JPH0780839B2 - アゼチジノン類の製造方法 - Google Patents

アゼチジノン類の製造方法

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JPH0780839B2
JPH0780839B2 JP62196152A JP19615287A JPH0780839B2 JP H0780839 B2 JPH0780839 B2 JP H0780839B2 JP 62196152 A JP62196152 A JP 62196152A JP 19615287 A JP19615287 A JP 19615287A JP H0780839 B2 JPH0780839 B2 JP H0780839B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は置換アゼチジノン類の製造方法に関するもので
ある。詳細には、3β−置換アミノ−4β−ハロメチル
−1−ヒドロキシアゼチジン−2−オン類及び3β−ア
ルキル−4α−ハロメチル−1−ヒドロキシアゼチジン
−2−オン類に関するものである。
ハロメチルによってその4位が置換されたアゼチジノン
類はペニシリン及びセファロスポリン骨格類、カルバペ
ネム類、並びに機能的な単環式β−ラクタム類の中間物
質として有用である。例えば、このようなアゼチジノン
類は、フッヒュマン(Huffman,W.F.)らのジャーナル・
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Ame
r.Chem.Soc.),1977,99,2352、ザルツマン(Salzmann,
T.N.)らのJ.Amer.Chem.Soc.,1980,102,6161、及びミラ
ー(Miller,M.J.)らのジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(J.Org.Chem.),1982,47,4928に開示
されている。4−ハロメチルアゼチジノン類を合成する
方法は既知であるが、このような既知の方法では、通
常、β−ラクタム環を製造した後に4−ハロメチル基を
導入するのに多くの工程が必要とされている。各種のβ
−ラクタム抗生物質の中間物質として有用な置換アゼチ
ジノン類は重要であるので、所望の立体化学構造を有す
るこれら中間物質をより効率的かつ直接的に合成する方
法の有用性は高いものであろう。
本発明は、β,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメート
類を、弱塩基の存在下、陽性ハロゲンを用いる酸化的環
化によって、直接4−ハロメチル−1−アシロキシアゼ
チジン−2−オン類に環化させるものである。α−アル
キル−β,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメート類か
らはトランス−3−アルキル−4−ハロメチルアゼチジ
ン−2−オン類が得られ、他方アミノ酸から得られるα
−保護アミノ−β,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメ
ート類からは、シス−3β−保護アミノ・4β−ハロメ
チルアゼチジン−2−オン類が得られる。例えば、2−
(ベンジルオキシカルボニルアミノ)ブタ−3−エン酸
・ベンジルオキシカルボニルオキシアミドを、水性アセ
トニトリル中、臭素及び炭酸カリウムで処理することに
より、1−ベンジルオキシカルボニルオキシ−3β(ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ)−4β−ブロモメチル
アゼチジン−2−オンが主生成物として得られる。
アゼチジノン類は、単環式β−ラクタム、カルバペナ
ム、カルバペネム、カルバセファム及びカルバセフェム
抗生物質の中間物質として有用である。
本発明の方法に従えば、式(I): [式中、Rは低級アルキル、フェニル置換低級アルキル
又は保護アミノであり、 R1はC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、フェニル、フ
ェノキシ、ベンジルオキシであるか、又は、低級アルキ
ル、低級アルコキシ、ハロゲン若しくはニトロによって
置換されているフェニル、フェノキシ又はベンジルオキ
シであり、 R2は水素、低級アルキル、CH2mCHO、CH2nO−
R2′、CH2pX′、CH2qCOOR2″又は−CH=CH−R3
で示されるビニル基(ここで、R2とR2″はそれぞれヒド
ロキシ保護基とカルボキシ保護基を、X′はクロロ、ブ
ロモ又はヨードを、m、n、p及びqは各々0、1又は
2を、R3は水素、低級アルキル、−COOR2″(但し、
R2″は前記と同意義)、フェニル、m(C1−C4アルコキ
シ)フェニル又はフリルを示す)である] で示されるβ,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメート
を弱塩基の存在下、陽性ハロゲン試薬と、不活性溶媒中
で混合させることにより、Rが保護アミノ基の場合は、
式(II): で示されるシス−アゼチジノンが得られ、Rが保護アミ
ノ基以外の場合は、式(III): で示されるトランス−アゼチジノンが得られる(式中、
R、R1及びR2は前記の定義と同意義であり、Xはクロ
ロ、ブロモ又はヨードである)。
本発明方法は、温度約−20℃と約45℃の間で、好ましく
は約0℃から25℃の間で行なう。
本明細書に於いて使用している「陽性ハロゲン試薬」な
る用語は、X+求電子性ハロゲンを与えるものとして一般
に認められている物質を意味する。本発明を実施する上
で使用することのできる広範囲の種類のハロゲン化剤
が、陽性ハロゲンの供給源として当業者に知られてい
る。好適な陽性ハロゲン試薬の代表的なものには、塩
基、臭素及びヨウ素などのハロゲン類、塩化スルフリ
