JPH0781166B2 - 鉄損の少ない一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損の少ない一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0781166B2
JPH0781166B2 JP2194496A JP19449690A JPH0781166B2 JP H0781166 B2 JPH0781166 B2 JP H0781166B2 JP 2194496 A JP2194496 A JP 2194496A JP 19449690 A JP19449690 A JP 19449690A JP H0781166 B2 JPH0781166 B2 JP H0781166B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、トランス等の鉄芯に用いられる鉄損特性の優
れた板厚の薄い高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
に関するものである。
(従来の技術) 一方向性電磁鋼板は軟磁性材料として主にトランスその
他の電気機器の鉄心材料に使用されているもので、磁気
特性として励磁特性と鉄損特性が良好でなくてはならな
い。
この励磁特性を表わす数値として通常B8(磁場の強さ80
0A/mにおける磁束密度)を用い、鉄損特性を表わす数値
としてW17/50(50Hzで1.7Tまで磁化させた時の1kg当り
の鉄損)を用いている。
この一方向性電磁鋼板は通常2次再結晶現象を利用して
鋼板面に{110}面、圧延方向に〈001〉軸をもったいわ
ゆるゴス組織を発達させることによって得られている。
良好な磁気特性を得るためには磁化容易軸である〈00
1〉軸を圧延方向に高度に揃える事が重要である。又板
厚、結晶粒度、固有抵抗、表面被膜、鋼板の純度等も磁
気特性に大きな影響を及ぼす。
方向性についてはMnS、AlNをインヒビターとして利用す
る最終強圧下冷間圧延を特徴とする方法によって大幅に
向上し、それに伴って鉄損特性も著しく向上してきた。
一方、近年エネルギー価格の高騰を背景として、トラン
スメーカーは低鉄損トランス用素材への指向を一段と強
めている。低鉄損素材としてアモルフアス合金や6.5%S
i鋼等の開発も進められてはいるが、トランス用材料と
して工業的に使用するには解決すべき問題を残してい
る。そこで低鉄損化の方法として方向性電磁鋼板の板厚
を薄くして、鉄損を減少させるなどの努力も払われてき
た。
鋼板の板厚を薄くすることは鉄損の70%以上を占める渦
流損失を減少する上で有効であることは以前から知られ
て居ることであるが、従来まではトランスの組立てなど
の作業上の要請から0.30mm前後の板厚が主であった。し
かしながら昨今のように省エネルギーの要請がより強く
なると、作業性の要請が上まわって板厚が0.20mmよりも
さらに薄いものまで使用されるようになって来た。
しかしながら、一般に板厚が薄くなると2次再結晶が生
じ難くなる傾向がある。その原因のひとつは、同一熱延
板の板厚からより薄い製品を得る場合にはより大きい冷
延圧下を施こすところとなり、集合組織上の不利が生じ
ることである。かかる原因の解決策としては、製品板厚
に応じて熱延板の板厚を減少させる方法が考えられる。
しかしながら、この方法には限界がある。と云うのは、
熱延板を薄くすることは熱延終了温度が必然的に低くな
り、AlN、MnSの析出を促進するため過剰な析出サイズと
なって磁性が劣化する欠点が生じるためである。
上記の如く、集合組織上の不利を解決する手段としての
熱延板の板厚を薄くすることには限界があるため、工程
が増えるが中間冷間圧延工程を導入しなければならな
い。つまり、熱間圧延後、冷間圧延を行ない、さらに中
間焼鈍を行なって、次いで最終板厚まで所定の圧下率で
冷間圧延する方法であり、かかる方法は2次再結晶をか
