JPH077924A - スナバユニット - Google Patents

スナバユニット

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JPH077924A
JPH077924A JP5227665A JP22766593A JPH077924A JP H077924 A JPH077924 A JP H077924A JP 5227665 A JP5227665 A JP 5227665A JP 22766593 A JP22766593 A JP 22766593A JP H077924 A JPH077924 A JP H077924A
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capacitor
conductor
snubber
side lead
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Masateru Igarashi
征輝 五十嵐
Kazuo Kuroki
一男 黒木
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スナバコンデンサとスナバダイオードとの直列
回路をユニット化して、部品点数の削減と組立の手間の
低減、配線インダクタンスの低減、並びに放熱効果の向
上とを図る。 【構成】スナバコンデンサ11とスナバダイオード16
との直列回路にコンデンサ側引き出し導体31とダイオ
ード側引き出し導体32とを取りつけて樹脂モールド3
0で一体化し、又は樹脂モールド30の複数を並列接続
し、又は前記直列回路の複数を並列接続後に樹脂モール
ド40で一体化してスナバユニットを構成し、このスナ
バユニットをスイッチング素子2に並列接続するが、コ
ンデンサ側引き出し導体31とダイオード側引き出し導
体32とは、両者の電気的接続と樹脂モールド30支持
の役割とを果たし、スナバユニットの構成と取付けの際
の部品点数が減り、且つ配線長さを短縮して配線インダ
クタンスが減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スナバ回路を構成し
ているコンデンサとダイオードとを、電力変換を行うス
イッチング素子に並列接続する際の取付けを容易にし、
或いは内部インダクタンスを減少できるスナバユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】スナバ回路はオン状態にあるスイッチン
グ素子がターンオフする際に、回路の配線インダクタン
スなどの影響で発生する過大なサージ電圧がこのスイッ
チング素子に印加されて、当該スイッチング素子が破壊
されるのを防止するのに使用する回路である。スナバ回
路には各種の構成があるが、ダイオードとコンデンサと
を直列に接続し、このダイオードとコンデンサとの結合
点に抵抗を接続する構成の所謂RCDスナバ回路が最も
多く使用されている。
【0003】図4は電力変換装置に使用するRCDスナ
バ回路の第1従来例を示した回路図である。この図4で
は、半導体スイッチ素子としての絶縁ゲートバイポーラ
トランジスタ(以下ではIGBTと略記する)とフィー
ドバックダイオードとを逆並列接続してスイッチング素
子2を構成し、2組のスイッチング素子2の直列接続回
路に直流電源7を接続している。ここで正極側のIGB
Tと負極側のIGBTとを交互にオン・オフさせること
で端子ACに接続している負荷(図示せず)には変換さ
れた交流電力を供給できるのは周知である。スナバコン
デンサ11及びスナバダイオード16とでなるコンデン
サ・ダイオード直列回路9にスナバ抵抗8を接続してス
ナバ回路を構成し、直流電源7の正極と負極との間にこ
のスナバ回路を接続すれば、IGBTのオン・オフ動作
に伴って発生する過大なサージ電圧がスイッチング素子
2に印加されるのを防止できる。
【0004】図5は電力変換装置に使用するRCDスナ
バ回路の第2従来例を示した回路図である。この図5で
は、直列接続している2組のスイッチング素子2のそれ
ぞれに別個のコンデンサ・ダイオード直列回路9を並列
に接続し、スナバコンデンサ11とスナバダイオード1
6との接続点と反対極との間にスナバ抵抗8を接続して
スナバ回路を構成している。この図5に図示のスナバ回
路においては、スナバコンデンサ11は常時スナバ抵抗
8を介して直流電源7と同一の電圧に充電されており、
スイッチング素子2を構成しているIGBTがターンオ
フしたときに発生するサージ電圧の直流電源電圧よりも
高くなった分がスナバダイオード16を介してスナバコ
ンデンサ11に充電され、この充電電荷はスナバ抵抗8