ル、臭化スルフリル、並びにフェニルセレノ・クロリド
などのアリールセレノ・ハライド類、次亜塩素酸ナトリ
ウム、次亜塩素酸カルシウム及び次亜臭素酸ナトリウム
などの次亜ハロゲン酸塩類、N−クロロスクシンイミ
ド、N−ブロモスクシンイミド及びN−クロロフタルイ
ミドなどのN−ハロゲン化アミド類、並びにN−ハロゲ
ン化イミド類、N,N′−ジブロモヒダントイン類などの
N−ハロゲン化ヒダントイン類、N−クロロサッカリン
などのN−ハロゲン化サッカリン類、並びに次亜塩素酸
アセチル、次亜塩素酸ブチリル、次亜臭素酸アセチル及
び次亜臭素酸プロピオニルなどの次亜ハロゲン酸アシル
類が挙げられる。
本発明の酸化的環化反応は、「弱塩基」を存在させて実
施する。本明細書に於いて使用している「弱塩基」なる
用語は、約6から約11の範囲、好ましくは約7から約10
の範囲のpKaを有する無機及び有機塩基を意味するもの
である。このような弱塩基は多数知られており、「生化
学及び分子生物学の手引き(Handbook of Biochemistry
and Molecular Biology)」,1巻,第3版,ファスマン
(G.D.Fassman),CRC出版,1976,305頁−347頁にそれら
の一覧が例示されている。塩基は水に可溶性であって
も、不溶性であってもよい。本方法では、アルカリ金属
の炭酸塩などの水溶性弱塩基を、容量比で約3%から約
10%の水を含有させた水混和性溶媒と共に使用する。適
当な弱塩基には、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭
酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、並びにトリアル
キルアミン類、例えばトリエチルアミン、トリプロピル
アミン及びトリブチルアミンなど、ベンジルジエチルア
ミン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリンなど
の第3級アミン類がある。水酸化ナトリウム又は水酸化
カリウムの希釈溶液も使用でき、例えば水酸化ナトリウ
ムの希釈溶液は濃度約1−2%で使用する。
本発明方法に於いて水溶性塩基と共に使用するのに好適
な水混和性溶媒とは、陽性ハロゲン試薬に対して不活性
の溶媒であり、それらには、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール及びプロピルアルコールなどの低級ア
ルコール類、エチレングリコール及びプロピレングリコ
ールなどの多価アルコール類、アセトニトリル及びプロ
ピオニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランな
どのエーテル類、並びにジメチルホルムアミド及びジメ
チルアセタミドなどのアミド類のような通常の溶媒が包
含される。本方法に使用するには、水混和性溶媒には容
量比で約3%から約10%の水を含有させる。好ましい溶
媒は、約5%から約10%の水を含有させたアセトニトリ
ルである。
水に不溶性の塩基は、それが少なくとも一部溶解できる
あらゆる不活性溶媒と共に使用することができる。この
塩基は不活性溶媒に完全に溶解できることが好ましい。
本発明方法に使用される不活性溶媒には、既述した水混
和性溶媒の他に、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン及び酢酸エチルなどの水と混じり合わない溶媒
のような通常使用されている有機溶媒が包含される。不
活性溶媒とは、β,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメ
ート又は陽性ハロゲン試薬のいずれとも反応しない溶媒
である。
本方法は、弱塩基を若干過剰に、即ち出発物質(式
(I))に対して等モルより多く使用し、更に陽性ハロ
ゲン試薬を等モル量より若干多く使用して温度約0℃か
ら約25℃の範囲で実施するのが最も好適である。
本方法は以下の様に実施する:式(I)で示されるβ,
γ−不飽和O−アシルヒドロキサメートを不活性溶媒に
溶解し、この溶液を温度約−5℃から約25℃に冷却す
る。次いで、弱塩基を加える。但し、それが溶媒に不溶
性である水溶性塩基の場合は、水を加える。得られた混
合物を激しく撹拌し、撹拌を続けながら陽性ハロゲン試
薬を添加し、添加後も撹拌は続行しておく。陽性ハロゲ
ン試薬は、不活性溶媒の溶液として添加するのが好まし
い。
本発明の反応は素早く進行し、実験室規模では約15分又
はそれ以下で終了する。それよりも大規模で、例えば製
造業規模で行なう場合は、試薬の添加、冷却及び混合に
若干長く時間を要するかもしれない。
4−ハロメチルアゼチジノンは反応混合物から回収さ
れ、通常の方法によって少量の副生成物と分離される。
例えば、反応混合物を、酢酸エチルなどの、水と混じり
合わない有機溶媒に混合し、次いで得られた有機層を水
洗し、亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を用いて残存する
過剰のハロゲンを中和する。有機層を乾燥した後、溶媒
を留去し、得られた、生成物を含有する残留物をクロマ
トグラフィー、例えばシリカゲルクロマトグラフィーに
かける。式(II)で示されるシス型アゼチジノンは一般
にクロマトグラフィーに於ける溶出混合液の極性を変え
ることで単離することができる。この式(II)で示され
るシス型異性体は、一般に低極性の溶出混合液で溶出さ
れ、少量の副生成物は高い極性の溶出混合液で溶出され
る。クロマトグラフィーによる分離に有用な溶出混合物
は、酢酸エチル−ヘキサン系である。その他の極性及び
無極性溶媒の混合液も使用することができる。
式中、Rが保護アミノである式(I)で示されるα−保
護アミノ−β,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメート
