JP2864760B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JP2864760B2 JP1810791A JP1810791A JP2864760B2 JP 2864760 B2 JP2864760 B2 JP 2864760B2 JP 1810791 A JP1810791 A JP 1810791A JP 1810791 A JP1810791 A JP 1810791A JP 2864760 B2 JP2864760 B2 JP 2864760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線遮断性に優れ、か
つ透明性を有する成形体を提供するポリエステル樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下「P
ET」と略すことがある。)で代表されるポリエステル
は優れた機械的性質および化学的性質のため、広く容
器、フィルムなどに使用されている。しかしながら、こ
れらのポリエステル容器およびフィルムは、320nm
程度までの短波長側の紫外線遮断性には極めて優れてい
るが、それ以上の長波長側の紫外線、可視光線は、ほと
んど透過させてしまう。このようなポリエステル容器
に、液体調味料、飲料などを充填し、長期保存した場
合、徐々に内容物の劣化、例えば、色、味、香りに微妙
な変化を起こすことが多く、その劣化原因として光、と
りわけ紫外線が問題となることが多い。
【0003】そこで、当該業界では、一般的には、ポリ
エステル製品中に紫外線吸収剤を添加使用している。し
かしながら、従来の紫外線吸収剤は、一般に高価であ
り、しかも、その付与工程が煩雑である。更に、これら
は、一般に昇華性が大きく、また、熱安定性に劣るもの
も多いため、その付与工程や成形加工時に、しばしばト
ラブルを起こしたり、また食品容器や包装に使用した場
合には、内容物への移行の恐れもあり、必ずしも好まし
くない。
【0004】本発明者等は、上記の問題点を解決すべ
く、鋭意検討を続け、かかる目的に合致したポリエステ
ル樹脂組成物として、PETを主体とする熱可塑性ポリ
エステル樹脂に、ナフタレンテトラカルボン酸またはそ
の誘導体を添加するか、もしくは、これとナフタレンジ
カルボン酸またはその誘導体を併用、添加することで、
360nm以上の波長の紫外線をも十分に遮断し得るポ
リエステル樹脂組成物の発明に到達した(特開昭63−
225650号)。
【0005】しかしながら、かかる組成物から成る容
器、フィルムなどの成形体は、紫外線遮断性は十分に認
められるものの、黄色に着色する傾向が強く、無色透明
な飲料、酒などの内容物の包材としては、なお満足でき
るものではなかった。更に、本発明者等は、上記の組成
物における問題点を検討した結果、PET樹脂に、ナフ
タレンテトラカルボン酸またはその誘導体、もしくは、
これとナフタレンジカルボン酸またはその誘導体を併
用、添加して成るポリブチレンテレフタレート樹脂組成
物を配合し、得られるポリエステル樹脂組成物を成形す
ることを特徴とするポリエステル樹脂成形体の製造方法
の発明に到達した(特開平1−154156号)。かか
る製造方法により成形されたポリエステル樹脂成形体
は、紫外線遮断性や無色性に優れており、一般的な成形
条件では透明性についてもほぼ問題が解決された。
【0006】しかしながら、近年のポリエステル製品の
多様化、高性能化に伴い、実施頻度が増加している特殊
な成形条件、例えば、耐熱ボトルを成形するための成形
条件では、結晶化に基づくヘーズ(濁り)が発生しやす
く、透明性を維持するためには生産性を損ない、ポリエ
ステル樹脂組成物として必ずしも、十分に満足できるも
のではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解決し、耐熱ボトルを成形するような特殊な
成形条件においても十分な紫外線遮断性、透明性を維持
した成形体を容易に製造することができるポリエステル
樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、ジオール成分と
して1,4−シクロヘキサンジメタノール残基と1,4
−ブタンジオール残基を主要な構成成分とした特定のポ
リエステル樹脂に、ナフタレンテトラカルボン酸または
その誘導体を添加して成るポリエステル樹脂組成物が、
360nm以上の波長の紫外線をも十分に遮断し、耐熱
ボトルを成形するような特殊な成形条件においても生産
性を損なうことなく、透明性を維持した成形体を提供し
うる原料となることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明の要旨は、ジカルボン酸成
分として80モル%以上のテレフタル酸残基、ジオール
成分として21〜100モル%の1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール残基および0〜79モル%の1,4−ブ
タンジオール残基を構成成分とし、かつ、両残基の総量
が80モル%以上であるポリエステル樹脂に、ナフタレ
ンテトラカルボン酸またはその酸無水物、イミドもしく
はエステルの少なくとも1種を紫外線遮断に有効な量含
有して成るポリエステル樹脂組成物に存する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられるポリエステル樹脂のジオール成分は、21〜
100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール残
基および0〜79モル%の1,4−ブタンジオール残基
を構成成分とし、かつ、両残基の総量が80モル%以上
含むものである。また、好ましくは1,4−シクロヘキ
サンジメタノール残基が30モル%以上、特に好ましく
は40モル%以上である。更に両残基の総量について