なり安定化し、高磁束密度も得られ易くはなるが、最終
板厚を0.18mm以下の、しかも鉄損の良い磁性を得る方法
としては未だ不充分である。この不充分な原因のひとつ
は、素地の組織に不均一な領域が残存し、後述の線状の
2次再結晶領域が多発し易いためである。かかる欠点を
排除する方法として、第1回目の冷間圧延に先立って、
熱延板の焼鈍を加える方法が提案されている(米国特許
第819426号明細書)。確かに、この方法を付加した場合
の中間冷間圧延にひき続く焼鈍工程により、組織の再結
晶化率が高まり、最終的な脱炭焼鈍後の2次再結晶発達
の素地となる組織は大幅に改善され、0.14mmの板厚まで
は2次再結晶は安定化するが、磁束密度が低下するなど
の原因で充分満足すべき磁気的性質は得られ難い。
このように板厚の薄い方向性電磁鋼板の開発にも解決す
べき課題が残っている。またインヒビターとしてAlNを
用いない成分系で、熱間圧延工程後最終冷間圧延工程終
了前の工程途中で脱炭を行なうことによって磁気特性が
向上するという報告(特開昭58−55530号公報)がある
が、この技術は最終冷延圧下率が40〜80%で始めて効果
が出るとされて居り、80%超の高圧延率を特徴とする本
発明の様な場合とは異った技術と解される。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はAlNを主インヒビターとする高磁束密度を有す
る電磁鋼板を0.10〜0.23mmの様な薄板化する場合、2次
再結晶安定化を得るためには最終冷延圧下率を高くする
ことが出来ず従って高い磁束密度を得ることが出来ない
と云う難点を解決する方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は熱間圧延後最終冷間圧延前の工程においてCを
0.0070〜0.0300%脱炭させることにより最終冷延圧下率
を80%超にして高磁束密度と共に低鉄損値をも有する板
厚の薄い電磁鋼板の製造方法を提供するものである。
即ち、本発明者らは、上記方法、即ちAlNを主なインヒ
ビターとし、最終冷延圧下率を80%超とすることで高磁
束密度材を得る方法において、0.10〜0.23mmまでの薄い
板厚にしてしかも磁束密度、鉄損の良い材料を安定して
得る方法について検討した結果、かかる板厚の薄い場合
には、脱炭焼鈍工程後の2次再結晶発生位置の素地をよ
り安定な、つまりより整粒化する必要があること、さら
にはかかる2次再結晶核の数、即ち{110}<001>方位
の1次再結晶粒を増加させることによって、2次再結晶
をより安定化させ、さらにまた2次再結晶粒の方位がよ
りシャープな{110}<001>方位にせしめ得、また{11
0}<001>方位2次再結晶粒のサイズが小さく改善され
ることを見出した。
具体的に説明すると、圧下率調整のための中間冷間圧延
の前に熱延板焼鈍工程を行なうことに加えて、熱間圧延
後最終冷間圧延前までの工程において、鋼中のCを0.00
70〜0.0300%脱炭する方法により鉄損、磁束密度共に優
れた0.10〜0.23mmの板厚の方向性電磁鋼板が得られるこ
とを見出したものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の出発素材である熱延板の成分についてはSi:2.5
〜4.0%、C:0.03〜0.10%、酸可溶性Al:0.015〜0.040、
N:0.0040〜0.0100%、S:0.01〜0.04%、Mn:0.02〜0.2
%、0.04%超0.4%以下のSn、Cuの1種または2種を含
有されており、残部Feおよび不可避的不純物からなるこ
とが必要である。
以下、本発明において出発素材である熱延板の成分を規
定した理由について説明する。
Siは4%を超すと脆化が激しく冷間圧延が困難となり好
ましくない。一方2.5%未満では電気抵抗が低く良好な
鉄損特性を得難い。
Cは0.03%未満では脱炭工程以前でのγ量が極めて少な
くなってしまい良好な1次再結晶組織を得難い。一方0.