を環化させる本発明の方法は、高収率で式(II)で示さ
れるシス型アゼチジン−2−オンを与える。この場合の
少量の副生成物は、他の生成物である可能性もあるが、
異性体のトランス型4−ハロメチルアゼチジノンのよう
である。反対に、式(I)で示される出発物質の基Rが
保護アミノ基以外の基、例えばエチル又はベンジルの場
合は、生成する化合物は、殆どすべて式(III)で示さ
れるトランス型4−ハロメチルアゼチジノンである。
本発明方法の好ましい態様は、Rが保護アミノである式
(I)で示されるα−保護アミノ−β,γ−不飽和O−
アシルヒドロキサメートを、式(II)で示される3β−
保護アミノ−4β−ハロメチルアゼチジン−2−オンに
酸化的に環化させることである。この態様の好ましい条
件は、アルカリ金属の炭酸塩、特に炭酸カリウムを弱塩
基として用い、陽性ハロゲン試薬として塩素又は臭素を
用い、容量比で5%から10%の水を含有するアセトニト
リルを用いることである。好ましくは、環化は温度約0
℃から約10℃の範囲で行なう。
更に本発明の好ましい態様は、陽性ハロゲン試薬が臭素
の場合である。特記すべき他の陽性ハロゲン試薬は、次
亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸
カルシウム及び次亜臭素酸ナトリウムなどの次亜ハロゲ
ン酸塩である。
式(I)で示されるヒドロキサメートの好ましいO−ア
シル基は、R1がC1−C6アルキル、ベンジルオキシ又は置
換ベンジルオキシで表される基である。例えば、R1がメ
チルであるアセトキシ基、及びR1がベンジルオキシであ
るベンジルオキシカルボニルオキシ基が好ましい。ベン
ジルオキシカルボニルオキシ基は加水分解又は水素添加
分解のいずれによっても除去することができるので、以
降の合成工程に於いて使用し易く、特に好ましい基であ
る。
式(I)で示される出発物質、並びに式(II)及び式
(III)で示されるアゼチジノン生成物の定義に於いて
使用している用語は以下の意味を有している:「低級ア
ルキル」とは、t−ブチルを除いているC1−C4直鎖状ア
ルキル基、例えばメチル、エチル及びn−プロピルを意
味し、「フェニルによって置換されている低級アルキ
ル」とは、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチ
ル、3−フェニルプロピル等を意味し、「C1−C6アルコ
キシ」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブ
トキシ、t−ブトキシ、ペントキシ等を意味し、「低級
アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン若しくはニトロに
よって置換されているフェニル、フェノキシ及びベンジ
ルオキシ」の例には、1個若しくは2個の低級アルキ
ル、低級アルコキシ又はニトロによって置換された基、
例えば4−メチルフェニル、2,4−ジエチルフェニル、
4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、3,4−
ジメトキシフェニル、4−ニトロフェニル、4−イソプ
ロピルフェノキシ、3−メトキシフェノキシ、3,4−ジ
エトキシフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、4−ニト
ロフェノキシ、3,4−ジメチルベンジルオキシ、4−ニ
トロベンジルオキシ、2,6−ジメトキシベンジルオキシ
及び4−t−ブチロキシベンジルオキシ、並びに1個又
は複数のハロゲンによって置換されている基、例えば4
−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、2,4−ジクロ
ロベンジル、3,5−ジクロロフェノキシ、4−フルオロ
フェノキシ、ペンタクロロフェノキシ、4−ブロモベン
ジルオキシ、3,5−ジクロロベンジルオキシなどが挙げ
られる。
「保護アミノ」なる用語は、式: R′−O−C(O)− [式中R′はC1−C6アルキル、ハロゲン置換C1−C6アル
キル、C2−C6アルケニル、C3−C7シクロアルキル、イソ
ボルニル、アダマンチル、ベンジル又はジフェニルメチ
ル、並びに1個又は2個のC1−C10アルキル、C1−C4
ルコキシ、ニトロ若しくはハロゲンによって置換されて
いるベンジル又はジフェニルメチル基である] で示される基によって保護されているアミノ基を意味す
る。
式(I)、(II)及び(III)に於ける保護アミノ基R
を保護している基は、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、t−ブチロキシカルボニル、イソブチロキシ
カルボニルなどのC1−C6アルコキシカルボニル基、又は
トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカ
ルボニル、2−ヨウドエトキシカルボニル、2,2,3−ト
リクロロブトキシカルボニルなどのハロゲン置換C1−C6
アルコキシカルボニル基、又はアリルオキシカルボニ
ル、2−ブテニルオキシカルボニル、3−ヘキセニルオ
キシカルボニルなどのC2−C6アルケニルオキシカルボニ
ル基、又はシクロプロピルオキシカルボニル、シクロペ
ンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボ
ニルなどのC3−C7シクロアルキルオキシカルボニル基、
又はイソボルニルオキシカルボニル、アダマンチルオキ
シカルボニル、ベンジルオキシカルボニル基、又はフェ
ニル環がニトロ、クロロ、ブロモ、C1−C4アルコキシ若
しくはC1−C10アルキルによって置換されている置換ベ
ンジルオキシカルボニル基、又は同様に置換され得るジ
フェニルメトキシカルボニル基である。
