JPH0779739B2 - 背当傾倒式座席 - Google Patents

背当傾倒式座席

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JPH0779739B2
JPH0779739B2 JP2304876A JP30487690A JPH0779739B2 JP H0779739 B2 JPH0779739 B2 JP H0779739B2 JP 2304876 A JP2304876 A JP 2304876A JP 30487690 A JP30487690 A JP 30487690A JP H0779739 B2 JPH0779739 B2 JP H0779739B2
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輝男 沢田
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天龍工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は背当傾倒式座席に関し、乗物用座席をはじめ事
務用座席、観覧用座席等の各種座席に適用することがで
きるものである。
[従来の技術] 第9図に示すように、従来の乗物用の背当傾倒式座席61
の多くは、座枠62の後端部に対して背当63をその下端部
の軸64において傾倒可能に軸着し、該背当63の下端部に
さらに下方へ突出する短いレバー65を設け、このレバー
65と座枠62の前端部との間に、背当63の制動部材として
のガスシリンダ66を取着している。また、このガスシリ
ンダ66には、そのピストンロッド67の繰出し及び進入を
任意の位置において停止させることができる無段停止機
構を備えたものを使用し、前記背当63の傾倒を任意の傾
倒角度において停止させることができるようにしてい
る。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記のような従来の背当傾倒式座席61は、背
当63の下端部のレバー65が短かったため、背当63を十分
制動できるモーメントを得るには、かなり容量の大きい
強力なガスシリンダ66を使用しなければならず、重量が
増加するという問題があった。また、一般にこのガスシ
リンダ66は座枠62の側板の直ぐ内側に下方へ露出するよ
うに設けられ、一種の突起物になっていたため、見栄え
が悪くなったり、着座者の足に当たったり、座枠62に他
の機構(方向可変機構等)を組み込む場合にはその障害
になったりしていた。
本発明の目的は、上記課題を解決し、背当の制動部材が
容量の小さい小型軽量のもので済み、軽量化を図ること
ができるとともに、該制動部材や背当の停止機構が肘掛
の内部に収められて突起物が無くなり、見栄えが良くな
り、着座者の足に当たる心配も無くなり、座枠回りのス
ペースも確保される新規有用な背当傾倒式座席を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の背当傾倒式座席
は、肘掛と、傾倒可能に設けられた背当と、前記背当の
側部から前方に延びるように設けられ、前記背当ととも
に傾倒して前記肘掛に進入する進入部を有した延出部材
と、前記肘掛の内部に収められ、該肘掛と前記進入部に
おける前記背当の傾倒中心から大きく離れた位置との間
に取着されて前記背当の傾倒を制動する制動部材と、前
記肘掛の内部に収められ、前記背当の傾倒を停止させる
停止機構とを備えた構成とした。
ここで、「制動部材」としては、ガスシリンダ等の流体
シリンダ、コイルばね、ゼンマイばね等を例示すること
ができる。
また、「停止機構」としては、進入部に形成された係合
凹部と操作レバーに形成された係合凸部との係合を利用
したもの、前記制動部材としてのガスシリンダに付加さ
れた無段ロック機構をそのまま利用したもの等を例示す
ることができる。
[作用] 上記の背当傾倒式座席によれば、延出部材を設けたこと
により、背当の傾倒中心から大きく離れた位置に制動部
材を取着することができるので、容量の小さい小型軽量
の制動部材であっても、背当の制動に必要なモーメント
を得ることができる。また、この制動部材も背当の停止
機構も肘掛の内部に収まってしまい、外部に露出する突
起物とはならないため、見栄えが良く、着座者の足に当
たることも無く、座枠回りのスペースを損うこともな
い。
[実施例] 以下、本発明を具体化した二つの実施例について、図面
を参照して説明する。
(第一実施例) 第1図〜第5図に示す第一実施例は、背当の傾倒角度の
有段調節機構を備えた背当傾倒式座席1である。
脚2の上端に固定された図示しない座枠の側部には肘掛
10が取り付けられている。この肘掛10は、座枠に固定さ