10%を超えると脱炭不良となり好ましくない。
酸可溶性Al、Nは本発明において高磁束密度を得るため
に必須の主インヒビターAlNを得るための基本成分であ
り上記範囲を外れると2次再結晶が不安定となり好まし
くないので酸可溶性Alは0.015〜0.040%、Nは0.0040〜
0.0100%とする。
また、MnおよびSはインヒビターMnSを形成するために
必要な元素であり、上記範囲を外れると2次再結晶が不
安定となり好ましくないのでMnは0.02〜0.2%、Sは0.0
1〜0.04%と定める。
インヒビター構成元素としては、これらの他に0.04%超
0.4%以下のSn、Cuの1種または2種を含有することが
必要である。Sn、Cuが0.04%以下だとインヒビターとし
ての機能が不十分であり、0.4%を超えると2次再結晶
の成長が害されるので、この上限値は厳守せねばならな
い。
尚、インヒビター構成元素として、それ自体公知である
Sb、Cr、Se等を用いることも勿論できる。
本発明は前記成分を含有する珪素鋼熱延板を出発素材と
して、これに熱延板焼鈍を行ない、次いで2回以上の冷
間圧延を行って最終板厚を0.10〜0.23mmとなし、その間
の中間焼鈍と最終冷間圧延後の脱炭焼鈍及び仕上焼鈍を
施す工程を前提としている。この様な製造方法により板
厚0.14mmまでの2次再結晶は比較的安定化するが、磁束
密度が低下する傾向を示すため、低鉄損値は得られ難
い。
本発明者らは上記工程を前提として、熱間圧延後最終冷
間圧延前の途中工程において、Cを0.0070〜0.0300%の
量だけ脱炭することにより、板厚0.10mmまでの2次再結
晶を可能にすると共に、磁束密度と鉄損を大幅に向上せ
しめ得たものである。
一般に熱間圧延時に生ずる鋼中のγ相は、大きく成長し
た粗大伸長粒組織を微細に改善するのに有効で、2次再
結晶が成長する素地を良好ならしめるため、線状に発生
する非2次再結晶域の発生を抑制する作用を持ってい
る。それ故適量のγ相を生ぜしめるために、Si量に応じ
て製鋼段階で適量のC量を加えて居くことが不可欠であ
る。またCは製品に残留すると磁気時効を生じるため
に、途中工程で脱炭する必要がある。また、2次再結晶
を起こさせる仕上焼鈍工程の前に脱炭工程を置くことは
2次再結晶焼鈍中にγ相の発生が生じて目的とする方位
粒の発生・成長を阻害する弊害を無くす上で必要であ
る。以上の様な理由から方向性電磁鋼板の製造工程にお
いて脱炭工程は必要不可欠の工程である。
以下に本発明の特徴である熱間圧延後最終冷間圧延まで
の工程でCを0.0070〜0.0300%の量だけ脱炭すると、磁
性が良くなる理由と、Cの範囲規制の理由を説明する。
先ず、第1図に最終冷延前の鋼板の金属組織写真を掲げ
る。
出発材としての熱延板の板厚は2.3mmで、(A)はかか
る熱延板を圧下率53%で冷間圧延して1.07mmとし、引続
きN290%,H210%の乾燥混合ガス中で1130℃に30秒間保
持したのち900℃に1分間保持し、その後100℃の湯に入
れて冷却したもの、(B)は熱延板をN290%,H210%の
乾燥混合ガス中で1100℃に2分間保持した後、100℃の
湯に入れて冷却した後に(A)と同一条件で冷間圧延、
焼鈍を行なったものであり、(C)は熱延板をN290%,H
210%の湿潤ガス(露点65℃)中で1100℃に2分間保持
した後、100℃の湯に入れ、次いで(A)と同一条件で
冷間圧延、焼鈍を行なったものである。
第1図の(B)、(C)は熱延板焼鈍工程が導入されて
いるため、熱延板焼鈍をしていない(A)に比較してこ
の段階で充分再結晶の発達がなされていることが判り、
後続の最終焼鈍、脱炭焼鈍工程後の組織がより均一にな