を介して元の直流電源電圧まで放電される。
【0005】図6は図4の第1従来例回路又は図5の第
2従来例回路に図示のスナバの構造を示した構造図であ
る。この図6において、スナバコンデンサ11とスナバ
ダイオード16とを直列接続するのにあたって、接続ね
じ24を使用してコンデンサ端子13とダイオードリー
ド線17とを直列接続している。この直列回路をスイッ
チング素子2に並列接続するにあたっては、コンデンサ
端子12をコンデンサ側接続導体14を介してスイッチ
ング素子端子3に接続し、且つダイオード側はダイオー
ド側接続導体18を介してスイッチング素子端子4に接
続するのであるが、このときの各接続部は接続ねじ2
1,22,23,及び25を使用して接続している。更
にスナバコンデンサ11はコンデンサ支持板15で支持
して機械的なストレスがかからないようにしており、ス
ナバコンデンサ11はコンデンサ取付けねじ29でコン
デンサ支持板15に取りつけている。ここで5と6は引
き出し端子である。尚、スナバ抵抗8はスナバコンデン
サ11の蓄積エネルギーの消費に伴って発熱する。従っ
てスイッチング素子2からは隔離して取りつけるので、
このスナバ抵抗8の図示は省略している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スナバ回路用のスナバ
コンデンサ11とスナバダイオード16との直列回路は
スイッチング素子2に接近して設置し、これら直列回路
とスイッチング素子2との間の配線は極力短くする必要
がある。なぜならば両者間の配線が長くなるのに伴って
配線インダクタンスが大きくなり、そのためにスイッチ
ング素子2がターンオフしたときにスイッチング素子2
の端子間に印加されるサージ電圧の抑制が不十分になる
からである。
【0007】ところが図6に図示の従来例では、スナバ
コンデンサ11をスイッチング素子2に接続するのにコ
ンデンサ側接続導体14を使用し、スナバダイオード1
6をスイッチング素子2に接続するのにダイオード側接
続導体18を使用しているので配線が長く、従って配線
インダクタンスが大きくなってしまい、前述したように
サージ電圧の抑制が不十分になる欠点がある。更にスナ
バコンデンサ11を固定するのにコンデンサ支持板15
を使用するから構造が複雑になるし、コンデンサ側接続
導体14,ダイオード側接続導体18や多数の接続ねじ
やコンデンサ取付けねじを使用することにより部品点数
が多くなり、且つねじの締めつけに手間がかかる等の不
具合もある。
【0008】更に最近では、より大容量の半導体スイッ
チ素子を使用し、且つ制御精度の向上を目指してより一
層高い速度でスイッチング動作させるようになってきて
いるので、ターンオフ時やダイオードの逆回復時での電
流変化率(dI/dt )が非常に大きくなってきている。そ
れ故スナバ回路の配線インダクタンスが原因で、電流変
化率が大きくなると過大なサージ電圧が発生してしまう
不都合が生じる。また、半導体スイッチ素子の大容量化
と高速化に伴ってスナバユニットでの発生損失も増大
し、この損失による発熱を処理するために特別な冷却装
置、例えば放熱フィンを設けるなど余分の装置が必要に
なり、装置が大形化し価格も上昇する不都合を生じるよ
うになってきている。
【0009】そこでこの発明は、スナバコンデンサとス
ナバダイオードとの直列回路をユニット化して、部品点
数の削減と組立の手間の低減、配線インダクタンスの低
減、並びに放熱効果の向上とを図るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明のスナバユニットは、少なくともコンデン
サとダイオードを含んで構成しているスナバ回路を、1
個又は複数のスイッチング素子の直列接続回路に並列に
接続しているスナバユニットにおいて、前記コンデンサ
の一方の端子と前記ダイオードの一方の端子とを接続し
て直列回路を形成し、電気伝導性と熱伝導性が良好な材
料で形成したコンデンサ側引き出し導体を前記直列回路
のコンデンサの他方の端子に取付け、電気伝導性と熱伝
導性が良好な材料で形成したダイオード側引き出し導体
を前記直列回路のダイオードの他方の端子に直接又は絶
縁体を介して取付け、接続部導体または導線を前記直列
回路のコンデンサとダイオードとの接続部に取付け、こ
れらコンデンサ,ダイオード,絶縁体,コンデンサ側引
き出し導体,ダイオード側引き出し導体,及び接続部導
体または導線を樹脂で共通にモールドし、前記コンデン
サ側引き出し導体の一端とダイオード側引き出し導体の
一端と接続部導体の一端とを前記樹脂モールドから露出
させる構造にするものとする。
【0011】又は、複数の前記コンデンサの一方の端子
と複数の前記ダイオードの一方の端子とを別個に接続し