は、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モ
ル%以上である。かかる範囲以外では、本発明の特徴で
ある特殊成形時における透明性の維持が難しくなるので
好ましくない。
【0011】1,4−シクロヘキサンジメタノール残基
のトランス/シス比は、重量比で、通常20/80〜9
5/5、好ましくは30/70〜80/20である。ト
ランス分率が20重量%より少ないと、ポリエステル樹
脂の結晶化開始温度を高くする効果が十分でなく、95
重量%よりも多いと、得られたポリエステル樹脂の、ポ
リエチレンテレフタレートなどの樹脂に対する相溶性が
悪くなる傾向を有する。また、上述の2つのジオール成
分の他、全ジオール成分の20モル%未満であれば、
1,2−、1,3−または2,3−ブタンジオール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコールのような脂肪族グリコール、2,2−ビス
(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、
ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホ
ンのようなビスフェノール誘導体、更には、一般式H0
−〔(CH2 n O〕m −H(式中nは、1≦n≦6の
整数、mは、m≧4の整数)示されるようなポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを共
重合し、対応ジオール成分を含有させることができる。
【0012】本発明で用いられるポリエステル樹脂のジ
ガルボン酸成分としては、80モル%以上、好ましくは
90モル%以上のテレフタル酸残基を構成成分とするも
のである。かかる構成成分を得るためには、テレフタル
酸またはそのエステル形成性誘導体を原料とし、具体的
には、テレフタル酸、2−クロルテレフタル酸や2−メ
トキシテレフタル酸などの核置換体、または、テレフタ
ル酸ジメチルやテレフタル酸ジエチルなどのエステル
体、更にはテレフタル酸ジクロライドなどのテレフタル
酸ハロゲン化物、などのようにジオール成分と反応する
ものが使用される。
【0013】また、全ジカルボン酸成分の20モル%未
満であれば、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分とし
て、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸の核水添化合物である脂環族ジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、4−カルボキ
シ桂皮酸などの不飽和ジカルボン酸、およびこれらのエ
ステル形成性誘導体、を共重合し、対応するジカルボン
酸残基を含有させることができる。
【0014】更に、例外的に、後でも詳述するナフタレ
ンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体をジカル
ボン酸成分の原料として用いた場合については、該対応
ジカルボン酸成分を多く含有させることができる。すな
わち、ジカルボン酸成分として、20〜99.5モル%
のテレフタル酸残基および0.5〜80モル%のナフタ
レンジカルボン酸残基を構成成分とし、かつ、両残基の
総量が80モル%以上であるポリエステル樹脂も使用で
きる。
【0015】その他、本発明で用いられるポリエステル
樹脂の共重合成分として、少量のヒドロキシ安息香酸な
どのオキシ酸成分、また、ポリエステルが実質的に線状
を維持する限り、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリ
ット酸などの3官能以上の多官能化合物、o−ベンゾイ
ル安息香酸のような単官能化合物も使用することが可能
である。本発明で用いられるポリエステル樹脂は、公知
の任意の重合方法で製造することができる。例えば、テ
レフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールおよ
び/または1,4−ブタンジオールを用いて、直接エス
テル化反応後、減圧下重縮合反応させる方法がある。あ
るいは、テレフタル酸のエステル誘導体、例えばテレフ
タル酸ジメチルエステルと、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールおよび/または1,4−ブタンジオールを用
いて、エステル交換反応を行った後、減圧下重縮合反応
させる方法がある。必要に応じて、更に、高真空下また
は不活性気体流通下で、固相重合を行い、高重合度化、
低テトラヒドロフラン化、低オリゴマー化したり、ある
いは、キシレンやクロロホルムによる溶剤抽出などの後
処理を加えることもできる。
【0016】かかるポリエステル樹脂の製造において
は、エステル化触媒、エステル交換触媒、重縮合触媒、
安定剤などを使用することが好ましい。エステル交換触
媒としては、公知の化合物、例えばチタン、カルシウ
ム、マンガン、亜鉛、ナトリウムおよびリチウム等の化
合物の一種以上を用いることができるが、反応性、色調
の観点からチタンおよび亜鉛化合物が特に好ましい。重
縮合触媒としては、公知のチタン、アンチモン、ゲルマ
ニウム、亜鉛、錫およびコバルト等の化合物の一種以上
を用いることができるが、好ましくはチタン、アンチモ
ン、ゲルマニウムおよび亜鉛化合物が用いられる。
【0017】本発明で用いられるポリエステル樹脂は極
限粘度が0.5以上のものが好ましく、更に好ましくは
0.7以上のものが使用される。ポリエステルの粘度は
例えば中空成形体を製造する場合、特に成形法との関係
で重要である。特に押出ブロー成形により実質的に無配
向の中空成形体を得る場合はドローダウン防止のため、
ブロー成形体の容量に依存するが、溶融ポリエステルの
流動性をある水準以上に保持する必要があり、一般には
0.8以上、好ましくは1.0以上の極限粘度を有する
