JPH086014B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物

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JPH086014B2
JPH086014B2 JP63073421A JP7342188A JPH086014B2 JP H086014 B2 JPH086014 B2 JP H086014B2 JP 63073421 A JP63073421 A JP 63073421A JP 7342188 A JP7342188 A JP 7342188A JP H086014 B2 JPH086014 B2 JP H086014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、紫外線遮断性に優れたポリエステル
樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステ
ルは優れた機械的性質および化学的特性のため、広く繊
維、フィルム等に使用されて来たが、近年その優れた透
明性、気体遮断性、安全衛生性などから、炭酸飲料、果
汁飲料、液体調味料、食用油、酒やワイン用の容器とし
ての好適性が注目を浴びている。また、ポリエステルフ
ィルムの新用途として、省エネルギー、地震対策の観点
から、熱線遮断やガラスの飛散防止を目的とした窓貼り
フィルムも、近年、急激な伸展を示しているし、また農
園芸では、農作物の成長促進及び収穫増加を目的とし
て、特定波長域の紫外線を選択的に遮蔽するような透明
フィルムの要求が強い(例えば特開昭53-98242号公
報)。
しかしながら、これらのポリエステル容器およびフィ
ルムは、320nm程度までの短波長側の紫外線遮断性には
極めて優れているが、それ以上の長波長側の紫外線、可
視光線等は、ほとんど透過させてしまう。このようなポ
リエステル容器に、例えば、食用油や、みりん、ドレッ
シングなどの液体調味料を充填し、数ヵ月の保存期間を
経た場合、それぞれの充填食品により、また、保存条件
によって、特殊性があるが、徐々に内容物の劣化、例え
ば、色、味、香りに微妙な変化を起すことが多い。該内
容物の劣化は、酸素、熱、光とりわけ紫外線、微生物な
どの外因によって起るが、ポリエステル容器の場合、酸
素遮断性に比較的優れているので、紫外線遮断性を更に
改善できれば、長期保存下でも、内容物の劣化を大巾に
防止することが可能となる。
また窓貼りフィルムでは、例えば、太陽光線からの紫
外線を透過させてしまうと、家具、書籍、調度品等の屋
内設置備品の変色を引起すので、その透過を最少限にく
い止めるか、または全く遮断する必要があるし、農園芸
のマルチング栽培では、少なくとも370nm以下の紫外線
透過を実質的に阻止した透明被覆材でマルチングするこ
とにより、多くの有用植物の生育を促進し、高品質の作
物を早期に、多量に収穫できることが知られている(例
えば特開昭59-124556号公報)。
現在当該業界ではその目的のために一般的には紫外線
吸収剤等が添加使用されている。しかしながらこれらの
紫外線吸収剤は、一般に高価であり、しかも、その付与
工程が煩雑で、かつ、これらの化合物は、一般に昇華性
が大きく、また、熱安定性に劣るものも多いため、その
付与工程や成形加工時に、しばしばトラブルを起した
り、また食品容器や包装に使用した場合には、内容物へ
の移行のおそれもあり必ずしも好ましくない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、こうした実情に鑑み、紫外線遮断性に優
れ、しかも、熱安定性、分散安定性等も良好で、成形に
際して成形品に付着物を生ずる等のトラブルの発生もな
いポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはかかる目的に合致したポリエステル樹脂
組成物について鋭意検討した結果、特定のジイミド化合
物をポリエステル樹脂に含有せしめることにより短波長
側はもちろんのこと、長波長側の紫外線をも十分に遮断
し得るポリエステル樹脂組成物を見出し本発明に到達し
た。
即ち、本発明の第1発明の要旨は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂に一般式(1)で示されるジイミド化合物の少
なくとも一種を紫外線遮断に有効な量添加してなる熱可
塑性ポリエステル樹脂組成物にあり、 また、第2発明の要旨は、熱可塑性ポリエステル樹脂
形成性物質の重縮合反応開始前、または重縮合反応中
に、該物質に前記一般式(1)で示されるジイミド化合
物の少なくとも1種を紫外線遮断に有効な量添加して前
記重縮合反応を完結せしめてなる熱可塑性ポリエステル
樹脂組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては熱可塑性ポリエステル樹脂に添加す
