容物の劣
化は、酸素、熱、紫外線、微生物の進入などによってお
こるが、ポリエステル容器の場合、酸素遮断性に比較的
優れているので、紫外線遮断性を更に改善すれば、長期
保存下でも、内容物の劣化を大幅に改良することが可能
である。また、紫外線は人体、特に皮膚に対する悪影響
が従来より指摘されている。そこで、建築用の窓貼りフ
ィルムとして、ガラス飛散防止効果および熱線遮断効果
の他に、紫外線遮断効果を付与したフィルムを使用する
ことにより、屋内にいる人体の保護が可能となる。
【0004】また、農園芸のマルチング栽培では、少な
くとも370nm以下の紫外線透過を実質的に阻止した
透明被覆材でマルチングすることにより、多くの有用植
物の成育を促進し、高品質の作物を早期に、多量に収穫
できることが知られている(特開昭第53−12455
6号公報)。現在当該業界では、紫外線遮断の目的のた
めに、一般的には紫外線吸収剤等が添加使用されてい
る。しかしながら、現在知られているハイドロキノン
系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系などの紫外線吸収剤は、一般に高価な化合物であ
り、しかも、その付与工程は煩雑である。さらに熱安定
性に劣る物が多く、成形加工時に熱分解によって、好ま
しくない着色が樹脂に起こったり、樹脂中の高分子鎖の
開裂を促進して、樹脂の脆弱化を来す等の問題がある。
また、これらの化合物は一般に昇華性が大きいため、付
与工程時あるいは成形加工時に機械等への昇華物の付着
が起こったり、また食品容器や包装に使用した場合に
は、内容物への移行のおそれもあり、好ましくない。特
にポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂の射
出成形では、加工温度範囲が280℃〜320℃または
その近傍であり、非常に高温である。そのため、該樹脂
に使用する紫外線吸収剤としては、この温度範囲での昇
華が出来るだけ少ないものでなければならない。
【0005】これらの問題を解決する方法としては、例
えば、昇華性を改善するために、紫外線吸収剤として、
ナフタレンテトラカルボン酸またはその酸無水物、イミ
ドもしくはエステル、更には、ナフタレンジカルボン酸
またはその誘導体を使用する方法(特開昭63−225
650号公報)、さらに、ナフタレンテトラカルボン酸
またはその酸無水物、イミドもしくはエステル、更に
は、ナフタレンジカルボン酸またはその誘導体をポリブ
チレンテレフタレート樹脂製造槽に直接添加して均一な
組成物を製造したのち、ポリエチレンテレフタレート樹
脂に配合する方法がある(特開平3−20353号公
報)。しかしながら、特開昭63−225650号公報
記載の組成物から成る容器あるいはフィルムは、黄色に
着色する傾向が強く、無色透明な飲料、酒等の内容物の
包材としては、十分に満足できるものではなかった。ま
た、特開平3−20353号公報記載の樹脂成形体の製
造方法では、黄着色性を改善するために、紫外線吸収能
を有するナフタレンテトラカルボン酸および/またはナ
フタレンテトラカルボン酸の誘導体を添加したポリブチ
レンテレフタレート樹脂組成物を一度製造しておき、さ
らにポリエチレンテレフタレート樹脂に配合する工程を
有するため、製造工程が煩雑であり、しかも、ナフタレ
ンテトラカルボン酸および/またはナフタレンテトラカ
ルボン酸の誘導体をポリブチレンテレフタレート樹脂製
造槽に直接添加し、ポリマー鎖に結合させなければ紫外
線遮断効果が望めないので、多量に使用される樹脂成形
体の製造方法として、必ずしも好ましくはない。
【0006】また、食品容器や包装フィルムとして使用
するに適した樹脂組成物として、7位に反応活性基であ
るヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノ
基、あるいはアシロキシアルキルアミノ基等を持つ2H
−1−ベンゾピラン−2−オン化合物をポリエチレンテ
レフタレート樹脂製造槽に直接添加し、ポリマー鎖に結
合することで、該化合物の内容物への溶出のない、且つ
紫外線吸収能を持つポリエステル樹脂組成物が提案され
ている(米国特許第4,882,412号公報、米国特
許第4,892,922号公報)。さらに、公知の2H
−1−ベンゾピラン−2−オン化合物を含有するポリエ
ステル樹脂組成物を製造する方法に関して、該化合物の
製造工程およびポリエステル樹脂の製造工程を融合した
