JPH0781008A - 空気遮断性能の良好な感熱接着フィルム - Google Patents

空気遮断性能の良好な感熱接着フィルム

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JPH0781008A
JPH0781008A JP22474293A JP22474293A JPH0781008A JP H0781008 A JPH0781008 A JP H0781008A JP 22474293 A JP22474293 A JP 22474293A JP 22474293 A JP22474293 A JP 22474293A JP H0781008 A JPH0781008 A JP H0781008A
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武夫 寺沢
Yoshinori Ikenaga
義則 池永
Katsuaki Tsutsumi
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 両外層がエチレンと無水マレイン酸及びこれ
以外のラジカル重合性コモノマーからなり、無水マレイ
ン酸に由来する単位の割合が0.1重量%以上5重量%
以下、他のラジカル重合性モノマーに由来する単位の割
合が3重量%以上50重量%以下である3元共重合体を
主成分とする熱可塑性樹脂組成物であり、中間層が融点
100℃以上のポリオレフィン系樹脂である3層構造を
有する、空気遮断性能の良好な多層感熱接着フィルム。 【効果】 本発明の多層感熱接着フィルムは、自動車内
装材等の多層構造物を製造する際の接着層として好適で
あり、接着性能、耐熱性、空気遮断性等の点で優れた多
層構造物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着性、空気遮断性に優
れた感熱接着フィルムに関し、特に自動車等の内装材に
使用される多層構造物の接着層として好適に使用し得
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内装材として、表皮材料と構
造材料(基板材)を積層した多層構造物が多く使用され
ている。表皮材料と基板材の接着には、作業効率、安全
衛生上の観点から、従来の溶剤型接着剤に替わり感熱接
着フィルムが使用される例が多い。これらの感熱接着フ
ィルムは接着性樹脂の組成物を原料として製造され、用
途に応じて種々のフィルムが開発されている。これらの
感熱接着フィルムのうち最も優れたものの一つとして、
特開平5−147175に開示されるようなエチレン系
共重合体を主成分としたフィルムが有り、広範な表皮・
基板材料に対して使用でき、作業効率、性能等の点で幅
広く利用されている。しかし用途によっては多層構造物
全体の通気性が問題になるケースも見受けられ、この改
善が望まれていた。具体的には、基板材としてレジンフ
ェルト(RFと略す。裁断した布を糸屑状にほぐしフェ
ノール樹脂等で固めた材料)、表皮材料として不織布を
用いた場合等に於て、外気、水分、埃等が多層構造物を
通過し室内の内装材の汚れを生じ美観を損ねるといった
問題がある。本来感熱接着フィルムは実質上の通気性の
無い材料であるが、接着工程で溶融し、圧力がかかるた
めフィルム全面に細かい穴があき、空気遮断性が低下す
るものと推定される。この対策としてはフィルム厚みを
十分厚くして穴開きを防止することが考えられるが、こ
の場合作業性が低下し、材料のコストも高くなるため現
実の生産工程には適用しにくい方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術においては
上記のように、作業効率、接着性、耐熱性等の基本性能
を維持したまま、空気遮断性に優れ、より広範囲な用途
に対して適用可能な感熱接着フィルム及び接着方法は確
立していない。この課題を解決するのが本発明の目的で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は種々検討し
た結果、特定のエチレン系共重合体を主成分とする熱可
塑性樹脂組成物と特定のポリオレフィン系樹脂を積層し
た多層フィルムが、本発明の目的を満足することを見出
し本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、両外層がエチレンと無
水マレイン酸及びこれ以外のラジカル重合性コモノマー
からなり、無水マレイン酸に由来する単位の割合が0.