ものが使用される。また、延伸中空成形、シート化後、
一軸または二軸延伸してフィルムを得る押出成形法や種
々の形態の成形品を得る射出成形法では、押出吹込成形
法の場合に比べて比較的低粘度のポリマーも使用でき、
一般には極限粘度が0.5以上、好ましくは0.7以上
のものが使用されるが、成形品の要求物性次第では、更
に高粘度のものも使用される。
【0018】本発明のポリエステル樹脂に紫外線吸収剤
として含有させる化合物は、ナフタレンテトラカルボン
酸骨格を有する化合物であって、具体的にはナフタレン
テトラカルボン酸、またはその酸一無水物、酸二無水
物、イミド、エステルなどである。ナフタレンテトラカ
ルボン酸としては、ナフタレン−1,4,5,8−テト
ラカルボン酸、ナフタレン−1,3,5,7−テトラカ
ルボン酸、あるいは同様にナフタレン−1,2,5,6
−、2,3,6,7−、1,3,6,8−さらに1,
4,6,7,−、1,2,4,5−、1,3,4,5,
−、1,2,3,4−テトラカルボン酸などが挙げら
れ、隣接位にカルボン酸基のある場合には、酸無水物と
なっていてもよい。これらのうちナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸またはその酸無水物が好まし
い。
【0019】ナフタレンテトラカルボン酸エステルとし
ては、各種のエステルが使用されるが、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のアルキルエステルが好まし
い。たとえば、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸テトラメチルエステル、ナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸テトラエチルエステル、ナフ
タレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸テトラプロ
ピルエステル、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸テトラブチルエステル、ナフタレン−1,3,
5,7−テトラカルボン酸テトラメチルエステル、ナフ
タレン−1,3,6,8−テトラカルボン酸テトラメチ
ルエステルなどが挙げられる。
【0020】更に、ナフタレンテトラカルボン酸1,8
−無水−3,6−ジメチルエステルのように、無水物環
とエステル結合の両者を有する化合物も使用することが
できる。イミド化合物としては、ナフタレンテトラカル
ボン酸のイミド化合物であれば使用可能であり、例え
ば、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ま
たはこの酸誘導体とアンモニアやグリシン、アラニン、
バリン、アミノ酪酸、アミノ吉草酸、アミノカプロン
酸、アミノウンデカン酸、アミノドデカン酸等の脂肪族
アミノカルボン酸またはそのエステル、アミノアルコー
ル類、o−、m−、またはp−アミノ安息香酸またはそ
のエステルなどの芳香族アミノカルボン酸類、またはジ
アミン類との反応で製造することができる。イミド化
物、特にジイミド化物は前記のテトラカルボン酸、その
酸無水物あるいはエステル化物に比べ耐熱性に優れるの
で特に好ましい。
【0021】ジイミド化合物として好ましいものはナフ
タレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸のジイミド
化合物であり、下記一般式(I)
【0022】
【化1】
【0023】((I)式中、R1 、R2 は同一でも異な
っていてもよく、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基また
は置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、アラルキル基もしくはアルキルアラルキル基
を示し、Qはハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、ニ
トロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン酸基もし
くはその塩、置換されていてもよいアルキル基、アルコ
キシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基もし
くはアルキルアラルキル基を示し、1は0〜4の整数で
ある。)で示される化合物である。一般式(I)中のR
1 、R2 およびQのアルキル基としては炭素数1〜15
のもの、アルケニル基としては炭素数2〜15のもの、
アリール基としては炭素数6〜15のもの、アラルキル
基としては炭素数7〜15のもの、アルキルアラルキル
基としては炭素数8〜20のものが通常用いられる。
【0024】具体的には、N,N′−ビス(カルボキシ
メチル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
キシジイミド、
【0025】
【化2】
【0026】N,N′−ビス(γ−カルボキシエチル)
−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイ
ミド、
【0027】
【化3】
【0028】N,N′−ビス(γ−カルボキシプロピ
ル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシ
ジイミド、
【0029】
【化4】
【0030】N,N′−ビス(11−カルボキシウンデ
シル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキ
シジイミド、
【0031】
【化5】
【0032】N,N′−ビス(β−ヒドロキシエチル)
−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイ
ミド、