式(I)、(II)及び(III)に於ける基 で示されるO−アシル基の例には、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、バレリル等、及び、ハロゲン、C1−C4
アルコキシ、C1−C4アルキル又はニトロによって置換さ
れることもあるベンゾイル、並びにメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル及びt−ブトキシカルボニルな
どのC1−C4アルコキシカルボニル基、並びにp−ニトロ
ベンジルオキシカルボニルなどの、フェニル基がニト
ロ、C1−C4アルコキシ、ハロゲン又はC1−C4アルキルに
よって置換されることもある置換ベンジルオキシカルボ
ニル、並びに4−クロロフェノキシカルボニル、ベンタ
クロロフェノキシカルボニル、4−ブロモフェノキシカ
ルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニルなどの、ハ
ロゲン、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル又はニトロ
によって置換されることもあるフェノキシカルボニル
基、並びに同様のアシル基が挙げられる。
本発明の方法によって提供される4−ハロメチルアゼチ
ジン−2−オン類を、下記の表に示す(表中、R、R1
R2及びXは、式(II)及び(III)に於ける定義と同意
義である)。
本発明に於いて出発物質として使用される、式(I)で
示されるα−(保護アミノ)−β,γ−不飽和O−アシ
ルヒドロキサメート類は、既知の方法によって得られ
る。このような方法のひとつは、式: で示されるアミノ保護・L−メチオニンを、過ヨウ素酸
ナトリウムなどの酸化剤を用いて対応するスルフォキシ
ドに変換する方法である。このスルフォキシドを、下記
の反応式のように温度約180℃から約190℃の範囲に加熱
することによって熱分解し、β,γ−不飽和エステルを
生成させる。
この工程は、ラポポート(Rapoport,H.)らのジャーナ
ル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Che
m.),45,4817(1980)に記載の工程の変法である。
エステル基R4を加水分解によって取り除き、得られた不
飽和の酸を、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒド
ロキシフタルイミド又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ールから製造されるような容易に置換できるエステル基
を用いて再度エステル化する。この置換できるエステル
体をヒドロキシルアミンと反応させれば、式: で示される対応するヒドロキサム酸が得られる。
次いで、得られたヒドロキサム酸を酸無水物、例えば無
水酢酸若しくは無水安息香酸を用い、又はクロロギ酸エ
チル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸フェニル、ク
ロロギ酸ペンタクロロフェニル若しくはクロロギ酸ベン
ジルのようなハロゲン化ギ酸アルキル、ハロゲン化ギ酸
フェニル又はハロゲン化ギ酸置換フェニルを用いてアシ
ル化すれば式(I)で示される化合物が得られる。
本発明の方法によって製造される3β−(保護アミノ)
−4β−ハロメチル−1−アシロキシアゼチジン−2−
オン(式(II))又はトランス・アゼチジノン(式(II
I))は、既知の方法によって以下の式で示される対応
する1−ヒドロキシアゼチジノンに変換される。
例えば、式(II)で示される化合物に於いて、O−アセ
チルのようなO−アルカノイル置換基は、緩やかな加水
分解条件下で取り除かれ、一方ベンジルオキシカルボニ
ル及びフェノキシカルボニル型のO−アシル基は、5%
Pd−Cのようなパラジウム触媒を用いた水素添加分解に
よって取り除かれる。
1−ヒドロキシル基は、ミラー(Miller)らのJ.Org.Ch
em.,1980,45,410に記載の方法による三塩化チタンを用
いた還元によって取り除かれ、これにより1−非置換・
3β−(保護アミノ)−4β−ハロメチルアゼチジノン
を得ることができる。このようなアゼチジノン類並びに
その1−ヒドロキシ・前駆物質は、ペニシリン及びセフ
ァロスポリン骨格類、カルバペネム類並びに機能的な単
環式β−ラクタム抗生物質の製造に於ける有用な中間生
成物である[例えばミラーらのJ.Org.Chem.,47,4928(1
982)を参照]。
以下に記載の製造例及び実施例により本発明の方法を更
に詳細に述べる。但し、これらは本発明方法の範囲を限
定するものではない。
製造例1 Cbz・ビニルグリシン[式:CH2=CH−CH(NHC
bz)COOH]. .L−メチオニン・メチルエステル. L−メチオニン(50.0g、0.335mol)を無水メチルアル
コール(350ml)に懸濁させ、この懸濁液を0℃に冷却
した。この懸濁液に、撹拌しながら1時間かけて塩化チ
オニル(28.2ml、0.38mol、1.1当量)を滴加し、得られ
た透明な溶液を室温で14時間撹拌した。この溶液を回転
エバポレーターによって蒸発させてメチルアルコール約
200mlを除去し、得られた濃縮物にジエチルエーテル400
mlを加えた。この混合物を冷蔵庫内で4時間保存し、析
出したL−メチオニン・メチルエステル塩酸塩の白色結
晶を濾取した。その後、濾液から2番晶としてエステル
の塩酸塩を得た。生成物の全収量は67.0gであった。
NMR:(D2O)δ2.06(s,3H)、2.1−2.46(m,2H)、2.46
−2.83(m,2H)、3.86(s,3H)、4.23−4.46(t,1H)。
1R:3300−2400(v.ブロード)、2000、1743cm-1 .Cbz保護L−メチオニン・メチルエステル. 前記Aに記載のように製造したL−メチオニン・メチル
エステル塩酸塩(45.0g、0.225mol)を精製せずに用