る化合物として、一般式(1)で示されるジイミド化合
物を使用する。
一般式(1)式においてX基を誘導するジアミノ化合
物としては、具体的には3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−
ジアミノビフェニル、ジアミノスチルベン ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン 9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン 9,9−ビス(アミノフェニル)アントラセン 2,2−ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン 9,10−ビス(アミノフェニル)アントラセン ビス(アミノフェニル)3,4−ジフェニルチオフェン ビス(アミノフェニル)ベンゾビスチアゾール ジアミノベンゾビスチアゾール などが挙げられ、また、これらの芳香核は前記Aまたは
A′で示される置換基で置換されていてもよい。これら
のジアミノ化合物のうち、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノビフェニル、9,10−ビス(4−アミノフェニル)
アントラセン、ビス(3−アミノフェニル)ベンゾビス
チアゾール、ビス(4−アミノフェニル)ベンゾビスチ
アゾール、ビス(4−アミノフェニル)3,4−ジフェニ
ルチオフェンが特に好ましく使用される。
また、一般式(1)のイミド化合物を誘導するジカル
ボン酸としてはフタル酸誘導体が使用され、A、A′は
同一または異なるハロゲン、−OH、−COOHまたはそのエ
ステル、−O−C(=O)CH3、−NH2、−CN、−NO2
−SO3Hまたはその金属塩、置換されていても良いアルコ
キシ基、脂肪族基または、芳香族基から選ばれる置換基
を示し、m、m′は1〜4の整数である。具体的にはフ
タル酸、トリメリット酸(4−カルボキシフタル酸、4
−クロロフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、4−アセ
トキシフタル酸、4−ニトロフタル酸、4−メトキシフ
タル酸、4−エトキシフタル酸、4−メチルフタル酸、
4−エチルフタル酸、4−アミノフタル酸、4−スルホ
ニルフタル酸及びそのスルホニルナトリウム塩、4−フ
ェニルフタル酸及びこれらの5−、6−または3−核置
換異性体を挙げることができ、これらのうちCOOH、OHま
たはそれらのエステル形成性誘導体が特に好ましく使用
される。
これらのイミド化合物は、更に具体的には公知の方法
で、次のようにして製造する事ができる(Bull.Soc.chi
m.France,1951,727〜732)。例えば9,10−ビス(4−ア
ミノフェニル)アントラセンと無水トリメリット酸から
成る (2)式で示されるジイミド化合物に例をとると、撹
拌装置、窒素ガス導入管付のフラスコに9,10−ビス(4
−アミノフェニル)アントラセンとジメチルアセトアミ
ドを加え、撹拌を十分に行ってスラリー状の混合液とす
る。次いで無水トリメリット酸とジメチルアセトアミド
を加えて反応液に窒素ガスを流通しながら反応を行いア
ミド酸溶液を得る。
このアミド酸溶液に触媒としてジメチルアミノピリジ
ンおよび脱水剤として、無水酢酸を加えて反応を行う。
このようにして得た反応液を多量のメタノール中に投入
し、濾過して、粉末状の前記(2)式のイミド化合物を
得ることができる。これらのイミド化合物は他の手法で
合成されたものでも良く、製造法自体に何ら拘束される
ものではない。
かかるイミド化合物の添加量は熱可塑性ポリエステル
樹脂100重量部当り、0.001重量部以上である。0.001重
量部よりも少ないときは有効な紫外線遮断効果が得られ
ない。特に好ましい添加量は0.01〜10重量部である。
これらのイミド化合物は、ポリエステル製造のいかな
る段階で添加しても良く、また成形加工前のいかなる段
階で添加したものでも同様に紫外線遮蔽効果を発現させ
ることができる。
即ち、ポリエステルの成形が終了するまでの任意の段
階、例えば重縮合反応開始前、重縮合反応中、重縮合反
応終了後、粉粒状態、成形段階等において添加すればよ
い。
本発明における熱可塑性ポリエステルとしては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸、ジフェニルエーエルジカルボン酸、ジフェニル
スルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその
エステル形成体、ヘキサヒドロテレフタル酸等の上記芳
香族ジカルボン酸の核水添化合物である脂環族ジカルボ
ン酸及びそのエステル形成体、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸及び