【0033】
【化6】
【0034】N,N′−ビス(γ−ヒドロキプロピル)
−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイ
ミド、
【0035】
【化7】
【0036】N,N′−ビス(o−、m−またはp−カ
ルボキシフェニル)−ナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボキシジイミド、
【0037】
【化8】
【0038】N,N′−ビス(カルボキシトリル)−ナ
フタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイミ
ド、
【0039】
【化9】
【0040】および、これらのエステル形成性機能的誘
導体、例えば、N,N′−ビス(エトキシカルボニルフ
ェニル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
キシジイミド、
【0041】
【化10】
【0042】更には、N,N′−ビス−n−ブチル−ナ
フタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイミ
ド、
【0043】
【化11】
【0044】のようにエステル形成性官能基を持たない
ジイミド、などが挙げられる。
【0045】また、本発明においては、紫外線遮断効果
を更に一層効果的に発現するために、下記一般式(II)
または(III)で示されるナフタレンジカルボン酸また
は、その誘導体を併用するのが好ましい。
【0046】
【化12】
【0047】((II) 、(III) 式中、XはOまたはNR
5 であり、NR5 は前記R1 、R2 と同義である。
3 、R4 は同一または異なっていてもよく、水素、ハ
ロゲンまたは置換されていてもよいアルキル基、アルケ
ニル基、アリール基、アラルキル基もしくはアルキルア
ラルキル基を示す。A,Bは同一または異なっていても
よく、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ
基、シアノ基、スルホン酸基もしくはその金属塩、カル
ボキシル基、置換されていてもよいアルキル基、アルコ
キシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基もし
くはアルキルアラルキル基を示し、m,nは0〜3の整
数であり、m+nは0〜6である。また、−C(=O)
−X−C(=O)− の酸無水物基またはイミド基は、
ナフタレン環の1,8位、2,3位または3,4位のい
ずれかで環を形成する。)これらの化合物としては、
2,6−、2,7−、1,8−、1,5−または2,3
−ナフタレンジカルボン酸のようなジカルボン酸構造異
性体、そのエステル、またはその酸無水物およびこれら
のハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、スルホン酸基もしくはその金属塩やカルボキシ
ル基による核置換体およびこれらのナフタレンジカルボ
ン酸と、アンモニア、アミン類、アミノカルボン酸類、
アミノアルコール類との反応で製造されるイミド類が挙
げられる。
【0048】具体的には、2,3−置換体を代表例とし
て記述すると、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸およ
びそのジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジブチルエス
テル、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸無水物、ナフ
タレン−2,3−ジカルボキシイミド、ナフタレン−
2,3−ジカルボキシ−(α−カルボキシメチル)イミ
ド、同様の−(β−カルボキシエチル)イミド、−(o
−(m−またはp−)カルボキシフェニル)イミド、−
(α−ブロモメチル)イミド、−(α−ヒドロキシメチ
ル)イミドなどのナフタレン−2,3−ジカルボン酸お
よびその誘導体が挙げられる。更に、その1,4−、
1,5−、1,8−2,6−、2,7−構造異性体、更
には、これらのヒドロキシル、クロロ、ブロモ、メトキ
シ、エトキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、スルホニルま
たはカルボキシル基による1以上6以下の核置換体など
が挙げられ、併用効果を発現するためにはナフタレンジ
カルボン酸骨格を有することが重要である。
【0049】特に好ましいナフタレンジカルボン酸系化
合物は、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカ
ルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸またはこ
れらのジカルボン酸のエステル、特には低級アルキルエ
ステルである。上述のようなナフタレンテトラカルボン
酸骨格化合物やナフタレンジカルボン酸骨格化合物は、
本発明で用いられるポリエステル樹脂の製造のいかなる
段階においても添加できるし、あるいは製造後のポリエ
ステル樹脂とドライブレンドしても同様に、紫外線遮断
効果を発現することができるが、食品、飲料等の容器、
シート、フィルムとして使用する際、内容物への溶出な
どを考慮すると、該ポリエステル樹脂製造の反応槽に直
接添加し、ポリマー鎖に結合させておくのが最も好まし
い。
【0050】ナフタレンテトラカルボン酸またはその誘
導体の、本発明のポリエステル樹脂への添加量として
は、通常0.01重量%以上、50重量%以下である。
0.01重量%より少ないときは、紫外線遮断性が、十
分発揮できない。また、50重量%を越えて使用した場
合には、本発明のポリエステル樹脂組成物の融点が高く
なりすぎるなどにより、樹脂製造時、あるいは樹脂成形
体の成形時にトラブルの原因となる。更に、好ましい添
加量は0.05〜30重量%、特に好ましくは0.05
