JPH0779809A - 対面係合ファスナー部材 - Google Patents

対面係合ファスナー部材

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JPH0779809A
JPH0779809A JP5210638A JP21063893A JPH0779809A JP H0779809 A JPH0779809 A JP H0779809A JP 5210638 A JP5210638 A JP 5210638A JP 21063893 A JP21063893 A JP 21063893A JP H0779809 A JPH0779809 A JP H0779809A
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face
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fastener member
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JP5210638A
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English (en)
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Shinji Torigoe
伸二 鳥越
Jiro Hattori
二郎 服部
Tokuhito Shibahara
徳人 柴原
Naganari Sawajiri
修成 澤尻
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3M Co
Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B18/00Fasteners of the touch-and-close type; Making such fasteners
    • A44B18/0046Fasteners made integrally of plastics
    • A44B18/0061Male or hook elements
    • A44B18/0065Male or hook elements of a mushroom type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B5/00Joining sheets or plates, e.g. panels, to one another or to strips or bars parallel to them
    • F16B5/07Joining sheets or plates, e.g. panels, to one another or to strips or bars parallel to them by means of multiple interengaging protrusions on the surfaces, e.g. hooks, coils

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有頭突子の撓曲に対する耐久性を高め、以て
頻繁に脱着を繰り返したときの係着保持力の低下を抑制
できる対面係合ファスナー部材を提供する。 【構成】 ファスナー部材10は、基部12と、基部1
2に所定の離間配置で立設される複数の有頭突子14と
を備える。有頭突子14は、基端22にて基部12から
略直立状に突出する脚部16と、脚部16の末端24に
連結される頭部18とを備える。有頭突子14は、その
基端22において表面が曲面状に延びて基部12の主要
面20に連結される。それにより、基部12と有頭突子
14の脚部16との連結領域に、所定の曲率を有する隅
部26が形成される。隅部26は、脚部16が弾性的に
撓曲する際に、有頭突子14に内部応力を分散的に発生
させ、以て基部12と脚部16との連結領域への応力集
中を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対面係合ファスナー部
材に関する。
【0002】
【従来の技術】主要面に複数の有頭突子を有した同一形