そのエステル形成体、フマール酸、4−カルボキシ桂皮
酸のような不飽和ジカルボン酸及びそのエステル形成体
で示される一種以上のジカルボン酸成分と、エチレング
リコールを主体とするグリコール成分から得られるポリ
エステルであり、特にポリエチレンテレフタレートを主
たる対象とするが、これらポリエステルは第3成分とし
て、20モル%以下のテレフタル酸以外の上記ジカルボン
酸類を含有しても良い。
また、このポリエステルは、グリコール成分として、
エチレングリコール以外にジエチレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコールのような脂肪族グリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールのような脂環族グリコール、2,2
−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)ス
ルホンのようなビスフェノール誘導体、更には、一般式
HOCH2 nmH(式中nは、1≦n≦6の整数、
mは、m≧4の整数)で示されるようなポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等を全グリコ
ール成分の20モル%以下共重合したものであっても良い
し、グリコール酸やヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸
成分を共重合せしめたポリエステルであっても良い。ま
たポリエステルが実質的に線状を維持する限り、ペンタ
エリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの3官能以上
の多官能化合物や、o−ベンゾイル安息香酸のような単
官能化合物を共重合せしめても良い。また、上述のポリ
エステルの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリエステルエラストマー、ポリカ
ーボネート等の他の熱可塑性樹脂をブレンドしたもので
あっても良い。
本発明で用いられるポリエステルは極限粘度が0.5〜
2.5のものが好ましく、更に好ましくは0.6〜1.2のもの
が使用される。ポリエステルの粘度は例えば中空成形体
を製造する場合、特に成形法との関係で重要である。特
に押出吹込成形により実質的に無配向の中空成形体を得
る場合はドローダウン防止のため、吹込成形体の容量に
依存するが、溶融ポリエステルの流動性をある水準以上
に保持する必要があり、一般には0.7以上、好ましくは
0.8〜1.2の極限粘度を有するポリエステルが使用され
る。また延伸中空成形、シート化後、一軸または二軸延
伸してフィルムを得る押出成形法や種々の形態の成形品
を得る射出成形法では、押出吹込成形の場合に比べて比
較的低粘度のポリマーも使用でき、一般には極限粘度が
0.5以上、好ましくは0.6〜1.2のものが使用されるが、
成形品の要求物性次第では、更に高粘度のポリエステル
も使用される。
また、本発明では、ポリエステル組成物として従来か
ら公知の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、帯電防止
剤、分散剤や洗顔料等の着色剤をポリエステル製造時の
いずれかの段階で添加したものでも良く、成形加工前、
いわゆるマスターバッチ処方で添加したものでも良い。
本発明で好ましい染顔料としては、酸化チタン、カー
ボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、群青、コバルトブルー、チタンエロー、赤色
酸化鉄、焼アンバー、黄色酸化物等や、多環系を中心と
した耐熱性油溶性染料、具体的には、ペリノン系、キノ
フタロン系、アントラピリジン系、アントラキノン系等
の骨格を有する油溶性染料が挙げられるがポリエステル
官能基と反応してポリエステル鎖の結合する構造を持っ
たものが特に好ましく、またポリエステルとの相溶性が
良く、ポリエステルの製造および加工温度においても十
分な耐熱安定性、色調安定性を示し、かつ食品等の包装
容器として使用する場合には、安全衛生上、何ら問題の
無い染顔料を選択して添加する。
本発明のポリエステル樹脂組成物はそのままで成形体
としてもよく、また必要に応じては更に、高真空下また
は不活性気体流通下で、固相重合を行い、高重合度化、
低アルデヒド化、低オリゴマー化して成形するか、また
キシレンやクロロホルムによる溶剤抽出などの後処理を
加えてから使用しても良い。
また所定濃度の数倍ないし100倍、実用的には50倍程
度までの高濃度の所望色に着色した、いわゆるマスター
バッチとなし、これを無着色ないしは他の色調に着色し
たポリエステルで希釈したりまた他の新たな色調を発現
させ最終的に所望の色調として使用することもできる。
本発明で得られる紫外線遮断性に優れたポリエステル