ることが理解出来よう。
また(B)と(C)の鋼板表面部を比較すると、脱炭雰
囲気になっている熱延板焼鈍を行なった(C)の方が、
非脱炭雰囲気焼鈍の(B)よりも表面部の結晶粒がより
大きくなっていることが判る。
なお、この場合の出発熱延板のC含有量は0.070%であ
るが、(A)、(B)では明確な脱炭が認められないの
に対し、(C)の場合では鋼板全厚で0.0200%だけ脱炭
していた。第1図に示した組織の相違は成品の2次再結
晶の安定性ならびに磁性に大きく影響する。(A)、
(B)、(C)の履歴を有する各10個の試片を、そのの
ち86%の圧下率で0.15mmまで冷間圧延し、さらに公知の
方法での脱炭焼鈍、MgOを主成分とする焼鈍分離剤の塗
布、仕上焼鈍、リン酸,無水クロム酸を主成分とする張
力コーティングの塗布、焼付けを行ない製品とした。第
1表に磁性と2次再結晶率について一覧する。本発明に
よる(C)が他の場合に比較し一段と優れていることが
判る。
次に、第2図には熱間圧延後最終冷間圧延までの工程で
の脱炭量ΔCと磁気特性との関係を示す。この場合の熱
延板の板厚は2.3mmでありSi3.25%、C0.078%、酸可溶
性Al0.027%、N0.0083%を含有したもので、1050℃での
熱延板焼鈍、第1回目の冷間圧延ののち、1100℃で中間
焼鈍し、80〜91%の強圧下最終冷間圧延を行なって最終
板厚0.175mmのサンプルを得、公知の脱炭焼鈍、MgOを主
成分とする焼鈍分離剤塗布、仕上焼鈍を行ない、最終的
にリン酸、無水クロム酸を主成分とする張力コーティン
グを施したものである。なお、この工程途上、熱延板焼
鈍工程、中間焼鈍工程各々あるいは単独に雰囲気ガスの
露点を変える方法での脱炭、ならびに熱延板焼鈍工程、
中間焼鈍工程の通板の前に鋼板表面にK2CO3水溶液を塗
布する方法での脱炭により各種の脱炭量のサンプルを得
ることが出来た。
第2図より、脱炭量ΔC0.0070〜0.0300%の範囲で良好
な磁性が得られることが判る。第2図に示した新知見の
理由に関しては必ずしも明らかではないが、本発明者ら
は以下の如く推察している。まず一方向性電磁鋼板用熱
延板に(A)K2CO330%水溶液を塗布したもの、(B)
塗布しないもの各々をN290%、H210%からなる乾燥の混
合ガス中で1050℃に2分間保持した後、100℃の湯の中
に入れて冷却したものの光学顕微鏡写真を第3図に示
す。熱延板でのC量は0.072%であり、熱延板焼鈍での
脱炭量は(A)の場合:ΔC=0.0150%、(B)の場
合:ΔC=0.0030%であった。第3図より、(A)の場
合は(B)の場合よりも表面の再結晶領域が広いことが
わかる。他方、最終圧下率が80%を超える1回強圧下冷
延法の場合、熱延板焼鈍後の表面再結晶部分を削ると製
品の2次再結晶が不安定となることが知られている。従
って(A)の如く、脱炭によって表面再結晶部分を増し
たことが製品の2次再結晶の安定化並びに磁性向上に結
び付いたものと思われる。(A)の如く脱炭によって表
面再結晶層を増したものは、第1図の(C)に示した様
に、最終冷延前の表面の深い領域まで再結晶粒が内部の
ものよりも大きくなる。板厚が0.10〜0.23mmと薄くなっ
た場合、2次再結晶の核がある表面層が幾何学的に薄く
なってしまい、かつ最表面に近くなるため仕上焼鈍の昇
温過程で2次再結晶の核のある表面層が雰囲気の影響を
うけやすくなり、その結果2次再結晶が不安定化し、良
好な磁性が得難くなる。本発明は、熱延後最終冷延まで
の工程途中で、脱炭を行なうことで、表面再結晶部を深
くまで作ることによって2次再結晶の核を深くまで存在
させることに成功し、その結果最終冷間圧延を80%超の