状の2つの対面係合ファスナー部材を、各々の主要面を
対向させて相互に圧着することにより、それらファスナ
ー部材をそれぞれに固定した2物体を脱着可能に係着す
るファスナーは、既に知られている。この種の同一形状
の対面係合ファスナー部材の組合せからなる従来のファ
スナーを、図5に示す。このファスナーは、一般に高分
子材料の一体成形品からなる一対の対面係合ファスナー
部材1を備える。各ファスナー部材1は、基部2と、基
部2に所定の離間配置で立設される複数の有頭突子3と
を備える。各々の有頭突子3は、基部2の主要面4から
略直立状に突出する脚部5と、脚部5の末端に連結され
る頭部6とを備える。脚部5は、一般に円柱又は角柱形
状を有し、基部2の主要面4との連結領域においては、
主要面4と脚部5の表面とが略直角に交差する。各有頭
突子3の頭部6は、脚部5に隣接し、脚部5の外表面か
ら半径方向外方へ延びる略平坦な底面7と、底面7に関
して脚部5の反対側に配置され、1つの頂点を有して隆
起する頂面8とを備える。
【0003】一対の対面係合ファスナー部材1を相互に
係着する際は、それぞれの有頭突子3を相互に対向させ
て各基部2を略平行に配置する(図5(a))。その状
態で、各基部2に相互接近方向へ所定圧力を加えると、
一方のファスナー部材1の有頭突子3の頭部6は、頂面
8にて他方のファスナー部材1の有頭突子3の頭部6の
頂面8に接触かつ摺動し、それにより双方の有頭突子3
の脚部5を弾性的に撓曲しつつ、他方のファスナー部材
1の有頭突子3の隣接する脚部5の間に進入する(図5
(b))。この状態で、一方のファスナー部材1の複数
の有頭突子3は、その頭部6の底面7にて、他方のファ
スナー部材1の各有頭突子3の頭部6の底面7に係合す
る。このようにして、一対の対面係合ファスナー部材1
が相互に係着される。なお、相互係着された両ファスナ
ー部材1は、各基部2に分離方向へ所定の引っ張り力を
加え、両者の有頭突子3の脚部5を弾性的に撓曲しつつ
頭部6を引き抜くことにより、解離される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の対面係合ファス
ナー部材は、上記のように有頭突子の脚部が弾性的に撓
曲することにより、係合相手のファスナー部材との間で
有頭突子の頭部同士が係合し、かつ分離する。このと
き、ファスナー部材同士の脱着を繰り返すと、基部の主
要面と有頭突子の脚部との連結部分が弾性限度を超えて
変形し、亀裂や破断等の損傷を生じることがある。その
場合、ファスナー部材同士の係着に要する圧着力、及び
解離に要する抜脱力が低下し、ファスナーの性能として
重要な係着保持力が低下する課題が生じる。
【0005】本発明の目的は、複数の有頭突子を備えた
対面係合ファスナー部材において、有頭突子の撓曲に対
する耐久性を高め、以て頻繁に脱着を繰り返したときの
係着保持力の低下を抑制できる対面係合ファスナー部材
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、従来
の対面係合ファスナー部材が基部と有頭突子との連結領
域に損傷を生じ易いのは、主として、基部の主要面と有
頭突子の脚部の表面とが略直角に交差して連結されるこ
とに起因すると判断した。このような直交連結は、有頭
突子に外力が加わったときに、基部の主要面と有頭突子
の脚部の表面との連結領域に内部応力を集中させるので
ある。
【0007】したがって上記目的を達成するために、本
発明は、主要面を有する基部と、基部の主要面に基端に
て連結される脚部及び脚部の末端に連結される頭部を各
々に備えて、基部に所定の離間配置で立設される複数の
有頭突子とを具備する対面係合ファスナー部材におい
て、有頭突子の脚部が弾性的に撓曲したときの、脚部の
基端と基部の主要面との連結領域への応力集中を軽減す
る手段を備えたことを特徴とする対面係合ファスナー部
材を提供する。
【0008】応力集中を軽減する手段は、基端における
脚部の表面と基部の主要面との連結領域に所定の曲率を
有して形成される隅部を具備してもよい。また、応力集
中を軽減する手段は、脚部の末端よりも大きな横断面積
を呈して基端に形成される拡張部を具備することもでき
る。さらに、破壊的に脱離可能な脚部用鋳型を使用した
射出成形工程によって基部と有頭突子の脚部及び頭部と
が一体的に形成されることが好ましい。