て複数の直列回路を形成し、電気伝導性と熱伝導性が良
好な材料で形成したコンデンサ側引き出し導体を前記複
数の直列回路のコンデンサの他方の端子に共通に取付
け、電気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成したダイ
オード側引き出し導体を前記複数の直列回路のダイオー
ドの他方の端子に直接又は絶縁体を介して共通に取付
け、接続部導体または導線を前記複数の直列回路のコン
デンサとダイオードとの接続部に共通に取付け、これら
コンデンサ,ダイオード,絶縁体,コンデンサ側引き出
し導体,ダイオード側引き出し導体,及び接続部導体ま
たは導線を樹脂で共通にモールドし、前記コンデンサ側
引き出し導体の一端とダイオード側引き出し導体の一端
と接続部導体の一端とを前記樹脂モールドから露出させ
る構造にするものとする。
【0012】又は、前記コンデンサの一方の端子と前記
ダイオードの一方の端子とを接続して直列回路を形成
し、電気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成したコン
デンサ側引き出し導体を前記直列回路のコンデンサの他
方の端子に取付け、電気伝導性と熱伝導性が良好な材料
で形成したダイオード側引き出し導体を前記直列回路の
ダイオードの他方の端子に直接又は絶縁体を介して取付
け、接続部導体または導線を前記直列回路のコンデンサ
とダイオードとの接続部に取付け、これらコンデンサ,
ダイオード,絶縁体,コンデンサ側引き出し導体,ダイ
オード側引き出し導体,及び接続部導体または導線を樹
脂で共通にモールドする際に、前記コンデンサ側引き出
し導体の一端とダイオード側引き出し導体の一端と接続
部導体の一端とを前記樹脂モールドから露出させるモー
ルド構造体とし、複数の前記モールド構造体のコンデン
サ側引き出し導体同士をコンデンサ側共通導体で共通に
接続し、且つダイオード側引き出し導体同士をダイオー
ド側共通導体で共通に接続し、且つ接続部導体同士を共
通に接続するものとする。
【0013】又は、前記コンデンサの一方の端子と前記
ダイオードの一方の端子とを接続して直列回路を形成
し、電気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成したコン
デンサ側引き出し導体を前記直列回路のコンデンサの他
方の端子に取付け、電気伝導性と熱伝導性が良好な材料
で形成したダイオード側引き出し導体を前記直列回路の
ダイオードの他方の端子に直接又は絶縁体を介して取付
け、接続部導体または導線を前記直列回路のコンデンサ
とダイオードとの接続部に取付け、第2のコンデンサの
一方の端子を前記コンデンサ側引き出し導体に取付け、
且つこれの他方の端子を前記ダイオード側引き出し導体
に取付け、これらコンデンサ,第2コンデンサ、ダイオ
ード,絶縁体,コンデンサ側引き出し導体,ダイオード
側引き出し導体,及び接続部導体または導線を樹脂で共
通にモールドし、前記コンデンサ側引き出し導体の一端
とダイオード側引き出し導体の一端と接続部導体の一端
とを前記樹脂モールドから露出させる構造にするものと
する。
【0014】
【作用】請求項1から4までの発明は、スナバ回路の構
成要素であるスナバコンデンサの一方の端子とスナバダ
イオードの一方の端子とを接続し、スナバコンデンサの
他方の端子には電気伝導性と熱伝導性が良好なコンデン
サ側引き出し導体を接続し、且つスナバダイオードの他
方の端子にも電気伝導性と熱伝導性が良好なダイオード
側引き出し導体を接続し、これらスナバコンデンサ,ス
ナバダイオード,コンデンサ側引き出し導体,及びダイ
オード側引き出し導体を樹脂で一体にモールドする。但
しコンデンサ側引き出し導体の一部とダイオード側引き
出し導体の一部とは露出させておき、この露出部をスイ
ッチング素子の端子に接続する。このコンデンサ側引き
出し導体とダイオード側引き出し導体とは、電気的な接
続と共に、樹脂モールドされたスナバコンデンサとスナ
バダイオードとを支持する役割も担っており、スナバユ
ニットの接続と取付けの簡素化と、スナバユニットとス
イッチング素子との間の配線長さを短縮している。
【0015】請求項5から8までの発明は、前述のスナ
バコンデンサとスナバダイオードとを別個に直列接続し
た複数の直列回路のスナバコンデンサ側同士を前記コン
デンサ側引き出し導体で共通に接続し、且つスナバダイ
オード側同士を前記ダイオード側引き出し導体で共通に
接続することにより、前記直列回路の複数が相互に並列
接続となる。これら複数の直列回路とコンデンサ側引き
出し導体及びダイオード側引き出し導体とを一体にして
樹脂モールドすることにより、スナバ回路内部の配線イ
ンダクタンスを低減している。