高圧下率で行なってもよい薄い板厚の場合の2次再結晶
の安定化ならびに磁性向上をなし得たものである。
熱間圧延終了後最終冷間圧延までの脱炭量ΔCが0.0070
%未満の場合には上記の効果が十分でなく、0.0300%を
超える場合は熱延板焼鈍、中間焼鈍でのγ相の量が少な
くなり過ぎてしまうため、脱炭焼鈍工程後の1次再結晶
組織が不適切なものとなるためと、AlNの析出が粗大な
ものとなってインヒビターの作用が減少するために2次
再結晶が不安定になるものと推定される。本発明は板厚
の薄い一方向性電磁鋼板の製造上の問題を解決したもの
であり、0.23mmを超える板厚の場合、必ずしも本発明の
様な工程は必要でなく、0.10mm未満の板厚では、本発明
の効果だけでは不十分で2次再結晶に不安定性が生じ
る。最終冷延圧下率は80%超とすることが高磁束密度を
得るために必要であり、95%を超えると集合組織が不適
となるので2次再結晶に不安定性が生じる。
熱間圧延の後、最終冷間圧延の間での脱炭の方法につい
ては必ずしも限定しないが、熱延巻取後自己の熱で焼鈍
する方法、あるいは700〜1200℃の温度範囲での熱延板
焼鈍、中間焼鈍を湿潤ガス中で行なう方法、又は、それ
ら焼鈍前にK2CO3等を塗布する方法などが考えられる。
以下、実施例について述べる。
(実施例) 実施例1 C:0.065%、Si:3.25%、Mn:0.088%、S:0.026%酸可溶
性Al:0.028%、N:0.0075%、Sn:0.10%、Cu:0.10%を含
む2.3mmの熱延板に(A):980℃で2分間、湿潤雰囲気
(露点:62℃)N2ガス中で焼鈍、(B):980℃で2分間
乾燥雰囲気N2ガス中で焼鈍、(C):焼鈍ナシなる処理
をした後、酸洗し、約41%冷間圧延して1.35mmとした。
その後乾燥雰囲気N290%、H210%ガス中で1130℃に30秒
保持後、900℃に1分間保持後急冷し、しかる後約83%
冷間圧延して0.225mmとした。得られた冷延板を公知の
方法で脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布した後、N2:90
%、H210%雰囲気中で15℃/hrの割合で1200℃まで昇温
し、引続き1200℃で20時間の純化焼鈍を行なった後、張
力コーティングを施して一方向性電磁鋼板を得た。製品
の磁気特性、熱延終了後最終冷間圧延までの脱炭量ΔC
(%)を第2表に示す。
実施例2 C:0.081%、Si:3.35%、Mn:0.077%、S:0.024%、酸可
溶性Al:0.027%、N:0.0082%、Sn:0.15%、Cu:0.15%を
含む板厚2.3mmの熱延板を、(A):1050℃で3分間、湿
潤雰囲気(露点:55℃)N2:90%、H2:10%ガス中で焼
鈍、(B):1050℃で3分間、乾燥雰囲気N2:90%、H2:1
0%ガス中で焼鈍、(C):焼鈍ナシなる処理をした後
酸洗し、約49%の圧下率で冷間圧延して1.2mmとした。
その後乾燥雰囲気N290%、H210%ガス中で1080℃に2分
間保持後急冷し、しかる後約85%の圧下率で冷間圧延し
て0.175mmとした。得られた冷延板を公知の方法で脱炭
焼鈍し、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、
仕上焼鈍を行なった、次いでリン酸と無水クロム酸を主
成分とする張力コーテイングを施して一方向性電磁鋼板
を得た。製品の磁気特性、熱延終了後最終冷延までの脱
炭量ΔC(%)を第3表に示す。
実施例3 C:0.072%、Si:3.25%、Mn:0.075%、S:0.028%、酸可
溶性Al:0.025%、N:0.0082%、Sn:0.12%、Cu:0.19%を