【0009】また、上記の対面係合ファスナー部材は、
a)基部を成形するための空間を備えた恒久的な基部用
鋳型と、有頭突子の脚部を成形するための複数の空間を
備えた破壊的に脱離可能な脚部用鋳型と、有頭突子の頭
部を成形するための複数の空間を備えた恒久的な頭部用
鋳型とを用意し、b)基部を成形するための空間と脚部
を成形するための複数の空間とを流体の流通が可能なよ
うに連結しつつ、基部用鋳型に隣接して脚部用鋳型を固
定し、かつ、脚部を成形するための複数の空間と頭部を
成形するための複数の空間とを流体の流通が可能なよう
に連結しつつ、脚部用鋳型に隣接して頭部用鋳型を固定
し、c)基部用鋳型、脚部用鋳型及び頭部用鋳型のいず
れか1つに設けた導入路を通して、溶融した高分子材料
を、基部用鋳型、脚部用鋳型及び頭部用鋳型の各々の空
間内に流し込み、d)基部用鋳型、脚部用鋳型及び頭部
用鋳型の中で、高分子材料から対面係合ファスナー部材
を成形し、e)脚部用鋳型及び成形された対面係合ファ
スナー部材から、基部用鋳型と頭部用鋳型とを取り外
し、f)成形された対面係合ファスナー部材から脚部用
鋳型を破壊的に脱離する、各ステップを有した方法によ
って製造されることが好ましい。
【0010】
【作用】有頭突子の脚部の基端と基部の主要面との連結
領域への応力集中を軽減する手段は、脚部が弾性的に撓
曲したときに連結領域に集中しがちな内部応力を、連結
領域から外方へ分散的に発生させる。その結果、他の対
面係合ファスナー部材との圧着時又は抜脱時に、有頭突
子の脚部の基端と基部の主要面との連結領域への応力集
中が軽減され、以て、脚部の基端と基部の主要面との連
結領域における亀裂や破断等の損傷の発生が防止され
る。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に示した好適な実施例に基づ
き、本発明をさらに詳細に説明する。図面を参照する
と、図1は本発明の実施例による対面係合ファスナー部
材10(以下、ファスナー部材10という)を示す。フ
ァスナー部材10は、好ましくは高分子材料の一体成形
品からなり、略平坦な板状の基部12と、基部12に所
定の離間配置で立設される複数の有頭突子14とを備え
る。各有頭突子14は、基部12から略直立状に突出す
る脚部16と、脚部16の先端に脚部16の外表面から
膨出する輪郭を有して形成される頭部18とを備える。
脚部16は、基部12の主要面20に連結される基端2
2と、頭部18に連結される末端24とを有する。
【0012】図2に拡大して示すように、有頭突子14
の脚部16は略円柱形状を有し、その基端22において
表面が曲面状に延びて基部12の主要面20に連結され
る。その結果、基部12と有頭突子14の脚部16との
連結領域には、所定の曲率を有する隅部26が形成され
る。隅部26は、有頭突子14に外力が加わって脚部1
6が弾性的に撓曲する際に、有頭突子14に内部応力を
分散的に発生させ、以て基部12と脚部16との連結領
域への応力集中を軽減する。好適な実施例において、隅
部26は、脚部16の基端22の全周に亙って形成され
る(図1参照)。それにより、脚部16がいかなる方向
へ撓曲しても、基部12と脚部16との連結領域への応
力集中を軽減することができる。あるいは、基端22の
周囲に断続的に隅部26を設けることによっても、応力
集中を軽減することは可能である(図2参照)。また、
円柱状の脚部だけでなく、楕円柱や角柱状の脚部にも、
所定の曲率を有する隅部を形成することができる。
【0013】有頭突子14の脚部16の基端22に設け
た隅部26は、好ましくは0.1〜0.5mmの範囲の曲
率半径を有する。曲率半径が0.1mm未満では、応力集
中を充分に軽減することが困難であり、また0.5mmを
超えると、反作用として脚部16の末端24における頭
部18との連結領域に応力が集中し、その連結領域に損
傷を及ぼす危惧が生じる。
【0014】図3は、本発明の他の実施例による対面係
合ファスナー部材28を示す。ファスナー部材28は、
図1のファスナー部材10と同様に、基部30に所定の
離間配置で立設される複数の有頭突子32を備える。各
有頭突子32は、基部30から略直立状に突出する脚部
34と、脚部34の先端に脚部34の外表面から膨出す
る輪郭を有して形成される頭部36とを備える。脚部3