1重量%以上5重量%以下、他のラジカル重合性モノマ
ーに由来する単位の割合が3重量%以上50重量%以下
である3元共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂組成物
であり、中間層が融点100℃以上のポリオレフィン系
樹脂である3層構造を有する、空気遮断性能の良好な多
層感熱接着フィルム及びこの多層感熱接着フィルムを使
用して表皮材料と基板材料を接着した多層構造物を開示
する。
【0006】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
は基本的には両外層がエチレン系共重合体を主成分とす
る熱可塑性樹脂組成物、中間層が融点100℃以上のポ
リオレフィン系樹脂である2種3層フィルムを提示す
る。原理的には両外層は同一の樹脂組成物である必要は
無く、3種3層の多層フィルムも本発明の範囲に含まれ
るが、実際にフィルム成形の手間や設備上の制約を考え
ると2種3層フィルムが現実的である。同様に4層以上
の構成からなる多層フィルムも、本発明の考え方を逸脱
しなければ使用し得るが、ただ構成を複雑にするだけで
あり、実用上の利点は無い。本発明の多層フィルムの両
外層は、表皮材料、基板材との感熱接着が可能な熱可塑
性樹脂組成物であり、エチレンと無水マレイン酸及びこ
れ以外のラジカル重合性コモノマーからなり、無水マレ
イン酸に由来する単位の割合が0.1重量%以上5重量
%以下、他のラジカル重合性モノマーに由来する単位の
割合が3重量%以上50重量%以下である3元共重合体
を主成分とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0007】ここでいうラジカル重合性モノマーとして
は多くの化合物が使用でき、具体的には、不飽和エステ
ル化合物、不飽和アミド化合物、不飽和酸化合物、不飽
和エーテル化合物、不飽和炭化水素系化合物等をあげる
ことができる。更に具体的に記せば、不飽和エステル化
合物としては酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸ラウリル、フマル酸メチル、フマル酸
エチル、フマル酸プロピル、フマル酸ブチル、フマル酸
ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フ
マル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチ
ル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピ
ル、マレイン酸ジブチルを例示することができる。
【0008】不飽和アミド化合物としてはアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミ
ド、N−ブチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリル
アミド、N−オクチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチル
メタクリルアミドを例示することができる。
【0009】不飽和酸化合物としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸等を例示することがで
きる。不飽和エーテル化合物としてはメチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテ
ル、フェニルビニルエーテル等を例示することができ
る。不飽和炭化水素化合物としてはスチレン、ノルボル
ネン、ブタジエン等を示すことができる。これら以外に
も、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレ
イン、クロトンアルデヒド、トリメトキシビニルシラ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等をあげることがで
き、場合によってはこれらのうち2種類以上を併用して
用いることも可能である。この場合4元以上の多元共重
合体となるが、本質的な性質が変わる訳でないので本発
明でいう3元共重合体の中に含むものとして考える。こ
れらの化合物のうち特に好ましいものを挙げるならば、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルを
例示することができる。
【0010】エチレン系3元共重合体の組成は、無水マ
レイン酸に由来する単位の割合が0.1重量%以上5重
量%以下、他のラジカル重合性モノマーに由来する単位
の割合が3重量%以上50重量%以下である必要があ
る。無水マレイン酸に由来する単位の割合が0.1重量
%未満では各種材料との感熱接着性が不足し、5重量%
を越えると組成物とする際の相溶性が低下するためいず
れも良好な感熱接着フィルムとならない。他のラジカル
重合性モノマーに由来する単位の割合が3重量%未満で
は共重合体の結晶融点が十分低くならず、低温接着性が
不足する。50重量%を越えると樹脂の取扱いが困難に
なるとともに製品の耐熱性が低下する。エチレン系3元
共重合体の製造にあたっては、低密度ポリエチレンの製
造設備及び技術がそのまま利用できる。具体的には、槽
型または管型反応器を用い、高温(約200℃)、高圧
(約2000気圧)下、有機過酸化物等のラジカル開始
剤を使用してラジカル共重合を行なう。
【0011】本3元共重合体は各種の基材に対する低温
接着性に優れ、多層構造物を製造するための感熱接着フ
ィルムの主成分となるが、実用的には更に付加機能が要
求されるため各種の樹脂、添加剤等を混合した熱可塑性
