JPH0778972A - 電荷転送装置 - Google Patents

電荷転送装置

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JPH0778972A
JPH0778972A JP5221066A JP22106693A JPH0778972A JP H0778972 A JPH0778972 A JP H0778972A JP 5221066 A JP5221066 A JP 5221066A JP 22106693 A JP22106693 A JP 22106693A JP H0778972 A JPH0778972 A JP H0778972A
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JP
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electrode
region
charge
charge transfer
potential
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JP5221066A
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English (en)
Inventor
Seiichi Kawamoto
聖一 川本
Tadakuni Narabe
忠邦 奈良部
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PG電極に供給する電圧に昇圧回路を介在さ
せることなく、PG電極下にFG電極下のポテンシャル
井戸よりも深いポテンシャルが得られるような電荷転送
装置を提供する。 【構成】 電荷検出部4においては、高濃度のN形不純
物拡散領域が形成された後、第1のOG領域12b上に
第1のOG電極18bが、PG領域14上にPG電極1
9が1層目の電極層として形成され、この1層目の電極
層18b,19をマスクとして、選択的にP形不純物を
イオン注入することにより、FG領域13を低濃度のN
形不純物拡散領域とする。FG電極17は2層目の電極
層として形成される。なお、PG領域14は、N形不純
物拡散領域を電荷転送方向に向かって広くなるような形
状にパターニングすることによって、電荷転送方向に向
かって下り傾斜のポテンシャルが形成されるようにして
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電荷転送装置に関し、
特にCCD固体撮像装置の出力部を含む電荷転送段に使
用して好適な電荷転送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、CCD固体撮像装置の出力部を
含む電荷転送段として用いられる電荷転送装置は、信号
電荷を順次転送する電荷転送部と、フローティング・デ
ィフュージョン・アンプあるいはフローティング・ゲー
ト・アンプにて構成される電荷検出部とから構成されて
いる。
【0003】特に、フローティング・ゲート・アンプに
よる電荷検出部は、フローティングゲートを用いて、信
号電荷の塊りの大きさをこのフローティングゲートにイ
メージ電荷として非破壊的に検出することができ、しか
も、高密度化が容易であり、寄生容量も小さく、高感度
でノイズも少ないという特徴を有する。
【0004】従来の電荷転送装置は、図6に示すよう
に、例えばP形のシリコン基板(図示せず)を基体とし
て、信号電荷eを順次転送する電荷転送部101と、こ
の電荷転送部101を転送してくる信号電荷eを検出す
る電荷検出部102とから構成されている。
【0005】電荷転送部101は、例えば互いに逆相の
2相クロックパルスP1 ,P2 を用いて信号電荷eを転
送するいわゆる2相駆動の転送方式の構成を有し、例え
ば上記P形のシリコン基板の表面上部に信号電荷eの転
送路である電荷転送チャネル領域(図示せず)が形成さ
れ、この電荷転送チャネル領域上に、トランスファ・ゲ
ート(以下、TGと記す)電極103とストレージ・ゲ
ート(以下、SGと記す)電極104を1組とする転送
電極が多数組、それぞれ一方向に配列されて構成されて
いる。
【0006】そして、例えば奇数組のTG電極103a
及びSG電極104aに、一方のクロックパルスP1
入力端子φ1 を介して供給され、偶数組のTG電極10
3b及びSG電極104bに他方のクロックパルスP2
が入力端子φ2 を介して供給されることにより、信号電
荷eを電荷検出部102側に2相駆動方式で転送するよ
うになっている。
【0007】電荷検出部102は、電荷転送部101か
ら転送されてくる信号電荷eを非破壊的に検出するフロ
ーティング・ゲート・アンプで構成される。このフロー
ティング・ゲート・アンプは、電荷転送部101の最終
段であるSG電極104bに隣接して形成された第1の
出力ゲート(以下、第1のOGと記す)電極105と、
フローティング・ゲート(以下、FGと記す)電極10
6と、プリチャージ・ゲート(以下、PGと記す)電極
107a,107bと、第2の出力ゲート(以下、第2
のOGと記す)電極108と、ドレイン領域109から
構成される。なお、PG電極107a,107bは、電
荷転送部101の転送電極と同様に、2つの電極から構
成され、FG電極106に隣接する一方のPG電極10
7a下のポテンシャル障壁の高さが、他方のPG電極1
07b下のポテンシャル障壁よりも高くなるように設定
されている。
【0008】FG電極106に隣接する一方のPG電極
107a下のポテンシャル障壁の高さを、他方のPG電
極107b下のポテンシャル障壁よりも高くなるように