樹脂組成物は溶融成形として成形品とされる。その際、
ポリエステルにおいて一般的に使用される溶融成形法の
すべてが適用可能である。具体的には通常の押出吹込
法、射出吹込法、予備成形体を再加熱後に2軸延伸する
コールドパリソン法等の吹込成形により紫外線遮断性、
気体遮断性、強靱性、耐薬品性に優れるとともに、高級
観のあるガラス様の透明性を有した中空成形体を得るこ
とが可能であり、しょう油、ソース、みりん、ドレッシ
ング等の調味料、食用油、炭酸飲料、果汁飲料、酒、ワ
インその他化粧品や薬品用容器として特に適している。
また押出成形によりシート化した後、一軸または二軸延
伸フィルムあるいは他の樹脂との積層フィルムとして一
般食品や薬品、化粧品等の包装用、更には窓貼り用や農
園芸で使用されるマルチング被覆材としても特に好まし
く使用され、その他射出成形によって種々の形状の成形
品としても好ましく使用される。
[実施例] 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお実
施例中「部」は「重量部」を意味する。
本実施例で使用した種々の測定法を以下に示す。
○ 極限粘度 フェノール−テトラクロロエタン(50/50重量比)
中、30℃、1.0g/dlの濃度で測定した。
○ 紫外線透過率 日立スペクトルフォトメーター340型を用い常法によ
り測定した。
○ アセトアルデヒド量 160℃で2時間水抽出後高感度ガスクロマトグラフで
定量した。
○ 不活性気体流量 不活性気体流量は単位時間(hr)当りおよび単位樹脂
重量(kg)当りの流通した気体量を1気圧、25℃に換算
した体積量(l)で示した。
合成例 9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンと無
水トリメリット酸から成る (2)式で示されるジイミド化合物の合成。
撹拌装置、窒素ガス導入管付の300ml四ツ口フラスコ
に9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン7.21
gを精秤し、ジメチルアセトアミド50mlを加え、撹拌を
十分に行ってスラリー状の混合液とした。次いで7.77g
の無水トリメリット酸とジメチルアセトアミド50mlを加
えて反応液を15wt/Vol%濃度に調節し、窒素ガスを流通
しながら、30℃で5時間反応を行いアミド酸溶液を得
た。
このアミド酸溶液に触媒としてジメチルアミノピリジ
ンをトリメリット酸1モルに対して0.03モルおよび脱水
剤として、無水酢酸1.5モルを加え、撹拌下、80℃に昇
温し、3時間保持した。このようにして得た反応液を多
量のメタノール中に投入し、濾過して、粉末状の前記
(2)式のイミド化合物を得た。
実施例1 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート4,000
部に二酸化ゲルマニウム0.4部、正リン酸0.4部および上
述のようにして合成した9,10−ビス(4−アミノフェニ
ル)−アントラセンと無水トリメリット酸から成るジイ
ミド化合物15部を加え、260℃から徐々に昇温するとと
もに、重合槽内は常圧より漸次減圧し、280℃、1torrの
真空下、全重合時間3.0時間で極限粘度が0.71のポリエ
ステルを得た。
該ポリエステルを通常の真空乾燥後、シリンダーおよ
びノズルの各部を275℃、スクリュー回転数40rpm、押出
量80g/minに設定した30mmφ押出機で肉厚350μのシート
を成形した。
該シートの370、380および400nmにおける光線透過率
は、それぞれ0.2%、0%および0%を示した。光線透
過率チャートを第1図に示す。
更にこの乾燥レジンをシリンダー各部及びノズルを27
5℃、スクリュー回転数100rpm、射出時間10秒、金型冷
却水温を10℃に設定した東芝機械(株)射出成形機IS-6
0Bで100m/m×100m/mの大きさの2m/m厚板を連続的に射出
したが、500枚射出後も、該厚板に白粉等の付着物は見
られなかった。
実施例2〜実施例5 9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンと無
水トリメリット酸から成るジイミドの代りに下表の各種
イミド化合物15部を添加した以外は、実施例1と同様に
操作し、各種ポリエステルを得た。紫外線透過率を表1
にまとめて示した。
実施例7 銅フタロシアニン0.005部を加えたこと以外は、実施
例1と同様に操作し、極限粘度が0.60の薄緑色に着色し
た透明ポリエステルを得た。
該ポリエステルチップ表面をソリッドエアー (米国
Bepex社)式撹拌結晶化機中、レジン温度165℃で結晶化
させた後、静置式固相重合塔に移し、30l/kg・hrの窒素
気体流通下、120〜160℃で3時間乾燥後、レジン温度21
0℃で10時間固相重合した。
該固相重合品の極限粘度は0.75で、チップ材質中に3.