れる前後に延びる基部11と、該基部11の前部から斜め後
ろ上方に立設された円弧状の立部12と、該立部12の上端
から前方に延びる肘当部13とからなり、これらは一体的
に形成されている。前記立部12及び肘当部13の内部は空
洞になっており、また立部12の後端はスリット状に開口
している。
肘掛10の基部11の後端に位置する支軸3には背当4が傾
倒可能に軸着され、該背当4の側部には前方に湾曲して
突出する板状の延出部材20が該背当4の背支持板5と一
体的かつ連続的に形成されている。この延出部材20の上
縁から前縁にかけては、前記肘掛10の立部12の内部に前
記スリット状開口から進入する、滑らかな円弧状の進入
部21となっている。この進入部21には斜め上方に開口す
る四つの係合凹部22が並設されており、該係合凹部22の
背当側の内縁は開口側が拡がるよう湾曲状に形成され、
反背当側の内縁は進入部21の円弧に直交するよう直線状
に形成されている。
前記肘掛10の内部には背当4の制動部材としてのガスシ
リンダ30が外部に露出しないように収められ、そのシリ
ンダチューブ31の基端(上端)は肘当部13の内部に回動
可能に取着され、そのピストンロッド32の先端(下端)
は前記延出部材20の進入部21の下端部に回動可能に取着
されている。
前記肘掛10の肘当部13の内部には、背当4の傾倒を可能
にしたり停止したりするための操作レバー40が配設され
ている。第4図に示すようにこの操作レバー40は、金
属板を状に折曲してなり、後端部において肘当部13の
内部に回動可能に軸着されたレバー本体41と、該レバ
ー本体41の前端に固定され肘当部13の下面に設けられた
開口から下方に突出する押圧部42と、該レバー本体41
の後端下部に固定され、前記係合凹部22に係合する係合
凸部44を有する係合部43とから構成されている。
前記レバー本体41の上面には透孔45が貫設され、該透孔
45には前記ガスシリンダ30が接触しないように貫通して
いる。また、レバー本体41の両側壁には一部がその上方
へ突出する二枚の支持板46が取着され、両支持板46の間
に架設された支持ピン47と前記立部12の内部に立設され
た支持ピン48との間には、操作レバー40を下方に付勢し
て係合凸部44を係合凹部22に係合させるためのコイルば
ね49が引張られた状態で掛装されている。
上記係合凹部22を備えた延出部材20の進入部21と、係合
凸部44を備えた操作レバー40とにより、背当4の停止機
構を構成している。
次に、この背当傾倒式座席1の使用方法について説明す
る。
第1図に示すように、背当4が起立した通常の状態にお
いては、コイルばね49により下方に付勢された操作レバ
ー40の係合凸部44が、進入部21の最も背当4に近い係合
凹部22に係合している。この状態で、背当4を後方に押
したとしても、前記係合凸部44の反背当側の縁が係合凹
部22の反背当側の直線状の内縁に当接するだけで、その
係合が外れることはないため、背当4の傾倒は防止され
る。
次に、第2図に示すように、背当4を傾倒させるとき
は、操作レバー40の押圧部42を手で上方に押圧すること
により該操作レバー40をコイルばね49の弾発力に抗して
引き上げると、前記係合凸部44が係合凹部22から外れる
ため、背当4及び延出部材20は後方に傾倒可能な状態と
なる。この状態のまま背当4を後方に押すと、該背当4
はガスシリンダ30のピストンロッド32がシリンダチュー
ブ31に進入するときの抵抗による制動を受けながらゆっ
くりと後方に傾倒する。そして、好みの傾倒角度になっ
たところで操作レバー40から手を離せば、操作レバー40
はコイルばね49の弾発力により下方に回動し、係合凸部
44は背当側から2乃至4番目のいずれかの係合凸部22に
係合するため、背当4のそれ以上の傾倒は停止される。
次に、背当4の傾倒を解除して起立状態に戻すときは、
次の二つの方法のいずれかで行うことができる。
操作レバー40を前述のようにして引き上げれば、前
記係合凸部44が係合凹部22から外れるため、ガスシリン
ダ30のピストンロッド32がシリンダチューブ31から繰り
出そうとする復帰力により背当4は自動的に起立する。
操作レバー40を引き上げなくても背当4を前方に強
く押せば、第5図に示すように、前記係合凸部44の背当
側の縁が係合凹部22の背当側の湾曲状の内縁を滑り上が
ってその係合が外れるため、背当4を起立させることが
できる。
なお、上記のような起立のさせ方を不要とする場合又
は嫌う場合には、第6図に示すように、係合凹部22の背
当側の内縁を反背当側の内縁と同じように進入部21の円
弧に直交する直線状に形成すればよい。
以上のように構成された第一実施例の背当傾倒式座席1
によれば、延出部材20を設けたことにより、背当4の傾
倒中心である支軸3から大きく離れた位置にガスシリン