設定するには、FG電極106に隣接する一方のPG電
極107a下のチャネル領域112を低濃度のN形不純
物拡散領域とし、他方のPG電極107b下のチャネル
領域113を高濃度のN形不純物拡散領域とする。これ
により、熱的平衡状態において、各チャネル領域11
2,113のポテンシャルを、チャネル領域112を浅
く、チャネル領域113を深くできる。即ち、電荷転送
方向に向かって下り階段状のポテンシャルが形成でき
る。
【0009】上記第1のOG電極105及び第2のOG
電極108には、それぞれ入力端子φ3 ,φ5 を介して
直流電圧Vog1,Vog2が供給され、これによっ
て、第1のOG電極105及び第2のOG電極108下
にそれぞれ固定のポテンシャル障壁が形成される。ま
た、PG電極107a,107bには、入力端子φ4
介してコントロールパルスPgが供給され、これによっ
て、PG電極107a,107b下のポテンシャルが高
くなり、一方のPG電極107a下のポテンシャル障壁
がFG電極106下のポテンシャル井戸よりも下がる。
このとき、FG電極106下のポテンシャル障壁を越え
て他方のPG電極107b下に転送される。
【0010】そして、上記PG電極107a,107b
へのコントロールパルスPgの印加が停止されることに
よって、PG電極107a,107b下のポテンシャル
が低くなり、再び初期の状態、即ち図示するように、他
方のPG電極107b下のポテンシャル障壁が、隣接す
る第2のOG電極108下のポテンシャル障壁よりも高
くなる。このとき、他方のPG電極107b下に蓄積さ
れていた信号電荷eが第2のOG電極108下のポテン
シャル障壁を越えて隣のドレイン領域109に掃き出さ
れることになる。
【0011】また、上記FG電極106には、ゲート電
極にリセットパルスPrが供給され、ドレイン端子にリ
セット用の電源電圧Vrが供給されるスイッチングトラ
ンジスタTrのソースが接続されている。このスイッチ
ングトランジスタTrのゲート電極に、上記リセットパ
ルスPrを供給することにより、FG電極106下のポ
テンシャルがVrレベルに固定(リセット)される。ま
た、このFG電極106は、その後段において例えばソ
ースフォロア回路から構成される増幅器110が接続さ
れており、上記FG電極106下に転送・蓄積された信
号電荷eによる電圧変化が、上記増幅器110に供給さ
れ、出力信号Sとして出力端子φout から出力される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のような構成を有
する電荷転送装置において、信号電荷eは、FG電極1
06下のポテンシャル井戸に蓄積され、出力信号Sが取
り出された後、PG電極107a,107b、第2のO
G電極下を通過してドレイン領域109へと掃き出され
なければならないが、そのためには、PG電極107a
下のポテンシャル障壁をFG電極106下のポテンシャ
ル井戸よりも深くすることが必要となる。
【0013】しかし、FG電極106に供給されるリセ
ット用の電源電圧Vrは、かなり大きいものであるた
め、PG電極107a下において、FG電極106下の
ポテンシャル井戸よりも深いポテンシャルを得るために
は、さらに大きな電圧を必要とする。また、従来の電荷
転送装置においては、FG電極106下の転送路111
は、高濃度のN形不純物拡散領域(図6中Nで示す)で
あるのに対し、PG電極107a下の転送路112は、
低濃度のN形不純物拡散領域(図6中N- で示す)であ
るため、PG電極107a下においては、より一層の大
きな電圧をかけなければ、FG電極106下のポテンシ
ャル井戸よりも深いポテンシャルを得ることができな
い。
【0014】このため、PG電極107aに供給する電
圧と、FG電極106に供給するリセット用の電源電圧
Vrとを同一の電源から得ようとすると、PG電極10
7aに供給する電圧には、昇圧回路を介在させなければ
ならない。
【0015】ところが、通常、昇圧回路はチャージポン
プタイプが用いられ、広い容量面積を必要とする。そし
て、これにより、電荷転送101の形成面積並びに周辺
回路の形成面積が圧迫され、電荷転送部101における
転送段数の増大及び周辺回路の同一基板への形成、即ち
オンチップ化が困難になる。
【0016】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、PG電極107aに供給する
電圧に昇圧回路を介在させることなく、PG電極107
a下において、FG電極106下のポテンシャル井戸よ
りも深いポテンシャルが得られるような電荷転送装置を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために提案されたものであり、電荷転送部3か
ら出力ゲートを介して転送された信号電荷eを蓄積して
電圧信号に変換し、かつリセットパルスPrの印加によ
ってリセット動作を行う電荷電圧変換部と、上記電荷電
圧変換部に蓄積された信号電荷eをコントロールパルス
Pgの印加によって次段に転送するプリチャージ・ゲー
トとを有する電荷転送装置において、上記電荷電圧変換
部とプリチャージ・ゲートとを同電位にしたとき、上記
電荷電圧変換部におけるポテンシャルが、プリチャージ
・ゲートにおけるポテンシャルよりも浅くなるように構
成されたものである。
【0018】そして、上記電荷電圧変換部は、該電荷電
圧変換部に隣接する上記出力ゲート及び上記プリチャー
ジ・ゲートをそれぞれ構成する電極層よりも上層の電極
層で形成されていることが好ましい。
【0019】また、上記プリチャージ・ゲートにおける
チャネル領域の電位勾配は、選択的な不純物導入によっ
