JPH0782191A - ブタンジオールの製造方法 - Google Patents
ブタンジオールの製造方法Info
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- JPH0782191A JPH0782191A JP22911193A JP22911193A JPH0782191A JP H0782191 A JPH0782191 A JP H0782191A JP 22911193 A JP22911193 A JP 22911193A JP 22911193 A JP22911193 A JP 22911193A JP H0782191 A JPH0782191 A JP H0782191A
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Abstract
て得たジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオー
ルを製造する方法において、アセトキシ化及び/又は加
水分解の反応物より蒸留分離した酢酸水溶液を、酢酸分
離塔に供給し、塔底より酢酸を缶出する一方、留出分を
油相と水相に静置分離し、該水相を水精製塔に供給し、
塔頂より軽沸分を留去するとともに塔底より缶出する精
製水を前記加水分解反応域に循環することを特徴とする
ブタンジオールの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、ジアセトキシブタン
を加水分解してブタンジオールを製造する際に必要な
水、酢酸を有効に回収利用しつつ、かつ、製品であるブ
タンジオールを高い品質に維持することができる。
Description
加水分解してブタンジオールを製造する方法に関するも
のである。
の原料等として有用な1,4−ブタンジオールの代表的
な製造方法として、ジアセトキシブタンを加水分解して
ブタンジオールを製造する方法が知られている。そし
て、このジアセトキシブタンの加水分解反応物中には、
目的とする1,4−ブタンジオールの他に多量の酢酸と
水を含んでいるので、工業的には、蒸留により酢酸と水
を回収して再使用できることが望ましい。
は、ブタジエンをアセトキシ化し、次いで、水素化して
得たジアセトキシブタンの加水分解反応物を第1蒸留塔
で蒸留して、水、酢酸及び酢酸ブチル含有留分を留出さ
せ、該留分を第2蒸留塔で蒸留して油相と水相に静置分
離し、該水相を前記加水分解反応域に循環し、一方、第
2蒸留塔の酢酸缶出分はアセトキシ化の原料として再使
用する方法が記載されている。該公報には、酢酸缶出分
中には酢酸ブチルを含有するが、これをアセトキシ化反
応に再使用しても反応には全く影響がなく、触媒の寿命
にも全く影響がないとされている。また、上記の水相に
ついても少量の酢酸ブチルを含有するが、この酢酸ブチ
ルも加水分解されて酢酸とブタノールになり、1,4−
ブタンジオールの品質には全く影響を与えないと記載さ
れている。
ジオールの応用分野が多様化し、更なる高品質化が要求
されるようになってきている。そこで、品質の向上を達
成する方法として、加水分解反応の条件、蒸留精製の条
件の改良などが考えられる。しかしながら、工業的に採
用しうるものとしては、製品コストアップを最小限に留
めたより経済的な改良方法である必要がある。
シブタンを加水分解してブタンジオールを製造する際に
必要な水、酢酸を有効に回収利用しつつ、かつ、製品で
あるブタンジオールを高い品質に維持する方法について
鋭意検討を重ねた結果、従来、加水分解に使用していた
回収水の純度がブタンジオールの品質に予想以上に大き
く影響していることを見いだし、そのプロセス改良の検
討を行った結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、
ジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオールを製
造する方法において、加水分解の反応物より蒸留分離し
た酢酸水溶液を、酢酸分離塔に供給し、塔底より酢酸を
缶出する一方、留出分を油相と水相に静置分離し、該水
相を水精製塔に供給し、塔頂より軽沸分を留去するとと
もに塔底より缶出する精製水を前記加水分解反応域に循
環することを特徴とするブタンジオールの製造方法、に
存する。
ジエンをアセトキシ化、次いで水素化して得られるの
で、工業的に特に有利な本発明の態様は、ブタジエンを
アセトキシ化、次いで水素化して得たジアセトキシブタ