樹脂組成物として利用される。本樹脂組成物の混合組成
は、使用される用途、環境等によって多岐に変わり得る
ので、いちがいに規定することはできない。いくつか例
を示すならば、耐熱性やフィルムの腰(剛性)を要求さ
れる用途に対して、3元共重合体に低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を混合した
熱可塑性樹脂組成物が考えられる。更に高いレベルの耐
熱性を要求される用途に対しては、有機カルボン酸の金
属塩等の金属イオンを混合した組成物とし、3元共重合
体に架橋構造を導入して耐熱性を向上させることも出来
る。
【0012】また特殊な表皮材料、基板材料に対して、
3元共重合体だけによる接着性能では不足の場合、接着
性能を補強する意味で、各種の粘着付与剤、エラストマ
ー、共重合ナイロン、熱可塑性ポリウレタン、低分子量
ポリエステル等の材料を混合して組成物とすることも可
能である。更に通常使用されている各種の添加剤・配合
剤・充填剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着
色剤、発泡剤等を必要に応じて添加しても良い。本熱可
塑性樹脂組成物の主成分はあくまでエチレン系3元共重
合体であるから、配合にあたっては本共重合体の性能を
損なわない範囲で配合組成を決定する必要がある。目安
としては組成物中の3元共重合体の割合が50重量%以
上とすることができる。
【0013】本発明に関わる熱可塑性樹脂組成物の製造
にあたっては、一般に知られている種々の方法を利用で
きる。具体的には、加圧ニーダー、ロール、バンバリー
ミキサー、スクリュー式押出機等の溶融混合装置を使用
するのが普通であるが、用途によっては各成分をドライ
ブレンドし、直接フィルム成形することも可能である。
【0014】本発明に関わる多層感熱接着フィルムは、
上に説明した熱可塑性樹脂組成物を両外層とし、融点が
100℃以上のポリオレフィン系樹脂が中間層となる。
ここでいうポリオレフィン系樹脂とは、高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソ
プレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポ
リ−4−メチルペンテン−1、ポリブタジエン、前記樹
脂の構成単位の共重合体、すなわち直鎖状低密度ポリエ
チレン、プロピレン−エチレン共重合体(ランダムまた
はブロック)等、更にこれらの混合物等を意味する。本
発明において利用できるポリオレフィン系樹脂は、この
うち融点が100℃以上であることが必要であり、好ま
しくは融点が105℃以上で140℃以下であるのが望
ましい。ここで言う融点とはDSC、DTA等の機器で
測定される融解主ピーク温度を意味する。融点の制限は
感熱接着時に多層フィルムに穴開きが生じないための限
定であり、融点が100℃未満の場合、感熱接着時に穴
開きが生じて空気遮断性が低下する恐れがある。ポリオ
レフィン系樹脂に限定する理由は、上記3元共重合体と
の層間接着性及び経済性を考慮したためである。
【0015】多層フィルムの製造にあたっては、2種3
層の多層ダイを用いTダイフィルム成形機あるいはイン
フレフィルム成形機を使用することで1工程で所望の多
層フィルムが得られるが、都合によっては2種あるいは
3種のフィルムを熱ロールラミ、ドライラミ等の方法に
よって積層し多層フィルムとすることも可能である。更
には2種2層フィルムに外層用組成物を押出しラミネー
トしたり、外層用フィルムの間にポリオレフィン系樹脂
を押出しサンドラミネートする方法も可能である。多層
フィルムの各層及びトータルの厚みは、最終的な多層構
造物の用途及び接着条件等によって大きく変わり得るの
で一概に限定することはできない。一般的な目安を記せ
ば、各層の厚みは10〜50μm、トータル厚みとして
30〜150μmであるが、無論この範囲外でも使用し
得る用途が存在する。フィルムの取扱い易さ及び経済的
な観点からは、あまり厚いフィルムは好ましくなく、薄
すぎると空気遮断性が低下するため、適度なバランスを
状況に応じて考慮する必要がある。
【0016】次に本多層感熱接着フィルムを用いた多層
構造物について説明する。本発明に関わる多層構造物は
表皮材料と基板材を感熱接着フィルムを利用して積層し
た多層積層物であり、主に自動車内装材として好適なも
のである。表皮材料の具体例としては、ポリエステル不
織布、ナイロン不織布、各種織布、起毛ニット、合成
紙、塩ビレザー、ポリウレタンレザー、ポリプロピレン
系熱可塑性エラストマー、あるいはこれらの材料に発泡
ウレタン、発泡ポリプロピレン等を貼合したもの等、種
々の材料が挙げられる。基板材の具体例としては、レジ
ンフェルト、レジンウッド、ガラス繊維強化フェノール
樹脂板、段ボール、ポリプロピレンハニカム、ポリスチ
レンフォーム、ガラス繊維強化ポリプロピレン板、ガラ
ス繊維強化AS樹脂板等が挙げられる。これらのうち本
発明の効果が最も発揮されるのは、表皮材料及び基板材
が通気性を有しており接着フィルムに空気遮断性が要求
されるケースであり、具体的には表皮材料として不織
布、織布、合成紙等の材料、基板材としてレジンフェル
ト、レジンウッド、段ボール等が使用されるケースであ
る。
【0017】多層構造物の製造にあたっては、既存の種
々の成形法が利用できる。一般的な例を示せば、表皮材
料と基板材の間に多層感熱接着フィルムを挟み金型によ
り熱プレスで接着させる方法、表皮材料に多層感熱接着
フィルムを予め熱ロールラミにより積層仮接着してお
き、真空成形により基板材と接着する方法が挙げられ
る。本発明による多層構造物は、自動車等の内装材料と