製造方法、すなわち該化合物の原料であるo−ハロ桂皮
酸またはそのエステルをポリエステル製造槽に直接添加
することで、ポリエステル樹脂の製造と同時に該化合物
を製造することを特徴とする、ポリエステル樹脂組成物
の新しい製造方法が提案されている(米国特許第5,0
91,501号公報)。
【0007】しかしながら、米国特許第4,882,4
12号公報記載の樹脂組成物は、370nmまでの短波
長の紫外線を実質的に遮断するまでには到らず、例えば
250nmから351nmまでの波長の光線、あるいは
250nmから371nmまでの波長の入射光線に対し
て10%以下の光線透過が認められる(例えば、米国特
許第4,882,412号公報記載実施例98ならびに
実施例99)。したがって、該樹脂組成物を利用したポ
リエステル容器にジュース、食用油、酒等を充填した場
合、容器を透過した紫外線による、これら内容物の劣化
は避けられない。また、米国特許第4,882,412
号公報ならびに米国特許第4,892,922号公報記
載の樹脂組成物は、紫外線あるいは太陽光線を照射する
と蛍光を発することが明らかとなっている(例えば、米
国特許第4,882,412号公報記載の実施例1なら
びに実施例2、米国特許第4,892,922号公報記
載実施例1ならびに実施例2)。このため、該樹脂組成
物を利用した食品用包装材、飲料充填容器等は蛍光を発
し、外観の印象は好ましくない。
【0008】さらに、米国特許第4,892,922号
公報記載の樹脂組成物、ならびに米国特許第5,09
1,501号公報記載の製造方法で得られる樹脂組成物
は、黄色に着色している(例えば、米国特許第4,89
2,922号公報記載実施例92、および米国特許第
5,091,501号公報記載実施例3)。そのため着
色剤を添加しても、所望の色調を得られないため、該樹
脂組成物は紫外線遮断効果を付与した装飾用窓貼りフィ
ルム材料としては不向きである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る問題点を解決するために、熱安定性に優れ、且つ昇華
性の極めて少ない無色の紫外線吸収剤を提供し、さらに
該紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に添加することで、紫外
線遮断能に優れた熱可塑性樹脂組成物および成形体を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、無色の紫外線吸収
剤として、熱安定性に優れ、かつ昇華性の極めて少ない
2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物を見出し本発
明に到った。即ち、本発明は、一般式(1)(化2)
【化2】 (式中、R1 及びR2 は各々独立に、水素原子またはハ
ロゲン原子であり、Qはハロゲン原子またはアルコキシ
基で置換しても良い炭素数1〜8のアルキル基、あるい
は水素原子を表す)で表される2H−1−ベンゾピラン
−2−オン化合物、およびこれからなる無色の紫外線吸
収剤、および該紫外線吸収剤を含有してなる熱可塑性樹
脂組成物および成形体に関するものである。
【0011】本発明の紫外線吸収剤は無色であり、熱安
定性および耐昇華性に優れ、さらに該紫外線吸収剤を熱
可塑性樹脂に添加することで、紫外線遮断能に優れた熱
可塑性樹脂組成物を製造できる。本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、熱可塑性樹脂中に、本発明の2H−1−ベン
ゾピラン−2−オン化合物からなる紫外線吸収剤の少な
くとも一種を、紫外線遮断に有効な量を添加することに
より、長波長側の紫外線を実質上遮断しうることを特徴
とするものである。ここでいう「紫外線遮断」とは、該
樹脂組成物を成形体とした時に、少なくとも370nm
以下の短波長の紫外線を完全に(ほぼ 100%)遮断する
ことをいう。本発明は、紫外線遮断効果を必要とする容
器、フィルムなどの機能性を有する成形品の製造に大き
く貢献するものである。
【0012】本発明の一般式(I)で表される2H−1
−ベンゾピラン−2−オン化合物において、置換基R1
及びR2 としては水素原子、ハロゲン原子が挙げられ
る。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子およびヨウ素原子がいずれも例示できる。また、