て電荷転送方向に向かって下り傾斜であることが好まし
い。
【0020】上記プリチャージ・ゲートにおけるチャネ
ル領域の電位勾配を電荷転送方向に向かって下り傾斜と
するには、例えば、上記プリチャージ・ゲートにおける
チャネル領域のパターン形状を、該チャネル領域に電荷
転送方向に向かって下り傾斜となる電位勾配が形成され
る形状とすればよい。
【0021】
【作用】本発明を適用して、電荷電圧変換部とプリチャ
ージ・ゲートとを同電位にしたとき、上記電荷電圧変換
部におけるポテンシャルが、プリチャージ・ゲートにお
けるポテンシャルよりも浅くなるように構成すると、プ
リチャージ・ゲートに昇圧回路をつながなくとも、電荷
電圧変換部とプリチャージ・ゲートとに同一の電源から
電圧をかけることが可能となる。
【0022】具体的に、上記電荷電圧変換部におけるポ
テンシャルを、プリチャージ・ゲートにおけるポテンシ
ャルよりも浅くするには、電荷電圧変換部におけるチャ
ネル領域に拡散されるN形不純物の濃度を、プリチャー
ジ・ゲートにおけるチャネル領域に拡散されるN形不純
物の濃度より低くすることが考えられる。
【0023】通常、上述のように、チャネル領域のN形
不純物拡散濃度を異ならせるには、先ず、P形のシリコ
ン基板の表面に、N形不純物をイオン注入し、高濃度の
N形不純物拡散領域(N領域)を形成する。そして、前
記N領域が形成されたシリコン基板上に、1層目の電極
層をパターニングし、さらに、この1層目の電極層をマ
スクとして、シリコン基板表面にP形不純物をイオン注
入することによって、選択的に低濃度のN形不純物拡散
領域(N- 領域)を形成する。その後、ゲート絶縁膜を
介して2層目の電極層を形成することによって、N領域
のチャネル領域上に下層側の電極、N- 領域のチャネル
領域上に上層側の電極が形成されることになる。
【0024】したがって、上記電荷電圧変換部を構成す
る電極を、該電荷電圧変換部に隣接する上記出力ゲート
及び上記プリチャージ・ゲートをそれぞれ構成する電極
層よりも上層とすると、電荷電圧変換部を構成する電極
下のチャネル領域に、P形不純物をイオン注入すること
ができ、プリチャージ・ゲートにおけるチャネル領域よ
り、低濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)を形成す
ることができる。
【0025】これにより、プリチャージ・ゲートにおけ
るポテンシャルを電荷電圧変換部におけるポテンシャル
よりも深くすることが可能となるのである。
【0026】また、本発明のように、上記プリチャージ
・ゲートにおけるチャネル領域の電位勾配を、選択的な
不純物導入によって電荷転送方向に向かって下り傾斜に
なるように構成すると、電荷電圧変換部におけるポテン
シャル井戸に蓄積されていた信号電荷eが、この電荷電
圧変換部に隣接するプリチャージ・ゲートにおけるポテ
ンシャル障壁を越えた後、ドレイン領域に向かってスム
ーズに転送される。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係る電荷転送装置をCCD固
体撮像素子の出力部を含む電荷転送段に適用した実施例
(以下、単に実施例に係る電荷転送装置と記す)を図1
から図5を参照しながら説明する。
【0028】実施例1 この実施例に係る電荷転送装置1は、図1に示すよう
に、例えばP形のシリコン基板(あるいはウェル領域、
以下の説明では、便宜上、シリコン基板を対象とする)
2を基体として、入力部(図示せず)と、この入力部か
ら送出される信号電荷を順次転送する電荷転送部3と、
この電荷転送部3が転送してくる信号電荷を検出する電
荷検出部4とが設けられている。なお、入力部は信号電
荷を上記電荷転送部3に送出できるように周知の構造に
て構成される。
【0029】上記電荷転送部3は、互いに逆相の駆動パ
ルスP1 及びP2 を用いて信号電荷を転送するいわゆる
2相駆動の転送方式の構成を有する。
【0030】即ち、図1及び図2にその一部を示すよう
に、シリコン基板2の表面部分に、信号電荷の転送路
(N形の電荷転送チャネル領域)5となる低濃度のN形
不純物拡散領域によるトランスファゲート(以下、単に
TGと示す)領域6a,6b並びに、高濃度のN形不純
物拡散領域によるストレージゲート(以下、単にSGと
示す)領域7a,7bが順次互い違いに一方向に連なっ
たかたちで配列されて形成されている。
【0031】上記N形不純物拡散領域(6a,6b)及
び(7a,7b)の濃度の違いにより、熱的平衡状態に
おける各不純物拡散領域(6a,6b)及び(7a,7
b)のポテンシャルは、図2に示すように、TG領域6
a,6bが低レベル、SG領域7a,7bが高レベルと
なる。即ち、TG領域6a,6b並びにSG領域7a,
7b間で、電荷検出部4に向かって下り階段状のポテン
シャルが形成される。
【0032】そして、上記電荷転送チャネル領域5上に
は、例えばSiO2 等からなるゲート絶縁膜8を介して
例えば2層目の多結晶シリコン層からなるTG電極10
a,10bと、1層目の多結晶シリコン層からなるSG
電極11a,11bが形成されている。即ち、TG領域
6に対応した部分に形成されたTG電極10と、SG領
域7に対応した部分に形成されたSG電極11を1組と
した転送電極が多数組、一方向に配列されて形成されて
いる。
【0033】そして、例えば奇数組のTG電極10a及
びSG電極11aに、一方の駆動パルスP1 が入力端子
φ1 を介して供給され、偶数組のTG電極10b及びS
G電極11bに、他方の駆動パルスP2 が入力端子φ2
を介して供給されることにより、信号電荷eを電荷検出
部4側に2相駆動方式で転送するようになっている。
