JPH078149U - 買い物用カート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 支軸５の軸心に貫通させたブレーキ操作部材
９の上端を、ハンドル１に取り付けた操作部１０に連結
し、前記ブレーキ操作部材９の下端を、車輪８にバネ付
勢により制動力を常時与えるようにしたブレーキシュー
１７の回動端に連結したブレーキ付キャスター４を備え
たものとしている。 【効果】 買い物客がカートから手を放した際に、カー
トに何らかの力が加わってもカートが移動することな
く、特に幼児用椅子付き買い物用カートにおいて幼児を
乗せているときにも安全なものとなった。また、車輪８
を旋回させてもブレーキ操作部材９が捩じれてしまうこ
とがないので、ブレーキ付キャスター４を固定輪、旋回
輪の何れとしても使用できるものとなった。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、デパートやスーパーマケットの食料品売り場等で使用される買い 物用カートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の買い物用カートは、各種の形式のものが考案されており、カー ト本体のハンドル側に幼児用椅子を備えたものも存在する。このものは、買い物 客が幼児をカートの乗せたまま買い物ができるようにしたものであるが、この種 の買い物用カートにおいては、ブレーキ付キャスターを備えたものが存在しない 。

【０００３】 このようにブレーキ付キャスターを備えた買い物用カートは存在しないが、ブ レーキ付キャスターを備え、ハンドル等からそのキャスターのブレーキを遠隔操 作できる運搬車として、例えば図９に示したような手押し運搬車が存在する。こ の手押し運搬車は、ブレーキ付キャスター４が手押し運搬車のカートフレーム３ の下端に取り付けられ、図１０に示したように、カートフレーム３に沿ってその 上部から垂下させたブレーキロッド３０の下端に連結されたブレーキ機構３１に よって、手押し運搬車を停止させている間は、車輪８に制動力を常時与えるよう にしている。そして、手押し運搬車を移動させるときは、ハンドル１においてブ レーキロッド３０の上端に連結された操作レバー３２を操作して、車輪８に与え られた制動力を解除するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の買い物用カートは、ブレーキ付キャスターを備えて いないので、買い物客がカートから手を放した際に、カートに何らかの力が加わ ってカートが移動し、場合によっては壁に激突したり、階段から落下することが あり、幼児用椅子付き買い物用カートにおいて幼児を乗せているときは特に危険 であるという課題を有していた。

【０００５】 また、上記従来の手押し運搬車を買い物用カートに応用した場合には、ブレー キ付キャスター４の車輪８の旋回軸とブレーキロッド３０が同一直線上にないた め、車輪８を旋回させるとブレーキロッド３０が捩じれてしまうため旋回輪とす ることができず、固定輪としてしか使用できないので、買い物用カートとしては 使用し難く不適当であるという課題を有していた。

【０００６】 そこで、この考案は、上記従来例が有する課題を解決するためになされたもの であり、ブレーキ付キャスターを備えた買い物用カートを提供すると共に、その ブレーキ付キャスターが旋回輪としても使用することのできる買い物用カートを 提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そのため、この考案の買い物用カートは、支軸５の軸心に貫通させたブレーキ 操作部材９の上端を、ハンドル１に取り付けた操作部１０に連結し、前記ブレー キ操作部材９の下端を、車輪８にバネ付勢により制動力を常時与えるようにした ブレーキシュー１７の回動端に連結したブレーキ付キャスター４を備えたものと している。そして、前記操作部１０を、連結ロッド１１で連結した回動リング１ ２、１２をハンドル１に嵌め込み、これら回動リング１２、１２にそれぞれワイ ヤーとしたブレーキ操作部材９、９の上端を固着し、さらにグリップカバー１６ でハンドル１を連結ロッド１１とともに覆ったものとすることができる。