ダ30の一端を取着することができるので、容量の小さい
小型軽量のガスシリンダ30であっても、背当4の制動に
必要なモーメントを得ることができる。また、このガス
シリンダ30も前記停止機構(進入部21と操作レバー40)
も肘掛10の内部に収まってしまい、外部に露出する突起
物とはならないため、見栄えが良く、着座者の足に当た
る心配も無く、座枠回りのスペースを損うこともない。
従って、座枠に他の機構(方向可変機構等)を組み込む
場合には、その組み込みが容易になる。
(第二実施例) 第7図及び第8図に示す第二実施例は、背当の傾倒角度
の無段調節機構を備えた背当傾倒式座席51である。この
背当傾倒式座席51には、ガスシリンダ30として、ピスト
ンロッド32を任意の繰出し位置において停止させ得る無
段ロック機構を備えたものが使用されており、該無段ロ
ック機構がそのまま背当4の停止機構として利用されて
いる。この無段ロック機構は、シリンダチューブ31内に
設けられた図示しない開閉弁と、ピストンロッド32の中
空内部に同軸状に通され、前記開閉弁を押圧して開閉さ
せるためのピン35と、ピストンロッド32の下端に固定さ
れた固定片36に対して傾動可能に軸着され、前記ピン35
を押動させるための可動片37とを備えている。そして、
肘当部13の上部に傾動可能に設けられた操作レバー33と
前記無段ロック機構の可動片37との間に操作用ワイヤ34
が接続され、前記第一実施例における係合凹部22、操作
レバー40等は省略されている。
前記操作レバー33を手で上方に引き上げることにより操
作用ワイヤ34を引張ると、前記可動片37が第8図に鎖線
で示すように上方に傾動してピン35を押し上げ、該ピン
35が図示しない開閉弁を開くため、ガスシリンダ30の無
段ロック機構が解除され、背当4及び延出部材20は後方
に傾倒可能な状態となる。この状態のまま背当4を後方
に押すと、該背当4はガスシリンダ30による制動を受け
ながらゆっくりと後方に傾倒する。そして、好みの傾倒
角度になったところで操作レバー33から手を離せば、ガ
スシリンダ30の無段ロック機構はピストンロッド32の繰
出し及び進入を停止させるため、背当4のそれ以上の傾
倒は停止される。
この第二実施例によれば、第一実施例と同様の効果を奏
する他、背当4の傾倒角度を無段調節することができる
ので、好みに応じてより細かい調節が可能になる。
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものでは
なく、例えば以下のように発明の趣旨から逸脱しない範
囲で任意に変更して具体化することもできる。
(1)延出部材20の大部分を肘掛への進入部21とするこ
と。
(2)第一実施例における係合凹部の数や間隔を変える
こと。
(3)操作レバー40,33を、形状や軸着位置の異なるレ
バーにしたり、押圧ボタンに変更したりすること。
[発明の効果] 本発明の背当傾倒式座席によれば、背当の制動部材が容
量の小さい小型軽量のもので済み、軽量化を図ることが
できるとともに、該制動部材や背当の停止機構が肘掛の
内部に収められて突起物が無くなり、見栄えが良くな
り、着座者の足に当たる心配も無くなり、座枠回りのス
ペースも確保されるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を具体化した背当傾倒式座席の第一実施
例の傾倒前の側面図、第2図は同じく傾倒中の側面図、
第3図は同じく部分平面図、第4図は同じく操作レバー
の分解斜視図、第5図は同じく係合凹部と係合凸部とを
示す要部側面図、第6図は同じく係合凹部と係合凸部と
の変形例を示す要部側面図である。第7図は背当傾倒式
座席の第二実施例を示す側面図、第8図は同じく要部拡
大図である。第9図は従来例の背当傾倒式座席を示す側
面図である。 1…背当傾倒式座席、4…背当、10…肘掛、20…延出部
材、21…進入部、22…係合凹部、30…ガスシリンダ、3
3,40…操作レバー、44…係合凸部、51…背当傾倒式座
席。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】肘掛と、傾倒可能に設けられた背当と、前
    記背当の側部から前方に延びるように設けられ、前記背
    当とともに傾倒して前記肘掛に進入する進入部を有した
    延出部材と、前記肘掛の内部に収められ、該肘掛と前記
    進入部における前記背当の傾倒中心から大きく離れた位
    置との間に取着されて前記背当の傾倒を制動する制動部
    材と、前記肘掛の内部に収められ、前記背当の傾倒を停
    止させる停止機構とを備えた背当傾倒式座席。
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