【0034】即ち、入力部(図示せず)から転送された
信号電荷eは、奇数組の転送電極10a,11a、並び
に偶数組の転送電極10b,11bに対してそれぞれ2
相の駆動パルスP1 及びP2 が印加されることにより、
上記TG領域6とSG領域7との各ポテンシャルの違い
から、電荷転送部3の電荷転送チャネル領域5、即ち例
えば奇数組のTG領域6a及びSG領域7a、並びに偶
数組のTG領域6b及びSG領域7bを順次転送される
ことになる。
【0035】電荷検出部4は、電荷転送部3から転送さ
れてくる信号電荷eを非破壊的に検出するフローティン
グ・ゲート・アンプで構成される。即ち、電荷転送部3
の最終段であるSG領域7bの隣りにN形の第1の出力
ゲート(以下、単に第1のOGと記す)領域12a,1
2bを間に挟んで、N形のフローティング・ゲート(以
下、単にFGと記す)領域13が形成され、このFG領
域13の隣りに、N形のプリチャージ・ゲート(以下、
単にPGと記す)領域14が形成されている。
【0036】上記PG領域14は、高濃度のN形不純物
拡散領域にて形成され、このPG領域14の隣りには、
PG領域14と同じく高濃度のN形不純物拡散領域にて
形成された第2の出力ゲート(以下、単に第2のOGと
記す)領域15を間に挟み、N形のドレイン領域16が
形成されている。
【0037】なお、本実施例に係る電荷転送装置1の電
荷検出部4においては、上記第1のOG領域12が2つ
の領域よりなる点と、上記PG領域14が1つの領域の
みよりなる点とが特徴的である。
【0038】上記第1のOG領域12は、FG領域13
に隣接する一方の第1のOG領域12bが高濃度のN形
不純物拡散領域にて形成され、他方の第1のOG領域1
2aが低濃度のN形不純物拡散領域にて形成されてい
る。これによって、第1のOG領域12a,12b間
で、ドレイン領域16に向かって下り階段状のポテンシ
ャルが形成される。
【0039】また、上記PG領域14は、選択的な不純
物導入によって電荷転送方向に向かって下り傾斜の電位
勾配が形成されている。例えば、後述するように、PG
領域14における高濃度のN形不純物拡散領域のパター
ン形状を、電荷転送方向に向かって下り傾斜の電位勾配
が形成される形状とする。
【0040】そして、上記電荷転送チャネル領域5上に
は、例えばSiO2 等からなるゲート絶縁膜8を介し
て、多結晶シリコンからなる電極層が形成されている。
具体的には、第1のOG領域12b上には第1のOG電
極18bが、PG領域14上にはPG電極19が、それ
ぞれ下層の電極層として形成されている。また、第1の
OG領域12a上には第1のOG電極18aが、FG領
域13上にはFG電極17が、第2のOG領域15上に
は第2のOG電極20が、それぞれ上層の電極層として
形成されている。
【0041】上記第1のOG電極18a,18b及び第
2のOG電極20には、それぞれ入力端子φ3 及び入力
端子φ5 を介して直流電圧Vog1及び直流電圧Vog
2が供給され、これによって、第1のOG電極18a,
18b及び第2のOG電極20下にそれぞれ固定のポテ
ンシャル障壁が形成される。一方、FG電極17は、同
一のシリコン基板2上に形成される例えばソースフォロ
ア回路からなる増幅器21を介して出力端子φout に接
続されている。また、このFG電極17は、ゲート電極
にリセットパルスPrが供給され、ドレイン端子にリセ
ット用の電源電圧Vrが供給されるスイッチングトラン
ジスタ(Nチャネル形MOSトランジスタ)Trのソー
スに接続されている。また、PG電極19には、後述す
るコントロールパルスPgが入力端子φ4 を介して供給
される。
【0042】そして、スイッチングトランジスタTrの
ゲート電極にリセットパルスPrが印加されると、スイ
ッチングトランジスタTrがオン動作し、FG電極17
を電源電圧レベルVrに固定する。このとき、FG電極
17下のポテンシャルは、上記電源電圧レベルVrに相
当するレベルまで上昇し、FG電極17下にポテンシャ
ル井戸が形成されたかたちとなる。即ち、上記リセット
パルスPrが印加されることにより、FG電極17に対
してリセット動作が行われることになる。
【0043】この状態で、電荷転送部3の最終段から信
号電荷eがFG電極17下のFG領域13に転送される
と、FG電極17とシリコン基板2間の静電容量が変化
し、FG領域に転送された信号電荷eの量に対応した電
圧変化が生じる。この電圧変化は、後段の増幅器21に
て増幅され、出力信号Sとして出力端子φout より取り
出される。
【0044】一方、上記FG電極17下に信号電荷eが
蓄積されている状態で、PG電極19にコントロールパ
ルスPgが印加されると、PG電極19下のポテンシャ
ルが深くなり、FG電極17に隣接するPG電極19下
のポテンシャル障壁がFG電極17下のポテンシャル井
戸よりも下がる。このとき、FG電極下のポテンシャル
井戸に蓄積されていた信号電荷eが、PG電極19下の
ポテンシャル障壁を越えてPG電極19下に転送され
る。
【0045】そして、上記PG電極19へのコントロー
ルパルスPgの印加が停止されることによって、PG電
極19下のポテンシャルが浅くなり、再び初期の状態、
即ち図2に示すように、PG電極19下のポテンシャル
障壁が、隣接する第2のOG電極20下のポテンシャル
障壁よりも浅くなる。このとき、PG電極19下に蓄積
されていた信号電荷eが第2のOG電極20下のポテン
シャル障壁を越えて隣りのドレイン領域16に掃き出さ
れることになる。
【0046】上述のような構成を有する電荷転送装置1
において、N形の電荷転送チャネル領域5及び電極層を
形成するには、次のような工程に従う。