置換基Qとしては、ハロゲン原子またはアルコキシ基で
置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、また
は水素原子が挙げられる。ハロゲン原子、またはアルコ
キシ基等で置換してもよい炭素数1〜8のアルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、クロロエチル、ト
リクロロエチル、ブロモエチル、ヨードエチル、クロロ
プロピル、ブロモプロピル、クロロブチル、ブロモブチ
ル、メトキシエチル、エトキシエチル、n−プロポキシ
エチル、iso−プロポキシエチル、メトキシプロピ
ル、エトキシプロピル、n−プロポキシプロピル、is
o−プロポキシプロピル、メトキシブチル、エトキシブ
チル、n−プロポキシブチル、iso−プロポキシブチ
ル等が例示できる。
【0013】本発明の一般式(I)で表される2H−1
−ベンゾピラン−2−オン化合物の具体例の一部を第1
表(表1〜表4)に例示するが、勿論、これらの化合物
に限定されるものではない。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0014】本発明の一般式(1)で表される2H−1
−ベンゾピラン−2−オン化合物の製造方法としては、
一般式(2)(化3)
【化3】 (式中、R1 及びR2 は一般式(1)で定義したものと
同義である)で表される化合物を溶媒中、塩化チオニル
と反応させることにより得られる下記一般式(3)(化
4)
【化4】 (式中、R1 及びR2 は一般式(1)で定義したものと
同義である)で表される化合物と下記一般式(4)(化
5)
【化5】 (式中、Qは一般式(1)で定義したものと同義であ
る)で表される化合物を溶媒中で反応させることにより
得られる。
【0015】ここで、一般式(2)の化合物は、公知の
方法を用いて容易に製造することができる。例えば、サ
リチルアルデヒドとマロン酸を、酢酸を縮合剤として反
応させてクマリン−3−カルボン酸を得る方法(C.
M.Stuart,J.C.S.,49,367(18
86).)、各種サリチルアルデヒド誘導体とマロン酸
ジエチルを、ピペリジンを溶媒として反応させ、酸処理
後加水分解して得る方法(E.Knoevenage
l,Ber.,31,2619(1898);E.Kn
oevenagel,ibid.,37,4461(1
904))、各種サリチルアルデヒド誘導体とシアノ酢
酸を、アルカリ水溶液を溶媒として反応させ、次いで、
酸による閉環ならびに加水分解により得る方法(Haa
rmanand Reimer,D.R.P.1892
52)、各種サリチルアルデヒド誘導体とマロノニトリ
ルを、ピペリジンを溶媒として反応させ、酸処理後加水
分解して得る方法(L.Woods,and J.Sa
pp,J.O.C.,30,312(1965))など
がある。
【0016】一般式(2)で表される化合物としては、
例えば、クマリン−3−カルボン酸、6−フルオロクマ
リン−3−カルボン酸、6−クロロクマリン−3−カル
ボン酸、6−ブロモクマリン−3−カルボン酸、6−ヨ
ードクマリン−3−カルボン酸、6,8−ジフルオロク
マリン−3−カルボン酸、6,8−ジクロロクマリン−
3−カルボン酸、6,8−ジブロモクマリン−3−カル
ボン酸、6,8−ジヨードクマリン−3−カルボン酸な
どが挙げられる。また、一般式(4)で表される化合物
としては、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息
香酸エチル、p−アミノ安息香酸−n−プロピル、p−
アミノ安息香酸イソプロピル、p−アミノ安息香酸−n
−ブチル、p−アミノ安息香酸イソブチル、p−アミノ
安息香酸−t−ブチル、p−アミノ安息香酸ペンチル、
p−アミノ安息香酸−2−ペンチル、p−アミノ安息香
酸−3−ペンチル、p−アミノ安息香酸イソペンチル、
p−アミノ安息香酸ネオペンチル、p−アミノ安息香酸
−1−ヘキシル、p−アミノ安息香酸−2−ヘキシル、
p−アミノ安息香酸−1−ヘプチル、p−アミノ安息香
酸−2−ヘプチル、p−アミノ安息香酸−1−オクチ
ル、p−アミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ア
ミノ安息香酸−2−メトキシエチル、p−アミノ安息香
酸−2−エトキシエチル、p−アミノ安息香酸−2−ク