4は、基部30の主要面38に連結される基端40か
ら、頭部36に連結される末端42に向かって徐々に縮
径された円錐台形状を有する。その結果、脚部34の基
端40に、末端42よりも大きな横断面積を有する拡張
部44が形成される。
【0015】有頭突子32の脚部34の基端40に設け
た拡張部44は、有頭突子32に外力が加わって脚部3
4が弾性的に撓曲する際に、有頭突子32に内部応力を
分散的に発生させ、以て基部30と脚部34との連結領
域への応力集中を軽減する。この場合、脚部34は、円
錐台形状だけでなく、楕円錐台や角錐台形状を有しても
よい。また、脚部34の表面を末端42から基端40へ
向けて湾曲状に拡張したり(図4(a)参照)、脚部3
4を円柱と円錐台との組合せで構成したり(図4(b)
及び(c)参照)することによっても、拡張部44を形
成することができる。しかしながら、内部応力を可及的
均等に分散させるためには、脚部34の表面は円滑に延
びることが好ましい。
【0016】図3に示す有頭突子32の円錐台状脚部3
4において、脚部34の長さを0.5〜3.0mmとした
場合、基端40における拡張部44の直径は、末端42
の直径の1.1〜1.8倍の範囲にあることが好まし
い。この比が1.1未満では、応力集中を充分に軽減す
ることが困難であり、また1.8を超えると、末端42
における頭部36との連結領域に応力集中による損傷を
及ぼす危惧が生じる。
【0017】本発明に係る対面係合ファスナー部材は、
あらゆる寸法及び形状を有することができる。上記実施
例において、基部12,30は、例えば矩形や円形の板
形状等、複数の有頭突子14,32を固定的に保持可能
な寸法及び形状を有して形成されればよい。また、ファ
スナー部材を物体の表面に固定するために、基部12,
30にクリップ等の機械的固定手段を形成することがで
きる。あるいは、感圧粘着剤層を介してファスナー部材
を物体の表面に固定することもできる。
【0018】有頭突子14,32の脚部16,34は、
1つの頭部18,36に対し複数個設けてもよい。頭部
18,36は、各図に示すように、半球状、球状、錐体
状、笠状等の様々な形状を有することができる。例え
ば、円柱状脚部16と半球状頭部18とを有する有頭突
子14において、脚部16の直径は、充分な係着保持力
を得るために、頭部18の直径の20〜70%の範囲に
あることが好ましい。また、頭部18,36の外周縁
は、係着相手の有頭突子の頭部との相互係合中に擦過音
を低減するために、鋭角部分を排除して形成することが
望ましい(図4(a)参照)。さらに、係着に要する圧
着力を低減するために、頭部18,36に窪部や切欠き
部を設けることもできる。
【0019】本発明に係る対面係合ファスナー部材は、
様々な材料から形成することができる。上記実施例にお
いて、例えば基部12,30及び有頭突子14,32に
は、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹脂等の高
分子材料が使用できる。特にポリアミド樹脂は、耐熱
性、機械的強度、及び射出成形特性に優れるので好適な
材料である。また、周知のように、可塑剤や補強材の添
加により材料の曲げ弾性率を適宜修正、改変することも
できる。さらに、基部12,30に不織布や織物を使用
して、ファスナー部材に適度の柔軟性を付与することも
できる。基部12,30の裏面に金属層を積層すれば、
ファスナー部材を物体に固定したときに、物体への接地
を得ることができるだけでなく、粘着剤層による粘着力
を向上させることができる。
【0020】基部12,30と有頭突子14,32と
は、同一又は異なる高分子材料から形成することができ
る。特に有頭突子14,32は、ASTM試験法D79
0に基づく測定での曲げ弾性率が、1000〜1000
00kgf/cm2 の範囲にある材料から形成されることが好
ましい。また、有頭突子14,32の脚部16,34
は、耐久性を向上させるために、頭部18,36とは異
なる高強度材料から形成することもできる。
【0021】本発明に係る対面係合ファスナー部材は、
様々な方法によって形成することができる。特殊な形状
を有する有頭突子群を容易に形成するためには、破壊的
に脱離可能な脚部用鋳型を使用した射出成形工程によっ
て、基部及び有頭突子を一体的に形成する方法が有利で
ある。この方法を以下に簡単に説明する。