0ppmのアセトアルデヒドを含有した。このポリエステル
からシリンダー各部およびノズル275℃、スクリュー回
転数100rpm、射出時間10秒、金型冷却水温10℃に設定し
た東芝機械(株)製射出成形機IS-60Bでプリフォームを
成形した。このプリフォームを予熱炉90℃、ブロー圧力
20kg/cm2、成形サイクル10秒に設定したコーポプラスト
(株)製BMB−3型機で吹込成形し、内容積1の瓶を
得た。この瓶の350μ肉厚部の370、380および400nmの紫
外線透過率はそれぞれ0.2%、0%および0%であっ
た。
比較例1 前記式(2)で示されるジイミド化合物を使用しない
以外は実施例1と同様な条件で極限粘度0.70のポリエス
テルを得た。実施例1と同様にして成形した肉厚350μ
シートの紫外線透過率は370nmで68%、380nmで69%を示
した。光線透過率チャートを第1図に示した。
比較例2 極限粘度0.78のポリエチレンテレフタレート、(RT-5
43C 、日本ユニペット(株))5000部に市販の代表的U
V吸収剤であるTinuvin 326 [2(2′−ヒドロキシ−
3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール]5.5部をドライブレンドし、実施例1と同様
に操作して、350μ肉厚シートを成形した。光線透過率
チャートを第1図に示す。
該シートの370および380nmにおける光線透過率は各々
2.8%および8.0%を示した。
実施例1と同様にして2m/m板を連続的に射出したとこ
ろ、成形機のノズル先端に黄色粉末状物が付着し、200
枚目ころから板表面に黄色付着物が目立った。
実施例8 比較例2と同じポリエチレンテレフタレート樹脂[RT
-543C 、日本ユニペット(株)]100重量部あたり、前
記(2)式で示されるジイミド化合物を0.4部添加し、
V型ブレンダーでよく混合した後、真空乾燥し、実施例
1と同様にして350μの透明シートを得た。該シートの3
70、380および400nmにおける光線透過率は、各々0.3
%、0%、0%を示した。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明のポリエステ
ル樹脂組成物は、短波長側のみならず、長波長側の紫外
線も十分に遮断し得るものであり、しかも組成物の均一
分散安定性、熱安定性にもすぐれ、成形に際し成形品に
着色付着物が発生することもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1、3及び比較例1、2で得られたポリ
エステル樹脂組成物の光線透過率を示す図であり、縦軸
は透過率、横軸は波長を表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 隆之 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 笠井 鉄夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平1−234456(JP,A) 特開 昭59−49257(JP,A) 特開 昭58−91757(JP,A) 特開 昭56−84747(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリエステル樹脂に、一般式
    (1)で示されるジイミド化合物の少なくとも一種を、
    紫外線遮断に有効な量添加してなる熱可塑性ポリエステ
    ル樹脂組成物。 [(1) 式中、m,m′は0〜4の整数を表わし、Aま
    たはA′はmまたはm′が2以上の場合には同一または
    異なっていてもよく、ハロゲン,−COOH,またはそのエ
    ステル、−OH,−O−C(=O)CH3,−NH2,−CN,−NO
    2,−SO3Hまたはその金属塩、置換されていてもよいア
    ルコキシ基、脂肪族基または芳香族基から選ばれる置換
    基を示し、またXは前記AまたはA′で示される置換基
    で置換されていてもよい を示すかまたは を示す。 また、Yは−CH=CH−、 を示し、これらの芳香核は、前記AまたはA′で示され
    る置換基で置換されていてもよい。]
  2. 【請求項2】熱可塑性ポリエステル樹脂形成性物質の重
    縮合反応開始前、または重縮合反応中に、該物質に一般
    式(1)で示されるジイミド化合物の少なくとも1種を
    紫外線遮断に有効な量添加して前記重縮合反応を完結せ
    しめてなる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。 [(1) 式中、m,m′は0〜4の整数を表わし、Aま
    たはA′はmまたはm′が2以上の場合には同一または
    異なっていてもよく、ハロゲン、−COOH、またはそのエ
    ステル、−OH、−O−C(=O)CH3、−NH2、−CN、−
    NO2、−SO3Hまたはその金属塩、置換されていてもよい
    アルコキシ基、脂肪族基または芳香族基から選ばれる置
    換基を示し、またXは前記AまたはA′で示される置換
    基で置換されていてもよい を示すかまたは を示す。 また、Yは−CH=CH−、 を示し、これらの芳香核は、前記AまたはA′で示され
    る置換基で置換されていてもよい。]
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