ロロエチル、p−アミノ安息香酸−2−ブロモエチル、
p−アミノ安息香酸−2,2,2−トリクロロエチルな
どの、ハロゲン原子、またはアルコキシ基等で置換して
もよいアルコキシカルボニル基のp位にアミノ基をもつ
安息香酸誘導体が挙げられる。
【0017】一般式(2)で表される化合物に対する塩
化チオニルのモル比は、好ましくは一般式(2)の総モ
ル数を1としたとき、塩化チオニルのモル数は1〜1.5
であり、また、一般式(4)で表される安息香酸誘導体
のモル比は、好ましくは一般式(2)の総モル数を1と
したとき、一般式(4)のモル数は1〜1.5 である。使
用する溶媒としては、好ましくは、N,N−ジメチルイ
ミダゾリジノン、スルホラン、N−メチル−2−ピロリ
ドンなどの非プロトン性極性溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ク
ロロナフタレン、ニトロベンゼンなどの芳香族溶媒が挙
げられる。溶媒の使用量は、一般式(2)の化合物の1
〜100重量部を用いれば良い。
【0018】一般式(2)の化合物を溶媒中、塩化チオ
ニルと反応させ、一般式(3)の化合物を生成せしめる
温度は、好ましくは0〜120℃であり、反応時間は1
分〜10時間程度が好ましい。又、一般式(4)の化合
物を溶媒中、一般式(3)と反応させる温度は、10℃
〜200℃程度が良く、好ましくは40〜150℃であ
る。反応時間は30分〜10時間程度が好ましい。
【0019】本発明の紫外線吸収剤は、上記のような製
造方法で得られる2H−1−ベンゾピラン−2−オン化
合物を少なくとも一種含むものであり、これらは単独ま
たは複数で用いてもよい。また、使用される2H−1−
ベンゾピラン−2−オン化合物は、粗製のまま使用する
ことができるが、再結晶その他の精製手段を用いて精製
されたものが好ましく、また数ミクロン以下に粉砕して
使用することが好ましい。本発明の紫外線吸収剤無色で
あり、少なくとも370nm以下の紫外線を吸収する。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂に、本発明の紫外線吸収剤の少なくとも一種を紫外
線遮断に有効な量を添加してなるが、本発明の紫外線吸
収剤である2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物
は、熱可塑性樹脂製造のいかなる段階で、例えば、重縮
合反応開始前、重縮合反応中、重縮合反応終了後、粉粒
状態、成形段階等において添加しても良く、また成形加
工前のいかなる段階で添加したものでも同様に紫外線遮
断効果を発現させることができる。特に、市販の容易に
入手可能な熱可塑性樹脂を用いて、成形加工前のいずれ
かの段階で添加して用いることが、本発明の熱可塑性樹
脂組成物の製造上簡便で好ましい。その際、本発明の紫
外線吸収剤を熱可塑性樹脂に添加する温度は400℃以
下が好ましく、特に350℃以下が好ましい。あるい
は、かかる紫外線吸収剤を所定濃度の数倍ないし100
倍、実用的には、5〜50倍程度の濃度になるまで添加
した、いわゆるマスターバッチを作製し、これを紫外線
吸収剤の未だ添加されていない熱可塑性樹脂で希釈する
ことで、最終的に所望の紫外線遮断能を有する樹脂組成
物を得ることもできる。
【0021】本発明の紫外線吸収剤である2H−1−ベ
ンゾピラン−2−オン化合物の添加量としては、使用す
る熱可塑性樹脂の種類、フィルム、シートなどの成形品
の厚み等に依存して広範に変えることができるが、本発
明の方法が目的としている、370nm以下の短波長の
紫外線の透過率がほぼ0%となるためには、熱可塑性樹
脂100重量部あたり0.001重量部以上添加するこ
とが好ましい。又、370nm以下の短波長の紫外線を
遮断するのに十分な量としては、該樹脂100部あたり
20重量部もあれば良く、添加量として好適な範囲は、
0.01〜10重量部である。
【0022】また一般に使用される紫外線吸収剤の配合
量と得られる成形体の厚みとの間に下記式(5) 10≦AB (5) 好ましくは下記式(6) 15≦AB (6) 〔式中、Aは熱可塑性樹脂100重量部あたりの紫外線
吸収剤の添加量(重量部)を表し、Bは成形品の厚み
(μm)を表す〕で示される関係が満たされているのが
良いことが知られているので、これらも考慮すれば好ま
しい。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用しうる