【0047】先ず、P形のシリコン基板2の表面に、N
形の不純物、例えばリン(P)をイオン注入することに
より、高濃度のN形不純物拡散領域(N領域)がシリコ
ン基板2の表面全体に形成される。その後、上記高濃度
のN形不純物拡散領域(N領域)上に、ゲート絶縁膜8
を介して1層目の多結晶シリコン層をパターニングす
る。さらに、形成された1層目の多結晶シリコン層をマ
スクとして、選択的にP形の不純物、例えばホウ素
(B)をイオン注入し、低濃度のN形不純物拡散領域
(N- 領域)を形成する。そして、上記低濃度のN形不
純物拡散領域(N- 領域)上に、ゲート絶縁膜8を介し
て2層目の多結晶シリコン層を形成する。
【0048】したがって、電荷転送チャネル領域5は、
電荷転送部3から電荷検出部4に亘り、順に高濃度のN
形不純物拡散領域(N領域)と低濃度のN形不純物拡散
領域(N- 領域)とを繰り返す構成となっている。そし
て、高濃度のN形不純物拡散領域(N領域)上に第1層
目の電極層が形成され、第2のOG領域15を除いて、
低濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)上に第2の電
極層が形成される構成となっている。
【0049】即ち、電荷転送部3においては、高濃度の
N形不純物拡散領域(N領域)上に第1層目の電極層と
してSG電極11a,11bを形成してから、低濃度の
N形不純物拡散領域(N- 領域)を形成し、この上に第
2の電極層としてTG電極10a,10bを形成してい
る。
【0050】また、電荷検出部4においては、高濃度の
N形不純物拡散領域(N領域)が形成された後、FG領
域13に隣接する一方の第1のOG領域12b上に第1
のOG電極18bが、同じくFG領域13に隣接するP
G領域14上にPG電極19が1層目の電極層として形
成される。さらに、この1層目の電極層18b,19を
マスクとして、選択的にP形不純物をイオン注入するこ
とによって、FG領域13に隣接しない第1のOG領域
12aとFG領域13とが低濃度のN形不純物拡散領域
(N- 領域)となる。そして、上記第1のOG領域12
a上及びFG領域13上には、ゲート絶縁膜8を介し
て、それぞれ第1のOG電極18a及びFG電極17が
2層目の電極層として形成される。
【0051】このように、上記FG電極17を、該FG
電極17に隣接する第1のOG電極18b及びPG電極
19よりも上層とすると、FG電極17下のFG領域1
3に、P形不純物をイオン注入することができ、PG領
域14より低濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)を
形成することができる。これにより、PG領域14にお
けるポテンシャルをFG領域13におけるポテンシャル
よりも深くすることが可能となるのである。
【0052】なお、上記PG領域14となるシリコン基
板2の表面部分にN形不純物拡散領域を形成する際に
は、選択的なイオン注入によって電荷転送方向に向かっ
て下り傾斜の電位勾配が形成されるように行われる。上
記電荷転送方向に向かって下り傾斜の電位勾配は、PG
領域14のパターン形状によって達成できる。このパタ
ーン形状の一例を、図3にPG領域14付近の電荷転送
チャネル領域5の上面を電極位置と対応させて示す。例
えば、PG領域14は、高濃度のN形不純物拡散領域
(N領域)が、PG領域14の電荷転送方向始端から終
端にかけて連続的に広がった形状となるようにパターニ
ングされる。なお、N形不純物が導入されなかった領域
はチャネルストッパー22となり、電荷転送が行われる
範囲を規定している。
【0053】PG領域14を上述のようなパターン形状
とすると、電荷転送チャネル領域5における電荷転送方
向の単位長さ当りのN形不純物の量は、下流側ほど多く
なる。即ち、同電位におけるポテンシャルは下流側ほど
深くなり、電荷転送方向に向かって下り傾斜の電位勾配
が形成されることになる。
【0054】なお、第2のOG領域15には、P形不純
物をイオン注入して低濃度のN形不純物拡散領域(N-
領域)とすることなく、高濃度のN形不純物拡散領域
(N領域)のまま、第2のOG電極20が2層目の電極
層として形成される。第2のOG電極20下のポテンシ
ャルは、PG電極19へのコントロールパルスPgの印
加が停止されたときに、PG電極19下のポテンシャル
よりも深くなっている必要があり、このため、第2のO
G電極20には、直流電圧Vog2が供給されている。
したがって、第2のOG領域15を低濃度のN形不純物
拡散領域(N- 領域)としても、大きな直流電圧Vog
2を供給することによって、深いポテンシャルを得るこ
とができるが、第2のOG領域15が高濃度のN形不純
物拡散領域(N領域)である方が、供給する直流電圧V
ogが小さくて済む。
【0055】以上のように、本実施例に係る電荷転送装
置1は、FG電極17に印加するリセットパルスPr
と、PG電極19に印加するコントロールパルスPgと
して用いる電圧を同電位にしたとき、上記FG電極17
下のポテンシャルが、該FG電極17に隣接するPG電
極19下のポテンシャルよりも浅くなるように構成され
ている。したがって、PG電極19には、FG電極17
に印加されるリセット用の電源電圧Vrと同じ大きさの
電圧を印加することによって、FG領域13下に蓄積さ
れた信号電荷eを、PG領域14へ転送することが可能
である。
【0056】これにより、PG電極19を昇圧回路につ
なぐことを不要とし、FG電極17とPG電極19とに
同一の電源から電圧を印加することを可能とする。した
がって、昇圧回路が広い容量面積を占有して、電荷転送
部3の形成面積並びに周辺回路の形成面積を圧迫するこ