【0016】請求項9から12までの発明は、前述のス
ナバコンデンサとスナバダイオードと直列回路を樹脂モ
ールドし、これの複数を並列接続してスナバ回路を構成
することにより、前述と同様に内部の配線インダクタン
スが減少する。更に樹脂モールドの表面積が増加するの
で、当該スナバ回路の発熱を放散させる効果が増大す
る。
【0017】請求項13から16までの発明は、前述の
スナバコンデンサとスナバダイオードと直列回路に、更
に第2のコンデンサを並列に接続し、これらスナバコン
デンサとスナバダイオードと第2コンデンサとを前述の
コンデンサ側引き出し導体とダイオード側引き出し導体
とを一体にして樹脂モールドすることにより、ダイオー
ドの過渡順方向電圧による跳ね上がり電圧を抑制するこ
とができる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を表した構造図で
あって、請求項1又は請求項2に対応する。この図1の
第1実施例では、スナバダイオード16の一方の端子で
あるダイオードリード線17をスナバコンデンサ11の
一方の端子へ、接続ねじ26を使って直接ねじ止めして
いるが、このスナバコンデンサ11とスナバダイオード
16との接続部には、図示していないスナバ抵抗8を接
続するための接続導体33を設けている。更にスナバコ
ンデンサ11の他方の端子部にはコンデンサ側引き出し
導体31を接続し、スナバダイオード16の他方の端子
部にはダイオード側引き出し導体32を接続している。
尚、これらコンデンサ側引き出し導体31とダイオード
側引き出し導体32とには電気伝導性と熱伝導性とが良
好な材料(例えば銅)を使用する。
【0019】これらスナバコンデンサ11,スナバダイ
オード16,コンデンサ側引き出し導体31,ダイオー
ド側引き出し導体32,並びに接続導体33は樹脂モー
ルド30により一体化しているが、このときコンデンサ
側引き出し導体31,ダイオード側引き出し導体32,
及び接続導体33の一部分は、他の電気部品との接続の
ために露出させておく。このようにして樹脂モールド3
0により一体化されたスナバユニットのコンデンサ側引
き出し導体31には、スイッチング素子端子3と引き出
し端子5とを接続ねじ21で接続し、且つ、ダイオード
側引き出し導体32にはスイッチング素子端子4と引き
出し端子6とを接続ねじ22で接続する。かくしてスナ
バコンデンサ11とスナバダイオード16との直列接続
で構成したスナバユニットがスイッチング素子2に並列
接続される。ここでスナバ抵抗8は前述したように発熱
があることと、このスナバ抵抗8への接続線が長くてそ
の配線インダクタンスが大きくなっても、スナバ抵抗8
の機能には支障を生じないので、このスナバ抵抗8はス
イッチング素子2から離れた位置に設置する。従ってス
ナバ抵抗8の図示は省略している。
【0020】図2は本発明の第2実施例を表した構成図
であって、請求項3に対応する。この図2の第2実施例
は、スナバコンデンサ11の一方の端子とダイオードリ
ード線17とをねじ締めではなく、はんだ付け,蝋付
け,或いは溶接などにより接続していることと、スナバ
ダイオード16をダイオード絶縁体34を介してダイオ
ード側引き出し導体32に取りつけているところが前述
の第1実施例とは異なる点であり、これ以外の各部品の
名称・用途・機能はすべて既述の第1実施例と同じであ
るから、その部品の説明は省略する。
【0021】この第2実施例ではスナバコンデンサ11
とスナバダイオード16との接続にはんだ等を使用して
接続ねじの使用数を減らしている。又スナバダイオード
16の極性によってはダイオード絶縁体34を使用する
が、この場合は図示は省略しているが、スナバダイオー
ド16の他方の端子がダイオード側引き出し導体32に
接続されることになる。
【0022】図3は本発明の第3実施例を表した構成図
であって、請求項4に対応する。この図3の第3実施例
は、スナバコンデンサ11の一方の端子とダイオードリ
ード線17とをねじ締めではなく、はんだ付け,蝋付
け,或いは溶接により接続していることと、ダイオード
リード線17の先端を樹脂モールド30から露出させ
て、この露出部分をスナバ抵抗8との接続用端子に利用
するところが前述の第1実施例とは異なる点であり、こ
れ以外の各部品の名称・用途・機能はすべて既述の第1
実施例と同じであるから、その部品の説明は省略する。
【0023】図7は本発明の第4実施例の構成を上から
見た平面図であり、図8は本発明の第4実施例の構成を
横から見た側面図であって、スナバコンデンサ11とス
ナバダイオード16との直列回路の2組を並列接続した
場合であり、請求項5から8に対応する。即ち2個のス
ナバコンデンサ11の一方の端子はいずれもコンデンサ