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエ
ステル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、
ポリ塩化ビニル、またはこれら重合体を主体とする共重
合体、もしくは混合物等が含まれる。耐光性、光線透過
性、機械的強度等の理由から、ポリエステル、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネートが好ましく、特に
ポリエステルが優れた機械的強度、および成形加工性を
有しており、最も好ましい。
【0024】本発明に使用されるポリエステルとして
は、分子構造上、特に限定を受けることはないが、熱可
塑性を有することが好ましい。具体的には、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ビス−α,β−(2−クロルフェノキシ)ブタン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸およびそのエステル誘導体、シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸およびそ
のエステル誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びそのエス
テル誘導体、フマル酸、4−カルボキシ桂皮酸のような
不飽和ジカルボン酸およびそのエステル誘導体等の一種
以上のジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ールのような脂肪族の二価アルコール、シクロヘキサン
ジメタノールのような脂環族グリコール、ビス−(4'−
β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのようなビ
スフェノール誘導体、または、
【0025】一般式(7)(化6)
【化6】 (式中、lは、1以上6以下の整数、mは、3以上の整
数)で表されるようなポリエーテルジオール等の一種以
上の二価アルコール成分とから得られるポリエステル、
あるいはオキシ酸であるグリコール酸、乳酸、ヒドロキ
シプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸等を重縮合して得られ
るポリグリコール酸、ポリ乳酸、あるいは各種オキシ酸
を共重合して得られるポリエステルである。なかでも耐
熱性、耐湿性に優れたポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエチレンビス−α,β−
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
キシレートが好ましい。特に透明性に優れたポリエチレ
ンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが最
も有用で好ましい。
【0026】このようなポリエステル樹脂を含む本発明
の熱可塑性樹脂組成物は、かかるポリエステル成分を少
なくとも50重量%以上、好ましくは80重量%以上含
む樹脂組成物である。また、本発明のポリエステル樹脂
の他に、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート
等の他の熱可塑性樹脂を含んでもよい。本発明の紫外線
吸収剤は無色であり、熱可塑性樹脂を着色しないため、
着色剤を用いて所望する色調を有する熱可塑性樹脂組成
物を得ることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物に
使用する着色剤としては、例えば、多環系を中心とした
耐熱性疎水性染料、具体的には、ペリノン系、アンスラ
ピリドン系、キノフタロン系、アンスラキノン系等の骨
格を有する疎水性染料が挙げられる。
【0027】これらの着色剤は、熱可塑性樹脂との相溶
性が良く、熱可塑性樹脂の製造および加工温度において
も十分な耐熱安定性、色調安定性を示し、かつ食品等の
包装容器として使用する場合には、安全衛生上、何ら問
題のない染顔料を選択し、本発明の組成物に添加、使用
する。あるいは、これらの着色剤を所定濃度の数倍ない
し100倍、実用的には、5〜50倍程度の濃度になる
まで添加した、いわゆるマスターバッチを作製し、これ