【0022】まず、対面係合ファスナー部材の基部を形
成するための鋳型空間を備えた基部用金型と、有頭突子
の脚部を成形するための複数の鋳型空間を備えた脚部用
鋳型と、有頭突子の頭部を成形するための複数の鋳型空
間を備えた頭部用金型とを用意する。基部用金型及び頭
部用金型は、成形された対面係合ファスナー部材から破
壊することなく脱離される恒久的鋳型である。他方、脚
部用鋳型は、成形された対面係合ファスナー部材から後
述するようにして破壊的に脱離される鋳型である。
【0023】脚部用鋳型は、対面係合ファスナー部材を
成形するための射出成形工程において、中子として機能
し得る充分な耐久性を有するとともに、対面係合ファス
ナー部材の成形後に、様々な手段によって対面係合ファ
スナー部材から破壊的に脱離し得るものである。例えば
脚部用鋳型は、水やアルコール等の溶剤による溶解、融
解、破壊、超音波等による粉砕、切削等の様々な機械的
又は化学的手段によって、対面係合ファスナー部材に損
傷を加えることなく脚部の周囲から脱離される。好適な
実施例では、脚部用鋳型は水溶性材料から形成される。
この場合、脚部用鋳型は、水又は温水に浸漬して振動を
加えることにより、対面係合ファスナー部材から除去さ
れる。
【0024】脚部用鋳型は、基部用金型と頭部用金型と
の間に固定的に配置される。このとき、基部用金型の鋳
型空間と脚部用鋳型の複数の鋳型空間と頭部用金型の複
数の鋳型空間とを、流体の流通が可能なように相互に連
結する。この状態で、例えば基部用金型に設けた導入路
を通して、溶融した高分子材料を鋳型空間に流し込む。
基部用金型の鋳型空間に注入された溶融材料は、鋳型空
間に充満して基部を形成し、次いで脚部用鋳型の複数の
鋳型空間に充満して複数の脚部を形成し、さらに頭部用
金型の複数の鋳型空間に充満して複数の頭部を形成す
る。その後、溶融した高分子材料が固化することによ
り、一端で基部にかつ他端で頭部に連結された複数の有
頭突子を備える対面係合ファスナー部材が成形される。
対面係合ファスナー部材の成形が完了すると、脚部用鋳
型を残して、基部用金型と頭部用金型とを対面係合ファ
スナー部材から取り外す。さらに、上述の様々な方法に
より、対面係合ファスナー部材の有頭突子の脚部の周囲
から脚部用鋳型を破壊的に脱離する。このようにして対
面係合ファスナーが完成する。
【0025】本発明に係る対面係合ファスナー部材の、
有頭突子の撓曲に対する耐久性を向上させる効果を明確
にするために、発明者は以下の実験を行った。 〔実験〕 耐久性試験 本発明に係る対面係合ファスナー部材を、他の対面係合
ファスナー部材に係着した後、オートグラフ(商標名:
形式AGS−100、島津製作所)試験機を使用して、
両ファスナー部材を引張速度100mm/minで解離方向に
引っ張り、両ファスナー部材の有頭突子を抜脱するに要
した引っ張り力、すなわち抜脱力を測定する。その後、
圧着及び抜脱を繰り返してその都度、抜脱力を測定し、
抜脱力が初期値の半分になるまでの、圧着抜脱の回数を
測定する(圧着と抜脱とを行って1回とする)。このよ
うにして測定された抜脱力の半減回数が、30回以上で
ある場合に、本発明が要求する耐久性が得られたものと
する。
【0026】上記の実験を、本発明に係る多様な形状の
脚部の末端に半球形頭部を連結してなる有頭突子を備え
た対面係合ファスナー部材に対して実施した。なお、N
o. 1及びNo. 9は円柱状脚部を備えた従来技術による
比較例である。また、No. 2〜No. 8は図1に示す曲率
付隅部を有した略円柱状脚部、及びNo. 10〜No. 13
は図3に示す拡張部を有した円錐台状脚部をそれぞれ備
えた本発明の実施例であり、曲率半径及び拡張程度
(比)を変えて実験を行った。この場合、いずれの対面
係合ファスナー部材も、25.4mm×25.4mmの正方
形基部に、220個の有頭突子を所定配置で立設したも
のを使用した。また、対面係合ファスナー部材の材料と
して、曲げ弾性率40000kg/cm2のポリアミド樹脂を
使用した。さらに、いずれの対面係合ファスナー部材
も、破壊的に脱離可能な脚部用鋳型を使用した射出成形
工程によって一体成形された。評価結果を以下の表に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】この表から、従来のファスナー部材(No.