側引き出し導体41に接続し、これら2個のスナバコン
デンサ11の他方の端子はいずれも接続導体43に接続
し、2個のスナバダイオード16の一方の端子はいずれ
も前記接続導体43に接続し、これら2個のスナバダイ
オードの他方の端子はいずれもダイオード側接続導体4
2に接続する。これによりスナバコンデンサ11とスナ
バダイオード16との直列回路の2組が並列接続とな
る。そこでこれら2個のスナバコンデンサ11と2個の
スナバダイオード16とコンデンサ側引き出し導体41
とダイオード側接続導体42及び接続導体43とを一体
にして樹脂モールド40を形成させる。この樹脂モール
ド40を構成している前記コンデンサ側引き出し導体4
1を、接続ねじ21を使って引き出し端子5とスイッチ
ング素子端子3とに接続し、且つ樹脂モールド40を構
成している前記ダイオード側接続導体42を接続ねじ2
2を使って引き出し端子6とスイッチング素子端子4に
接続することにより、当該樹脂モールド40、即ちスナ
バ回路はスイッチング素子2に並列接続されることにな
る。
【0024】スナバ回路の内部配線インダクタンスLの
値を50nHとすると(スイッチング素子2の端子間隔を30
mmとすると従来技術での配線インダクタンスはこの程度
の値になる)、定格が600V・600Aの半導体スイッチ素子
としてのIGBTがターンオフする際の電流変化率 dI/
dtは、ほぼ10,000A/μs にも達する。従ってターンオフ
時のサージ電圧Vは下記の数1に示す値となる。
【0025】
【数1】 V=L・( dI/dt)=50nH・10,000A/μs =500V 従って図7又は図8に図示の第4実施例の構成にすれ
ば、配線インダクタンスの値はほぼ半減し、ターンオフ
時のサージ電圧もほぼ半減することになる。スナバコン
デンサ11とスナバダイオード16との直列回路の並列
数を更に増やせば、ターンオフ時のサージ電圧はこの並
列数に反比例して減少する。
【0026】図9は本発明の第5実施例の構成を上から
見た平面図であり、図10は本発明の第5実施例の構成
を横から見た側面図であって、スナバコンデンサ11と
スナバダイオード16との直列回路の2組を並列接続し
た場合であり、請求項9から12に対応する。この第5
実施例は、前述した図1から図3の第1〜第3実施例に
図示している樹脂モールド30の複数個を、コンデンサ
側引き出し導体51とダイオード側引き出し導体52と
を使って並列接続している。更に、コンデンサ側引き出
し導体51は接続ねじ21により引き出し端子5とスイ
ッチング素子端子3へ接続され、ダイオード側引き出し
導体52は接続ねじ22により引き出し端子6とスイッ
チング素子端子4へ接続されている。このような構成に
より、配線インダクタンスは前述した図7または図8の
第4実施例と同様に並列数に反比例して減少する。更に
樹脂モールド30の表面積は並列数に比例して増加する
ので、スナバ回路での発熱の放散が容易になり、冷却効
果が増大する。
【0027】図11は本発明の第6実施例を表した回路
図である。従来のスナバ回路はスナバコンデンサ11を
スナバダイオード16に直列接続し、スナバダイオード
16にはスナバ抵抗8を並列接続して構成しているが、
この第6実施例回路では、スナバコンデンサ11とスナ
バダイオード16との直列回路に、更に第2スナバコン
デンサ53を並列に接続している。このような構成によ
り、スナバコンデンサ11とスナバダイオード16との
直列接続に起因する配線インダクタンスが減少する効果
と、スナバダイオード16の過渡順方向電圧による跳ね
上がり電圧が抑制される効果とが得られる。
【0028】図12は図11に図示している第6実施例
回路におけるスナバ回路部分の構成を表した構成図であ
る。図12に示すように、スナバコンデンサ11とスナ
バダイオード16との直列回路はコンデンサ側引き出し
導体61とダイオード側引き出し導体62とで支持され
ているが、第2スナバコンデンサ63もこれら両引き出
し導体61,62で支持される構造になっており、コン
デンサ側引き出し導体61は接続ねじ21で引き出し導
体5とスイッチング素子端子3に接続され、ダイオード
側引き出し導体62は接続ねじ22で引き出し導体6と
スイッチング素子端子4に接続されている。
【0029】
【発明の効果】従来はスナバコンデンサとスナバダイオ
ードとを直列接続してスナバユニットを構成する際に、
両者を接続する導体と接続ねじとが必要であった。又、
このスナバユニットをスイッチング素子に並列接続する
際にも、コンデンサ側接続導体とダイオード側接続導
体、並びにこれらを締めつける接続ねじが必要であり、
更にスナバコンデンサを支持するためのコンデンサ支持
板とコンデンサ取付けねじが必要であることから、部品