を無着色ないしは着色した熱可塑性樹脂で希釈すること
で、最終的に所望の色調を持った樹脂組成物を得ること
もできる。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応
じて他の通常の樹脂添加物、例えば、光安定剤、熱安定
剤、離型剤、帯電防止剤、酸化防止剤や分散剤等を添加
することもできる。本発明で得られる紫外線遮断性に優
れた熱可塑性樹脂組成物は、一般的溶融成形法を用いる
ことで、有用な成形品を製造することができる。例え
ば、ポリエステル樹脂組成物に対して、押し出し成形法
によりシートを作製し、この後一軸延伸、二軸延伸して
得られたフィルムは食品等の包装材として、また農園芸
用のマルチング材としての使用が特に好ましい。また、
吹込成形法を用いることで、紫外線遮断性、気体遮断
性、強靱性さらには無着色透明性を有する中空成形体を
製造することも可能である。この中空成形体はジュー
ス、食用油、調味料、酒など食品用容器として使用する
のが好ましい。また、射出成形法によって、所望する形
状を有する無着色成形品を製造することも可能である。
【0029】あるいは、本発明の着色剤を添加した熱可
塑性樹脂組成物もまた、一般的溶融成形法を用いること
で、有用な成形品を製造することができる。例えば、所
望の色調を有するポリエステル樹脂組成物を用いて、押
し出し成形法によりシートを作製し、この後一軸延伸、
二軸延伸して得られたフィルムに粘着層、アルミ蒸着層
等を設けた機能性膜は、建築用途あるいは車両用途にお
けるガラス飛散防止膜、および熱線遮蔽膜としての使用
が適している。さらに、射出成形法によって、所望する
色調ならびに形状を有する成形品も製造可能である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。なお、本実施例中「部」は「重量部」を意味す
る。また、実施例中で示した熱重量測定は、島津製作所
(株)製「TGA−50」熱重量測定装置を使用し、サ
ンプル重量を3mgとして、昇温速度10℃/minと
して測定した。実施例1、2および比較例1、2で得ら
れた2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物の380
nmにおけるモル吸光係数は、クロロホルムを溶媒とし
て、島津製作所(株)製「UV−2200」分光測定装
置を使用して測定した。また、実施例3および比較例
3、4、5で得られたフィルムの紫外線および可視光線
透過率スペクトルは、島津製作所(株)製「UV−22
00」分光測定装置を使用し、280〜500nmの波
長域で測定した。実施例4で得られたフィルムの紫外線
および可視光線透過率スペクトルは、島津製作所(株)
製「UV−2200」分光測定装置を使用し、280〜
500nmの波長域で測定した。
【0031】実施例1 クマリン−3−カルボン酸143部をN,N−ジメチル
イミダゾリジノン1500部に25℃にて溶解し、5℃に冷
却した。15℃以下で塩化チオニル107部を加えてク
マリン−3−カルボン酸クロリドの溶液とした。かかる
溶液に、p−アミノ安息香酸エチル150部を加えなが
ら、140℃まで内容液を昇温した。同温度にて3時間
保温した後、25℃に内容液を冷却した。内溶液を濾過
し、濾塊をジメチルホルムアミド、メタノールで洗浄
し、乾燥して2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物
240部を得た。融点251〜252℃。 また、この化合物を熱重量測定したところ249℃まで
質量変化がみられなかった。また質量変化は、初期重量
の1.0重量%減少時の温度が270℃、初期重量の
5.0重量%減少時の温度が289℃であった。この化
合物の構造式ならびに最大吸収波長を第2表に示す。
【0032】実施例2 クマリン−3−カルボン酸143部をN−メチル−2−
ピロリドン1400部に20℃にて溶解した。35℃以
下で塩化チオニル107部を加えて、クマリン−3−カ
ルボン酸クロリドの溶液とした。この溶液に、p−アミ
ノ安息香酸ブチル174部を加えながら、150℃まで
内容液を昇温した。同温度にて1時間保温した後、25
℃に内容液を冷却した。内溶液を濾過し、濾塊をジメチ
ルホルムアミド、メタノールで洗浄し、乾燥して2H−
1−ベンゾピラン−2−オン化合物258部を得た。こ
の化合物を熱重量測定したところ263℃まで質量変化