〜20重量%である。また、後述のように、本発明のポ
リエステル樹脂をPET樹脂と配合して用いる場合は、
配合し、更に成形した後の最終使用形態における添加量
が上記の範囲になるようにする必要がある。
【0051】ナフタレンジカルボン酸またはその誘導体
を必要に応じ用いる場合には、ポリエステル樹脂の酸成
分として0.5〜80モル%、好ましくは1〜50モル
%の量を用いる。0.5モル%より少ないときは、最終
使用形態における紫外線遮断性の改良が、十分発揮でき
ない。80モル%を越えて使用した場合には、ポリエス
テル樹脂組成物の融点が高くなりすぎるなどにより、樹
脂製造時、あるいは樹脂成形体の成形時にトラブルの原
因となる。
【0052】また、本発明のポリエステル樹脂では、P
ET樹脂において、従来から公知の添加剤、例えば、安
定剤、離型剤、帯電防止剤、分散剤や染顔料などの着色
剤を本発明のポリエステル樹脂製造時のいずれの段階で
添加したものでもよい。本発明で好ましい染顔料として
は、酸化チタン、カーボンブラック、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、群青、コバルトブル
ー、チタンエロー、赤色酸化鉄、焼アンバー、黄色酸化
鉄や、多環系を中心とした耐熱性油溶性染料、具体的に
は、ペリノン系、キノフタロン系、アンスラピリドン
系、アンスラキノン系等の骨格を有する油溶性染料が挙
げられるがポリエステル官能基と反応してポリエステル
鎖に結合する構造を持ったものが特に好ましく、またポ
リエステルとの相溶性がよく、樹脂の製造および加工温
度においても十分な耐熱安定性、色調安定性を示し、か
つ食品等の包装容器として使用する場合には、安全衛生
上、何ら問題のない染顔料を選択して添加する。
【0053】以上説明してきたポリエステル樹脂と添加
物とから本発明のポリエステル樹脂組成物が得られる。
そして、一般的使用においては、PET樹脂等の他の有
用なポリエステル樹脂と配合、溶融混練後、目的とする
ポリエステル樹脂成形体に成形される。本発明のポリエ
ステル樹脂組成物(A)とPET樹脂(B)は、配合、
溶融混練し、ポリエステル樹脂組成物(C)とする。ま
た、特に好ましくは、樹脂組成物(C)を、再度PET
樹脂と配合、溶融混練する方法が用いられる。該方法に
より、ポリエステル樹脂組成物(C)の相溶性が更に改
善し、成形時のヘーズの発生抑制効果が発揮される。
【0054】また、最終的に成形を行うポリエステル樹
脂組成物(C)中のポリエステル樹脂組成物(A)の割
合は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜2
0重量%である。(A)が50重量%より多くなると、
成形品の透明性が低下してしまうし、0.1重量%より
も少ないと、紫外線遮断効果が期待できなくなり好まし
くない。また、溶融混練の温度は通常260〜330
℃、好ましくは270〜320℃である。溶融混練する
温度が、260℃より低いと、ポリエステル樹脂(A)
とPET樹脂(B)とのエステル交換が不十分なために
相溶性の改良が十分でなく、330℃より高いと熱分解
による分子量の低下と着色が起こり、好ましくない。
【0055】溶融混練の方法は、公知の技術および装置
が利用できる。具体的には、一軸押出機、二軸混練押出
機や攪拌翼付きの溶融重合装置などが使用できる。PE
T樹脂(B)は、ポリエチレンテレフタレートについて
従来から公知の任意の重合方法で製造することができ
る。例えば、テレフタル酸とエチレングリコールを用い
て直接エステル化反応を行うかまたは、テレフタル酸ジ
メチルのようなテレフタル酸の低級アルキルエステルと
エチレングリコールを用いてエステル交換反応を行い、
その後、得られた反応物を更に重縮合することで得られ
る。
【0056】PET樹脂(B)の極限粘度は、0.5以
上、好ましくは0.7以上のものが使用され、成形品の
要求物性次第では、更に高粘度のものも使用され、必要
ならば固相重合されたものが使用される。また、PET
樹脂(B)は離型剤、帯電防止剤、分散剤、染顔料ある
いはスリッパリー剤などの潤滑剤を添加したものでよ
い。あるいは、エステル化、エステル交換または重合反
応時に系内で反応させたPET樹脂に折出させた形の添
加剤でもよい。これらの添加剤は、高濃度化し、マスタ
ーバッチとして使用してもよい。
【0057】かくして得られたポリエステル樹脂組成物
(C)は、常法の手法で成形して成形品とされる。その
際、ポリエステルにおいて、一般的に使用される溶融成
形法のすべてが適用可能である。具体的には、例えば、
射出成形、押出成形によってプリフォームを成形した
後、再加熱して、ホットパリソン法あるいはコールドパ
リソン法などの二軸延伸ブロー成形することにより、紫
外線遮断性、気体遮断性、強じん性、耐薬品性に優れる
とともに、高級感のあるガラス様の透明性を有した中空
成形体を得ることができる。また、押出成形によりシー
ト化した後、一軸または二軸延伸フィルムあるいは他の
樹脂との積層フィルムとすることができる。その他射出
成形によって種々の形状の成形品としても使用できる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中「部」は「重量部」を意味する。本
実施例中で使用した種々の測定法を以下にしめす。 ・極限粘度 フェノール/テトラクロルエタン(50/50重量比)
混合溶媒中、30℃、1.0g/d1の濃度で測定した
溶液粘度から、ポリエチレンテレフタレートについて既
知の換算式を用いて求めた値を、極限粘度とした。
【0059】・ポリエステル樹脂中のグリコール成分の
成分比 日本電子(株)JNM−GX270 FT−NMR ス
ペクトロメーターを用いて測定した。 ・紫外線透過率 島津製作所(株)UV−3100S UV−VIS−N
IRレコーディングスペクトロフォトメーターを用いて
測定した。
【0060】・ヘーズ(濁り度) 日本電色工業(株)NDH−20D デジタルヘーズメ