い、これを水350mlに溶解し、4N水酸化ナトリウムを用
いて溶液のpHを7.0に調節した。この溶液に、撹拌しな
がら注意して重炭酸ナトリウム(66.2g、0.788mol、3.5
当量)を加えた後、正味のクロロギ酸ベンジル(0.2475
mol、1.1当量)を加え、得られた白色懸濁液を室温で一
夜撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル100mlを用い
て10回抽出し、抽出液をまとめて水100ml容量で2回、
5%塩酸溶液50mlで4回、食塩水100mlで2回順次洗浄
し、これを硫酸マグネシウムで乾燥して濾過し、回転エ
バポレーターで蒸発させてCbz保護L−メチオニン・メ
チルエステル70.2gを得た。この生成物には幾分かのベ
ンジルアルコールとクロロギ酸ベンジルとが混在してい
た。
NMR:(CDCl3/TMS)δ2.03(S,3H)、1.83−2.33(m,2
H)、2.33−2.63(m,2H)、3.72(s,3H)、4.33−4.63
(m,1H)、5.1(s,2H)、5.4−5.67(ブロード(巾広
い)d,1H)、7.4(s,5H)。
IR:3400ブロード、1745(肩)及び1720cm-1 .Cbz保護L−メチオニン・メチルエステル・スルホキ
シド. 前記Bで得られた粗生成物(70g、0.225mol)をメチル
アルコール500mlに溶解し、得られた透明な溶液を0℃
に冷却した。この溶液を撹拌しながら過ヨウ素酸ナトリ
ウム51.1gの水溶液(500ml)を1.5時間かけて滴加し
た。数分以内に過ヨウ素酸塩の白色沈澱物が析出し始
め、撹拌を続けながら反応混合物を10時間かけて室温ま
で昇温させた。沈澱物を濾取し、メチルアルコール100m
lで洗浄した。濾液を蒸発させて低容量にし、得られた
水性濃縮物を塩化ナトリウムで飽和させ、次いで酢酸エ
チル75ml容量で10回抽出した。抽出液をまとめ、水50ml
で2回、食塩水100mlで2回順次洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥して蒸発させることにより、油状物質状の生
成物を得た。この油状物質を撹拌しながら減圧下(0.1m
m)で100℃に加熱することで揮発性の不純物を除去し
た。これにより赤茶色の粘着性油状物質として部分的に
純粋な生成物を59.93g得た。
NMR:(CDCl3)δ2.00−2.5(m,2H)、2.53(s,3H)、2.
56−2.90(m,2H)、3.75(s,3H)、4.26−4.6(m,1
H)、5.1(s,2H)、6.23−6.83(ブロードd,1H)、7.38
(s,5H)。
IR:3250ブロード、1730(肩)、1720cm-1 .Cbz保護ビニルグリシン・メチルエステル. 前記Cで得られたメチオニンスルフォキシド・メチルエ
ステル生成物(粗製)6.38mmolを10ml用フラスコ中で激
しく撹拌しながら温度180℃から190℃で1.5時間から2
時間加熱した。反応の経過を薄層クロマトグラフィーに
よって追った。出発物質が完全に消失して(TLC確
認)、得られた油状物質を室温まで冷却した。これによ
り、赤茶色の油状物質として純粋でないビニルグリシン
・エステル生成物を1.4g得た。
この油状物質のNMRスペクトル分析により、約10−15%
のα,β−不飽和異性体の存在が確認された。
NMR(粗生成物として):(CDCl3)δ3.70(s,3H)、4.
76−5.03(ブロードm,1H)、5.03−5.5(m,4H)、5.6−
6.3(m,2H)、7.35(s,1H)。
IR:3250ブロード、1735cm-1 .Cbz保護ビニルグリシン. 前記Dで得られた粗生成物1.4gを5%塩酸:氷酢酸(1:
1)50mlに溶解し、この溶液を還流温度で50−70分間加
熱した。ビニルグリシン・メチルエステルが反応し終わ
った後(薄層クロマトグラフィーにより確認)、この混
合物を室温まで冷却した。この混合物を蒸発させて酢酸
を除去し、得られた水性残留物を塩化ナトリウムで飽和
させた後、酢酸エチル50ml容量で5回抽出した。抽出液
をまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発さ
せて油状物質を得た。この油状物質をシリカゲルクロマ
トグラフィー(溶出液;酢酸エチル−ヘキサン(10%か
ら30%))にかけた。生成物を含有する分画を蒸発さ
せ、酢酸エチル−ヘキサン溶液から結晶化させて極めて
淡い黄色のフレーク状生成物、Cbz保護ビニルグリシン
(融点約119℃から約121℃)を得た。
NMR:δ4.8−5.33(m,5H)、5.53−6.17(m,2H)、7.35
(s,5H)、10.5(ブロード1H)。
IR:3600−2400(v,ブロード)、1725cm-1
製造例2 Cbz保護ビニルグリシン・N−(ベンジルオ
キシカルボニルオキシ)アミド. .Cbz保護ビニルグリシン・N−ヒドロキシスクシンイ
ミド・エステル. 製造例1に記載のように製造したCbz保護ビニルグリシ
ン(0.7g、2.98mmol)を乾燥塩化メチレン30mlに溶解
し、この溶液を0℃に冷却した。この溶液を乾燥状態に
維持しつつ、N−ヒドロキシスクシンイミド(0.388g、
3.27mmol)を加え、次いでジシクロヘキシカルボジイミ
ド(DCC)(0.7368g、3.57mmol)の乾燥塩化メチレン10
ml溶液を加えた。DCC溶液の添加は30分かけて行なっ
た。反応混合物を室温まで昇温させ、4時間撹拌した。
ジシクロヘキシル尿素の沈澱物を濾別し、濾液を酢酸エ
チル200mlで希釈した。この希釈した混合物を水30mlで
2回、食塩水50mlで1回順次洗浄し、乾燥して減圧下に
蒸発させて残留物として油状物質を得た。この油状物質
をベンゼン10mlに溶解して濾過し、残存するジシクロヘ
キシル尿素を除去した。ベンゼンを濾液から留去し、得
られた油状物質を再度ベンゼンに溶解し、この溶液を再