【０００８】

【作用】

この考案の買い物用カートは、上記構成としたため、ハンドル１に取り付けた 操作部１０を操作しないときは、ブレーキ付キャスター４の車輪８には制動力が 常時与えられている。そして、前記操作部１０を操作して、バネ付勢に打ち勝つ 力でブレーキ操作部材９を引き上げると、ブレーキシュー１７が回動して車輪８ から離れ、ブレーキ付キャスター４の車輪８の制動が解除される。

【０００９】 また、この考案の買い物用カートでは、車輪８を旋回させてもブレーキ操作部 材９が捩じれてしまうことがない。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の買い物用カートの構成を、実施例として示した図面に基づき 詳細に説明する。 図１、２は、この考案の買い物用カートの側面図及び平面図を示しており、カ ート本体のハンドル１側に幼児用椅子２を備えたものとしている。そして、ハン ドル１下方のカートフレーム３には、この買い物用カートの後輪の両車輪として ブレーキ付キャスター４、４を備えている。

【００１１】 前記ブレーキ付キャスター４は、図３、４に示したように、支軸５の下部にベ アリング６を介し旋回自在に取り付けたフレーム７に、車輪８を回転自在に取り 付けている。そして、支軸５の軸心には、ワイヤーとしたブレーキ操作部材９を 貫通させている。 このブレーキ操作部材９は、前記図１、２に示したように、上端をカート本体 のハンドル１に取り付けた操作部１０に連結したものとしている。この実施例で は、図５、６に示したように、連結ロッド１１で連結した回動リング１２、１２ を回動パイプ１３を介してハンドル１の両端に嵌め込み、これら回動リング１２ 、１２にそれぞれブレーキ操作部材９、９の上端を止めネジ１４、１４で固着し 、回動リング１２、１２を両側からキャップ１５、１５で押さえてハンドル１か ら外れないようにし、さらにグリップカバー１６でハンドル１を連結ロッド１１ とともに覆ったものとしているが、この構造に限定されるものではない（なお、 図５、６は、操作部１０の片側を示した図である）。

【００１２】 さらに、前記ブレーキ操作部材９は、下端を後に述べるブレーキシュー１７の 回動端に連結したものとしている。この実施例では、ブレーキシュー１７の一端 に挿入溝１７ａを形成し、この挿入溝１７ａにブレーキ操作部材９を差し込み、 ブレーキ操作部材９のボール形状とした下端を係着するようにして、ブレーキ操 作部材９がブレーキシュー１７に回動自在となるようにしているが、この構造に 限定されるものではない。なお、前記実施例では、ワイヤーとしたブレーキ操作 部材９を連通管１８に挿入して、カートフレーム３に沿わせたものとしているが 、この構造に限定されるものではない。

【００１３】 前記ブレーキシュー１７は、基端をフレーム７の上端部にバネ１９を介して回 動自在に取り付けられている。そして、このブレーキシュー１７は、バネ１９の 付勢力により接触部１７ｂを車輪８に接触させ、車輪８に制動力を常時与えるよ うにしている。 図７、８は、前記ブレーキ付キャスター４の他の例を示しており、このブレー キ付キャスター４は、図３、４に示したものに旋回停止機構を備えたものとして いる。

【００１４】 前記旋回停止機構は、ベアリング６の保持体２０の周囲に放射状切込溝２０ａ を形成し、この放射状切込溝２０ａに停止体２１を係脱自在としたものしている 。停止体２１は、バネ２２を介して一端が前記ブレーキシュー１７の他端を押圧 するようにして、このブレーキシュー１７と共にフレーム７の上端部に回動自在 に取り付けられている。そして、ブレーキシュー１７により車輪８に制動力が与 えられているときは、前記放射状切込溝２０ａに引っ掛かかって車輪８の旋回を 停止するようにしており、車輪８への制動力が解除されると、前記放射状切込溝 ２０ａから外れて車輪８が旋回するようにしている。