して幅広く利用でき、特に表皮外部への水分の染みだし
が完全に防止されている点で従来品に比較して大幅に性
能が向上する。以下本発明を実施例によって具体的に説
明する。
【0018】
【実施例】
(実施例1) 熱可塑性樹脂組成物として以下の(A)〜(F)の混合
物を製造した。 (A)エチレン−無水マレイン酸−アクリル酸メチル共
重合体 無水マレイン酸に由来する単位の割合:3.0重量% アクリル酸メチルに由来する単位の割合:18重量% MFR(JIS−K7210、表1、条件4、以下同
じ):25 (B)低密度ポリエチレン MFR:10 密度(JIS−K6760):0.916g/cc 融点:105℃ (C)共重合ナイロン:富士化成工業(株)製トーマイ
ド#1350 粘度:2900cP(200℃) 軟化点:150℃ (D)カルボン酸金属塩:三井デュポンポリケミカル
製ハイミラン1605 (E)ブロッキング防止剤:珪酸マグネシウム (F)滑剤:エルカ酸アミド 混合割合は重量比で、(A)/(B)/(C)/(D)
/(E)/(F)=76/8/8/8/0.2/0.2
とし、各成分をタンブラーでドライブレンドした後、6
5mmφ単軸押出機を利用して170℃で溶融混合し、
ペレット化した熱可塑性樹脂組成物を得た。次に2種3
層Tダイを有する多層Tダイフィルム成形機を用い、上
記熱可塑性樹脂組成物を両外層、低密度ポリエチレン
(B)を中間層とする、各層の厚み20μm、トータル
厚み60μmの2種3層フィルムを製造した。成形温度
はダイ部で200℃、成形速度は30m/分であった。
得られた多層感熱接着フィルムを用い多層構造物を製造
した。表皮材料としてポリエステル不織布、基板材とし
て2mm厚のレジンフェルトを用い、熱プレスで120
℃、20秒、2Kg/cm2 Gの条件で熱接着させた
後、30℃、4分冷却して多層構造物のサンプルを得
た。得られた多層構造物を25mm幅の試験片に切り出
し、180度剥離試験(試験温度23℃)を実施した。
接着界面は全く剥離せず基板材が材料破壊した。参考ま
でにその強度は2.5Kg/25mmであった。積層物
として十分な接着強度を有している。同様の試験片の表
皮側に100gの荷重を吊り下げ、80℃空気雰囲気で
24時間静置して剥離距離を測定した(耐熱クリープ試
験)が全く剥離がなく、十分な耐熱性が確認できた。次
に遮断性を確認するため、積層物の基板側にインクを5
ml垂らし、表皮側への染みだしを確認した。染みだし
は全く観察されなかった。ガス透過試験器による空気通
過量の測定でも、4×10-6cc/cm2 ・s・atm
であり実質上空気遮断性があると判断できる。以上の結
果より、本発明に関わる多層感熱接着フィルム及び多層
構造物は実用上非常に有用な材料である。
【0019】(実施例2〜4)多層フィルムの中間層
を、融点120℃、MFR=15の直鎖状低密度ポリエ
チレン(実施例2)、融点132℃、MFR=7の高密
度ポリエチレン(実施例3)、融点144℃、MFR
(JIS−K7210、表1、条件14)=10のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体(実施例4)に変更
した他は、実施例1と同様に多層フィルム、多層構造物
を製造し性能評価を実施した。いずれの例においても、
性能は非常に良好で実用上有用な多層構造物が製造でき
た。
【0020】(比較例1)実施例1で使用した熱可塑性
樹脂組成物を用い、単層60μmの感熱接着フィルムを
製造し、実施例1〜4と同様に多層構造物を製造し性能
評価した。接着性、耐熱性、作業性等は満足いくもので
あったが、インク染みだし試験で全面に染みだしが観察
されるとともに、空気通過量も0.3cc/cm2 ・s
・atmと多く、性能不十分と判断される。
【0021】(比較例2)実施例1における共重合体
(A)の組成において、無水マレイン酸に由来する単位
の割合を0.05重量%にした他は実施例1と全く同様
に評価を実施した。多層構造物の接着強度を測定したと
ころ、界面から簡単に剥離し200g/25mmの値を
示した。本多層構造物は接着力が弱く実用に供すことは
できない。
【0022】(比較例3)実施例1の多層フィルムにお
いて、中間層を融点95℃のエチレン−ブテン共重合体
に変えて2種3層フィルムを製造し、以下実施例1と同
様な評価を行なった。インク染みだし試験でわずかだが
染みだしが観察された。実用性能が今一歩不十分と判断
できる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の多層感熱接着フィルムは自動車
内装材等の多層構造物を製造する際の接着層として好適
であり、接着性能、耐熱性、空気遮断性等の点で優れた
多層構造物を与える。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両外層がエチレンと無水マレイン酸及び
    これ以外のラジカル重合性コモノマーからなり、無水マ
    レイン酸に由来する単位の割合が0.1重量%以上5重
    量%以下、他のラジカル重合性モノマーに由来する単位
    の割合が3重量%以上50重量%以下である3元共重合
    体を主成分とする熱可塑性樹脂組成物であり、中間層が
    融点100℃以上のポリオレフィン系樹脂である3層構
    造を有する、空気遮断性能の良好な多層感熱接着フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層感熱接着フィルムを
    使用して表皮材料と基板材料を接着した多層構造物。
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