1,No.9)に対し、有頭突子に曲率付隅部又は拡張部
を設けた本発明の対面係合ファスナー部材の耐久性向上
効果が明らかになる。特に、部材No. 2〜No. 7、及び
No. 10〜No. 12において、所望の耐久性が得られる
ことが分かる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、複数の有頭突子を備えた対面係合ファスナー
部材において、有頭突子が弾性的に撓曲する際に、基部
と有頭突子の脚部との連結領域への応力集中を軽減する
ことにより、撓曲に対する有頭突子の耐久性を高めるこ
とができる。したがって、対面係合ファスナー部材と他
のファスナー部材との脱着を頻繁に繰り返したときの、
係着保持力の低下を抑制することができ、その結果、本
発明に係る対面係合ファスナー部材を備えたファスナー
の性能の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による対面係合ファスナー部材
の図で、(a)斜視図、(b)側面図、である。
【図2】図1のファスナー部材における有頭突子の変形
例を示す拡大斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例による対面係合ファスナー
部材の側面図である。
【図4】図3のファスナー部材における有頭突子の変形
例を示す拡大側面図である。
【図5】従来の一対の対面係合ファスナー部材を備えた
ファスナーの図で、(a)相互係着前の概略側面図、及
び(b)相互係着後の概略側面図、である。
【符号の説明】
10,28…対面係合ファスナー部材 12,30…基部 14,32…有頭突子 16,34…脚部 18,36…頭部 20,38…主要面 22,40…基端 24,42…末端 26…隅部 44…拡張部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴原 徳人 神奈川県相模原市南橋本3丁目8番8号 住友スリーエム株式会社内 (72)発明者 澤尻 修成 神奈川県相模原市南橋本3丁目8番8号 住友スリーエム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要面を有する基部と、該基部の該主要
    面に基端にて連結される脚部及び該脚部の末端に連結さ
    れる頭部を各々に備えて、該基部に所定の離間配置で立
    設される複数の有頭突子とを具備する対面係合ファスナ
    ー部材において、 前記有頭突子の前記脚部が弾性的に撓曲したときの、該
    脚部の前記基端と前記基部の前記主要面との連結領域へ
    の応力集中を軽減する手段を備えたことを特徴とする対
    面係合ファスナー部材。
  2. 【請求項2】 応力集中を軽減する前記手段は、前記基
    端における前記脚部の表面と前記基部の前記主要面との
    連結領域に所定の曲率を有して形成される隅部を具備す
    る請求項1に記載の対面係合ファスナー部材。
  3. 【請求項3】 応力集中を軽減する前記手段は、前記脚
    部の前記末端よりも大きな横断面積を呈して前記基端に
    形成される拡張部を具備する請求項1又は2に記載の対
    面係合ファスナー部材。
  4. 【請求項4】 破壊的に脱離可能な脚部用鋳型を使用し
    た射出成形工程によって前記基部と前記有頭突子の前記
    脚部及び前記頭部とが一体的に形成される請求項1〜3
    のいずれか1つに記載の対面係合ファスナー部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の対
    面係合ファスナー部材であって、 a)前記基部を成形するための空間を備えた恒久的な基
    部用鋳型と、前記有頭突子の前記脚部を成形するための
    複数の空間を備えた破壊的に脱離可能な脚部用鋳型と、
    前記有頭突子の前記頭部を成形するための複数の空間を
    備えた恒久的な頭部用鋳型とを用意し、 b)前記基部を成形するための空間と前記脚部を成形す
    るための複数の空間とを流体の流通が可能なように連結
    しつつ、前記基部用鋳型に隣接して前記脚部用鋳型を固
    定し、かつ、前記脚部を成形するための複数の空間と前
    記頭部を成形するための複数の空間とを流体の流通が可
    能なように連結しつつ、前記脚部用鋳型に隣接して前記
    頭部用鋳型を固定し、 c)前記基部用鋳型、前記脚部用鋳型及び前記頭部用鋳
    型のいずれか1つに設けた導入路を通して、溶融した高
    分子材料を、該基部用鋳型、該脚部用鋳型及び該頭部用
    鋳型の各々の前記空間内に流し込み、 d)前記基部用鋳型、前記脚部用鋳型及び前記頭部用鋳
    型の中で、前記高分子材料から前記対面係合ファスナー
    部材を成形し、 e)前記脚部用鋳型及び成形された前記対面係合ファス
    ナー部材から、前記基部用鋳型と前記頭部用鋳型とを取
    り外し、 f)成形された前記対面係合ファスナー部材から前記脚
    部用鋳型を破壊的に脱離する、各ステップを有した方法
    によって製造されることを特徴とする対面係合ファスナ
    ー部材。
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JP2010068928A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Morito Co Ltd 面ファスナ
JP2017006686A (ja) * 2015-06-25 2017-01-12 ヘレウス メディカル ゲーエムベーハー 脊椎固定用ケージを構築するためのキット

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