び濾過して更に尿素を除去した。得られた濾液を蒸発さ
せ、約5%のジシクロヘキシル尿素が混在している(NM
R確認)スクシンイミド・エステル1.06gを極めて淡黄色
の油状物質として得た。 .Cbz保護ビニルグリシン・N−ヒドロキサミド. 前記Aにより製造した、純粋でないスクシンイミド・エ
ステル(1.06g、2.98mmol)を、ヒドロキシルアミン塩
酸塩(0.62g、8.93mmol)のTHF:水(1:1)混合液50ml溶
液に加えた。次いで、炭酸ナトリウム(1.5g、17.85mmo
l)を加え、得られた反応混合物を室温で4時間撹拌し
た。スクシンイミド・エステルが完全に反応したことを
薄層クロマトグラフィーで確認して、この反応混合物を
酢酸エチル250mlで希釈した。この混合物を2%塩酸溶
液30mlで3回、水25mlで2回、食塩水25mlで3回順次洗
浄し、乾燥して蒸発させた。これにより、若干茶色がか
った黄色の油状物質として、純粋でないN−ヒドロキサ
ミド誘導体0.58gを得た。
NMR:(CDCl3)δ4.67−6.33(ブロードm,7H)、7.30
(s,5H)、8−9(ブロード1H)。
IR:3650−2500(v,ブロード)、1690、1625(肩)c
m-1
得られたこのN−ヒドロキサミド生成物(100%純粋物
として0.58g、2.32mmol)を、これを製造した直後にア
セトニトリル25mlに溶解し、この溶液を0℃に冷却し
た。撹拌しながら、ピリジン(0.2ml、2.43mmol)を加
えた後、クロロギ酸ベンジル(0.35ml、2.32mmol)を加
えた。この反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、酢酸
エチル150mlで希釈した。この溶液を水、2%塩酸水溶
液、食塩水で順次洗浄し、乾燥して蒸発させた。得られ
た残留物を塩化メチレン−ヘキサンから結晶化させ、白
色結晶としてN−ベンジルオキシカルボニルオキシ誘導
体0.63gを得た。この生成物には約5%のジシクロヘキ
シル尿素が混在していた。
NMR:(CDCl3)δ4.75−6.4(重なったm,7N)、7.35(d,
10H)。
実施例1 1−ベンジルオキシカルボニルオキシ−3β
−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4β−ブロモメチ
ルアゼチジン−2−オン. 前記製造例2に記載した方法で製造したCbz保護ビニル
グリシン誘導体(0.40g、1.04mmol)をアセトニトリル4
0mlに溶解し、得られた溶液を約4℃に冷却した。この
溶液に炭酸カリウム(0.151g、1.09mmol)を加えた後、
水2.5mlを加えた。添加が終わった後、得られた混合物
を1分間激しく撹拌し、次いでアセトニトリル12ml中、
臭素58.7μ(1.14mmol)の溶液を滴加した。反応混合
物を5分間激しく撹拌し、次いで緩やかに2分間撹拌し
た後、酢酸エチル200mlで希釈した。得られた混合物を
水、10%亜硫酸ナトリウム溶液30ml、食塩水を用いて順
次洗浄し、乾燥して減圧下に蒸発させて油状物質とし
た。この油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーにか
け(酢酸エチル−ヘキサン(8から25%)で溶出)、2
つの分画を得た。1番目の分画は、式: で示されるシス型異性体の生成物(純粋物)を含有して
いた。塩化メチレン−ヘキサンからこのシス型異性体の
結晶を得た:白色結晶0.186g。
NMR:(300MHz,CDCl3)δ3.35−3.6(m,2H)、4.45−4.5
8(m,1N)、5.15(s,2H)、5.1−5.25(m,シングレット
の重なり,1H)、5.27(s,2H)、5.75−5.87(ブロード
d,1H)、7.3−7.45(d,10H)。
IR:1818、1790、1725cm-1
2番目の分画から、前記のシス型異性体と、トランス型
異性体と思わせる少量の物質との混合物である無色の油
状物質を得た。
実施例2 1−ベンジルオキシカルボニルオキシ−3β
−ベンジル−4α−ブロモメチルアゼチジン−2−オ
ン. .2−ベンジルブタ−3−エン酸(1.1g、6.24mmol)
を、セプタム(septum)と磁気撹拌棒を有する乾燥フラ
スコに入れ、このフラスコを、氷浴を用いて0℃に冷却
した。正味の塩化オキサリル(0.59ml、6.86mmol)をフ
ラスコに入れ、氷浴を取い除いた。この混合物を室温で
8時間撹拌し、黄色油状物質として酸クロリドを得た。
NMR(CDCl3/TMS):δ2.76−3.07(m,2H)、3.23−3.9
(q,1H)、5.06−5.43(m,2H)、5.63−6.10(m,1H)、
7.28(s,1H)。 .ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.455g、6.55mmol)の
無水メチルアルコール(25ml)溶液と水酸化カリウム
(0.85g、12.8mmol)の無水メチルアルコール(25ml)
溶液とを0℃に冷却し、一緒に混合した。この混合溶液
に、2−ベンジルブタ−3−エン酸クロリド(前記Aに
記載の如く製造)の乾燥THF(10ml)溶液を0℃で撹拌
下に添加した。冷浴を取り除き、この混合物を室温で20
分間撹拌した。混合物のpHを5%塩酸を用いて4.0に調
節し、この混合物を蒸発させてメチルアルコールを留去
させた。得られた水性濃縮物を塩化ナトリウムで飽和さ
せ、酢酸エチル75mlを用いて4回抽出した。これら抽出
液をまとめ、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
して濾過し、蒸発乾固した。これにより得られた2−ベ
ンジルブタ−3−エン酸・N−ヒドロキサミド(淡い茶
色がかった黄色の油状物質)を精製せずに、次の工程に
使用した。 .前記Bで得られた粗製のN−ビドロキサミド(約6.