とがなくなる。
【0057】また、本実施例に係る電荷転送装置1にお
いては、PG領域14の電位勾配が電荷転送方向に向か
って下り傾斜となるように構成されているので、FG領
域13におけるポテンシャル井戸に蓄積されていた信号
電荷eを、PG領域14におけるポテンシャル障壁を越
えた後、ドレイン領域に向かってスムーズに転送でき
る。
【0058】実施例2 上述した実施例1においては、N形の電荷転送チャネル
領域5を形成するに際し、先ず、P形のシリコン基板2
の表面を高濃度のN形不純物拡散領域(N領域)とする
ことから開始したが、本実施例に係る電荷転送装置にお
いては、先ず、低濃度のN形不純物拡散領域(N-
域)を形成することから開始する点を特徴とする。
【0059】図4に示す本実施例に係る電荷転送装置3
1は、実施例1の電荷転送装置1同様、例えばP形のシ
リコン基板32を基体として、入力部(図示せず)と、
この入力部から送出される信号電荷eを順次転送する電
荷転送部33と、この電荷転送部3が転送してくる信号
電荷eを検出する電荷検出部34とが設けられてなる。
【0060】上記電荷転送部33は、互いに逆相の駆動
パルスP1 ,P2 を用いて信号電荷を転送するいわゆる
2相駆動の転送方式の構成を有する点においては、実施
例1の電荷転送装置1同様である。
【0061】即ち、図4及び図5にその一部を示すよう
に、シリコン基板32の表面部分に、信号電荷の電荷転
送チャネル領域35となる低濃度のN形不純物拡散領域
(N - 領域)によるTG領域36a,36b、高濃度の
N形不純物拡散領域(N領域)によるSG領域37a,
37bが順次互い違いに一方向に連なったかたちで配列
されて形成されている。そして、TG領域36に対応し
た部分上にはTG電極40、SG領域37に対応した部
分上にはSG電極41がそれぞれ形成されている。例え
ば奇数組のTG電極40a及びSG電極41aに、一方
の駆動パルスP 1 が入力端子φ1 を介して供給され、偶
数組のTG電極40b及びSG電極41bに、他方の駆
動パルスP2 が入力端子φ2 を介して供給されることに
より、信号電荷eを電荷検出部34側に2相駆動方式で
転送するようになっている。
【0062】但し、本実施例においては、低濃度のN形
不純物拡散領域(N- 領域)であるTG領域36a,3
6b上に形成されるTG電極40a,40bは、1層目
の電極層より形成され、高濃度のN形不純物拡散領域
(N領域)であるSG領域37a,37b上に形成され
るSG電極41a,41bは、2層目の電極層より形成
されている。すなわち、TG電極40とSG電極41と
の上下関係が実施例1に係る電荷転送装置1とは逆とな
っている。
【0063】上記電荷検出部34は、フローティング・
ゲート・アンプより構成されるものであり、電荷転送部
33の最終段であるSG領域37bの隣りにN形の第1
のOG領域42を間に挟んで、N形のFG領域43が形
成され、このFG領域43の隣りに、N形のPG領域4
4a及び44bが形成されているが、上記第1のOG領
域12が低濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)より
なる1つの領域のみから形成されている点で実施例1と
異なっている。
【0064】なお、上記PG領域44は、FG領域43
に隣接する一方のPG領域44aが低濃度のN形不純物
拡散領域(N- 領域)にて形成され、他方のPG領域4
4bが高濃度のN形不純物拡散領域(N領域)にて形成
されている。また、上記他方のPG領域44bの隣りに
は、N形の第2のOG領域45を間に挟んでN形のドレ
イン領域46が形成されている。
【0065】そして、上記電荷転送チャネル領域35上
には、例えばSiO2 等からなるゲート絶縁膜38を介
して、多結晶シリコンからなる電極層が形成されてい
る。具体的には、第1のOG領域42上には第1のOG
電極48が、PG領域44a上にはPG電極49aが、
第2のOG領域45上には第2のOG電極50が、それ
ぞれ下層の電極層として形成されており、FG領域43
上にはFG電極47が、PG領域44b上にはPG電極
49bが、それぞれ上層の電極層として形成されてい
る。
【0066】上記、第1のOG電極48及び第2のOG
電極50には、それぞれ入力端子φ 3 ,φ5 を介して直
流電圧Vog1,Vog2が供給され、これによって、
第1のOG電極48及び第2のOG電極50下にそれぞ
れ固定のポテンシャル障壁が形成される。一方、FG電
極47は、同一のシリコン基板32上に形成される例え
ばソースフォロア回路からなる増幅器51を介して出力
端子φout に接続されている。また、このFG電極47
は、ゲート電極にリセットパルスPrが供給され、ドレ
イン端子にリセット用の電源電圧Vrが供給されるスイ
ッチングトランジスタ(Nチャネル形MOSトランジス
タ)Trのソースに接続されている。また、PG電極4
9a,49bには、後述するコントロールパルスPgが
入力端子φ4 を介して供給される。
【0067】そして、実施例1に係る電荷転送装置1と
同様にして、電荷転送部33の最終段から転送された信
号電荷eの量をFG電極47とシリコン基板32間の静
電容量の変化により検出し、ドレイン領域46に掃き出
すように動作する。
【0068】上述のような構成を有する電荷転送装置3
1において、N形の電荷転送チャネル領域5及び電極層
を形成するには、次のような工程に従う。
【0069】先ず、P形のシリコン基板32の表面に、
N形の不純物、例えばリン(P)をイオン注入すること
により、低濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)をシ