がみられなかった。また質量変化は、初期重量の1.0
重量%減少時の温度が283℃、初期重量の5.0重量
%減少時の温度が309℃であった。この化合物の構造
式ならびに最大吸収波長を第2表に示す。
【0033】比較例1 実施例1のp−アミノ安息香酸エチル150部の代わり
に、o−アミノ安息香酸エチル150部を使用した以外
は、同一条件で製造し、2H−1−ベンゾピラン−2−
オン化合物212部を得た。この化合物を熱重量測定し
たところ192℃まで質量変化がみられなかった。また
質量変化は、初期重量の1.0重量%減少時の温度が2
34℃、初期重量の5.0重量%減少時の温度が264
℃であった。この化合物の構造式ならびに最大吸収波長
を第2表に示す。
【0034】比較例2 実施例1のp−アミノ安息香酸エチル150部の代わり
に、m−アミノ安息香酸エチル150部を使用した以外
は、同一条件で製造し、比較例1の2H−1−ベンゾピ
ラン−2−オン化合物228部を得た。この化合物を熱
重量測定したところ236℃まで質量変化がみられなか
った。また質量変化は、初期重量の1.0重量%減少時
の温度が260℃、初期重量の5.0重量%減少時の温
度が293℃であった。この化合物の構造式ならびに最
大吸収波長を第2表に示す。
【0035】
【表5】
【0036】実施例3 ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ(株)製)10
000部を280℃にて溶融したものに、実施例1で得
られた2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物100
部を添加し、280℃にて溶解した。溶解したものを3
0mmφ押出機を使用して、原反厚み約200μmの薄
肉シートを得た。続いて、バッチ式延伸機を使用して、
予熱75℃、延伸温度90℃にて、かかる薄肉シートを
固定幅一軸延伸し、フィルム厚み102μmの透明フィ
ルムを得た。該フィルムの370nmおよび380nm
における紫外線透過率は、それぞれ、0.0%および
1.1%を示した。また、該フィルムに着色は観察され
なかった。なお、紫外線および可視光線吸収スペクトル
を図1に示す。また、該紫外線吸収剤を用いて薄肉シー
トを得る際、押出機のノズルに付着物は観察されず、該
化合物の昇華は認められなかった。
【0037】比較例3 実施例3において実施例1の2H−1−ベンゾピラン−
2−オン化合物100部を使用する代わりに、比較例1
の2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物100部を
使用した以外は、同一条件で製造し、フィルム厚み13
4μmの透明フィルムを得た。該フィルムの370nm
および380nmにおける紫外線透過率は、それぞれ、
0.1%および2.7%を示した。また、該フィルムに
着色は観察されなかった。なお紫外線および可視光線吸
収スペクトルを図1に示す。
【0038】比較例4 実施例3において実施例1の2H−1−ベンゾピラン−
2−オン化合物100部を使用する代わりに、比較例2
の2H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物100部を
使用した以外は、同一条件で製造し、フィルム厚み13
3μmの透明フィルムを得た。該フィルムの370nm
および380nmにおける紫外線透過率は、それぞれ、
0.2%および5.1%を示した。また、該フィルムに
着色は観察されなかった。なお紫外線および可視光線吸
収スペクトルを図1に示す。 比較例5 実施例4において実施例1の2H−1−ベンゾピラン−
2−オン化合物100部を使用する代わりに、市販のベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤チヌビン(TINUV
IN)326R (2−(3−t−ブチル−5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
−ル;Ciba Geigy製)100部を使用した以
外は同一条件で製造し、フィルム厚み103μmの透明
フィルムを得た。なお、ここで使用した紫外線吸収剤チ
ヌビン(TINUVIN)326 R を熱重量測定したと
ころ167℃より質量変化がみられた。また、質量変化
は、初期重量の1.0重量%減少時の温度が180℃、
初期重量の5.0重量%減少時の温度が202℃であっ