24mmol)をアセトニトリル25mlに溶解して0.25M溶液を
調製し、この溶液を0℃に冷却した。この冷溶液にピリ
ジン(0.53ml、6.55mmol)を撹拌しながら加えた後、正
味のクロロギ酸ベンジル(6.87mmol)1.03mlを加えた。
この混合物を徐々に室温まで昇温させながら1時間撹拌
した。この混合物を酢酸エチル200mlで希釈し、得られ
た溶液を水30mlで2回、10%クエン酸水溶液25mlで2
回、食塩水50mlで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
した。この乾燥剤を濾別し、得られた濾液を蒸発させ、
黄色油状物質としてN−ベンジルオキシカルボニルオキ
シアミド2.1gを得た。得られた生成物をシリカゲルクロ
マトグラフィー(5%から15%の酢酸エチル−ヘキサン
で溶出)によって精製し、式: で示される精製N−ベンジルオキシカルボニルオキシ−
2−ベンジルブタ−3−エン酸アミド1.12gを得た。
NMR(CDCl3−TMS):δ2.73−3.30(m,3H)、4.96−5.5
(m,4H)、5.63−6.10(m,1H)、7.0−7.6(m,10H)、
9.3(ブロード,1H)。
IR:3700−2400cm-1(v,ブロード)、1800−1680cm-1、1
640cm-1(肩)。 .ヒドロキサメートC(0.2053g、0.6mmol)をアセト
ニトリル10mlに溶解し、炭酸カリウム87mg(0.66mol)
を加えた後、水2mlを加えた。この混合物を室温で1分
間激しく撹拌し、得られた溶液に、アセトニトリル(5m
l)中、臭素0.69mmolの溶液を、非常に激しく撹拌させ
ながら2.5分間かけて滴加した。添加後、この混合物を
1分間撹拌し、酢酸エチル150mlで希釈して得られた溶
液を、水25mlで2回、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液25
ml、食塩水30mlで順次洗浄し、乾燥して濾過した。この
乾燥溶液から溶媒を留去し、得られた、標題化合物を含
有する残留物をシリカクロマトグラフィー(20%から40
%の酢酸エチル−ヘキサンで溶出)にかけた。これによ
り、式: で示される純粋な(+,−)標題化合物0.196gを無色の
油状物質として得た(収率77%)。
NMR(300MHz,CDCl3):δ2.96−3.10(m,1H)、3.15−
3.3(m,2H)、3.33−3.55(ddd,2H)、4.07−4.19(m,1
H)、5.3(s,2H)、7.2−7.53(m,10H)。
IR:1810、1785cm-1
実施例3 1−ベンジルオキシカルボニルオキシ−4−
ブロモメチルアゼチジノン. N−ベンジルオキシカルボニルオキシ・ブタ−3−エン
酸アミド(0.3g、1.28mmol)のアセトニトリル(20ml)
溶液に、炭酸カリウム0.1857g(1.36mmol)を加えた
後、水2mlを加えた。この混合物を1分間激しく撹拌
し、この激しい撹拌を続けたままN−ブロモスクシンイ
ミド0.2383g(1.34mmol)のアセトニトリル(5ml)溶液
を5分間かけて滴加した。添加後、10分間撹拌を続け、
次いで混合物を酢酸エチル200mlで希釈した。この溶液
を水、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次
洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。溶媒を
留去させ、淡黄色油状物質として標題化合物を0.4686g
得た。この生成物には、少量のスクシンイミドとN−ヒ
ドロキシ−4−ブロモメチルアゼチジノンとが混在して
いた。
実施例4 N−ベンジルオキシカルボニルオキシ−4−
(2−ブロモプロピル)アゼチジノン. .N−ベンジルオキシカルボニルオキシ−トランス−ヘ
キサ−3−エン酸アミド. トランス−ヘキサ−3−エン酸(10.0g、87.61mmol)を
以下の工程によりヒドロキサム酸に変換した:1)塩化オ
キサリルを用いて酸クロリドを製造する、2)得られた
酸クロリドをヒドロキシルアミン塩酸塩と、メチルアル
コール中、0℃で過剰の水酸化カリウムの85%メチルア
ルコール溶液を加えて反応させる。
得られた粗製のヒドロキサム酸(結晶化していない)を
乾燥テトラヒドロフラン150mlに溶解し、得られた溶液
を0℃に冷却した。この冷溶液にピリジン(7.44ml、92
mmol)を撹拌しながら加え、5分後、ベンジルオキシカ
ルボニル・クロリド(13.1ml、87.6mmol、純度95%)を
加えた。この反応混合物を0℃で40分間撹拌し、次いで
酢酸エチル300mlとヘキサン150mlとを用いて希釈した。
この溶液を水50mlで2回、1N塩酸50mlで2回、再度水50
mlで、更に食塩水50mlで洗浄し、次いで亜硫酸マグネシ
ウムを用いて乾燥した。溶媒を留去し、固形状残渣とし
てN−ベンジルオキシカルボニルオキシアミドを得た。
この生成物を酢酸エチル−ヘキサンに溶解し、得られた