点数が多く、配線も長く、且つ取付けや締めつけに手間
がかかっていた。本発明によれば、スナバコンデンサ,
スナバダイオード,コンデンサ側引き出し導体,並びに
ダイオード側引き出し導体を一体にして樹脂モールドす
ることでスナバユニットを構成し、コンデンサ側引き出
し導体とダイオード側引き出し導体とでスナバユニット
をスイッチング素子へ接続するのでスナバユニットとス
イッチング素子との配線長さが短縮され、スナバ回路の
効果を最大に発揮できる効果が得られる。更にコンデン
サ側引き出し導体とダイオード側引き出し導体とはこの
スナバユニットを支持する役割も有しているので、スナ
バコンデンサを支持するためのコンデンサ支持板やコン
デンサ取付けねじが不要になると共に、スナバユニット
の構成が小形で簡素になり、スナバユニットの組立や、
このスナバユニットのスイッチング素子への接続も簡単
になることから、装置全体を小形で且つ低価格にできる
効果も合わせて得られる。
【0030】更にスナバコンデンサとスナバダイオード
との直列回路の複数を並列接続し、この並列回路を一体
にして樹脂モールドすることにより、スナバ回路内部の
配線インダクタンスは並列数に反比例して減少させてい
るので、スイッチング素子の電流変化率が大であっても
ターンオフ時のサージ電圧を抑制できる効果が得られ
る。又、スナバコンデンサとスナバダイオードとの直列
回路を一体に樹脂モールドしたのち、これらの複数を並
列接続する構成にすれば、スナバ回路の配線インダクタ
ンスを減少させると共に、樹脂モールドの表面積が並列
数に比例して増加するので、発熱を放散させる冷却効果
が増大し、特別の冷却装置が不必要になり、装置の構成
を簡略にできる効果が得られる。
【0031】更にスナバコンデンサとスナバダイオード
との直列回路に第2のスナバコンデンサを並列接続する
ことで、配線インダクタンスの減少とスナバダイオード
の過渡順方向電圧による跳ね上がり電圧の抑制とを行え
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を表した構造図
【図2】本発明の第2実施例を表した構成図
【図3】本発明の第3実施例を表した構成図
【図4】電力変換装置に使用するRCDスナバ回路の第
1従来例を示した回路図
【図5】電力変換装置に使用するRCDスナバ回路の第
2従来例を示した回路図
【図6】図4の第1従来例回路又は図5の第2従来例回
路に図示のスナバの構造を示した構造図
【図7】本発明の第4実施例の構成を上から見た平面図
【図8】本発明の第4実施例の構成を横から見た側面図
【図9】本発明の第5実施例の構成を上から見た平面図
【図10】本発明の第5実施例の構成を横から見た側面
【図11】本発明の第6実施例を表した回路図
【図12】図11に図示している第6実施例回路におけ
るスナバ回路部分の構成を表した構成図
【符号の説明】
2 スイッチング素子 3,4 スイッチング素子端子 5,6 引き出し端子 7 直流電源 8 スナバ抵抗 9 コンデンサ・ダイオード直列回路 11 スナバコンデンサ 12,13 コンデンサ端子 14 コンデンサ側接続導体14 15 コンデンサ支持板 16 スナバダイオード 17 ダイオードリード線 18 ダイオード側接続導体 19 接続端子 21〜26 接続ねじ 29 コンデンサ取付けねじ 30 樹脂モールド 31 コンデンサ側引き出し導体 32 ダイオード側引き出し導体 33 接続導体 34 ダイオード絶縁体 40 樹脂モールド 41 コンデンサ側引き出し導体 42 ダイオード側引き出し導体 43 接続導体 51 コンデンサ側引き出し導体 52 ダイオード側引き出し導体 61 コンデンサ側引き出し導体 62 ダイオード側引き出し導体 63 第2スナバコンデンサ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともコンデンサとダイオードを含ん
    で構成しているスナバ回路を、1個又は複数のスイッチ
    ング素子の直列接続回路に並列に接続しているスナバユ
    ニットにおいて、 前記コンデンサの一方の端子と前記ダイオードの一方の
    端子とを接続して直列回路を形成し、電気伝導性と熱伝
    導性が良好な材料で形成したコンデンサ側引き出し導体
    を前記直列回路のコンデンサの他方の端子に取付け、電
    気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成したダイオード
    側引き出し導体を前記直列回路のダイオードの他方の端
    子に直接又は絶縁体を介して取付け、接続部導体または
    導線を前記直列回路のコンデンサとダイオードとの接続