ンを加水分解してブタンジオールを製造する方法におい
て、アセトキシ化及び/又は加水分解の反応物より蒸留
分離した酢酸水溶液を、酢酸分離塔に供給し、塔底より
酢酸を缶出する一方、留出分を油相と水相に静置分離
し、該水相を水精製塔に供給し、塔頂より軽沸分を留去
するとともに塔底より缶出する精製水を前記加水分解反
応域に循環することを特徴とするブタンジオールの製造
方法である。
アセトキシブタンは、通常、ブタジエンをアセトキシ
化、次いで水素化して得られる。アセトキシ化とは、通
常、パラジウム系触媒の存在下、ブタジエン、酢酸及び
酸素を、通常40〜180℃の温度範囲で常圧以上の圧
力条件で反応させることにより実施される。反応物より
ジアセトキシブテンを分離する方法としては、初めに、
水、酢酸、その他の軽沸分を蒸留分離し、次いで、ジア
セトキシブテンと高沸物を別途、再度、蒸留分離する方
法が好ましい。
しては、通常、パラジウム、ルテニウム等の貴金属触媒
の存在下にジアセトキシブテンを水素と接触させ、通常
40〜180℃の温度範囲で、常圧以上の圧力条件で反
応させることにより実施される。反応物は蒸留に供さ
れ、ジアセトキシブタンと高沸物に分離しておくことが
好ましい。
は、水素化の際、一部水添分解を受けて、通常0.1〜
5%程度の酢酸ブチルを含有している。ジアセトキシブ
タンの加水分解反応には、固体酸触媒として陽イオン交
換樹脂を使用するのが、加水分解速度が速く、しかもテ
トラヒドロフラン等の副生物が少ないので好適である。
また、反応は、通常30〜110℃、好ましくは40〜
90℃の温度条件にて実施する。水は、ジアセトキシブ
タン1モルに対し、通常2〜100モル、好ましくは4
〜50モルの範囲の量を使用する。
する。まず、反応物を蒸留塔にて蒸留し、塔底より1,
4−ブタンジオールを含む成分を缶出し、一方、水と酢
酸、すなわち、酢酸水溶液を留出物として取得する。蒸
留条件は、通常、塔底温度を100〜210℃、塔底圧
力を30〜300mmHgの範囲から選ばれる。回収さ
れた酢酸水溶液は、次に、酢酸分離塔に供給して、蒸留
を行い、塔底より酢酸を缶出し、一方、水及びその他軽
沸分を留去する。この場合、酢酸分離塔に供給する酢酸
水溶液として、前述のアセトキシ化反応物より分離回収
された分を含めてもよい。酢酸分離塔の操作条件として
は、通常、常圧から若干の加圧下、塔底温度を100〜
180℃の範囲から選ばれる。
収する。缶出液中には、酢酸以外にも、酢酸ブチル、モ
ノアセチルブテン等の反応副生物や水が含まれている
が、酢酸純度が、通常90重量%以上程度のものが回収
できれば、前述のアセトキシ化反応の原料として再使用
しても全く問題はない。また、酢酸分離塔からの留出分
は、分離器に導入して静置すると、油相と水相に分離す
る。このうち、油相は、酢酸ブチル、モノアセトキシブ
テンを主成分とするものであり、分離した油相は酢酸分
離塔に循環してもよいし、系外に排出してもよい。一
方、水相としては、水以外の成分は主に酢酸であり、他
にわずかに溶解してくる酢酸ブチル等が微量含まれてい
るが、通常95重量%以上の純度のものが容易に分離回
収される。
域に循環し、再使用されていたのであるが、本発明で
は、この水相を更に水精製塔に供給し、その塔底より缶
出する精製水を加水分解反応域に循環することを特徴と
するものである。水精製塔の操作条件としては、通常、
常圧付近の圧力条件下、塔底温度を70〜110℃の範
囲に設定する。水精製塔では、水相中の微量の軽沸物を
留出カットできれば特に厳密な蒸留を行う必要はなく、
水相中の酢酸について特に分離できなくても全く支障は
ないが、通常98重量%以上の純度の精製水を得ること
ができる。
は程々のものが検出されているが、具体的には、酢酸n
−ブチル、モノアセトキシブテン、テトラヒドロフラ
ン、フラン、n−ブチルアルデヒド、ブタノール等であ
る。これらの各成分が加水分解の際に、1,4−ブタン
ジオールの品質に特に悪影響を与えることはこれまでほ
とんど予想されていなかったことであるが、工業的に連
続運転するような場合においては、各成分の反応系での
蓄積、あるいは、複雑な副反応がわずかに起きているこ
となどの影響があるものと考えられる。
する。なお、実施例中、「部」は「重量部」、「%」は
「重量%」を示す。 実施例1 図1に示すブタジエン、酢酸原料よりブタンジオールを
製造するプロセスを説明する。パラジウム担持触媒を充
てんしたアセトキシ化反応器1に、ブタジエン、空気及
び後述の回収酢酸で供給し、90KG、100℃で反応
させた。反応液は、気液分離後(図示せず)、蒸留塔2