ーターを用いて測定した。耐熱ボトル成形時の生産性の
評価は、以下の方法で行った。耐熱ボトルを、二軸延伸
ブロー成形の実生産機で成形する際、生産性を高めるた
めに、プリフォームの予熱温度をより高く設定し、短時
間で昇温する。そのため、結晶化速度の速い樹脂、およ
び結晶化温度の低い樹脂は、結晶化によるヘーズを発生
しやすい。
【0061】試験機においては、二軸延伸ブロー成形の
際、プリフォームの予熱時間を、最適予熱時間から長時
間側へ変化させることでプリフォームの温度を高くする
ことにより、ブロー成形後のボトル胴部のヘーズが高く
なる傾向にある。この傾向は、実生産機での、プリフォ
ームの加熱温度を高くしたときの傾向と同じである。そ
れゆえ、評価方法として、評価しようとする樹脂、また
は樹脂の配合物を東芝機械(株)製射出成形機IS−6
0Bを用いてプリフォームとし、このプリフォームを自
製の二軸延伸ブロー成形機でブロー成形して、内容積
1.5Lのボトルとするが、このとき、プリフォームの
予熱時間を、長時間側へ変化させたときのボトルヘーズ
の高くなる程度を比較することで、生産性の改良効果を
判断した。
【0062】実施例1 テレフタル酸ジメチル3345部、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸ジメチル465部、N,N′−ビス(4−
エトキシカルボニルフェニル)−ナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボキシジイミド186部、1,4−
ブタンジオール2600部、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール(トランス/シス比=50/50)1500
部、テトラブチルチタネート4部を反応器に計量し、1
50℃に昇温した。反応生成メタノールを系外へ留出さ
せながら、210℃まで徐々に昇温し、計2.5時間、
エステル交換反応を行った。引続き、漸次昇温、減圧し
つつ、最終的に245℃、1Torrとし、計3時間の
重縮合反応を行った。反応終了後のポリエステル樹脂
は、ストランドとして水中に抜き出し、カッティングし
て、ペレットとして回収した。得られたポリエステル樹
脂の極限粘度は、0.81であった。また、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール残基と1、4−ブタンジオー
ル残基のモル比は38mol%/62mol%であっ
た。
【0063】この樹脂ペレットを130℃で5時間、結
晶化および乾燥した後、170℃、10時間、窒素流通
下で固相重合を行った。得られた固相重合樹脂の極限粘
度は0.90であった。この固相重合ペレット1部に対
し、30部の割合でブロー用PET樹脂(RT−543
H,日本ユニペット(株)製)を配合し、射出成形機で
プリフォーム成形した。このプリフォームを二軸延伸ブ
ロー成形機でブロー成形し、内容積1.5Lのボトルと
した。ブロー成形の際のプリフォームの予熱時間を変更
させたときのボトルのヘーズを測定した結果を表1に示
す。表1の結果、65秒の加熱時間を例にとると、実施
例1のボトルヘーズは、比較例に比べ、明らかに改良さ
れている。また、適正な予熱時間(60秒)でブロー成
形したボトルは、無色透明であり、着色は認められなか
った。また、ボトル胴体部の肉厚350μの370およ
び380nm波長における光線透過率は、各々0.1
%、0.0%と良好な紫外線遮断性を示した。
【0064】実施例2 N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)−
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイミ
ド186部の代わりに、N,N′−ビス(カルボキシメ
チル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキ
シジイミド126部を用いた以外は、実施例1と同様に
操作して、1.5Lのボトルを得た。このボトルのヘー
ズを、表1に示す。また、適正な予熱時間(60秒)で
ブロー成形したボトルは、実施例1と同様に良好な物性
を示した。
【0065】実施例3 N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)−
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイミ
ド186部の代わりに、N,N′−ビス(11−カルボ
キシウンデシル)−ナフタレン−1,4,5,8−テト
ラカルボキシジイミド219部を用いた以外は、実施例
1と同様に操作して、1.5Lのボトルを得た。このボ
トルのヘーズを、表1に示す。また、適正な予熱時間
(60秒)でブロー成形したボトルは、実施例1と同様
に良好な物性を示した。
【0066】実施例4 テレフタル酸ジメチル3197部、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸ジメチル465部、N,N′−ビス(4−
エトキシカルボニルフェニル)−ナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボキシジイミド186部、1,4−
ブタンジオール1122部、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール(トランス/シス比=70/30)2000
部、テトラブチルチタネート4部を反応器に計量し、1
50℃に昇温した。反応生成メタノールを系外へ留出さ
せながら、210℃まで徐々に昇温し、計2.5時間、
エステル交換反応を行った。引続き、漸次昇温、減圧し
つつ、最終的に245℃、1Torrとし、計3時間の
重縮合反応を行った。反応終了後のポリエステル樹脂
は、ストランドとして水中に抜き出し、カッティングし