リコン基板32の表面全体に形成する。その後、上記低
濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)上に、ゲート絶
縁膜38を介して1層目の多結晶シリコン層をパターニ
ングする。さらに、形成された1層目の多結晶シリコン
層をマスクとして、選択的にN形の不純物、例えば砒素
(As)をイオン注入し、高濃度のN形不純物拡散領域
(N領域)を形成する。そして、上記高濃度のN形不純
物拡散領域(N領域)上に、ゲート絶縁膜38を介して
2層目の多結晶シリコン層を形成する。
【0070】したがって、電荷転送チャネル領域35
は、FG領域43を除いて、電荷転送部33から電荷検
出部34に亘り、順に高濃度のN形不純物拡散領域(N
領域)と低濃度のN形不純物拡散領域(N- 領域)とを
繰り返す構成となっている。そして、低濃度のN形不純
物拡散領域(N- 領域)上に第1層目の電極層が形成さ
れ、FG電極47を除いて、高濃度のN形不純物拡散領
域(N領域)上に第2の電極層が形成される構成となっ
ている。
【0071】即ち、電荷転送部33においては、低濃度
のN形不純物拡散領域(N- 領域)上に第1層目の電極
層としてTG電極40a,40bを形成してから、高低
濃度のN形不純物拡散領域(N領域)を形成し、この上
に第2の電極層としてSG電極41a,41bを形成し
ている。
【0072】また、電荷検出部34においては、低濃度
のN形不純物拡散領域(N- 領域)が形成された後、F
G領域43に隣接する第1のOG領域42上に第1のO
G電極48、FG領域43に隣接する一方のPG領域4
4a上にPG電極49a、第2のOG領域45上に第2
のOG電極50が1層目の電極層としてそれぞて形成さ
れる。
【0073】そして、PG電極49a及び第2のOG電
極50をマスクとして、選択的にN形不純物をイオン注
入することによって、PG領域44bを高濃度のN形不
純物拡散領域(N領域)とする。また、FG領域43
を、第1のOG電極48及びPG電極49aをマスクと
して、選択的にP形不純物をイオン注入して、さらに低
濃度のN形不純物拡散領域(N--領域)とする。その
後、上記FG領域13及びPG領域44b上には、ゲー
ト絶縁膜38を介して、FG電極37及びPG電極49
bが2層目の電極層として形成される。
【0074】このように、上記FG電極47を、該FG
電極47に隣接する第1のOG電極48及びPG電極4
9aよりも上層とすると、FG領域43にP形不純物を
イオン注入することができ、PG領域44aより、低濃
度のN形不純物拡散領域(N --領域)を形成することが
できる。これにより、PG領域44aにおけるポテンシ
ャルをFG領域43におけるポテンシャルよりも深くす
ることが可能となるのである。
【0075】以上のように、本実施例に係る電荷転送装
置31は、FG電極47に印加するリセットパルスPr
と、PG電極49に印加するコントロールパルスPgと
して用いる電圧を同電位にしたとき、上記FG電極47
下のポテンシャルが、該FG電極47に隣接するPG電
極49a下のポテンシャルよりも浅くなっている。した
がって、PG電極49には、FG電極47に印加される
リセット用の電源電圧Vrと同じ大きさの電圧を印加す
ることによって、FG領域43下に蓄積された信号電荷
eを、PG領域44へ転送することが可能である。
【0076】これにより、本実施例に係る電荷転送装置
31は、従来の電荷転送装置100に比して電極の数を
増やしたり、構造を複雑化することなく、PG電極49
を昇圧回路をつなぐことを不要とし、FG電極47とP
G電極49とに同一の電源から電圧を印加することを可
能とする。したがって、昇圧回路が広い容量面積を占有
して、電荷転送部33の形成面積並びに周辺回路の形成
面積を圧迫することがなくなる。
【0077】なお、本実施例においては、PG電極49
を2つの電極から構成したが、もちろん実施例1に示す
ように1つの電極から構成し、チャネル領域の電位勾配
を、選択的な不純物導入によって電荷転送方向に向かっ
て下り傾斜になるようにしてもよい。
【0078】以上のように、実施例に係る電荷転送装置
1,31の構成は、従来の電荷転送装置100に比して
電極の数を増やすことなく、またその構成を複雑化する
ことなく、小型化及び高性能化を図ることを可能にする
ものである。
【0079】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
係る電荷転送装置は、電荷電圧変換部とプリチャージ・
ゲートとを同電位にしたとき、上記電荷電圧変換部にお
けるポテンシャルが、プリチャージ・ゲートにおけるポ
テンシャルよりも浅くなるように構成されているので、
プリチャージ・ゲートに昇圧回路をつながなくとも、同
一の電源から電圧をかけることが可能となる。したがっ
て、昇圧回路が広い容量面積を占有して、電荷転送部の
形成面積並びに周辺回路の形成面積を圧迫することがな
くなり、電荷転送装置の小型化が図れ、オンチップ化を
容易にする。
【0080】また、上記プリチャージ・ゲートにおける
チャネル領域の電位勾配を、選択的な不純物導入によっ
て電荷転送方向に向かって下り傾斜になるように構成す
ることによって、電荷電圧変換部におけるポテンシャル
井戸に蓄積されていた信号電荷eを、この電荷電圧変換
部に隣接するプリチャージ・ゲートにおけるポテンシャ
ル障壁を越えた後、ドレイン領域に向かってスムーズに
転送できる。
【0081】即ち、本発明の電荷転送装置は、従来型の
電荷転送装置に比して、電極の数を増やすことなく、ま
たその構成を複雑化することなく、小型化及び高性能化