で酢酸、水、その他軽沸物を留去し、蒸留塔3にてジア
セトキシブテンを留去した。
ブテンは、パラジウム触媒を充てんした水添反応器4に
おいて、水素流通下、反応圧50KG、温度90℃で水
添反応を行った。そして、反応液を、気液分離後、蒸留
塔5で蒸留し、ジアセトキシブタンを留出させた。ま
た、酢酸分離塔10の塔頂からの留出液の組成は以下の
通りであり、28900部/hrで分離器11に供給し
た。
水相の組成は以下の通りであった。
ブタン、及び後述の回収精製水を強酸性イオン交換樹脂
を充てんした加水分解反応器6中において加水分解反応
を50℃で行い、ブタンジオール、ヒドロキシアセトキ
シブタン、ジアセトキシブタンを主成分とする反応混合
物とした。加水分解液は、蒸留塔7にて酢酸、水及びそ
の他軽沸物を留去した。蒸留塔7の缶出液は蒸留塔8に
供給し、塔頂より軽沸分、上部側流よりジアセトキシブ
タン、ヒドロキシアセトキシブタンを、中部側流よりブ
タンジオールを留出させた。そして、ブタンジオールは
蒸留塔9において精留し、ブタンジオールの製品流とし
て回収した。
留出回収した酢酸水溶液29400部/hr、加水分解
反応系の蒸留塔7より留出回収した酢酸水溶液1008
0部/hrを酢酸分離塔10に供給し、常圧下、塔底温
度159℃の条件で蒸留を行った。酢酸分離塔10の缶
出液の組成は以下の通りであり、33230部/hrで
アセトキシ化の反応器1に循環した。
に戻し、一部(50部/hr)を系外に排出した。一
方、水相11bについては7000部/hrで水精製塔
12に供給した。そして、常圧下、塔底温度100℃の
条件で蒸留を行った。そして、軽沸分を含む留出分50
部/hrを系外に排出する一方、塔底より缶出する精製
水(水99.0%、酢酸1.0%)6950部/hrを
加水分解反応器6に循環した。
定常運転5日後及び30日後での蒸留塔9から留出した
1,4−ブタンジオールの製品流の純度を表−1に示
す。なお、1,4−ブタンジオール中の微量不純物とし
て種々のアルデヒド類、アセタール類が存在するものと
考えられる。そして、これらのアルデヒド及びアセター
ル類総含有量の指標としてカルボニル価を使用すること
も可能である。表−1においてカルボニル価は、アルデ
ヒド及びアセタール類と塩酸ヒドロキシアミンとの反応
で生成したイミン塩酸塩のKOHによる電位差滴定値
(mg・KOH/g)で表す。このカルボニル価が高い
と、その1,4−ブタンジオールを原料としてポリエス
テル樹脂等の製品の着色などのトラブルが起こるので好
ましくない。
2で精製することなく、加水分解反応器6に循環した以
外は実施例1と同様に連続運転を行ったときの結果を表
−1に示す。
タンを加水分解してブタンジオールを製造する際に必要
な水、酢酸を有効に回収利用しつつ、かつ、製品である
ブタンジオールを高い品質に維持することができる。加
水分解反応物より回収された水は、留出物としてではな
く、単に軽沸物を留出カットする簡単な蒸留で精製する
ことができるので、熱源負荷を大きくすることなく、極
めて経済的な品質改良プロセスといえる。
域に循環し、再使用されていたのであるが、本発明で
は、この水相を更に水精製塔に供給し、その塔底より缶
出する精製水を加水分解反応域に循環することを特徴と
するものである。水精製塔の操作条件としては、通常、
常圧付近の圧力条件下、塔底温度を70〜110℃の範
囲に設定する。水精製塔では、水相中の微量の軽沸物を
留出カットできれば特に厳密な蒸留を行う必要はなく、
水相中の酢酸について特に分離できなくても全く支障は
ない。
ブテンは、パラジウム触媒及びルテニウム触媒を充てん
した水添反応器4において、水素流通下、反応圧50K
G、温度90℃で水添反応を行った。そして、反応液
を、気液分離後、蒸留塔5で蒸留し、ジアセトキシブタ
ンを留出させた。
ブタン、及び後述の回収精製水を強酸性イオン交換樹脂
を充てんした加水分解反応器6中において加水分解反応
を50℃で行い、ブタンジオール、ヒドロキシアセトキ
シブタン、ジアセトキシブタンを主成分とする反応混合
物とした。加水分解液は、蒸留塔7にて酢酸、水及びそ
の他軽沸物を留去した。蒸留塔7の缶出液は蒸留塔8に
供給し、塔頂より軽沸分、上部側流よりジアセトキシブ
タン、ヒドロキシアセトキシブタンを、中部側流よりブ
タンジオールを留出させた。そして、ブタンジオールは
蒸留塔9において精留し、ブタンジオールの製品流とし
て回収した。
留出回収した酢酸水溶液29400部/hr、加水分解
反応系の蒸留塔7より留出回収した酢酸水溶液1008