【００１５】 なお、実施例に示したブレーキ付キャスターは、買い物用カートの後輪の両車 輪としたが、この片車輪とすることができ、また買い物用カートの前輪の両車輪 、片車輪とすることもできる。さらに、ブレーキ付キャスターは、車輪８を旋回 自在としたり、車輪８の旋回停止機構を設けたものとしているが、車輪８が旋回 しないものとしてもよい。

【００１６】 以上のように構成されたこの考案の買い物用カートでは、ブレーキ付キャスタ ーが、図３、７に示したように車輪８に制動力が常時与えられている状態から、 操作部１０を手で握ってバネ１９またはバネ２２の付勢力に打ち勝つ力で操作す ることにより回動リング１２を回動させ、この回動リング１２にブレーキ操作部 材９を巻き付けることによりブレーキ操作部材９を引き上げると、ブレーキシュ ー１７が回動して、その接触部１７ｂが車輪８から離れ、車輪８の制動が解除さ れる。したがって、この状態で買い物用カートは移動可能となる。

【００１７】 なお、図７に示したブレーキ付キャスター４は、ブレーキシュー１７の回動と 共に停止体２１が回動して、ブレーキシュー１７の接触部１７ｂが車輪８から離 れると共に停止体２１が放射状切込溝２０ａから外れて、車輪８の制動が解除さ れると共にこの車輪８が旋回自在となる。

【００１８】

【考案の効果】

この考案の買い物用カートは、以上に述べたように構成されているので、買い 物客がカートから手を放した際に、カートに何らかの力が加わってもカートが移 動することなく、特に幼児用椅子付き買い物用カートにおいて幼児を乗せている ときにも安全なものとなった。

【００１９】 また、この考案の買い物用カートは、車輪８を旋回させてもブレーキ操作部材 ９が捩じれてしまうことがないので、ブレーキ付キャスター４を固定輪、旋回輪 の何れとしても使用できるものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の買い物用カートの一実施例を示す側
面図である。

【図２】この考案の買い物用カートの一実施例を示す平
面図である。

【図３】この考案の買い物用カートに備えたブレーキ付
キャスターの一例であり、その一部を断面して示す側面
図である。

【図４】この考案の買い物用カートに備えたブレーキ付
キャスターの図３に示すものの平面図である。

【図５】この考案の買い物用カートの操作部の分解斜視
図である。

【図６】この考案の買い物用カートの操作部の一部分解
斜視図である。

【図７】この考案の買い物用カートに備えたブレーキ付
キャスターの他の例であり、その一部を断面して示す側
面図である。

【図８】この考案の買い物用カートに備えたブレーキ付
キャスターの図７に示すものの平面図である。

【図９】従来の手押し運搬車の側面図である。

【図１０】従来の手押し運搬車に備えたブレーキ付キャ
スターを一部断面して示す側面図である。

【符号の説明】

１ ハンドル ４ ブレーキ付キャスター ５ 支軸 ７ フレーム ８ 車輪 ９ ブレーキ操作部材 １０ 操作部 １１ 連結ロッド １２ 回動リング １６ グリップカバー １７ ブレーキシュー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支軸（５）の軸心に貫通させたブレーキ
   操作部材（９）の上端を、ハンドル（１）に取り付けた
   操作部（１０）に連結し、前記ブレーキ操作部材（９）
   の下端を、車輪（８）にバネ付勢により制動力を常時与
   えるようにしたブレーキシュー（１７）の回動端に連結
   したブレーキ付キャスター（４）を備えたことを特徴と
   する買い物用カート。
2. 【請求項２】 前記操作部（１０）を、連結ロッド（１
   １）で連結した回動リング（１２）（１２）をハンドル
   （１）に嵌め込み、これら回動リング（１２）（１２）
   にそれぞれワイヤーとしたブレーキ操作部材（９）
   （９）の上端を固着し、さらにグリップカバー（１６）
   でハンドル（１）を連結ロッド（１１）とともに覆った
   ものとしたことを特徴とする請求項１記載の買い物用カ
   ート。