た。該フィルムの370nmおよび380nmにおける
紫外線透過率は、それぞれ、0.7%および3.7%を
示した。また該フィルムに着色は観察されなかった。な
お、紫外線および可視光線吸収スペクトルを図1に示
す。また、該紫外線吸収剤を用いて薄肉シートを得る
際、押出機のノズルに淡黄色の粉が付着し、成形したシ
ートを約1kg得た時点から押し出したシート中に黄色
の付着物が徐々に目に付くようになり、該化合物または
分解物の昇華性が認められなかった。
【0039】図1から明らかなように、実施例3の熱可
塑性樹脂組成物は、370nmでの透過率がほぼ0%で
あるのに対し、比較例3、4および5で得られた熱可塑
性樹脂組成物は、フィルム厚みを実施例3のフィルム厚
みと同等、またはそれ以上の厚みとして吸収能を高めた
にもかかわらず、いずれも0.1〜0.7%程度の透過
が認められた。したがって、本発明の2H−1−ベンゾ
ピラン−2−オン化合物を使用した熱可塑性樹脂組成物
は優れた紫外線遮断能を有することがわかる。
【0040】実施例4 ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ(株)製)10
000部を280℃にて溶融したものに、実施例1の2
H−1−ベンゾピラン−2−オン化合物102部および
市販のアントラキノン系建染染料である下記の赤色色素 Indanthrene Red FBB 11部 をそれぞれ添加し、280℃にて溶解した。溶解したも
のを30mmφ押出機を使用して、原反厚み約200μ
mの薄肉シートを得た。続いて、バッチ式延伸機を使用
して、予熱75℃、延伸温度90℃にて、かかる薄肉シ
ートを固定幅一軸延伸し、フィルム厚み151μmの透
明フィルムを得た。該フィルムの370nmおよび38
0nmにおける紫外線透過率は、それぞれ、0.0%お
よび0.2%を示した。また、該フィルムは赤色の着色
が観察された。なお、紫外線および可視光線吸収スペク
トルを図2に示す。図2から明らかなように、実施例4
の熱可塑性樹脂組成物は、370nmおよび380nm
における紫外線透過率が、それぞれ0.0%および0.
2%を示し、優れた紫外線遮断能を有することがわか
る。また、該紫外線吸収剤を用いて薄肉シートを得る
際、押出機のノズルに付着物は観察されず、該化合物の
昇華性は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3、および比較例3、4、5で得られた
熱可塑性樹脂組成物の紫外線および可視光線スペクトル
を示す。図の縦軸は透過率を表し、横軸は波長を表す。
【図2】実施例4で得られた熱可塑性樹脂組成物の紫外
線および可視光線スペクトルを示す。図の縦軸は透過率
を表し、横軸は波長を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 尚登 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は各々独立に、水素原子またはハ
    ロゲン原子であり、Qはハロゲン原子またはアルコキシ
    基で置換されていても良い炭素数1〜8のアルキル基、
    または水素原子を表す)で表される2H−1−ベンゾピ
    ラン−2−オン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の2H−1−ベンゾピラン
    −2−オン化合物を含む無色の紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂に、請求項1の化合物の少
    なくとも一種を紫外線遮断に有効な量を添加してなる熱
    可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 紫外線遮断に有効な量が、該樹脂100
    重量部あたり0.001〜20重量部である請求項3記
    載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂であ
    る請求項3または4の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかの熱可塑性樹脂
    組成物を成形加工してなる紫外線遮断能を有する樹脂成
    形体
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