を図ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電荷転送装置をCCD固体撮像素
子の出力部を含む電荷転送段に適用した一実施例(以
下、単に実施例1に係る電荷転送装置と記す)の構成を
模式的に示す断面図である。
【図2】実施例1に係る電荷転送装置のフローティング
・ゲート・アンプ付近におけるポテンシャル状態を示す
概略図である。
【図3】実施例1に係る電荷転送装置のプリチャージ・
ゲート付近における電極層断面とこれに対応するチャネ
ル領域上面とを示す概略図である。
【図4】実施例2に係る電荷転送装置の構成を模式的に
示す断面図である。
【図5】実施例2に係る電荷転送装置のフローティング
・ゲート・アンプ付近におけるポテンシャル状態を示す
概略図である。
【図6】従来例に係る電荷転送装置のフローティング・
ゲート・アンプ付近におけるポテンシャル状態を示す概
略図である。
【符号の説明】
1・・・電荷転送装置 2・・・シリコン基板 3・・・電荷転送部 4・・・電荷検出部 5・・・転送路 6・・・トランスファ・ゲート(TG)領域 7・・・ストレージ・ゲート(SG)領域 8・・・ゲート絶縁膜 10・・・トランスファ・ゲート(TG)電極 11・・・ストレージ・ゲート(SG)電極 12・・・第1の出力ゲート(OG)領域 13・・・フローティング・ゲート(FG)領域 14・・・プリチャージ・ゲート(PG)領域 15・・・第2の出力ゲート(OG)領域 16・・・ドレイン領域 17・・・フローティング・ゲート(FG)電極 18・・・第1の出力ゲート(OG)電極 19・・・プリチャージ・ゲート(PG)電極 20・・・第2の出力ゲート(OG)電極 21・・・増幅器 e・・・信号電荷 Pg・・・コントロールパルス Pr・・・リセットパルス Vr・・・リセット用電源電圧

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷転送部から出力ゲートを介して転送
    された信号電荷を蓄積して電圧信号に変換し、かつリセ
    ットパルスの印加によってリセット動作を行う電荷電圧
    変換部と、 上記電荷電圧変換部に蓄積された信号電荷をコントロー
    ルパルスの印加によって次段に転送するプリチャージ・
    ゲートとを有する電荷転送装置において、 上記電荷電圧変換部とプリチャージ・ゲートとを同電位
    にしたとき、上記電荷電圧変換部におけるポテンシャル
    が、プリチャージ・ゲートにおけるポテンシャルよりも
    浅いことを特徴とする電荷転送装置。
  2. 【請求項2】 上記電荷電圧変換部が、該電荷電圧変換
    部に隣接する上記出力ゲート及び上記プリチャージ・ゲ
    ートをそれぞれ構成する電極層よりも上層の電極層で形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の電荷転送
    装置。
  3. 【請求項3】 上記プリチャージ・ゲートにおけるチャ
    ネル領域の電位勾配が、選択的な不純物導入によって電
    荷転送方向に向かって下り傾斜であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の電荷転送装置。
  4. 【請求項4】 上記プリチャージ・ゲートにおけるチャ
    ネル領域のパターン形状が、該チャネル領域に電荷転送
    方向に向かって下り傾斜となる電位勾配が形成される形
    状であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求
    項3記載の電荷転送装置。
JP5221066A 1993-06-22 1993-09-06 電荷転送装置 Withdrawn JPH0778972A (ja)

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KR1019940013977A KR950002084A (ko) 1993-06-22 1994-06-21 전하전송장치
US08/487,887 US5536956A (en) 1993-06-22 1995-06-07 Charge transfer device with reduced parasitic capacitances for improved charge transferring
US08/476,028 US5539226A (en) 1993-06-22 1995-06-07 Charge transfer device having an output gate electrode extending over a floating diffusion layer
US08/554,344 US5640028A (en) 1993-06-22 1995-11-06 Charge transfer device with reduced parasitic capacitances for improved charge transferring
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009049808A1 (de) * 2007-10-11 2009-04-23 Max-Planck-Gesellschaft Zur F\Rderung Der Wissenschaften E.V. Depfet-transistor mit grossem dynamikbereich

Cited By (2)

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