て、ペレットとして回収した。得られたポリエステル樹
脂の極限粘度は、0.66であった。また、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール残基と1,4−ブタンジオー
ル残基のモル比は62mol%/38mol%であっ
た。
【0067】このポリエステル樹脂とPET樹脂(RT
−543C,日本ユニペット(株)製)を1/1の重量
比で配合し、二軸混練押出機を用いてシリンダー設定温
度290℃で混練押し出しペレット化した。得られたポ
リエステル樹脂の極限粘度は0.68であった。この混
練ポリエステル樹脂ペレット1部に対し、14.5部の
割合でPET樹脂(RT−543C、日本ユニペット
(株)製)を配合し、射出成形機でプリフォームを成形
した。このプリフォームを二軸延伸ブロー成形機でブロ
ー成形し、1.5Lのボトルとした。このボトルのヘー
ズを表1に示す。また適性な予熱時間(60秒)でブロ
ー成形したボトルは、実施例1と同様に良好な物性を示
した。
【0068】実施例5 N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)−
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイミ
ド186部の代わりに、N,N′−ビス(カルボキシメ
チル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキ
シジイミド126部を用いた以外は、実施例4と同様に
操作して、1.5Lのボトルを得た。このボトルのヘー
ズを、表1に示す。また、適正な予熱時間(60秒)で
ブロー成形したボトルは、実施例1と同様に良好な物性
を示した。
【0069】実施例6 N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニル)−
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシジイミ
ド186部の代わりに、N,N′−ビス(11−カルボ
キシウンデシル)−ナフタレン−1,4,5,8−テト
ラカルボキシジイミド219部を用いた以外は、実施例
4と同様に操作して、1.5Lのボトルを得た。このボ
トルのヘーズを、表1に示す。また、適正な予熱時間
(60秒)でブロー成形したボトルは、実施例1と同様
に良好な物性を示した。
【0070】実施例7 原料および触媒の仕込を、テレフタル酸ジメチル297
8部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル630
部、N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニ
ル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシ
ジイミド252部、1,4−ブタンジオール1058
部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス/
シス比=70/30)2000部、テトラブチルチタネ
ート4部を反応器に計量した以外は、実施例4と同様に
操作して、極限粘度が0.70の重縮合樹脂を得た。ま
た、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基と1,4
−ブタンジオール残基のモル比は49mol%/51m
ol%であった。
【0071】この樹脂を、実施例4と同様に操作して混
練押し出しペレット化した。得られたポリエステル樹脂
の極限粘度は0.67であった。この樹脂ペレットを1
30℃で5時間、結晶化および乾燥した後、200℃で
20時間、窒素流通下固相重合を行った。得られた固相
重合樹脂の極限粘度は0.78であった。この混練ポリ
エステル樹脂ペレット1部に対し、20部の割合でPE
T樹脂(RT−543C,日本ユニペット(株)製)を
配合し、この樹脂を、さらに実施例4と同様に操作し
て、1.5Lのボトルを得た。このボトルのヘーズを表
1に示す。また、適正な予熱時間(60秒)でブロー成
形したボトルは、実施例1と同様に良好な物性を示し
た。
【0072】実施例8 原料および触媒の仕込を、テレフタル酸ジメチル312
7部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル630
部、N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニ
ル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシ
ジイミド252部、1,4−ブタンジオール1759
部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス/
シス比=70/30)1500部、テトラブチルチタネ
ート4部を反応器に計量した以外は、実施例1と同様に
操作して、極限粘度が0.79の重縮合レジンを得た。
また、1,4−シクロヘキサンジメタノール残基と1,
4−ブタンジオール残基のモル比は40mol%/60
mol%であった。
【0073】この樹脂を、押出機のシリンダー設定温度
を285℃とした以外は実施例4と同様に操作して混練
押し出しペレット化した。得られたポリエステル樹脂の
極限粘度は0.72であった。この樹脂ペレットを13
0℃で5時間、結晶化および乾燥した後、200℃、1
7時間、窒素流通下で固相重合を行った。得られた固相
重合レジンの極限粘度は0.77であった。この混練ポ
リエステル樹脂ペレット1部に対し、20部の割合でP
ET樹脂(RT−543C,日本ユニペット(株)製)
を配合し、この樹脂を、さらに実施例1と同様に操作し
て、1.5Lのボトルを得た。このボトルのヘーズを表
1に示す。また、適正な予熱時間(60秒)でブロー成
形したボトルは、実施例1と同様に良好な物性を示し
た。