    部に取付け、これらコンデンサ,ダイオード,絶縁体,
    コンデンサ側引き出し導体,ダイオード側引き出し導
    体,及び接続部導体または導線を樹脂で共通にモールド
    し、前記コンデンサ側引き出し導体の一端とダイオード
    側引き出し導体の一端と接続部導体の一端とを前記樹脂
    モールドから露出させる構造とすることを特徴とするス
    ナバユニット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のスナバユニットにおい
    て、前記樹脂モールドから露出している前記コンデンサ
    側引き出し導体の一端とダイオード側引き出し導体の一
    端とを、当該スナバユニットに並列接続しているスイッ
    チング素子の端子に接続することを特徴とするスナバユ
    ニット。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のスナバユニ
    ットにおいて、前記ダイオードの一方のリード線を前記
    コンデンサの一端にはんだ付け又は溶接により接続して
    前記直列回路を形成することを特徴とするスナバユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】請求項1,請求項2,請求項3のいずれか
    に記載のスナバユニットにおいて、前記ダイオードの一
    方のリード線を前記コンデンサの一端にはんだ付け又は
    溶接により接続する際に、前記接続部導体の代わりに前
    記ダイオードリード線を前記樹脂モールドよりも外部に
    露出させることを特徴とするスナバユニット。
  5. 【請求項5】少なくともコンデンサとダイオードを含ん
    で構成しているスナバ回路を、1個又は複数のスイッチ
    ング素子の直列接続回路に並列に接続しているスナバユ
    ニットにおいて、 複数の前記コンデンサの一方の端子と複数の前記ダイオ
    ードの一方の端子とを別個に接続して複数の直列回路を
    形成し、電気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成した
    コンデンサ側引き出し導体を前記複数の直列回路のコン
    デンサの他方の端子に共通に取付け、電気伝導性と熱伝
    導性が良好な材料で形成したダイオード側引き出し導体
    を前記複数の直列回路のダイオードの他方の端子に直接
    又は絶縁体を介して共通に取付け、接続部導体または導
    線を前記複数の直列回路のコンデンサとダイオードとの
    接続部に共通に取付け、これらコンデンサ,ダイオー
    ド,絶縁体,コンデンサ側引き出し導体,ダイオード側
    引き出し導体,及び接続部導体または導線を樹脂で共通
    にモールドし、前記コンデンサ側引き出し導体の一端と
    ダイオード側引き出し導体の一端と接続部導体の一端と
    を前記樹脂モールドから露出させる構造とすることを特
    徴とするスナバユニット。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のスナバユニットにおい
    て、前記樹脂モールドから露出している前記コンデンサ
    側引き出し導体の一端とダイオード側引き出し導体の一
    端とを、当該スナバユニットに並列接続しているスイッ
    チング素子の端子に接続することを特徴とするスナバユ
    ニット。
  7. 【請求項7】請求項5又は請求項6に記載のスナバユニ
    ットにおいて、前記ダイオードの一方のリード線を前記
    コンデンサの一端にはんだ付け又は溶接により接続して
    前記直列回路を形成することを特徴とするスナバユニッ
    ト。
  8. 【請求項8】請求項5,請求項6,請求項7のいずれか
    に記載のスナバユニットにおいて、前記ダイオードの一
    方のリード線を前記コンデンサの一端にはんだ付け又は
    溶接により接続する際に、前記接続部導体の代わりに前
    記ダイオードリード線を前記樹脂モールドよりも外部に
    露出させることを特徴とするスナバユニット。
  9. 【請求項9】少なくともコンデンサとダイオードを含ん
    で構成しているスナバ回路を、1個又は複数のスイッチ
    ング素子の直列接続回路に並列に接続しているスナバユ
    ニットにおいて、 前記コンデンサの一方の端子と前記ダイオードの一方の
    端子とを接続して直列回路を形成し、電気伝導性と熱伝
    導性が良好な材料で形成したコンデンサ側引き出し導体
    を前記直列回路のコンデンサの他方の端子に取付け、電