含む厚さ2.3mmの熱延板に(A)K2CO330%水溶液を塗
布、(B)塗布ナシなる処理をした後、1100℃で3分
間、乾燥雰囲気N2:90%、H2:10%ガス中で焼鈍後急冷
し、その後酸洗し、約53%の圧下率で冷間圧延して1.07
mmとした。しかる後乾燥雰囲気N2ガス中で1000℃で2分
間焼鈍し、約86%の圧下率で冷間圧延して0.150mmとし
た。得られた冷延板を公知の方法で脱炭焼鈍し、焼鈍分
離剤を塗布し、仕上焼鈍を行なった。次いでリン酸、無
水クロム酸を主成分とする張力コーテイングを施して、
一方向性電磁鋼板を得た。製品の磁気特性、熱延後終了
後最終冷延までの脱炭量ΔC(%)を第4表に示す。
実施例4 C:0.072%、Si:3.40%、Mn:0.078%、S:0.026%、酸可
溶性Al:0.029%、N:0.0080%、Sn:0.09%、Cu:0.06%、
Sb:0.028%を含む厚さ2.3mmの熱延板に1000℃に5分
間、乾燥雰囲気N2:90%、H2:10%ガス中で焼鈍した後、
酸洗し、約22%の圧下率で冷間圧延して1.8mmとした。
その後(A)1120℃で4分間、乾燥雰囲気N2:90%、H2:
10%ガス中で焼鈍後、急冷、(B)1120℃で4分間、湿
潤雰囲気(露点:60℃)N2:90%、H2:10%ガス中で焼鈍
した後、急冷、なる処理をした後、酸洗し、約89%の圧
下率で冷間圧延して0.200mmとした。その後冷延板を公
知の方法で脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布し仕上焼鈍し
た後張力コーテイングを施して一方向性電磁鋼板を得
た。製品の磁気特性、熱間圧延終了後、最終冷間圧延ま
での脱炭量ΔC(%)を第5表に示す。
(発明の効果) 以上のとおり、本発明によれば最終冷間圧延前の含有炭
素量を制御するだけで鉄損特性の良好な高磁束密度薄手
一方向性電磁鋼板を安定して得ることができるので、そ
の工業的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は最終冷間圧延前の金属組織の比較顕微鏡写真、
第2図は熱間圧延後最終冷間圧延までの脱炭量ΔCと磁
気特性との関係図、第3図は熱延板焼鈍後の金属組織の
比較顕微鏡写真である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−117215(JP,A) 特開 昭52−39520(JP,A) 特開 昭55−154526(JP,A) 特公 昭59−32528(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si:2.5〜4.0%、C:0.03〜0.10%、酸可溶
    性Al:0.015〜0.040、N:0.0040〜0.0100%、S:0.01〜0.0
    4%、Mn:0.02〜0.2%を含有し、さらに0.04%超0.4%以
    下のSn、Cuの1種または2種を含有し、残部Feおよび不
    可避的不純物からなる珪素鋼熱延板を焼鈍し、圧下率80
    %超〜95%の強圧下最終冷間圧延を含む2回以上の冷間
    圧延とその間に行う中間焼鈍と、最終冷間圧延後の脱炭
    焼鈍、最終仕上焼鈍によって板厚が0.10〜0.23mmの高磁
    束密度の薄手一方向性電磁鋼板を製造する方法におい
    て、熱間圧延終了後最終冷間圧延前の工程途中に、Cを
    0.0070〜0.0300%脱炭させる工程を有することを特徴と
    する鉄損の少ない一方向性電磁鋼板の製造方法。
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