0部/hrを酢酸分離塔10に供給し、常圧下、塔底温
度159℃の条件で蒸留を行った。酢酸分離塔10の缶
出液の組成は以下の通りであり、33230部/hrで
アセトキシ化の反応器1に循環した。
の通りであり、28900部/hrで分離器11に供給
した。
1aと水相11bの組成は以下の通りであった。
Claims (3)
- 【請求項1】 ジアセトキシブタンを加水分解してブタ
ンジオールを製造する方法において、加水分解の反応物
より蒸留分離した酢酸水溶液を、酢酸分離塔に供給し、
塔底より酢酸を缶出する一方、留出分を油相と水相に静
置分離し、該水相を水精製塔に供給し、塔頂より軽沸分
を留去するとともに塔底より缶出する精製水を前記加水
分解反応域に循環することを特徴とするブタンジオール
の製造方法。 - 【請求項2】 ブタジエンをアセトキシ化、次いで水素
化して得たジアセトキシブタンを加水分解してブタンジ
オールを製造する方法において、アセトキシ化及び/又
は加水分解の反応物より蒸留分離した酢酸水溶液を、酢
酸分離塔に供給し、塔底より酢酸を缶出する一方、留出
分を油相と水相に静置分離し、該水相を水精製塔に供給
し、塔頂より軽沸分を留去するとともに塔底より缶出す
る精製水を前記加水分解反応域に循環することを特徴と
するブタンジオールの製造方法。 - 【請求項3】 酢酸分離塔の缶出液をアセトキシ化反応
域に循環することを特徴とする請求項2の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22911193A JP3572636B2 (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | ブタンジオールの製造方法 |
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---|---|---|---|
JP22911193A JP3572636B2 (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | ブタンジオールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0782191A true JPH0782191A (ja) | 1995-03-28 |
JP3572636B2 JP3572636B2 (ja) | 2004-10-06 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3572636B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-09-14 JP JP22911193A patent/JP3572636B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100772760B1 (ko) * | 2000-01-24 | 2007-11-01 | 바스프 악티엔게젤샤프트 | 무수 포름산의 생성 방법에서의 폐수 처리 |
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CN105308011A (zh) * | 2013-07-02 | 2016-02-03 | 三菱化学株式会社 | 1,4-丁二醇、使用该1,4-丁二醇的聚酯的制造方法和该1,4-丁二醇的储藏方法 |
TWI632128B (zh) * | 2013-07-02 | 2018-08-11 | 三菱化學股份有限公司 | Composition containing 1,4-butanediol, method for producing polyester using the composition containing 1,4-butanediol, and storage method for composition containing 1,4-butanediol |
US11040334B2 (en) | 2017-02-13 | 2021-06-22 | Daicel Corporation | Catalyst for reduction reaction of 3,4-dihydroxytetrahydrofuran, and method for producing 3,4-dihydroxytetrahydrofuran reduced product |
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