溶液を室温から0℃に冷却して3番晶まで結晶化させ
た。1番晶からは白色結晶の生成物(18.35g、収率76.6
%)を得、2番晶及び3番晶からは淡黄色の結晶を得
た。
N−ベンジルオキシカルボニルオキシ・トランス−ヘキ
サ−3−エン酸アミド(0.3168g、1.20mmol)をアセト
ニトリル20mlに溶解し、この溶液を0℃に冷却した。炭
酸カリウム(0.1696g、1.23mmol)を加え、次いで水7ml
を加えた。添加の間、溶液を激しく撹拌しておき、その
後1分間撹拌した。次いで、激しく撹拌させながら臭素
のアセトニトリル5ml溶液を4分間かけて滴加した。1
分間撹拌させた後、溶液を酢酸エチル150mlで希釈し、
水25ml、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液30ml、次いで食
塩水30mlを用いて洗浄した。この溶液を乾燥し、濾過し
て蒸発させ、淡黄色油状物質として標題化合物を得た。
この油状物質をシリカクロマトグラフィー(10%から4
0.1%の酢酸エチル−ヘキサンで溶出)にかけた。これ
により、式: で示される生成物を淡黄色油状物質として0.217g(収率
52.8%)得た。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): で示されるβ,γ−不飽和O−アシルヒドロキサメート
    を弱塩基の存在下、陽性ハロゲン試薬と不活性溶媒中で
    混合させることからなる式: [上記の式中、Rは保護アミノ、低級アルキル又はフェ
    ニル置換低級アルキルであり、 R1はC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、フェニル、フ
    ェノキシ、ベンジルオキシであるか、又は、低級アルキ
    ル、低級アルコキシ、ハロゲン若しくはニトロによって
    置換されているフェニル、フェノキシ又はベンジルオキ
    シであり、 R2は水素、低級アルキル、CH2mCHO、CH2nO
    R2′、CH2pX′、CH2q−CO2R2″又は−CH=CH
    −R3(ここで、R2′とR2″はそれぞれヒドロキシ保護基
    とカルボキシ保護基を、X′はクロロ、ブロモ又はヨー
    ドを、m、n、p及びqは各々0、1又は2を、R3は水
    素、低級アルキル、−CO2R2″、フェニル、m(C1−C4
    アルコキシ)フェニル又はフリルを示す)であり、 Xはクロロ、ブロモ又はヨードである。 但し、Rが保護アミノ基の場合は、4−ハロメチルアゼ
    チジノンは式(II): で示されるシス−3,4−二置換アゼチジノンであり、R
    が保護アミノ基以外の場合は、4−ハロメチルアゼチジ
    ノンは式(III): で示されるトランス−3,4−二置換アゼチジノンであ
    る。] で示される化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】Rが保護アミノ基である第1項に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】陽性ハロゲン試薬がCl+、Br+又はI+を提供
    するものである第1項又は第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】Xがブロモである第1項又は第3項に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】Rが保護アミノ基以外の基である第1項に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】Rが式:R′−O−C(O)−[式中、R′
    はC1−C6アルキル、ハロゲン置換C1−C6アルキル、C2
    C6アルケニル、C3−C7シクロアルキル、イソボルニル、
    アダマンチル、ベンジル、ジフェニルメチルであるか、
    又はC1−C10アルキル、C1−C4アルコキシ、ニトロ若し
    くはハロゲンによって一置換あるいは二置換されている
    ベンジル又はジフェニルメチル基である] で示される基によって保護されているアミノ基である第
    1項又は第2項に記載の方法。
  7. 【請求項7】R2が水素又は低級アルキルである第2項に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】R1がベンジルオキシ又は置換ベンジルオキ
    シである第2項に記載の方法。
  9. 【請求項9】Rがエチル又はベンジルである第1項又は
    第5項に記載の方法。
  10. 【請求項10】R′がベンジル又は置換ベンジルであ
    り、R1がベンジルオキシ又は置換ベンジルオキシであ
    り、Xがブロモであり、R2が水素である化合物の第1項
    又は第6項に記載の製造方法。
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