    気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成したダイオード
    側引き出し導体を前記直列回路のダイオードの他方の端
    子に直接又は絶縁体を介して取付け、接続部導体または
    導線を前記直列回路のコンデンサとダイオードとの接続
    部に取付け、これらコンデンサ,ダイオード,絶縁体,
    コンデンサ側引き出し導体,ダイオード側引き出し導
    体,及び接続部導体または導線を樹脂で共通にモールド
    する際に、前記コンデンサ側引き出し導体の一端とダイ
    オード側引き出し導体の一端と接続部導体の一端とを前
    記樹脂モールドから露出させるモールド構造体とし、複
    数の前記モールド構造体のコンデンサ側引き出し導体同
    士をコンデンサ側共通導体で共通に接続し、且つダイオ
    ード側引き出し導体同士をダイオード側共通導体で共通
    に接続し、且つ接続部導体同士を共通に接続することを
    特徴とするスナバユニット。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のスナバユニットにおい
    て、前記コンデンサ側共通導体と、前記ダイオード側共
    通導体を、当該スナバユニットに並列接続しているスイ
    ッチング素子の端子に接続することを特徴とするスナバ
    ユニット。
  11. 【請求項11】請求項9又は請求項10に記載のスナバ
    ユニットにおいて、前記ダイオードの一方のリード線を
    前記コンデンサの一端にはんだ付け又は溶接により接続
    して前記直列回路を形成することを特徴とするスナバユ
    ニット。
  12. 【請求項12】請求項9,請求項10,請求項11のい
    ずれかに記載のスナバユニットにおいて、前記ダイオー
    ドの一方のリード線を前記コンデンサの一端にはんだ付
    け又は溶接により接続する際に、前記接続部導体の代わ
    りに前記ダイオードリード線を前記樹脂モールドよりも
    外部に露出させることを特徴とするスナバユニット。
  13. 【請求項13】少なくともコンデンサとダイオードを含
    んで構成しているスナバ回路を、1個又は複数のスイッ
    チング素子の直列接続回路に並列に接続しているスナバ
    ユニットにおいて、 前記コンデンサの一方の端子と前記ダイオードの一方の
    端子とを接続して直列回路を形成し、電気伝導性と熱伝
    導性が良好な材料で形成したコンデンサ側引き出し導体
    を前記直列回路のコンデンサの他方の端子に取付け、電
    気伝導性と熱伝導性が良好な材料で形成したダイオード
    側引き出し導体を前記直列回路のダイオードの他方の端
    子に直接又は絶縁体を介して取付け、接続部導体または
    導線を前記直列回路のコンデンサとダイオードとの接続
    部に取付け、第2のコンデンサの一方の端子を前記コン
    デンサ側引き出し導体に取付け、且つこれの他方の端子
    を前記ダイオード側引き出し導体に取付け、これらコン
    デンサ,第2コンデンサ、ダイオード,絶縁体,コンデ
    ンサ側引き出し導体,ダイオード側引き出し導体,及び
    接続部導体または導線を樹脂で共通にモールドし、前記
    コンデンサ側引き出し導体の一端とダイオード側引き出
    し導体の一端と接続部導体の一端とを前記樹脂モールド
    から露出させる構造とすることを特徴とするスナバユニ
    ット。
  14. 【請求項14】請求項13に記載のスナバユニットにお
    いて、前記樹脂モールドから露出している前記コンデン
    サ側引き出し導体の一端とダイオード側引き出し導体の
    一端とを、当該スナバユニットに並列接続しているスイ
    ッチング素子の端子に接続することを特徴とするスナバ
    ユニット。
  15. 【請求項15】請求項13又は請求項14に記載のスナ
    バユニットにおいて、前記ダイオードの一方のリード線
    を前記コンデンサの一端にはんだ付け又は溶接により接
    続して前記直列回路を形成することを特徴とするスナバ
    ユニット。
  16. 【請求項16】請求項13,請求項14,請求項15の
    いずれかに記載のスナバユニットにおいて、前記ダイオ
    ードの一方のリード線を前記コンデンサの一端にはんだ
    付け又は溶接により接続する際に、前記接続部導体の代
    わりに前記ダイオードリード線を前記樹脂モールドより
    も外部に露出させることを特徴とするスナバユニット。
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