【0074】比較例1 原料および触媒の仕込を、テレフタル酸ジメチル379
2部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル465
部、N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニ
ル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシ
ジイミド186部、1,4−ブタンジオール2353
部、テトラブチルチタネート4部を反応器に計量した以
外は、実施例1と同様に操作して、極限粘度が1.12
の固相重合樹脂を得た。この樹脂を、さらに実施例1と
同様に操作して、1.5Lのボトルを得た。このボトル
のヘーズを、表1に示す。60秒以下の短かい予熱時間
でブロー成形したボトルについては、無色透明および良
好な紫外線遮断性を示したが、表1の結果より、実施例
と比較して60秒以後のヘーズが著しく上昇した。
【0075】比較例2 原料および触媒の仕込を、テレフタル酸ジメチル367
7部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル465
部、N,N′−ビス(4−エトキシカルボニルフェニ
ル)−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシ
ジイミド186部、1,4−ブタンジオール2600
部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス/
シス比=50/50)500部、テトラブチルチタネー
ト4部を反応器に計量した以外は、実施例1と同様に操
作して、極限粘度が1.01の固相重合樹脂を得た。
1,4−シクロヘキサンジメタノール残基と1,4−ブ
タンジオール残基のモル比は17mol%/83mol
%であった。この樹脂を、さらに実施例1と同様に操作
して、1.5Lのボトルを得た。このボトルのヘーズ
を、表1に示す。60秒以下の短かい予熱時間でブロー
成形したボトルについては、無色透明および良好な紫外
線遮断性を示したが、表1の結果より、実施例と比較し
て60秒以後のヘーズが著しく上昇した。
【0076】比較例3 比較例1で得た固相重合樹脂と、PET樹脂(RT−5
43C,日本ユニペット(株)製)を1/1の重量比で
配合し、二軸混練押出機を用いてシリンダー設定温度2
90℃で混練押し出しペレット化した。得られたポリエ
ステル樹脂の極限粘度は0.71であった。この混練ポ
リエステル樹脂ペレット1部に対し、14.5部の割合
でPET樹脂(RT−543C、日本ユニペット(株)
製)をドライブレンドし、実施例4と同様に操作して、
1.5Lのボトルを得た。このボトルのヘーズを、表1
に示す。60秒以下の短かい予熱時間でブロー成形した
ボトルについては、無色透明および良好な紫外線遮断性
を示したが、表1の結果より、実施例と比較して60秒
以後のヘーズが著しく上昇した。
【0077】比較例4 ブロー用PET樹脂(RT−543H,日本ユニペット
(株)製)を,他の樹脂をブレンドすること無く、実施
例1と同様に操作して、1.5Lのボトルを得た。この
ボトルのヘーズを、表1に示す。また、適正な予熱時間
(60秒)でブロー成形したボトルは、無色透明であ
り、着色は認められなかった。しかしながら、ボトル胴
体部の肉厚350μの、370nm波長における光線透
過率は78%であり、紫外線遮断性は認められなかっ
た。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物を用い
ることで、耐熱ボトルのような特殊な成形条件を必要と
する成形体においても生産性を損なうことなく、紫外線
遮断性が良く色調も良好な、透明ポリエステル樹脂成形
体を得ることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分として80モル%以上
    のテレフタル酸残基、ジオール成分として21〜100
    モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール残基およ
    び0〜79モル%の1,4−ブタンジオール残基を構成
    成分とし、かつ、両残基の総量が80モル%以上である
    ポリエステル樹脂に、ナフタレンテトラカルボン酸また
    はその酸無水物、イミドもしくはエステルの少なくとも
    1種を紫外線遮断に有効な量含有して成るポリエステル
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ジカルボン酸成分として20〜99.5
    モル%のテレフタル酸残基および0.5〜80モル%の
    ナフタレンジカルボン酸残基を構成成分とし、かつ、両
    残基の総量が80モル%以上であり、一方、ジオール成
    分として21〜100モル%の1,4−シクロヘキサン
    ジメタノール残基および0〜79モル%の1,4−ブタ
    ンジオール残基を構成成分とし、かつ、両残基の総量が
    80モル%以上であるポリエステル樹脂に、ナフタレン
    テトラカルボン酸またはその酸無水物、イミドもしくは
    エステルの少なくとも1種を紫外線遮断に有効な量含有
    して成るポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし請求項2のポリエステル
    樹脂組成物とポリエチレンテレフタレート樹脂とを配合
    し、溶融混練して成るポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のポリエステル樹脂組成
    物を射出成形または押出成形によってプリフォームを成
    形した後、二軸延伸ブロー成形して成るポリエステル製
    中空容器。
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